JP5557658B2 - 保護回路及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、保護回路及び半導体装置に係り、特に、静電気放電によって流入する電流から内部回路を保護する保護回路、及びその保護回路を備えた半導体装置に関する。
帯電した導電性の物体(例えば人体)が他の導電性の物体(例えば電子機器)に接触したり、接近したりすると、激しい放電が発生する。この現象はESD(electro-static discharge;静電気放電)と呼ばれている。現在、半導体装置は、集積度の向上と共に集積回路の構成素子の微細化が進み、外部からのESDによる高電圧波形の流入に起因する内部回路の破損を防止することが課題となっている。
この課題を解決するための技術としては、半導体装置に対して駆動用のプラス電位を付与する電源配線及び半導体装置に対してグランド電位を付与するグランド配線の何れかの配線での高電圧変動に応答して電源配線とグランド配線との間の電位差を無くすことにより内部回路を保護する保護回路を設ける、という技術が知られている。
図7には、半導体装置内での保護回路の配置例が概略的に示されている。同図に示されるように、従来の半導体装置100は、半導体集積回路に相当する保護対象回路102、及び保護回路104を含んで構成されており、保護対象回路102は、第1端子102A、第2端子102B、及び制御端子102Cを備え、第1端子102Aが電源配線VDDに、第2端子102Bがグランド(接地)配線GNDに、制御端子102Cが抵抗器Rを介してパッドPに各々接続されている。
半導体装置100は、Pチャネル型トランジスタ(以下、「PMOSトランジスタ」という。)106及びNチャネル型MOSトランジスタ(以下、「NMOSトランジスタ」という。)108を備えている。PMOSトランジスタ106及びNMOSトランジスタ108は各々のドレイン端子が抵抗器RとパッドPとの接続点に接続され、PMOSトランジスタ106のソース端子、ゲート端子及びバックゲート端子が電源配線VDDに接続され、NMOSトランジスタ108はソース端子、ゲート端子及びバックゲート端子がグランド配線GNDに接続されている。
保護回路104は、第1端子104A及び第2端子104Bを備え、第1端子104Aが電源配線VDDに、第2端子104Bがグランド配線GNDに各々接続されている。このように構成された半導体装置100では、ESDに起因して生じる高電圧波形による電圧(以下、「サージ電圧」という。)が電源配線VDDまたはグランド配線GNDに印加されると、そのサージ電圧をトリガーとして、電源配線VDDとグランド配線GNDとの間の電位差を無くすように保護回路104が作動するため、保護対象回路102が保護される。
図8には、保護回路104の一例が概略的に示されている。同図に示されるように、保護回路104は、単一のNMOSトランジスタ110を含んで構成されており、NMOSトランジスタ110の第1端子104Aに相当するドレイン端子は電源配線VDDに接続され、ゲート端子、バックゲート端子、及び第2端子104Bに相当するソース端子は、グランド配線GNDに接続されている。このように構成された保護回路104は、サージ電圧による電荷をNMOSトランジスタ110のブレークダウン特性を使用して逃がすことが前提になるため、例えば、NMOSトランジスタ110として、サリサイド構造トランジスタや高耐圧トランジスタ、SOI(Silicon-On-Insulator)トランジスタ、SOS(Silicon-On-Sapphire)トランジスタなどの高速化を図ったものを採用した場合には、NMOSトランジスタ110がブレークダウンするとすぐに破損してしまう。
NMOSトランジスタ110のブレークダウンによる破損を防止する技術を取り入れた保護回路104としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載のものが知られている。
図9には、特許文献1及び特許文献2に記載の技術を適用した保護回路104の構成が概略的に示されている。同図に示されるように、保護回路104は、電源配線VDDとグランド配線GNDの間に直列に接続された抵抗器112及び容量性負荷としてのコンデンサ114と、抵抗器112とコンデンサ114との間に入力端子116Aが接続されたインバータ116と、ゲート端子がインバータ116の出力端子116Bに、ドレイン端子が電源配線VDDに、ソース端子及びバックゲート端子がグランド配線GNDに各々接続されたNMOSトランジスタ110と、を備えている。
インバータ116は、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120を相補形に配置することにより構成されたCMOSインバータである。すなわち、インバータ116は、PMOSトランジスタ118のゲート端子とNMOSトランジスタ120のゲート端子とが接続され、その接続点を入力端子116Aとし、PMOSトランジスタ118のドレイン端子とNMOSトランジスタ120のドレイン端子とが接続され、その接続点を出力端子116Bとしており、PMOSトランジスタ118のソース端子及びバックゲート端子が電源配線VDDに接続され、NMOSトランジスタ120のソース端子及びバックゲート端子がグランド配線GNDに接続されている。
このように構成された保護回路104は、抵抗器112及びコンデンサ114によるRC回路の周波数特性を利用することによって、NMOSトランジスタ110のブレークダウンによる破損を防止することができる。
特開2006−121007号公報 特開平7−7406号公報
しかしながら、図9に示す保護回路104は、NMOSトランジスタ110として使用するトランジスタの種類によっては電源配線VDDから保護対象回路102に駆動用電圧を供給する際、特に、電圧供給開始時に電源配線VDDとグランド配線GNDとの電位差を無くすように作動して意図しない電流を電源配線VDDからグランド配線GNDに流してしまう、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、誤作動の発生を抑制することができる保護回路及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の保護回路は、第1端子、第2端子及び制御端子を備えると共に、前記制御端子に出力端子が接続されたインバータを備え、前記第1端子に保護対象回路に第1電圧を印加する第1電圧線が接続され、前記第2端子に前記保護対象回路に第2電圧を印加する第2電圧線が接続され、前記制御端子に印加される電圧の大きさが予め定められた閾値以上のときに前記第1端子及び前記第2端子間を導通させる通常時非導通の保護回路本体と、一端が前記第1電圧線に、他端が前記インバータの入力端子に各々接続された電線で構成され、前記一端から前記電線の特定流路に、前記第1電圧線に前記保護対象回路を駆動する前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する第1電流が流入した場合、前記第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させるように誘導電流を発生させて前記第1電流の流れを妨げることにより、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値以上となる電圧を印加し、前記一端から前記特定流路に前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有さない第2電流が流入した場合、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値未満となる電圧を印加する電圧印加手段と、前記第1電圧線と前記入力端子との間に前記電圧印加手段に並列に接続された抵抗素子と、を含んで構成されている。
請求項1に記載の保護回路では、第1端子、第2端子及び制御端子を備えると共に、前記制御端子に出力端子が接続されたインバータを備えた通常時非導通の保護回路本体が、前記第1端子が保護対象回路に第1電圧を印加する第1電圧線に接続され、前記第2端子が前記保護対象回路に第2電圧を印加する第2電圧線に接続されることにより構成され、前記制御端子に印加される電圧の大きさが予め定められた閾値以上のときに前記第1端子及び前記第2端子間を導通させる。
また、請求項1に記載の保護回路では、電圧印加手段が、一端が前記第1電圧線に、他端が前記インバータの入力端子に各々接続された電線であり、電圧印加手段により、前記一端から前記電線の特定流路に、前記第1電圧線に前記保護対象回路を駆動する前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する第1電流が流入した場合、前記第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させるように誘導電流を発生させて前記第1電流の流れを妨げることにより、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値以上となる電圧が印加され、前記一端から前記特定流路に前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有さない第2電流が流入した場合、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値未満となる電圧が印加される。また、請求項1に記載の保護回路では、抵抗素子が、前記第1電圧線と前記入力端子との間に前記電圧印加手段に並列に接続されている。
このように、請求項1に記載の保護回路では、電圧印加手段の一端から特定流路に保護対象回路を駆動する第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する第1電流が流入した場合、第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させるように誘導電流を発生させて第1電流の流れを妨げることにより、インバータの入力端子に対して、制御端子に印加される電圧が閾値以上となる電圧が印加され、一端から特定流路に第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有さない第2電流が流入した場合、インバータの入力端子に対して、制御端子に印加される電圧が閾値未満となる電圧が印加されるので、誤作動の発生を抑制することができる。また、請求項1に記載の保護回路では、抵抗素子が、第1電圧線と入力端子との間に電圧印加手段に並列に接続されているので、電圧印加手段の溶断を防止することができる。
また、請求項1に記載の保護回路は、請求項2に記載の発明のように、前記電圧印加手段が、前記特定流路に接続されると共に前記特定流路に対して折り返して向かい合うように並設され、かつ前記特定流路を流れる前記第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる誘導電流を流して前記第1電流の流れを妨げる誘導起電力を発生させる誘導起電力発生部を備えたものとしてもよい。これにより、特定流路を流れる第1電流の大きさが第1電流と反対の方向に流れる誘導電流によって弱められるので、容易かつ高精度に誤作動の発生を抑制することができる。
また、請求項2に記載の保護回路は、請求項3に記載の発明のように、前記特定流路を前記一端から前記他端に至るまでの間に複数設け、前記特定流路の各々を、互いに向かい合う前記特定流路の一方を他方の前記第1電流によって前記誘導起電力を発生させる前記誘導起電力発生部として機能させることにより前記第1電流の大きさが前記一端から前記他端に向かうに従って弱まるように前記電線を屈曲させて形成したものとしてもよい。これにより、より一層確実に誤作動の発生を抑制することができる。
また、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の保護回路は、請求項4に記載の発明のように、前記保護回路本体が、前記第1端子としてのドレイン端子が前記第1電圧線に接続され、前記第2端子としてのソース端子が前記第2電圧線に接続され、前記制御端子としてのゲート端子を有する第1のN型電界効果トランジスタと、P型電界効果トランジスタ及び第2のN型電界効果トランジスタを備え、前記P型電界効果トランジスタのソース端子が前記第1電圧線に、前記第2のN型電界効果トランジスタのソース端子が前記第2電圧線に接続され、前記P型電界効果トランジスタのドレイン端子及び前記第2のN型電界効果トランジスタのドレイン端子が前記第1のN型電界効果トランジスタのゲート端子に接続され、前記P型電界効果トランジスタのゲート端子及び前記第2のN型電界効果トランジスタのゲート端子が接続された接続点を前記入力端子とした前記インバータと、を有するものとしてもよい。これにより、より一層確実に誤作動の発生を抑制することができる。
また、請求項4に記載の保護回路は、請求項5に記載の発明のように、前記他端を、容量性負荷を介して前記第2電圧線に接続したものとしてもよい。これにより、より一層確実に誤作動の発生を抑制することができる。
また、請求項1に記載の保護回路は、請求項に記載の発明のように、前記電圧印加手段をコイルとしたものとしてもよい。これにより、誤作動の発生を抑制することができる。
また、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路は、請求項に記載の発明のように、前記第1電圧線と前記入力端子との間に前記電圧印加手段に直列に接続された抵抗素子を挿入したものとしてもよい。これにより、電圧印加手段の溶断を防止することができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項8に記載の半導体装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路と、前記保護対象回路として機能する半導体集積回路と、を含んで構成されている。
従って、請求項8に記載の半導体装置は、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路と同様に作用するので、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、誤作動の発生を抑制することができる、という効果が得られる。
第1の実施形態に係る保護回路の構成の一例を示す回路図である。 第1の実施形態に係る電流調節部の構成の一例を示す構成図である。 第1の実施形態に係る保護回路の変形例を示す回路図である。 第1の実施形態に係る電流調整部の変形例を示す構成図である。 第2の実施形態に係る保護回路の構成の一例を示す回路図である。 第3の実施形態に係る保護回路の構成の一例を示す回路図である。 従来の保護回路を搭載した半導体装置の構成を模式的に示す構成図である。 従来の保護回路の一例を示す回路図である。 従来の保護回路の一例を示す回路図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下では、本発明を半導体装置に適用した場合について説明する。また、本実施形態に係る半導体装置の構成は、図7に示す半導体装置100の構成と保護回路104を除いて同一であるため、同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本第1の実施形態に係る保護回路10の構成の一例を示す回路図である。なお、本第1の実施形態に係る半導体装置は、図7に示す半導体装置100と比べて、保護回路104に代えて保護回路10を適用した点のみが異なっている。
図1に示すように、保護回路10は、インバータ116及びNMOSトランジスタ110を含んで構成された保護回路本体12と、電圧印加手段としての電流調節部14と、コンデンサ114と、を含んで構成されており、図に示す保護回路104と比べて、抵抗器112に代えて電流調節部14を適用した点のみが異なっている。
図2は、本第1の実施形態に係る電流調節部14の構成の一例を示す構成図である。
同図に示すように、電流調節部14は、導電体(例えば、銅)からなる電線16で構成されており、本第1の実施形態に係る半導体装置における単一種類の配線層に形成されている。電線16の一端が電源配線VDDに接続され、他端が入力端子116Aとコンデンサ114との接続点(ノード)Aに接続されている。電流調節部14は、電線16を、一端から、両端間を直線で結ぶ方向に対して交差(例えば、許容誤差が±1度の直交)する方向(本第1の実施形態では同図の矢印B方向)に沿って予め定められた位置αまで一定のピッチで略90度(許容誤差が±1度)の角度で折り曲げることにより略コ字状の屈曲部18を交互に連続形成すると共に、他端から矢印B方向に沿って予め定められた位置αまで、一端から予め定められた位置αまでの複数の屈曲部18の各々と1対1で隣り合い、かつ形状、向き、及び大きさが揃うように一定のピッチで略90度の角度で折り曲げることにより略コ字状の屈曲部18を交互に連続形成することにより形成される。
屈曲部18は、電流の流路として、各々直線状の第1流路18A、第2流路18B、及び第3流路18Cを有しており、第1流路18Aは、電源配線VDDから流入する電流の最上流側に配置され、第3流路18Cは、電源配線VDDから流入する電流の最下流側に配置され、第2流路18Bは、第1流路18Aの末端と第2流路18Cの始端とを連結している。より具体的には、第2流路18Bは、矢印B方向に沿って配置され、第1流路18Aは、第2流路18Bに対して略90度に配置され、第3流路18Cは、第1流路18Aに対して略平行に向かい合い且つ第2流路18Bに対して略90度に配置される。
ところで、電流調節部14では、電源配線VDDに対して例えばサージ電圧が印加されることにより電源配線VDDに流れる電流(以下、「サージ電流」という。)の一部が電線16の一端に電流Cとして流入すると、その電流Cが屈曲部18の第1流路18Aに流れて磁界Dを発生させる。このとき、第2流路18Cには、磁界Dを打ち消す磁界を発生させる誘導電流Eが流れるように誘導電流が発生する、という物理現象が生じる。
複数の屈曲部18は、この物理現象を利用して、保護対象回路102の駆動開始時に電源配線VDDに印加される電圧によって流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する電流が電線16の一端から流入した場合に、その電流を他端から先に流出させず、かつ電源配線VDDに印加される電圧によって流れる電流の立ち上がり速度以下の速度を有する電流が電線16の一端から流入した場合に、インバータ116のPMOSトランジスタ118のゲート端子に対して、PMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間を導通可能状態から導通不可能状態に遷移させる(PMOSトランジスタ118のスイッチング素子としてのオン状態をオフ状態に切り替える)と共に、NMOSトランジスタ120のゲート端子に対して、NMOSトランジスタ120のソース端子及びドレイン端子間を導通不可能状態から導通可能状態に遷移させる(NMOSトランジスタ120のスイッチング素子としてのオフ状態をオン状態に切り替える)ための最低電圧以上の電圧が印加されるように電線16の他端から先にその電流を流出させるように形成されている。
すなわち、複数の屈曲部18は、電源配線VDDから予め定められた立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する電流(例えば、対象とするESDによるサージ電流)が電線16の一端に流入した場合に、その電流の大きさを屈曲部18の第1〜第3流路18A〜18Cで発生される誘導電流によって徐々に減衰させることにより他端から先に流出させず、かつ電源配線VDDに印加される電圧によって流れる電流の立ち上がり速度以下の速度を有する電流が電線16の一端から流入した場合に、その電流の大きさを屈曲部18の第1〜第3流路18A〜18Cで発生される誘導電流によって徐々に減衰させたとしても、電線16の他端から、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120のスイッチング素子としてのオン状態及びオフ状態を切り替えることができるだけの電圧が印加されるように電流を流出させるように形成されている。
また、本第1の実施形態に係る複数の屈曲部18は、電線16の一端から予め定められた位置αまでの屈曲部18の列を構成している屈曲部18の第2流路18Bを電線16の他端に向かって流れる電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる誘導電流を電線16の他端から予め定められた位置αまでの屈曲部18の列を構成している屈曲部18の対応する第2流路18Bに発生させるように形成されている。
また、本第1の実施形態では、上記の「電源配線VDDに印加される電圧によって流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する電流」を、電圧値が0(V)から保護対象回路102を安定駆動させるためのβ(V)になるまでに要する時間が100msであるのに対し、電圧値が0(V)からβ(V)になるまでに要する時間を10nsとするサージ電流を想定したが、これは一例であり、想定するESDによるサージ電流の立ち上がり速度と保護対象回路102に駆動用電圧を印加する際に電源配線VDDに流れる電流の立ち上がり速度との関係を考慮して決定すればよい。
また、本第1の実施形態では、電流調節部14及びコンデンサ114による時定数を300ns以上400ns以下としているが、電流調節部14及びコンデンサ114による時定数は、想定する遮断対象電流及びNMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間を導通可能状態にする時間に応じて決定すればよい。例えば、HBM(Human Body Model)方式、MM(Machine Model)方式、及びCDM(Charged Device Model)方式などの静電破壊耐圧評価方式を用いて、半導体装置に対してESDによるサージ電圧を印加することによりインバータ116のPMOSトランジスタ118のソース端子の電位とPMOSトランジスタ118のゲート端子の電位との間に所定電位差が生じるように時定数を決定すればよい。
なお、以下では、PMOSトランジスタのソース端子及びドレイン端子間の導通可能状態を導通不可能状態に遷移させる(スイッチング素子としてのオン状態をオフ状態)に切り替えるのにそのPMOSトランジスタのゲート端子に印加すべき最低電圧、及びNMOSトランジスタのソース端子及びドレイン端子間の導通不可能状態を導通可能状態に遷移させる(スイッチング素子としてのオフ状態をオン状態)に切り替えるのにそのNMOSトランジスタのゲート端子に印加すべき最低電圧を、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを区別せずに用いる場合に総称して「閾値電圧」と称する。
次に、本第1の実施形態に係る半導体装置の作用について説明する。
なお、ここでは錯綜を回避するために、電源配線VDDとグランド配線GNDとの間に電位差がない状態(例えば、電源配線VDDとグランド配線GNDとの各々がグランド電位の状態)(以下、「待機状態」という。)下で電源配線VDDに、対象とするESDに起因するプラスのサージ電圧が印加された場合、待機状態下で電源配線VDDに保護対象回路102を駆動させるための駆動用電圧が印加された場合、及び待機状態下でグランド配線GNDに、対象とするESDに起因するマイナスのサージ電圧が印加された場合の各々について説明する。
先ず、電源配線VDDにプラスのサージが印加された場合の一例について説明する。
待機状態下で電源配線VDDに対してプラスのサージ電圧が印加されてサージ電流が流れると、そのサージ電流の一部は電流調節部14の一端から屈曲部18に流入する。これによって、屈曲部18では、誘導起電力が発生し、サージ電流の流れを妨げるように誘導電流が流れる。電流調節部14に流入したサージ電流の大きさは、電流調節部14の一端から他端にかけて交互に連続形成された複数の屈曲部18の各々で生じる誘導起電力によって徐々に弱められ、接続点Aから先のインバータ116の入力端子116Aへの流出が阻止される。そのため、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120の各ゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されず、PMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間の導通可能状態、及びNMOSトランジスタ120のソース端子及びドレイン端子間の導通不可能状態が維持される。この結果、電源配線VDDからPMOSトランジスタ118のソース端子を介してインバータ116に流入したサージ電流による電圧がNMOSトランジスタ110のゲート端子に印加されることによって、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移して、電源配線VDDに流れるサージ電流が電源配線VDDからNMOSトランジスタ110のドレイン端子及びソース端子を経由してグランド配線GNDに流出する。
これに対し、待機状態下で電源配線VDDに保護対象回路102を駆動させるための駆動用電圧が印加されると、駆動用電圧の印加によって電源配線VDDに流れる駆動用電流の一部は電流調節部14の一端から屈曲部18に流入する。これによって、屈曲部18では、誘導起電力が発生し、駆動用電流の流れを妨げるように誘導電流が流れる。電流調節部14に流入した駆動用電流の大きさは、電流調節部14の一端から他端にかけて交互に連続形成された複数の屈曲部18の各々の誘導起電力によって徐々に弱められるが、その駆動用電流は接続点A及び入力端子116Aを介してインバータ116に流入する。これによって、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120の各ゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されるため、PMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間は導通可能状態から導通不可能状態に遷移する一方、NMOSトランジスタ120のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移する。この結果、NMOSトランジスタ110のゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されないため、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態が維持され、NMOSトランジスタ110のドレイン端子及びソース端子を介した電源配線VDDからグランド配線GNDへの電流の流出を阻止することができる。
次に、グランド配線GNDにマイナスのサージ電圧が印加された場合の一例について説明する。
待機状態下でグランド配線GNDに対してマイナスのサージ電圧が印加されてサージ電流が流れると、そのサージ電流の一部はコンデンサ114、接続点A及び入力端子116Aを介してインバータ116に流入し、これによって、PMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120の各ゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されるため、PMOSトランジスタ118が導通可能状態から導通不可能状態に遷移すると共に、NMOSトランジスタ120のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移する。この結果、グランド配線GNDからNMOSトランジスタ120のソース端子を介してインバータ116に流入したサージ電流による電圧がNMOSトランジスタ110のゲート端子に印加されることによって、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移してグランド配線GNDに流れるサージ電流がグランド配線GNDからNMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子を経由して電源配線VDDに流出する。
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係る半導体装置によれば、電源配線VDDから電流調節部14に予め定められた周波数特性を有する第1電流としてのサージ電流が流入した場合、サージ電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させるように誘導起電力を発生させてサージ電流の流れを妨げることにより、NMOSトランジスタ110のゲート端子に対して閾値電圧以上の電圧を印加し、電源配線VDDから電流調節部14に予め定められた周波数特性を有さない第2電流としての駆動用電流が流入した場合、NMOSトランジスタ110のゲート端子に対して閾値電圧未満の電圧を印加することによって、電源配線VDDに流れるサージ電流をNMOSトランジスタ110のドレイン端子及びソース端子を経由させてグランド配線GNDに流し、電源配線VDDに流れる駆動用電流をNMOSトランジスタ110のドレイン端子及びソース端子を経由させてグランド配線GNDに流さないようにしたので、保護回路10の誤作動の発生を抑制することができる。
また、本第1の実施形態に係る半導体装置によれば、誘導起電力発生部としての第3流路18Cにて、特定流路としての第1流路18Aを流れるサージ電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる誘導電流を流してサージ電流の流れを妨げる誘導起電力を発生させることにより、第1流路18Aを流れるサージ電流の大きさが誘導電流によって弱められるので、容易かつ高精度に保護回路10の誤作動の発生を抑制することができる。
また、本第1の実施形態に係る半導体装置によれば、電流調節部14の一端から他端に至るまでの間に各々第1〜第3流路18A〜18Cを有する複数の屈曲部18を形成し、第1〜第3流路18A〜18Cの各々を、互いに略平行に向かい合う流路の一方を他方のサージ電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる誘導電流を流すための誘導起電力を発生させる誘導起電力発生部として機能させることによりサージ電流の大きさが電流調節部14の一端から他端に向かうに従って弱まるように電線16を屈曲させて形成したので、より一層容易かつ高精度に保護回路10の誤作動の発生を抑制することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本第2の実施形態に係る保護回路10Bの構成の一例を示す回路図である。なお、本第2の実施形態に係る保護回路10Bは、図1に示す保護回路10と比べ、抵抗素子130を更に設けた点のみが異なっているので、本第2の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。また、本第2の実施形態において、上記第1の実施形態で説明した部材と同一の部材は同一の符号を付し、その説明を省略する。
さて、上記第1の実施形態に係る保護回路10では、電流調節部14によってサージ電流の流入を妨げるようにしている。これは、サージ電流の保護回路本体12への流入を妨げる上で必要なインピーダンスが確保されているがゆえに実現できる。しかし、電線16の溶断を阻止するだけのインピーダンスが確保されていない場合、例えば電源配線VDDから電流調節部14に電流が流入した際に電線16が溶断される虞がある。
そこで、本第2の実施形態に係る保護回路10Bは、上記第1の実施形態に係る保護回路10において、電源配線VDDと接続点Aとの間に電流調節部14に直列に接続された抵抗素子130を挿入している。具体的には、抵抗素子130の一端が電流調節部14の他端に、抵抗素子130の他端が接続点Aに各々接続されている。これによって、電源配線VDDは、直列に接続された電流調節部14及び抵抗素子130を介して接続点Aに接続される。なお、本第2の実施形態に係る保護回路10Bでは、抵抗素子130として、電流調節部14よりも高抵抗値の多結晶ポリシリコン抵抗素子を採用しているが、これに限らず、単結晶ポリシリコン抵抗素子を採用してもよい。このように、抵抗素子130としては、電流調節部14よりも高抵抗値の抵抗素子を採用することが好ましい。
このように構成された保護回路10Bでは、上記第1の実施形態で説明した保護回路10と同様に電源配線VDDと接続点Aとが電流調節部14を介して接続されているので、上記第1の実施形態で説明した保護回路10と同様の作用及び効果を奏することは勿論のこと、例えば電源配線VDDから電流が流入したときに電流調節部14のインピーダンスに加えて抵抗素子130のインピーダンスも作用することになるので、電源配線VDDと接続点Aとが電流調節部14のみを介して接続される場合に比べ、電流調節部14の電線16が溶断してしまうという事態の発生を抑制することができる。また、例えば、電流調整部14を構成している電線16の前半部分又は後半部分を抵抗素子130に相当する抵抗素子に置き換えることにより、図1に示す保護回路10に示すように電流調整部14のみでインピーダンスを確保する場合よりも、保護回路全体としての面積の縮小が期待できる。
なお、上記第1の実施形態に係る保護回路10では、電源配線VDDと接続点Aとが電流調節部14のみを介して接続されているので、サージ電流に対する応答時間が電流調節部14のインピーダンスで決定されるが、本第2の実施形態に係る保護回路10Bでは、電源配線VDDと接続点Aとが、直列に接続された電流調節部14及び抵抗素子130に接続されているので、サージ電流に対する応答時間が電流調節部14のインピーダンスと抵抗素子130のインピーダンスとの直列インピーダンスで決定される。そのため、本第2の実施形態に係る保護回路10Bでは、抵抗素子130として、電流調節部14の電線16が溶断されないために必要なインピーダンスを確保すると共にサージ電流に対して適切な応答時間が得られる抵抗素子を採用している。
なお、本第2の実施形態では、1つの抵抗素子130を電流調節部14に直列に接続しているが、複数の抵抗素子130を直列に接続して構成された抵抗素子ユニットを電流調節部14に直列に接続してもよい。
また、本第2の実施形態では、抵抗素子130として、固定抵抗素子を採用しているが、これに限らず、半固定抵抗素子又は可変抵抗素子を適用してもよい。また、これらの抵抗素子の少なくとも2つを直列に接続して構成された抵抗素子ユニットを電流調節部14に直列に接続してもよい。
また、本第2の実施形態では、抵抗素子130の一端を電流調節部14の他端に接続し、抵抗素子130の他端を接続点Aに接続する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、抵抗素子130の一端を電源配線VDDに接続し、抵抗素子130の他端を電流調節部14の一端に接続してもよい。また、電流調節部14の一端側と他端側との各々に抵抗素子130又は抵抗素子ユニットを電流調節部14に直列に接続してもよい。
[第3の実施形態]
本第3の実施形態では、図6を参照しながら、上記第2の実施形態とは異なる構成で電線16の溶断を阻止する形態例について説明する。なお、図6は、本第3の実施形態に係る保護回路10Cの構成の一例を示す回路図である。また、本第3の実施形態に係る保護回路10Bは、図1に示す保護回路10と比べ、抵抗素子140を更に設けた点のみが異なっているので、本第3の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。また、本第3の実施形態において、上記第1の実施形態で説明した部材と同一の部材は同一の符号を付し、その説明を省略する。
本第3の実施形態に係る保護回路10Cでは、電源配線VDDと入力端子116Aとの間に電流調節部14に並列に接続された抵抗素子140が挿入されている。具体的には、抵抗素子140の一端が電源配線VDDに、抵抗素子の他端が入力端子116Aに各々接続されている。これによって、電源配線VDDは、並列に接続された電流調節部14及び抵抗素子140を介して入力端子116Aに接続される。なお、本第3の実施形態に係る保護回路10Cでは、抵抗素子140として、電流調節部14よりも高抵抗値の多結晶ポリシリコン抵抗素子を採用しているが、これに限らず、単結晶ポリシリコン抵抗素子を採用してもよい。このように、抵抗素子140としては、電流調節部14よりも高抵抗値の抵抗素子を採用することが好ましい。
このように構成された保護回路10Cでは、上記第1の実施形態で説明した保護回路10と同様に電源配線VDDと入力端子116Aとが電流調節部14を介して接続されているので、上記第1の実施形態で説明した保護回路10と同様の作用及び効果を奏することは勿論のこと、例えば電源配線VDDから電流が流入したときに電流調節部14のインピーダンスに加えて抵抗素子140のインピーダンスも作用することになるので、電源配線VDDと入力端子116Aとが電流調節部14のみを介して接続される場合に比べ、電流調節部14の電線16が溶断してしまうという事態の発生を抑制することができる。また、入力端子116Aの電位は、電流調節部14のサージ電流に対するインピーダンスと抵抗素子140のインピーダンスとにより、保護回路本体12への流入が制限された電流がコンデンサ114を充電する間、サージ電流の電位変動よりも緩やかに変化するので、抵抗素子140を設けない場合に比べ、保護回路10を期待通りに動作させることができる。
なお、上記第1の実施形態に係る保護回路10では、電源配線VDDと入力端子116Aとを電流調節部14のみを介して接続しているので、サージ電流に対する応答時間が電流調節部14のインピーダンスで決定されるが、本第3の実施形態に係る保護回路10Cでは、電源配線VDDと入力端子116Aとを電流調節部14と共に接続するように電流調節部14に抵抗素子140を並列に接続したので、サージ電流に対する応答時間が電流調節部14のインピーダンスと抵抗素子140のインピーダンスとの並列インピーダンスで決定される。そのため、本第3の実施形態に係る保護回路10Cでは、抵抗素子140として、電流調節部14の電線16が溶断されないために必要なインピーダンスを確保すると共にサージ電流に対して適切な応答時間が得られる抵抗素子を採用している。
なお、本第3の実施形態では、1つの抵抗素子140を電流調節部14に並列に接続しているが、複数の抵抗素子140を並列に接続して構成された並列抵抗素子ユニットを電流調節部14に並列に接続してもよい。また、複数の抵抗素子140を直列に接続して構成された直列抵抗素子ユニットを電流調節部14に並列に接続してもよい。また、上記第2の実施形態で説明した1つ以上の抵抗素子130を電流調節部14に直列に接続すると共に、抵抗素子140、上記並列抵抗素子ユニット及び上記直列抵抗素子ユニットの少なくとも1つを電流調節部14に並列に接続してもよい。
また、本第3の実施形態では、抵抗素子140として、固定抵抗素子を採用しているが、これに限らず、半固定抵抗素子又は可変抵抗素子を適用してもよい。また、これらの抵抗素子の少なくとも2つを並列に接続して構成された並列抵抗素子ユニットを電流調節部14に直列に接続してもよい。
なお、上記各実施形態では、半導体装置にコンデンサ114及びNMOSトランジスタ120を備えた保護回路10を搭載した場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図3に示す保護回路20を半導体装置に搭載しても良い。
図3に示す保護回路20は、図1に示す保護回路10と比較して、コンデンサ114を除いた点、及び保護回路本体12に代えて保護回路本体22を適用した点のみが異なっている。保護回路本体22は、図1に示す保護回路本体12と比較して、NMOSトランジスタ120に代えて抵抗器24を適用した点のみが異なっている。
ここで、保護回路20の作用について説明する。
待機状態下で電源配線VDDに対してプラスのサージ電圧が印加されてサージ電流が伝播されると、そのサージ電流の一部は電流調節部14の一端から屈曲部18に流入する。電流調節部14に流入したサージ電流の大きさは、電流調節部14によって徐々に弱められ、接続点Aから先のPMOSトランジスタ118のゲート端子への流出が阻止される。そのため、PMOSトランジスタ118のゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されず、PMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間の導通可能状態が維持される。この結果、電源配線VDDからPMOSトランジスタ118のソース端子を介してインバータ116に流入したサージ電流による電圧がNMOSトランジスタ110のゲート端子に印加されることによって、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移して、電源配線VDDに流れるサージ電流が電源配線VDDからNMOSトランジスタ110のドレイン端子及びソース端子を経由してグランド配線GNDに流出する。
これに対し、待機状態下で電源配線VDDに保護対象回路102を駆動させるための駆動用電圧が印加されると、駆動用電圧の印加によって電源配線VDDに流れる駆動用電流の一部は電流調節部14の一端から屈曲部18に流入する。これによって、電流調節部14に流入した電流の大きさは、電流調節部14によって弱められるが、接続点A及び入力端子116Aを介してインバータ118に流入する。これによって、PMOSトランジスタ118のゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されるため、PMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間は導通可能状態から導通不可能状態に遷移する。この結果、NMOSトランジスタ110のゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されないため、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態が維持され、NMOSトランジスタ110のドレイン及びソース端子を介した電源配線VDDからグランド配線GNDへの電流の流出を阻止することができる。
一方、待機状態下でグランド配線GNDに対してマイナスのサージ電圧が印加されてサージ電流が流れると、そのサージ電流の一部がグランド配線GNDから抵抗器24に流入し、これによって、NMOSトランジスタ110のゲート端子に閾値電圧以上の電圧が印加されるため、NMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子間は導通不可能状態から導通可能状態に遷移してグランド配線GNDに流れるサージ電流がグランド配線GNDからNMOSトランジスタ110のソース端子及びドレイン端子を経由して電源配線VDDに流出する。
また、上記各実施形態では、保護対象回路102の駆動開始時に電源配線VDDに印加される電圧によって伝播される電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する電流が電線16の一端から流入しても他端から先に流出しないように電流調節部14を構成した場合の形態例を挙げたが、これに限らず、保護対象回路102の駆動開始時に電源配線VDDに印加される電圧によって伝播される電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する電流が電線16の一端から流入した場合に電線16の他端から流出するのを許容してもよい。但し、この場合、インバータ116のPMOSトランジスタ118のソース端子及びドレイン端子間の導通可能状態を導通不可能状態に遷移させず、かつNMOSトランジスタ120のソース端子及びドレイン端子間の導通不可能状態を導通可能状態に遷移させない電圧がPMOSトランジスタ118及びNMOSトランジスタ120の各ゲート端子に印加されるだけの電流の流出に限る。
また、上記各実施形態では、電流調節部14として、電線16を屈曲させて複数の屈曲部18を形成したものを採用したが、これに限らず、単数の屈曲部18が形成された電線16を電流調節部14として採用することも可能である。また、一例として図4に示すように、各々電線16の一部をスパイラル状に屈曲させることにより形成される複数のインダクタ30を採用してもよい。また、インダクタ30は単数であってもよい。更に、図2に示す屈曲部18と図4に示すインダクタ30とを組み合わせたものを電流調節部14として採用することも可能である。
また、上記各実施形態では、保護装置10に電界効果トランジスタを用いた場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、バイポーラ型トランジスタを用いてもよい。この場合、バイポーラ型トランジスタのコレクタ端子が電界効果トランジスタのドレインに、バイポーラ型トランジスタのエミッタ端子が電界効果トランジスタのソース端子に、バイポーラ型トランジスタのベース端子が電界効果トランジスタのゲート端子に各々対応するように電界効果トランジスタに代えてバイポーラ型トランジスタを保護回路10に組み込むようにすればよい。
また、上記各実施形態では、本発明の保護装置10を半導体装置に適用した場合の形態例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、保護装置10を半導体装置以外の電子機器に適用してもよい。この場合、電流調節部14の代わりに、電流調節部14と同様の機能を有するコイルを適用する、という形態が例示できる。
10 保護回路
14 電流調節部
16 電線
18 屈曲部
18A 第1流路
18B 第2流路
18C 第3流路
100 半導体装置
102 保護対象回路
114 コンデンサ
116 インバータ
118,110 NMOSトランジスタ
120 PMOSトランジスタ

Claims (8)

  1. 第1端子、第2端子及び制御端子を備えると共に、前記制御端子に出力端子が接続されたインバータを備え、前記第1端子に保護対象回路に第1電圧を印加する第1電圧線が接続され、前記第2端子に前記保護対象回路に第2電圧を印加する第2電圧線が接続され、前記制御端子に印加される電圧の大きさが予め定められた閾値以上のときに前記第1端子及び前記第2端子間を導通させる通常時非導通の保護回路本体と、
    一端が前記第1電圧線に、他端が前記インバータの入力端子に各々接続された電線で構成され、前記一端から前記電線の特定流路に、前記第1電圧線に前記保護対象回路を駆動する前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有する第1電流が流入した場合、前記第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させるように誘導電流を発生させて前記第1電流の流れを妨げることにより、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値以上となる電圧を印加し、前記一端から前記特定流路に前記第1電圧が印加されることにより流れる電流の立ち上がり速度を超える立ち上がり速度を有さない第2電流が流入した場合、前記インバータの前記入力端子に対して、前記制御端子に印加される電圧が前記閾値未満となる電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記第1電圧線と前記入力端子との間に前記電圧印加手段に並列に接続された抵抗素子と、
    を含む保護回路。
  2. 前記電圧印加手段は、前記特定流路に接続されると共に前記特定流路に対して折り返して向かい合うように並設され、かつ前記特定流路を流れる前記第1電流によって生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる誘導電流を流して前記第1電流の流れを妨げる誘導起電力を発生させる誘導起電力発生部を備えた請求項1記載の保護回路。
  3. 前記特定流路を前記一端から前記他端に至るまでの間に複数設け、
    前記特定流路の各々を、互いに向かい合う前記特定流路の一方を他方の前記第1電流によって前記誘導起電力を発生させる前記誘導起電力発生部として機能させることにより前記第1電流の大きさが前記一端から前記他端に向かうに従って弱まるように前記電線を屈曲させて形成した請求項2記載の保護回路。
  4. 前記保護回路本体は、
    前記第1端子としてのドレイン端子が前記第1電圧線に接続され、前記第2端子としてのソース端子が前記第2電圧線に接続され、前記制御端子としてのゲート端子を有する第1のN型電界効果トランジスタと、
    P型電界効果トランジスタ及び第2のN型電界効果トランジスタを備え、前記P型電界効果トランジスタのソース端子が前記第1電圧線に、前記第2のN型電界効果トランジスタのソース端子が前記第2電圧線に接続され、前記P型電界効果トランジスタのドレイン端子及び前記第2のN型電界効果トランジスタのドレイン端子が前記第1のN型電界効果トランジスタのゲート端子に接続され、前記P型電界効果トランジスタのゲート端子及び前記第2のN型電界効果トランジスタのゲート端子が接続された接続点を前記入力端子とした前記インバータと、
    を有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の保護回路。
  5. 前記他端を、容量性負荷を介して前記第2電圧線に接続した請求項4記載の保護回路。
  6. 前記電圧印加手段をコイルとした請求項1記載の保護回路。
  7. 前記第1電圧線と前記入力端子との間に前記電圧印加手段に直列に接続された抵抗素子を挿入した請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路。
  8. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載の保護回路と、
    前記保護対象回路として機能する半導体集積回路と、
    を含む半導体装置。
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