JP5518311B2 - エッチングレジスト用インクジェットインキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明はエッチングレジスト用インクジェットインキ組成物、より詳しくは、エッチングレジスト用活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ組成物に関する。
金属板の表面にエッチングにより凹凸の形状を設けたエッチング金属板は、その意匠性から、高級感が必要とされるエレベーター扉材等に用いられている。一般に、エッチング金属板は、1)金属板の片面または両面に感光性樹脂を塗布して樹脂膜を形成し、2)パターンを形成したネガフィルム(「レジストパターン」ともいう)を金属板に密着させて露光し、感光性樹脂膜の露光部を硬化させ、3)現像処理により感光性樹脂膜の非感光部分を除去し、4)過塩化鉄等の腐食液により金属のエッチングを行い、5)硬化樹脂膜をアルカリ処理することにより製造される。
前記製造方法において、感光性樹脂(「エッチングレジスト樹脂とも呼ばれる」)と金属板は十分に密着していることが要求される。このために金属板には前処理が施される。例えば、金属板は、アルカリ脱脂、溶剤脱脂または電解脱脂等の脱脂処理を行った後に洗浄、乾燥される。また、金属板は、前記脱脂処理の後にさらに酸洗され、それから洗浄、乾燥されることもある。しかしながら、金属は一般的に表面に厚い酸化皮膜を有しているので十分な脱脂処理を行ったとしてもエッチングレジスト樹脂との密着性が十分でない場合が多い。この密着性が十分でないと、金属表面とエッチングレジスト樹脂との界面にエッチング液が浸入しやすく、側面方向のエッチングが加速されてサイドエッチが大きくなりやすい。また、前記密着性が十分でないと、エッチングレジスト膜の部分剥離が起きやすく、予期しない部位の腐食が起きる。よって、前記密着性が十分でないと、エッチング金属板を目的とする形状に、精密に加工することが困難になる。以上から、エッチングレジスト樹脂には金属板との十分な密着性が求められる。
また、エッチングレジスト樹脂には過塩化鉄等の腐食液に対する十分な耐性(「耐エッチング液性」ともいう)と、硬化膜がアルカリ処理により容易に溶解・剥離すること(「アルカリ剥離性」ともいう)も要求される。
このような性能を満足すべく、特許文献1〜3には分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むエッチングレジスト樹脂組成物が提案されている。これらの組成物を硬化させてなる樹脂膜は、耐エッチング液性、アルカリ剥離性に優れるとされる。これらの組成物は、グラビア印刷やスプレーコートにより金属板に塗布される。
ところで、前記製造方法は、レジストパターンを準備し、それを用いてエッチングレジスト樹脂を露光する方法である。この方法は、レジストパターンを用いるため、大量のエッチング金属板を効率よく製造できることから、大量生産に適している。しかしながら、この製造方法は、少量のエッチング金属板を多品種製造しようとするには不向きであった。
そこで、エッチング金属板と同様に、レジストエッチング樹脂を用いて製造されるプリント配線板において、インクジェットによりレジストパターンを金属板上に直接描画する方法が提案されている(特許文献4〜7)。これらの文献に開示されている方法によれば、マスクやスクリーン印刷版を必要とせずにCADや各種画像データから直接、金属板のマスキングが可能となる。そのため、当該方法は、レジストパターンを別に準備する必要がなく作業性に優れ、また設計変更への対応も容易である。従って、当該方法は、少量多品種のプリント配線板の生産に特に適している。さらに当該方法は、レジストパターンを直接描画できるために、レジストパターンの製造時の現像工程が不要となり、環境適合性にも優れるとされる。
このようなインクジェット用インキ組成物として、特許文献8、9には、フェノキシエチルアクリレートを含む組成物が開示されている。これらのインクジェット用インキ組成物は、ノズルからの吐出安定性や硬化性、硬化物の加工性に優れるとされている。また、特許文献10には、リン酸基を含む重合性化合物を含むインキ組成物が開示されており、このインキ組成物は被記録材との密着性が高いとされている。
特開平5−100423号公報 特開平7−76663号公報 特開2002−129079号公報 特開昭56−66089号公報 特開昭56−157089号公報 特開昭58−50794号公報 特公昭59−41320号公報 特開2002−241647号公報 特開2007−131755号公報 特開2006−328227号公報
特許文献1〜3には、分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むエッチングレジスト樹脂組成物をインクジェット用インキとする記載はない。発明者らが予備的に、当該文献に記載のエッチングレジスト樹脂組成物をインクジェット用インキとして試してみたところ、吐出が困難であることが確認された。
また、発明者らは、特許文献4〜9に記載のインクジェット用インキ組成物、および特許文献10に記載のインキ組成物について、インクジェットにより硬化膜を作製し、エッチングレジストとしての性能を評価した。しかしながら、これらの硬化膜は、金属板との密着性、耐エッチング液性、およびアルカリ剥離性をいずれも十分に満足するレベルではなかった。
このような状況に鑑み、本発明は、金属板との密着性、耐エッチング液性、およびアルカリ剥離性に優れた硬化物を与え、かつインクジェットで安定して吐出が可能なエッチングレジスト用インクジェットインキ組成物を提供することを目的とする。
発明者らは鋭意検討した結果、特定の重合性エステル化合物と、特定の分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基を有さない多官能性モノマーと、分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基とカルボキシル基を有さない単官能性モノマーを、それぞれ特定量含み、かつ、25℃における粘度が特定の範囲に調整されたインキ組成物により上記課題が解決できることを見出した。すなわち上記課題は以下の本発明により解決される。
[1]活性エネルギー線により重合可能な重合性モノマーを含むエッチングレジスト用インクジェットインキ組成物であって、
25℃における粘度は、3〜50mPa・sであり、
前記重合性モノマーは全モノマー中に、
(1)下記一般式(I)で表される重合性エステル化合物1〜30質量%と、
(2)分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基を有さない多官能性モノマーであって、前記エチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×10−3mol/gである多官能性モノマーを10〜75質量%と、
(3)分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基およびカルボキシル基を有さない単官能性モノマーを10〜75質量%を含む、エッチングレジスト用インクジェットインキ組成物。
Figure 0005518311
[式中、Xは炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、Yは炭素数が2または3のアルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す]
[2]前記重合性モノマーは、全モノマー中に、さらに、分子内にリン酸エステル基とエチレン性二重結合基を有する重合性リン酸エステル化合物を3〜10質量%含む、[1]記載の組成物。
[3]前記重合性エステル化合物は、前記一般式(I)におけるXがエチレン基である化合物である、[1]または[2]記載の組成物。
[4]前記多官能性モノマーは、下記一般式(B1)または(B2)で表される化合物である、[1]〜[3]いずれかに記載の組成物。
Figure 0005518311
[式中、Rは独立に水素原子またはメチル基を表し、R10は独立に炭素数が1〜5のアルキル基を表し、Pは0〜4の整数を表し、Xは、単結合、メチレン基、またはイソプロピリデン基を表し、nとmはそれぞれ0〜6の数を表す]
Figure 0005518311
[式中、Rは前記一般式(B1)と同様に定義され、R20は炭素数が3〜9のアルキレン基を表す]
[5]金属板の上に[1]〜[4]いずれかに記載の組成物を吐出する工程と、活性エネルギー線を照射して前記組成物を硬化させる工程と、前工程で得た金属板の表面をエッチングする工程と、
エッチングされた金属板をアルカリ液で処理して、前記硬化された組成物を除去する工程、を含むエッチング金属板の製造方法。
本発明により、金属板との密着性、耐エッチング液性、およびアルカリ剥離性に優れた硬化物を与え、かつインクジェットで安定して吐出が可能なインクジェット用インキ組成物が提供できる。
1.エッチングレジスト用インクジェットインキ組成物
本発明のエッチングレジスト用インクジェットインキ組成物(以下、単に「インキ組成物」ともいう)は、活性エネルギー線により重合可能な重合性モノマーを含む。この重合性モノマーは、(1)一般式(I)で表される重合性エステル化合物と、(2)分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基を有さない多官能性モノマーであって、前記エチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×10−3mol/gである多官能性モノマーを10〜75質量%と、(3)分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基とカルボキシル基を有さない単官能性モノマーを10〜75質量%を含み、25℃における粘度は、3〜50mPa・sであることを特徴とする。本発明において記号「〜」は、その両端の数値を含む。
(1)重合性エステル化合物
本発明のインキ組成物は、一般式(I)で表される重合性エステル化合物を、全モノマー中に1〜30質量%含む。
Figure 0005518311
一般式(I)で表される重合性エステル化合物(以下単に「本発明の重合性エステル化合物」ともいう)は、金属との密着性、耐エッチング液性、アルカリ剥離性に優れた硬化物を与える。金属との密着性は、本発明の重合性エステル化合物のカルボキシル基が金属表面に存在する水酸基等と反応しうるために向上すると考えられる。耐エッチング液性は、本発明の重合性エステル化合物がエッチング液に対して安定な化学構造を有するとともに、他のモノマーとともに架橋構造を形成し強固な硬化物を与えることにより向上すると考えられる。アルカリ剥離性は、本発明の重合性エステル化合物のカルボキシル基またはこれに由来するエステル基が、アルカリにより加水分解されることにより向上すると考えられる。
また、本発明の重合性エステル化合物は、式(1)で示すように分子内で会合しやすい。そのため、一般のカルボキシル基を有する化合物のように、他の分子と二量体を形成しにくい(式(2)参照)。よって、本発明の重合性エステル化合物は、硬化物の金属との密着性、耐エッチング液性、およびアルカリ剥離性を向上させるために、インキ組成物に十分な量が添加されていても、粘度を増加させにくい。
Figure 0005518311
Figure 0005518311
式(1)、(2)においてZは任意の有機基を表し、Xは炭素数が1〜3のアルキレン基を表す。
一般式(I)において、Xは炭素数が1〜3のアルキレン基を表す。Xが炭素数1のアルキレン基であると、カルボニル基とカルボキシル基が接近しやすいので、式(1)に示す分子内会合が生じやすい。また、Xが炭素数2または3のアルキレン基であると、カルボニル基とカルボキシル基の距離はやや離れるものの、アルキレン基中の炭素炭素結合が回転可能であるため分子内会合が生じやすい。
これに対して、Xが炭素数4以上のアルキレン基であると、カルボニル基とカルボキシル基の距離が遠くなりすぎるため、分子内会合が起こりにくくなる。また、Xが1,2−フェニレン基のような芳香族炭化水素基であると、カルボニル基が結合する芳香環上の2つの炭素間の結合が回転できないため、分子内会合が起こりにくくなる。分子内会合が起こりにくい化合物は、前述のとおり、式(2)で表されるように他の分子と会合して二量化しやすくなる。
炭素数が1〜3のアルキレン基の例には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、およびイソプロピリデン基が含まれる。中でも、分子内会合が生じやすいため、Xはメチレン基またはエチレン基が好ましく、特にエチレン基が好ましい。
本発明の重合性エステル化合物において、Xがメチレン基である化合物はマロン酸エステル化合物、Xがエチレン基である化合物は、コハク酸エステル化合物、Xがプロピレン基である化合物は、グルタル酸エステル化合物とも呼ばれる。
一般式(I)において、Yは炭素数が2または3のアルキレン基を表す。炭素数が2または3のアルキレン基の例には、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、およびイソプロピリデン基が含まれる。前述のとおり、カルボキシル基は金属表面と結合し、重合性官能基は他の重合性官能基と重合する。Yの炭素数が多くなると、重合性官能基とカルボキシル基との間の分子量が大きくなるので、金属との結合部位と、重合部位との距離が長くなり、この間にエッチング液が浸透しやすくなることがある。その結果、Yの炭素数が多くなると、硬化物の耐エッチング液性が低下することがある。このためYはエチレン基が好ましい。
Rは水素原子またはメチル基である。
本発明の重合性エステル化合物の具体例には、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルマロン酸、および2−アクリロイロキシエチルグルタル酸が含まれる。本発明における粘度は、コーンプレート型粘度計により25℃で測定される。コーンプレート型粘度計は公知のものを用いてよい。測定条件は、せん断速度230(1/s)、回転数:60rpmとすることが好ましい。
2−アクリロイロキシエチルコハク酸の25℃における粘度は、180mPa・sであり、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の25℃における粘度は、160mPa・sである。一方、一般式(I)で表される化合物とは異なる重合性エステル化合物である2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸の25℃における粘度は、4000mPa・s程度であり、本発明の重合性エステル化合物の粘度よりも高い。
本発明の重合性エステル化合物は、市販のものを購入して得てよいが、合成して得てもよい。重合性エステル化合物は、例えば、以下の工程を経て合成できる。
1)コハク酸等のジカルボン酸とエチレングリコール等のジオールを反応させてモノエステルを得る工程、
2)前工程で得たモノエステルと、アクリル酸またはメタアクリル酸を反応させる工程。
前記の各工程は定法により行ってよい。
本発明の重合性エステル化合物の含有量は、インキ組成物を構成する全モノマー中、1〜30質量%であるが、10〜30質量%が好ましい。特に、本発明のインキ組成物が重合性モノマーとして分子内にリン酸エステル基とエチレン性二重結合基を有する重合性リン酸エステル化合物(以下単に「重合性リン酸エステル化合物」ともいう)を含まないときは、重合性エステル化合物の前記含有量は10〜30質量%が好ましい。
一方、本発明のインキ組成物が、重合性リン酸エステル化合物を含むときは、重合性エステル化合物の添加量は、全モノマー中、1〜10質量%であることが好ましい。重合性リン酸エステル化合物については後述する。
(2)多官能性モノマー
本発明のインキ組成物は、分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基を有さない多官能性モノマーであって、エチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×10−3mol/gである多官能性モノマー(以下、「特定多官能性モノマー」ともいう)を、全モノマー中に10〜75質量%含む。
エチレン性二重結合基とは、エチレンから水素原子を1つ引き抜いた基をいう。この場合、エチレンは置換基を有していてもよい。エチレン性二重結合基の例には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、およびビニリデン基が含まれる。中でも、入手が容易であることからエチレン性二重結合基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基またはアクリロイル基を意味する。
特定多官能性モノマーの例には、分子内にエチレン性二重結合基を2〜6個含有する化合物が含まれる。中でも、特定多官能性モノマーとしては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましい。入手が容易であり、かつ活性エネルギー線により重合しやすいからである。
エチレン性二重結合基量とは、エチレン性二重結合基量/分子量で定義され、その単位はmol/gである。本発明の特定多官能性モノマーとしては、エチレン性二重結合基量が前記範囲であるものを一種類用いればよい。あるいは、エチレン性二重結合基量が前記範囲にある特定多官能性モノマー、またはエチレン性二重結合基量が前記範囲にない多官能性モノマーを二種類以上併用して、多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量を前記範囲に調整してもよい。
二種類以上の多官能性モノマーを用いる場合、本発明の特定多官能性モノマーのエチレン性二重結合基量は、次のように求められる。例えば、次のような三種類の多官能性モノマーを用いる場合、エチレン性二重結合基量は、数式(3)で求められる。
モノマーx:エチレン性二重結合基数Nx(個)、分子量Mx(g/mol)、配合比率x(質量%)
モノマーy:エチレン性二重結合基数Ny(個)、分子量My(g/mol)、配合比率y(質量%)
モノマーz:エチレン性二重結合基数Nz(個)、分子量Mz(g/mol)、配合比率z(質量%)
混合物のエチレン性二重結合基量=(Nx)/(Mx)×x/100+(Ny)/(My)×y/100+(Nz)/(Mz)×z/100 ・・・(3)
インキ組成物が多官能性モノマーを含むと、架橋密度が向上し、硬化膜の強度が向上する。しかし、架橋密度が高くなりすぎると、化学的に安定になりすぎ、「耐エッチング液性」と「アルカリ剥離性」が低下することがある。本発明のインキ組成物は、エチレン性二重結合基量が特定の範囲に調整された特定多官能性モノマーを含むため、硬化膜の強度と「耐エッチング液性」と「アルカリ剥離性」のバランスに優れる。
本発明のインキ組成物に含まれる、特定多官能性モノマーは、公知のものを用いてよい。しかしながら、本発明においては、以下の一般式(B1)または(B2)を用いることが好ましい。
Figure 0005518311
一般式(B1)において、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。「独立に」とは、例えば、2つのRのうち一方は水素原子であり、もう一方がメチル基であってもよいことを意味する。R10はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5のアルキル基を表す。Pはベンゼン環に置換するR10の数を示し、0〜4の整数である。Xは、単結合、メチレン基、またはイソプロピリデン基を表す。nとmはそれぞれ0〜6の数を表す。
このような化合物は、エチレングリコール変性ビスフェノールの(メタ)アクリレートとして入手が可能である。本発明においては、ビスフェノールをエチレングリコールで変性したものと、アクリル酸を反応させて得られる化合物であることが好ましい。この際、n+mは、3〜5であることが好ましく、4であることがより好ましい。
Figure 0005518311
一般式(B2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R20は炭素数が3〜9のアルキレン基を表す。アルキレン基は、その異性体も含む。本発明においては、へキシレン基やペンチレン基が好ましい。
特定多官能性モノマーの含有量は、全モノマー中、10〜75質量%であるが、55〜65質量%であることが好ましい。
(3)単官能性モノマー
本発明のインキ組成物は、分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基およびカルボキシル基を有さない単官能性モノマーを10〜75質量%を含む。単官能モノマーの例には、以下の化合物が含まれる。
2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート。
中でも、単官能性モノマーとしては、分子内に(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましく、下記一般式(C1)または(C2)で表される化合物が好ましい。入手が容易であり、かつ活性エネルギー線により重合しやすいからである。
Figure 0005518311
一般式(C1)において、R30はアルキル基であり、好ましくは炭素数が8〜15のアルキル基である。アルキル基はその異性体も含む。Rは水素原子またはメチル基であるが、水素原子の方が立体障害が少なく、ラジカル重合しやすいので好ましい。
Figure 0005518311
一般式(C2)において、R31はアルキル基であり、好ましくはメチル基またはエチル基である。R32、R33はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基である。nは、1〜3の整数であり、好ましくは、2または3である。Rは水素原子またはメチル基であるが、水素原子の方が立体障害が少なく、ラジカル重合しやすいので好ましい。
これらの化合物は単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。これらの単官能性モノマーを含むインキ組成物は、粘度が低く、インクジェットによる安定な吐出が可能である。単官能性モノマーの含有量は、全モノマー中、10〜75質量%である。
(4)光重合開始剤
本発明のインキ組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、分子内結合開裂型や分子間水素引き抜き型のいずれも使用できる。
分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には以下のものが含まれる。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のヘンゾイン化合物。
2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物。
分子間水素引き抜き型の光重合開始剤の例には以下のものが含まれる。
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物。
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン化合物。
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物。
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン。
メチルフェニルグリオキシエステル、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物。
光重合開始剤の添加量は、インキ組成物に対して、0.01〜15.0質量%とすることが好ましい。
さらに、本発明のインキ組成物は、硬化反応をより効率的に行うために、光増感剤を含んでいてもよい。光増感剤の例には、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミン化合物が含まれる。光増感剤の添加量は、インキ組成物に対して0.01〜10.0質量%とすることが好ましい。
(5)重合性リン酸エステル化合物
本発明のインキ組成物は、重合性リン酸エステル化合物を含んでいてもよい。重合性リン酸エステル化合物とは、分子内にリン酸エステル基とエチレン性二重結合基を有する化合物である。重合性リン酸エステル化合物は、カルボキシル基を含む化合物に比べ、金属密着性向上に大きな効果がある。そのため、少量でその効果が得られることから、これを含むインキ組成物は、粘度を低くすることができる。よって、重合性リン酸エステル化合物を含む本発明のインキ組成物は、粘度の上昇を伴わずして、耐エッチング液性やアルカリ剥離性が向上する。
リン酸エステル基とは、下記式(a1)〜(a3)のいずれかで表される基をいう。本発明のリン酸エステル基としては、式(a2)または(a3)で表される基、いわゆる酸性リン酸エステル基が好ましい。これらの基は、水酸基を有するため、金属表面に存在する水酸基と縮合反応を起こす等により、金属との密着性を向上させるからである。式(a3)で表されるリン酸エステル基を有する化合物を含む組成物は、特に金属との密着性に優れた硬化物を与える。また、式(a2)で表されるリン酸エステル基を含む組成物は、粘度が極めて低いという利点を有する。よって、リン酸エステル基の構造は、目的とする物性に応じて適宜選択してよい。またリン酸エステル基は、硬化物のアルカリ剥離性を向上させる機能も担う。
Figure 0005518311
重合性リン酸エステル化合物は市販品を用いてもよいが、分子内に(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物とリン酸をエステル化反応させて得てもよい。
分子内に(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物の例には以下のものが含まれる。
2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート。
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート。
中でも、本発明の重合性リン酸エステル化合物としては、下記一般式(A1)〜(A4)で表される化合物が好ましい。金属との密着性やアルカリ剥離性に優れ、かつ入手が容易であるからである。
Figure 0005518311
式(A1)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を表す。Rは、インキ組成物としたときの粘度が低くなるためにメチル基であることが好ましい。またRは、金属との密着性とアルカリ剥離性のバランスに優れるためエチレン基であることが好ましい。Rがエチレン基である化合物は、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェートまたはリン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチルとも呼ばれる。
Figure 0005518311
式(A2)において、Rは独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは独立して炭素数が1〜4のアルキレン基を表す。Rは、インキ組成物としたときの粘度が低くなるためにメチル基であることが好ましい。またRは、金属との密着性とアルカリ剥離性のバランスに優れるためエチレン基であることが好ましい。Rがエチレン基である化合物は、ジ{2−(メタ)アクリロイロキシエチル}アシッドホスフェートまたはリン酸ジ2−(メタ)アクリロイロキシエチルとも呼ばれる。
Figure 0005518311
式(A3)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数が1〜10のアルキレン基を表す。Rは、インキ組成物としたときの粘度が低くなるためにメチル基であることが好ましい。Rは、金属との密着性とアルカリ剥離性のバランスに優れるため、エチレン基であることが好ましく、Rはペンチレン基であることが好ましい。
Figure 0005518311
式(A4)において、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜10のアルキレン基を表す。Rは、インキ組成物としたときの粘度が低くなるためにメチル基であることが好ましい。Rは、金属との密着性とアルカリ剥離性のバランスに優れるため、エチレン基であることが好ましく、Rはペンチレン基であることが好ましい。
重合性リン酸エステル化合物は、インキ組成物を構成する全モノマー中、3〜10質量%が好ましく、5〜7質量%がより好ましい。前述のとおり、この場合、本発明の重合性エステル化合物の含有量は、全モノマー中、1〜10質量%であることが好ましい。
(6)その他の添加物
さらに本発明のインキ組成物は、必要に応じて、上記以外の化合物であって他の成分と反応しない化合物、樹脂、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、または染料などを適宜併用することもできる。
本発明のインキ組成物は、着色する必要は特にないがピンホールチェック等の印字品質の確認のために着色してもよい。その場合に使用できる着色顔料は特に限定されないが、分散が必要な顔料よりも溶けやすい染料による着色が好ましい。
本発明のインキ組成物は、実質的に溶剤を必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンや、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステルや、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素や、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルアルコール等のアルコールや、その他一般によく用いられる有機溶剤を含んでいてもよい。
次に、本発明のインキ組成物の特性について説明する。
(i)粘度
本発明のインキ組成物は、25℃での粘度が3〜50mPa・sである。さらに、本発明のインキ組成物は、一般にインクジェットでの吐出温度とされる25〜80℃において、粘度が3〜35mPa・sであることが好ましく、7〜20mPa・sであることがより好ましい。前記温度範囲における粘度が前記範囲であるインキ組成物は、インクジェットで安定して吐出することができる(「吐出性に優れる」ともいう)。25℃での粘度が3mPa・s未満であると、10〜50kHzの高周波数のピエゾ型インクジェットヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められることがある。25℃での粘度が、50mPa・sを超えると、加熱装置をインクジェットのヘッドに配置したとしても、吐出が不安定となることがある。
インキ組成物の粘度は、重合性エステル化合物または重合性リン酸エステルの含有量により調整できる。インキ組成物の粘度は、前述のとおり、コーンプレート型粘度計により測定される。
(ii)表面張力
本発明のインキ組成物は、表面張力が20〜40mN/mであることが好ましい。表面張力は、インクジェットヘッドからの吐出性と、金属板にパターンを描画するときの解像度に影響する。表面張力が前記範囲にあるインキ組成物は、吐出性と前記解像度に優れる。表面張力は、各種の界面活性剤を添加する等、公知の方法により調整される。表面張力は、公知の方法、例えば、懸滴法やリング法により測定してよいが、プレート法にて測定することが好ましい。例えば、表面張力は、協和界面科学株式会社製 CBVP−Z型等を用いて測定できる。
2.本発明のインキ組成物の製造方法
本発明のインキ組成物は、混合機、分散機、撹拌機を用いて各成分を分散または溶解して製造される。この混合機、分散機、撹拌機の例には、プロペラ型撹拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー、プロペラ型撹拌機、ピストン型高圧乳化機、ホモミキサー、超音波式乳化分散機、加圧ノズル式乳化機、高速回転高せん断型撹拌分散機、コロイドミル、およびメディア型分散機が含まれる。メディア型分散機とは、ガラスビーズおよびスチールボール等の媒体を使用して粉砕・分散を行う装置である。その例には、サンドグラインダー、アジテーターミル、ボールミルおよびアトライター等が含まれる。これらの装置は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、混合機、分散機、撹拌機は組み合わせて使用することもできる。
インキ組成物は、孔径3μm以下、さらには1μm以下のフィルターにて濾過されることが好ましい。
3.エッチング金属板の製造方法
本発明のインキ組成物を用いることにより、エッチング金属板が製造できる。エッチング金属板は、本発明の効果を損なわない限り任意に製造してよいが、以下好ましい方法を説明する。
エッチング金属板は、(a)金属板の上に本発明のインキ組成物を吐出する工程と、(b)活性エネルギー線を照射して前記組成物を硬化させる工程と、(c)前工程で得た金属板の表面をエッチングする工程と、(d)エッチングされた金属板をアルカリ液で処理して、前記硬化された組成物を除去する工程、を含む方法で製造されることが好ましい。
(a)工程では、通常のインクジェット記録装置を用いて金属板の上に本発明のインキ組成物が吐出される。インクジェット記録装置は、インキ組成物供給手段、温度センサー、活性エネルギー線照射手段を含むことが好ましい。インキ組成物供給手段は、インキ組成物を充填するための元タンク、供給配管、インクジェットヘッドの手前に配置されたインク供給タンク、フィルター、およびピエゾ型のインクジェットヘッドを含むことが好ましい。ピエゾ型のインクジェットヘッドは1〜100plのマルチドットが好ましい。解像度は320×320〜4000×4000dpiが好ましい。dpiとは2.54cm当たりのドット数である。
インキ組成物の吐出は、インクジェットヘッドおよびインキ組成物を35〜100℃に加熱して行うことが好ましい。インキ組成物は、温度変化による粘度の変化が、画質に影響を与える。そのため、インキ組成物の温度を上げながらその温度を一定に保つことが好ましい。インキ組成物の温度の制御幅は、設定温度に対して±5℃であることが好ましく、±2℃であることがより好ましく、±1℃であることがさらに好ましい。
金属板は、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼や、SUS410、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼を用いることができる。機械的強度が要求される用途では、オーステナイト系、フェライト系ステンレス鋼を冷間圧延で加工硬化した材料や、SUS420系等のマルテンサイト系ステンレス鋼板や、SUS631等の析出強化型ステンレス鋼板を使用することが好ましい。また、ステンレス鋼板以外に、銅、炭素鋼、鉄−ニッケル系合金を用いてもよい。
(b)工程では、活性エネルギー線を照射してインキ組成物を硬化させる。活性エネルギー線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、アルファ線、ベータ線、またはガンマ線等をいう。この際に用いる、活性エネルギー線源の好ましい例には、水銀ランプ、低圧水銀ランプ、低圧・固体レーザー、キセノンフラッシュランプ、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、発光ダイオード(LED)、およびレーザーダイオード(LD)が含まれる。
本発明においては、活性エネルギー線源として、320〜390nmのメタルハライドランプを用いることが好ましい。また、GaN系の紫外LEDや紫外LDは、水銀を使用しないため環境保護の観点から好ましい。紫外LDは小型、高寿命、高効率、かつ低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
活性エネルギー線は、インキ組成物が、金属板に付着した後0.01〜2.0秒の間に照射されることが好ましく、0.01〜1.0秒の間に照射されることがより好ましい。照射タイミングをできるだけ早くすると、高精細な画像を形成できる。また、硬化に有効な波長域における最高照度が500〜3000mW/cmの活性エネルギー線を用いることが好ましい。
硬化膜の総膜厚は、2〜20μmであることが好ましい。前記膜厚が2μm未満では十分な耐エッチング液性を保持することが困難となる場合がある。逆に前記膜厚が20μmを超えると十分な解像度を得ることが難しくなることがある。本発明においては、活性エネルギー線照射後、必要に応じて硬化膜に熱処理を行なってもよい。熱処理により硬化膜の内部応力緩和等の効果が発現し、金属板と硬化膜の密着性が向上する場合がある。
(c)工程では、(b)工程で得た金属板の表面をエッチングする。エッチングは金属板をFeCl水溶液等に浸漬する等の公知の方法で行えばよい。
(d)工程では、エッチングされた金属板をアルカリ液で処理して、前記硬化された組成物を除去する。この工程も金属板を水酸化ナトリウム溶液に浸漬する等の公知の方法で行えばよい。
以下の重合性モノマー、光重合開始剤を準備した。
[本発明の重合性エステル化合物]
・2−アクリロイロキシエチルコハク酸(新中村化学工業(株)製、商品名NK ESTER A−SA)
・2−メタクリロイロエチルコハク酸(新中村化学工業(株)製、商品名NK ESTER SA)
[多官能性モノマー]
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレート1.6HX−A)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは、官能基数が2個、分子量が226であるため、エチレン性二重結合基量は、2/226=8.8×10−3(mol/g)と算出された。
・EO変成ビスフェノールAジアクリレートn+m≒4(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートBP−4EA、エチレンオキサイドユニットの繰り返し数n+mが約4のジアクリレート)
このEO変成ビスフェノールAジアクリレートは、官能基数が2個、分子量が512であるため、エチレン性二重結合基量は、2/512=3.9×10−3(mol/g)と算出された。
[単官能性モノマー]
・ドデシルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートL−A)
・メトキシジプロピレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDPM−A)
[重合性リン酸エステル化合物(A2)]
・ジ(2−メタアクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学(株)製、ライトエステルP−2M)
[光重合開始剤]
・ベンゾフェノン
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー(株)製、イルガキュア184)
[重合性カルボン酸化合物]
・2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートHOA−HH)
・2−アクリロイロキシエチルフタル酸(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートHOA−MPL)
参考例1]
27.8質量部の2−アクリロイロキシエチルコハク酸と、32.6質量部の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、12.4質量部のドデシルアクリレートと、27.2質量部のEO変成ビスフェノールAジアクリレートn+m≒4を、ホモミキサーに入れて遮光下、ドライエア雰囲気中35℃に加温して1時間攪拌した。
次に、光重合開始剤を前記分散物に添加し、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに攪拌した。この混合物を孔径2μmのメンブランフィルターで加圧濾過してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の25℃における粘度は、東機産業(株)製コーンプレート型粘度計(TVE−22L)を用いて測定された。
この組成物に含まれる、特定多官能性モノマーのエチレン性二重結合基量は、以下のように算出された。
3.9E−3×(27.2/(27.2+32.6))+8.8E−3×(32.6/(27.2+32.6))=6.57E−3(mol/g)
ピエゾ型インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタを用いて、このインキ組成物を0.5mm厚みのSUS304 BAの表面に吐出し、1cm×5cmの像を描画した。
描画後、約0.4秒後にアイグラフィクス(株)製のUV照射装置(メタルハライドランプM0151−L212 1灯:120W)により、金属板にUVを照射し、インキ組成物を硬化し硬化膜を得た。この際、金属板の搬送速度を10m/分とし、4回UVを照射した。さらに、オーブンで120℃15分間熱処理した。形成された像の膜厚は8μmであり、均一であった。
得られた金属板は、次のように評価された。
1)金属板との密着性
耐エッチング液性試験を行う前の金属板上の硬化膜に、JIS G3320に準じて碁盤目状の切り込みを入れた。次に、硬化膜の上に、粘着テープを貼付し、引き剥がすことによって、硬化膜の剥離状況を観察した。碁盤目100個当りの剥離がない碁盤目の個数により、硬化膜の密着性を評価した。50/100以上が実用可能である。
2)耐エッチング液性
前記のとおり作製された金属板を液温60℃、濃度43%のFeCl水溶液に30分間浸漬し、硬化膜の表面状態を目視にて判定した。判定基準は次のとおりとした。△以上が実用可能である。
○:全く変化なし、△:着色あり、×:膨らみまたは剥がれ等あり
3)アルカリ剥離性
耐エッチング液性を評価した後の金属板を、80℃、濃度10%のNaOH水溶液に1分間浸漬し、硬化膜の溶解性または剥離性を目視にて判定した。判定基準は次のとおりとした。
◎:完全に溶解・剥離した、○:完全に溶解しないが剥離した、×:剥離しない
[実施例9および参考例2〜6,10〜13
表1に示すとおりのモノマーと光重合開始剤を用いて、参考例1と同様にしてインキ組成物を製造した。得られたインキ組成物を用いて、参考例1と同様にして、硬化膜が形成された金属板を作製し、評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0005518311
[比較例1〜13]
表2に示すとおりのモノマーと光重合開始剤を用いて、参考例1と同様にしてインキ組成物を製造した。得られたインキ組成物を用いて、参考例1と同様にして、硬化膜が形成された金属板を作製し、評価した。結果を表2に示す。比較例7〜10は、組成物の粘度が大きいためインクジェット吐出できず、硬化膜を作製できなかった。よって、物性評価は行えなかった。表2において、このことは「−」で示した。
Figure 0005518311
表1と表2の結果から明らかなように、本発明のインキ組成物は、粘度が低く、これにより得られた硬化物は、金属板との密着性、耐エッチング液性およびアルカリ剥離性に優れることが明らかである。
本発明のインキ組成物は、金属板との密着性、耐エッチング液性、およびアルカリ剥離性に優れた硬化物を与え、かつインクジェットで安定して吐出できる粘度を有するため、インクジェット用インキ組成物として有用である。

Claims (4)

  1. 活性エネルギー線により重合可能な重合性モノマーを含むエッチングレジスト用インクジェットインキ組成物であって、
    25℃における粘度は、3〜50mPa・sであり、
    前記重合性モノマーは全モノマー中に、
    (1)下記一般式(I)で表される重合性エステル化合物1〜0質量%と、
    (2)分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基およびカルボキシル基を有さない多官能性モノマーであって、前記エチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×10−3mol/gである多官能性モノマーを10〜75質量%と、
    (3)分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基およびカルボキシル基を有さない単官能性モノマーを10〜75質量%と、
    (4)分子内にリン酸エステル基とエチレン性二重結合基を有する、下記一般式(A1)〜(A4)のいずれかで表される重合性リン酸エステル化合物を3〜10質量%と、
    含む、
    エッチングレジスト用インクジェットインキ組成物。
    Figure 0005518311
    [式中、Xは炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、Yは炭素数が2または3のアルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す]
    Figure 0005518311
    [式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R は炭素数が1〜4のアルキレン基を表す]
    Figure 0005518311
    [式中、Rは独立して水素原子またはメチル基を表し、R は独立して炭素数が1〜4のアルキレン基を表す]
    Figure 0005518311
    [式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R は炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、R は炭素数が1〜10のアルキレン基を表す]
    Figure 0005518311
    [式中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R はそれぞれ独立に炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、R はそれぞれ独立に炭素数が1〜10のアルキレン基を表す]
  2. 前記重合性エステル化合物は、前記一般式(I)におけるXがエチレン基である化合物である、請求項1記載の組成物。
  3. 前記多官能性モノマーは、下記一般式(B1)または(B2)で表される化合物である、請求項1記載の組成物。
    Figure 0005518311
    [式中、Rは独立に水素原子またはメチル基を表し、R10は独立に炭素数が1〜5のアルキル基を表し、Pは0〜4の整数を表し、Xは、単結合、メチレン基、またはイソプロピリデン基を表し、nとmはそれぞれ0〜6の数を表す]
    Figure 0005518311
    [式中、Rは前記一般式(B1)と同様に定義され、R20は炭素数が3〜9のアルキレン基を表す]
  4. インクジェット記録装置を用いて金属板の上に請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を吐出する工程と、
    活性エネルギー線を照射して前記組成物を硬化させる工程と、
    前工程で得た金属板の表面をエッチングする工程と、
    エッチングされた金属板をアルカリ液で処理して、前記硬化された組成物を除去する工程、を含むエッチング金属板の製造方法。
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