JP5551940B2 - 感圧接着剤用組成物及び再剥離性シート - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性に優れ、再剥離可能な感圧接着剤層を形成するための組成物、及び該組成物から形成された感圧接着剤層を備えた再剥離性シートに関する。
基材となるシートの表面に再剥離性を有する感圧接着剤層を形成し、この接着剤層を介してシート同士を圧着させ、接着させた再剥離性シートは、種々の用途で使用され、広く社会に普及している。
このような再剥離性シートの代表的なものとしては、感圧圧着ハガキが例示でき、親展性を有するハガキシステムで汎用されている。
親展性を有するハガキシステムは、例えば、個人的用件、プリント情報、印刷情報などの各種情報が記載されたハガキを折り畳み、切り重ね、あるいは別体同士の重ね合わせをするなど、各種の重ね合わせ態様で剥離可能に接着し、各種情報を隠蔽した後、郵送し、受取人が重ね合わせ面を再剥離して、隠蔽情報を読み取るものである。このような親展性を有するハガキシステムは、その利便性から、必要不可欠なものとなっている。
このような感圧圧着ハガキをはじめとする再剥離性シートとしては、例えば、基材となるシートの重ね合わせ面に接着剤基剤と、この接着剤基剤に対して非親和性を示す針状又は偏平状充填剤からなる接着剤用組成物から形成した接着剤層を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
特開平05−311135号公報
特許文献1に記載のものをはじめ、従来の再剥離性シートは、その製造工程や製造されたシートの表面に情報を印刷又は印字する工程において、接着剤層が形成された状態でロールやプレート状の部材(以下、プレート等と略記する)間を通過させて搬送する工程を経ることがある。この時、接着剤層の耐摩耗性が十分でない場合には、プレート等の表面に接触した接着剤層の一部がシートから脱落してしまうという問題点があった。このように接着剤層が脱落してしまうと、脱落した接着剤層が前記プレート等をはじめ、装置各部に付着するなどして、シートを搬送できなくなったり、シートに印刷又は印字を行う場合には、印刷不良又は印字不良が生じるなど、各種工程で支障をきたす恐れがある。また、接着剤層の脱落が甚だしい場合には、シート上の接着剤層表面に凹凸が生じたり、シート表面が露出したりして、再剥離性シート自体の品質が低下してしまう。また、脱落した接着剤層が前記プレート等に付着してから、さらに搬送中のシートに転写されて再付着した場合、該付着部分が凸部となることで、シート重ね合わせ時に前記凸部に圧力が集中して印加され、その結果、製造されたシートは所望の再剥離性が得られなくなってしまう恐れがある。さらに、脱落した接着剤層がシートの目的外の部位に付着すると、ここでシート同士が接着されてしまい、この部位の再剥離性が劣る場合には、シート同士を引き剥がした時にシートを傷めてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性に優れ、使用時には再剥離可能な感圧接着剤層を形成するための組成物、及び該組成物から形成された感圧接着剤層を備えた再剥離性シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて感圧接着剤層を形成し、該接着剤層が、通常は接着性を示さず、所定の圧力を印加することで、前記シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着させる感圧接着剤用組成物であって、接着剤基剤と、フッ素樹脂微粒子と、が配合されてなり、前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンであり、前記フッ素樹脂微粒子の平均粒子径が10〜25.47μmであり、配合成分の固形分中に占める前記フッ素樹脂微粒子の比率が6.4〜8.5質量%であることを特徴とする感圧接着剤用組成物を提供する。
た、本発明は、上記本発明の感圧接着剤用組成物が、シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて形成された感圧接着剤層を備えたことを特徴とする再剥離性シートを提供する。
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、使用時には再剥離可能な感圧接着剤層を形成するための組成物、及び該組成物から形成された感圧接着剤層を備えた再剥離性シートが得られる。そして、感圧接着剤層の脱離が抑制されるので、再剥離性シートの製造工程を安定化でき、良好な品質で再剥離性シートを製造できる。
本発明の三つ折りハガキの表面展開図である。 図1に示すハガキの裏面展開図である。 図1のX−X線における断面図である。 図1に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。 本発明の二つ折りハガキの表面展開図である。 図5に示すハガキの裏面展開図である。 図5に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。 本発明の部分二つ折りハガキの表面展開図である。 図8に示すハガキの裏面展開図である。 図8に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。
<感圧接着剤用組成物>
本発明の感圧接着剤用組成物は、シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて感圧接着剤層(以下、単に「接着剤層」と略記することがある)を形成し、該接着剤層が、通常は接着性を示さず、所定の圧力を印加することで、前記シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着させる感圧接着剤用組成物であって、接着剤基剤と、フッ素樹脂微粒子と、が配合されてなることを特徴とする。
(フッ素樹脂微粒子)
本発明において、フッ素樹脂微粒子とは、主な材質としてフッ素樹脂からなる微粒子を指し、充填剤として機能すると同時に、感圧接着剤用組成物(以下、単に「組成物」と略記することがある)から形成された接着剤層に、優れた耐摩耗性を付与するものである。
フッ素樹脂微粒子の材質となるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のパーフルオロ樹脂;ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等の部分フッ素化樹脂;パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロジオキソール共重合体(TFE/PDO)等のフッ素樹脂共重合体が例示できる。これらの中でも、パーフルオロ樹脂が好ましく、PTFEが特に好ましい。
前記フッ素樹脂の質量平均分子量は、5000〜10000000程度であることが好ましい。
前記フッ素樹脂は、一種でも良いし二種以上でも良い。すなわち、一種のフッ素樹脂で構成されたフッ素樹脂微粒子を単独で使用しても良いし、一種のフッ素樹脂で構成され、かかるフッ素樹脂が互いに異なる二種以上のフッ素樹脂微粒子を併用しても良い。二種以上である場合には、これらフッ素樹脂の組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜調節すれば良い。
フッ素樹脂微粒子の平均粒子径は、3〜60μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。また、使用するフッ素樹脂微粒子の粒径には分布があっても良く、この時の分布の程度は特に限定されないが、粒径は1〜300μmであることが好ましく、2〜150μmであることがより好ましい。平均粒子径及び粒径を下限値以上とすることで、接着剤層の耐摩耗性が一層良好となり、上限値以下とすることで、接着剤層の接着力が一層良好となる。
本発明の組成物において、配合成分の固形分中に占めるフッ素樹脂微粒子の比率は、0.1〜20質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、3〜12質量%であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、接着剤層の耐摩耗性が一層良好となり、上限値以下とすることで、接着剤層の接着力が一層良好となる。
(接着剤基剤)
本発明において、接着剤基剤としては公知のものが使用でき、天然ゴム、天然ゴムを変性した変性ゴム、合成ゴム等が例示できる。より具体的には、有機溶剤を使用する溶剤系のもの、水を媒体とする水系のもの、紫外線等の放射線で硬化する系のもの、加熱硬化系のもの等が例示できる。これらの中でも、水を媒体とする水系のものが好ましく、天然ゴム系水性エマルジョンタイプのものがより好ましい。水系のものを使用することで、組成物の揮発性が低くなり、塗布量の調整が容易で、シート面への塗布適性に一層優れたものとなる。また、媒体が水なので人体に無害であり、さらに引火性もなく、塗布工程や乾燥工程に防爆設備等の特殊設備が不要となる。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤の基剤として公知のものを使用できる。具体的には、天然ゴムを主成分とするラテックス(天然ゴムラテックス);酸性ラテックス、解重合ラテックス、加硫ラテックス、グラフト化した天然ゴムラテックス等の、前記天然ゴムを変性した変性ゴムを主成分とする変性ラテックス;前記天然ゴムラテックス又は変性ラテックスに対して、スチレンリッチSBRラテックス、ポリスチレンエマルジョン及びスチレン・アクリル共重合体エマルジョンからなる群から選択される一種以上を適当量配合した混合物等が例示できる。天然ゴムのグラフト化に使用するモノマー又はオリゴマーは、重合性基を有するものであれば、目的に応じて任意に選択できる。例えば、モノマーであれば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、スチレン等の重合性不飽和二重結合を有するものが例示できる。前記アルキルエステルは、メチルエステル又はエチルエステルであることが好ましい。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤としては、特に耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の観点から、天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックス、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックスが好ましい。
天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムの好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、メタクリル酸メチルを10〜40質量部グラフト重合させたものが例示できる。
天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムの好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、スチレン及びメタクリル酸メチルを合計で30〜70質量部重合させたものが例示できる。
接着剤基剤は一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。ただし、二種以上を併用する場合には、互いに同じ系のものを使用することが好ましい。
本発明の組成物において、配合成分の固形分中に占める接着剤基剤(固形分)の比率は、30〜80質量%であることが好ましく、45〜65質量%であることがより好ましい。下限値以上とすることで、接着剤層の接着力が一層良好となり、上限値以下とすることで、接着剤層の耐摩耗性が一層良好となる。
(その他の成分)
本発明の組成物は、前記フッ素樹脂微粒子及び接着剤基剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲内で、さらにこれら以外のその他の成分が配合されていても良い。
前記その他の成分としては、前記フッ素樹脂微粒子以外の微粒子状充填剤、添加剤、溶媒が例示できる。
前記微粒子状充填剤は、主な材質としてフッ素樹脂以外の材質からなるものであり、かかる材質として具体的には、各種デンプン(スターチ)、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン、シリカ、アルミナ(酸化アルミニウム)、ガラス、シラスバルーン、天然ゼオライト、合成ゼオライト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、カオリン、活性白土等が例示できる。これらの中でも、前記微粒子状充填剤の材質としては、デンプン(スターチ)、シリカが好ましい。例えば、シリカを使用することで、接着剤層の強度が高まると共に、その多孔質性に起因して接着剤基材が充填剤表面に付着し易いので、接着力や再剥離性を一層容易に調節できる。また、シリコーンオイルの使用が必要なノンインパクトプリンタ方式で接着剤層に印字した場合でも、シリカがシリコーンオイルを吸収するので、シリコーンオイルによる接着剤層の接着力低下を抑制する一層高い効果が得られる。
前記微粒子状充填剤は、平均粒子径が0.01〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜15μmであることが特に好ましい。
前記微粒子状充填剤は、平均粒子径が異なる二種以上を併用することが好ましい。このようにすることで、接着剤層表面に凹凸を形成し易くなり、その結果、接着剤層の接着力が損なわれること無く再剥離性が一層向上する。
前記微粒子状充填剤の材質は、一種でも良いし二種以上でも良い。すなわち、一種の材質で構成された微粒子状充填剤を単独で使用しても良いし、一種の材質で構成され、かかる材質が互いに異なる二種以上の微粒子状充填剤を併用しても良い。二種以上である場合には、これら材質の組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜調節すれば良い。
本発明の組成物において、配合成分の固形分中に占める前記微粒子状充填剤の比率は、その種類や目的に応じて任意に調節できる。例えば、デンプン(スターチ)及びシリカの少なくとも一方を配合する場合には、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。下限値以上とすることで、これら微粒子状充填剤を併用したことによる効果が十分得られ、上限値以下とすることで、本発明の効果が一層向上する。
前記添加剤は、粘着剤の分野において通常使用される公知のもので良く、具体的には、粘着付与剤、粘度調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、防黴剤等が例示できる。これらの中から、一種以上の所望の成分を目的に応じて、任意の量を配合できる。
例えば、後述するように、フッ素樹脂微粒子、接着剤基剤、前記微粒子状充填剤等の溶媒以外のその他の成分は、組成物調製時に各種溶媒を使用して分散物として配合することがある。その他の成分の溶媒としては、この時の分散媒や、組成物の粘度調整に使用する各種溶媒が例示でき、より具体的には、水、各種有機溶媒が例示できる。
前記水としては、イオン交換水が好ましい。
前記有機溶媒としては、配合成分の種類に応じて配合成分を劣化させないものを任意に使用できるが、高極性の有機溶媒が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状又は環状ケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル類等が例示できる。
前記有機溶媒は一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
前記溶媒としては水、又は水と高極性の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。該混合溶媒は、水の比率が高いほど好ましい。そして、前記溶媒としては、水が特に好ましい。
本発明の組成物において、前記溶媒の総配合量は、配合成分の種類等を考慮して適宜調節すれば良いが、配合成分の固形分全量100質量部に対して、25〜400質量部であることが好ましく、65〜250質量部であることがより好ましい。下限値以上とすることで、組成物の取り扱いが一層容易となり、上限値以下とすることで、接着剤層の一層良好な接着力が得られる。
本発明の組成物において、溶媒以外の前記その他の成分の総配合量は、本発明の効果を妨げない範囲内で任意に調節できる。
(感圧接着剤用組成物の製造方法)
本発明の組成物は、各配合成分を混合及び撹拌することで製造できる。
例えば、少なくとも一部の配合成分を溶媒に分散させた分散物として配合しても良いし、全ての配合成分を固体のまま配合し、後から溶媒を配合しても良い。また、分散物を配合した後に、さらに別途溶媒を配合しても良い。例えば、前記微粒子状充填剤を配合する場合、これらは、溶媒に分散させた分散物として配合することが好ましい。このようにすることで、接着剤層の接着力が一層良好となる。
各配合成分は、一度にまとめて配合しても良いし、成分ごとに順次配合しても良く、一部の成分のみをまとめて配合しても良い。さらに、同じ成分を分割して段階的に配合しても良い。各成分の配合順序は特に限定されない。
配合時の温度は特に限定されず、配合成分の種類等に応じて適宜調整すれば良いが、通常は室温程度で良く、15〜30℃であることが好ましい。
撹拌は、ミキサーを使用する方法等、分散物を調製する公知の方法で行えば良い。撹拌時間は、製造する組成物の総量や撹拌方法等に応じて、適宜調整すれば良い。また、組成物が均一な分散物となるまで撹拌することが好ましい。
本発明の組成物から形成された接着剤層は、再剥離性を有するだけでなく、優れた耐摩耗性を有する。耐摩耗性に優れる理由は定かではないが、接着剤層自体が強度に優れ、シートとの密着性にも優れるためではないかと推測される。接着剤層自体が強度に優れる理由としては、例えば、以下のようなことが考えられる。すなわち、組成物中には、接着剤基材と、フッ素樹脂微粒子が存在する。そのうち、接着剤基材を構成する分子中には、炭素原子間の二重結合(C=C結合)が存在する。また、フッ素樹脂を構成する分子中には、炭素原子−フッ素原子間の共有結合(C−F結合)が存在する。このC−F結合においては、電気陰性度が大きいフッ素原子は電子密度が大きいので、部分負電荷を有している(Fδ−)のに対し、このフッ素原子が結合している炭素原子は電子密度が小さいので、部分正電荷を有している(Cδ+)と考えられる。すると、このような部分電荷を有するC−F結合が存在するフッ素樹脂と、C=C結合が存在する接着剤基材との電気的な親和性が高く、組成物中の成分同士の親和性が高くなっていることが考えられる。そして、接着層自体の強度が優れるため、製造直後の接着剤層とシートとの高い密着性が安定して長期間保持されることが考えられる。
フッ素樹脂は、摩擦係数が小さいことが知られているが、単純に充填剤の摩擦係数が小さいほど、接着剤層の耐摩耗性が向上する訳ではなく、接着剤層のすべり性を向上させるだけでは、本発明の課題を解決できないと考えられる。例えば、C−F結合を有する分子は、通常、分子間力が小さいことが知られており、PTFE等のフッ素樹脂がすべり性に優れるのは、フッ素樹脂を構成する分子同士が摩擦によって容易に剥離して、剥離した分子が摩擦対象物に移動及び付着することで、摩擦係数が小さくなるからであると考えられている。すなわち、フッ素樹脂自体は摩擦によって摩耗し易いと言え、フッ素樹脂は、本願発明の課題を解決する構成としては想到し難いものであり、フッ素樹脂を含有する感圧接着剤用組成物の具体例も、従来は開示されていない。しかしながら本願発明においては、全く意外にも、フッ素樹脂微粒子を接着剤基材と併用することで、接着剤層の耐摩耗性の飛躍的な向上を可能としている。
<再剥離性シート>
本発明の再剥離性シートは、上記本発明の感圧接着剤用組成物が、シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて形成された感圧接着剤層を備えたことを特徴とする。
前記シートは、接着剤層を形成する基材であり、再剥離性シートの使用目的に応じて任意のものが選択できる。例えば、再剥離性シートの好ましいものとしては、基材として紙を使用した場合の実施形態である感圧圧着ハガキが例示できる。
前記シートの材質は、本発明の組成物が塗布できるものであれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。具体的には、原紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の合成樹脂等が例示できる。また、二種以上の材質のものが積層されたものでも良い。
材質が前記合成樹脂である場合には、シートの表面に対してマット処理、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
本発明において、前記シートは、少なくとも組成物の塗布面の材質が紙類であるものが好ましい。
シートの厚さは、形状が紙状又はフィルム状である限り特に限定されず、目的にもよるが、通常は50〜200μmであることが好ましく、80〜150μmであることがより好ましい。
組成物の塗布方法は特に限定されず、液状物を塗布できる方法であれば、いずれでも良い。具体的には、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーター;ワイヤーバー等の装置を使用する公知の方法が例示できる。
組成物の塗布は、一回で行っても良いし、複数回に分けて行っても良い。複数回に分けて行う場合には、乾燥させた塗布層上にさらに塗布する方法、乾燥していない塗布層上にさらに塗布する方法のいずれでも良い。
組成物の塗布量は、組成物の固形分濃度等を考慮して、適宜調節すれば良い。通常は、固形分の塗布量が好ましくは1〜30g/m、より好ましくは1.5〜20g/m、特に好ましくは2〜15g/mとなるように、組成物の塗布量を調節すると良い。下限値以上とすることで、接着剤層の接着力が一層良好となり、上限値以下とすることで、再剥離性が一層良好となる。
塗布した組成物は、送風乾燥、加熱送風乾燥等、公知の方法で乾燥させれば良い。乾燥温度、乾燥時間等の条件は、乾燥方法に応じて適宜設定すれば良い。
接着剤層は、厚さが3〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。このような範囲とすることで、本発明の効果に一層優れた再剥離性シートとなる。
シートの重ね合わせ面に文字等の情報を記録する場合、これら情報は、基材となるシート上に記録されていても良いし、接着剤層上に記録されていても良い。そして、情報記録工程は情報の記録部位に応じて適したタイミングで行えば良く、例えば、シート上に情報記録してから接着剤層を形成したり、シート上に接着剤層を形成してからその上に情報記録したりすれば良い。
接着剤層の色や透明度は、情報の記録部位を考慮して適宜調節すれば良い。例えば、シート上に情報記録する場合には、接着剤層は色が薄いほど、透明度が高いほど好ましく、無色透明であることが特に好ましい。一方、接着剤層上に情報記録する場合には、この限りではない。接着剤層の色や透明度は、使用する上記組成物の配合成分の種類や量等で適宜調節すれば良い。
本発明の再剥離性シートにおける好ましい実施形態である感圧圧着ハガキの具体例について、以下、図面を引用しながら説明する。図1は本発明の三つ折りハガキの表面展開図、図2は図1に示すハガキの裏面展開図、図3は図1のX−X線における断面図、図4は図1に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図、図5は本発明の二つ折りハガキの表面展開図、図6は図5に示すハガキの裏面展開図、図7は図5に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図、図8は本発明の部分二つ折りハガキの表面展開図、図9は図8に示すハガキの裏面展開図、図10は図8に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。
図1〜3に示す三つ折りハガキ1は、定型ハガキサイズの3倍のサイズを有する基体シート2から構成され、折り線3a、3bによって三つの領域に区画されるものである。左側区画領域Aの表面には、郵便番号、宛て名、住所などの宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の中央区画領域B及び右側区画領域Cの表面全体と、左側区画領域A及び中央区画領域Bの裏面全体には、本発明の組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な接着剤層6が形成されている。そして、左側区画領域Aの裏面、中央区画領域Bの表裏面及び右側区画領域Cの表面の接着剤層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された三つ折りハガキ1は、図4に示すように、折り線3a、3bにおいてZ型に折り込んで、各区画の重ね合わせ面の接着剤層6同士を対接させ、ドライシーラーで圧力を印加することにより、接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
なお、ここでは表裏二区画ずつ、合計四区画に接着剤層を形成した場合について説明したが、接着剤層をいかなる区画(面)に形成するかは、目的に応じて任意に設定でき、例えば、表裏全区画(面)の六区画に接着剤層を形成しても良い。これは、以下に示すその他の実施形態においても同様である。
図5及び6に示す二つ折りハガキ11は、定型ハガキサイズの2倍のサイズを有する基体シート2から構成され、中央部の折り線3によって二つの領域に区画されるものである。左側区画領域Dの表面には、郵便番号、宛て名、住所などの宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の左側区画領域D及び右側区画領域Eの裏面全体に、本発明の組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な接着剤層6が形成されている。そして、左側区画領域D及び右側区画領域Eの裏面の接着層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された二つ折りハガキ11は、上記の三つ折りハガキと同様に、図7に示すように、折り線3で折り込み、重ね合わせ面となる左側区画領域D及び右側区画領域E裏面の接着剤層6同士を対接させ、圧力を印加することにより、接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
図8及び9に示す部分二つ折りハガキ21は、定型ハガキサイズの1.5倍のサイズを有する基体シート2から構成され、折り線3によってサイズが異なる左右2つの領域に区画されるものである。左側区画領域Fの表面には、郵便番号、宛て名、住所などの宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の右側区画領域Gの裏面全体、及び区画領域Gを折り線3で折り込んだ際に重ね合わされる区画領域Fの一部裏面に、本発明の組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な接着剤層6が形成されている。そして、右側区画領域Gの裏面及び左側区画領域Fの前記一部裏面の接着剤層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された部分二つ折りハガキ21は、上記の二つ折りハガキと同様に、図10に示すように、折り線3で折り込み、重ね合わせ面となる右側区画領域Gの裏面及び左側区画領域Fの前記一部裏面の接着剤層6同士を対接させ、圧力を印加することにより、接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
これら実施形態においては、接着剤層6の上に隠蔽情報印刷5を施した例を示したが、隠蔽情報印刷5を基体シート2の対応箇所に直接施すことも可能であり、受取人が重ね合わせ面を再剥離させることにより、接着剤層6の下に形成された隠蔽情報5を読み取ることができる。ただし、読み取りの容易さの観点から、接着剤層6の上に隠蔽情報印刷5を施す方が好ましい。
本発明の再剥離性シートは、シートの重ね合わせ面に文字や画像などの各種情報を記録した秘匿情報記録シートとして好適である。また、ここでは、感圧圧着ハガキについて説明したが、基材となるシートの材質や形状、接着剤層の形成部位等など、組成物以外の構成を適宜最適に選択することで、種々の用途に適用できる。
本発明の再剥離性シートは、上記本発明の組成物を使用することで、接着剤層が再剥離性だけでなく、耐摩耗性にも優れる。したがって、再剥離性シートの製造工程を安定化でき、良好な品質で再剥離性シートを製造できる。また、再剥離性シートの製造工程では、印刷又は印字加工適性が損なわれることもない。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
なお、以下に示す実施例3〜4は参考例である。
<感圧接着剤用組成物の製造>
[実施例1]
天然ゴム(NR)100質量部(固形分)に、スチレン及びメタクリル酸メチルを25質量部、公知の方法でグラフト重合させ、固形分が49質量%のスチレンMMA共重合体水性ラテックスを調製した。
次いで、固形分が16質量%となるように、シリカ微粒子(商品名:NipsilE200、東ソー・シリカ社製)をイオン交換水中に分散させた分散液を予め調製しておき、上記で得られたスチレンMMA共重合体水性ラテックス87.2質量部(固形分42.7質量部)に対して、この分散液を53.6質量部(シリカ固形分8.6質量部)添加して、室温で撹拌混合し、混合液を得た。
次いで、平均粒子径が20μmである市販のスターチ(商品名:ACTISIZECWH、ロケット社製)12.8質量部と、平均粒子径が25.47μm(粒径分布:4.24〜108.01μm)であるPTFE製微粒子(商品名:TFW−500、セイシン企業社製)5.0質量部と、その他の増粘剤等の添加剤9.1質量部と、水21.4質量部とを、前記混合液に添加して室温で撹拌混合し、感圧接着剤用組成物を製造した。
[実施例2]
上記の平均粒子径が25.47μmであるPTFE製微粒子に代わり、平均粒子径が10.57μm(粒径分布:4.24〜27.64μm)であるPTFE製微粒子(商品名:TFW−1000、セイシン企業社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様に感圧接着剤用組成物を製造した。
[実施例3]
上記の平均粒子径が25.47μmであるPTFE製微粒子に代わり、平均粒子径が6.57μm(粒径分布:2.55〜19.66μm)であるPTFE製微粒子(商品名:TFW−2000、セイシン企業社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様に感圧接着剤用組成物を製造した。
[実施例4]
平均粒子径が25.47μm(粒径分布:4.24〜108.01μm)であるPTFE製微粒子(商品名:TFW−500、セイシン企業社製)を5.0質量部ではなく3.4質量部使用したこと以外は、実施例1と同様に感圧接着剤用組成物を製造した。
[実施例5]
天然ゴム(NR)100質量部(固形分)に、スチレン及びメタクリル酸メチルを25質量部、公知の方法でグラフト重合させ、固形分が49質量%のスチレンMMA共重合体水性ラテックスを調製した。
次いで、固形分が16質量%となるように、シリカ微粒子(商品名:NipsilE200、東ソー・シリカ社製)をイオン交換水中に分散させた分散液を予め調製しておき、上記で得られたスチレンMMA共重合体水性ラテックス83.4質量部(固形分40.9質量部)に対して、この分散液を51.3質量部(シリカ固形分8.2質量部)添加して、室温で撹拌混合し、混合液を得た。
次いで、平均粒子径が20μmである市販のスターチ(商品名:ACTISIZECWH、ロケット社製)12.2質量部と、平均粒子径が25.47μm(粒径分布:4.24〜108.01μm)であるPTFE製微粒子(商品名:TFW−500、セイシン企業社製)6.4質量部と、その他の増粘剤等の添加剤7.8質量部と、水20.5質量部とを、前記混合液に添加して室温で撹拌混合し、感圧接着剤用組成物を製造した。
[比較例1]
上記のPTFE製微粒子を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に感圧接着剤用組成物を製造した。
<接着剤層の耐摩耗性評価(1)>
[試験例1〜4]
実施例1〜3、比較例1の感圧接着剤用組成物を使用して、以下の手順で感圧接着剤層を形成し、その耐摩耗性を「JIS P 8136−1994」に準じて評価した。
すなわち、厚さが130〜134μmである紙製シート(日本製紙社製)の片面上に、前記感圧接着剤用組成物を、固形分の塗布量が約6g/mとなるようにワイヤーバーを使用してそれぞれ別々に塗布し、105℃で乾燥させ、厚さが9〜18μmである感圧接着剤層を形成した。そして、この接着剤層が形成されたシートを、25mm×250mmの大きさに切断して、試験片を作製した。
なお、形成した感圧接着剤層は、いずれの組成物を使用した場合でも、従来品に対して同等の良好な再剥離性を示した。
次いで、室温(約25℃)下で学振形染色摩擦堅ろう度試験機(熊谷理機工業社製)を使用して、その摩擦子の荷重を500gとし、前記試験片をセットして、摩耗回数10回(摩擦子1往復で摩耗回数1回とする)毎に該試験機を停止させ、接着剤層を目視観察した。そして、接着剤層の脱離によって基材が露出した時の回数を脱離摩耗回数として確認することで、感圧接着剤層の耐摩耗性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005551940
表1に示す評価結果から明らかなように、PTFE製微粒子が配合された実施例1〜3の組成物を使用した接着剤層(試験例1〜3)は、PTFE製微粒子が配合されていない比較例1の組成物を使用した接着剤層(試験例4)よりも耐摩耗性に顕著に優れることが確認された。そして、耐摩耗性は、PTFE製微粒子の粒径に依存する傾向が見られ、平均粒子径が10μm以上で特に優れた効果が見られた。
なお、製造スケールを1000倍としたこと以外は、実施例1〜3、比較例1と同様の条件で感圧接着剤用組成物を製造し、グラビアコーターを使用して実機スケールでこの組成物を塗布したこと以外は、試験例1〜4と同様の条件で試験片を作製して、感圧接着剤層の再剥離性と耐摩耗性を評価したところ、試験例1〜4と同様の結果が得られた。すなわち、本発明の組成物を使用した接着剤層は、実機スケールにおいても良好な再剥離性と耐摩耗性を有することが確認された。
<接着剤層の接着力評価>
[試験例5〜6]
実施例1、比較例1の感圧接着剤用組成物を使用して、試験例1及び4の場合と同様の手順で感圧接着剤層を形成し、同様の試験片を作製した。次いで、この試験片について、摩耗させる前と300回摩耗させた後の、接着剤層全面(25mm×250mm)の接着力を下記方法で評価した。すなわち、接着剤層同士が接触するように前記試験片を二つに折り曲げ、これに7MPaの圧力を印加して接着剤層同士を圧着させた後、オートグラフAGS50(島津製作所社製)を使用して、「JIS K6854」に準じた試験方法で、接着剤層同士の剥離接着力を90°T型剥離にて測定し、評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0005551940
表2に示す評価結果から明らかなように、PTFE製微粒子が配合された実施例1の組成物を使用した接着剤層(試験例5)は、PTFE製微粒子が配合されていない比較例1の組成物を使用した接着剤層(試験例6)よりも、摩耗後の接着力に顕著に優れることが確認された。これは、試験例5の接着剤層が、耐摩耗性に優れることに起因すると考えられる。なお、試験例5における摩耗後の接着力上昇は、誤差の範囲内と考えられる。
<接着剤層の耐摩耗性評価(2)>
[試験例7〜10]
実施例1、4、5、比較例1の感圧接着剤用組成物を使用し、ワイヤーバーではなくグラビアコーターを使用して、実機スケールでこの組成物を塗布したこと以外は、試験例1〜4と同様に試験片を作製した。なお、形成した感圧接着剤層は、いずれの組成物を使用した場合でも、従来品に対して同等の良好な再剥離性を示した。また、PTFE製微粒子が配合された実施例1、4及び5の組成物を使用した接着剤層(試験例7〜9)は、いずれも同等の良好な接着力を有していた。次いで、温度が約80℃の予熱板に接触させながら、作製した試験片を通過させ、試験片を所定枚数通過させた時に、脱落した接着剤層が予熱板を介して試験片へ転写(再付着)されるか否かについて目視観察して、耐摩耗性を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 0005551940
表3に示すように、試験例7及び9では、試験片100000枚通過の段階で試験片への接着剤層の転写が確認され、試験例8では、試験片50000枚通過の段階で試験片への接着剤層の転写が確認された。これに対して、試験例10では、試験片2000枚通過の段階で試験片への接着剤層の転写が確認された。すなわち、PTFE製微粒子が配合された実施例1、4、5の組成物を使用した接着剤層(試験例7〜9)は、PTFE製微粒子が配合されていない比較例1の組成物を使用した接着剤層(試験例10)よりも、耐摩耗性に顕著に優れることが確認された。そして、耐摩耗性は、PTFE製微粒子の固形分に占める比率に依存する傾向が見られ、6.4質量%以上で特に優れた効果が見られた。
このように、実施例1、4、5の組成物を使用した感圧接着剤層は、加熱条件下でも耐摩耗性に優れていることが確認された。
本発明は、感圧圧着ハガキ等、秘匿情報記録シート等に利用可能である。
1・・・三つ折りハガキ、2・・・基体シート、3,3a,3b・・・折り線、6・・・接着剤層、11・・・二つ折りハガキ、21・・・二つ折りハガキ

Claims (2)

  1. シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて感圧接着剤層を形成し、該接着剤層が、通常は接着性を示さず、所定の圧力を印加することで、前記シートの重ね合わせ面同士を再剥離可能に接着させる感圧接着剤用組成物であって、
    接着剤基剤と、フッ素樹脂微粒子と、が配合されてなり、
    前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンであり、
    前記フッ素樹脂微粒子の平均粒子径が10〜25.47μmであり、
    配合成分の固形分中に占める前記フッ素樹脂微粒子の比率が6.4〜8.5質量%であることを特徴とする感圧接着剤用組成物。
  2. 請求項に記載の感圧接着剤用組成物が、シートの重ね合わせ面に塗布及び乾燥されて形成された感圧接着剤層を備えたことを特徴とする再剥離性シート。
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