JP4646819B2 - 内燃機関の異常判定装置 - Google Patents

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内燃機関の燃料供給系の異常を判定する装置に関する。
特許文献1には、排気系に備えられた空燃比センサの出力に基づく排気系モデルと、オブザーバとを用いて気筒ごとの空燃比を推定し、各気筒間の空燃比の偏差を解消するように各気筒の空燃比のフィードバック制御を行う技術において、空燃比フィードバックの補正項が所定範囲内にない場合に当該気筒の異常を判定する技術が開示されている。
特許第2684011号
しかしながら、特許文献1のような従来技術では、排気系モデルに基づいて異常検知を実行するので、運転状態が安定している状態(たとえば定常走行時)で実行しないと空燃比の推定精度の影響により誤判定する可能性がある。
本発明の目的は、運転状態によらず精度良く燃料供給系の異常を検知することができる内燃機関の異常判定装置を提供することである。
本発明は、各気筒に備えられた筒内圧検出手段から着火遅れを算出し、この着火遅れから算出された空燃比補正係数に基づいて燃料供給系の異常を判定する内燃機関の異常判定装置を提供する。この装置は、内燃機関の気筒ごとに備えられ、気筒内の圧力を検出する圧力検出手段と、内燃機関のモータリング圧力を推定する推定手段と、内燃機関の圧縮行程から燃焼行程に至る期間において、気筒内圧力と前記モータリング圧力との差が所定値を超える時点を燃焼開始時点として検出し、気筒ごとに点火時点から該燃焼開始時点までの着火遅れを算出する、着火遅れ算出手段と、各気筒の着火遅れの平均値を算出し、該平均値と各気筒の前記着火遅れとの偏差により、各気筒の空燃比の平均値と各気筒の空燃比との偏差を算出し、該空燃比偏差がなくなるように各気筒の空燃比を補正するための補正係数を算出する手段と、補正係数が所定範囲外にある場合に、燃料供給系に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、を有する。
この発明により、異常判別の基準となる空燃比補正係数が筒内圧センサの出力から算出されるので、運転状態によらず精度良く異常を検出することが可能となる。
本発明の一実施形態によると、推定手段は、所定の演算式によりクランク角度ごとに前記モータリング圧力を推定する。着火遅れ算出手段は、内燃機関の圧縮行程において、気筒内圧力と前記モータリング圧力との偏差を最小にするように気筒内圧力を補正する補正手段をさらに有し、補正手段により補正された気筒内圧力と、モータリング圧力との差が所定値を超える時点を燃焼開始時点として検出する。
本発明の一実施形態によると、異常検出手段は、補正係数が所定範囲外にある場合に、内燃機関のEGRシステムを停止させ、これによって補正係数が所定範囲内に推移した場合には、前記EGRシステムに異常があると判定する。
本発明の一実施形態によると、異常検出手段は、補正係数が所定範囲外にある場合に、内燃機関のパージシステムを停止させ、これによって補正係数が所定範囲内に推移した場合には、パージシステムに異常があると判定する。
本発明の一実施形態によると、異常検出手段は、補正係数が所定範囲外にある場合に、EGRシステムおよびパージシステムの異常判定を実施し、いずれのシステムにも異常があると判定されない場合には、燃料噴射系システムに異常があると判定する。
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態である内燃機関の異常判定装置の全体的構成を示すブロック図である。電子制御ユニット10は、中央演算装置(CPU)を備えたコンピュータである。電子制御ユニットは、コンピュータ・プログラムを格納する読取専用メモリ(ROM)およびプロセサに作業領域を提供し、データおよびプログラムを一時記憶するランダムアクセス・メモリ(RAM)を備えている。入出力インタフェイス11は、エンジンの各部から検出信号を受け取って、A/D(アナログ・ディジタル)変換を行って次の段階に渡す。また、入出力インタフェイス11は、CPUの演算結果に基づく制御信号をエンジンの各部に送る。図1では、電子制御ユニットをこの発明に関連する機能を示す機能ブロックで示している。
まず図2を参照して、この発明の一実施形態におけるセンサ出力補正手法の原理を説明する。図2は、クランク角度-180度から180度の領域における気筒の燃焼室の圧力を示しており、およそクランク角度-180度から0度の範囲が圧縮行程であり、0度から180度までが膨張(燃焼)行程である。曲線1は、エンジンの1つの気筒のモータリング圧力(失火時の圧力)の推移を示し、曲線3は、同じ気筒において正常な燃焼が行われたときの筒内圧力の推移を示す。クランク角0度が上死点であり、モータリング圧力は上死点でピークとなり、燃焼時の筒内圧力(曲線3)は、上死点を過ぎた点火時点付近でピークとなる。
この実施形態では、圧縮行程において上死点に達する前の期間、たとえば図2に”a”で示す期間において、圧力検出手段(図1の筒内圧力センサ12)の検出出力を補正する補正式のパラメータを同定する。黒色のドット5は、筒内圧力センサ12による検出出力を示す。筒内圧力センサ12は、エンジンの燃焼室という過酷な環境に置かれており、温度の影響、経年変化などによって特性が変化する。この実施形態では、筒内圧力センサ12の検出出力がほぼモータリング圧力の曲線1上にくるよう、検出出力を補正する。こうして補正された検出出力を白色のドット7で示す。
検出出力の補正は、筒内圧力センサの検出出力PD(θ)に、補正式 PS = PD(θ)k1 + C1 を適用することによって行われる。k1 は補正係数であり、C1 は定数である。θはクランク角度である。この補正式の2つのパラメータk1およびC1は、圧縮行程の、たとえば図2に”a”で示す期間において、モータリング圧力の推定値PMと、筒内圧力センサの検出出力を上述の補正式によって補正した値PSとの差(PM−PS)の二乗が最小になるよう、最小二乗法により演算して算出される。
このように補正されるセンサ出力を利用して、気筒の燃焼状態を判定することができる。燃焼(膨張)行程において混合気の燃焼開始後、たとえば図2に”b”で示す期間において、筒内圧力センサ12の出力を補正して得られる検出出力7(白色のドット)と、状態方程式で算出されるモータリング圧力PM(曲線1)との関係に基づいて、燃焼状態、たとえば、失火が生じたかどうかを判定する。例えば、PS/PMが予め定めたしきい値より小さいとき、失火が生じたと判定することができる。
再び図1を参照すると、筒内圧力センサ12は、圧電素子であり、エンジンの各気筒(シリンダ)の点火プラグ付近に設けられている。圧力センサ12は、気筒内の圧力に応じた電荷信号を出力する。この信号をチャージアンプ31により電圧信号に変換して出力し、ローパスフィルタ33を介して入出力インタフェイス11に出力する。入出力インタフェイス11は、圧力センサ12からの信号をサンプリング部13に送る。サンプリング部13は、この信号を所定の周期、たとえば10kHz分の1の周期でサンプリングし、サンプル値をセンサ出力検出部15に渡す。
センサ出力補正部17は、上述の補正式 PS = PD(θ)k1 + C1 に従って、センサ出力PD(θ)を補正する。センサ出力補正部17は、クランク角15度ごとに補正されたセンサ出力値PSを燃焼圧力検出部41に渡す。
一方において、燃焼室容積計算部19は、クランク角θに応じた気筒の燃焼室の容積Vcを次の数式により計算する。
Figure 0004646819
上の式で、mは、図3の関係から計算される、ピストン8の上死点からの変位を示す。rをクランク半径、l(エル)をコンロッド長とすると、λ=l/r である。Vdeadは、ピストンが上死点にあるときの燃焼室の容積、Apstnは、ピストンの断面積である。
一般に燃焼室の状態方程式は、次の(3)式で表されることが知られている。
Figure 0004646819
(3)式で、Gは、例えばエアフローメータ、またはエンジン回転数および吸気圧に基づいて得られる吸入空気量、Rは気体定数、Tは、例えば吸気温度センサ、またはエンジン水温などの運転状態に基づいて得られる吸気温度である。kは補正係数、Cは定数である。
本実施形態では、予めセンサ取り付け部の温度変化等の影響を受けない水晶圧電式の圧力センサを用いて燃焼室の圧力を実測し、この実測値を(3)式と対応させることによりkの値k0およびCの値C0を求めておく。これを(3)式に代入して得られる次の(4)式を用いてモータリング圧力を推定する。
Figure 0004646819
モータリング圧力推定部20は、基本モータリング圧力計算部21およびモータリング圧力補正部22から構成される。基本モータリング圧力計算部21が(3)式の中の基本項目である基本モータリング圧力GRT/Vを計算する。モータリング圧力補正部22は、上述のようにして予め求められているパラメータk0およびC0を用いて、基本モータリング圧力を補正する。このパラメータk0およびC0は、吸気管圧力またはエンジン回転数などエンジンの負荷状態を表すパラメータに従って参照することができるテーブルとして用意されている。
なお、モータリング圧力推定部20は、代替的に、基本モータリング圧力計算部21のみで構成する形式でも良い。この場合、モータリング圧力PMは、基本モータリング圧力計算部21が算出した基本モータリング圧力GRT/Vである。
パラメータ同定部23は、圧縮行程においてモータリング圧力推定部20が算出するモータリング圧力推定値PMとセンサ出力補正部17が出力する筒内圧力センサ12に基づく筒内圧力PSとの誤差(PM-PS)が最小になるよう、最小二乗法によりセンサ出力を補正する補正式のパラメータk1およびC1を同定する。センサ出力検出部15は、たとえば10kHz分の1の周期で圧力センサの出力をサンプリングし、クランク角度に同期したタイミングでサンプル値の平均値をセンサ出力値PD(θ)として、パラメータ同定部23に渡す。パラメータ同定部23は、気筒の圧縮行程において補正式のパラメータを同定する演算を実行する。モータリング圧力補正部から得られるクランク角度に応じたモータリング圧力推定値PM(θ)と、同じクランク角度におけるセンサ出力値PD(θ)に補正式PS = PD(θ)k1 + C1 を適用した値PSとの差の二乗、すなわち(PM(θ) - PD(θ)k1 - C12 が最小になる k1 および C1を既知の最小二乗法により求める。
PMの離散値をy(i)で表し、筒内圧力センサから得られる筒内圧力PDのサンプル値(離散値)をx(i)で表すと、X(i)T=[x(0), x(1), …,x(n)]、Y(i)T=[y(0), y(1), …,y(n)]と表される。誤差の離散値の二乗の和は、次の式(5)で表される。サンプル値は、10kHz分の1の周期でとられ、iの値は、たとえば100までとする。
Figure 0004646819
このFの値を最小にするkおよびCを求めるには、F(k,C)のkおよびCに関する偏微分が0となるkおよびCを求めればよい。これを数式で表すと、次のようになる。
Figure 0004646819
式(6)および(7)の右辺を整理すると、次のようになる。
Figure 0004646819
これを行列で表現すると、次のようになる。
Figure 0004646819
この式を逆行列を使って変形すると、次のようになる。
Figure 0004646819
ここで、右辺の逆行列は、次の式で表される。
Figure 0004646819
センサ出力補正部17は、こうして同定されたパラメータを用いて燃焼行程においてセンサ出力を補正する。
補正部17は、こうして同定されたパラメータを用いてセンサ出力PD(θ)を補正する。補正された所定クランク角(たとえば15度)ごとのセンサ出力PS(θ)が燃焼圧力検出部41に渡される。補正部17を省略し、センサ出力検出部15が出力する所定クランク角度ごとの出力PD(θ)をそのままセンサ出力PS(θ)として使用してもよい。
燃焼圧力検出部41は、エンジンの気筒において混合気が燃焼する際の純粋に燃焼によって生じる圧力PC(θ)を算出する。図2を参照すると、筒内圧力センサ12の出力に基づいて検出される圧力PS(θ)(曲線3)は、燃焼がないときの気筒圧力であるモータリング圧力PM(θ)に、燃焼によって生じる圧力PC(θ)を加算したものになっている。したがって、PC(θ)= PS(θ)- PM(θ)の演算式によりPC(θ)を算出することができる。
図4を参照すると、燃焼開始時点検出部43は、吸入空気圧力PBをパラメータとするテーブルから燃焼開始ポイントを判定するための判定値DP_Cを検索し(S101)、上記のようにして算出された燃焼圧力PC(θ)(S103)がこの判定値を超えると(S105)、着火フラグを1にセットする(S105)。混合気の燃焼開始時点付近では、算出される燃焼圧力PC(θ)が振動するので、最初にPC(θ)が判定値を超えたときのクランク角度を着火時点として用いることにし、この角度をθ_DLY_bsで表す(S111)。
図1の着火遅れ算出部45は、点火プラグに点火したクランク角度IG (θ)から着火時点θ_DLY_bsを引き算して着火遅れD_θ_DLY(n)を算出する(図4、S113)。この着火遅れが予め定めた最大値より大きいときは(S115)、最大値を平均値算出のためのパラメータD_θ_DLY_IG(n)に設定する(S123)。着火遅れD_θ_DLY(n)が予め定めた最小値より小さいときは(S117)、最小値をパラメータD_θ_DLY_IG(n)に設定する(S121)。着火遅れD_θ_DLY_(n)が最大値と最小値の間にあるときは、これをパラメータD_θ_DLY_IG(n)に設定する(S119)。このパラメータD_θ_DLY_IG(n)の16個の移動平均を平均着火遅れθ_DLY_avとする(S125)。
再び図1を参照すると、空燃比補正部47および燃料噴射量算出部49は、エンジンの各バンクにおいて、バンクに含まれる各気筒の着火遅れに基づき、各気筒の空燃比が均一となるように気筒ごとに空燃比を補正して、各気筒の燃料噴射量を調整する。図6に示すように、空燃比と着火遅れとの間には相関関係がある。例えば、空燃比が理論空燃比14.7である場合、気筒の着火遅れは0[deg]であり、点火と同時に着火する。空燃比が理論空燃比より大きいリーン状態側に進むほど、気筒の着火遅れは増大する。反対に、空燃比が理論空燃比より小さいリッチ状態の場合には、点火より早いタイミングで着火する。したがって、各気筒の着火遅れから空燃比を推定し、この推定した空燃比を均一にするように各気筒の空燃比を補正して燃料噴射量を調節することにより、空燃比のフィードバック制御を行う。
図5を参照すると、空燃比補正部47は、まず、平均着火遅れ算出部45で算出された各気筒の着火遅れθ_DLY_av#(#は気筒の番号)から、バンクごとの着火遅れの平均値D_θDLYAVBを求め(S201)、式(11)より各気筒の着火遅れθ_DLY_av#と、平均値D_θDLYAVBとの偏差DD_θDLYAV#を算出する(S203)。
DD_θDLYAV# =θ_DLY_av# − D_θDLYAVB (11)
ただし、#は気筒の番号であり、気筒ごとに偏差を算出する。
つづいて、各気筒の着火遅れの偏差DD_θDLYAV#を、空燃比の偏差KCPERRX#に変換する(S205)。この変換は、例えば、図6に示すような空燃比と着火遅れとの相関関係に基づく変換マップを利用して行われる。ここで、空燃比の偏差KCPERRX#とは、各気筒の空燃比と、バンク内の全気筒の空燃比の平均値との偏差である。
なお、ステップS201〜S205は、代替的に、平均着火遅れ算出部45で算出された各気筒の着火遅れθ_DLY_av#から、変換マップを用いて各気筒の空燃比を推定し、これらの空燃比の平均値を算出し、各気筒の推定空燃比と平均値との偏差KCPERRX#を算出する形式でも良い。
各気筒の空燃比の偏差KCPERRX#に基づいて、式(12)に示されるように、各気筒の空燃比補正係数kcpcyl#を算出する(S207)。
Figure 0004646819
ここで、KpおよびKiは、フィードバックゲインである。式(12)の右辺の第二項は比例項であり、第三項は積分項である。つまり、式(12)は、入力を空燃比の偏差KCPERRX#としたPI制御のフィードバック量を計算し、1を中心とした補正係数を算出している。
ここで、式(12)の右辺の第二項以降には、微分項を加えたPID制御を適用しても良い。また、そのほかのフィードバック制御手法を適用することも可能である。
続いて、バンクごとに空燃比補正係数kcpcyl#の平均値KCPCYLAVBを求め(S209)、式(13)のように、各気筒の空燃比補正係数を、平均値で正規化する(S211)。
KCPCYL# = kcpcyl# / KCPCYLAVB (13)
このような正規化により、空燃比補正係数の平均値が1になるので、バンク全体の空燃比は変化させずに、各気筒の空燃比を補正することができる。
さらに、空燃比補正係数KCPCYL#をリミット処理し(S213)、補正係数KCPCYL#を燃料噴射量算出部49に送る。
燃料噴射量算出部49は、気筒内の燃料噴射量を決めるインジェクタ51の開弁時間TOUTを、式(14)から算出する(図5のS215)。
TOUT = KCPCYL# × 要求開弁時間 + 電源電圧補正値 (14)
算出された開弁時間TOUTの指令値が、インジェクタ51へ送られる。
このように、各気筒の燃料噴射量を調整して空燃比を補正することにより、バンク内の各気筒の空燃比が均一化される。
再び図1を参照すると、異常判定部53は、空燃比補正係数KCPCYL#に基づいて各気筒の異常を検出する。異常判定部53は、空燃比補正係数KCPCYL#が所定範囲から外れた気筒について、燃料供給系に何らかの異常があると判定する。それから、排気ガス再循環(EGR)装置55、パージシステム57、またはインジェクタ51のうちいずれかを故障部位として確定する。EGR装置55は、排気ガスの一部を再び吸気管に導入して吸入空気と混合させる装置である。パージシステム57は、燃料タンク内で気化した燃料をエンジンの吸気管に導入して、インジェクタ51により噴射される燃料とともに燃焼させるシステムである。
以下、図7を参照して異常判定部51で行われる処理について説明する。
異常判定部51は、空燃比補正部47で算出された各気筒の空燃比補正係数KCPCYL#をなまし計算して平滑化し、平滑化された補正係数KAVCYL#を算出する(S301)。なまし計算は、たとえば式(15)に従い行われる。

KAVCYL# = C×KCPCYL# + (1−C)×KAVCYL#(前回値) (15)

ここで、Cはなまし量であり、たとえば0.008である。
異常検出処理の当初では、故障部位も確定しておらず(S303)、EGR装置55を停止するフラグも立っておらず(F_EGRCUT=0)(S305)、パージシステム57を停止するフラグも立っていない(F_PGEGRCUT=0)(S307)ので、まず、平滑化した補正係数KAVCYL#が所定範囲から外れているかどうかを確認する(S309)。KAVCYL#が所定範囲外にある場合には、当該気筒#(#が気筒の番号)に何らかの異常が発生したと判定する(S311)。そして、異常が検知された場合には(S313)、EGR装置55を停止するためのフラグを立てる(F_EGRCUT=1)(S315)。
EGR装置55を停止した後では、このフローはステップS305で分岐しステップS317以降へ進む。EGR装置55を停止したことにより、補正係数KAVCYL#が所定範囲内に移行したかどうかを確認する(S317)。所定範囲内になった場合には、今回の異常検知の原因となった故障部位がEGR装置55であると確定して処理を終了する(S319)。依然として補正係数KAVCYL#が所定範囲外にある場合には、EGR装置55は正常に動作していると判断し、EGR装置の動作を再開して(F_EGRCUT=0)、パージシステムを停止するためのフラグを立てる(F_PGEGRCUT=1)(S321)。
パージシステム57を停止した後では、このフローはステップS307で分岐しステップS323以降へ進む。パージシステム57を停止したことにより、補正係数KAVCYL#が所定範囲内に移行したかどうかを確認する(S323)。所定範囲内になった場合には、今回の異常検知の原因となった故障部位がパージシステム57であると確定して処理を終了する(S325)。依然として補正係数KAVCYL#が所定範囲外にある場合には、パージシステム57は正常に動作していると判断し、今回の異常検知の原因となった故障部位がインジェクタ51であると確定して処理を終了する(S327)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。また、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのいずれに対しても使用することができる。
本発明の一実施形態である空燃比制御装置の全体的構成を示すブロック図である。 モータリング圧力曲線および燃焼時のセンサ出力の補正値の曲線を示す図である。 ピストン位置を計算するための概念図である。 着火遅れ算出のメインフローを示すフローチャートである。 各気筒の燃料噴射量を算出する処理を示すフローチャートである。 着火遅れと空燃比との関係を示すグラフである。 異常検出処理のフローチャートである。
符号の説明
10 電子制御ユニット(ECU)
12 筒内圧センサ
15 センサ出力検出部
20 モータリング圧力推定部
45 平均着火遅れ算出部
47 気筒間空燃比補正部
49 燃料噴射量算出部
53 異常判定部
51 インジェクタ
55 EGR装置
57 パージシステム

Claims (5)

  1. 内燃機関の異常を判定する装置であって、
    前記内燃機関の気筒ごとに備えられ、気筒内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記内燃機関のモータリング圧力を推定する推定手段と、
    前記内燃機関の圧縮行程から燃焼行程に至る期間において、前記気筒内圧力と前記モータリング圧力との差が所定値を超える時点を燃焼開始時点として検出し、気筒ごとに点火時点から該燃焼開始時点までの着火遅れを算出する、着火遅れ算出手段と、
    各気筒の前記着火遅れの平均値を算出し、該平均値と各気筒の前記着火遅れとの偏差により、各気筒の空燃比の平均値と各気筒の空燃比との偏差を算出し、該空燃比偏差がなくなるように各気筒の空燃比を補正するための補正係数を算出する手段と、
    前記補正係数が所定範囲外にある場合に、燃料供給系に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、
    を有する内燃機関の異常判定装置。
  2. 前記推定手段が、所定の演算式によりクランク角度ごとに前記モータリング圧力を推定し、
    前記着火遅れ算出手段が、内燃機関の圧縮行程において、前記気筒内圧力と前記モータリング圧力との偏差を最小にするように前記気筒内圧力を補正する補正手段をさらに有し、前記補正手段により補正された気筒内圧力と、前記モータリング圧力との差が所定値を超える時点を燃焼開始時点として検出する、
    請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 前記異常検出手段が、前記補正係数が所定範囲外にある場合に、前記内燃機関のEGRシステムを停止させ、これによって前記補正係数が所定範囲内に推移した場合には、前記EGRシステムに異常があると判定する、請求項1または請求項2に記載の異常判定装置。
  4. 前記異常検出手段が、前記補正係数が所定範囲外にある場合に、前記内燃機関のパージシステムを停止させ、これによって前記補正係数が所定範囲内に推移した場合には、前記パージシステムに異常があると判定する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異常判定装置。
  5. 前記異常検出手段が、前記補正係数が所定範囲外にある場合に、EGRシステムおよびパージシステムの異常判定を実施し、いずれのシステムにも異常があると判定されない場合には、燃料噴射系システムに異常があると判定する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異常判定装置。
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