JP5577782B2 - 表面処理鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、家電、建材などの用途に適した皮膜中にクロムを含まない環境適応型表面処理鋼板に関するもので、特に、電気・電子機器などのような電磁波漏れ(EMI)を防止する必要がある用途に好適であり、電磁波シールド性に優れるとともに、耐食性にも優れる表面処理鋼板に関するものである。
自動車用鋼板、家電製品用鋼板、建材用鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、6価クロムを主要成分とした処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられてきた。しかし、クロメート処理は公害規制物質である6価クロムを使用するため、最近では従来から使用されていたクロメート処理に代わって、6価クロムを全く用いない処理皮膜を施した表面処理鋼板が提案されている。このうち、有機系化合物や有機樹脂を利用した技術が幾つか提案されており、例えば、以下のようなものを挙げることができる。
(1)下層に酸化物を含有するリン酸及び/又はリン酸化合物皮膜、その上層に樹脂皮膜からなる有機複合被覆を形成させる技術(例えば、特許文献1,2)。
(2)特定のチタン含有水性液に有機リン酸化合物などを配合した混合組成物を用いる技術(例えば、特許文献3)
特開2002−53980号公報 特開2002−53979号公報 特開2006−9121号公報
電気・電子機器が発生する電磁波は周囲の環境に様々な影響をおよぼすため、外部への電磁波漏れ(EMI)を防ぐための電磁波シールドが必要である。OA・AV機器などのシャーシ、底板などに用いられている表面処理鋼板についても、近年、電磁波シールド性が要求されるようになってきた。電磁波シールド性を良好にするには、シャーシ、底板の継ぎ目部分や接合部分のシールド効果を高めることが必要であり、このような観点から、適用される鋼板表面の導電性を今まで以上に良好にすることが要求されるようになってきた。
特に、鋼板の継ぎ目部分や接合部分にはガスケットと呼ばれる部材を用いて、電磁波シールド性を確保しているが、鋼板表面とガスケットとの接触部は通常、接触圧力が低いため、低荷重での導電性を高める必要がある。
一方、表面処理鋼板表面の導電性は、表面に被覆する絶縁性皮膜の膜厚に依存するので、その絶縁性皮膜の膜厚を薄くすることで、導電性を良好にすることができる。例えば、特許文献1,2では、有機皮膜の付着量が0.5g/m以下になると導電性が低下すること、すなわち電磁波シールド性が良好になることが示されている。しかしながら、特許文献1,2にも記載されるように、膜厚を薄くすると耐食性が低下するため、導電性と耐食性がともに優れた表面処理鋼板を得ることは困難であった。
また、特許文献3では、特定のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液に有機リン酸化合物と水溶性又は水分散性有機樹脂を配合することで、酸化チタン系の緻密な皮膜成分の析出を析出させ、これにさらに、バナジン酸化合物、弗化ジルコニウム化合物及び炭酸ジルコニウム化合物を配合することで、バナジウム、ジルコニウムの金属イオンによる複合塩を形成させ、0.2g/m程度の付着量でも良好な耐食性を発現させている。しかしながら、この技術では、耐食性を発現させるための必須成分である弗化ジルコニウムが亜鉛めっき結晶を溶解しながら不動態皮膜を形成し、この不動態皮膜によりめっき表面の導通部が覆われてしまうため、電磁波シールド性が必要とされるような厳しい条件下での導電性が不十分となる。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、皮膜中にクロムを含まず、しかも優れた導電性と耐食性を兼ね備えた表面処理鋼板を提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決するために鋭意検討した結果、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、特定のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液に対して、有機リン酸化合物、バナジン酸化合物、炭酸ジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を特定の割合で複合添加し、さらに必要に応じて水溶性又は水分散性有機樹脂を特定の割合で添加した表面処理液による皮膜を形成することにより、優れた導電性と耐食性を兼ね備えた表面処理鋼板が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して、有機リン酸化合物(B)を1〜400質量部、バナジン酸化合物(C)を1〜500質量部、炭酸ジルコニウム化合物(D)を400質量部超1000質量部以下含有し、さらに、シランカップリング剤(E)を表面処理液の全固形分中での割合で5〜50質量%含有する表面処理液(但し、フッ化ジルコニウム化合物を含む表面処理液を除く)を塗布し、乾燥させることにより形成された皮膜厚が0.01〜2.0μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする表面処理鋼板。
[2]上記[1]の表面処理鋼板において、表面処理液が、さらに、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)をチタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して10〜2000質量部含有することを特徴とする表面処理鋼板。
[3]上記[1]又は[2]の表面処理鋼板において、有機リン酸化合物(B)が1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸であることを特徴とする表面処理鋼板。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの表面処理鋼板において、バナジン酸化合物(C)がメタバナジン酸アンモニウムであることを特徴とする表面処理鋼板。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの表面処理鋼板において、炭酸ジルコニウム化合物(D)が炭酸ジルコニウムアンモニウムであることを特徴とする表面処理鋼板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの表面処理鋼板において、シランカップリング剤(E)がグリシジル基を有することを特徴とする表面処理鋼板。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの表面処理鋼板において、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)が水溶性ウレタン樹脂又は/及び水分散性ウレタン樹脂であることを特徴とする表面処理鋼板。
本発明の表面処理鋼板は、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、特定のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液に有機リン酸化合物、バナジン酸化合物、炭酸ジルコニウム化合物及びシランカップリング剤を特定の割合で複合添加し、さらに必要に応じて水溶性又は水分散性有機樹脂を特定の割合で添加した表面処理液による皮膜を形成することにより、クロメートフリーでありながらクロメート皮膜に匹敵する優れた耐食性が得られ、しかも電磁波シールド性が必要とされるような厳しい条件下でも優れた導電性が得られる。
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
[ベースめっき鋼板]
本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、例えば、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Co合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Zn−5質量%Al合金めっき鋼板、Zn−55質量%Al合金めっき鋼板)、Zn−Mg合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板(例えば、Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板、Zn−11質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板)、さらには、これらのめっき鋼板のめっき皮膜中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合めっき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)などを用いることができる。
また、上記のようなめっきのうち、同種又は異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることもできる。
また、本発明の表面処理鋼板のベースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板などを用いることができる。
また、めっき鋼板としては、鋼板面に予めNiなどの薄目付のめっきを施し、その上に上記のような各種めっきを施したものであってもよい。
めっき方法としては、電解法(水溶液中での電解または非水溶媒中での電解)、溶融法、気相法等、実施可能ないずれの方法を採用してもよい。
さらに、めっきの黒変を防止する目的で、めっき皮膜中にNi、Co、Feの1種以上の微量元素を1〜2000質量ppm程度析出させたり、或いはめっき皮膜表面にNi、Co、Feの1種以上を含むアルカリ性水溶液又は酸性水溶液による表面調整処理を施し、これら元素を析出させるようにしてもよい。
[表面処理皮膜]
次に、前記亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜及びこの皮膜形成用の表面処理液について説明する。
本発明の表面処理鋼板において、亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜は、特定のチタン含有水性液(A)と、有機リン酸化合物(B)と、バナジン酸化合物(C)と、炭酸ジルコニウム化合物(D)と、シランカップリング剤(E)を所定の割合で含有し、必要に応じてさらに水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)を含有する表面処理液を塗布し、乾燥させることにより形成されるものである。この表面処理皮膜は6価クロム(但し、不可避不純物としてのクロムを除く)を含有しない。
上記のような表面処理皮膜により優れた耐食性と導電性が得られるのは、特定のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)に、有機リン酸化合物(B)を配合し、さらに必要に応じて水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)を配合することで、強靭で且つめっき鋼板との密着性に優れた皮膜が形成でき、これにさらに、バナジン酸化合物(C)、炭酸ジルコニウム化合物(D)及びシランカップリング剤(F)を特定の割合で配合することで、薄膜でも防錆力が大幅に向上し、さらに低荷重での導電性が向上するためであると考えられる。
・チタン含有水性液(A)
前記チタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを混合して得られるチタンを含む水性液である。
前記加水分解性チタン化合物は、チタンに直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性基であるものでもよい。
前記加水分解性基としては、上記したように水分と反応することにより水酸化チタンを生成させるものであれば特に制限はないが、例えば、低級アルコキシル基やチタンと塩を形成する基(例えば、塩素などのハロゲン原子、水素原子、硫酸イオンなど)などが挙げられる。
加水分解性基として低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタン化合物としては、特に、一般式Ti(OR)(式中、Rは同一若しくは異なる炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示されるテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンなどが代表的なものとして挙げられる。
また、加水分解性チタン化合物の低縮合物は、上記した加水分解性チタン化合物どうしの低縮合物である。この低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性であるものでもよい。
加水分解性基がチタンと塩を形成する基である加水分解性チタン化合物(例えば、塩化チタン、硫酸チタンなど)については、その加水分解性チタン化合物の水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)も低縮合物として使用できる。
加水分解性チタン化合物の低縮合物及び水酸化チタンの低縮合物としては、縮合度が2〜30の化合物が使用可能であり、特に縮合度が2〜10の化合物を使用することが好ましい。縮合度が30以下であれば、過酸化水素と混合して安定なチタン含有水性液が得られる。
以上挙げた加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物は、1種又は2種以上を使用できるが、そのなかでも、上述した一般式で示される加水分解性チタン化合物であるテトラアルコキシチタンが特に好ましい。この理由は、テトラアルコキシチタンは、加水分解した時に生成されるアルコールが表面処理液を乾燥させる過程で揮発するため、耐食性などの皮膜性能に影響を与えることがなく、特に優れた皮膜性能が得られるからである。
チタン含有水性液(A)としては、上記したチタン化合物と過酸化水素水を混合することにより得られるチタンを含む水性液であれば、従来公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、下記のものを挙げることができる。
(i)含水酸化チタンのゲル又はゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体又はチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液(特開昭63−35419号公報、特開平1−224220号公報参照)。
(ii)塩化チタンや硫酸チタンの水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体(特開平9−71418号公報、特開平10−67516号公報参照)。
このチタニア膜形成用液体を得る場合、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタンの水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。次いで、水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液体を得ることができる。
沈殿した上記オルトチタン酸は、OHどうしの重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、そのままではチタンを含む水性液としては使用できない。このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になり、ペルオキソチタン酸イオンとして溶解或いは高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む水性液として使用できるようになる。
このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩などの熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、低温でも比較的密度の高い酸化チタン膜を形成することができる。
(iii)塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてぺルオキソチタン水和物を生成させた後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置又は加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を生成させ、次いで、少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去した後に過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液(特開2000−247638号公報、特開2000−247639号公報参照)。
チタン化合物として加水分解性チタン化合物及び/又はその低縮合物(以下、説明の便宜上「加水分解性チタン化合物a」という)を用いるチタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。
この加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させることにより、加水分解性チタン化合物aが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで、この水酸基含有チタン化合物に過酸化水素が配位するものと考えられ、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域での安定性が極めて高く、長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルは、Ti−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させたチタン含有水性液(A)とは組成及び安定性が本質的に異なる。
また、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)を80℃以上で加熱処理又はオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。前記加熱処理又はオートクレーブ処理を80℃以上で行えば、酸化チタンの結晶化を十分に進行させることができる。このようにして製造された酸化チタン分散液の酸化チタン超微粒子の平均粒子径は10nm以下、好ましくは1〜6nm程度とすることが望ましい。酸化チタン超微粒子の平均粒子径を10nm以下とすると造膜性が優れる(塗布後乾燥して皮膜とした場合、膜厚1μm以上でワレを生じることがない)ので好ましい。また、酸化チタン超微粒子の平均粒子径が1nm以上であれば、表面処理液を粘度が高くならない状態に維持できるので好ましい。この酸化チタン分散液の外観は半透明状のものである。このような酸化チタン分散液も、チタン含有水性液(A)として使用することができる。
加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)を含む表面処理液を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
表面処理液を塗布した後の鋼板の加熱温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下が好ましく、このような温度で加熱乾燥することにより、水酸基を若干含む非晶質(アモルファス)の酸化チタン含有皮膜が形成できる。
また、上記したような80℃以上の加熱処理又はオートクレーブ処理を経て得られた酸化チタン分散液をチタン含有水性液(A)として用いた場合、表面処理液を塗布するだけで結晶性の酸化チタン含有皮膜が形成できるため、加熱処理できない材料のコーティング材として有用である。
また、チタン含有水性液(A)としては、酸化チタンゾルの存在下で、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させて得られるチタン含有水性液(A1)を使用することもできる。
前記酸化チタンゾルは、無定型チタニア微粒子又は/及びアナタース型チタニア微粒子が水(必要に応じて、例えばアルコール系、アルコールエーテル系などの水性有機溶剤を添加してもよい)に分散したゾルである。この酸化チタンゾルとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、(i)硫酸チタンや硫酸チタニルなどの含チタン溶液を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(ii)チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(iii)四塩化チタンなどのハロゲン化チタン溶液を加水分解又は中和して得られる酸化チタン凝集物、などの酸化チタン凝集物を水に分散した無定型チタニアゾル、或いは前記酸化チタン凝集物を焼成してアナタース型チタン微粒子とし、このものを水に分散したゾルを使用することができる。
前記無定形チタニアの焼成では、少なくともアナタースの結晶化温度以上の温度、例えば、400℃〜500℃以上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナタース型チタニアに変換させることができる。この酸化チタンの水性ゾルとしては、例えば、TKS−201(商品名,テイカ社製,アナタース型結晶形,平均粒子径6nm)、TA−15(商品名,日産化学社製,アナタース型結晶形)、STS−11(商品名,石原産業社製,アナタース型結晶形)などが挙げられる。
チタン含有水性液(A1)において、上記酸化チタンゾルxとチタン過酸化水素反応物y(加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水との反応生成物)との質量比率x/yは、1/99〜99/1、好ましくは約10/90〜90/10の範囲が適当である。質量比率x/yが1/99以上であれば、安定性、光反応性などの点において酸化チタンゾルを添加した効果が十分に得られ、一方、99/1以下であれば、優れた造膜性が得られるので好ましい。
チタン含有水性液(A1)は、酸化チタンゾルの存在下で加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。
チタン含有水性液(A1)の生成形態やその特性は、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様であるが、特に、酸化チタンゾルを使用することにより、合成時に一部縮合反応が起きて増粘するのが抑えられる。その理由は、縮合反応物が酸化チタンゾルの表面に吸着され、溶液状態での高分子化が抑えられるためであると考えられる。
また、チタン含有水性液(A1)を80℃以上で加熱処理又はオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。この酸化チタン分散液を得るための温度条件、結晶化した酸化チタン超微粒子の粒子径、分散液の外観なども、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様である。このような酸化チタン分散液も、チタン含有水性液(A1)として使用することができる。
さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様、チタン含有水性液(A1)を含む表面処理液を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
表面処理液を塗布した後の鋼板の加熱温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下が好ましく、このような温度で加熱乾燥することにより、水酸基を若干含むアナタース型の酸化チタン含有皮膜が形成できる。
以上述べたように、チタン含有水性液(A)の中でも、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)やチタン含有水性液(A1)は、貯蔵安定性、耐食性などに優れた性能を有するので、本発明ではこれらを使用することが特に好ましい。
加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物に対する過酸化水素水の配合割合は、チタン化合物10質量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100質量部、望ましく1〜20質量部とすることが好ましい。過酸化水素水の配合割合が過酸化水素換算で0.1質量部以上であれば、キレート形成が十分であるため白濁沈殿が生じることがなく、一方、100質量部以下であれば、未反応の過酸化水素が残存することがなく、貯蔵中に活性酸素を放出することがないので好ましい。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが、3〜30質量%程度であることが、取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
チタン含有水性液(A)には、必要に応じて、他のゾルや顔料を添加分散させることもできる。例えば、添加物としては、市販の酸化チタンゾルや酸化チタン粉末、マイカ、タルク、バリタ、クレーなどが挙げられ、これらの1種以上を添加することができる。
表面処理液中でのチタン含有水性液(A)の含有量は、固形分で1〜100g/L、好ましくは5〜50g/Lとすることが、処理液の安定性などの点から好ましい。
・有機リン酸化合物(B)
前記有機リン酸化合物(B)としては、例えば、1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸などのヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのカルボキシル基含有有機亜リン酸、及びこれらの塩などが好適なものとして挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
有機リン酸化合物(B)は、耐食性とチタン含有水性液(A)の貯蔵安定性を向上させる効果を有し、なかでも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸はその効果が特に大きいことから、これを使用するのが特に好ましい。
有機リン酸化合物(B)の配合量は、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して1〜400質量部、好ましくは20〜350質量部とする。有機リン酸化合物(B)の配合量が、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して1質量部未満では、耐食性や密着性が劣る。一方、400質量部を超えると耐水付着性が劣る。
・バナジン酸化合物(C)
前記バナジン酸化合物(C)は、表面処理液で形成される皮膜の防食性を向上させるものであり、例えば、バナジン酸、オルソバナジン酸リチウム、オルソバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、ピロバナジン酸ナトリウム、塩化バナジル、硫酸バナジルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、防食性に効果の大きいメタバナジン酸塩が好ましく、特にメタバナジン酸アンモニウムが好適である。
バナジン酸化合物(C)の配合量は、皮膜をアルカリ脱脂した後の耐食性などの点から、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して1〜500質量部、好ましくは10〜400質量部とする。バナジン酸化合物(C)の配合量が、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して1質量部未満では、アルカリ脱脂した後の耐食性が劣る。一方、500質量部を超えると、Vが過剰に存在するため十分な耐食性を発現できない。
・炭酸ジルコニウム化合物(D)
前記炭酸ジルコニウム化合物(D)としては、炭酸ジルコニウムのナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの塩(例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムナトリウム、炭酸ジルコニウムリチウム)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、炭酸ジルコニウムアンモニウムが耐水付着性などの点から好ましい。
炭酸ジルコニウム化合物(D)の配合量は、皮膜をアルカリ脱脂した後の耐食性などの点から、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して400質量部超1000質量部以下、好ましくは450〜900質量部とする。炭酸ジルコニウム化合物(D)の配合量が、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して400質量部以下では、アルカリ脱脂した後の耐食性が劣る。一方、1000質量部を超えると、Zrが過剰に存在するため十分な耐食性を発現できない。
・シランカップリング剤(E)
前記シランカップリング剤(E)としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン−塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニリトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、トリメチルクロロシランなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのようなグリシジル基を有するカップリング剤を用いることで、皮膜中の有機成分(例えば、有機リン酸)−無機成分(例えば、チタン含有水性液に由来するチタン化合物)の密着性が高まり、さらに耐食性が向上する。
シランカップリング剤(E)の配合量は、皮膜をアルカリ脱脂した後の耐食性などの点から、表面処理液の全固形分中での割合で5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%とする。シランカップリング剤(E)の配合量が、表面処理液の全固形分中での割合で5質量%未満では、アルカリ脱脂した後の耐食性が劣る。一方、50質量%を超えると、液安定性が低下してしまう上、コストアップになる。
・水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)
本発明で用いる表面処理液には、さらに必要に応じて、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)を配合することができる。この水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)は、水に溶解又は分散することのできる有機樹脂であり、有機樹脂を水に水溶化又は分散化させる方法としては、従来から公知の方法を適用することができる。具体的には、有機樹脂として、単独で水溶化や水分散化できる官能基(例えば、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ(イミノ)基、スルフィド基、ホスフィン基など)を含有するもの、及び必要に応じてそれらの官能基の一部又は全部を、酸性樹脂(カルボキシル基含有樹脂など)であればエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン化合物;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物で中和したもの、また、塩基性樹脂(アミノ基含有樹脂など)であれば、酢酸、乳酸などの脂肪酸;リン酸などの鉱酸で中和したものなどを使用することができる。
水溶性又は水分散性有機樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。上記有機樹脂は1種又は2種以上を用いることができる。
これらのなかでも特に、水溶性又は水分散性のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂及びエポキシ系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の有機樹脂を用いることが表面処理液の貯蔵安定性の面から好ましく、また特に、水溶性又は水分散性のアクリル系樹脂を主成分として用いることが、表面処理液の貯蔵安定性と塗膜性能とのバランスの面から好ましい。
水溶性又は水分散性アクリル樹脂は、従来公知の方法、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、親水性の基を有する重合体を溶液重合により合成し、必要に応じて中和、水性化する方法などにより得ることができる。
前記親水性の基を有する重合体は、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、ポリオキシアルキレン基などの親水性の基を有する不飽和単量体、必要に応じて、さらにその他の不飽和単量体を重合させることにより得ることができる。
水溶性又は水分散性アクリル樹脂は、耐食性などの点からスチレンを共重合してなるものが好ましく、全不飽和単量体中のスチレンの量は10〜60質量%、特に15〜50質量%であることが好ましい。また、共重合して得られるアクリル樹脂のTg(ガラス転移点)は30〜80℃、特に35〜70℃であることが、得られる皮膜の強靭性などの点から好ましい。
前記カルボキシル基含有不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などが挙げられる。
前記アミノ基含有不飽和単量体などのような含窒素不飽和単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー;アリルアミンなどが挙げられる。
前記水酸基含有不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などが挙げられる。
その他の不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニルなどが挙げられる。
以上挙げた不飽和単量体は、1種又は2種以上を用いることができる。なお、本願の記載において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどのポリオールとジイソシアネートからなるポリウレタンを必要に応じてジオール、ジアミンなどのような2個以上の活性水素を持つ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長し、水中に安定に分散又は溶解させたものを好適に使用でき、従来公知のものを広く使用できる(例えば、特公昭42−24192号公報、特公昭42−24194号公報、特公昭42−5118号公報、特公昭49−986号公報、特公昭49−33104号公報、特公昭50−15027号公報、特公昭53−29175号公報参照)。
ポリウレタン樹脂を水中に安定に分散又は溶解させる方法としては、例えば下記の方法が利用できる。
(1)ポリウレタンポリマーの側鎖又は末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基などのイオン性基を導入することにより親水性を付与し、自己乳化により水中に分散又は溶解する方法。
(2)反応の完結したポリウレタンポリマー又は末端イソシアネート基をオキシム、アルコール、フェノール、メルカプタン、アミン、重亜硫酸ソーダなどのブロック剤でブロックしたポリウレタンポリマーを乳化剤と機械的剪断力を用いて強制的に水中に分散する方法。さらに、末端イソシアネート基を持つウレタンポリマーを水、乳化剤及び鎖伸長剤と混合し、機械的剪断力を用いて分散化と高分子量化を同時に行う方法。
(3)ポリウレタン主原料のポリオールとしてポリエチレングリコールのごとき水溶性ポリオールを使用し、水に可溶なポリウレタンとして水中に分散又は溶解する方法。
なお、ポリウレタン系樹脂は、上述した分散又は溶解方法のうち異なる方法で得られたものを混合して用いることもできる。
前記ポリウレタン系樹脂の合成に使用できるジイソシアネートとしては、芳香族、脂環族又は脂肪族のジイソシアネートが挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,4−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、4,4′−ジイソシアナトシクロヘキサノン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらなかでも、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
ポリウレタン系樹脂の市販品としては、ハイドランHW−330、同HW−340、同HW−350(いずれも商品名,大日本インキ化学工業社製)、スーパーフレックス100、同150、同E−2500、同F−3438D(いずれも商品名,第一工業製薬社製)などを挙げることができる。
前記エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂にアミンを付加してなるカチオン系エポキシ樹脂;アクリル変性、ウレタン変性などの変性エポキシ樹脂などが好適に使用できる。カチオン系エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ化合物と、1級モノ−又はポリアミン、2級モノ−又はポリアミン、1,2級混合ポリアミンなどとの付加物(例えば、米国特許第3984299号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−又はポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4017438号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシル化合物とのエーテル化反応生成物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)などが挙げられる。
エポキシ系樹脂としては、数平均分子量が400〜4000、特に800〜2000、エポキシ当量が190〜2000、特に400〜1000であるものが好ましい。そのようなエポキシ系樹脂は、例えば、ポリフェノール化合物とエピルロルヒドリンとの反応によって得ることができ、ポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)の配合量は、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して10〜2000質量部、特に100〜1500重量部であることが、皮膜をアルカリ脱脂した後の耐食性などの点から好ましい。すなわち、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)の配合量が、チタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して10質量部以上とすると、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)を添加することによるアルカリ脱脂後の耐食性の向上効果が十分に得られ、一方、2000質量部以下とすると、耐熱変色性及び加工後密着性を確保できる。
表面処理液には、必要に応じて、さらに、有機微粒子及び/又は無機微粒子を添加することができる。このような微粒子を添加することで塗膜の透明性が下がり、薄膜において発生しやすいニジムラ(干渉色)を抑えることができ、このため外観を重視する用途に適した表面処理皮膜が得られる。上記微粒子の粒径は、平均粒子径として3〜1000nm、特に3〜500nmであることが、粒子の沈降安定性及び耐食性の点から好ましい。
前記有機微粒子としては、例えば、アクリル、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレングリコールなどの樹脂微粒子が挙げられる。また、無機微粒子としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどを挙げることができる。コストなどの点からは、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウムなどが好ましい。
有機微粒子及び/又は無機微粒子の添加量は、表面処理液の全固形分中の割合で1〜30質量%、特に1〜20質量%であることが、耐食性などの点から好ましい。
表面処理液は、必要に応じて、上記した成分の他に、例えば、本発明の成分以外の重金属化合物や水性有機高分子化合物、増粘剤、界面活性剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、着色顔料、体質顔料、シリカ、防錆顔料などを含有することができる。
表面処理液は、中性もしくは酸性領域で安定な液体となるので、pH1〜7であることが好ましく、特にpH1〜5が好ましい。
また、表面処理液は、通常水で希釈して使用されるが、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系、プロピレングリコール系などの親水性溶剤で希釈してもよい。
上述したような表面処理液によって形成される表面処理皮膜の膜厚(乾燥膜厚)は、経済性と塗膜性能、特に耐食性と導電性を高いレベルで両立させるために、0.01〜2.0μm、好ましくは0.05〜1.0μmとする。
次に、本発明の表面処理鋼板の製造方法について説明する。
亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に上記表面処理皮膜を形成するには、上述した組成を有する表面処理液を乾燥膜厚が上記範囲となるように塗布し、乾燥させる。
表面処理液をめっき鋼板面に形成する方法としては、塗布法、浸漬法、スプレー法のいずれでもよい。塗布処理方法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーター、ダイコーターなどいずれの方法でもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理又は浸漬処理、スプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
表面処理液をコーティングした後は、水洗することなく加熱乾燥を行う。加熱乾燥手段としては、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱乾燥は到達板温で30〜200℃、好ましくは40℃〜140℃の範囲で行うことが望ましい。この加熱乾燥温度が30℃以上であれば皮膜中に水分が残存しないため、また、加熱乾燥温度が200℃以下であれば皮膜の欠陥発生が抑制されるため、表面処理鋼板の耐食性低下等の問題を生じることがない。
表面処理液に用いたチタン含有水性液(A)と成分(B)〜(F)を以下に示す。
[チタン含有水性液(A)の製造]
・製造例1(チタン含有水性液T1)
四塩化チタン60質量%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアンモニア水(1:9=アンモニア:水の質量比)を滴下し、水酸化チタンの低縮合物を沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30質量%溶液を10cc加えてかき混ぜ、チタンを含む黄色半透明の粘性のあるチタン含有水性液T1を得た。
・製造例2(チタン含有水性液T2)
テトラiso−プロポキシチタン10質量部とiso−プロパノール10質量部の混合物を30質量%過酸化水素水10質量部と脱イオン水100質量部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有水性液T2を得た。
・製造例3(チタン含有水性液T3)
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラn−ブトキシチタンを使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T3を得た。
・製造例4(チタン含有水性液T4)
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラiso−プロポキシチタンの3量体(テトラiso−プロポキシチタンの低縮合物)を使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T4を得た。
・製造例5(チタン含有水性液T5)
製造例2に対して過酸化水素水を3倍量用い、50℃で1時間かけて滴下し、さらに60℃で3時間熟成した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T5を得た。
・製造例6(チタン含有水性液T6)
製造例3で製造したチタン含有水性液T3を、さらに95℃で6時間加熱処理することにより、白黄色の半透明なチタン含有水性液T6を得た。
・製造例7(チタン含有水性液T7)
テトラiso−プロポキシチタン10質量部とiso−プロパノール10質量部の混合物を、「TKS−203」(商品名,テイカ社製,酸化チタンゾル)5質量部(固形分)、30質量%過酸化水素水10質量部及び脱イオン水100質量部の混合物中に10℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後10℃で24時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有水性液T7を得た。
[有機リン酸化合物(B)]
B1:1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸
B2:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
B3:1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸
B4:2−ヒドロキシホスホノ酢酸
B5:2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸
B6:2−ヒドロキシホスホノ酢酸カリウム
[バナジン酸化合物(C)]
C1:メタバナジン酸アンモニウム
C2:メタバナジン酸ナトリウム
C3:メタバナジン酸カリウム
[炭酸ジルコニウム化合物(D)]
D1:炭酸ジルコニウムアンモニウム
D2:炭酸ジルコニウムナトリウム
D3:炭酸ジルコニウムリチウム
[シランカップリング剤(E)]
E1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
E2:N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
[水溶性又は水分散性有機樹脂(F)]
F1:エピレッツ6943(商品名,ジャパンエポキシレジン社製,ノニオン系水性エポキシ樹脂)
F2:エピレッツ3520WY55(商品名,ジャパンエポキシレジン社製,ノニオン系水性エポキシ樹脂)
F3:エピレッツ3540WY55(商品名,ジャパンエポキシレジン社製,ノニオン系水性エポキシ樹脂)
F4:アデカレジンEM−0718(商品名,旭電化工業社製,カチオン系水性エポキシ樹脂)
F5:スーパーフレックスE-2500(商品名,第一工業製薬社製,水性ポリウレタン樹脂)
F6:バイロナールMD-1100(商品名,東洋紡績社製,水性ポリエステル樹脂)
上記したチタン含有水性液(A)と成分(B)〜(F)を適宜配合して表2及び表3に示す処理剤P1〜P63(表面処理液)を調製した。
処理原板として表1に示す各種めっき鋼板を用い、めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、水洗・乾燥した後、上記処理剤(表面処理液)を塗布し、各種温度で乾燥させ、発明例および比較例の表面処理鋼板を得た。なお、皮膜の膜厚は、表面処理液の固形分(加熱残分)により調整した。
得られた表面処理鋼板の品質性能(耐食性、塗料密着性、導電性)を評価した結果を、製造条件とともに表4〜表6に示す。なお、各品質性能の測定及び評価方法は、以下の通りである。
(1)耐白錆性
各供試板からサイズ70×150mmの試験片を切り出し、裏面と端部をビニールテープでシールした。この試験片に対して、JIS−Z−2371−2000に準拠した塩水噴霧試験(SST)を実施し、SST120時間後の白錆発生面積率を目視にて確認し、下記の評価基準で評価した。
◎:白錆発生面積率5%未満
○:白錆発生面積率5%以上、20%未満
△:白錆発生面積率20%以上、40%未満
×:白錆発生面積率40%以上
(2)アルカリ脱脂後の耐白錆性
各供試板からサイズ70×150mmの試験片を切り出し、日本パーカーライジング(株)製のアルカリ処理液「CLN−364S」(60℃,スプレー2分)でアルカリ脱脂した後、裏面と端部をビニールテープでシールした。この試験片に対して、JIS−Z−2371−2000に準拠した塩水噴霧試験(SST)を実施し、SST96時間後の白錆発生面積率を目視にて確認し、下記の評価基準で評価した。
◎:白錆発生面積率5%未満
○:白錆発生面積率5%以上、20%未満
△:白錆発生面積率20%以上、40%未満
×:白錆発生面積率40%以上
(3)塗料密着性(上塗り塗装性)
各供試板からサイズ70×150mmの試験片を切り出し、この試験片面に塗膜厚さが30μmとなるように市販のメラミンアルキッド塗料を塗装し、140℃で30分間焼き付けた。次いで、沸水に2時間浸漬した後、試験片面にNTカッターで素地鋼まで達する切り込みを入れて1mm角の碁盤目を100個形成した。次いで、この切込みを入れた部分が外(表)側となるようにエリクセン押し出し機で5mm押し出した後、当該部分(切込みを入れた部分)に対する接着テープによる貼着−剥離試験を行い、塗膜が剥離した面積率に基づき、下記の評価基準で評価した。なお、エリクセン押し出し条件は、JIS−Z−2247−2006(エリクセン値記号:IE)に準拠し、ポンチ径:20mm、ダイス径:27mm、絞り幅:27mmとした。
◎:剥離面積率5%未満及び剥離なし
○:剥離面積率5%以上、10%未満
△:剥離面積率10%以上、20%未満
×:剥離面積率20%以上
(4)導電性
試験板について、三菱化学アナリテック(株)製「ロレスタGP,ESP端子」を用い、表面抵抗値を測定して評価した。表面抵抗値は、端子にかかる荷重を50gピッチで増加させて測定し、10−4Ω以下が達成できる最小の荷重により、下記の評価基準で評価した。
◎ :10点測定の平均荷重が350g未満
○ :10点測定の平均荷重が350g以上、600g未満
○−:10点測定の平均荷重が600g以上、800g未満
△ :10点測定の平均荷重が800g以上、950g未満
× :10点測定の平均荷重が950g以上
表4〜表6によれば、本発明例は耐白錆性及びアルカリ脱脂後耐白錆性(耐食性)、塗料密着性、導電性のいずれにも優れている。一方、比較例では、耐白錆性、アルカリ脱脂後耐白錆性、塗料密着性、導電性のいずれか一つ以上が本発明例に比べ劣っている。
Figure 0005577782
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表2及び表3において、*1〜*8は以下の内容を示す。
*1 明細書本文に記載のチタン含有水性液T1〜T7
*2 明細書本文に記載の有機リン酸化合物B1〜B6
*3 明細書本文に記載のバナジン酸化合物C1〜C3
*4 明細書本文に記載の炭酸ジルコニウム化合物D1〜D3
*5 明細書本文に記載のシランカップリング剤E1,E2
*6 明細書本文に記載の水溶性又は水分散性有機樹脂F1〜F6
*7 表面処理液1リットル中の固形分質量(g)
*8 表面処理液中での固形分の質量%
Figure 0005577782
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Claims (7)

  1. 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板の表面に、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して、有機リン酸化合物(B)を1〜400質量部、バナジン酸化合物(C)を1〜500質量部、炭酸ジルコニウム化合物(D)を400質量部超1000質量部以下含有し、さらに、シランカップリング剤(E)を表面処理液の全固形分中での割合で5〜50質量%含有する表面処理液(但し、フッ化ジルコニウム化合物を含む表面処理液を除く)を塗布し、乾燥させることにより形成された皮膜厚が0.01〜2.0μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする表面処理鋼板。
  2. 表面処理液が、さらに、水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)をチタン含有水性液(A)の固形分100質量部に対して10〜2000質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理鋼板。
  3. 有機リン酸化合物(B)が1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理鋼板。
  4. バナジン酸化合物(C)がメタバナジン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  5. 炭酸ジルコニウム化合物(D)が炭酸ジルコニウムアンモニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  6. シランカップリング剤(E)がグリシジル基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  7. 水溶性有機樹脂又は/及び水分散性有機樹脂(F)が水溶性ウレタン樹脂又は/及び水分散性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
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