JP5540825B2 - 遮光シート、並びにそれを使用した太陽電池モジュール用バックシート及び太陽電池モジュール - Google Patents

遮光シート、並びにそれを使用した太陽電池モジュール用バックシート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、遮光シートに関し、さらに詳しくは、積層体である太陽電池モジュール用バックシートの一層を構成するために使用される遮光シートに関する。また、本発明は、当該遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシート及び太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側充填材シート、太陽電池セル、裏面側充填材シート、及びバックシート(裏面保護シート等とも呼ばれる。)の各部材が順に積層された構造であり、太陽光が上記太陽電池セルに入射することにより発電する機能を有している。
このような太陽電池モジュールは、屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る特性が求められる。特に、上記部材の中でバックシートは、太陽電池モジュールの外側で使用されるので、高いレベルの耐候性や耐光性等が求められる。
このようなバックシートの部材として、例えば特許文献1には、予め、接着性コート剤をコーティングすることにより、接着面に接着層を設けた基材の片面もしくは両面に、ポリフッ化ビニル溶液をコーティングにより加熱乾燥させてポリフッ化ビニル層を形成させた太陽電池モジュール用裏面保護シートが提案されている。このような裏面保護シート(バックシート)は、耐候性の高いポリフッ化ビニル層が基材の表面に形成されるので、高い耐候性を有すると考えられる。
また、例えば特許文献2には、耐加水分解性樹脂フィルムと金属酸化物被着樹脂フィルム及び白色樹脂フィルムとの3層積層体からなることを特徴とする太陽電池カバー材用バックシートが提案されている。この白色樹脂フィルムは、樹脂に白色顔料を練りこんだものであり、バックシートまで入射してきた光を反射させて太陽電池素子に戻し、電力変換効率を向上させるために使用される。そのため、この白色樹脂フィルムは、バックシートの中で光入射側に最も近いところに配置される。
特開2009−10269号公報 特開2002−100788号公報
ところで、太陽電池モジュール用のバックシートには、それ自身の耐光性や耐候性が求められるだけでなく、水分、酸素、紫外線等といった、太陽電池モジュールを構成する部材を劣化させる要因が太陽電池モジュールの内部へ侵入することを防止する役割も担う。このため、太陽電池モジュール用のバックシートには、ガスバリア性や遮光性等といった特性も要求される。
これらの特性の中で、特に、遮光性に注目すれば、例えば特許文献2に提案されたバックシートでは、白色樹脂フィルムが使用されているので、一定の遮光性を期待することができる。しかし、特許文献2に提案されたバックシートでは、遮光性を有する白色樹脂フィルムがバックシートの中の光入射側(太陽電池セルに近い側)に最も近いところに配置されるので、バックシートのうち、外部側に位置する層(太陽電池モジュールの裏面側の層)は、白色樹脂フィルムの遮光性による保護を受けることができない。このため、バックシートの外部側を構成する層では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等といった、低コストかつ加工性に優れるが耐光性の劣る素材を使用することができない。このような観点からは、バックシートに遮光性を付与するための層は、バックシートの中で最も外側の層に設けられることが望ましい。また、バックシートに遮光性を付与するための層は、加工性の観点から、コーティング加工によって設けられることが望ましい。
これらを満足させようとした場合、遮光性を付与するための層は、コーティングによって設けられ、かつバックシートの外部側において長期に亘って外部環境にさらされることになるが、そのような場合であっても使用期間中に剥がれ等の問題を生じない特性が必要である。しかし、そのような層がコーティングによって形成された太陽電池モジュール用バックシート材料は、未だ存在しないのが現状である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、積層体である太陽電池モジュール用バックシートの一層を構成するために使用され、基材に対して良好な密着性を示す遮光層がコーティングによって形成された遮光シート、及びそのような遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシート等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、白色顔料と複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物とを含有するコーティング液を基材の表面に塗布して、当該コーティング液から形成された被膜である遮光層を基材の表面に形成させる場合、当該コーティング液中、白色顔料を上記樹脂化合物及びポリイソシアネート化合物の100質量部に対して70質量部以上とすることによって、遮光層である被膜と基材との密着性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)基材の片面に遮光層を有し、積層体である太陽電池モジュール用バックシートの一層を構成するために使用される遮光シートであって、前記遮光層は、樹脂の100質量部に対して白色顔料を70質量部以上分散させたものであることを特徴とする遮光シートである。
また本発明は、(2)前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂、又は複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物、がポリイソシアネート化合物により架橋されたものである(1)項記載の遮光シートである。
また本発明は、(3)前記白色顔料がルチル型の酸化チタンである(1)項又は(2)項記載の遮光シートである。
また本発明は、(4)(1)項〜(3)項のいずれか1項記載の遮光シートの遮光層が最外層に配置された太陽電池モジュール用バックシートである。
また本発明は、(5)(4)項記載の太陽電池モジュール用バックシートが使用された太陽電池モジュールである。
本発明によれば、積層体である太陽電池モジュール用バックシートの一層を構成するために使用され、基材に対して良好な密着性を示す遮光層がコーティングによって形成された遮光シート、及びそのような遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシート等が提供される。
本発明の具体的な実施形態について説明する。本実施形態は、基材の片面に遮光層を有し、積層体である太陽電池モジュール用バックシートの一層を構成するために使用される遮光シート、その遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシート、及びその太陽電池モジュール用バックシートが使用された太陽電池モジュールである。
[遮光シート]
本実施形態である遮光シートについて説明する。本実施形態の遮光シートは、基材の片面側の表面に遮光層を有する。この遮光層には、樹脂と白色顔料とが少なくとも含まれ、遮光層中、樹脂の100質量部に対して白色顔料が70質量部以上分散されている。このような遮光層は、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物及びポリイソシアネート化合物の100質量部に対して白色顔料を70質量部以上分散させたコーティング液を基材の表面に塗布し、塗布されたコーティング液から被膜を形成させることにより作製される。この被膜を構成する樹脂、すなわち遮光層に含まれる樹脂は、コーティング液に含まれる複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物がポリイソシアネート化合物によって架橋されてなる。つまり、遮光層に含まれる樹脂は、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物との反応物である。なお、本明細書の以下の説明では、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物、すなわちポリイソシアネート化合物で架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「主剤樹脂」と呼び、遮光層に含まれる樹脂、すなわち硬化して遮光層を形成した樹脂と区別する。
基材の表面に遮光層を形成させるためのコーティング液について説明する。コーティング液は、複数の架橋性置換基を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、白色顔料と、溶剤と、を含み、必要に応じて各種の添加剤を含む。白色顔料は、コーティング液中に分散される。ここで、主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応することで架橋され高分子量化する。このため、このコーティング液は、主剤樹脂と白色顔料とを含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とから構成され、使用の直前にこれらを混合する2液タイプであることが好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物とは、1分子中に複数のイソシアネート基を含む化合物である。以下、各構成材料について説明する。
主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。ここで、架橋性置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。主剤樹脂は、溶剤可溶性の樹脂又は溶剤に分散可能な樹脂から選択される。
コーティング液には主剤樹脂を溶解又は分散するための有機系の溶剤が含まれる。そして、塗布されたコーティング液から溶剤を乾燥させた後、コーティング液に含まれる主剤樹脂がポリイソシアネート化合物によって架橋されて遮光層である被膜を形成させる。塗布されたコーティング液は、溶剤を揮発させるために、例えば1〜5分間60〜200℃に加熱される。その後、架橋反応を十分に行なわせるためのエージング期間として、例えば40〜50℃で3〜4日間放置される。溶剤を乾燥させる温度及び時間、並びにエージングを行う際の温度及び時間は、使用する溶剤、主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜調節される。
遮光層は、太陽電池モジュールにおいて、受光面側とは反対側(すなわち裏面側)の最表面に位置する。つまり、遮光層は、長期に亘る太陽電池モジュールの使用期間において、紫外線や風雨等といった苛酷な自然環境にさらされることになるので、高い耐光性や耐候性が求められる。このような観点からは、遮光層の形成のために使用される主剤樹脂として、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂、又は架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物、が好ましく使用され、中でも入手性及び架橋反応性の観点からは、水酸基を複数有するフッ素樹脂、又は水酸基を複数有するフッ素樹脂と水酸基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物、がより好ましく使用される。
まず、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂について説明する。架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂は、いわゆる変性フッ素樹脂であり、例えば、フルオロオレフィンと架橋性置換基を含むモノマーとの共重合体である。この共重合体を構成するモノマーとして、さらに、エチレン性不飽和結合を有するその他のモノマーを併用してもよい。このようなフッ素樹脂は、耐光性や耐候性を付与するフッ素原子を含み、遮光層に耐光性や耐候性等を付与する。架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂としては、樹脂中のフッ素原子の量が10〜80質量%のものが好ましく、30〜70質量%のものがより好ましい。樹脂中のフッ素原子の量が10質量%以上であれば、遮光層に良好な耐光性や耐候性等を付与することができる。また、樹脂中のフッ素原子の量が80質量%以下であれば、当該樹脂に溶解性や反応性等を付与するための官能基を十分に導入することができる。
このようなフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物等が例示される。これらの中でも、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物が好適に使用される。このような樹脂の一例として、質量平均分子量1000〜30000、水酸基価5〜200mg/gのクロロトリフルオロエチレンとジエチレングリコールモノアリルエーテルと酪酸ビニルとの共重合物が挙げられる。
次に、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物について説明する。これは、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と、架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂とを混合させたものであり、フッ素樹脂による耐光性や耐候性等と、(メタ)アクリル樹脂による基材への密着性とを遮光層に付与することができる。架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂としては、上記で説明したものを使用することができる。架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂としては、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、(メタ)アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、(メタ)アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル及び/又はメタクリル」という意味で使用される。
このような(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル化合物と、(メタ)アクリル酸若しくはアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等を有するアルキル(メタ)アクリレート系モノマーと、を共重合させたものが挙げられる。また、共重合のために使用されるモノマーとして、さらに、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有する各種の化合物を使用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体が好適に使用される。また、このような樹脂の好ましい質量平均分子量としては、1000〜300000が挙げられる。
架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂(以下、単に「フッ素樹脂」とも呼ぶ。)と架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂(以下、単に「(メタ)アクリル樹脂」とも呼ぶ。)との混合比は、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、(メタ)アクリル樹脂が20〜90質量%となる比率であることが好ましく、50〜80質量%となる比率であることがより好ましい。フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、(メタ)アクリル樹脂が20質量%以上であることにより、遮光層と基材との密着性を向上させることができる。また、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、(メタ)アクリル樹脂が90質量%以下であることにより、遮光層に良好な耐光性や耐候性等の特性を付与することができる。
コーティング液における主剤樹脂の含有量は、10〜60質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。コーティング液における樹脂の含有量が10質量%以上であることにより、コーティング液に含まれる白色顔料を良好に分散させることができる。また、コーティング液における樹脂の含有量が60質量%以下であることにより、コーティング液の塗布性が良好になる。
次に、ポリイソシアネート化合物について説明する。ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。上記のように、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、遮光層に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともに遮光層に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、遮光層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が0.1〜2.0となる量が好ましく、0.2〜1.0となる量がさらに好ましい。NCO/OH比が上記の範囲であれば、良好な密着性を得ることができるので好ましい。また、ポリイソシアネート化合物の使用量は、主剤樹脂100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。ポリイソシアネート化合物の使用量が、主剤樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であることにより、コーティング液から形成された塗膜に良好な硬化性を付与することができ、主剤樹脂100質量部に対して20質量部以下であることにより、塗膜に柔軟性を付与することができる。なお、ポリイソシアネート化合物を含む溶液を硬化剤として、2液タイプのコーティング液とする場合、硬化剤には、公知の有機溶剤が適宜選択されて使用される。このような溶剤については、後述する。
次に、白色顔料について説明する。白色顔料は、コーティング液を塗布し硬化させて作製された遮光層に遮光性を付与するために添加される。また、後に説明するように、白色顔料には、遮光層と基材との密着性を十分なものとするという効果もある。
白色顔料としては、酸化チタン、タルク、シリカ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等が例示される。これらの中でも、白色顔料として、酸化チタンが好ましく使用される。なお、酸化チタンには、その結晶構造がルチル型のものと、アナターゼ型のものとが存在するが、アナターゼ型の酸化チタンには酸化触媒作用を呈するものもあるので、ルチル型の酸化チタンを使用することが好ましい。
コーティング液中の白色顔料の添加量は、上記主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物100質量部に対して70質量部以上である。そして、コーティング液に添加された白色顔料は、分散状態でコーティング液中に存在する。また、既に説明したように、主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応し硬化して遮光層に含まれる樹脂となる。これらのことにより、このコーティング液を塗布し硬化させて形成させた遮光層は、樹脂の100質量部に対して白色顔料を70質量部以上分散させたものとなる。
既に述べたように、本発明の遮光シートは、コーティング液を基材に塗布し硬化させて作製された遮光層(被膜)において、白色顔料が樹脂100質量部に対して70質量部以上含まれる点に特徴を有する。形成させる被膜の厚さにもよるが、通常、形成された被膜に対して白色顔料による遮光性を単に付与するのであれば、樹脂100質量部に対して白色顔料を10〜40質量部程度添加すれば十分であり、白色顔料を上記のような高濃度で使用する必要はない。これに対し、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、意外にも、被膜に含まれる樹脂100質量部に対して白色顔料を70質量部以上使用することにより、基材上に形成させた被膜と基材との間の密着性が向上することを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであるので、遮光層中、白色顔料を樹脂100質量部に対して70質量部以上という高い濃度で使用する。遮光層中、白色顔料は、樹脂100質量部に対して、110質量部以上であることが好ましく、130質量部以上であることがより好ましい。
このように、白色顔料を遮光層中で多量に存在させることによって、基材の表面に形成させた遮光層と基材との間の密着性が向上する理由は、必ずしも明らかではない。しかし、樹脂中に高濃度で顔料を存在させると、顔料が樹脂分子の鎖と鎖との間に存在するようになり、樹脂分子の鎖同士が強固に絡み合うことが抑制されると考えられ、何らかの外部刺激により遮光層の一部が剥がれたとしても、遮光層全体が膜として剥がれることを抑制できるためと推察される。
こうした観点からは、例えば、遮光シートの基材として使用した樹脂シートが光や水分等によって劣化し、これにより基材と遮光層との間の密着性が低下したとしても、遮光層が基材から剥がれる部分を最小限に抑えて、基材の光劣化がそれ以上進行することを極力抑えることができるという効果も期待される。つまり、本発明は、上記のように多量の白色顔料を遮光層に使用することによって、遮光層の部分的な破壊が起こったとしても、その被害を最小限にすることができる、という側面も有する。
使用する白色顔料の量には特に上限はないが、コーティング液中に白色顔料を良好に分散させ、かつ良好な塗工性を確保するとの観点からは、コーティング液中、白色顔料が主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物100質量部に対して300質量部未満であることが好ましく、250質量部以下であることが好ましく、200質量部以下であることが最も好ましい。
上記のように、本発明の遮光性シートでは、基材の表面に形成される遮光層(塗膜)と基材との間で十分な密着性を得るとの観点から、遮光層中、樹脂100質量部に対して白色顔料が70質量部以上含まれる。ここで、遮光層と基材との間の密着性は、白色顔料によってのみ付与されるものではなく、遮光層に含まれる樹脂成分の種類によっても大きく影響を受ける。例えば、遮光層に含まれる樹脂成分がフッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との混合物を硬化させたものである場合には、アクリル樹脂が基材への密着性に大きく寄与するので、樹脂成分による基材への密着性寄与が大きくなる。その一方で、遮光層に含まれる樹脂成分がフッ素樹脂のみを硬化させたものである場合には、樹脂成分による基材への密着性寄与は小さくなる。なお、「フッ素樹脂のみを硬化させた」とは、主剤樹脂としてフッ素樹脂のみを使用し、これをポリイソシアネート化合物で架橋し硬化させた、という意味である。
そのため、遮光層に含まれる樹脂成分がフッ素樹脂のみを硬化させたものである場合、遮光層中、樹脂100質量部に対して白色顔料を110質量部以上使用することが好ましい。このような観点からは、樹脂成分がフッ素樹脂のみを硬化させたものである場合、コーティング液中、白色顔料は、主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物100質量部に対して、110質量部以上含まれることが好ましく、125質量部以上含まれることがより好ましく、140質量部以上含まれることが最も好ましい。
次に、コーティング液に使用される溶剤について説明する。溶剤は、基材に対する塗布性をコーティング液に付与し、白色顔料をコーティング液中に分散させるために添加される。コーティング液が基材に塗布された後、塗布されたコーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、基材の表面に遮光層が形成される。そのため、遮光層における樹脂成分と白色顔料との比率は、コーティング液中における樹脂成分と白色顔料との比率と同一になる。
溶剤としては、主剤樹脂、ポリイソシアネート化合物等の成分を溶解又は分散させることができ、コーティング液に含まれるポリイソシアネート化合物と反応するものでなければ、特に制限されない。このような溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸エチル、等のような非水溶性の溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のような水溶性の溶剤等が例示される。溶剤は、コーティング液に使用される樹脂成分に合わせて適宜選択され、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、塗工の際に乾燥速度を調整するため、トリプロピレングリコールジメチルエーテルのような高沸点溶剤を添加してもよい。
次に、コーティング液に使用される添加剤について説明する。添加剤は、遮光層に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等を付与するために必要に応じて添加される。また、添加剤は、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、ブロッキング性等を向上させるためにも必要に応じて添加される。
添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液や遮光層に求められる性能に応じて、適宜選択される。
コーティング液は、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合し、白色顔料を分散させることにより調製される。コーティング液中で白色顔料を分散させる方法については、公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合して混合液を作製し、その後、撹拌装置を使用してその混合液を撹拌する方法が挙げられる。なお、コーティング液に含まれる成分のうち、ポリイソシアネート化合物については、既に述べたように、保存時に主剤樹脂成分と反応することを避けるために、主剤樹脂及び白色顔料を含む主剤とは別の溶液である硬化剤としておくことが好ましい。この場合、主剤と硬化剤とは、使用の直前に混合されてコーティング液となる。
コーティング液の粘度は、コーティング液の塗布方法に応じて適宜設定すればよい。コーティング液の粘度の一例として、好ましくは10〜100cPs、より好ましくは50〜80cPsが挙げられる。コーティング液の粘度は、コーティング液に添加する溶剤の量を加減することにより調整すればよい。
次に、遮光シートを構成する基材について説明する。基材は、その表面に上述の遮光層が形成されることにより、遮光シートとなる。
基材としては、樹脂をシート状に成型した樹脂シートが使用される。このような樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを使用することができる。これらの樹脂シートの中でも、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンナフタレートが好ましく使用される。中でも、例えば、特開2008−311680号公報に記載されるような二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルム又はシートが特に好ましい。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
既に述べたように、基材の表面のうち、太陽電池モジュールにおいて外側となる表面には、遮光層が設けられる。したがって、コストの観点から、幾分耐光性の低い樹脂シートを基材として使用することも可能である。このような樹脂シートとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が例示されるが、限定されない。
基材の厚さは、遮光シートが使用される太陽電池モジュール用バックシートに要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、基材の厚さとしては、10〜300μmが挙げられるが、特に限定されない。
次に、基材の表面に、上記コーティング液を塗布して、遮光層を形成させる方法を説明する。遮光層は、基材の表面に上記コーティング液を塗布してコーティング塗膜を形成させ、このコーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発後、コーティング塗膜に含まれる主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とを架橋反応させて硬化させることによって形成される。
基材の表面に上記コーティング液を塗布する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法としては、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等が例示される。
コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸発方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる条件は、使用される溶剤に合わせて適宜設定すればよいが、例えば、1〜5分間60〜200℃に加熱することが挙げられる。溶剤を蒸発させたコーティング塗膜は、架橋反応を十分に行わせるためのエージングに付される。エージングの条件は、使用される主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40〜50℃で3〜4日間放置することが挙げられる。
コーティング塗膜から溶剤が蒸発除去されると、主剤樹脂、白色顔料、ポリイソシアネート化合物及びコーティング液に添加した添加剤が基材の表面に残って膜を形成する。この膜が硬化して遮光層となる。遮光層の厚さは、特に限定されず、遮光シートが適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。遮光層の厚さとしては、1〜30μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく挙げられる。遮光層の厚さが1μm以上であれば、十分な遮光性を付与することができる。遮光層の厚さが30μm以下であれば、乾燥性が良好な加工性を付与することができ、コストも抑えることがきる。
[太陽電池モジュール用バックシート]
次に、上記遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシートについて説明する。この太陽電池モジュール用バックシートは、積層体であり、上記遮光シートが最外層に存在する。そして、この太陽電池モジュール用バックシートにおいて、上記遮光シートは、その遮光層が最外層に配置される。これにより、太陽電池モジュール用バックシートが太陽電池モジュールに適用された際に、遮光シートの遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となる。
上記遮光シートを太陽電池モジュール用バックシートの最外層に積層させる方法は、特に限定されない。一例として、遮光シートの基材側表面に、例えばウレタン系の接着剤を塗布して接着剤面を形成し、この接着剤面を太陽電池モジュール用バックシートに接合させるドライラミネート加工が挙げられる。
[太陽電池モジュール]
次に、上記太陽電池モジュール用バックシートが使用された太陽電池モジュールについて説明する。
太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの裏面側から、太陽電池モジュール用バックシート、第1充填材、太陽電池素子、第2充填材及び透明前面基板の順に積層されて構成される。太陽電池モジュール用バックシートは、上記遮光層とは反対側の表面が第1充填材に接合される。したがって、太陽電池モジュールの裏面と、太陽電池モジュール用バックシートの遮光層側の表面とは一致する。
太陽電池モジュールは、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュールは、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子の表面側及び裏面側のそれぞれに、第1充填材及び第2充填材を溶融積層して、太陽電池素子を第1充填材及び第2充填材でサンドし、次いで、透明前面基板及び太陽電池モジュール用バックシートを順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
既に説明したように、上記遮光シートでは、遮光シートの基材と遮光層との間の密着性が低下したとしても、遮光層が基材から剥がれる部分を最小限に抑えることができる。このため、上記太陽電池モジュール用バックシートを太陽電池モジュールにおいて使用することにより、太陽電池モジュール用バックシートに使用された遮光シートの遮光層の部分破壊が発生した場合であっても、その影響が当該遮光層の全体に及ぶことを抑制できる。したがって、上記太陽電池モジュール用バックシートを太陽電池モジュールに使用することによって、太陽電池モジュールの発電性能を長期に亘って維持することができる。このような太陽電池モジュールの発電性能を長期に亘って維持する方法もまた、本発明の一つである。
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<太陽電池モジュール用バックシートの作製>
複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂としてダイキン工業株式会社製、製品名ゼッフルGK−570(水酸基価90〜100mg/g)を、複数の架橋性置換基を有するアクリル樹脂として新中村化学株式会社製、製品名バナレジンUVA−5080(OHV20)(質量平均分子量50,000、Tg80℃、水酸基価20mg/g)を、白色顔料として酸化チタン(堺化学工業株式会社製、製品名R−5N:平均粒径0.25μm、アルミナ処理)を、溶剤としてトルエン:メチルエチルケトン=1:1の混合液をそれぞれ使用した。これらを表1〜3に記載した配合にて各コーティング液の主剤を調製した。なお、主剤の固形分濃度は、60質量%とした。各主剤の調製では、表1〜3に記載した成分及び溶剤を組み合わせて混合物を作製した後、この混合物に対して、ペイントシェーカーを使用して60分間の撹拌を行った。次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート変性体(住処バイエルウレタン株式会社製デスモジュールN3300)を50質量%の濃度で含むトルエン:メチルエチルケトン=1:1溶液を調製し、これを各コーティング液における共通の硬化剤とした。これら主剤及び硬化剤は、使用(塗布)の直前に、ポリイソシアネート化合物の配合量が表1〜3に記載した量となるように混合され、コーティング液となる。その後、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートを基材とし、この基材の表面に、上記のように調製した各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を110℃で2分間乾燥させた後、40℃で3日間エージングして遮光層(厚さ5μm)を形成し、実施例1〜18、比較例1〜2及び参考例1の遮光シートをそれぞれ作製した。なお、参考例1の遮光シートについては、コーティング液を調製することができなかったため、以下の評価を行わなかった。
作製した実施例1〜18及び比較例1〜2の遮光シートのそれぞれについて、PET基材の表面のうち、遮光層を設けていない側の面にウレタンポリオール系接着剤をバーコーター(#10)にて塗工し、80℃にて1分間乾燥させた。その後、遮光シートの接着剤を塗工した面をポリエチレンシートと貼り合わせて、太陽電池モジュール用バックシートを作製した。
<密着性の評価>
実施例1〜18及び比較例1〜2の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシートのそれぞれについて、遮光シートの被膜及び基材にカッターで100マス目(100マスの全体の大きさは10mm×10mm)に傷をつけ、12mm幅のセロハンテープ(ニチバン株式会社製CT405AP−12)をこすり、60度の角度で、引き離した後、残っている部分の面積を評価した。
[評価基準]
◎:剥がれない
○:残っている部分が90%以上100%未満である
△:残っている部分が80%以上90%未満である
×:残っている部分が80%未満である
<黄変性の評価(YI)>
湿熱又は耐光試験後の太陽電池モジュール用バックシートのそれぞれについて、遮光層の黄変の程度を評価するために、イエローインデックス(YI)を測定した。YIの測定は、スガ試験機株式会社製のSMカラーコンピュータ(モデルSM−7 Ver3.11L、測定条件:C光源、視野角2度、反射、d−8(正反射光除く))を使用して行った。このYIの測定を下記湿熱又は耐光試験の前後で行い、その変化量ΔYI=YI(試験後)−YI(試験前)を算出した。
[評価基準]
◎:ΔYIが0.5未満である
○:ΔYIが0.5以上1.0未満である
△:ΔYIが1.0以上2.0未満である
×:ΔYIが2.0以上である
<湿熱試験>
実施例1〜18及び比較例1〜2の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシートのそれぞれについて、株式会社平山製作所製HASTEST(MODEL PC−R8D)にて、120℃、85%RH、1.65atmの環境下にて96時間保管した。その後、密着性及びYIを評価した。
<耐光試験>
実施例1〜18及び比較例1〜2の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用バックシートのそれぞれについて、岩崎電気株式会社製EYESUPERUVTESTER(MODEL SUV−W151)にて、照度100mW、温度63度、湿度50%RHの環境下にて168時間の光照射試験を行なった。その後、密着性及びYIを評価した。
Figure 0005540825
Figure 0005540825
Figure 0005540825
表1〜3に示す通り、酸化チタンの含有量が樹脂100質量部に対して70質量部以上であれば、良好な初期密着性を得られることが理解される。

Claims (3)

  1. 基材の片面に5μm以上15μm以下の遮光層を有し、前記遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となるように最外層に配置される太陽電池モジュール用バックシートであって、
    前記遮光層は、樹脂の100質量部に対して白色顔料を130質量部以上250質量部以下分散させたものであり、
    前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋されたものであり、
    前記フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が50〜80質量%であることを特徴とする太陽電池モジュール用バックシート。
  2. 前記白色顔料がルチル型の酸化チタンである請求項記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  3. 請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用バックシートが使用された太陽電池モジュール。
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