JP5577905B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池を備える燃料電池システムと、燃料電池システムの制御方法とに関する。
従来、燃料電池の発電停止時において、圧力センサにより検出されるアノードのガス圧力が所定圧力以下に低下したときに、アノードへの燃料ガスの供給を再開する燃料電池システムが知られている(特許文献1)。この燃料電池システムによれば、発電停止時におけるアノードの水素不足に起因するカソード担体の形態変化を防止することができる。なお、「カソード担体」とは、カソードにおける触媒を担持する材料である。
特許第4028363号公報 特開2004−335448号公報
発電停止時には、早い段階でアノードのガス圧力が低下することから、前記従来の燃料電池システムでは、停止時における燃料ガスの再供給が頻繁に行われることになる。このために、前記従来の燃料電池システムでは、カソード担体の形態変化を防止することができるものの、燃料ガスの圧力変動の頻度が高くなり、電解質膜に過剰な負荷がかかる問題があった。
本発明は、発電停止時におけるカソード担体の形態変化を防止するとともに、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。本発明の一形態は、
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
所定のタイミングで、前記燃料電池への燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止する停止部と、
前記停止部による前記停止後、前記燃料電池の発電電圧の変化速度を算出する電圧変化速度算出部と、
前記電圧変化速度算出部により算出された前記発電電圧の変化速度が正の値となったときに、前記燃料電池へ燃料ガスを再供給する燃料再供給部と
を備え、
前記燃料再供給部は、
前記発電電圧の変化速度が正の値であり、かつ、前記発電電圧の変化加速度が負の値であるときに、前記燃料ガスの再供給を行う、燃料電池システム。
その他、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することも可能である。
[適用例1] 燃料電池を備える燃料電池システムであって、所定のタイミングで、前記燃料電池への燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止する停止部と、前記停止部による前記停止後、前記燃料電池の発電電圧の変化速度を算出する電圧変化速度算出部と、前記電圧変化速度算出部により算出された前記発電電圧の変化速度が正の値となったときに、前記燃料電池へ燃料ガスを再供給する燃料再供給部とを備える燃料電池システム。
一般に、燃料電池では、燃料ガスと酸化剤ガスとの供給が停止されると、発電電圧が次第に低下し、十分に低下した後、一時的に電圧上昇が見られる。カソード担体の形態変化は、この一時的な電圧上昇のときから短期間の後に生じる。上記構成の適用例1に係る燃料電池システムでは、発電電圧の変化速度が正の値となったとき、すなわち、電圧上昇が検知されたときに、アノードへの燃料ガスの再供給がなされることから、カソード担体の形態変化が生じる前でありながらその形態変化が生じる時点に近いタイミングでもって燃料ガスの再供給が行われることになる。このために、燃料電池の発電停止後、水素の再供給が行われる機会の数(すなわち回数)を削減することができる。
したがって、適用例1に係る燃料電池システムでは、発電停止時におけるカソード担体の形態変化の防止を図りながらも、燃料ガスの圧力変動の頻度が低いために、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の燃料電池システムであって、前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給後、前記電圧変化速度算出部により算出された前記発電電圧の変化速度が値0以下となったときに、前記燃料ガスの再供給を停止する再供給停止部を備える燃料電池システム。
適用例2に係る燃料電池システムによれば、発電電圧の変化速度が値0以下となったときには、燃料電池内における水素と酸素の反応がほぼ終了したと判断して、水素ガスの再供給を停止することができる。これにより、水素ガスの再供給量を必要最小限に抑えることができ、燃料電池システムの燃費が向上する。
[適用例3] 適用例1に記載の燃料電池であって、前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給後、前記アノードのガス圧力が所定圧力値を上回るときに、前記燃料ガスの供給を停止する燃料停止部を備える燃料電池システム。
適用例3に係る燃料電池システムによれば、アノードのガス圧力が所定圧力値を上回ったときには、燃料電池内における水素と酸素の反応がほぼ終了したと判断して、水素ガスの再供給を停止することができる。これにより、水素ガスの再供給量を必要最小限に抑えることができ、燃料電池システムの燃費が向上する。
[適用例4] 適用例1ないし3のいずれかに記載の燃料電池システムであって、前記燃料再供給部は、前記発電電圧の変化速度が正の値であり、かつ、前記発電電圧の変化加速度が負の値であるときに、前記燃料ガスの再供給を行う構成である、燃料電池システム。
適用例4に係る燃料電池システムによれば、カソード担体の形態変化が生じる時点に、より近いタイミングでもって、水素ガスの再供給を行うことができる。したがって、水素ガスの圧力変動の頻度がより低いために、電解質膜に過剰な負荷がかかることをより防止することができる。
[適用例5] 適用例1ないし4のいずれかに記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池システムの停止後、前記燃料電池の発電電圧が所定電圧値を下回るまでに要する経過時間を検出する低下時間検出部と、前記低下時間検出部により検出された経過時間が所定時間以下であるか否かを判定する低下時間判定部とを備え、前記燃料再供給部は、前記停止時間判定部により前記経過時間が所定時間以下であると判定されたときに、前記燃料電池システムの次回以降の起動後の停止時において、前記燃料ガスの再供給を行なう構成である、燃料電池システム。
適用例5に係る燃料電池によれば、停止時間判定部による判定により、電解質膜の機能低下を検知することができる。この機能低下が検知された場合に、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
[適用例6] 適用例1ないし5のいずれかに記載の燃料電池システムであって、前記判定部は、前記燃料電池のカソードと接続される酸化剤ガス通路に設けられ、前記燃料電池に備えられる電解質膜と同種の電解質膜を備えるモニター用燃料電池と、前記モニター用燃料電池の発電電圧を検出する電圧センサと、前記電圧センサにより検出された発電電圧を、前記判定部の判定対象である前記燃料電池の発電電圧として、前記判定を行う判定実行部とを備える燃料電池システム。
適用例6に係る燃料電池システムによれば、適用例1に係る燃料電池システムと同様に、発電停止時におけるカソード担体の形態変化を防止するとともに、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
[適用例7] 適用例1ないし6のいずれかに記載の燃料電池システムであって、前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給時に、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを前記アノードに循環させるための循環ポンプを作動させるポンプ制御部を備える燃料電池システム。
適用例7に係る燃料電池システムによれば、燃料ガスの再供給時にアノード出口に濃縮されて貯まっている窒素を、循環ポンプによるアノードオフガスの流れにより吹き飛ばすことができることから、カソード担体の形態変化をより確実に防止することができる。
[適用例8] 燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、所定のタイミングで、前記燃料電池への燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止する第1の工程と、前記第1の工程による前記停止後、前記燃料電池の発電電圧の変化速度を算出する第2の工程と、前記第2の工程により算出された前記発電電圧の変化速度が正の値となったときに、前記燃料電池へ燃料ガスを再供給する第3の工程とを備える燃料電池システムの制御方法。
適用例8に係る燃料電池システムの制御方法によれば、適用例1に係る燃料電池システムと同様に、発電停止時におけるカソード担体の形態変化を防止するとともに、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
さらに、本発明は、上記適用例1ないし8以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、適用例8の各工程を実行するコンピュータプログラムの態様で実現することができる。
本発明の第1実施例を適用した燃料電池システム1の全体構成図である。 ECU50により実行される発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。 燃料電池10の発電停止時におけるセル電圧Vおよび二次遮断弁23の開閉状態の時間変化を示すタイミングチャートである。 第2実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2実施例におけるセル電圧V、アノード入口圧P、および二次遮断弁23の開閉状態の時間変化を示すタイミングチャートである。 第3実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。 第4実施例を適用した燃料電池システム201の全体構成図である。 第5実施例を適用した燃料電池システム301の全体構成図である。 第5実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A−1.燃料電池システムのハードウェア構成:
図1は、本発明の第1実施例を適用した燃料電池システム1の全体構成図である。この燃料電池システム1は、燃料電池自動車に搭載されており、固体高分子型の燃料電池10を備えている。
燃料電池10は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、アノードに燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソードに酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノードで触媒作用により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。
なお、アノードおよびカソードは、触媒として、例えば白金、あるいは白金合金を備えており、これらの触媒を、導電性を有する担体(例えばカーボン粒子)に担持させることによって形成されたものである。また、燃料電池10は、燃料電池10に積層される複数のセルのうちの特定のセルの電圧(発電電圧)Vを検出するセル電圧センサ12を備えている。
上記特定のセルとは、燃料電池10におけるガスの導入側に最も近いセルである。なお、特定のセルは、燃料電池10におけるガスの排出側に最も近いセルとしてもよいし、その他の部位のセルとしてもよい。また、特定の一つのセルではなく、複数のセル群の発電電圧を検出する構成としてもよいし、燃料電池10に積層される全てのセルの総発電電圧を検出する構成としてもよい。
高圧水素タンク13に収容された水素ガスは、水素供給通路20を流通して燃料電池10の各セルのアノードに供給される。水素供給通路20には、高圧水素タンク13に近い側から順に、一次遮断弁21、圧力調整弁22、二次遮断弁23、およびエゼクタ24が設けられている。
圧力調整弁22は、高圧水素タンク13の水素ガスを減圧して所定圧力に調圧するものである。エゼクタ24は、燃料電池10のアノードから排出される後述するアノードオフガスを水素供給通路20に戻すためのものである。なお、エゼクタ24に代えてポンプを用いたり、あるいは、エゼクタ24とポンプを併用する場合もある。
水素供給通路20におけるエゼクタ24よりも下流側の燃料電池10のアノード入口に近い部位には、アノード入口の水素圧力(以下、「アノード入口圧」と呼ぶ)Pを検出する圧力センサ25が設置されている。なお、圧力センサ25により検出されるアノード入口圧Pは、燃料電池10のアノードのガス圧力と等価である。
燃料電池10のアノードに供給された水素ガスのうち発電に供されなかった水素ガス、すなわち未反応の水素は、燃料電池10からアノードオフガスとして排出され、アノードオフガス通路30を通ってエゼクタ24に吸引され、高圧水素タンク13から供給される新鮮な水素ガスと合流して再び燃料電池10のアノードに供給される。すなわち、燃料電池10から排出される水素ガスは、アノードオフガス通路30を通って水素供給通路20における二次遮断弁23よりも下流側に戻され、燃料電池10に循環せしめられる。
アノードオフガス通路30から分岐された排出通路31には排出弁32が設けられている。この排出弁32は通常は閉じており、燃料電池10のアノードに水分等が溜まって発電状態に影響を及ぼす時などに開いて、水分等を排出するためのものである。
一方、空気は、エアコンプレッサ41により所定圧力に加圧され、空気通路42を通って燃料電池10のカソードに供給される。燃料電池10に供給された空気は発電に供された後、燃料電池10からカソードオフガスとしてカソードオフガス通路43に排出され、圧力制御弁44を介して排出される。
また、燃料電池システム1は、電子制御ユニット(以下、「ECU」と呼ぶ)50を備える。ECU50は、内部にCPU、RAM、ROMを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、セル電圧センサ12および圧力センサ25からの出力信号が入力されている。また、ECU50は、車両のイグニッションスイッチ61からの出力信号、アクセル開度センサ62からの出力信号が入力される。ECU50は、これらの出力信号等に基づいて、一次遮断弁21、二次遮断弁23、エアコンプレッサ41、排出弁32、および圧力制御弁44等を制御する。
上記構成の燃料電池システム1においては、車両のイグニッションスイッチ61がオンされると、ECU50は、一次遮断弁21および二次遮断弁23を開いて燃料電池10のアノードへの水素ガス供給を開始するとともに、エアコンプレッサ41を起動し圧力制御弁44の開度制御を行ってカソードへの空気供給を開始し、さらに排出弁32の開閉制御を開始して、燃料電池10を発電可能にする。また、イグニッションスイッチ61がオフされると、ECU50は、一次遮断弁21、二次遮断弁23、圧力制御弁44、排出弁32を閉じ、エアコンプレッサ41を停止して、燃料電池10への水素ガス供給および空気供給を停止し、これにより燃料電池システム1を停止して、発電を停止させる。
しかしながら、このように燃料電池システム1を停止し発電を停止して、そのままの状態で放置すると、燃料電池10の固体高分子電解質膜上で局所的に水素と酸素の反応が起こり、アノード側で部分的な水素ガスの不足が生じる。この結果、カソード側で、相対的に酸素が過剰となり担体が酸化されることになり、カソード担体の形態変化が生じた。
そこで、本実施例の燃料電池システム1では、イグニッションスイッチ61がオフされた場合には、一旦、前述と同様な動作で燃料電池10への水素ガス供給および空気供給を停止し発電を停止させるが、その後、上記カソード担体の形態変化が生じる前の適当なタイミングでアノードに水素ガスを再供給することによって、発電停止後もアノード側で部分的な水素ガスの不足が生じないようにし、これによって、カソード担体の形態変化を抑制することができるようにした。どのタイミングで水素ガスの再供給を行うかを、次に説明する。
A−2.ソフトウェアの構成:
図2は、制御ユニット50により実行される発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。この発電停止制御ルーチンは、イグニッションスイッチ61からの出力信号を受けて、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わったと判定されたときに、ECU50のCPUにより実行開始される。
図2に示すように、処理が開始されると、CPUは、まず、エアコンプレッサ41を停止し、一次遮断弁21、二次遮断弁23、圧力制御弁44、排出弁32を閉じる。これにより、燃料電池10への水素ガス供給および空気供給が停止され、燃料電池10の発電が停止される(ステップS110)。
次いで、CPUは、セル電圧センサ12からの出力信号を受けて、セル電圧Vの単位時間当たりの変化、すなわち、セル電圧Vの変化速度dV/dtを算出する(ステップS120)。
続いて、CPUは、ステップS120で求めたセル電圧変化速度dV/dtが値0より大きいか否かを判定する(ステップS130)。ここで、セル電圧変化速度dV/dtが値0より大きくない、すなわち値0以下と判定されたときには、CPUは、ステップS120に処理を戻して、ステップS120およびS130の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS130で、セル電圧変化速度dV/dtが値0より大きい、すなわち、セル電圧変化速度dV/dtが正の値であると判定されたときには、CPUは、二次遮断弁23を開くことにより、一次遮断弁21と二次遮断弁23の間の水素供給通路20内に保持されている水素をエゼクタ24を介して燃料電池10のアノード入口に供給する(ステップS140)。
その後、CPUは、ステップS120と同様に、セル電圧センサ12からの出力信号を受けて、セル電圧Vの変化速度dV/dtを算出し(ステップS150)、そのセル電圧変化速度dV/dtが値0以下となったか否かを判定する(ステップS160)。ここで、セル電圧変化速度dV/dtが値0以下となっていないと判定されたときには、CPUは、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わってからの経過時間、すなわち、本発電停止制御ルーチンが実行開始されてからの経過時間(さらに換言すれば、発電停止時からの経過時間)を求めて、その経過時間が所定時間Taを超えているか否かを判定する(ステップS170)。
ステップS170で、上記経過時間が所定時間Taを超えていないと判定されたときには、CPUは、ステップS150に処理を戻して、ステップS150およびS160の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS170における判定は、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わってからの経過時間に基づくものであったが、これに換えて、ステップS140で水素の再供給を行なってからの経過時間に基づく判定としてもよい。
一方、ステップS160で、セル電圧変化速度dV/dtが値0以下となったと判定されたとき、または、ステップS170で、上記経過時間が所定時間Taを超えたと判定されたときには、CPUは、二次遮断弁23を閉じ(ステップS180)、その後、ECU50を停止する(ステップS190)ことにより、本発電停止制御ルーチンの実行を終了する。
図3は、燃料電池10の発電停止時におけるセル電圧V、および二次遮断弁23の開閉状態の時間変化を示すタイミングチャートである。図中の縦軸がセル電圧Vであり、横軸が時間である。図示するように、時刻t0で、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わり、前述した発電停止制御ルーチンにおけるステップS110で、水素ガス供給および空気供給が停止されると、燃料電池10のセル電圧Vが次第に降下する。水素供給通路20における二次遮断弁23より下流側に封入される水素と、空気通路42内の酸素とが反応により消費されることで、セル電圧Vは低下し、やがて一定の低電圧状態となる。
その後、酸素濃度が一旦低下したカソード側へ、カソードオフガス通路43からの空気の流入がある(カソードオフガス通路43は大気に解放されているため空気の流入がある)ことで、再び燃料電池の電圧上昇が起こる(時刻t1)。時刻t1における電圧上昇を受けて、前述したステップS130およびS140により二次遮断弁23が開けられる。二次遮断弁23が開けられることで、水素供給通路20における一次遮断弁21と二次遮断弁23との間に封入されていた水素ガスが、燃料電池10のアノードに再供給される。
なお、この場合、発電停止後にアノードに再供給すべき水素ガスの量は予め実験等により予測可能であるので、その水素ガス量を供給可能なように、水素供給通路20における一次遮断弁21と二次遮断弁23の間の内容積を予め設定しておく。
その後、セル電圧Vが再び下降し始めたときに(時刻t2)、前述したステップS160およびS180により二次遮断弁23が閉じられる。
なお、ECU50およびECU50で実行されるステップS110の処理が適用例1における停止部に対応し、ECU50およびECU50で実行されるステップS120の処理が適用例1における電圧変化速度算出部に対応し、ECU50およびECU50で実行されるステップS130およびS140の処理が適用例1における燃料再供給部に対応する。
A−3.実施例効果:
以上のように構成された第1実施例の燃料電池システム1によれば、燃料電池10の発電停止後に二次遮断弁23を開閉制御することによって、発電停止後に燃料電池10のアノードに水素ガスが不存在となるのを防止することができ、燃料電池システム1の停止期間中もアノードに水素ガスを存在させることが可能になるので、燃料電池システム1の停止中も燃料電池10の固体高分子電解質膜の触媒に水素を拡散・浸透させておくことができる。その結果、燃料電池10のカソード担体の形態変化を防止することができる。
さらに、燃料電池システム1によれば、燃料電池10の発電停止後に、セル電圧Vの変化速度が正の値となったとき、すなわち、電圧上昇が検知されたときに、アノードへの水素ガスの再供給がなされている。一般に、カソード担体の形態変化は、発電電圧が一時的に上昇するときから短期間の後に生じることから、前記構成の燃料電池システム1によれば、カソード担体の形態変化が生じる前でありながらその形態変化が生じる時点に近いタイミングでもって、水素ガスの再供給を行うことができる。このために、燃料電池の発電停止後、カソード担体の形態変化が生じることがないタイミングで水素ガスの再供給が行われる回数を削減することができる。すなわち、従来技術では、燃料電池の発電停止後、早い段階で水素ガスの再供給が行われていたことから、実際にカソード担体の形態変化が生じるよりかなり前に燃料電池システムを起動するときにも水素ガスの再供給がなされていたところを、本実施例では、水素ガスの再供給のタイミングをカソード担体の形態変化が生じる時点に近いタイミングに引っ張ることで、水素ガスの再供給が行われる回数を削減することができる。
したがって、燃料電池システム1によれば、発電停止時におけるカソード担体の形態変化の防止を図りながらも、燃料ガスの圧力変動の頻度が低いために、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
また、燃料電池システム1によれば、アノードへの水素ガスの再供給は、セル電圧変化速度dV/dtが値0以下となったとき、または、発電停止時から所定時間が経過したときに、終了するようにした。これは、各条件が成立したときには、燃料電池10内における水素と酸素の反応がほぼ終了したと判断することができるためであり、これにより、水素ガスの再供給量を必要最小限に抑えることができ、燃料電池自動車の燃費が向上する。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第2実施例における燃料電池システムは、第1実施例における燃料電池システム1と比較して、同一のハードウェア構成を備え、ECUで実行される発電停止制御ルーチンの構成だけが第1実施例と相違する。なお、ハードウェア構成について第1実施例と同一部分については、同一の符号を用いて以下の説明を行うものとする。
図4は、第2実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。図4では、第1実施例における発電停止制御ルーチン(図2)と同一の構成については、第1実施例と同一の符号を付している。第1実施例におけるステップS150およびS160が、第2実施例ではステップS260となった点が第1実施例と相違する。
図4に示すように、ステップS260では、CPUは、圧力センサ25により検出されたアノード入口圧Pが所定圧力Pa以上となったか否かを判定する。ステップS260で、アノード入口圧Pが所定圧力Pa以上でないと判定されたときには、CPUは、ステップS170に処理を進める。一方、ステップS260で、アノード入口圧Pが所定圧力Pa以上であると判定されたときには、ステップS180に処理を進めて、二次遮断弁23を閉じる。
図5は、第2実施例におけるセル電圧V、アノード入口圧P、および二次遮断弁23の開閉状態の時間変化を示すタイミングチャートである。図示するように、第1実施例と同一のタイミング(時刻t1)で、燃料電池10のアノードへの水素ガスの再供給がなされる。この再供給を受けて、アノード入口圧Pは、図中1点鎖線に示すように、上昇し、所定圧力Pa以上となったときに(時刻t3)、前述したステップS260およびS180により二次遮断弁23が閉じられる。
以上のように構成された第2実施例によれば、第1実施例と同様に、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。さらに、アノードへの水素ガスの再供給の終了を、アノード入口圧Pが所定圧力Pa以上であると判定されたときとしていることから、燃料電池10内における水素と酸素の反応がほぼ終了した時点をより応答性良く判断して、水素ガスの再供給を停止することができる。これにより、水素ガスの再供給量をより最小限に抑えることができ、燃料電池自動車の燃費がより向上する。
C.第1および第2実施例の変形例:
第1および第2実施例では、セル電圧Vの変化速度dV/dtが正の値となったときに、アノードへの水素ガスの再供給がなされているが、これに換えて、セル電圧Vの変化速度dV/dtが正の値となり、その後、セル電圧Vの変化加速度dV/dtが負の値となったときに、アノードへの水素ガスの再供給がなされる構成としてもよい。
この変形例によれば、カソード担体の形態変化が生じる時点に第1実施例よりもより近いタイミングでもって、水素ガスの再供給を行うことができる。したがって、水素ガスの圧力変動の頻度が高くなることはよりなくなることから、電解質膜に過剰な負荷がかかることをより防止することができる。
D.第3実施例:
本発明の第3実施例について説明する。第3実施例における燃料電池システムは、第1実施例における燃料電池システム1と比較して、同一のハードウェア構成を備え、ECUで実行される発電停止制御ルーチンの構成だけが第1実施例と相違する。なお、ハードウェア構成について第1実施例と同一部分については、同一の符号を用いて以下の説明を行うものとする。
図6は、第3実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。この発電停止制御ルーチンは、イグニッションスイッチ61からの出力信号を受けて、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わったと判定され、かつ後述するフラグFが値0であるときに、ECU50のCPUにより実行開始される。
図6に示すように、処理が開始されると、CPUは、まず、第1実施例のステップS110と同様にして、燃料電池10への水素ガス供給および空気供給を停止して、燃料電池10の発電を停止する(ステップS310)。次いで、CPUは、セル電圧センサ12により検出されるセル電圧Vを取り込み(ステップS320)、セル電圧Vが所定値Va以下であるか否かを判定する(ステップS330)。ここで、セル電圧Vが所定値Va以下でないと判定されたときには、CPUは、ステップS320に処理を戻して、ステップS320およびS330の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS330で、セル電圧Vが所定値Va以下であると判定されたときには、CPUは、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わってからの経過時間、すなわち、本発電停止制御ルーチンが実行開始されてからの経過時間を求めて、その経過時間が所定時間Tb以上であるか否かを判定する(ステップS340)。
すなわち、ステップS320ないしS340の処理によれば、イグニッションスイッチ61がオフされてから、セル電圧が所定値Vaまで低下するに要する時間(以下、「低下時間」と呼ぶ)TXが、所定時間Tb以上であるか否かが判定されることになる。低下時間TXは、燃料電池10の電解質膜のガス透過量に起因して変動するものであり、ここでは、所定時間Tbは、電解質膜が正常であるときの下限値を意味する値に定められている。このため、低下時間TXが所定時間Tbを下回るほど短くなった場合には、電解質膜の透過量が大きく、電解質膜に機能低下が見られるとの判断が可能となる。
ステップS340で、低下時間TXが所定時間Tb以上であると判断されたときには、電解質膜のガス透過量は少なく電解質膜は正常であるとして、CPUは、ステップS350に処理を進める。ステップS350では、CPUは、圧力センサ25により検出されたアノード入口圧Pを取り込む。その後、CPUは、そのアノード入口圧Pが所定圧力Pb以下となったか否かを判定する(ステップS360)。ここで、アノード入口圧Pが所定圧力Pb以下でないと判定されたときには、CPUは、ステップS350に処理を戻して、ステップS350およびS360の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS360で、アノード入口圧Pが所定圧力Pa以下であると判定されたときには、CPUは、第1実施例のステップS140と同様に、二次遮断弁23を開くことにより、一次遮断弁21と二次遮断弁23の間の水素供給通路20内に保持されている水素を燃料電池10のアノード入口に供給する(ステップS370)。
その後、CPUは、セル電圧センサ12により検出されたセル電圧Vを取り込み(ステップS380)、そのセル電圧Vが所定値Va以下であるか否かを判定する(ステップS390)。ここで、セル電圧Vが所定値Va以下となっていないと判定されたときには、CPUは、第1実施例のステップS170と同様に、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わってからの経過時間が所定時間Ta(第1実施例と同一のもので、前記所定時間Tbとは相違する)を超えているか否かを判定する(ステップS392)。なお、この判定は、第1実施例と同様に、ステップS370で水素の再供給を行なってからの経過時間に基づく判定に換えることもできる。
ステップS392で、上記経過時間が所定時間Taを超えていないと判定されたときには、CPUは、ステップS380に処理を戻して、ステップS380およびS390の処理を繰り返し実行する。ステップS380で、セル電圧Vが所定値Va以下となったと判定されたとき、または、ステップS392で、上記経過時間が所定時間Taを超えたと判定されたときには、CPUは、第1実施例のステップS180およびS190と同様に、二次遮断弁23を閉じ(ステップS394)、その後、ECU50を停止する(ステップS396)ことにより、本発電停止制御ルーチンの実行を終了する。
一方、ステップS340で、低下時間TXが所定時間Tbを下回ると判断されたときには、電解質膜のガス透過量は多く電解質膜は機能低下しているとして、CPUは、ステップS398に処理を進めて、フラグF(初期値=値0)に値1をセットする。フラグFは、ECU50を停止したときにも記憶内容を保持できるメモリである。ステップS340の実行後、CPUは、ステップS350に処理を進める。すなわち、ステップS340で、イグニッションスイッチ61がオフされてから、セル電圧が所定値Vaまで達する低下時間が、所定時間Tb以下であると判定されたときには、フラグFに値1をセットした上で、上記時間が所定時間Tbより大きいと判定されたときと同じ処理を行う。
図6に示した発電停止制御ルーチンは、先に説明したように、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わったと判定され、かつフラグFが値0であるときに実行開始されるものである。これに対して、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わったと判定され、かつフラグFが値1であるときには、この第3実施例では、第1実施例と同一の発電停止制御ルーチンを実行開始するように構成されている。
このため、この第3実施例では、イグニッションスイッチ61がオフされてからセル電圧が所定値Vaまで達する低下時間TXが、所定時間Tb以上である場合には、電解質膜は正常であるとして、本実施例固有のステップS310ないしS396の処理が実行される。一方、低下時間TXが所定時間Tbを下回ると判定された場合には、次回以降の起動後の停止時において、第1実施例と同一の発電停止制御ルーチンが実行される。
したがって、この第3実施例の燃料電池システムによれば、電解質膜のガス透過量が過大となったときに、第1実施例と同様に、燃料電池10の発電停止後、不必要な水素の再供給が行われることを十分に削減することができる。したがって、電解質膜に機能低下がみられるときに、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
E.第4実施例:
本発明の第4実施例について説明する。第4実施例における燃料電池システムは、第1実施例における燃料電池システム1と比較して、燃料電池とは別にモニター用の燃料電池を設け、このモニター用燃料電池の発電電圧の変化速度に基づいて、燃料電池への水素ガスの再供給を行う点が相違する。なお、ハードウェア構成について第1実施例と同一部分については、同一の符号を用いて以下の説明を行うものとする。
図7は、本発明の第4実施例を適用した燃料電池システム201の全体構成図である。図中の210がモニター用燃料電池である。図示するように、モニター用燃料電池210は、アノードオフガス通路30とカソードオフガス通路43との途中に配設される。モニター用燃料電池210は、燃料電池10と同種の電解質膜を備える1セルの燃料電池であり、燃料電池10と同程度に機能低下が進行するもので、燃料電池10の外に設置されている。
モニター用燃料電池210は、モニター用燃料電池210の電圧VMを検出するモニター用電圧センサ212を備えている。モニター用電圧センサ212からの出力信号はECU50に入力されている。
ECU50は、第1実施例とは相違する構成の発電停止制御ルーチンを実行する。本実施例の発電制御ルーチンは、第1実施例の発電制御ルーチン(図2)と比較して、ステップS120およびS150の内容だけが相違し、その他のステップS110、S130、S140、S160〜S190は相違する。本実施例の発電制御ルーチンにおいては、ステップS120およびS150において、セル電圧の変化速度dV/dtをモニター用電圧センサ212からの出力信号に基づいて算出する構成とした。
上記構成の第4実施例の燃料電池システム201によれば、燃料電池10の発電停止後に、モニター用燃料電池210からの電圧の変化速度が正の値となったときに、燃料電池10のアノードへの水素ガスの再供給がなされ、その後、モニター用燃料電池210からの電圧の変化速度が値0以下となったとき、または、発電停止時から所定時間が経過したときに、上記燃料電池10への水素ガスの再供給が終了する。
したがって、第4実施例の燃料電池システム201によれば、第1実施例と同様に、燃料電池10の発電停止後、不必要な水素の再供給が行われることを十分に削減することができることから、水素ガスの圧力変動の頻度が高くなることはなく、電解質膜に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
なお、前記第4実施例では、モニター用燃料電池210は、水素系統と空気系統において燃料電池10よりも下流側に設けるように構成したが、必ずしもこの位置に限る必要もなく、次の(i)〜(iii)のいずれの位置としてもよい。
なお、次の(i)〜(iii)のいずれにおいても、モニター用燃料電池210のアノード出口およびカソード出口の接続先は第4実施例と同一であり、モニター用燃料電池210のアノード入口およびカソード入口の接続先だけが第4実施例と相違する。
(i)モニター用燃料電池210のアノード入口を燃料電池10のアノード入口に接続し、モニター用燃料電池210のカソード入口を燃料電池10のカソード入口に接続した構成。
(ii)モニター用燃料電池210のアノード入口を燃料電池10のアノード入口に接続し、モニター用燃料電池210のカソード入口を、第4実施例と同様に燃料電池10のカソード出口に接続した構成。
(iii)モニター用燃料電池210のアノード入口を、第4実施例と同様に燃料電池10のアノード出口に接続し、モニター用燃料電池210のカソード入口を燃料電池10のカソード入口に接続した構成。
すなわち、モニター用燃料電池210は、第4実施例、前記(i)、前記(ii)、前記(iii)のいずれの位置に設けるように構成してもよく、予め実験などにより最適なものを定めておくことが好ましい。
また、第4実施例では、アノードオフガス通路30に循環ポンプが設けられた構成ではないが、これに換えて、アノードオフガス通路30のモニター用燃料電池210よりも下流側に循環ポンプを設ける構成とすることもできる。循環ポンプを設けることにより、水素ガスを水素供給通路20において強制的に再循環させることができる。さらに、前記(i)〜(iii)の各変形例において、アノードオフガス通路に循環ポンプを設ける構成とすることもできる。なお、第1実施例においても、アノードオフガス通路30に循環ポンプ(図8参照)を設ける構成とすることもできる。
前記第4実施例は、モニター用の燃料電池を設ける構成を第1実施例に適用させたものと言えるが、さらに他の実施例として、モニター用の燃料電池を設ける構成を第2実施例に適用させる構成とすることもできる。すなわち、第4実施例と同一のハードウェアを備え、さらに、モニター用燃料電池210にアノード入口圧を検出する圧力センサを設け、その上で、図4に示した発電制御ルーチンのステップS260において、モニター用燃料電池210に備えられる圧力センサにより検出されたアノード入口圧が所定圧力Pa以上となったか否かを判定する構成とすることができる。この構成によれば、第2実施例と同様の効果を奏することができる。
F.第5実施例:
本発明の第5実施例について説明する。図8は、本発明の第5実施例を適用した燃料電池システム301の全体構成図である。図示において、第1実施例と同一部分については、第1実施例と同一の符号を付けた。第5実施例に係る燃料電池システム301は、第1実施例に係る燃料電池システム1と比較して、アノードオフガス通路30における排出通路31に分岐する地点aからエゼクタ24に至る配管30aに、ECU50によりオンオフされる循環ポンプ303が設けられる点が相違するだけであり、循環ポンプ303以外のハードウェア構成については第1実施例に係る燃料電池システム1と同一である。
図9は、第5実施例における発電停止制御ルーチンを示すフローチャートである。第5実施例における発電停止制御ルーチンは、第1実施例における発電停止制御ルーチン(図2)と比較して、ステップS140とS150(より詳しくは、ステップS170の否定判断時の分岐先よりも上流側)の間に、循環ポンプ303をオンし(ステップS345)、ステップS180とS190の間に循環ポンプ303をオフする(ステップS385)点が相違し、その他のステップについては同一である。
一般に、燃料電池10の発電停止後に水素ガスを再流入させると、停止後に元々アノードに存在していた窒素やカソードから透過してきた窒素が、アノード出口に濃縮されることがある。この状態は、水素ガスの再流入を終了した後に、アノードにおける部分的な水素ガスの不足によるカソード担体の形態変化を誘発し易い。これに対して、前記構成の第5実施例によれば、前記アノード出口の窒素を吹き飛ばすことができることから、カソード担体の形態変化をより確実に防止することができる。
前記第5実施例では、水素ガスの再供給後にアノードオフガスをアノードに循環させるための循環ポンプを作動させる構成を、第1実施例に適用させたが、これに換えて、第2および第3実施例やそれら実施例の変形例に適用する構成としてもよい。さらに、アノードオフガス通路が閉塞された、所謂デッドエンドタイプの水素ガス系の場合には、アノードオフガス通路に設けた排気弁を、水素ガスの再供給後に解放する構成としてもよい。
G.他の実施形態:
この発明は第1ないし第5実施例やそれらの変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・第1変形例:
各実施例の燃料電池システムは、一次遮断弁21と二次遮断弁23を備え、二次遮断弁23の開閉で発電停止時の水素ガスの再供給を制御しているが、この発明は、二次遮断弁23がなく一次遮断弁21だけを備える燃料電池システムにも適用可能である。その場合には一次遮断弁21の開閉により発電停止時の水素ガスの再供給を制御する。
・第2変形例:
前記第1実施例における発電停止制御ルーチン(図2)では、セル電圧変化速度dV/dtが値0より大きくなるまで、ステップS120およびS130を繰り返す構成としたが、さらに、次のイレギュラー処理を加える構成としてもよい。イレギュラー処理は次の構成により実現される。ステップS120の直前(ステップS130の「NO」の分岐先とステップS120との間)に、発電停止制御ルーチンが実行開始されてからの経過時間が所定時間を超えたか否かの判定処理を加えて、この判定処理で超えていないと判定されたときに、ステップS120に進み、超えたと判定されたときに、ステップS190に進める。このイレギュラー処理によれば、前記所定時間を経過しても、セル電圧変化速度dV/dtが値0より大きくならないときには、水素ガスの供給を再開することなく、ECU50を停止する。同様に、第2実施例における図4、第5実施例における図9も変形することができる。また、第3実施例における図6においても、ステップS320の直前(ステップS330の「NO」の分岐先とステップS320との間)に経過時間の判断を加えることで、同様なイレギュラー処理を実行する構成とすることができる。
・第3変形例:
各実施例の燃料電池システムでは、イグニッションスイッチ61がオン状態からオフ状態へ切り換わったタイミングで、発電停止制御ルーチンを実行開始する構成としたが、これに換えて、間欠運転等により停止条件が成立したタイミングでもって、発電停止制御ルーチンを実行開始する構成としてもよい。なお、この場合における発電停止制御ルーチンでは、最終ステップにおけるECUの停止は行なわない。
・第4変形例:
各実施例および変形例とは異なる種類の燃料電池に本発明を適用することとしてもよい。例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池に適用することができる。あるいは、固体高分子以外の電解質層を有する燃料電池であってもよく、本発明を適用することで同様の効果が得られる。
なお、前述した実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明はこれらの実施例および各変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
1…燃料電池システム
10…燃料電池
12…セル電圧センサ
13…高圧水素タンク
20…水素供給通路
21…一次遮断弁
22…圧力調整弁
23…二次遮断弁
24…エゼクタ
25…圧力センサ
30…アノードオフガス通路
30a…配管
31…排出通路
32…排出弁
41…エアコンプレッサ
42…空気通路
43…カソードオフガス通路
44…圧力制御弁
50…ECU
61…イグニッションスイッチ
62…アクセル開度センサ
201…燃料電池システム
210…モニター用燃料電池
212…モニター用電圧センサ
301…燃料電池システム
303…循環ポンプ
V…セル電圧
P…アノード入口圧

Claims (6)

  1. 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    所定のタイミングで、前記燃料電池への燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止する停止部と、
    前記停止部による前記停止後、前記燃料電池の発電電圧の変化速度を算出する電圧変化速度算出部と、
    前記電圧変化速度算出部により算出された前記発電電圧の変化速度が正の値となったときに、前記燃料電池へ燃料ガスを再供給する燃料再供給部と
    を備え
    前記燃料再供給部は、
    前記発電電圧の変化速度が正の値であり、かつ、前記発電電圧の変化加速度が負の値であるときに、前記燃料ガスの再供給を行う、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給後、前記電圧変化速度算出部により算出された前記発電電圧の変化速度が値0以下となったときに、前記燃料ガスの再供給を停止する再供給停止部
    を備える燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給後、前記アノードのガス圧力が所定圧力値を上回るときに、前記燃料ガスの供給を停止する燃料停止部
    を備える燃料電池システム
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池のカソードと接続される酸化剤ガス通路に設けられ、前記燃料電池に備えられる電解質膜と同種の電解質膜を備えるモニター用燃料電池と、
    前記モニター用燃料電池の発電電圧を検出する電圧センサと、
    を備え、
    前記電圧変化速度算出部は、
    前記電圧センサにより検出された発電電圧を前記燃料電池の発電電圧とみなして前記変化速度の算出を行う、燃料電池システム。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料再供給部による前記燃料ガスの再供給時に、前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガスを前記アノードに循環させるための循環ポンプを作動させるポンプ制御部
    を備える燃料電池システム。
  6. 燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    所定のタイミングで、前記燃料電池への燃料ガスと酸化剤ガスとの供給を停止する第1の工程と、
    前記第1の工程による前記停止後、前記燃料電池の発電電圧の変化速度を算出する第2の工程と、
    前記第2の工程により算出された前記発電電圧の変化速度が正の値となったときに、前記燃料電池へ燃料ガスを再供給する第3の工程と
    を備え
    前記第3の工程は、
    前記発電電圧の変化速度が正の値であり、かつ、前記発電電圧の変化加速度が負の値であるときに、前記燃料ガスの再供給を行う、燃料電池システムの制御方法。
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