JP5568906B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上すると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にした空気入りタイヤに関する。
一般に、ウェット路面や氷雪路面における走行性能を向上するために、トレッド面にサイプを設けて吸水性を向上させることが広く行われている。しかしながら、トレッド面にサイプを多数配置し過ぎるとトレッド剛性が低下して操縦安定性や制動性を悪化させる原因になるため、従来から、サイプの形態やその配置に関して多くの提案がなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
これらのうち、特許文献1では、平面形状がI字形状又はY字形状をなし、かつ切り込
み端部を円形に形成した多数のサイプをトレッド面に近接して配置することにより、あらゆる路面において高いグリップ力とせん断剛性を得ることを提案している。しかし、この提案ではサイプの配置間隔が狭すぎるためトレッド剛性を確保することが難しく、たとえサイプの配置間隔を大きくしたとしても、サイプの切り込み幅が長手方向に対して均一に形成されているため、トレッド面の接地時においてサイプの幅が十分には開口せず、サイプによる吸水効果に限界があるという問題がある。
また、トレッド面にサイプを設けたスタッドレスタイヤは、摩耗が進行して冬用タイヤとしての役割を終えた後に夏用タイヤとして使用する場合がある。したがって、冬用タイヤとしての役割を終えた後のスタッドレスタイヤでは、タイヤの要求性能に応じて、ウェット性能やドライ路面での操縦安定性能を如何にして確保するかが重要な課題となっている。
特開平8−276709号公報
本発明の目的は、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上すると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、請求項1に記載する第一発明と請求項2に記載する第二発明との2つの発明からなり、第一発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設けた空気入りタイヤにおいて、前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該拡幅部の幅を前記切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより前記閉鎖サイプの横断面積を該閉鎖サイプの底面側においてトレッド面側におけるよりも徐々に又は段階的に大きくなるように変化させ、かつ該閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを0.4〜0.6にしたことを特徴にする。
また、第二発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設けた空気入りタイヤにおいて、前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該拡幅部の幅を前記切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより前記閉鎖サイプの横断面積を該閉鎖サイプの底面側においてトレッド面側におけるよりも徐々に又は段階的に小さくなるように変化させ、かつ該閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを1.3〜3.0にしたことを特徴にする。
さらに、上述する構成において、以下(1)〜(5)に記載するように構成することが好ましい。
(1)前記拡幅部の幅を前記切り込みの幅の1.5倍以上、20倍未満にする。
(2)前記拡幅部を前記切り込みの深さ方向の全長にわたり形成する。
(3)前記仮想軸に沿って切り込み幅を広くする第二拡幅部を形成する。この場合において、前記第二拡幅部を前記閉鎖サイプの深さ方向の全長にわたり形成するとよい。さらに、前記第二拡幅部の横断面積を前記閉鎖サイプの深さ方向に対して異ならせることが好ましい。
(4)前記切り込みの幅を前記陸部の深さ方向に対して異ならせる。
(5)前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設ける。この場合において、前記陸部がブロックであるときは、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列するとよい。
上述した本発明によれば、トレッド面に形成した陸部に、陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設け、これら切り込みの仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成したので、氷上路面走行時にはタイヤの接地に伴うトレッド接地圧によって切り込みの幅が拡幅部を中心にして幅方向に大きく開口して、氷上路面上の水が拡幅部に流れ込み易くなり、拡幅部に流れ込んだ水が各切り込みに向けて効率よく拡散するため、吸排水機能が促進されて氷上制動性能を向上させることができる。
さらに本発明では、拡幅部の幅を切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより閉鎖サイプの横断面積を閉鎖サイプの深さ方向に対して徐々に又は段階的に変化させたので、この横断面積を閉鎖サイプの底面側においてトレッド面側よりも大きくした請求項1に記載する第一発明の場合には、冬用タイヤとしての役割を終えた後のサイプ容積の確保により、良好なウェット性能を確保することができ、また、この横断面積を閉鎖サイプのトレッド面側において底面側よりも大きくした請求項2に記載する第二発明の場合には、冬用タイヤとしての役割を終えた後の陸部剛性の確保により、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができ、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、ウェット性能、又はドライ路面での操縦安定性能の向上効果を、摩耗の進行に追従させて、臨機応変に指向することができる。
しかも、第一発明では、閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを0.4〜0.6にしたので、摩耗後期におけるドライ路面での操縦安定性を確保しながら、ウェット性能を向上させることができ、第二発明では、閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを1.3〜3.0にしたので、摩耗後期におけるウェット性能を確保しながら、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面に形成する閉鎖サイプの一例を示す平面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ図1の閉鎖サイプの外壁形状の一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の他の実施形態による閉鎖サイプを示す図1に相当する平面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明のさらに他の実施形態による閉鎖サイプを示す図1に相当する平面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明のさらに他の実施形態による閉鎖サイプを示す図1に相当する平面図である。 本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 本発明の他の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 実施例において採用した空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 実施例において採用した比較例2における閉鎖サイプを示す図1に相当する平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤのトレッド面に形成した閉鎖サイプの形態の一例を四角の枠内に示す平面図であり、図2(a)及び(b)はそれぞれ図1の閉鎖サイプの外壁形状の一例を示す斜視図である。
図1において、本発明の空気入りタイヤのトレッド面1に形成された陸部3には、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2を中心にして放射方向に延びかつ陸部3内で終端する少なくとも3本(図では3本)の切り込み4からなる閉鎖サイプ5が形成されている。
そして、本発明の閉鎖サイプ5では、それぞれの切り込み4の仮想軸2から終端4zに至る間の少なくとも1箇所(図では1箇所)に、局部的に切り込み幅を広くする拡幅部6を形成すると共に、閉鎖サイプ5の横断面積を閉鎖サイプ5の深さ方向に対して変化させている。
これにより、氷上路面走行時にはタイヤの接地に伴うトレッド接地圧によって切り込み4の幅が拡幅部6を中心にして幅方向に大きく開口して、氷上路面上の水が拡幅部6に流れ込み易くなり、拡幅部6に流れ込んだ水が各切り込み4に向けて効率よく拡散するため、吸排水機能が促進されて氷上制動性能を向上させることができる。
しかも、本発明では、拡幅部6の幅を切り込み4の深さ方向に対して異ならせることにより閉鎖サイプ5の横断面積を閉鎖サイプ5の深さ方向に対して変化させたので、この横断横断面積を閉鎖サイプ5の底面側においてトレッド面1側よりも大きくした場合には、冬用タイヤとしての役割を終えた後のサイプ容積の確保により、良好なウェット性能を確保することができ、また、この横断面積を閉鎖サイプ5のトレッド面1側において底面側よりも大きくした場合には、冬用タイヤとしての役割を終えた後の陸部剛性の確保により、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
そして、本発明では、閉鎖サイプ5の横断面積を閉鎖サイプ5の深さ方向に対して変化させるに際して、請求項1に記載する第一発明では、拡幅部6の幅を切り込み4の深さ方向に対して異ならせることにより閉鎖サイプ5の横断面積をトレッド面1側から底面側に向けて徐々に又は段階的に大きくし、請求項2に記載する第二発明では、拡幅部6の幅を切り込み4の深さ方向に対して異ならせることにより閉鎖サイプ5の横断面積をトレッド面1側から底面側に向けて徐々に又は段階的に小さくしている。
これにより、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、ウェット性能、又はドライ路面での操縦安定性能の向上効果を、臨機応変に指向することが可能になる。
図2(a)及び(b)はそれぞれ図1の閉鎖サイプの外壁形状の一例を示す斜視図で、図2(a)では、拡幅部6を切り込み4の深さ方向の全長にわたり形成したうえで、拡幅部6の幅wを閉鎖サイプ5の深さ方向に向けて徐々に大きくしている場合を示し、図2(b)では、拡幅部6を切り込み4の深さ方向の全長にわたり形成したうえで、拡幅部6の幅wを閉鎖サイプ5の深さ方向に向けて徐々に小さくしている場合を示している。
さらに、本発明の空気入りタイヤにおいて、夏用タイヤとしてのウェット性能を指向する請求項1に記載する第一発明の場合には、閉鎖サイプ5のトレッド面1における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syが0.4〜0.6となるように調整している。ここで、Sx/Syが0.6超では摩耗後期におけるウェット性能が不足することになり、0.4未満では摩耗後期における操縦安定性が低下することになる。
一方、夏用タイヤとしての操縦安定性を指向する請求項2に記載する第二発明の場合には、上記の比Sx/Syが1.3〜3.0となるように調整している。Sx/Syが1.3未満では摩耗後期における操縦安定性が不足することになり、3.0超では摩耗後期における良好なウェット性能が得られなくなる。
ここで、閉鎖サイプ5のトレッド面1における横断面積Sxとは、閉鎖サイプ5のトレッド面1から底面に向かって閉鎖サイプ5の深さの1%離れた位置における横断面積をいい、閉鎖サイプ5の底面における横断面積Syとは、閉鎖サイプ5の底面からトレッド面1に向かって閉鎖サイプ5の深さの1%離れた位置における横断面積をいう。
なお、図1の実施形態では、拡幅部6の平面形状を円形に形成した場合を示したが、拡幅部6の平面形状はこれに限られるものではなく、楕円形や多角形に形成することができる。この場合において、拡幅部6の壁面に応力が集中してクラックが発生しないようにするために、この壁面形状は曲率を有する形状にすることが好ましい。
本発明において、切り込み4の幅は、特に限定されるものではないが、通例、0.3〜2.0mm程度に設定される。さらに、拡幅部6の幅wは、タイヤの要求特性に応じてその都度設定されるが、タイヤの操縦安定性や耐久性などの観点から、通例は8mm程度以下に設定するとよい。ただし、建設車両用などに供される大型タイヤの場合にはこれ以上に設定する場合がある。
さらに具体的には、拡幅部6の幅wを切り込み4の幅の1.5倍以上、20倍未満、好ましくは2〜5倍に設定するとよい。ここで、拡幅部6の幅wが切り込み4の幅の1.5倍未満では氷上制動性能の向上効果が得られず、20倍以上にすると拡幅部6の周辺に偏摩耗が生じ易くなると共に、陸部3の剛性低下により操縦安定性の悪化が懸念される。
なお、切り込み4に形成する拡幅部6の深さは、特に限定されるものではないが、良好な吸排水機能を確保する観点から、図2(a)及び(b)に例示するように、拡幅部6を切り込み4の深さ方向の全長にわたり形成するとよい。しかし、タイヤの要求性能によっては、閉鎖サイプ5における一部又は全部の拡幅部6を切り込み4の深さ方向の途中までに留めておき、摩耗が進行した時点において拡幅部6の一部又は全部が消滅することによって陸部剛性を高めて、冬用タイヤとしての役割を終えた後におけるドライ路面での操縦安定性の確保を狙うことができる。
上述するように、本発明の空気入りタイヤでは、閉鎖サイプ5の横断面積を閉鎖サイプ5の深さ方向に対して変化させるに際して、拡幅部6の幅wを、図2(a)及び(b)に示すように、切り込み4の深さ方向に対して異ならせている。この場合における切り込み4の深さ方向に対する拡幅部6の幅wの変化は、切り込み4の深さ方向に対して徐々に変化させるようにしてもよいし、ステップ状に変化させるようにしてもよい。
なお、拡幅部6の幅wを、図2(a)に示すように、切り込み4の深さ方向に向けて大きくした場合には、摩耗が進行した時点においても切り込み4の容積が確保できるため、長期にわたり氷上制動性能を維持することができると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後における良好なウェット性能を確保することができる。
一方、拡幅部6の幅wを、図2(b)に示すように、切り込み4の深さ方向に向けて小さくした場合には、摩耗が進行した時点において陸部剛性が高められるので、冬用タイヤとしての役割を終えた後におけるドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
なお、上述する図1の実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する3本の切り込み4の中間位置にそれぞれ1箇所の拡幅部6を設けた場合について述べてきたが、本発明の閉鎖サイプ5では、図3(a)に例示するように、各切り込み4の端部及び中間位置の1箇所に拡幅部6を形成したり、図3(b)に例示するように、各切り込み4の中間位置の2箇所以上に拡幅部6を形成する場合がある。ここで、閉鎖サイプ5を構成する各切り込み4は、図3(b)に例示するように、互いにその長さを異ならせたり、又は拡幅部6の大きさや形状などを異ならせて形成する場合が許容される。
さらに、本発明では、タイヤの要求性能に応じて、図4(a)に例示するように、閉鎖サイプ5の切り込み4を4本以上(図では4本)、好ましくは7本以内に構成し、拡幅部6を各切り込み4の中間位置の1箇所又は複数個所(図では1箇所)、好ましくは3箇所以内に形成したり、図4(b)に例示するように、各切り込み4の端部のみにそれぞれ拡幅部6を形成する場合がある。
本発明において、さらに好ましくは、図5(a)〜(c)に例示するように、閉鎖サイプ5の中心に位置する仮想軸2に沿って切り込み幅を広くする第二拡幅部7を形成するとよい。これにより、氷上制動性能を一層確実に向上させることができる。
なお、第二拡幅部7の横断面形状は特に限定されないが、図5(a)に示すように円形に形成したり、図5(b)及び(c)に示すように、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数に応じて、多角形又は星形に形成するとよい。この場合にあっても、拡幅部6と同様に、第二拡幅部7の周辺壁面に応力が集中しないように、第二拡幅部7の壁面を曲率を有する形状に形成することが好ましい。
また、第二拡幅部7の深さは、特に限定されるものではないが、良好な吸排水機能を確保するために、閉鎖サイプ5の深さ方向の全長にわたり形成するとよい。しかしながら、拡幅部6の深さと同様に、タイヤの要求性能によっては、閉鎖サイプ5の深さ方向の途中までに留めておくことが許容される。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、第二拡幅部7の横断面積を閉鎖サイプ5の深さ方向に対して異ならせる場合がある。これにより、摩耗が進行した時点におけるタイヤの要求性能に対して臨機応変に対応することができる。この場合における閉鎖サイプ5の深さ方向に対する変化は、深さ方向に対して徐々に変化させるようにしてもよいし、ステップ状に変化させるようにしてもよい。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤの要求性能に応じて、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の放射方向の形態を曲線(円弧)状、波状又はジグザグ状に形成したり、切り込み4の放射方向の長さを深さ方向に対して変化させることができる。
本発明の空気入りタイヤでは、上述する閉鎖サイプ5をトレッド面1に形成した陸部3の全面にわたり分散して配置することが好ましい。この場合には、陸部3の剛性分布を均等に保持して偏摩耗を抑制する観点から、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4が互いに接近しないように配置することが好ましい。
さらに、タイヤの要求特性に応じて、図6及び図7に例示するように、トレッド面1に形成された陸部3に、閉鎖サイプ5と共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8を組み合わせて配置することができる。これにより、線状のサイプ8の配置に伴うエッジ効果の増大により、操縦安定性と氷上制動性能とを高次元で両立させることができる。
なお、図6の実施例ではトレッド面1に形成したリブ9の表面に並列に配置された複数の閉鎖サイプ5とタイヤ幅方向にジグザグ状に延びる線状のサイプ8とをタイヤ周方向Tに対して交互に配置した場合を示したが、線状のサイプ8の形態やこれらの配置はこれに限られるものではなく、トレッドパターンの形態に応じて適宜変更することができる。線状のサイプ8の形態としては、例えば、略直線状又は波状のものや、3次元形状をなすもの等が挙げられる。
また、トレッド面1にブロック10を形成する場合には、図7に例示するように、ブロック10をタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8で区画したうえで、閉鎖サイプ5をタイヤの蹴り出し側及び/又は踏み込み側に相当するブロック10のタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部(図では前端部及び後端部)のタイヤ幅方向に沿って配列するとよい。
特に、ブロック10のタイヤ周方向長さの略30%以下に相当する前端部及び/又は後端部における領域には極力タイヤ幅方向に延びる線状のサイプ8を形成せずに、本発明の閉鎖サイプ5をタイヤ幅方向に沿って配列するとよい。これにより、ブロック10の前端部及び/又は後端部におけるブロック剛性を確保して、偏摩耗の発生を抑制しながら操縦安定性を向上させると共に、吸水性を高めて氷上制動性能を向上させることができる。
上述するように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設け、これら切り込みの仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、拡幅部の幅を切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより閉鎖サイプの横断面積を閉鎖サイプの深さ方向に対して徐々に又は段階的に変化させ、かつ閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを所定の範囲に設定することにより、冬用タイヤとしての氷上制動性能を向上させると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後におけるタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にするもので、簡単な構成でありながら優れた効果を奏することから、氷雪路面に使用するスタッドレスタイヤに対して幅広く適用することができる。
<実施例1、2、比較例1、2>
タイヤサイズを195/65R15 91Q、タイヤパターンを図8、陸部に設けた閉鎖サイプ5の平面形態を図4(a)として、閉鎖サイプ5のトレッド面及び底面における横断面積を表1のように異ならせた本発明タイヤ(実施例1、2)及び比較タイヤ(比較例1)をそれぞれ作製した。なお、比較のために、閉鎖サイプ5の平面形態を図9とする拡幅部を形成しない比較タイヤ(比較例2)を併せて作製した。
なお、各タイヤにおいて、切り込み4の幅を0.5mm、切り込み4の長さを3.0mm、閉鎖サイプ5の深さを7mm、トレッド面における拡幅部の幅を1.3mmにすると共に、本発明タイヤでは、拡幅部の幅を閉鎖サイプの深さ方向に向けて徐々に変化させることによって閉鎖サイプの底面における横断横断面積の調整を行った。
これら4種類のタイヤについて、以下に記載する試験方法により、新品時における氷上制動性能の評価及び摩耗後期におけるウェット性能の評価を行った。なお、摩耗後期におけるウェット性能の評価は、トレッド面に形成した主溝(最大深さ:8.9mm)の残溝深さが、新品時の深さの40%になるまで、あらかじめトレッド面を摩耗させておき、その時点においての性能評価を行った。
〔氷上制動性能の評価〕
各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、氷上路面において初速度40km/hからの制動試験を行い、制動停止距離の逆数を以って氷上制動性能の評価とした。その結果を比較例1を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほど氷上制動性能が優れていることを示す。
〔ウェット性能の評価〕
あらかじめトレッド面を摩耗させた各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、平均水深約1.5mmのアスファルト路面において初速度100km/hからの制動試験を行い、制動停止距離の逆数を以ってウェット性能の評価とした。その結果を比較例1を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほど氷上制動性能が優れていることを示す。
Figure 0005568906
表1より、閉鎖サイプ5の横断面積を底面においてトレッド面よりも大きくした本発明タイヤは、閉鎖サイプ5の横断面積が深さ方向に対して変化しない比較例1に比して、新品時における氷上制動性能が向上していることがわかる。
なお、各切り込みに拡幅部を形成しなかった比較例2は、比較例1に比して新品時における氷上制動性能が低下していることを確認した。さらに、摩耗後期において、本発明タイヤは比較例1に比して、ウェット性能が向上することを確認した。
<実施例3、4、比較例1、2>
タイヤサイズを195/65R15 91Q、タイヤパターンを図8、陸部に設けた閉鎖サイプ5の平面形態を図4(a)として、閉鎖サイプ5のトレッド面及び底面における横断面積を表2のように異ならせた本発明タイヤ(実施例3、4)をそれぞれ作製した。
なお、各タイヤにおいて、切り込み4の幅を0.5mm、切り込み4の長さを3.0mm、閉鎖サイプ5の深さを7mm、トレッド面における拡幅部の幅を1.3mmにすると共に、拡幅部の幅を閉鎖サイプの深さ方向に向けて徐々に変化させることによって閉鎖サイプの底面における横断横断面積の調整を行った。
これら2種類のタイヤについて上述する試験方法により新品時における氷上制動性能の評価を行うと共に、これら2種類のタイヤに加えて上述する比較例1、2のタイヤ(合計4種類のタイヤ)について、以下に記載する試験方法により、摩耗後期における操縦安定性能の評価を行った。なお、摩耗後期におけるウェット性能の評価は、トレッド面に形成した主溝(最大深さ:8.9mm)の残溝深さが、新品時の深さの40%になるまで、あらかじめトレッド面を摩耗させておき、その時点においての性能評価を行った。
〔操縦安定性能の評価〕
各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、アスファルト路面からなるテストコースにおいて速度60〜100km/hにて走行させ、3名の熟練したテストドライバーによる官能評価を行った。その結果を平均して、比較例1を3とする5点法により表2に併記した。数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを示す。
Figure 0005568906
表2より、閉鎖サイプ5の横断面積を底面においてトレッド面よりも小さくした本発明タイヤは比較例1に比して、新品時における氷上制動性能を実質的に同等としながら、摩耗後期における操縦安定性能を向上させていることがわかる。
なお、各切り込みに拡幅部を形成しなかった比較例2は、比較例1に比して摩耗後期における操縦安定性能が僅かながら向上していることを確認した。
1 トレッド面
2 仮想軸
3 陸部
4 切り込み
5 閉鎖サイプ
6 拡幅部
7 第二拡幅部
8 線状のサイプ
9 リブ
10 ブロック

Claims (10)

  1. トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設けた空気入りタイヤにおいて、
    前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該拡幅部の幅を前記切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより前記閉鎖サイプの横断面積を該閉鎖サイプの底面側においてトレッド面側におけるよりも徐々に又は段階的に大きくなるように変化させ、かつ該閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを0.4〜0.6にした空気入りタイヤ。
  2. トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸を中心にして放射方向に延びかつ陸部内で終端する少なくとも3本の切り込みからなる閉鎖サイプを設けた空気入りタイヤにおいて、
    前記切り込みの前記仮想軸から終端部に至る間の少なくとも1箇所に局部的に切り込み幅を広くする拡幅部を形成すると共に、該拡幅部の幅を前記切り込みの深さ方向に対して異ならせることにより前記閉鎖サイプの横断面積を該閉鎖サイプの底面側においてトレッド面側におけるよりも徐々に又は段階的に小さくなるように変化させ、かつ該閉鎖サイプのトレッド面における横断面積Sxと底面における横断面積Syとの比Sx/Syを1.3〜3.0にした空気入りタイヤ。
  3. 前記拡幅部の幅を前記切り込みの幅の1.5倍以上、20倍未満にした請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記拡幅部を前記切り込みの深さ方向の全長にわたり形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記仮想軸に沿って切り込み幅を広くする第二拡幅部を形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第二拡幅部を前記閉鎖サイプの深さ方向の全長にわたり形成した請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第二拡幅部の横断面積を前記閉鎖サイプの深さ方向に対して異ならせた請求項5又は6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記切り込みの幅を前記陸部の深さ方向に対して異ならせた請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設けた請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記陸部がブロックであり、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列した請求項9に記載の空気入りタイヤ。
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