JP5546041B2 - 干渉抑圧無線通信システムおよび干渉抑圧無線通信装置 - Google Patents
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Description
本願は、2009年4月27日に、日本に出願された特願2009−108226号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
この、送信信号から干渉成分を減算する方法を用いて通信を行う際に、干渉信号成分の減算によって送信電力が増加することを抑制する、THP(トムリンソン−ハラシマ・プリコーディング、Tomlinson-Harashima Precoding)と呼ばれる方法が提案されている。THPでは、送受信装置双方で通信信号に対してモジュロ(Modulo、剰余)計算を行うことによって、送信電力の増加を抑制する。(非特許文献1参照)
同図において、sは送信装置1001が受信装置1002に送信すべき所望信号を表す。また、送信装置1001と受信装置1002との間の伝搬路は加法的白色ガウス雑音(Additive White Gaussian Noise: AWGN)チャネルである。受信装置1002は、干渉信号成分fと、雑音nが加算された状態で送信信号xを受信する。すなわち、受信信号は、y=x+f+nと表せる。ここで、送信装置1001は干渉信号成分fを予め知っている。
送信装置1001は、干渉信号成分fに係数αを乗じたものを、所望信号sから減算し、さらに、THPに用いられるモジュロ計算を行ったものを、送信信号xとして送信する。
受信装置1002は、受信信号yに対して送信装置1001と同じ係数αを乗算し、さらに、送信装置1001と同じモジュロ計算を行う。このモジュロ計算の結果が、受信側で得られた所望信号の推定値であり、s’で表す。
非特許文献2では、係数αを式(1)とすることが提案されている。ここで、σx 2は、送信信号xの分散、σn 2は、雑音nの分散を表す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
第1の実施形態では、第1の通信装置100から第2の通信装置400へ無線信号を送信し、第1の通信装置と同じ周波数で第3の通信装置が送信する無線信号が、第2の通信装置400の受信信号に対する干渉信号となる場合において、第2の通信装置400が算出する伝搬路状態情報CSIを用いて本発明を実施する一形態について説明する。ここで、伝搬路状態情報CSIは伝搬路状態が示す複素利得を含んでいるとする。
同図において、通信システム900は、第1の通信装置100と、第2の通信装置400と、第3の通信装置700とを含んで構成される。
第1の通信装置100は第2の通信装置400に対して無線信号SOBJを送信し、第2の通信装置400はこの無線信号SOBJを受信する。第1の通信装置100の送信方式は直交周波数分割多重OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)である。
第1の通信装置100は、例えば、移動通信システムの基地局装置である。第2の通信装置400は、例えば、移動通信システムの端末局装置である。
図2は、この発明の第1の実施形態による第1の通信装置100の構成を示す概略ブロック図である。
同図において、第1の通信装置100は、アンテナ201と、無線受信部211と、干渉元送信信号取得部212と、干渉信号算出部213と、分散取得部214と、係数計算部215と係数乗算部216と、係数通知部217と、干渉信号減算部221と、モジュロ部222と、伝搬路除算部223と、無線信号生成部224とを含んで構成される。
無線信号生成部224は、マッピング部2241と、IFFT部2242と、GI挿入部2243と、無線送信部2244とを含んで構成される。
無線受信部211は、アンテナ201を介して第2の通信装置400から、第1の通信装置100から第2の通信装置400への伝搬路状態情報(送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報)と、第3の通信装置700から第2の通信装置400への伝搬路状態情報(干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報)と、後述する伝搬路推定誤差の分散の情報と、量子化誤差の分散の情報と、CSI送信粒度(CSIの周波数方向の細かさ)に応じた誤差の分散の情報と、伝搬路変動による誤差の分散の情報と、雑音の分散の情報とを受信する。
干渉信号算出部213は、干渉元送信信号取得部212から入力される第3の通信装置700の送信信号すなわち送信元における干渉信号と、無線受信部211から入力される第3の通信装置700から第2の通信装置400への伝搬路状態情報すなわち干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報とに基づいて、第2の通信装置400の受信信号に含まれる干渉信号成分の推定値(以下、干渉信号推定値という)を算出する。
分散取得部214は、無線受信部211から後述する送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、干渉信号の伝搬路に対応した誤差の分散と、雑音の分散と、CSI送信粒度に応じた誤差の分散と、伝搬路変動による誤差の分散との入力を受ける。
係数計算部215は、分散取得部214から入力される分散に基づいて係数αを算出する。この係数αの詳細な算出方法については後述する。
干渉信号減算部221は、第1の通信装置100が第2の通信装置400に送信すべき所望信号sから、係数乗算部216から入力される減算用信号を減算することによって干渉信号の事前キャンセルを行い、減算後信号を算出する。ここで、信号sは、送信すべきデータをチャネル符号化した後、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying、4相位相変調)、または、8PSK(8 Phase Shift Keying、8相位相変調)、または、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation、16値直交振幅変調)、または、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation、64値直交振幅変調)などの変調方式により変調した信号である。
伝搬路除算部223はモジュロ部222から入力される電力抑制送信信号を、無線受信部211から入力される送信信号の伝搬路状態が示す複素利得で除する。
無線信号生成部224において、マッピング部2241は、伝搬路除算部223から入力される除算後の信号と、パイロットシンボルPS1とを、OFDMシンボルのリソースエレメントにマッピングする。ここで、リソースエレメントは、OFDM送信信号上の位置であり、OFDM送信信号を時間方向にはOFDMシンボル毎に分割し、周波数方向にはサブキャリア毎に分割して得られる1区画である。各リソースエレメントには1個の変調シンボルがマッピングされる。
IFFT部2242は、マッピング部2241から入力されるマッピング後の信号に対してIFFT(逆高速フーリエ変換、Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。
GI挿入部2243は、IFFT部2242から入力される時間領域の信号に、ガードインターバル(Guard Interval; GI。Cyclic Prefix; CPとも呼ぶ。)を付加する。
無線送信部2244は、GI挿入部2243から入力される、ガードインターバルが付加された時間領域の信号に対して、デジタル−アナログ変換および周波数変換等を行い、アンテナ201より送信する。
図3は、この発明の第1の実施形態による第2の通信装置400の構成を示す概略ブロック図である。
同図において、第2の通信装置400は、アンテナ501と、無線信号復元部502と、係数取得部511と、係数乗算部521と、モジュロ部522と、伝搬路状態情報算出部531と、分散算出部532と、無線送信部533とを含んで構成される。
無線信号復元部502は、無線受信部5021と、GI除去部5022と、FFT部5023と、デマッピング部5024とを含んで構成される。
FFT部5023は、GI除去部5022で抽出されたFFT区間に対してFFT処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号であるデータシンボルに変換する。
デマッピング部5024は、第1の通信装置100によって行われたマッピングの情報を予め得ており、これを用いて、FFT部5023から入力されるデータシンボルを元(送信時)のデータシンボルと同じ順序に並べる。また、デマッピング部5024は、前記マッピングの情報を用いてパイロットシンボルPS1を抽出し、伝搬路状態情報算出部531に出力する。同様に、デマッピング部5024は、第3の通信装置700からのパイロットシンボルPS3を抽出し、伝搬路状態情報算出部531に出力する。
係数乗算部521は、無線信号復元部502から入力されるデータシンボルに、係数取得部511から入力される係数αを乗ずる。
モジュロ部522は、係数乗算部521から入力される乗算後の情報データシンボルに対して、第1の通信装置100のモジュロ部222(図2)と同一のモジュロ計算を行う。
分散算出部532は、伝搬路状態情報算出部531から入力される受信信号のS/N比と受信信号の遅延スプレッドとを用いて、後述する伝搬路推定誤差の分散の情報と、CSI送信粒度に応じた誤差の分散の情報と、伝搬路変動による誤差の分散の情報と雑音の分散の情報とを算出する。
無線送信部533は、伝搬路状態情報算出部531から入力される、第1の通信装置100から第2の通信装置400への伝搬路状態情報と、第3の通信装置700から第2の通信装置400への伝搬路状態情報と、分散算出部532から入力される分散とを、アンテナ501を介して第1の通信装置100へ送信する。
図4は、この発明の第1の実施形態による第3の通信装置700の構成を示す概略ブロック図である。
同図において、第3の通信装置700は、無線信号生成部824と、アンテナ825と、干渉元送信信号通知部831とを含んで構成される。
無線信号生成部824は、マッピング部8241と、IFFT部8242と、GI挿入部8243と、無線送信部8244とを含んで構成される。
IFFT部8242は、マッピング部8241から入力されるマッピング後の信号に対してIFFT処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。
GI挿入部8243は、IFFT部8242から入力される時間領域の信号にガードインターバルを付加する。
干渉元送信信号通知部831は、マッピング部8241から入力されるマッピング後の信号を、第3の通信装置700の送信信号として、有線回線を通じて第1の通信装置100に送信する。
次に、第1の通信装置100が取得する伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因について説明する。
第1の通信装置100から第2の通信装置400への実際の伝搬路をhs、第3の通信装置700から第2の通信装置400への実際の伝搬路をhfで表す。以下に示す要因により、第1の通信装置100が伝搬路状態情報CSIとしてhsとhfとを誤差なく把握することは実質的には不可能である。以下では、第1の通信装置100が取得する、第1の通信装置100から第2の通信装置400への伝搬路状態情報CSIをhs’=hs+ms、第3の通信装置700から第2の通信装置400への伝搬路状態情報CSIをhf’=hf+mfで表す。ここで、msおよびmfは、それぞれ第1の通信装置100が取得する伝搬路状態情報CSIであるhs’およびhf’に含まれる誤差である。
本実施形態では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法は第2の通信装置400が伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する方法である。干渉信号が発生する原因は前述の通り第3の通信装置700の送信信号が干渉信号となるためである。なお、以下では、伝搬路状態情報CSIを把握するために第2の通信装置400が伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する方法を第1の方法という。
第二の要因として、第2の通信装置400が、推定した伝搬路状態情報CSIを第1の通信装置100へデジタル信号で送信する際に、量子化することによって生じる量子化誤差が挙げられる。
第四の要因として、第1の通信装置100が送信を行なっている間に、第2の通信装置400が移動することによって伝搬路が変動して生じる誤差が挙げられる。
以上のように、第1の通信装置100が取得する伝搬路状態情報CSIには誤差が含まれている。そこで、第1の通信装置100の分散取得部214は伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を取得し、係数計算部215が、伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を考慮して係数αを算出する。以下では、分散取得部214が伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を取得する方法について説明する。
まず、前記の各要因によって生じる誤差の分散の算出方法について説明する。
第二の要因による誤差である量子化誤差は、デジタル化の方法に依存する。そこで、第2の通信装置400が行うデジタル化の方法に基づいて、予め量子化誤差の分散を算出し、第2の通信装置の分散算出部532が記憶しておく。
そこで、例えば、モンテカルロシミュレーション等のシミュレーションを用いて、粒度および遅延スプレッドをパラメータとする、第三の要因による誤差の分散の関数を求めておき、第2の通信装置400の分散算出部532がこの関数を記憶しておく。そして、伝搬路状態情報算出部531は、受信信号の遅延スプレッドを算出して分散算出部532に出力する。分散算出部532は、入力された遅延スプレッドと、第2の通信装置400が伝搬路状態情報CSIを送信する際の粒度とを前記関数に代入して、CSI送信粒度に応じた誤差の分散を算出する。
ここで、遅延スプレッドは、遅延プロファイル(遅延時間を変数とした平均受信電力)の広がり具合を表す標準偏差である。伝搬路状態情報算出部531は、サンプリング間隔Tでサンプリングした遅延プロファイルPn(nはサンプリング番号)を用いて、遅延スプレッドを式(3)により算出できる。
伝搬路状態情報CSIの誤差の分散は、上記各要因による誤差の一部または全部の和を取ることによって算出する。例えば、第2の通信装置400の分散算出部532が、無線送信部533等を経由して第1の通信装置100の分散取得部214に、各要因による誤差の分散を送信し、分散取得部214が送信された分散の和を取ることによって算出する。
つまり、分散取得部214は、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を取得し、これを前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散とする。或いは、分散取得部214は、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散に加えて、該伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動による誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散のうち少なくとも一つを取得する。そして、これらの和を取ることによって前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出する。
また、分散取得部214は、送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を取得し、これを前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散とする。或いは、分散取得部214は、該送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散に加えて、該伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動による誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散のうち少なくとも一つを取得する。そして、これらの和を取ることによって前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出する。
なお、分散算出部532で一部の要因について和を取ってから分散取得部214に送信して、最終的に分散取得部214で全要因による誤差の分散の和を取ってもよい。
また、分散算出部532で全部の要因について和を取ってから分散取得部214に通知して分散取得部214で全要因による誤差の分散の和を取得してもよい。
第一の要因による伝搬路推定誤差の分散は、第2の通信装置400の伝搬路推定方法によって伝搬路推定の精度が異なるため、分散算出部532が本方法で通信を開始する際に、第2の通信装置400の分散算出部532において、前記の方法で誤差の分散を計算して第1の通信装置100に送信する。また、シャドウイング等によって平均受信電力が一定値またはそれ以上変化した場合も、伝搬路推定誤差に変化が生じるので、第1の通信装置100に再度通知する。つまり、第2の通信装置400の伝搬路状態情報算出部531が受信信号の平均受信電力を算出し、分散算出部532は、通信開始時および受信信号の平均受信電力が一定値またはそれ以上変化したときに、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を算出する際に生じる誤差である干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を算出する際に生じる誤差である送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散とを算出する。
上記タイミングで分散を算出したあと無線送信部533は、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散とを送信する。
ここで、平均受信電力が一定値またはそれ以上変化したときに伝搬路推定誤差の分散を算出し送信するとあるが、これ以外にも一定時間経過後に定期的に送信してもよいし、通信開始時のみ送信してもよい。
第二の要因による伝搬路状態情報CSIの誤差の分散は、量子化の方法に従って決まる定数を用いることができるので、第1の通信装置100自ら取得することができ、必ずしも第2の通信装置400が送信する必要はない。つまり、分散取得部214は、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の送信方法に基づいて干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散を生成し、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の送信方法に基づいて前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散を生成する。
ここで、粒度に応じた誤差の分散を算出し送信するタイミングは上記に限らず、これ以外にも一定時間経過後に定期的に送信してもよいし、通信開始時のみ送信してもよい。
無線送信部533は干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差と、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差とを送信する。
第四の要因による誤差の分散は、第2の通信装置400で測定した第2の通信装置400の移動速度もしくはfd(最大ドップラー周波数)に依存する。そのため、第2の通信装置400の分散算出部532が、本方法で通信を開始するときに加えて、第2の通信装置400の移動速度もしくはfdが一定値またはそれ以上変化した場合に通知する。つまり、伝搬路状態情報算出部531は受信信号の最大ドップラー周波数を算出し、分散算出部532は、通信開始時および受信信号の最大ドップラー周波数が一定値またはそれ以上変化しときに干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散とを算出する。
伝搬路状態情報算出部531は干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散とを送信する。
ここで、伝搬路変動による誤差の分散を算出し送信するタイミングは上記に限らず、これ以外にも一定時間経過後に定期的に送信してもよいし、通信開始時のみ送信してもよい。
第1の通信装置100の分散取得部214は、前記の方法により、第1の通信装置100から第2の通信装置400への伝搬路に関する伝搬路状態情報CSIの誤差の分散(全部の誤差要因を含めたもの)σms 2と、第3の通信装置700から第2の通信装置400への伝搬路に関する伝搬路状態情報CSIの誤差の分散(全部の誤差要因を含めたもの)σmf 2とを算出する。また、分散取得部214は、送信信号の分散σx 2と、干渉信号の分散σt 2とを取得する。また、分散取得部214はこれらの分散を用いて、伝搬路状態情報CSIの不完全性に伴う干渉成分の誤差の分散σm 2を算出する。つまり、分散取得部214は、送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散σms 2と干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散σmf 2と送信信号の分散σx 2と、干渉信号の分散σt 2とを用いて干渉成分の誤差の分散σm 2を算出する。分散σm 2の算出方法については後述する。また、分散取得部214は、雑音の分散σn 2と、送信信号の分散σx 2と、干渉信号の誤差の分散σm 2とを係数計算部215に出力する。
また、送信信号の分散σx 2としては、例えば、分散取得部214が、第1の通信装置が行う通信の方法に基づいて定められた値を予め記憶しておき、この値を用いる。つまり、分散取得部214は、自通信装置の通信方式に基づいて送信信号の分散σx 2を生成する。
同様に、干渉信号の分散σt 2としては、例えば、分散取得部214が、第3の通信装置が行う通信の方法に基づいて定められた値を予め記憶しておき、この値を用いる。
係数計算部215から分散取得部214へ分散を出力する際は、dBm単位を用いて分散の値を表す。なお、各々の分散の比のみを出力してもよいし、他の単位を用いて分散の値を表してもよい。
次に、伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を用いて受信信号の誤り率を改善する方法について説明する。
第1の通信装置100が第2の通信装置400に送信すべき所望の信号をsとし、第2の通信装置400におけるsの推定値をs’とする。
前記のとおり、第1の通信装置100から第2の通信装置400へ通知される伝搬路状態情報CSIであるhs’=hs+msおよびhf’=hf+mfは、それぞれ誤差msおよびmfを含む。ms、mfは、いわば伝搬路状態情報CSIの不完全性を示す誤差である。以下では、msの分散をσmsとし、mfの分散をσmfとする。
第2の通信装置400が受信する干渉信号fが、f=hftであるのに対し、第1の通信装置100の干渉信号算出部213は、誤差を含んだ伝搬路状態情報CSIであるhf’を用いて、干渉信号推定値をhf’t=hft+mftと算出する。つまり、干渉信号算出部213は、干渉元における干渉信号tを取得するとともに、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報hf’を取得し、干渉元における干渉信号tと干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報hf’とに基づき干渉信号推定値hf’tを算出する。干渉信号算出部213は算出した干渉信号推定値hf’tを、係数乗算部216に出力する。
係数乗算部216は、干渉信号算出部213から出力される干渉信号推定値hf’tに係数計算部215から出力される係数αを乗じて減算用信号を算出する。係数乗算部215は、算出した減算用信号を干渉信号減算部221に出力する。
干渉信号減算部221は、送信すべき所望信号sから減算用信号αhf’tを減算して減算後信号v=s−αhf’tを算出する。干渉信号減算部221は、算出した減算後信号vをモジュロ部222に出力する。
モジュロ部222は、入力される減算後信号vに対して、式(4)のモジュロ計算を行う。つまり、モジュロ部222は、減算後信号を所定定数で除した剰余を求めて電力抑制送信信号M(v)を算出する。
例えば、変調方法がQPSKの場合は、δ=2√2、16QAMの場合は、δ=8/√10、64QAMの場合は、δ=16/√42とすることができる。なお、δの値はこれ以外の値であっても、第1の通信装置100と第2の通信装置400の両方が既知で、かつ、変調シンボルのコンスタレーションの幅よりも大きくなる値であればよい。
なお、以下では、モジュロ部222が出力する電力抑制送信信号M(v)をxで表す。
無線信号生成部224は、伝搬路除算部223から入力されたhs’−1xを、直交周波数分割多重OFDMを用いて第2の通信装置400に送信する。つまり、無線信号生成部224は、電力抑制送信信号xに基づく送信信号を送信する。
これに対し、第2の通信装置400のデマッピング部5024が出力する信号yは、伝搬路特性hsと、干渉信号fと、雑音nとの影響を受けて、式(5)のようになる。
まず、M(s’−s)は、式(6)のように計算できる。ここで、sとs’の差は、δを超えないと仮定している。
上式の右2項が、伝搬路状態情報CSIが誤差を含むことによる受信信号の誤差による誤り率の増加を表す。したがって、伝搬路状態情報CSIの不完全性に伴う干渉信号の誤差の分散は、式(8)のように表される。
分散取得部214が、σmf 2と、σms 2とのうち、いずれか一方のみを用いてσm 2を算出することで、分散取得部214の演算量を軽減できる。一方、分散取得部214が、σmf 2と、σms 2との両方を用いてσm 2を算出することで、より高い精度のσm 2を得られる。
ここで、前記より、sとs’との差の二乗平均は、式(9)のように、αの二次関数で表される。
σx 2>0、σn 2>0、σm 2>0なので、このσx 2(σn 2+σm 2)/(σn 2+σm 2+σx 2)は、単純にTHPを用いた場合(α=1に相当する)の値σn 2+σm 2や、インフレイテッド・ラティス・プリコーディング において、α=σx 2/(σn 2+σx 2)とした場合の値σx 2(σn 2+σm 2)/(σn 2+σx 2)よりも小さい。
したがって、誤り率特性が改善されている。
次に本実施形態の第1の変形例について説明する。
第1の実施形態では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法が、第2の通信装置400が伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する方法であり、干渉信号が発生する原因が第3の通信装置700の送信信号が干渉信号となることによる場合について説明した。これに対して、上り回線と下り回線でと同一の周波数を用いる場合など伝搬路が可逆とみなせる場合は、かかる伝搬路の可逆性を利用して第2の通信装置400bからのパイロット信号を用いて、第1の通信装置100bと、第3の通信装置700bが伝搬路状態情報CSIを算出してもよい。
本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法が、第2の通信装置400bからのパイロット信号を用いて、第1の通信装置100bと、第3の通信装置700bとが伝搬路推定を行う方法であり、干渉信号が発生する原因が第3の通信装置700bの送信信号が干渉信号となることによる場合について説明する。
図6は、本変形例における第1の通信装置100bの構成例を示す概略ブロック図である。
図6において、図2の各部に対応する部分には同一の符号(201、213、214、215、216、217、221、222、223、224、2241、2242、2243、2244)を付し、その説明を省略する。
図6の第1の通信装置100bは、GI除去部231b、FFT部232b、デマッピング部233b、伝搬路状態情報算出部234bを含んで構成される点で、図2の第1の通信装置100と異なる。
GI除去部231bは、無線受信部211bから入力される信号からガードインターバルを除去する、すなわち、FFT区間を抽出する。
FFT部232bは、GI除去部231bで抽出されたFFT区間に対してFFT処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号であるデータシンボルに変換する。
デマッピング部233bは、FFT部232bから入力されるデータシンボルからパイロットシンボルPS2を抽出し、伝搬路状態情報算出部234bに出力する。
干渉元送信信号取得部212bは、有線回路を通じて第3の通信装置700bから送信される、第3の通信装置700bの送信信号tと、第2の通信装置400bから第3の通信装置700bへの伝搬路状態情報hf+mfとを受信する。
無線信号生成部224は、マッピング部2241と、IFFT部2242と、GI挿入部2243と、無線送信部2244とを含んで構成される。
マッピング部2241は、図2のマッピング部2241と同様である。
また、IFFT部2242と、GI挿入部2243と、無線送信部2244とは、図2のものと同様であり、説明を省略する。
図7は、本変形例における第2の通信装置400bの構成例を示す概略ブロック図である。
図7において、図3の各部に対応する部分には同一の符号(501、502、5021、5022、5023、5024、511、521、522)を付し、その説明を省略する。
図7の第2の通信装置400bは、伝搬路状態情報算出部531を具備しない点と、分散算出部532bに無線信号復元部502からの信号が入力される点と、無線送信部533bに、伝搬路状態情報算出部531からの出力ではなくパイロットシンボルPS2が入力される点とで図3の第2の通信装置400と異なる。
分散算出部532bは、無線信号復元部502から入力されるパイロットシンボルを用いて、受信信号のS/N比(Signal to Noise Ratio)と、受信信号の遅延スプレッドとを算出する。分散算出部532bは、算出した受信信号のS/N比と受信信号の遅延スプレッドとを用いて、後述する伝搬路推定誤差の分散の情報と、CSI送信粒度に応じた誤差の分散の情報と、伝搬路変動による誤差の分散の情報と雑音の分散の情報とを算出する。
無線送信部533bは、分散算出部532bから入力される分散と、パイロットシンボルPS2とを、アンテナ501を介して第1の通信装置100bへ送信する。
図8は、本変形例における第3の通信装置700bの構成例を示す概略ブロック図である。
図8において、図4の各部に対応する部分には同一の符号(824、8241、8242、8243、8344、825)を付し、その説明を省略する。
図8の第3の通信装置700bは、無線信号復元部841bと伝搬路状態情報算出部842bを含んで構成される点、干渉元送信信号通知部831bが伝搬路状態情報算出部842bからの信号の入力を受ける点で、図4の第3の通信装置700と異なる。
無線受信部841bは、アンテナ825を介して受信した第2の通信装置400bから無線信号に対して、周波数変換やアナログ−デジタル変換などの処理を行う。
GI除去部841b2は、無線受信部841b1からの入力される信号からガードインターバルを除去する、すなわち、FFT区間を抽出する。
FFT部841b3は、GI除去部841b2で抽出されたFFT区間に対してFFT処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。
デマッピング部841bは、第2の通信装置400bによって行われたマッピングの情報を予め得ており、これを用いてパイロットシンボルPS2を抽出し、伝搬路状態情報算出部842bに出力する。
伝搬路状態情報算出部842bは、無線信号復元部841bから入力されるパイロットシンボルPS2を用いて、第2の通信装置400bから第3の通信装置700bへの伝搬路状態情報を算出する。
次に、第1の通信装置100bが取得する伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因について説明する。
本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法は、第1の通信装置100bおよび第3の通信装置700bが伝搬路状態情報CSIを算出し、第3の通信装置700bが有線回線を用いて第1通信装置100bに送信するものである。以下では、この方法を第2の方法という。また、干渉信号が発生する理由は、第1の実施形態の場合と同様、第3の通信装置700bの送信信号が干渉信号となるためである。
伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因のうち、前記第一の要因については、第1の通信装置100b及び第3の通信装置700bにおいて伝搬路推定する際に伝搬路推定誤差が生じる。
また、前記第三の要因についても、第3の通信装置700bから第1の通信装置100bへ有線回線を用いて伝搬路状態情報CSIを送信することにより、伝搬路状態情報CSIを送信する粒度を十分に細かくすることができる場合には、考慮する必要がない。
前記第四の要因については、第1の実施形態の場合と同様、第2の通信装置400bが移動することによって伝搬路が変動して誤差が生じる。
また、伝搬路状態情報CSIに含まれる誤差の分散の送信時期は、第一の要因については、伝搬路推定を行うのが第1の通信装置100bおよび第3の通信装置700bなので、第3の通信装置700bから第1の通信装置100bへ有線回線を用いて随時送信する。
第四の要因については、第2の通信装置400bの分散算出部532bが、本方法で通信を開始するときに加えて、第2の通信装置400bの移動速度もしくは最大ドップラー周波数fdが一定値またはそれ以上変化したときに通知する。また、再度第2の通信装置が通知する代わりに、第1の通信装置が伝搬路推定を複数回した後に、伝搬路状態情報CSIの時間変動の大きさから、第二の要因における伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を求めてもよい。
伝搬路状態情報CSIの全要因を加えた誤差分散は、分散取得部で各要因における分散の和を取れば求められる。以下、第1の実施形態の場合と同様、伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を用いて伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、係数αを計算する際に、伝搬路状態情報の誤差の分散を用いることで、受信信号の誤り率特性を向上させることができる。
次に本実施形態の第2の変形例について説明する。
第1の実施形態では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法が、第2の通信装置400が伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する方法であり、干渉信号が発生する原因が第3の通信装置700の送信信号が干渉信号となることによる場合について説明した。これに対して、本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法が、第2の通信装置400cが伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する方法であり、干渉信号が発生する原因が第1の通信装置100cから送信された信号の遅延波が干渉信号となる場合について説明する。なお、遅延波は、第1の通信装置cと有線回線で接続されたリレー局装置の送信アンテナから送信される信号であってもよい。
同図において、通信システム900cは、第1の通信装置100cと、第2の通信装置400cとを含んで構成される。
第1の通信装置100cは、第2の通信装置400cに対してチャネル状態hsの伝搬路を介して無線信号SOBJを送信し、第2の通信装置400cは、この無線信号SOBJを受信する。また、第1の通信装置100cの送信信号が反射物に当たって反射した伝搬路(チャネル状態hf)を通った遅延波が、第2の通信装置400cに対しては干渉信号SREFとなり、第2の通信装置400cの受信信号に含まれる干渉信号成分となる。
本実施形態では、第1の通信装置100cの送信方法がSC−FDM(Single Carrier-Frequency Division Multiplexing、シングルキャリア周波数分割多重)などのシンボル間干渉(Inter Symbol Interference: ISI)の影響を受ける通信方法のときに、このISIを送信側で消す方法として、インフレイテッド・ラティス・プリコーディングが用いられる。
図9において、直接波の伝搬路をhs、遅延波の伝搬路をhfで表す。
図10は、本変形例における第1の通信装置100cの構成例を示す概略ブロック図である。第1の通信装置100cは、所望信号sとして時間領域の信号を扱う点で、図2の第1の通信装置100と異なる。
同図において、第1の通信装置100cは、アンテナ201と、無線受信部211cと、干渉信号算出部213cと、分散取得部214cと、係数計算部215cと、係数乗算部216cと、係数通知部217と、干渉信号減算部221cと、モジュロ部222cと、伝搬路除算部223cと、無線信号生成部224cとを含んで構成される。
無線信号生成部224cは、パイロット挿入部2241cと、無線送信部2244とを含んで構成される。
干渉信号算出部213cは、無線送信部2244から入力される第1の通信装置100cの送信信号と、無線受信部211cから入力される干渉波の伝搬路の伝搬路状態情報とに基づいて、第2の通信装置400cの受信信号に含まれる干渉信号推定値を算出する。
分散取得部214cは、無線受信部211cから後述する分散の入力を受ける。
係数計算部215cは、分散取得部214cから入力される分散に基づいて、干渉信号推定値に乗ずる係数αを算出する。
係数通知部217は、係数計算部215cから入力された係数αを、アンテナ201を介して第2の通信装置400cへ送信する。係数αの送信は、例えば、モジュロ計算等を行わない通常のSC−FDM送信信号の制御チャネルに含めることによって、本発明の方法を用いた通信が可能となる前の状態でも行うことができる。
干渉信号減算部221cは、第1の通信装置100cが第2の通信装置400cに通知した信号sから、係数乗算部から入力される、係数αを乗じた干渉信号推定値を減ずる。
伝搬路除算部223cは、モジュロ部222cから入力されるモジュロ計算後の信号から、無線受信部211cから入力される、第1の通信装置100cから第2の通信装置400cへの伝搬路状態情報を除する。
無線送信部2244は、パイロット挿入部2241cから入力される、パイロットシンボルPS1が挿入された信号に対して、デジタル−アナログ変換、周波数変換等を行い、アンテナ201より送信する。
図11は、本変形例における第2の通信装置400cの構成を示す概略ブロック図である。
同図において、第2の通信装置400cは、アンテナ501と、無線信号復元部502cと、係数取得部511と、係数乗算部521cと、モジュロ部522cと、伝搬路状態情報算出部531cと、分散算出部532と、無線送信部533とを含んで構成される。
無線信号復元部502cは、無線受信部5021cと、パイロット分離部5024cとを含んで構成される。
パイロット分離部5024cは、第1の通信装置100cによって行われたパイロットシンボル挿入の情報を予め得ており、これを用いて、無線受信部5021cから入力される受信信号からパイロットシンボルPS1を抽出し、伝搬路状態情報算出部521cに出力する。
係数乗算部521cは、無線信号復元部502cから入力される信号に、係数取得部511から入力される係数αを乗ずる。
モジュロ部522cは、係数乗算部521cから入力される乗算後の信号に対して、第1の通信装置100cのモジュロ部222c(図10)と同一のモジュロ計算を行う。
分散算出部532は、パイロット分離部5024cからの入力に基づき、後述する分散を算出する。
無線送信部533は、伝搬路状態情報算出531cから入力される、直接波の伝搬路状態情報と、干渉波の伝搬路状態情報と、分散算出部532から入力される分散とを、アンテナ501を介して第1の通信装置100cへ送信する。
次に、第1の通信装置100cが取得する伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因について説明する。
本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法は、第2の通信装置400cが伝搬路状態情報CSIを算出し、算出した伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信するものである。また、干渉信号が発生する理由は、第1の通信装置100cの送信信号の遅延信号が干渉信号となるためである。
前記第二の要因については、第2の通信装置400cから第1の通信装置100cへ伝搬路状態情報CSIを量子化してデジタル信号で送信する場合は、量子化誤差が生じる。
第三の要因については、シングルキャリアで通信を行うので、考慮しない。
第四の要因については、第1の実施形態の場合と同様、第2の通信装置400cが移動することによって伝搬路が変動して誤差が生じる。
また、伝搬路状態情報CSIに含まれる誤差の分散の送信時期は、第一の要因については、第2の通信装置400cの分散算出部532が、本方法で通信を開始する際や、平均受信電力が一定値またはそれ以上変化した場合に、第1の通信装置100cに通知する。
第二の要因については、第1の通信装置自ら取得でき、第2の通信装置が送信する必要はない。
第四の要因については、第2の通信装置400cの分散取得部532が、本方法で通信を開始する際や、第2の通信装置の移動速度もしくはfdが一定値またはそれ以上変化した場合に通知する。
伝搬路状態情報CSIの全要因を加えた誤差分散は、分散取得部で各要因における分散の和を取れば求められる。以下、第1の実施形態の場合と同様、伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を用いて伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、係数αを計算する際に、伝搬路状態情報の誤差の分散を用いることで、受信信号の誤り率特性を向上させることができる。
次に本実施形態の第3の変形例について説明する。
本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法が、伝搬路の可逆性を利用して、第1の通信装置400cが伝搬路状態情報CSIを算出する方法であり、干渉信号が発生する原因が第1の通信装置100cから送信された信号の遅延波が干渉信号となる場合について説明する。
図12は、本変形例における第1の通信装置100dの構成例を示す概略ブロック図である。
図12において、図10の各部に対応する部分には同一の符号(201、213c、214c、215c、216c、217、221c、222c、223c、2244)を付し、その説明を省略する。
図12の第1の通信装置100dは、パイロット抽出部233d、伝搬路状態情報算出部234dを含んで構成される点、および、パイロット挿入部2241cを具備しない点で、図10の第1の通信装置100cと異なる。
パイロット抽出部233dは、第2の通信装置400dによって行われたパイロットシンボル挿入の情報を予め得ており、これを用いて、無線受信部211dから入力される受信信号からパイロットシンボルPS2を抽出し、伝搬路状態情報算出部234dに出力する。
伝搬路状態情報算出部234dは、パイロット抽出部233dから入力されるパイロットシンボルPS2を用いて、伝搬路状態情報を算出する。伝搬路状態情報としては、チャネルインパルス応答を算出する。
図13は、本変形例における第2の通信装置400dの構成例を示す概略ブロック図である。
図13において、図11の各部に対応する部分には同一の符号(501、5021c、511、521c、522c、532)を付し、その説明を省略する。
図13の第2の通信装置400dは、無線送信部533dにパイロットシンボルPS2が入力される点、および、パイロット抽出部5024cを具備しない点で図11の第2の通信装置400cと異なる。
<伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる理由>
次に、第1の通信装置100dが取得する伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因について説明する。
本変形例では、伝搬路状態情報CSIを把握する方法は、第1の通信装置100dが伝搬路状態情報CSIを算出する方法である。また、干渉信号が発生する理由は、第1の通信装置100dの送信信号の遅延信号が干渉信号となるためである。
伝搬路状態情報CSIに誤差が含まれる要因のうち、前記第一の要因については、第1の通信装置100dにおいて伝搬路推定する際に伝搬路推定誤差が生じる。
第二の要因については、第1の通信装置100dにおいて伝搬路推定を行うので、第2の通装置400dから伝搬路状態情報CSIを送信する必要はなく、量子化誤差は生じない。
第三の要因については、シングルキャリアで通信を行うので、考慮しない。
第四の要因については、第1の実施形態の場合と同様、第2の通信装置400dが移動することによって伝搬路が変動して誤差が生じる。
また、伝搬路状態情報CSIに含まれる誤差の分散の送信時期は、第一の要因については、第1の通信装置100dが伝搬路推定を行うので、第1の通信装置100dの分散取得部214cは、第一の要因による誤差の分散を随時計算することができる。
第四の要因については、第2の通信装置400dの分散取得部532が、本方法で通信を開始する際や、第2の通信装置の移動速度もしくは最大ドップラー周波数fdが一定値またはそれ以上変化した場合に通知する。
伝搬路状態情報CSIの全要因を加えた誤差分散は、分散取得部で各要因における分散の和を取れば求められる。以下、第1の実施形態の場合と同様、伝搬路状態情報CSIの誤差の分散を用いて伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、係数αを計算する際に、伝搬路状態情報の誤差の分散を用いることで、受信信号の誤り率特性を向上させることができる。
第2の実施形態では、MU−MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output、マルチユーザ多入力多出力)のストリーム間干渉にTHPを適用した第1の通信装置において、本発明を実施する一形態について説明する。
MU−MIMOは、送信装置が複数のアンテナを持ち、複数の受信装置に対する複数のデータストリームを同じ周波数帯域を用いて同時に通信を行う通信方法である。MU−MIMOにおいては、データストリーム同士が互いに干渉し合う。このストリーム間干渉を送信装置であらかじめ除去して送る方法の一つがMU−MIMO THPである。
MU−MIMO THPでは、全ての送信アンテナから受信アンテナへの伝搬路状態情報CSIを送信側が正確に知っていることが理想である。しかし、伝搬路状態情報CSIを誤差なく正確に把握するのは不可能である。つまり第1の実施の形態と同様に伝搬路状態情報CSIは誤差を含んでいる。そのために第1の実施の形態と同様に、結果的に送信装置が把握する干渉信号成分(本実施の形態はストリーム間干渉)に誤差が含まれることになる。
同図において、第1の通信装置101は、N本のアンテナ3011〜301Nと、無線受信部311と、MIMO制御部312と、干渉信号算出部313と、N個の分散取得部314と、N個の係数計算部315と、N個の係数乗算部316と、N個の干渉信号減算部321と、N個のモジュロ部322と、プリコーディング部323と、無線信号生成部324とを含んで構成される。
ここで、第1の通信装置101のs番目のアンテナ301sから、k番目の第2の通信装置への伝搬路の特性をhskで表す。このhskは、第1の通信装置101が信号を送信する時刻における、誤差の含まれていない伝搬路の特性である。第1の通信装置101はN本のアンテナを含んで構成されるので、k番目の第2の通信装置への伝搬路の特性は、N次元複素ベクトルで表せる。
第1の実施形態と同様、第1の通信装置101が取得する伝搬路状態情報CSIには誤差が含まれている。s番目のアンテナ301sからk番目の第2の通信装置への伝搬路状態情報CSIの誤差をmskで表すと、第1の通信装置101は、伝搬路状態情報CSIとしてhsk+mskを取得する。
MIMO制御部312は、無線受信部311から伝搬路状態情報CSIの入力を受けて、MU−MIMOにおけるプリコーディング(Precoding)行列Pと干渉係数行列Fとを算出する。また、MIMO制御部312は、算出したプリコーディング行列Pをプリコーディング部323に入力し、干渉係数行列Fを干渉信号算出部313に入力する。MIMIO制御部312は、hsk+mskからPとFを以下のように算出する。ここで、Fは対角成分が0の下三角行列である。
まず第1の通信装置101が取得する伝搬路行列H’を、式(11)で表す。
さらに、MIMO制御部312は、プリコーディング行列P=QAを算出して、プリコーディング部323に出力する。また、MIMO制御部312は、干渉係数行列F=I−HQAを算出して、干渉信号算出部313に入力する。
なお、本実施形態では、干渉信号算出部313は、QR分解を利用してプリコーディング行列Pと干渉係数行列Fとを生成したが、これに限らず、ソート付きQR分解などを利用して、第2の通信装置ごとのチャネルの特性により、第2の通信装置への送信信号の順番を入れ替える方法を用いてもよい。
次に干渉信号算出部313の動作を説明する。MIMO制御部から入力される干渉係数行列Fは、第2の通信装置へのデータストリーム同士のストリーム間干渉(MU−MIMOでは、マルチユーザ干渉とも言う)の相関を示す行列である。行列Fの第k行m列成分fkmは、m番目の第2の通信装置への送信信号が、k番目の第2の通信装置に対して与える干渉に対応している。つまり、m番目の第2の通信装置への送信信号が、k番目の第2の通信装置に対して与える干渉は、式(14)となる。
干渉信号算出部313は、k番目の第2の通信装置が受ける、他の第2の通信装置への信号からの干渉成分を、式(15)を計算することによって生成する。
したがって、干渉信号算出部313は、1番目の第2の通信装置から順番に送信信号を計算することによって、N番目の第2の通信装置まで送信信号を計算することができる。
分散取得部314は、伝搬路状態情報CSIに含まれる誤差に起因する干渉信号成分の誤差の分散を計算する。本実施形態においても、第1の実施形態の、第1から第四の要因と同じ要因によって起こる。したがって、第1の実施形態の場合と同様に、伝搬路状態情報CSIに含まれる誤差に起因する分散を計算することができる。
また、分散取得部314は、送信信号xmの分散σx 2及び雑音分散σn 2を第1の実施形態の場合と同様に求める。
係数計算部315は、先の実施の形態と同様の、式(16)を用いてαを求める。つまり、係数計算部315は、所望信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散および雑音の分散に基づいた係数αを計算する。
係数乗算部316は、このαを、干渉信号算出部313から入力される干渉成分に掛けて、式(17)を生成し、干渉信号減算部321へ入力する。
モジュロ部322は第1の実施形態の式(4)と同様のモジュロ計算を行う。このモジュロ後の信号がk番目の第2の通信装置への送信信号xkである。モジュロ部322はこのxkをプリコーディング部323と干渉信号算出部313とに入力する。
干渉信号算出部313は、このxkをk+1番目以降の第2の通信装置への干渉信号成分の算出に用いる。
以上の操作を、k=1からk=Nまで、第2の通信装置の台数分繰り返す。ただし、1番目の第2の通信装置の場合は、他の第2の通信装置への送信信号からの干渉が無いので、減算部で何も減算しない。
プリコーディング部323は、モジュロ部322から入力される、各第2の通信装置への送信信号xkをまとめて得られる、式(18)のベクトルに対し、MIMO制御部から入力された行列Pを乗算してz=Pxを生成する。
無線信号生成部324は、アンテナ毎に、zの成分に対して図2における無線信号生成部224と同様にOFDM信号を生成し、送信する。無線信号生成部324は、同一周波数で同時に複数の所望信号を送信する。
マッピング部3241は、プリコーディング部323から入力される信号とパイロットシンボルPSとをOFDMシンボルのリソースエレメントにマッピングする。
IFFT部3242は、マッピング部3241から入力されるマッピング後の信号に対してIFFT処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。
図15は、本実施形態における無線信号生成部324の構成を示す概略ブロック図である。
同図において、GI挿入部3243は、IFFT部3242から入力される時間領域の信号に、ガードインターバルを付加する。
無線送信部3244は、GI挿入部3243から入力される、ガードインターバルが付加された時間領域の信号に対して、デジタル−アナログ変換、周波数変換等を行い、アンテナ3251〜325Nより送信する。
係数通知部317は、係数計算部から入力された係数αを、アンテナ3251から325Nを用いて各々の第2の通信装置400へ送信する。
無線信号復元部602は、GI除去部6022と、FFT部6023と、GI除去部6022と、FFT部6023と、デマッピング部6024とを含んで構成される。
図16において、アンテナ601と、無線受信部6021と、FFT部5023と、係数取得部611と、係数乗算部621と、モジュロ部622とは、それぞれ図3のアンテナ501と、GI除去部5022と、係数取得部511と、係数乗算部521と、モジュロ部522とに対応し、その説明を省略する。
分散算出部632は、伝搬路状態情報算出部631から入力される受信信号のS/N比と受信信号の遅延スプレッドと、デマッピング部6024から入力されるパイロットシンボルPSとを用いて、伝搬路推定誤差の分散の情報と、CSI送信粒度に応じた誤差の分散の情報と、伝搬路変動による誤差の分散の情報と雑音の分散の情報とを算出する。
無線送信部633は、伝搬路状態情報算出部631から入力される、第1の通信装置101の各アンテナから第2の通信装置401への伝搬路状態情報と、分散算出部632から入力される分散とを、アンテナ601を介して第1の通信装置101へ送信する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
211、211c、311…無線受信部
212…干渉元送信信号取得部
213、213c、313…干渉信号算出部
214、214c、314…分散取得部
215、215c、315…係数計算部
216、216c、316、521、521c…係数乗算部
217、317…係数通知部
221、221c、321…干渉信号減算部
222、222c、322、522、522c…モジュロ部
223、223c…伝搬路除算部
224、224c、324…無線信号生成部
231b…GI除去部
232b…FFT部
233b…デマッピング部
233d…パイロット抽出部
234b、234d、531、531c…伝搬路状態情報算出部
312…MIMO制御部
323…プリコーディング部
400、400b、400c、400d…第2の通信装置
502、502c…無線信号復元部
511…係数取得部
532…分散算出部
533、533b…無線送信部
700、700b…第3の通信装置
824…無線信号生成部
831…干渉元送信信号通知部
841b…無線信号復元部
900、900c…通信システム
Claims (12)
- 干渉抑圧無線通信システムに用いる干渉抑圧無線通信装置であって、
前記干渉抑圧無線通信装置の送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散との、いずれか或いは両方と、前記送信信号の受信に際して混入する雑音の分散と、を取得する分散取得部と、
前記分散取得部が取得した分散に基づいて、前記送信信号から減算すべき前記干渉信号に乗算する係数を算出する係数計算部と、
を含む干渉抑圧無線通信装置。 - 前記分散取得部は、前記送信信号の分散をも生成するものであり、前記係数計算部は、前記送信信号の分散をも用いて前記係数を算出する請求項1に記載の干渉抑圧無線通信装置。
- 前記分散取得部は、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を用いて送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を用いて干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、干渉元における干渉信号から算出される干渉信号の分散を取得することによって干渉成分の誤差の分散を計算する
請求項2に記載の干渉抑圧無線通信装置。 - 前記分散取得部は、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を取得し、該干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散に加えて、該伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動による誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散のうち少なくとも一つを取得し、これらの和を取ることによって前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出し、送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散を取得し、該送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散に加えて、該伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動による誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散のうち少なくとも一つを取得し、これらの和を取ることによって前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の誤差の分散を算出する
請求項3に記載の干渉抑圧無線通信装置。 - 前記分散取得部は、前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の送信方法に基づいて前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散を生成し、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の送信方法に基づいて前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報の量子化誤差の分散を生成する請求項3または請求項4に記載の干渉抑圧無線通信装置。
- 干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報とを算出する伝搬路状態情報算出部と、
受信信号の平均受信電力を算出する無線受信部と、
通信開始時および通信中に、前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を算出する際に生じる誤差である干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を算出する際に生じる誤差である送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散とを算出する分散算出部と、
前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散とを送信する無線送信部と
を含む干渉抑圧無線通信装置。 - 前記無線受信部は受信信号の遅延スプレッドをさらに算出し、
前記分散算出部は、通信開始時および通信中に、前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差と、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差とをさらに算出し、
前記無線送信部は前記前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差と、前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を送信する粒度に応じた誤差とをさらに送信する
請求項6に記載の干渉抑圧無線通信装置。 - 前記無線受信部は受信信号の最大ドップラー周波数をさらに算出し、
前記分散算出部は、通信開始時および通信中に干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散とをさらに算出し、
前記無線送信部は前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路変動誤差の分散とをさらに送信する
請求項6に記載の干渉抑圧無線通信装置。 - 複数のアンテナと、
同一周波数で同時に複数の所望信号を送信する無線信号生成部と、
をさらに含み、
前記係数計算部は、前記各所望信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散および前記雑音の分散を用いて、前記係数を計算する
請求項1に記載の干渉抑圧無線通信装置。 - 干渉抑圧無線通信システムに用いる干渉抑圧無線通信装置であって、
干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値とを算出する伝搬路状態情報算出部と、
送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを算出する分散算出部と、
前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを送信する無線送信部と
を含む干渉抑圧無線通信装置。 - 干渉元送信信号を受信する干渉元送信信号取得部と、
干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を受信する無線受信部と、
前記干渉元送信信号に前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を乗じて干渉信号推定値を算出する干渉信号算出部と、
送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散との、いずれか或いは両方と、雑音の分散とを取得する分散取得部と、
取得された前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散または前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、前記雑音の分散とに基づいた係数を計算する係数計算部と、
前記干渉信号推定値に前記係数を乗じて減算用信号を算出する係数乗算部と、
送信すべき所望信号から前記減算用信号を減算して減算後信号を算出する干渉信号減算部と、
前記減算後信号を所定定数で除した剰余を求めて電力抑制送信信号を算出するモジュロ部と、
前記電力抑制送信信号に基づく送信信号を送信する無線信号生成部と
を含む第1の通信装置と、
干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値とを算出する伝搬路状態情報算出部と、
送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを算出する分散算出部と、
前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを送信する無線送信部と
を含む第2の通信装置と、
干渉信号を送信する無線信号生成部と、
自装置の送信信号を干渉元送信信号として送信する干渉元送信信号通知部と、
を含む第3の通信装置と、
を含む干渉抑圧無線通信システム。 - 干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を取得し、自装置の送信信号に前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路状態情報を乗じて干渉信号推定値を算出する干渉信号算出部と、
送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散との、いずれか或いは両方と、雑音の分散とを取得する分散取得部と、
取得された前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散または前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と、前記雑音の分散とに基づいた係数を計算する係数計算部と、
前記干渉信号推定値に前記係数を乗じて減算用信号を算出する係数乗算部と、
送信すべき所望信号から前記減算用信号を減算して減算後信号を算出する干渉信号減算部と、
前記減算後信号を所定定数で除した剰余を求めて電力抑制送信信号を算出するモジュロ部と、
前記電力抑制送信信号に基づく送信信号を送信する無線信号生成部と
を含む第1の通信装置と、
干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値とを算出する伝搬路状態情報算出部と、
送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを算出する分散算出部と、
前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定値と前記送信信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と前記干渉信号の伝搬路に対応した伝搬路推定誤差の分散と雑音の分散とを送信する無線送信部と
を含む第2の通信装置と
を含む干渉抑圧無線通信システム。
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