JP5545277B2 - 太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池の製造方法及びこの製造方法によって得られる太陽電池に関する。
太陽電池は、光エネルギーを電力に変換する半導体素子であり、p−n接合型、pin型、ショットキー型等があり、特にp−n接合型が広く用いられている。また、太陽電池をその基板材料を基に分類すると、シリコン結晶系太陽電池、アモルファス(非晶質)シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池の3種類に大きく分類される。シリコン結晶系太陽電池は、更に、単結晶系太陽電池と多結晶系太陽電池に分類される。太陽電池用シリコン結晶基板は比較的容易に製造できることから、その生産規模は現在最大となっており、今後も更に普及していくものと思われる(例えば、特許文献1:特開平8−073297号公報)。
太陽電池の出力特性は、一般に、ソーラーシミュレーターを用いて出力電流電圧曲線を測定することにより評価される。この曲線上で出力電流Imaxと出力電圧Vmaxとの積、Imax×Vmaxが最大となる点を最大出力Pmaxとよび、該Pmaxを太陽電池に入射する総光エネルギー(S×I:Sは素子面積、Iは照射する光の強度)で除した値:
η={Pmax/(S×I)}×100(%)
が太陽電池の変換効率ηとして定義される。
変換効率ηを高めるには、短絡電流Isc(電流電圧曲線にてV=0の時の出力電流値)あるいはVoc(電流電圧曲線にてI=0の時の出力電圧値)を大きくすること、及び出力電流電圧曲線をなるべく角形に近い形状のものとすることが重要である。なお、出力電流電圧曲線の角形の度合いは一般に、
FF=Pmax/(Isc×Voc)
で定義されるフィルファクタ(曲線因子)により評価でき、該FFの値が1に近いほど出力電流電圧曲線が理想的な角形に近づき、変換効率ηも高められることを意味する。
上記変換効率ηを向上させるには、キャリアの表面再結合を低減させることが重要である。シリコン結晶系太陽電池においては、太陽光の入射光によって光生成した少数キャリアが、主に拡散によってp−n接合面へ到達した後、受光面及び裏面に取り付けられた電極から多数キャリアとして外部へ取り出され、電気エネルギーとなる。
その際、電極面以外の基板表面に存在する界面準位を介して、本来電流として取り出すことのできたキャリアが再結合して失われることがあり、変換効率ηの低下に繋がる。
そこで、高効率太陽電池においては、シリコン基板の表面に、電極とのコンタクト部を除いてSiO2からなるパッシベーション膜を形成し、シリコン基板とパッシベーション膜との界面におけるキャリア再結合を抑制することにより、変換効率ηの向上が図られている。
パッシベーション膜の形成方法としては、主に熱酸化法が用いられ、シリコン基板を酸素雰囲気中又は大気雰囲気中で熱酸化炉内において、900℃以上に加熱し、シリコン基板の表面に酸化膜を形成する。しかし、パッシベーション膜を熱酸化法にて形成する場合、900℃以上という高温でシリコン基板を処理する必要があり、このような高温処理による不純物の再拡散によって、シリコン基板のライフタイムが低下するといった問題が発生する。
また、特許文献2(特開昭58−23486号公報)では、パッシベーション膜として酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜をスピンコート法、スプレー法、ディップ法により基板表面に塗布後、焼成することでパッシベーション膜を形成する手法が報告されている。この手法によれば、高温処理を必要としないため、シリコン基板のライフタイムを低下させずにパッシベーション膜を形成することが可能だが、酸化タンタルや酸化ニオブ膜は、それ自身パッシベーション能力が低いため、十分なパッシベーション効果が得られず、シリコン基板表面でのキャリア再結合が多くなり、太陽電池の変換効率が低下する問題がある。
また、特許文献3(特開昭58−220477号公報)では、窒化珪素膜をシリコン基板表面にプラズマCVD法にて成膜することでパッシベーション効果が得られることが報告されている。窒化珪素膜は、結晶系シリコン太陽電池の反射防止膜としての機能と同時に、シリコン基板表面及び内部のパッシベーション効果にも優れているためパッシベーション膜として窒化珪素膜は有用な膜として使われている。しかし、プラズマCVD法は、プロセス温度が400℃程度と比較的低温であっても高い成膜速度を有するため、太陽電池の誘電体膜形成プロセスで多用されているが、プラズマ中で生成される高エネルギー荷電粒子が、成膜した膜やシリコン基板表面にダメージを与えやすいため、得られる窒化珪素膜は界面準位密度が多くなり、窒化珪素膜だけでは十分なパッシベーション効果が得られないといった問題があった。
また、拡散層と誘電体膜の固定電荷の関係に注目した研究が近年盛んに行われている。一般に正の固定電荷を有する窒化珪素膜は、n型領域のパッシベーション膜としては有効なパッシベーション性能を有するが、p型領域へのパッシベーション膜としては不適切と考えられており、窒化珪素膜だけではp型領域において十分なパッシベーション効果が得られないといった問題があった。
特開平8−073297号公報 特開昭58−23486号公報 特開昭58−220477号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シリコン基板における受光面側の拡散層上、特にp型拡散層上に最適なパッシベーション膜を形成することで、表面パッシベーションの優れた太陽電池の製造方法、及びその方法により製造される高変換効率な太陽電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、太陽電池を形成する工程において、シリコン基板の受光面側にシリコン基板の導電型とは異なる導電型の拡散層を形成後、下記一般式(1)で示される化合物を含有してなる組成物を塗布し、その後加熱処理により縮合反応させて、上記拡散層上に硬化膜を形成することで、形成された硬化膜が負の固定電荷を有していると予想され、上記拡散層、特にp型領域におけるパッシベーション効果が向上することを見出し、本発明をなすに至った。
1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
従って、本発明は、下記の太陽電池及びその製造方法を提供する。
[1]シリコン基板の受光面側に形成されるシリコン基板の導電型とは異なる導電型のp型拡散層と、該p型拡散層上に形成される誘電体膜と、上記p型拡散層に電気的に接続する受光面電極とを有する太陽電池であって、上記p型拡散層と誘電体膜との間に、下記一般式(1)
1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
で示される化合物、該化合物に対する配合量10〜1000ppmの酸触媒及び溶剤からなる組成物を上記p型拡散層上に塗布し、その後に加熱処理することにより一般式(1)の化合物が加水分解・縮合した硬化膜パッシベーション膜として有することを特徴とする太陽電池。
]シリコン基板の受光面側にシリコン基板の導電型とは異なる導電型のp型拡散層を形成し、次いで誘電体膜を形成した後、上記p型拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記誘電体膜の形成前に、上記p型拡散層上に、下記一般式(1)で示される化合物、該化合物に対する配合量10〜1000ppmの酸触媒及び溶剤からなる組成物を塗布し、その後に加熱処理することにより一般式(1)の化合物が加水分解・縮合した硬化膜を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
更に、シリコン基板の裏面側の少なくとも一部にシリコン基板の導電型と同じ導電型のn型拡散層を形成し、次いで誘電体膜を形成した後、上記n型拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する工程を含み、上記受光面側の誘電体膜の形成前に、上記受光面側p型拡散層上に、上記硬化膜を形成する工程を有することを特徴とする[2]記載の太陽電池の製造方法。
]上記加熱処理温度が80〜200℃である[]又は[]記載の太陽電池の製造方法。
]上記硬化膜の膜厚は、10〜100nmである[]乃至[]のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
]上記誘電体膜は、窒化珪素膜、二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜又は酸化アルミニウム膜であることを特徴とする[]乃至[]のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
]上記誘電体膜をプラズマCVD法により形成することを特徴とする[]乃至[]のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
本発明によれば、R1 2−Al−O−Si−R2 3(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物、該化合物に対する配合量10〜1000ppmの酸触媒及び溶剤からなる組成物を、シリコン基板の受光面側拡散層、特にp型領域上に塗布/加熱処理し、硬化膜を形成することで、受光面側拡散層、特にp型領域におけるパッシベーション効果の優れたパッシベーション膜の形成が可能となり、その結果、高変換効率の太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池の製造工程の一例を示す概略断面図であり、(A)は基板、(B)は基板裏面にn型拡散層を形成した状態、(C)は基板表面にp型拡散層を形成した状態、(D)は基板表面に硬化膜を形成した状態、(E)は基板表裏面に反射防止膜(窒化珪素膜)を形成した状態、(F)は受光面及び非受光面電極を形成した状態をそれぞれ示す。
本発明の製造方法は、シリコン基板の受光面側にこのシリコン基板の導電型とは異なる導電型の拡散層を形成し、次いで拡散層上に誘電体膜を形成した後、上記拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する工程と、シリコン基板の裏面側の少なくとも一部にシリコン基板の導電型と同じ導電型の拡散層を形成し、次いで誘電体膜を形成した後、上記拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記受光面側拡散層上に、下記一般式(1)で示される化合物を含有してなる組成物を塗布する工程を含み、該組成物塗布後に加熱処理することにより加水分解・縮合反応させて、上記受光面側拡散層上に硬化膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
以下、本発明の太陽電池の製造方法を、図面を用いて説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
図1(A)〜(F)は、本発明の太陽電池の製造方法における一実施形態の製造工程を示す概略断面図である。以下、各工程について詳細に説明する。
(1)基板
本発明で用いられるシリコン基板1はn型でもp型でもよいが、図1(A)においてはn型基板を示した。このシリコン単結晶基板はチョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていてもよい。シリコン基板1の比抵抗は、高性能の太陽電池を作る点から、0.3〜3.0Ω・cmが好ましく、0.5〜2.0Ω・cmがより好ましい。シリコン基板としては、比較的高いライフタイムが得られる点から、リンドープn型単結晶シリコン基板が好ましい。リンドープのドーパント濃度は1×1015cm-3〜5×1016cm-3が好ましい[図1(A)]。
(2)ダメージエッチング/テクスチャ形成
例えば、シリコン基板1を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、スライスによるダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いてもよく、フッ硝酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。
ダメージエッチングを行った基板1にランダムテクスチャを形成する。太陽電池は通常、表面(受光面)に凹凸形状を形成するのが好ましい。その理由は、受光面における入射光の反射率を低減させるために、できる限り2回以上の反射を受光面で行わせる必要があるためである。これら一つ一つの山のサイズは1〜20μm程度が好ましい。代表的な表面凹凸構造としては、V溝、U溝が挙げられる。これらは、研削機を利用して形成可能である。また、ランダムな凹凸構造を作るには、水酸化ナトリウムにイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してウェットエッチングや、他には、酸エッチングやリアクティブ・イオン・エッチング等を用いることができる。なお、図中では両面に形成したテクスチャ構造は微細なため省略する。
(3)n型拡散層形成
シリコン基板1がn型の場合は、裏面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層3を裏面の少なくとも一部に、特に裏面全面に形成する[図1(B)]。なお、シリコン基板がp型の場合は受光面にドーパントを含む塗布剤を塗布した後に熱処理を行うことでn型拡散層を受光面に形成する。熱処理後、シリコン基板1に付いたガラス成分はガラスエッチング等により洗浄する。ドーパントはリンが好ましい。n型拡散層3の表面ドーパント濃度は、1×1018〜5×1020cm-3が好ましく、5×1018〜1×1020cm-3がより好ましい。
(4)p型拡散層形成
同様の処理を受光面で行い、p型拡散層2を受光面全体に形成する[図1(C)]。受光面にドーパントを含む塗布剤を塗布して熱処理を行い、p型拡散層2を形成する。ドーパントはボロンが好ましく、また、p型拡散層2の表面ドーパント濃度は、1×1018〜5×1020cm-3が好ましく、更には5×1018〜1×1020cm-3がより好ましい。
(5)pn接合分離
プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行う。このプロセスでは、プラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。接合分離後、基板に付いたガラス成分、シリコン粉等はガラスエッチング等により洗浄する。
(6)硬化膜形成
引き続き、図1(D)に示すように、p型拡散層2上に硬化膜4を形成する。硬化膜は、下記一般式(1)で表される化合物を含有してなる組成物を加水分解・縮合反応させて得られる膜である。
1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
(式中、R1は炭素数1〜4の有機基、特にアルコキシ基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
ここで加水分解性基R2としては、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン基等が挙げられる。これら加水分解性基の中で、組成物の安定性や取扱性等の観点からアルコキシ基が好適である。
加水分解性基R2がアルコキシ基である一般式(1)の組成物としては、ジブトキシアルミノキシトリメトキシシラン、ジブトキシアルミノキシトリエトキシシラン、ジブトキシアルミノキシトリプロポキシシラン等が挙げられる。また、加水分解性基R2がアセトキシ基である一般式(1)の組成物としては、上記アルコキシ基がアセトキシ基で置換されたものが挙げられる。また、ヒドロキシル基及びハロゲン基に関しても同様にアルコキシ基がそれぞれヒドロキシル基及びハロゲン基で置換されたものが挙げられる。
また、加水分解・縮合反応を促進させる目的で、ギ酸、酢酸、シュウ酸、カルボン酸、安息香酸、アルキル酸等の有機酸、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、フッ酸等の無機酸を触媒として用い、上記組成物中に配合することができる。
上記触媒の使用量としては、一般式(1)で表される化合物に対して、10〜1,000ppmの範囲が好ましい。使用量が、1,000ppmを超えると、縮合反応によるゲル化の進行が速まり、シリコン基板表面への塗布性が悪化する傾向にあり、10ppm未満では、縮合反応が進行しない可能性がある。
また、硬化膜の膜厚を調整する目的で、溶剤を用いてもよい。使用する溶剤として例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族乃至脂環式炭化水素、水、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の極性溶剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも極性溶剤がより好ましい。
次に、上記組成物をシリコン基板表面へ塗布し、硬化膜を形成する。シリコン基板表面へ塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法など、特に限定されないが、スピンコート法が簡便であり好適である。硬化膜を形成するための加熱温度としては80〜200℃、特に90〜150℃の範囲で、1〜100分間、特に1〜10分間行うことが好ましい。加熱温度が低すぎると、加水分解・縮合反応が遅くなり硬化膜形成に時間を要するという不利が生じ、加熱温度が高すぎると、シリコン基板の性能を低下させるという不利が生じるおそれがある。また、加熱時間が短すぎると、加水分解・縮合反応が不十分である可能性があり、長すぎることで、硬化膜形成に問題はないが、無駄な加熱時間は生産性を悪化させるおそれがある。
加熱方法は、特に制限されないが、ホットプレートで加熱する方法、電気炉を用いる方法等が挙げられ、コスト上、作業上の簡便さからホットプレートを用いる方法が好ましい。硬化膜の膜厚は、誘電体膜の膜厚との兼ね合いで決定されるが、10〜100nmが好ましく、より好ましくは30〜70nmである。膜厚が薄すぎても厚すぎてもパッシベーション効果が得られなくなる場合がある。
ここで得られる硬化膜は、上記式(1)の化合物の加水分解縮合物であり、AlとSiとOとを含むものである。
(7)誘電体膜形成
引き続き、図1(D)に示すように、プラズマCVD法により、n型拡散層3及び/又はp型拡散層2上に誘電体膜5である窒化珪素膜を堆積する。この膜厚は70〜100nmが好ましい。他の反射防止膜として二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜、酸化アルミニウム膜等があり、代替が可能である。また、形成方法も上記以外にコーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記、窒化珪素膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
(8)電極形成
スクリーン印刷装置等を用い、受光面側及び裏面側に、例えば銀からなるペーストを、スクリーン印刷装置を用いてp型拡散層及びn型拡散層上に印刷し、櫛形電極パターン状に塗布して乾燥させる。シリコン基板にp型を使用する場合は、裏面側にアルミニウム粉末を有機バインダで混合したペーストをスクリーン印刷し乾燥させる。最後に、焼成炉において、500〜900℃で1〜30分間焼成を行い、前記p型拡散層及びn型拡散層と電気的に接続するフィンガー電極6、裏面電極7、及びバスバー電極8を形成する[図1(F)]。
なお、図1(F)ではフィンガー電極6、裏面電極7が、拡散層2,3と接続されていないように示されているが、焼成によりファイヤースルーされ、実際は拡散層と接続されている。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、部は質量部を示す。
[実施例1]
図1に示すように、結晶面方位(100)、15.65cm角、200μm厚、アズスライス比抵抗2Ω・cm(ドーパント濃度7.2×1015cm-3)リンドープn型単結晶シリコン基板を、水酸化ナトリウム水溶液に浸してダメージ層をエッチングで取り除き、水酸化カリウム水溶液にイソプロピルアルコールを加えた水溶液に浸してアルカリエッチングすることでテクスチャ形成を行った。得られたシリコン基板1の裏面に、リンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、900℃,1時間熱処理を行い、n型拡散層3を裏面に形成した。熱処理後、基板に付いたガラス成分は高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続き受光面にボロンドーパントを含む塗布剤を塗布した後に、1,000℃で1時間熱処理を行い、p型拡散層2を受光面全体に形成した。
次に、プラズマエッチャーを用い、pn接合分離を行った。プラズマやラジカルが受光面や裏面に侵入しないよう、対象をスタックした状態で端面を数ミクロン削った。基板に付いたガラス成分を高濃度フッ酸溶液等により除去後、洗浄した。
引き続きジブトキシアルミノキシトリエトキシシラン5部、N,N−ジメチルアセトアミド10部、0.01mol/l塩酸水溶液0.02部を混合した組成物をスピンコート法にて塗布し、200℃で5分間ホットプレートにて加熱し、縮合反応させ、硬化膜4を形成させた。膜厚は30nmであった。
次に、平行平板型CVD装置を用い、成膜用ガスとしてモノシランとアンモニアと水素の混合ガスを使用して、受光面側p型拡散層、及び裏面n型拡散層上に誘電体膜5である窒化珪素膜を積層した。この膜厚は60nmであった。
引き続き、受光面側及び裏面側にそれぞれ銀ペーストを電極印刷し、乾燥後800℃で20分間焼成を行い、フィンガー電極6、裏面電極7及びバスバー電極8を形成した。
[比較例1]
pn接合分離後、硬化膜を形成する工程を省いた以外は、実施例1と同様な方法にて作製した。
即ち、p型拡散層2上に硬化膜4を形成せずに作製したものである。
実施例及び比較例で得られた太陽電池を、25℃の雰囲気の中、ソーラーシミュレーター(光強度:1kW/m2,スペクトル:AM1.5グローバル)の下で電流電圧特性を測定した。結果を表1に示す。なお、表中の数字は実施例1及び比較例1で作製したセル10枚の平均値である。
Figure 0005545277
上記のように、本発明の製造方法による太陽電池は、p型領域のパッシベーション効果が優れた太陽電池の作製が可能となり、高い変換効率の太陽電池が得られる。
1 シリコン基板
2 p型拡散層
3 n型拡散層
4 硬化膜
5 誘電体膜(反射防止膜)
6 受光面電極(フィンガー電極)
7 裏面電極
8 バスバー電極

Claims (7)

  1. シリコン基板の受光面側に形成されるシリコン基板の導電型とは異なる導電型のp型拡散層と、該p型拡散層上に形成される誘電体膜と、上記p型拡散層に電気的に接続する受光面電極とを有する太陽電池であって、上記p型拡散層と誘電体膜との間に、下記一般式(1)
    1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
    (式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
    で示される化合物、該化合物に対する配合量10〜1000ppmの酸触媒及び溶剤からなる組成物を上記p型拡散層上に塗布し、その後に加熱処理することにより一般式(1)の化合物が加水分解・縮合した硬化膜パッシベーション膜として有することを特徴とする太陽電池。
  2. シリコン基板の受光面側にシリコン基板の導電型とは異なる導電型のp型拡散層を形成し、次いで誘電体膜を形成した後、上記p型拡散層に電気的に接続する受光面電極を形成する工程を含む太陽電池の製造方法であって、上記誘電体膜の形成前に、上記p型拡散層上に、下記一般式(1)で示される化合物、該化合物に対する配合量10〜1000ppmの酸触媒及び溶剤からなる組成物を塗布し、その後に加熱処理することにより一般式(1)の化合物が加水分解・縮合した硬化膜を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
    1 2−Al−O−Si−R2 3 (1)
    (式中、R1は炭素数1〜4の有機基、R2は加水分解性基又はヒドロキシル基を示す。各R1及びR2は同一でも異なっていてもよい。)
  3. 更に、シリコン基板の裏面側の少なくとも一部にシリコン基板の導電型と同じ導電型のn型拡散層を形成し、次いで誘電体膜を形成した後、上記n型拡散層に電気的に接続する裏面電極を形成する工程を含み、上記受光面側の誘電体膜の形成前に、上記受光面側p型拡散層上に、上記硬化膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項2記載の太陽電池の製造方法。
  4. 上記加熱処理温度が80〜200℃である請求項又は記載の太陽電池の製造方法。
  5. 上記硬化膜の膜厚は、10〜100nmである請求項乃至のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  6. 上記誘電体膜は、窒化珪素膜、二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜、酸化タンタル膜、酸化ニオブ膜、フッ化マグネシウム膜又は酸化アルミニウム膜であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  7. 上記誘電体膜をプラズマCVD法により形成することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
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