JP6361235B2 - 遮光シート、並びにそれを使用した太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

遮光シート、並びにそれを使用した太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、遮光シートに関し、さらに詳しくは、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用される遮光シートに関する。また、本発明は、当該遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側充填材シート、太陽電池セル、裏面側充填材シート、及び裏面保護シート(裏面保護シート等とも呼ばれる。)の各部材が順に積層された構造であり、太陽光が上記太陽電池セルに入射することにより発電する機能を有している。
このような太陽電池モジュールは、屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る特性が求められる。特に、上記部材の中で裏面保護シートは、太陽電池モジュールの外側で使用されるので、高いレベルの耐候性や耐光性等が求められる。
このような裏面保護シートの部材として、特許文献1では、耐加水分解性樹脂フィルムと金属酸化物被着樹脂フィルム及び白色樹脂フィルムとの3層積層体からなることを特徴とする太陽電池カバー材用裏面保護シートが提案されている。この白色樹脂フィルムは、樹脂に白色顔料を練りこんだものであり、裏面保護シートまで入射してきた光を反射させて太陽電池素子に戻し、電力変換効率を向上させるために使用される。そのため、この白色樹脂フィルムは、裏面保護シートの中で光入射側に最も近いところに配置される。
しかし、特許文献1に提案された裏面保護シートでは、遮光性を有する白色樹脂フィルムが裏面保護シートの中の光入射側(太陽電池セルに近い側)に最も近いところに配置されるので、裏面保護シートのうち、外部側に位置する層(太陽電池モジュールの裏面側の層)は、白色樹脂フィルムの遮光性による保護を受けることができない。このため、裏面保護シートの外部側を構成する層では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等といった、低コストかつ加工性に優れるが耐光性の劣る素材を使用することができない。このような観点からは、裏面保護シートに遮光性を付与するための層は、裏面保護シートの中で最も外側の層に設けられることが望ましい。また、裏面保護シートに遮光性を付与するための層は、加工性の観点から、コーティング加工によって設けられることが望ましい。
そこで、特許文献2では、白色顔料と複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物とを含有するコーティング液を基材の表面に塗布して、当該コーティング液から形成された被膜である遮光層を基材の表面に形成させる場合、当該コーティング液中、白色顔料を上記樹脂化合物及びポリイソシアネート化合物の100質量部に対して70質量部以上とすることによって、遮光層である被膜と基材との密着性を向上させた太陽電池用裏面保護シートが提案されている。
特開2002−100788号公報 特開2011−210835号公報
裏面保護シートには、その使用時においては、太陽電池モジュールとしての一体化後における長期に渡る屋外等での使用を前提とした、封止材シート等との間の強い密着性、密着耐久性が求められる。しかし、その一方で、太陽電池モジュールのその製造現場においては、一部工程のやり直しや、太陽電池素子等の一部部材の再利用促進のために、モジュールとして一体化した後の裏面保護シートの全部又は適当な部分にカットした一部を、封止材シートや、その内部に配置されている太陽電池素子等にダメージを与えずに引き剥がす作業を行うことのできるリワーク性も求められていた。尚、本明細書において「リワーク性」と言う場合、裏面保護シートの、このような作業への適応性のことを言い、「リワーク」と言う場合、このような作業そのものことを言うものとする。
また、近年、太陽電池モジュールに対する低コストの要求はさらに高まっている。特許文献2では、ポリエチレンテレフタレート(PET)等基材との密着性、白色顔料の分散性、光隠蔽性やガスバリア性の高い遮光シートが提示されている。しかし、PETは、安価な汎用性の高い樹脂であるものの、ポリエステル系の樹脂であり、加水分解され易く、耐光性の面で劣るものとなる。また、特許文献2に係る発明では、基材に遮光層を形成させるためのコーティング剤を塗布する工程と遮光シートを封止材に接着剤等で接合する工程の複数の工程を有するため、生産工程が多くコストが上がるという問題が生じている。また、上述した、リワーク性を有する裏面保護シートとは、130℃〜150℃では、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)等のポリエチレン系樹脂との低い密着性を有し、かつ密着強化層内で凝集破壊しないような裏面保護シートが求められる。そのため、耐光性に優れ、生産工程が少なく、かつリワーク性が有するような裏面保護シートの開発が強く望まれていた。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用され、耐溶剤性、リワーク性を有する裏面保護シートでありながら、低コストで生産性の高い太陽電池モジュール用裏面保護シート等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、所定の融点範囲のエチレンユニットを含むポリプロピレン(PP)樹脂と遮光層との密着性が優れていることを見出した。そこで、密着強化層にエチレンユニットを含有する融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂を50%質量%以上含有して最外層に露出するスキン層を設け、密着強化層をスキン層/コア層/スキン層の三層共押し出しフィルムであって、スキン層の一方の面に厚さ1μm以上30μm以下のコーティング層又は厚さ10μm以上100μm以下のフィルムを積層することで、低コストで生産性の高い裏面保護シートでありながら、密着強化層との密着性を有し、遮光性にも優れ、かつリワーク性にも優れた裏面保護シートであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、前記裏面保護シートの最外層に配置されて封止材との密着を強化する密着強化層を設け、前記密着強化層は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を全樹脂中80質量%以上含有するコア層と、エチレンユニットを含有する融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有して最外層に露出するスキン層と、を備え、前記密着強化層が、スキン層/コア層/スキン層の三層共押し出しフィルムであって前記スキン層の一方の面には、厚さ1μm以上30μm以下のコーティング層又は厚さ10μm以上100μm以下のフィルムからなる遮光層が積層されていることを特徴とする裏面保護シート。
(2)前記遮光層が白色顔料を含有するフッ素系フィルムであり、前記スキン層の一方の面に接着剤を介してドライラミネート法により積層されている(1)に記載の裏面保護シート。
(3)前記遮光層が樹脂中に白色顔料が分散されたコーティング層であり、前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋されたものであり、前記フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上、90質量%以下である、(1)に記載の裏面保護シート。
(4)前記スキン層中の前記エチレンユニットの含有量が5.0質量%以上10.0質量%以下である(1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(5)前記白色顔料が前記樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下である(1)から(4)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(1)から(5)のいずれかに記載の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール。
本発明によれば、従来よりも製造工程が少なく低コストであって高い生産性を有する太陽電池モジュール用裏面保護シート等でありながら、十分に密着性、密着安定性、及びリワーク性を有する太陽電池モジュール用裏面保護シート等が提供される。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面の模式図である。 本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの密着強化層の層構成の一例を示す断面の部分拡大模式図である。
本発明の具体的な実施形態について説明する。本実施形態は、遮光層を有し、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用される遮光層、その遮光層及びポリプロピレン樹脂系の密着強化層を、コア層とスキン層とを含む多層構成とし、特にスキン層については、所定の融点範囲のエチレンユニットを含むポリプロピレン(PP)を一定の割合で用いたものから構成される太陽電池モジュール用裏面保護シート、及びその太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールである。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの基本構成について図1を用いて説明する。図1に示すように、太陽電池モジュール1は、受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、そして、本発明に係る裏面保護シート6が順に積層された構成となっている。
透明前面基板2は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板2は、又、太陽電池モジュール1の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
前面封止材層3、背面封止材層5からなる封止材層は、太陽電池モジュール1内において、太陽電池素子4の位置を固定し、又、外部からの衝撃を緩和するために配置される樹脂基材等からなる層である。封止材層を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができるが、本発明においては、密着性とリワーク性とのバランスの観点からEVAを用いることが好ましい。
尚、本発明の裏面保護シート6は、架橋処理を施した樹脂との間の密着性に特に優れるものである。上記の材料樹脂のうち、EVAについては、一般にモジュール化の際に架橋処理を施すことが必須となっている。又、ポリエチレン系の樹脂については、適量の架橋剤を添加してモジュール化時に熱架橋するタイプの低密度ポリエチレン樹脂を好ましく用いることができる。
太陽電池素子4は、従来公知の太陽電池素子を広く用いることができる。図1では、太陽電池素子4が、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製する結晶シリコン太陽電池である場合を示しているが、この他、アモルファスシリコンや微結晶シリコンを透明前面基板2上に1μm程度若しくはそれ以下の極薄のシリコン膜を形成して作成する薄膜系太陽電池素子であってもよい。本発明の裏面保護シート6は、薄膜系の太陽電池素子を搭載した太陽電池モジュールにも好ましく用いることができる。
裏面保護シート6は、太陽電池モジュール1の最外層に配置されるものであるため、高い耐候性を備え、且つ、上述した背面封止材層5との間における常温時における高い密着性を備えるものであることが求められる。裏面保護シート6はそのような太陽電池モジュールとしての使用時における物性面での要請を満たしながら、且つ、太陽モジュールの製造段階での生産性の向上に寄与しうる高温時でのリワーク性を兼ね備えさせたものである。このような本発明に係る裏面保護シート6の詳細については別途後述する。
<裏面保護シート>
図2に示すように、本発明の裏面保護シート6は、少なくとも遮光層61と密着強化層62とを備える多層構造の積層体である。
遮光層61は、密着強化層62の一の表面上に配置されている。又、太陽電池モジュール1において、密着強化層62と背面封止材層5とが互いに密着する面となるように裏面保護シート6は配置される。
[遮光層]
本実施形態である遮光層について説明する。本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、密着強化層及び遮光層を少なくとも含む。遮光層はコーティング剤を乾燥させることによるか又はフィルムを積層することにより形成される。コーティング剤を乾燥させる場合、遮光層に含まれる樹脂は、少なくともフッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下含まれていることが望ましく、前記(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は100℃以下にすることが望ましく、30℃以下60℃以下であることがより望ましい。その硬化剤であるポリイソシアネート化合物の使用量は、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が1.0以上2.0以下であることが望ましい。遮光層に含まれる樹脂は、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、コーティング液に含まれる複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物がポリイソシアネート化合物によって架橋されて形成する。また、この遮光層には、樹脂と白色顔料とが少なくとも含まれ、遮光層中、樹脂の100質量部に対して白色顔料が50質量部以上300質量部以下分散されていることが望ましい。なお、本明細書の以下の説明では、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物、すなわちポリイソシアネート化合物で架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「主剤樹脂」と呼び、遮光層に含まれる樹脂、すなわち硬化して遮光層を形成した樹脂と区別する。
太陽電池モジュール用裏面保護シートの表面に遮光層を形成させるためのコーティング液について説明する。コーティング液は、複数の架橋性置換基を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、白色顔料と、溶剤と、を含み、必要に応じて各種の添加剤を含む。白色顔料は、コーティング液中に分散される。ここで、主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応することで架橋され高分子量化する。このため、このコーティング液は、主剤樹脂と白色顔料とを含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とから構成され、使用の直前にこれらを混合する2液タイプであることが好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物とは、1分子中に複数のイソシアネート基を含む化合物である。以下、各構成材料について説明する。
<主剤樹脂>
主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が用いられ、これらがポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。また、これらは、フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下含まれることが望ましい。
コーティング液には主剤樹脂を溶解又は分散するための有機系の溶剤が含まれる。そして、塗布されたコーティング液から溶剤を乾燥させた後、コーティング液に含まれる主剤樹脂がポリイソシアネート化合物によって架橋されて遮光層である被膜を形成させる。塗布されたコーティング液は、溶剤を揮発させるために、例えば1〜5分間60〜200℃に加熱されることが望ましく、100℃〜150℃で加熱することがより望ましい。その後、架橋反応を十分に行なわせるためのエージング期間として、例えば40〜50℃で3〜4日間放置される。溶剤を乾燥させる温度及び時間、並びにエージングを行う際の温度及び時間は、使用する溶剤、主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜調節される。
遮光層は、太陽電池モジュールにおいて、受光面側とは反対側(すなわち裏面側)の最表面に位置する。つまり、遮光層は、長期に亘る太陽電池モジュールの使用期間において、紫外線や風雨等といった苛酷な自然環境にさらされることになるので、高い耐光性や耐候性が求められる。このような観点からは、遮光層の形成のために使用される主剤樹脂として、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が使用される。
(フッ素樹脂)
まず、フッ素樹脂について説明する。フッ素樹脂は、いわゆる変性フッ素樹脂であり、例えば、フルオロオレフィンと架橋性置換基を含むモノマーとの共重合体である。この共重合体を構成するモノマーとして、さらに、エチレン性不飽和結合を有するその他のモノマーを併用してもよい。このようなフッ素樹脂は、耐光性や耐候性を付与するフッ素原子を含み、遮光層に耐光性や耐候性等を付与する。
このようなフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物等が例示される。これらの中でも、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物が好適に使用される。このような樹脂の一例として、質量平均分子量1000〜30000、水酸基価5〜200mg/gのクロロトリフルオロエチレンとジエチレングリコールモノアリルエーテルと酪酸ビニルとの共重合物が挙げられる。
((メタ)アクリル樹脂)
次に、フッ素樹脂と架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物について説明する。これは、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と、架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂とを混合させたものであり、フッ素樹脂による耐光性や耐候性等と、(メタ)アクリル樹脂による基材への密着性とを遮光層に付与することができる。架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂としては、上記で説明したものを使用することができる。架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂としては、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、(メタ)アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、(メタ)アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル及び/又はメタクリル」という意味で使用される。
また、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、100℃以下のものが好ましく、30℃以上60℃以下のものがより好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂がフッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下含まれており(メタ)アクリル樹脂が主剤樹脂全体に対してリッチであることを特徴とする。
このような(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル化合物と、(メタ)アクリル酸若しくはアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等を有するアルキル(メタ)アクリレート系モノマーと、を共重合させたものであって、ガラス転移温度(Tg)が100℃以下のものを用いるのが好ましく、30℃以上60℃以下のものを用いるのがより好ましい。また、共重合のために使用されるモノマーとして、さらに、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有する各種の化合物を使用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下のものが使用されるのが好ましい。また、このような樹脂の好ましい質量平均分子量としては、1000〜300000が挙げられる。
フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との混合比は60質量%以上90質量%以下含まれることが好ましく、70質量%以上80質量%以下含まれることがより好ましい。(メタ)アクリル樹脂の量が90質量%を超えると、遮光層に良好な耐光性や耐候性等を付与することができない。また、樹脂中のフッ素原子の量が60質量%未満となると、白色顔料が十分に分散性を有することができない上、当該樹脂に溶解性や反応性等を付与するための官能基を十分に導入することができない。
主剤樹脂のOH価は、6.5以上、30以下にするのが好ましい。6.5未満であると、架橋が十分に進行せず、硬化性が低下するため望ましい遮光層を形成することができない。一方30を超えると、密着強化層中のスキン層との密着性が低下するため好ましくない。
(その他樹脂等)
また、上記フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して30質量%以下の範囲であれば、さらに別の樹脂等を適宜加えることもできる。例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂又は電離放射線硬化樹脂に例示される樹脂等を必要に応じて加えてもよい。
コーティング液における主剤樹脂の含有量は、10〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましく、40〜50質量%であることがさらに好ましい。コーティング液における樹脂の含有量が10質量%以上であることにより、コーティング液に含まれる白色顔料を良好に分散させることができる。また、コーティング液における樹脂の含有量が60質量%以下であることにより、コーティング液の塗布性が良好になる。
(硬化剤)
硬化剤は、NCO基を有するポリイソシアネート化合物を用いる。ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。上記のように、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、遮光層に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともに遮光層に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、遮光層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が1.0〜2.0となる量が好ましく、1.0〜1.5となる量がより好ましい。NCO/OH比が上記の範囲であれば、良好な密着性、耐溶剤性、柔軟性及びプロピレン系樹脂との密着性を得ることができる。NCO/OH比が1.0未満になると耐溶剤性及び硬化性が悪化し、2.0を超えると樹脂の柔軟性及びポリプロピレン系樹脂との密着性が悪化するため好ましくない。なお、ポリイソシアネート化合物を含む溶液を硬化剤として、2液タイプのコーティング液とする場合、硬化剤には、公知の有機溶剤が適宜選択されて使用される。このような溶剤については、後述する。
(白色顔料)
次に、白色顔料について説明する。白色顔料は、コーティング液を塗布し硬化させて作製された遮光層に遮光性及び密着性を付与するために添加される。
白色顔料としては、酸化チタン、タルク、シリカ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等が例示される。これらの中でも、白色顔料として、酸化チタンが好ましく使用される。なお、酸化チタンには、その結晶構造がルチル型のものと、アナターゼ型のものとが存在するが、アナターゼ型の酸化チタンには酸化触媒作用を呈するものもあるので、ルチル型の酸化チタンを使用することが好ましい。
コーティング液中の白色顔料の添加量は、上記主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物を含んだ樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下であることが好ましい。そして、コーティング液に添加された白色顔料は、分散状態でコーティング液中に存在する。また、既に説明したように、主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応し硬化して遮光層に含まれる樹脂となる。これらのことにより、このコーティング液を塗布し硬化させて形成させた遮光層は、樹脂の100質量部に対して白色顔料を50質量部以上300質量部以下分散させることが好ましく、100質量部以上250質量部以上とすることがより好ましい。被膜に含まれる樹脂100質量部に対して白色顔料を50質量部未満とすると基材上に形成させた被膜と基材との間の密着性が低下し、また可視光における隠蔽性も低下するので好ましくない。また、白色顔料を300質量以上とすると白色顔料の分散性や塗工性が低下するため好ましくない。
(溶剤)
次に、コーティング液に使用される溶剤について説明する。溶剤は、基材に対する塗布性をコーティング液に付与し、白色顔料をコーティング液中に分散させるために添加される。コーティング液が基材に塗布された後、塗布されたコーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、基材の表面に遮光層が形成される。そのため、遮光層における樹脂成分と白色顔料との比率は、コーティング液中における樹脂成分と白色顔料との比率と同一になる。
溶剤としては、主剤樹脂、ポリイソシアネート化合物等の成分を溶解又は分散させることができ、コーティング液に含まれるポリイソシアネート化合物と反応するものでなければ、特に制限されない。このような溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルベンゼン等のような非水溶性の溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のような水溶性の溶剤等が例示される。溶剤は、コーティング液に使用される樹脂成分に合わせて適宜選択され、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、塗工の際に乾燥速度を調整するため、トリプロピレングリコールジメチルエーテルのような高沸点溶剤を添加してもよい。
次に、コーティング液に使用される添加剤について説明する。添加剤は、遮光層に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等を付与するために必要に応じて添加される。また、添加剤は、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、ブロッキング性等を向上させるためにも必要に応じて添加される。
添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液や遮光層に求められる性能に応じて、適宜選択される。
コーティング液は、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合し、白色顔料を分散させることにより調製される。コーティング液中で白色顔料を分散させる方法については、公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合して混合液を作製し、その後、撹拌装置を使用してその混合液を撹拌する方法が挙げられる。なお、コーティング液に含まれる成分のうち、ポリイソシアネート化合物については、既に述べたように、保存時に主剤樹脂成分と反応することを避けるために、主剤樹脂及び白色顔料を含む主剤とは別の溶液である硬化剤としておくことが好ましい。この場合、主剤と硬化剤とは、使用の直前に混合されてコーティング液となる。
コーティング液の粘度は、コーティング液の塗布方法に応じて適宜設定すればよい。コーティング液の粘度の一例として、好ましくは10〜100cPs、より好ましくは50〜80cPsが挙げられる。コーティング液の粘度は、コーティング液に添加する溶剤の量を加減することにより調整すればよい。
<フィルム>
遮光層としてはコーティング層の代わりにフィルムを用いても良い。具体例としては、白色フッ素フィルム、あるいは白色ポリエステルフィルム等を密着強化層のスキン層の一方の面に、ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートすることによって遮光層を設けることができる。なお、このフィルムは、10μm以上100μm以下にする。10μmに満たないと遮光性、及び耐傷性の点で好ましくなく、100μmを超えると生産性の面で好ましくない。
[密着強化層]
密着強化層62は、裏面保護シート6の一方の最外層に配置される層であり、太陽電池モジュール1において、背面封止材層5との間の密着面となり、裏面保護シート6と背面封止材層5との間の密着性を向上させる機能を備える層である。密着強化層62は、裏面保護シート6と背面封止材層5との間に高い密着性及び密着安定性が要求される。本発明における背面封止材層5としては、架橋剤を含有するエチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA樹脂)が好ましく用いられるが、これに限らず、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。この場合、電離放射線を用いた架橋済みのポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物を少量含有させて製膜終了時点で架橋を完了させたポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物を含有させて製膜後に架橋を行うポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
更に、本発明においては、使用時である常温時での密着性の要求を満たしたものでありながら、製造工程における高温時でのリワーク性も兼ね備えたものとするため、密着強化層62の密着性を、その組成を独自の範囲に限定することにより、裏面保護シート6を高温時でのリワーク可能なものとしていることを特徴とする。
図2に示す通り、密着強化層62は、コア層621と、コア層621の表面に積層され、最外層に露出するスキン層622とを含む二以上の層からなる層である。密着強化層62を構成するコア層621とスキン層622は、いずれも、ポリプロピレン(PP)系の樹脂を主たる成分とする。これにより、裏面保護シート6に適切な剛性を付与することができる。
密着強化層62の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、密着強化層62の厚さとして3〜200μmが挙げられ特に限定されない。密着強化層62の厚さが3μm以上であることにより、裏面保護シート6に背面封止材層5との間の十分な密着性を付与することができる。
密着強化層62は、コア層621とスキン層622を積層してなる多層構造を有するが、裏面保護シートに適切な剛性を付与するために、例えば密着強化層を剛性に優れる単一のPP樹脂のみによって構成すると、裏面保護シートと封止材との間の密着性が剛性の拡大に反比例して低下してしまう傾向にある。そこで本発明の裏面保護シート6においては、密着強化層62を構成するコア層621とスキン層622とで、エチレン含有率の異なるポリプロピレン(PP)樹脂を材料樹脂として層毎に使い分けそれぞれの組成を最適化している。これにより、裏面保護シート6は、従来トレードオフの関係にあった密着性とリワーク性とを、いずれも好ましい範囲へと向上させている。
また、密着強化層62は、130℃以上150℃以下において凝集破壊を起こさないものであることが好ましい。凝集破壊とは、引張力が加わった時に層の内部で剥離が起こることをいう。130℃以上150℃以下において密着強化層62が破れたり、凝集破壊を起こすとリワーク時に密着強化層62内で剥がれてしまうため、封止材層側に密着強化層の材料が付着する。密着強化層の材料が付着したものは、再利用することができないため、130℃以上150℃以下において凝集破壊を起こすような、密着強化層を有する裏面保護シートはリワーク性を有さないものとなってしまい、本発明の目的を達成することができないためである。
コア層621は、密着強化層62の密着性を保持しつつ、密着強化層62自体に適度な剛性を付与することにより、裏面保護シート6のカール変形を抑制する機能を備える層であり、融点160℃以上のポリプロピレン(PP)樹脂を全樹脂中80質量%以上含んでなる層である。カール変形の抑制のために、コア層621には、ホモポリプロピレン(ホモPP)樹脂を全樹脂中80質量%以上用いることが好ましい。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であり結晶性が高いため、剛性に優れる。これをコア層に用いることにより、裏面保護シート6のカール変形を有意に抑制して、そのハンドリング性を高めることができる。
また、コア層融点を160℃以上とすることで130〜150℃でのコア層での凝集破壊を防止することができる。そのため、リワーク時にコア層が凝集破壊されることがなくなるため、リワーク性の優れた密着強化層とすることができる。
コア層621には更に無機フィラーが含まれることが好ましい。これにより、密着強化層62の剛性は更に高まり、裏面保護シート6におけるカール変形の発生は充分に抑制される。そのような無機フィラーとしては、タルク(含水珪酸マグネシウム)、又は、酸化チタン、その他として、炭酸カルシウム、カーボンブラック、チタンブラック、Cu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物、或いは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、アルミニウム粉、雲母、炭酸バリウム等を用いることができる。その中でも、ハンドリング性を充分に向上させるためには、タルクと酸化チタンを好ましく用いることができる。コア層621を形成する樹脂フィルム中の無機フィラーの含有は必須ではなく、その含有量は、0%以上30%以下の範囲であればよいが、より好ましいハンドリング性を得るためには、上記含有量が5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。
無機フィラーとしては、タルクを特に好ましく用いることができるが、添加する無機フィラーとしてタルクを添加する場合には、コア層を形成する樹脂中における含有量が2質量%以上20質量%以下とすることが特に好ましい。これは、タルクはアスペクト比が高く、押出し成型時に水平に並ぶ為、押出し方向の収縮率が小さくなるためであると考えられる。
尚、裏面保護シートが有色の外観を有するものであることが求められる場合には、上記の無機フィラーの中でも、耐候性に優れ、塗料化が容易であること及び価格を含め入手が安易であることから、白色顔料としては、酸化チタン等を、黒色顔料としては、カーボンブラック等を更に含むものとしてもよい。これらの有色顔料が含まれることにより、太陽光線の再反射による発電効率の向上や、或いは意匠面での要請に応えることができる点において好ましい。特に酸化チタンについては、上記のタルクと同様にハンドリング性を向上させる効果もあることが分かっている。
コア層621の厚さは、一例として、40〜160μmが挙げられ、特に限定されない。コア層621の厚さが40μm以上であることにより、十分な寸法安定性を付与することができ、コア層621の厚さが160μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
<スキン層>
スキン層622は、密着強化層62の封止材層に対する充分な密着性とともに、所定温度におけるリワーク性を発現させる機能を備える層である。そのために、スキン層622には、融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有する。融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂が50質量%未満では常温での密着性が不十分となる。
エチレンユニットとしては5.0質量%超10.0質量%以下であることが好ましい。ここで、エチレンユニットは共重合成分として含有してもよく、ゴム成分などの微分散成分として含有してもよい。エチレンユニットを含有するポリプロピレン系樹脂は、ホモPPより結晶性が低く柔軟性に優れるが、エチレンユニットの含有量を限定的な範囲に調整することによって、裏面保護シート6の封止材層へ使用時への密着性を充分に高め、且つ、製造時におけるラミネート直後のような高温時でのリワーク性も付与することができる。
スキン層622を構成するポリプロピレン樹脂中の融点が135℃超、またはエチレンユニットの含有量が5質量%未満であると、常温での密着性が不十分となる。又、融点が120℃未満、またはエチレンユニットの含有量が、10質量%を超えると、リワークが極めて困難となる。
上記のように、リワーク温度は130℃から140℃程度であり、この温度ではスキン層の一部又が融点以上となり、リワーク性が向上するものと考えられる。
スキン層622中を構成するポリプロピレン系樹脂中のエチレンユニットの含有量を上記の通り、5.0質量%超10.0質量%以下とするためには、一定量のエチレンユニットがプロピレン連鎖中に取り込まれているエラストマーポリプロピレン(エラストマーPP)単独でもよく、エラストマーPPと、一定量のエチレンユニットがプロピレン連鎖中に取り込まれているランダムPPとの混合系であってもよい。このようにエラストマーPPとこのランダムPPの配合比率を適切に調整することにより、ポリプロピレン系樹脂中のエチレンユニットの含有量を適切な範囲に調整することができる。例えば、エチレンユニットの含有量が5%以上であるエラストマーPPと、エチレンユニットの含有量が2.5%程度であるランダムPPを併用してもよい。尚、このように、本明細書で言う、「ポリプロピレン系樹脂中のエチレンユニットの含有量」とは、製造プロセスにおいて、エラストマーPPとランダムPPを配合した場合であっても、それらの配合比率等にかかわらず、各層を構成するすべてのポリプロピレン系樹脂中の総量に対するエチレンユニットの含有量のことを言う。
尚、エチレン成分を、単にブレンドするよりも、上記のように、ランダムPPに共重合させる形態でスキン層622中に含有させることにより、単にPPとポリエチレン樹脂をブレンドする場合に比べて、スキン層622の機械強度を保持しやすくなるというメリットがあると考えられる。
スキン層622の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、スキン層622の厚さとして、1μm以上40μm以下があげられ、特に限定されない。スキン層622の厚さが1μm以上であることにより、裏面保護シート6に背面封止材層5との間の十分な密着性を付与することができ、スキン層622の厚さが40μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。コア層621とスキン層622層との厚さ比は、たとえば50:1〜4:1の範囲で適宜設定できる。なお、スキン層は酸化チタンなどの有色顔料を含有せずに基本的に透明である。
[遮光層を形成させる方法]
次に、基材の表面に、上記コーティング液を塗布して、遮光層を形成させる方法を説明する。遮光層は、ポリプロピレン樹脂の表面に上記コーティング液を塗布してコーティング塗膜を形成させ、このコーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発後、コーティング塗膜に含まれる主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とを架橋反応させて硬化させることによって形成される。
基材の表面に上記コーティング液を塗布する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法としては、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等が例示される。
コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸発方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる条件は、使用される溶剤に合わせて適宜設定すればよいが、例えば、1〜5分間60〜200℃に加熱することが挙げられる。溶剤を蒸発させたコーティング塗膜は、架橋反応を十分に行わせるためのエージングに付される。エージングの条件は、使用される主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40〜50℃で3〜4日間放置することが挙げられる。
コーティング塗膜から溶剤が蒸発除去されると、主剤樹脂、白色顔料、ポリイソシアネート化合物及びコーティング液に添加した添加剤が基材の表面に残って膜を形成する。この膜が硬化して遮光層となる。遮光層の厚さは、特に限定されず、遮光シートが適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。遮光層の厚さとしては、1〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましく挙げられる。遮光層の厚さが1μmを下回ると十分な遮光性を付与することができず、また、耐傷性、耐溶剤性も劣るものとなるため好ましくない。遮光層の厚さが30μmを超えるとコストが上がってしまうため生産性の面から好ましくない。
[太陽電池モジュール用裏面保護シート]
次に、上記遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シートについて説明する。この太陽電池モジュール用裏面保護シートは、積層体であり、上記遮光層が最外層に存在する。これにより、太陽電池モジュール用裏面保護シートが太陽電池モジュールに適用された際に、遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となる。
[太陽電池モジュール]
次に、上記太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールについて説明する。
太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの裏面側から、太陽電池モジュール用裏面保護シート、第1封止材、太陽電池素子、第2封止材及び透明前面基板の順に積層されて構成される。太陽電池モジュール用裏面保護シートは、上記遮光層とは反対側の表面が第1封止材に接合される。したがって、太陽電池モジュールの裏面と、太陽電池モジュール用裏面保護シートの遮光層側の表面とは一致する。
太陽電池モジュールは、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュールは、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子の表面側及び裏面側のそれぞれに、第1封止材及び第2封止材を溶融積層して、太陽電池素子を第1封止材及び第2封止材でサンドし、次いで、透明前面基板及び太陽電池モジュール用裏面保護シートを順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[インキ分散性試験]
複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂としてダイキン工業株式会社製、製品名ゼッフルGK−570(水酸基価90〜100mg/g)を、複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂として新中村化学株式会社製、製品名バナレジンUVA−5080(OHV20)(質量平均分子量50,000、Tg80℃、水酸基価20mg/g)を、白色顔料として酸化チタン(堺化学工業株式会社製、製品名R−5N:平均粒径0.25μm、アルミナ処理)をフッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して200質量%、溶剤として酢酸エチル:酢酸ブチル=1:1の混合液をそれぞれ使用した。これらを表1に記載した配合量(質量%)にて各コーティング液の主剤を調製した。なお、主剤の固形分濃度は、43〜45質量%とした。各主剤の調製では、表1に記載した成分及び溶剤を組み合わせて混合物を作製した後、この混合物に対して、ペイントシェーカーを使用して60分間の撹拌を行った。その後、コーティング液のインキ分散性を目視で確認した。
[評価基準]
○:分散性が良い
△:分散性が悪い
×:インキ化ができない
Figure 0006361235
表1から、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上含まれていれば、インキ分散性が良好であるため、遮光層を形成するためのコーティング液として良好なものであることが分かる。
(実施例1)
<遮光層用コーティング剤の製造>
製造例2のコーティング液にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)を表2に示すようにNCO/OH比に調整し、これを各コーティング液における硬化剤とした。これら主剤及び硬化剤は、使用(塗布)の直前に、ポリイソシアネート化合物の配合量が表2に記載した量となるように混合され、コーティング剤とした。
<密着性樹脂シートの製造>
以下の密着性樹脂シート、を順次積層し、ドライラミネート加工により一体化して、実施例1の密着性樹脂シート試料を製造した。
コア層:密着性樹脂シートのコア層には、下記のホモPP樹脂を用い、無機フィラーとして下記の酸化チタンをホモPP樹脂中の含有量が20質量%となるように混錬した樹脂組成物をコア層用の組成物として用いた。
ホモPP:三菱樹脂株式会社製、融点165℃
酸化チタン:Ti−pure R105(Dupont製)、平均粒径0.2〜0.25μm
スキン層:密着性樹脂シートのスキン層には、エチレンを含有するランダムPP樹脂(融点140℃、エチレン含有量3質量%)と、エラストマーPP樹脂(融点125℃、エチレン含有量7質量%)とを、エラストマーPP樹脂の割合が、1:1とし、エチレンユニット量が5.0質量%となるように混錬したPP系樹脂をスキン層用の組成物として用いた。
ランダムPP樹脂:融点140℃、エチレンユニットの含有量2.5%。
エラストマーPP樹脂:融点125℃、エチレンユニットの含有量7%。
上記各組成物を共押し出しによって多層フィルムとして成形し、厚さ60μmの樹脂シート(スキン層3μm/コア層54μm/スキン層3μm)とし、実施例1〜3及び比較例4の密着性樹脂シートとした(なお、本製造方法にて製造された密着強化層を以下密着性樹脂シートと呼ぶことにする。)。
<太陽電池モジュール用裏面保護シートの作製>
密着性樹脂シートのスキン層の表面に上記のように調製した各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を110℃で2分間乾燥させた後、40℃で3日間エージングして遮光層を形成し、実施例1〜3及び比較例4の裏面保護シートを作製した。
(比較例1〜4)
<遮光層用コーティング剤の製造>
製造例1及び2のコーティング液にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)を表2に示すようにNCO/OH比に調整し、これを各コーティング液における硬化剤とした。これら主剤及び硬化剤は、使用(塗布)の直前に、ポリイソシアネート化合物の配合量が表2に記載した量となるように混合され、コーティング剤とした。
<太陽電池モジュール用裏面保護シートの作製>
密着強化層としてポリエチレン(PE)、ホモポリプロピレン(ホモPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、その表面に上記のように調製した各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を110℃で2分間乾燥させた後、40℃で3日間エージングして遮光層を形成し、比較例1〜4の裏面保護シートを作製した。
[遮光層密着性試験]
実施例及び比較例のコーティング剤によって形成された遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シートのそれぞれについて、ASTM D3359−09、JIS5600に準じ、遮光シートの被膜及び基材にカッターで100マス目(100マスの全体の大きさは10mm×10mm)に傷をつけ、12mm幅のセロハンテープ(ニチバン株式会社製CT405AP−12)をこすり、60度の角度で、引き離した後、残っている部分の面積を、下記の評価基準で耐久接着性を評価し、結果を基材密着性の評価結果として表2に示した。
[評価基準]
5B:塗膜剥離率0%
4B:塗膜剥離率0〜5%
3B:塗膜剥離率5〜15%
2B:塗膜剥離率15〜35%
1B:塗膜剥離率35〜65%
0B:塗膜剥離率65%以上
[封止材密着性試験]
実施例、比較例の各試料を用いた密着性評価用のサンプルについて、密着性を評価した。評価は以下の方法で測定した数値に基づいて行った。
<疑似モジュールの作成>
裏面保護シート試料について、上記密着強化層(密着性樹脂シート側)の表面に、試料と同サイズにカットした下記の封止材1又は2を140℃〜155℃で15分間、太陽電池モジュールの製造用の真空ラミネータを用いてラミネートし、密着性評価用のサンプルとした。
封止材シート(表1において「EVA」と表記):EVA架橋タイプ、厚さ500μm。
(初期密着性試験:剥離試験)
各密着性評価用のサンプルについて、剥離強度(N)を15mm幅の180度剥離にて密着性について密着強度を測定した。測定には、剥離試験装置(「株式会社エー・アンド・デイ」社製、商品名「TENSILON RTG−1210」)を用いて、180度剥離にて剥離条件50mm/minで23℃にて測定を行い評価した。評価結果については「封止材密着性」として下記表2に示した。
[評価基準]
○:50N/15mm以上
×:50N/15mm未満
[湿熱試験]
実施例及び比較例の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シートのそれぞれについて、株式会社平山製作所製HASTEST(MODEL PC−R8D)にて、120℃、85%RH、1.65atmの環境下にて96時間保管した。その後、上記[基材密着性試験]を以下の評価基準により評価した。評価結果については、「湿熱密着性」として、下記表2に示した。
[評価基準]
5B:塗膜剥離率0%
4B:塗膜剥離率0〜5%
3B:塗膜剥離率5〜15%
2B:塗膜剥離率15〜35%
1B:塗膜剥離率35〜65%
0B:塗膜剥離率65%以上
[耐溶剤性試験]
実施例及び比較例の裏面保護シートの耐候性コーティング層側の表面に、ASTM D5402−06に準じた耐溶剤試験を実施した。溶剤にはアセトンを染み込ませたコットンを用い、1500gの力で約1秒間に1回の速度で30回擦り、表面を観察、以下の評価基準により評価した。評価結果については、「耐溶剤性」として、下記表2に示した。
[評価基準]
○:剥がれ無し
×:剥がれ有り
[耐候性試験]
実施例及び比較例の裏面保護シートについて、下記条件により、MW(メタルウェザー)試験を行い、同試験後の各裏面保護シートについて、接着性試験を行い、下記の評価基準で耐久接着性を評価し、結果を耐候性の評価結果として表2に示した。
[MW試験]
メタルハライドランプ方式試験機 JTM G 01 2000 日本試験機工業会規格 JTM STANDARD Metalhalide Lamp type apparatus
装置名称:ダイプラ・メタルウェザー(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)
型式:KU−R5CI−A
光源ランプ:MW−60W
フィルター:KF−1(照射範囲295nmから780nm)
照度:60±5 mW/cm2(ウシオ電機(株)製照度計使用)
試験条件:Lite(照射)63℃50%RH 20時間、Dew(結露)30℃98%RH 4時間、Rest(休止):30℃、98%RH、0.01時間、Dew前後に10sシャワー を1サイクルとして250時間試験実施。
尚、シャワーには25℃、導電率2μS/cm以下の純水を用いた。
[評価基準]
5B:塗膜剥離率0%
4B:塗膜剥離率0〜5%
3B:塗膜剥離率5〜15%
2B:塗膜剥離率15〜35%
1B:塗膜剥離率35〜65%
0B:塗膜剥離率65%以上
[リワーク性評価]
実施例、比較例のそれぞれの上記裏面保護シート試料について、以下の基準で、リワーク性について評価した。評価方法は、モジュール形態でラミネートしたサンプルについて、145℃、20分間再加熱後、ラミネータ上でカッター、ペンチを用いて剥がし、そのリワーク性を確認した。
[評価基準]
○:リワーク性が非常に良好である
△:リワーク性が良好である
×:リワーク性が悪い
Figure 0006361235
※基材劣化のため測定不可
表2から、本発明の裏面保護シートは、遮光層密着性、封止材密着性、湿熱保存性、耐溶剤性、耐候性及びリワーク性に優れ、優れた裏面保護シートであることが分かる。
(実施例2)
遮光層として、白色ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)を用いた。具体的には、密着性樹脂シートにウレタン系接着剤を用いてドライラミネートすることによって遮光層を設けた。その点以外は、実施例1と同様に裏面保護シートを作成した。
(実施例3)
遮光層として、白色ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)を用いた。具体的には、密着性樹脂シートにウレタン系接着剤を用いてドライラミネートすることによって遮光層を設けた。その点以外は、実施例1と同様に裏面保護シートを作成した。
(比較例5〜7)
遮光層として、白色ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)を用いた。具体的には、表3に示した密着強化層にウレタン系接着剤を用いてドライラミネートすることによって遮光層を設けた。その点以外は、実施例1と同様に裏面保護シートを作成した。
実施例2,3及び比較例5〜7の裏面保護シートについて、実施例1、比較例1〜4同様に、封止材密着性、湿熱保存性、耐溶剤性、耐候性及びリワーク性を測定した。なお、遮光層密着性については、以下の方法で測定した。測定結果を表3に示した。
[遮光層密着性試験]
実施例及び比較例の白色ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)又は白色ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シートのそれぞれについて、剥離強度(N)を15mm幅の180度剥離にて密着性について密着強度を測定した。測定には、剥離試験装置(「株式会社エー・アンド・デイ」社製、商品名「TENSILON RTG−1210」)を用いて、180度剥離にて剥離条件50mm/minで23℃にて測定を行い評価した。評価結果については「遮光層密着性」として下記表3に示した。
[評価基準]
○:4N/15mm以上
×:4N/15mm未満
Figure 0006361235
表3から、本発明の裏面保護シートは、遮光層として樹脂フィルムを用いたとしても、遮光層密着性、封止材密着性、湿熱保存性、耐溶剤性、耐候性及びリワーク性に優れ、優れた裏面保護シートであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
61 遮光層
62 密着強化層
621 コア層
622 スキン層

Claims (5)

  1. 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記裏面保護シートの最外層に配置されて封止材との密着を強化する密着強化層を設け、
    前記密着強化層は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を全樹脂中80質量%以上含有するコア層と、
    エチレンユニットを含有する融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有して最外層に露出するスキン層と、を備え、
    前記スキン層中の前記エチレンユニットの含有量が5.0質量%以上10.0質量%以下であり、
    前記密着強化層が、スキン層/コア層/スキン層の三層共押し出しフィルムであって
    前記スキン層の一方の面には、厚さ1μm以上30μm以下のコーティング層又は厚さ10μm以上100μm以下のフィルムからなる遮光層が積層されていることを特徴とする裏面保護シート。
  2. 前記遮光層が樹脂中に白色顔料が分散されたコーティング層であり、
    前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋されたものであり、
    前記フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上、90質量%以下である、請求項1に記載の裏面保護シート。
  3. 前記白色顔料が前記樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下である請求項に記載の裏面保護シート。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール。
  5. 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記裏面保護シートの最外層に配置されて封止材との密着を強化する密着強化層を設け、
    前記密着強化層は、融点160℃以上のポリプロピレン樹脂を全樹脂中80質量%以上含有するコア層と、
    エチレンユニットを含有する融点120℃以上135℃以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含有して最外層に露出するスキン層と、を備え、
    前記スキン層中の前記エチレンユニットの含有量が5.0質量%以上10.0質量%以下であり、
    前記密着強化層が、スキン層/コア層/スキン層がこの順に積層されてなる多層構造を有する層であって、
    前記スキン層の一方の面には、厚さ1μm以上30μm以下のコーティング層又は厚さ10μm以上100μm以下のフィルムからなる遮光層が積層されていることを特徴とする裏面保護シート。
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