JP2016110835A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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慶大 山上
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周也 川原
茂樹 長谷川
Shigeki Hasegawa
茂樹 長谷川
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Abstract

【課題】水素ガス非循環の燃料電池システムにおいて、燃料ガスが燃料電池スタック外に排出されるのを抑制しつつ、カソード極の劣化を確実に抑制する。【解決手段】燃料電池スタック10で発電を開始すべきときに、コンプレッサ44による空気供給を停止しパージ制御弁38を閉弁したまま、水素ガス供給器35から初期供給流量でもって水素ガス供給を開始して水素ガス通路30内の圧力であるアノード圧力を上昇させる。次いで、アノード圧力が設定圧力に達したときに、パージ制御弁38を一時的に開弁し、次いで燃料電池スタックへの空気供給を開始して燃料電池スタック10において発電を開始する。初期供給流量は、アノード圧力の上昇速度があらかじめ定められた設定上昇速度よりも高くなるように設定される。【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
水素ガスと空気との電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、燃料電池スタック内に形成された水素ガス通路と、水素ガス通路内に配置されたアノード極と、燃料電池スタック内に形成された空気通路と、空気通路内に配置されたカソード極と、水素ガス通路の入口に連結された水素ガス供給器と、を備えた燃料電池システムであって、水素ガス通路の出口に連結された気液分離器と、気液分離器のガス出口と水素ガス供給器とを互いに連結する水素ガス戻し管と、水素ガス戻し管内に配置された水素ガス戻しポンプと、を更に備えた、水素ガス循環の燃料電池システムが公知である。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックから流出した水素ガスが水素ガス供給器に戻される。
一方、水素ガス通路の出口に連結されたパージ管と、パージ管内に配置されたパージ制御弁と、更に備えた、水素ガス循環の燃料電池システムも公知である(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、水素ガス通路の出口が水素ガス供給器から分離され、したがって燃料電池スタックから流出した水素ガスが水素ガス供給器に戻されない。このようにすると、水素ガス戻し管及び水素ガス戻しポンプが不要となるので、構成が簡素化され、コストが低減される。
特開2010−129483号公報
ところで、燃料電池スタックでの発電が停止された直後は、水素ガス通路内に水素ガスが残存しており、空気通路内に空気が残存している。この水素ガス通路内の水素ガスは徐々に電解質膜を透過して空気通路内に流入し、空気通路内の酸素ガスと反応し、したがって水素ガス通路内の水素ガス及び空気通路内の酸素ガスが徐々に消費される。その結果、空気通路において、酸素ガス分圧が次第に低下し、窒素ガス分圧が次第に上昇する。次いで、空気通路内の窒素ガスは徐々に電解質膜を透過して水素ガス通路内に流入する。その結果、水素ガス通路に、窒素ガス分圧が過度に高く水素ガス分圧が過度に低い部分、すなわち水素欠乏部分が形成される。このため、水素ガス通路内において、水素ガス分圧が比較的高い部分と水素欠乏部分とが互いに隣接して形成されることになる。言い換えると、水素ガス通路内の水素ガス分圧が過度に不均一になる。この状態で空気通路内への空気が供給され発電が再開されると、水素欠乏部分のアノード極部分と、電解質膜を挟んで水素欠乏部分と反対側のカソード極部分との間に異常電位が発生してカソード極部分が劣化するおそれがある。カソード極が劣化すると、燃料電池スタック10の発電性能が低下し、この発電性能低下は回復することができない。
上述した水素ガス循環の燃料電池システムでは、燃料電池スタックでの発電を開始すべきときに、水素ガス供給器から水素ガス通路に水素ガスを供給しつつ水素ガス戻しポンプを作動させ、それにより水素ガス通路内のガスを水素ガスで置換することで、水素ガス通路内の水素ガス分圧を均一にすることができ、したがってカソード極の劣化を抑制することが可能である。しかしながら、水素ガス非循環の燃料電池システムでは、このような水素ガス分圧の均一化を行うことができない。この点、パージ制御弁を開弁状態に維持しながら水素ガス通路内に水素ガス供給すれば、水素ガス循環の燃料電池システムでも、水素ガス通路内の水素ガス分圧を均一にすることができると考えられる。しかしながら、このようにすると、多量の水素ガスが発電に利用されることなく燃料電池スタック外に排出されるおそれがある。
本発明の一観点によれば、燃料ガス非循環の燃料電池システムであって、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結され、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給流量を変更可能に構成された燃料ガス供給器と、前記燃料ガス通路の出口に連結されたパージ管と、前記パージ管内に配置されたパージ制御弁と、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給器と、前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときに、前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの前記酸化剤ガスの供給を停止し前記パージ制御弁を閉弁したまま、前記燃料ガス供給器から初期供給流量でもって前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給を開始して前記燃料ガス通路内の圧力であるアノード圧力を上昇させ、次いで前記アノード圧力があらかじめ定められた設定圧力に達したときに、あらかじめ定められた初期パージガス量だけパージされるように前記パージ制御弁を一時的に開弁し、次いで前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの酸化剤ガスの供給を開始して前記燃料電池スタックにおいて発電を開始するように構成された制御器と、を備え、前記初期供給流量は、前記アノード圧力の上昇速度があらかじめ定められた設定上昇速度よりも高くなるように設定される、燃料電池システムが提供される。
本発明の別の観点によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結され、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給流量を変更可能に構成された燃料ガス供給器と、前記燃料ガス通路の出口に連結されたパージ管と、前記パージ管内に配置されたパージ制御弁と、前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給器と、を備えた燃料ガス非循環の燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときに、前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの前記酸化剤ガスの供給を停止し前記パージ制御弁を閉弁したまま、前記燃料ガス供給器から初期供給流量でもって前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給を開始して前記燃料ガス通路内の圧力であるアノード圧力を上昇させ、次いで前記アノード圧力があらかじめ定められた設定圧力に達したときに、あらかじめ定められた初期パージガス量だけパージされるように前記パージ制御弁を一時的に開弁し、次いで前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの酸化剤ガスの供給を開始して前記燃料電池スタックにおいて発電を開始し、前記初期供給流量は、前記アノード圧力の上昇速度があらかじめ定められた設定上昇速度よりも高くなるように設定される、燃料電池システムの制御方法が提供される。
水素ガス非循環の燃料電池システムにおいて、燃料ガスが燃料電池スタック外に排出されるのを抑制しつつ、カソード極の劣化を確実に抑制することができる。
燃料電池システムの全体図である。 燃料電池スタックの模式図である。 水素ガス供給器の概略図である。 使用される水素ガス供給弁の数Ninjと水素ガス供給流量qHGとの関係を示す線図である。 本発明による実施例を説明するタイムチャートである。 本発明による実施例を説明する図2と同様の模式図である。 本発明による実施例を説明する図2と同様の模式図である。 本発明による実施例を説明する図2と同様の模式図である。 発電開始制御を実行するルーチンを示すフローチャートである。 初期供給流量qHG0のマップを示す図である。 初期パージガス量QPG0のマップを示す図である。 初期水素ガス分圧pHG0のマップを示す図である。
図1を参照すると、燃料電池システムAは燃料電池スタック10を備える。燃料電池スタック10は積層方向LSに沿って互いに積層された複数の燃料電池単セル10aを備える。各燃料電池単セル10aは膜電極接合体20を含む。膜電極接合体20は膜状の電解質と、電解質の一側に形成されたアノード極と、電解質の他側に形成されたカソード極とを備える。
燃料電池単セル10aのアノード極及びカソード極はそれぞれ直列に電気的に接続され、積層方向LSに関し最も外側のアノード極及びカソード極は燃料電池スタック10の電極を構成する。燃料電池スタック10の電極はDC/DCコンバータ11を介してインバータ12に電気的に接続され、インバータ12はモータジェネレータ13に電気的に接続される。また、燃料電池システムAは蓄電器14を備えており、この蓄電器14はDC/DCコンバータ15を介して上述のインバータ12に電気的に接続される。DC/DCコンバータ11は燃料電池スタック10からの電圧を高めてインバータ12に送るためのものであり、インバータ12はDC/DCコンバータ11又は蓄電器14からの直流電流を交流電流に変換するためのものである。DC/DCコンバータ15は燃料電池スタック10又はモータジェネレータ13から蓄電器14への電圧を低くし、又は蓄電器14からモータジェネレータ13への電圧を高くするためのものである。なお、図1に示される燃料電池システムAでは蓄電器14はバッテリから構成される。
また、各燃料電池単セル10a内には、アノード極に燃料ガスとしての水素ガスを供給するための水素ガス流通路30aと、カソード極に酸化剤ガスとしての空気を供給する空気流通路40aとがそれぞれ形成され、互いに隣接する2つの燃料電池単セル10a同士間には燃料電池単セル10aに冷却水を供給するための冷却水流通路(図示しない)が形成される。複数の燃料電池単セル10aの水素ガス流通路30a、空気流通路40a、及び冷却水流通路をそれぞれ並列に接続することにより、燃料電池スタック10内に水素ガス通路30、空気通路40、及び冷却水通路(図示しない)がそれぞれ形成される。図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス通路30、空気通路40、及び冷却水通路の入口及び出口はそれぞれ、燃料電池スタック10の積層方向LS一端に配置される。
図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス流通路30aの入口及び空気流通路40aの出口が積層方向LS方向に延びる燃料電池スタック10の中心軸線の一側に配置され、水素ガス流通路30aの出口及び空気流通路40aの入口が中心軸線の他側に配置される。したがって、水素ガス流通路30a内を流れる水素ガスの向きと、空気流通路40a内を流れる空気の向きとが互いにほぼ逆向きになっている。すなわち、燃料電池スタック10は向流の燃料電池スタックから構成される。図示しない別の実施例では、水素ガス流通路30aの入口及び空気流通路40aの入口が中心軸線の一側に配置され、水素ガス流通路30aの出口及び空気流通路40aの出口が中心軸線の他側に配置され、したがって水素ガス流通路30a内を流れる水素ガスの向きと、空気流通路40a内を流れる空気の向きとが互いにほぼ同じ向きになっている。すなわち、図示しない別の実施例では、燃料電池スタック10は並流の燃料電池スタックから構成される。
水素ガス通路30の入口には水素ガス供給管31が連結され、水素ガス供給管31は水素ガス源、例えば水素タンク32に連結される。水素ガス供給管31内には上流側から順に、電磁式の遮断弁33と、水素ガス供給管31内の圧力を調整するレギュレータ34と、水素タンク32からの水素ガスを燃料電池スタック10に供給するための水素ガス供給器35と、が配置される。一方、水素ガス通路30の出口にはバッファタンク36を介してパージ管37が連結される。パージ管37内には電磁式のパージ制御弁38が配置される。遮断弁33及び水素ガス供給弁35が開弁されると、水素タンク32内の水素ガスが水素ガス供給管31を介して燃料電池スタック10内の水素ガス通路30内に供給される。このとき水素ガス通路30から流出するガス、すなわちアノードオフガスはバッファタンク36内に流入し、バッファタンク36内に蓄積される。パージ制御弁38は通常は閉弁されており、周期的に短時間にわたり開弁される。パージ制御弁38が開弁されると、バッファタンク36内のアノードオフガスがパージ管37を介して大気に排出され、すなわちパージ処理が行われる。
図1に示される燃料電池システムAでは、パージ管37の出口は大気に連通されている。すなわち、水素ガス通路30の出口は水素ガス供給管31に連通されず、したがって水素ガス供給管31から分離されている。このことは、水素ガス通路30の出口から流出する、水素ガスを含むアノードオフガスが水素ガス供給管31に戻されない、ということを意味している。言い換えると、図1に示される燃料電池システムAは水素ガス非循環の燃料電池システムである。図示しない別の実施例では、水素ガス通路30の出口が水素ガス戻し管を介して例えばレギュレータ34と水素ガス供給弁35との間の水素ガス供給管31に連結される。水素ガス戻し管内には上流側から順に、気液分離器と、気液分離器により分離された水素ガスを水素ガス供給管31に送り込む水素ガス戻しポンプと、が配置される。この場合、水素ガスを含むアノードオフガスが水素ガス戻し管を介して水素ガス供給管31に戻される。その結果、水素ガス源32からの水素ガスと水素ガス戻し管からの水素ガスとの混合体が水素ガス供給弁35から燃料電池スタック10に供給される。すなわち、図示しない別の実施例では、燃料電池システムAは水素ガス循環の燃料電池システムである。この図示しない別の実施例との比較において、図1に示される燃料電池システムAでは、水素ガス戻し管、水素ガス戻しポンプ等が省略されているということになる。その結果、図1に示される燃料電池システムAでは、構成が簡素化され、コストが低減され、水素ガス戻し管等のための空間を必要としない。
また、空気通路40の入口には空気供給管41が連結され、空気供給管41は空気源、例えば大気42に連結される。空気供給管41内には上流側から順に、ガスクリーナ43と、空気を圧送する空気供給器44と、空気供給器44から燃料電池スタック10に送られる空気を冷却するためのインタークーラ45と、が配置される。図1に示される実施例では、空気供給器44はコンプレッサ、特に遠心式又は軸流式のターボコンプレッサから構成される。一方、空気通路40の出口にはカソードオフガス管46が連結される。コンプレッサ44が駆動されると、空気が空気供給管41を介して燃料電池スタック10内の空気通路40内に供給される。このとき空気通路40から流出するガス、すなわちカソードオフガスはカソードオフガス管46内に流入する。カソードオフガス管46内には上流側から順に、空気通路40内の圧力であるカソード圧力を制御するための電磁式のカソード圧力制御弁47と、希釈器48とが配置される。この希釈器48には上述したパージ管37が連結される。その結果、パージ管37からのパージガス中の水素ガスがカソードオフガスによって希釈される。図1に示される燃料電池システムAでは更に、インタークーラ45下流の空気供給管41から分岐してカソード圧力制御弁47下流のカソードオフガス管46に到るバイパス管41aと、コンプレッサ44から吐出された空気のうち燃料電池スタック10に供給される空気の量及びバイパス管41a内へ流れ込む空気の量を制御するバイパス制御弁41bとが設けられる。
上述した燃料電池スタック10内の冷却水通路の入口には冷却水供給管(図示しない)の一端が連結され、冷却水通路の出口には冷却水供給管の他端が連結される。冷却水供給管内には冷却水を圧送する冷却水ポンプと、ラジエータとが配置される。冷却水ポンプが駆動されると、冷却水ポンプから吐出された冷却水は冷却水供給管を介して燃料電池スタック10内の冷却水通路内に流入し、次いで冷却水通路を通って冷却水供給管内に流入し、ラジエータを介して冷却水ポンプに戻る。
電子制御ユニット60はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス61によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)62、RAM(ランダムアクセスメモリ)63、CPU(マイクロプロセッサ)64、入力ポート65及び出力ポート66を具備する。燃料電池スタック10には、燃料電池スタック10の出力電圧及び出力電流をそれぞれ検出する電圧計16v及び電流計16iが設けられる。また、水素ガス通路30には水素ガス通路30内の圧力であるアノード圧力を検出するための圧力センサ17が取り付けられる。電圧計16v、電流計16i、及び圧力センサ17の出力信号は対応するAD変換器67を介して入力ポート65にそれぞれ入力される。一方、出力ポート66は対応する駆動回路68を介してDC/DCコンバータ11、インバータ12、モータジェネレータ13、DC/DCコンバータ15、遮断弁33、レギュレータ34、水素ガス供給弁35、パージ制御弁38、バイパス制御弁41b、コンプレッサ44、及びカソード圧力制御弁47に電気的に接続される。
図2は燃料電池スタック10内の水素ガス通路30を模式的に表している。図2を参照すると、水素ガス通路30は積層方向LSにそれぞれ延びる水素ガス流入マニホルド30bi及び水素ガス流出マニホルド30boを備える。上述の水素ガス流通路30aは積層方向LSを横切って水素ガス流入マニホルド30biから水素ガス流出マニホルド30boまで延びる。水素ガス流入マニホルド30biの一端30iは水素ガス通路30の入口を形成し、上述の水素ガス供給管31に連結される。一方、水素ガス流出マニホルド30boの一端30oは水素ガス通路30の出口を形成し、上述のバッファタンク36に連結される。
図3は水素ガス供給器35の一例を示している。図3に示される例では、水素ガス供給器35は水素ガス供給管31内に互いに並列に配置された複数、例えば3つの電磁式水素ガス供給弁35a,35b,35cを備える。これら水素ガス供給弁35a,35b,35cは同一である。また、水素ガス供給弁35a,35b,35cはそれぞれ、ニードル弁を備え、水素ガスを間欠的に供給する。この場合、水素ガス供給弁35a,35b,35cの開弁時間を制御することにより、水素ガス供給弁35a,35b,35cから供給される水素ガス量が制御される。
更に、図3に示される例では、水素ガスを供給するのに用いられる水素ガス供給弁35の数が変更可能になっており、それにより水素ガス供給器35からの水素ガス供給流量が変更可能になっている。すなわち、水素ガス供給弁35a,35b,35cのうちいずれか1つを用いて水素ガスを供給することもできるし、水素ガス供給弁35a,35b,35cのうちいずれか2つを用いて水素ガスを供給することもできるし、水素ガス供給弁35a,35b,35cのすべてを用いて水素ガスを供給することもできる。なお、水素ガスを供給するのに水素ガス供給弁35a,35b,35cのうち2つ又は3つが用いられる場合には、これら水素ガス供給弁35a,35b,35cの開弁及び閉弁動作は互いにが同期される。図示しない別の実施例では、水素ガス供給弁35は、例えば流路面積を変更することにより供給流量を変更可能な単一の水素ガス供給弁から構成される。
図4は、水素ガス供給に用いられる水素ガス供給弁35a,35b,35cの数Ninjと、水素ガス供給器35から供給される水素ガス供給流量qHG(例えばNL/min)との関係を示している。図4において、qHG1は水素ガスを供給するのに水素ガス供給弁35a,35b,35cのうちいずれか1つが用いられた場合の水素ガス供給流量を、qHG2は水素ガスを供給するのに水素ガス供給弁35a,35b,35cのうちいずれか2つが用いられた場合の水素ガス供給流量を、qHG3は水素ガスを供給するのに水素ガス供給弁35a,35b,35cのすべてが用いられた場合の水素ガス供給流量を、それぞれ示している。図4に示されるように、水素ガス供給流量qHG2は水素ガス供給流量qHG1のほぼ2倍であり、水素ガス供給流量qHG3は水素ガス供給流量qHG1のほぼ3倍である。
燃料電池スタック10で発電すべきときには遮断弁33が開弁され、水素ガス供給器35が作動され、それにより水素ガスが燃料電池スタック10に供給される。また、コンプレッサ44が駆動され、コンプレッサ44からの空気の全量が燃料電池スタック10に送られるスタック位置にバイパス制御弁41bの弁位置が制御され、それにより空気が燃料電池スタック10に供給される。その結果、燃料電池スタック10において電気化学反応(H→2H+2e,(1/2)O+2H+2e→HO)が起こり、電気エネルギが発生される。この発生された電気エネルギはモータジェネレータ13に送られる。その結果、モータジェネレータ13が車両駆動用の電気モータとして作動され、車両が駆動される。一方、例えば車両制動時にはモータジェネレータ13が回生装置として作動し、このとき回生された電気エネルギは蓄電器14に蓄えられる。なお、燃料電池スタック10での発電中には、燃料電池スタック10の要求発電量に応じて定まるベース供給流量でもって水素ガス供給器35から水素ガスが燃料電池スタック10に供給される。また、燃料電池スタック10での発電中には、燃料電池スタック10での発電中にはカソード圧力制御弁47は開弁される。
一方、燃料電池スタック10での発電を停止すべきときには、遮断弁33が閉弁され、水素ガス供給器35が停止され、したがって燃料電池スタック10への水素ガスの供給が停止される。また、コンプレッサ44が停止され、コンプレッサ44からの空気の全量がバイパス管41aに送られるスタック位置にバイパス制御弁41bの弁位置が制御され、それにより燃料電池スタック10への空気の供給が停止される。また、カソード圧力制御弁47が閉弁される。なお、このときパージ制御弁38は閉弁されている。
さて、冒頭で説明したように、水素ガス通路30内の水素ガス分圧が過度に不均一になっている状態で燃料電池スタック10での発電が再開されると、カソード極が劣化するおそれがある。
そこで本発明による実施例では、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに、コンプレッサ44による燃料電池スタック10への空気の供給を停止しパージ制御弁38を閉弁したまま、水素ガス供給器35から初期供給流量でもって燃料電池スタック10への水素ガスの供給を開始してアノード圧力を上昇させ、次いでアノード圧力があらかじめ定められた設定圧力に達したときに、あらかじめ定められた初期パージガス量だけパージされるようにパージ制御弁38を一時的に開弁し、次いでコンプレッサ44による燃料電池スタック10への空気の供給を開始して燃料電池スタック10において発電を開始するようにしている。
すなわち、図5において、燃料電池スタック10での発電が停止されている時間t0では、アノード圧力PAは低くなっている。また、水素ガス供給器35からの水素ガス供給流量qHGはゼロであり、したがって燃料電池スタック10への水素ガス供給は停止されている。更に、パージ制御弁38は閉弁されている。また、コンプレッサ44からの空気供給流量qACはゼロであり、バイパス制御弁41bの弁位置はバイパス位置に制御されており、したがって燃料電池スタック10への空気供給は停止されている。更に、カソード圧力制御弁47は閉弁されており、燃料電池スタック10の出力電圧VSはゼロになっている。この場合、図6に示されるように、水素ガス通路30内は水素ガス分圧が過度に不均一な既存ガスGEXで満たされている。
次いで、図5に示される時間t1において燃料電池スタック10での発電を開始すべき信号が発せられると、水素ガス供給器35が作動されて燃料電池スタック10への水素ガス供給が開始される。また、このときパージ制御弁38は閉弁されたままである。その結果、アノード圧力PAが上昇速度vPAでもって上昇する。一方、時間t1において、コンプレッサ44が作動され、空気供給流量qACが増大する。しかしながら、バイパス制御弁41bの弁位置はバイパス位置に保持されており、したがって燃料電池スタック10への空気供給は停止され続ける。その結果、燃料電池スタック10での発電は停止され続ける。
この場合、水素ガスは水素ガス供給器35から初期供給流量qHG0でもって供給される。この初期供給流量qHG0は、アノード圧力PAの上昇速度vPAがあらかじめ定められた設定上昇速度以上になるように設定されており、かつ、上述したベース供給流量qHGBよりも多く設定されている。本発明による実施例では、初期供給流量qHG0は3つの水素ガス供給弁35a,35b,35cを用いて得られる水素ガス供給流量qHG3に設定され、ベース供給流量qHGBは1つの水素ガス供給弁35a,35b,35cを用いて得られる水素ガス供給流量qHG1に設定される。その結果、アノード圧力PAが急激に上昇する。
このため、図7に示されるように、水素ガス供給器35から供給された水素ガスGHが水素ガス流入マニホルド30biを介し水素ガス流通路30a内に一気に流入する。このとき、水素ガスGHは既存ガスGEX内への拡散が抑制されつつ水素ガス通路30内を進行し、したがって既存ガスGEXが水素ガスGHにより水素ガス流出マニホルド30bo及びバッファタンク36内に押し出される。言い換えると、水素ガスGHが既存ガスGEX内に拡散するのが抑制されるようにアノード圧力PAの上昇速度vPAが設定される。すなわち、上述の設定上昇速度は、水素ガスGHが既存ガスGEX内に拡散するのを抑制可能な最小のアノード圧力PAの上昇速度vPAであり、燃料電池スタック10で発電を開始すべきときの上昇速度vPAはこの設定上昇速度以上に設定されるということになる。
初期供給流量qHG0が多くなるにつれてアノード圧力PAの上昇速度vPAが高くなる。したがって、アノード圧力PAの上昇速度vPAが上述した設定上昇速度になる水素ガス供給流量qHGを設定供給流量と称すると、設定供給流量は、水素ガスGHが既存ガスGEX内に拡散するのを抑制可能な最小の水素ガス供給流量qHGであり、初期供給流量qHG0はこの設定供給流量以上に設定されるということになる。更に、初期供給流量qHG0に設定される水素ガス供給流量qHG3は設定供給流量以上であり、ベース供給流量qHGBに設定される水素ガス供給流量qHG1は設定供給流量よりも少ないということになる。
次いで、図5に示される時間t2においてアノード圧力PAがあらかじめ定められた設定圧力PAXに達すると、すなわち水素ガス通路30内の水素ガス分圧を高レベルで均一にするのに十分な水素ガス分圧が得られると、パージ制御弁38が開弁される。その結果、図8に示されるように、水素ガス通路30内及びバッファタンク36内の既存ガスGEXがパージ管37内に排出され、水素ガス通路30内が水素ガスGHで満たされる。すなわち、燃料電池スタック10内の既存ガスGEXが水素ガスGHにより置換され、水素ガス通路30内の水素ガス分圧が高レベルで均一にされる。
次いで、図5に示される時間t3においてあらかじめ定められたパージ時間ΔtPGが経過すると、パージ制御弁38が閉弁される。本発明による実施例では、このパージ時間ΔPGは、上述した初期パージガス量だけパージされるのに必要な時間である。本発明による実施例では、初期パージガス量は水素ガス通路30の容積にほぼ等しいガス量である。このようにすると、既存ガスGEXが水素ガス通路30内に残存するのを抑制し、しかも発電に利用されることなく水素ガス通路30から排出される水素ガスの量を低減することができる。
次いで、時間t4においてあらかじめ定められた時間ΔtCPが経過すると、カソード圧力制御弁47が開弁される。次いで、時間t5においてあらかじめ定められた時間ΔtBPが経過するとバイパス制御弁41bの弁位置がスタック位置に切り換えられる。その結果、燃料電池スタック10への空気の供給が開始される。したがって、燃料電池スタック10での発電が開始され、燃料電池スタック10の出力電圧VSが次第に上昇する。このとき、水素ガス通路30内の水素ガス分圧は高レベルで均一化されており、したがってカソード極が劣化するのが抑制されている。次いで、時間t6において出力電圧VSがあらかじめ定められた目標電圧VSTに達すると、水素ガス供給流量qHGがベース供給流量qHGBに切り換えられる。すなわち、通常制御が開始される。
なお、図5に示される例では、アノード圧力PAが設定圧力PAXに達した後も水素ガス供給が継続される。図示しない別の実施例では、時間t2においてアノード圧力PAが設定圧力PAXに達すると、水素ガス供給が停止され、次いで時間t6において水素ガス供給が再開される。また、図8に示される例では、水素ガス流出マニホルド30bo内も水素ガスGHで満たされるように水素ガスGHが供給される。しかしながら、膜電極接合体20に対面する水素ガス流通路30a内において水素ガス分圧が高レベルで均一になれば十分であり、水素ガス流出マニホルド30bo内を水素ガスGHで満たす必要はない。
図9は、上述した発電開始制御を実行するルーチンを示している。このルーチンは、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに1回だけ実行される。
図9を参照すると、ステップ100では初期供給流量qHG0でもって水素ガス供給器35が作動される。すなわち、燃料電池スタック10への水素ガス供給が開始される。続くステップ101ではコンプレッサ44が作動される。続くステップ102ではアノード圧力PAが設定圧力PAX以上か否かが判別される。PA<PAXのときはステップ102に戻る。PA≧PAXのときにはステップ103に進み、パージ処理が行われる。すなわち、パージ制御弁38がパージ時間ΔtPGにわたり開弁される。続くステップ104では、パージ制御弁38が閉弁されてから上述の時間ΔCPが経過した後に、カソード圧力制御弁47が開弁される。続くステップ105では、カソード圧力制御弁47が開弁されてから上述の時間ΔBPが経過した後に、バイパス制御弁41bの弁位置がスタック位置に切り換えられる。すなわち、燃料電池スタック10への空気供給が開始され、燃料電池スタック10での発電が開始される。続くステップ106では、燃料電池スタック10の出力電圧VSが目標電圧VSTに達したときに、水素ガス供給流量qHGがベース供給流量qHGBまで減少される。
図示しない実施例では、水素ガス供給器35は単一の水素ガス供給弁を備えており、水素ガス供給流量を変更するために、レギュレータ34により水素ガス供給器35上流の水素ガス圧力が変更される。
次に、初期供給流量qHG0の別の実施例を説明する。
上述した本発明による実施例では、水素ガスGHを水素ガス通路30内に供給したときに水素ガスGHが既存ガスGEX内に拡散するのが抑制されるように、初期供給流量qHG0が多く設定される。一方、燃料電池スタック10での発電が停止されてからの経過時間が長くなるにつれて既存ガスGEX中の水素ガス濃度、すなわち水素ガス通路30内の水素ガス分圧は低下する。言い換えると、燃料電池スタック10での発電が停止された直後は、水素ガス分圧は高いままである。このような場合には、水素ガスGHが既存ガスGEX内に拡散してもさほど問題とならない。
そこで初期供給流量qHG0の別の実施例では、まず、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときの水素ガス通路30内の水素ガス分圧である初期水素ガス分圧pHG0が求められる。次いで、あらかじめ定められた目標水素ガス分圧pHGTに対する初期水素ガス分圧pHG0の差ΔpHGが算出される(ΔpHG=pHGT−pHG0)。次いで、差ΔpHGが大きいときには差ΔpHGが小さいときに比べて多くなるように初期供給流量qHG0が設定される。
すなわち、図10に示されるように、差ΔpHGが第1のしきい値ΔpHGX1以下のときには初期供給流量qHG0は、1つの水素ガス供給弁35a,35b,35cを用いて得られる水素ガス供給流量qHG1に設定される。差ΔpHGが第1のしきい値ΔpHGX1よりも大きく第2のしきい値ΔpHGX2(>ΔpHGX1)以下のときには初期供給流量qHG0は、2つの水素ガス供給弁35a,35b,35cを用いて得られる水素ガス供給流量qHG2に設定される。差ΔpHGが第2のしきい値ΔpHGX1よりも大きいときには初期供給流量qHG0は、3つの水素ガス供給弁35a,35b,35cを用いて得られる水素ガス供給流量qHG3に設定される。
したがって、概念的に表現すると、初期水素ガス分圧pHG0が求められ、初期水素ガス分圧pHG0に基づいて初期供給流量qHG0が設定されるということになる。
なお、上述したように、水素ガス供給流量qHG1は設定供給流量よりも少なく、水素ガス供給流量qHG1が初期供給流量qHG0に設定されたときのアノード圧力PAの上昇速度vPAは設定上昇速度よりも低い。そうすると、図10に示される例では、差ΔpHGが第1のしきい値ΔpHGX1よりも大きいときには、アノード圧力PAの上昇速度vPAが設定上昇速度以上になるように初期供給流量qHG0が設定され、差ΔpHGが第1のしきい値ΔpHGX1以下のときには、アノード圧力PAの上昇速度vPAが設定上昇速度よりも低くなるように初期供給流量qHG0が設定されるということになる。
この点を概念的に表現すると、初期供給流量qHG0は、初期水素ガス分圧pHG0があらかじめ定められた第1の設定分圧よりも低いときにはアノード圧力PAの上昇速度vPAが設定上昇速度よりも高くなるように設定され、初期水素ガス分圧pHG0が第1の設定分圧よりも高いときにはアノード圧力PAの上昇速度vPAが設定上昇速度よりも低くなるように設定される、ということになる。
このようにすると、必要なときにのみ初期供給流量qHG0が増大され、水素ガス供給弁35a、35b,35cを駆動するためのエネルギを低減することができる。また、水素ガス供給弁35a、35b,35cの駆動回数を減らすことができ、水素ガス供給弁35a、35b,35cの耐久性が高められる。
なお、このような初期供給流量qHG0の算出は例えば図9のルーチンのステップ100で行われる。
次に、初期パージガス量の別の実施例を説明する。
上述したように、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに、初期パージガス量だけパージされるように、パージ制御弁38が一時的に開弁される。この場合、既存ガスGEX中の水素ガス濃度、すなわち初期水素ガス分圧pHG0が高いときには、初期パージガス量を少なくし、燃料電池スタック10から排出される水素ガス量を低減する必要がある。
そこで初期パージガス量の別の実施例では、初期水素ガス分圧pHG0に基づいて初期パージガス量が設定される。すなわち、図11に示されるように、初期水素ガス分圧pHG0がしきい分圧pHG0Y以上のときには、初期パージガス量QPG0はゼロに設定される。すなわち、図5を参照して説明したパージ時間ΔtPGがゼロに設定される。したがって、パージ制御弁38が開弁されることなく、燃料電池スタック10への空気供給が開始される。すなわち、この場合には水素ガス通路30から既存ガスGEXが排出されない。これに対し、初期水素ガス分圧pHG0がしきい分圧pHG0Yよりも低いときには、初期パージガス量QPG0はゼロよりも多い量に設定される。具体的には、初期パージガス量QPG0は初期水素ガス分圧pHG0が高くなるにつれて少なくなる。その結果、パージ制御弁38が一時的に開弁された後に、燃料電池スタック10への空気供給が開始される。
なお、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに水素ガス通路30内に多量の液水が存在すると、この液水によってアノード極が覆われ、それにより水素ガスがアノード極に到達するのが困難になるおそれがある。そこで図示しない別の実施例では、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに水素ガス通路30内に存在している液水量である初期液水量が求められ、初期液水量に基づいて初期パージガス量QPG0が算出される。この場合の初期パージガス量QPG0は初期液水量が多くなるにつれて多くなる。図示しない更に別の実施例では、上述した初期水素ガス分圧pHG0に基づく初期パージガス量QPG0と、初期液水量に基づく初期パージガス量QPG0とのうち多い方が初期パージガス量QPG0に設定される。
なお、このような初期パージガス量QPG0の算出は例えば図9のルーチンのステップ103で行われる。
初期水素ガス分圧pHG0は例えば次のようにして求めることができる。すなわち、一例では、燃料電池スタック10での発電を開始すべきときに、水素ガス通路30内の全圧であるアノード圧力PAと、水素ガス通路30内の水素ガス濃度とがそれぞれセンサにより検出され、これら全圧及び水素ガス濃度から初期水素ガス分圧pHG0が算出される。一方、初期水素ガス分圧pHG0は、図12に示されるように、燃料電池スタック10での発電が停止されてからの経過時間tSTPが長くなるにつれて低くなる。そこで、別の例では、図12に示されるマップがあらかじめ実験により求められてROM62内に記憶され、経過時間tSTPが計測され、このマップを用いて初期水素ガス分圧pHG0が推定される。
A 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
30 水素ガス通路
35 水素ガス供給器
37 パージ管
38 パージ制御弁
40 空気通路
44 コンプレッサ

Claims (14)

  1. 燃料ガス非循環の燃料電池システムであって、
    燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結され、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給流量を変更可能に構成された燃料ガス供給器と、
    前記燃料ガス通路の出口に連結されたパージ管と、
    前記パージ管内に配置されたパージ制御弁と、
    前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給器と、
    前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときに、前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの前記酸化剤ガスの供給を停止し前記パージ制御弁を閉弁したまま、前記燃料ガス供給器から初期供給流量でもって前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給を開始して前記燃料ガス通路内の圧力であるアノード圧力を上昇させ、次いで前記アノード圧力があらかじめ定められた設定圧力に達したときに、あらかじめ定められた初期パージガス量だけパージされるように前記パージ制御弁を一時的に開弁し、次いで前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの酸化剤ガスの供給を開始して前記燃料電池スタックにおいて発電を開始するように構成された制御器と、
    を備え、
    前記初期供給流量は、前記アノード圧力の上昇速度があらかじめ定められた設定上昇速度よりも高くなるように設定される、
    燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池スタックの発電中には前記燃料ガス供給器の前記供給流量がベース供給流量に設定され、前記初期供給流量は前記ベース供給流量よりも多く設定される、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときの前記燃料ガス通路内の燃料ガス分圧である初期燃料ガス分圧が求められ、前記初期燃料ガス分圧に基づいて前記初期供給流量が設定される、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記初期供給流量は、前記初期燃料ガス分圧があらかじめ定められた第1の設定分圧よりも低いときには前記アノード圧力の上昇速度が前記設定上昇速度よりも高くなるように設定され、前記初期燃料ガス分圧が前記第1の設定分圧よりも高いときには前記アノード圧力の上昇速度が前記設定上昇速度よりも低くなるように設定される、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記初期燃料ガス分圧に基づいて前記初期パージガス量が設定される、請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記初期燃料ガス分圧があらかじめ定められた第2の設定分圧よりも低いときには前記初期パージガス量がゼロよりも多い量に設定され、それにより前記パージ制御弁が一時的に開弁された後に前記酸化剤ガス供給器による酸化剤ガスガスの供給が開始され、前記初期燃料ガス分圧が前記第2の設定分圧よりも高いときには前記初期パージガス量がゼロに設定され、それにより前記パージ制御弁が開弁されることなく前記酸化剤ガス供給器による酸化剤ガスの供給が開始される、請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料ガス供給器が互いに並列に配置された複数の燃料ガス供給弁を備え、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給に用いられる前記燃料ガス供給弁の数を変更することにより前記供給流量が変更される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  8. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電力を発生する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタック内に形成された燃料ガス通路の入口に連結され、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給流量を変更可能に構成された燃料ガス供給器と、
    前記燃料ガス通路の出口に連結されたパージ管と、
    前記パージ管内に配置されたパージ制御弁と、
    前記燃料電池スタック内に形成された酸化剤ガス通路の入口に連結された酸化剤ガス供給器と、
    を備えた燃料ガス非循環の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときに、前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの前記酸化剤ガスの供給を停止し前記パージ制御弁を閉弁したまま、前記燃料ガス供給器から初期供給流量でもって前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給を開始して前記燃料ガス通路内の圧力であるアノード圧力を上昇させ、
    次いで前記アノード圧力があらかじめ定められた設定圧力に達したときに、あらかじめ定められた初期パージガス量だけパージされるように前記パージ制御弁を一時的に開弁し、
    次いで前記酸化剤ガス供給器による前記燃料電池スタックへの酸化剤ガスの供給を開始して前記燃料電池スタックにおいて発電を開始し、
    前記初期供給流量は、前記アノード圧力の上昇速度があらかじめ定められた設定上昇速度よりも高くなるように設定される、
    燃料電池システムの制御方法。
  9. 前記燃料電池スタックの発電中には前記燃料ガス供給器の前記供給流量がベース供給流量に設定され、前記初期供給流量は前記ベース供給流量よりも多く設定される、請求項8に記載の燃料電池システムの制御方法。
  10. 前記燃料電池スタックで発電を開始すべきときの前記燃料ガス通路内の燃料ガス分圧である初期燃料ガス分圧が求められ、前記初期燃料ガス分圧に基づいて前記初期供給流量が設定される、請求項8又は9に記載の燃料電池システムの制御方法。
  11. 前記初期供給流量は、前記初期燃料ガス分圧があらかじめ定められた第1の設定分圧よりも低いときには前記アノード圧力の上昇速度が前記設定上昇速度よりも高くなるように設定され、前記初期燃料ガス分圧が前記第1の設定分圧よりも高いときには前記アノード圧力の上昇速度が前記設定上昇速度よりも低くなるように設定される、請求項10に記載の燃料電池システムの制御方法。
  12. 前記初期燃料ガス分圧に基づいて前記初期パージガス量が設定される、請求項10又は11に記載の燃料電池システムの制御方法。
  13. 前記初期燃料ガス分圧があらかじめ定められた第2の設定分圧よりも低いときには前記初期パージガス量がゼロよりも多い量に設定され、それにより前記パージ制御弁が一時的に開弁された後に前記酸化剤ガス供給器による酸化剤ガスガスの供給が開始され、前記初期燃料ガス分圧が前記第2の設定分圧よりも高いときには前記初期パージガス量がゼロに設定され、それにより前記パージ制御弁が開弁されることなく前記酸化剤ガス供給器による酸化剤ガスの供給が開始される、請求項12に記載の燃料電池システムの制御方法。
  14. 前記燃料ガス供給器が互いに並列に配置された複数の燃料ガス供給弁を備えており、前記燃料電池スタックへの燃料ガスの供給に用いられる前記燃料ガス供給弁の数を変更することにより前記供給流量が変更される、請求項8から13までのいずれか一項に記載の燃料電池システムの制御方法。
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