JP5515334B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンとモータとを併用して走行するハイブリッド車両の制御装置に関する技術分野に属する。
一般に、ハイブリッド車両としてはシリーズ方式と呼ばれるものと、パラレル方式と呼ばれるものとがある。シリーズ方式のものは、エンジンでジェネレータを駆動して発電を行い、電力をバッテリに蓄える。そして、バッテリからモータに電力を供給し、このモータによって走行用の駆動力を得るようにしている。一方、パラレル方式のものは、エンジンとモータとを併用して走行するよう構成されている。つまり、エンジンでジェネレータを駆動してバッテリを充電する点は上記シリーズ方式と同様であるが、該シリーズ方式とは異なり、バッテリの電力で駆動するモータによる走行だけでなく、エンジンのみによる走行やエンジン及びモータの双方による走行も可能に構成されている。そして、通常、発進時にはモータで走行し、車速が上がってくるとモータからエンジンに駆動源を切り換えて走行するようにしている。また、急発進や急加速のように大きな駆動力を要する場合にはモータとエンジンの双方によって走行するようにしている。
上記のパラレル方式のハイブリッド車両では、例えば、モータは駆動輪に直結する一方、エンジンはクラッチを介して駆動輪に連結する。そして、モータのみで走行する際には上記クラッチを切り、エンジンのみ又はエンジン及びモータの両方で走行する際には上記クラッチを締結するようにしている。
一方、例えば特許文献1に示されているように、ハイブリッド車両において、エンジンの出力軸に連結される第1のロータと、この第1のロータの外周側に配設されかつ駆動輪と連結される第2のロータと、この第2のロータの外周側に配設されるステータとを設け、第1のロータ及びステータにコイルをそれぞれ配設し、第2のロータに磁石を配設して、第1のロータと第2のロータとで第1のモータを構成し、第2のロータとステータとで第2のモータを構成することが提案されている。
特開平9−56010号公報
上記パラレル方式のハイブリッド車両では、シリーズ方式とは異なり、上記のような、エンジンと駆動輪とを断接するクラッチが必要になるが、そのクラッチにおける駆動輪側とエンジン側との回転差が大きな状態でクラッチを締結すると、クラッチの損傷を招くという問題があり、また、例えばエンジン側の回転が低い状態でクラッチを締結すると、車体に減速によるショックが生じるという問題がある。このようにクラッチを設ける構成では、種々の問題が生じるため、ハイブリッド車両においても、クラッチをなくすようにすることが要求されている。
そこで、上記特許文献1の構成を採用することが考えられ、この構成では、第1のモータにおける第1のロータと第2のロータとを電磁的に断接することができるので、上記クラッチを廃止することが可能になる。そして、エンジンで第2のロータを駆動する場合には、第1のモータを制御して、第1のロータと第2のロータとを電磁力で結合した状態とする。また、この状態で第2のモータを駆動すれば、エンジン及び第2のモータの双方で第2のロータを駆動することが可能になる。さらに、車両の発進時等のように、エンジンを停止した状態で、第2のモータのみで第2のロータを駆動することができる(第1のロータのコイルはバッテリと接続されずに開放状態にされる)。
ところで、上記特許文献1の構成を採用した場合において、エンジンを始動させるには、バッテリから第1のロータのコイルに電力を供給することで第1のロータにクランキングトルクを発生させ、このクランキングトルクでエンジンをクランキングして始動させることが好ましい。
しかし、第2のモータのみで第2のロータを駆動しているときに、上記のようにしてエンジンを始動させると、第2のロータ(つまり駆動輪)には、上記クランキングトルクの反作用による、車両を減速させるトルクが生じて、駆動輪の駆動トルクが急激に低下してしまう。このような車両走行中の駆動トルクの変化は、車両の走行に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、乗員に違和感を与えてしまう。また、車両の停止中にエンジンを始動した場合、上記クランキングトルクの反作用により、第2のロータ(駆動輪)が車両前進時とは反対方向に回転して、車両が後退する可能性がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のような第1及び第2のモータを備えたハイブリッド車両において、第1のモータによりエンジンを始動する場合に、その始動に伴って生じる不具合を解消しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、エンジンと、該エンジンの出力軸に連結され、第1のコイルを有する第1のロータと、該第1のロータの外周側に配設されかつ駆動輪と連結され、磁石を有して第1のロータと共に第1のモータを構成する第2のロータと、該第2のロータの外周側に配設されかつ第2のコイルを有して該第2のロータと共に第2のモータを構成するステータと、上記第1のコイルの電流制御を行うための第1のインバータと、上記第2のコイルの電流制御を行うための第2のインバータと、上記第1のコイルへ上記第1のインバータを介して電力を供給するとともに、上記第2のコイルへ上記第2のインバータを介して電力を供給するバッテリとを備えたハイブリッド車両の制御装置を対象として、上記エンジンの作動を制御するとともに、上記第1及び第2のインバータの作動を制御して上記第1及び第2のモータの作動を制御する制御手段を備え、上記制御手段は、上記ハイブリッド車両の走行時でかつ上記エンジンの停止中には、上記第2のインバータにより、上記バッテリから上記第2のコイルへ電力を供給させる第1の運転制御を行うとともに、上記ハイブリッド車両の走行時でかつ上記エンジンの運転時には、該エンジン並びに上記第1及び第2のインバータの作動制御により、上記第2のロータを上記第1のロータに対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させる第2の運転制御を行うよう構成されており、更に上記制御手段は、上記第1の運転制御を実行中に上記エンジンを始動させる際に、上記第1のインバータにより、上記バッテリから上記第1のコイルへ電力を供給して上記第1のロータにクランキングトルクを発生させるとともに、上記第2のコイルへの供給電力量を、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータに生じるトルク分を打ち消すように増大させ、上記ハイブリッド車両の停止中に上記エンジンを始動させる際には、上記第1のインバータにより、上記バッテリから上記第1のコイルへ電力を供給して上記第1のロータにクランキングトルクを発生させるとともに、上記第2のインバータにより、上記バッテリから上記第2のコイルへ、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータに生じるトルクを打ち消すための電力を供給するよう構成され、上記ハイブリッド車両は、該ハイブリッド車両のブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダル踏み込み量検出手段を更に備え、更に上記制御手段は、上記ハイブリッド車両の走行時における上記第1の運転制御の実行中に、上記ブレーキペダル踏み込み量検出手段により検出された上記ブレーキペダル踏み込み量を入力して、上記エンジンの始動要求がありかつ該ブレーキペダル踏み込み量の変化率であるブレーキペダル踏み込み速度が、上記駆動輪にブレーキが急激に作用することを示す、所定値以上であるときに、上記エンジンを始動させるよう構成されているものとした。
上記の構成により、エンジンの始動の際に、第2のコイルへの供給電力量を増大することで、クランキングトルクの反作用により第2のロータに生じるトルク分を打ち消して、駆動輪の駆動トルクの低下を防止することができる。この結果、エンジン始動に伴う駆動輪の駆動トルクの変化を抑制することができ、これにより、車両の走行への悪影響を防止することができるとともに、乗員に違和感を与えるのを防止することができる。
また、車両の走行時でかつエンジンの運転時に、第2のロータを第1のロータに対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させるので、第1のコイルや第1のインバータの半導体スイッチング素子等の損傷を防止することができる。すなわち、第1のロータと第2のロータとを同じ回転速度で回転させると、第1のロータと第2のロータとを電磁力で結合するために、第1のコイルにおける各相の巻線に常に同じ電流を流し続ける必要が生じる。このため、第1のコイルや第1のインバータの半導体スイッチング素子等が損傷する可能性が高くなる。しかし、本発明では、第2のロータを第1のロータに対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させるので、第1のロータと第2のロータとを電磁力で結合するために第1のコイルに流さなければならない電流が刻々と変化し、これにより、第1のコイルや第1のインバータの半導体スイッチング素子等の損傷を防止することができる。
さらに、車両の停止中におけるエンジンの始動の際に、第2のコイルへ電力を供給することで、クランキングトルクの反作用により第2のロータに生じるトルクを打ち消すので、車両が後退するのを防止することができる。
さらにまた、乗員がブレーキペダルを勢い良く踏み込み操作したときに、エンジンが始動するので、そのときに駆動輪の駆動トルクが或る程度変化したとしても、乗員はそのことを感知し難くなる。
第2の発明では、第1の発明において、上記ハイブリッド車両は、該ハイブリッド車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記第1の運転制御の実行中に、上記旋回状態検出手段により検出された上記旋回状態を入力して、上記ハイブリッド車両が旋回しているときには、上記エンジンを始動させないよう構成されているものとする。
すなわち、車両が旋回しているときに、駆動輪の駆動トルクが変化すると、車両の挙動が不安定になる可能性があるが、本発明では、車両が旋回しているときにはエンジンを始動させないので、車両旋回時に挙動が不安定になるのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本発明のハイブリッド車両の制御装置によると、エンジンの出力軸に連結され、第1のコイルを有する第1のロータと、駆動輪と連結され、第1のロータと共に第1のモータを構成する第2のロータと、第2のコイルを有して該第2のロータと共に第2のモータを構成するステータとを備えたハイブリッド車両の走行時でかつ上記エンジンの停止中に、上記バッテリから上記第2のコイルへ電力を供給させる運転制御を行い、該運転制御を実行中に上記エンジンを始動させる際に、上記バッテリから上記第1のコイルへ電力を供給して上記第1のロータにクランキングトルクを発生させるとともに、上記第2のコイルへの供給電力量を、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータに生じるトルク分を打ち消すように増大させることにより、エンジン始動に伴う駆動輪の駆動トルクの変化を抑制して、車両の走行への悪影響を防止することができるとともに、乗員に違和感を与えるのを防止することができる。また、車両の停止中におけるエンジンの始動の際に、第2のコイルへ電力を供給することで、クランキングトルクの反作用により第2のロータに生じるトルクを打ち消すので、車両が後退するのを防止することができる。さらに、乗員がブレーキペダルを勢い良く踏み込み操作したときに、エンジンが始動するので、そのときに駆動輪の駆動トルクが或る程度変化したとしても、乗員はそのことを感知し難くなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたハイブリッド車両1(以下、単に車両1という)の概略構成を示す。この車両1は、エンジン2と、該エンジン2の出力軸3に連結されて該出力軸3と共に回転する第1のロータ5と、この第1のロータ5の外周側に第1のロータ5と同軸上に回転自在に配設され、伝達機構17(ギヤ等)を介して駆動輪18と連結された第2のロータ6と、この第2のロータ6の外周側に配設されたステータ7とを備えている。尚、図1中、19は、駆動輪18(車両1)にブレーキを付与するブレーキ機構である。
図2にも示すように、第1のロータ5における外周側部分には、第1のコイル11が巻かれているとともに、第2のロータ6の内周部には、複数の永久磁石13が配設されている。これら第1のロータ5及び第2のロータ6(永久磁石13を含む内周側部分)は第1のモータ21を構成する。この第1のモータ21は、第1及び第2のロータ5,6の一方をステータと見做せば、アウターロータ型又はインナロータ型の3相交流モータと同様の構成である。
また、第2のロータ6の外周部には、上記永久磁石13とは別に複数の永久磁石14が配設されているとともに、ステータ7の内周側部分には、第2のコイル12が巻かれている。これら第2のロータ6(永久磁石14を含む外周側部分)及びステータ7は第2のモータ22を構成する。この第2のモータ22は、インナロータ型の3相交流モータと同様の構成である。
上記エンジン2の出力軸3における上記第2のロータ6の軸方向外側の部分には、3つのスリップリング25が設けられており、上記第1のコイル11におけるU相、V相及びW相の各巻線のリード部11aが出力軸3内を通って各スリップリング25にそれぞれ接続されている。そして、3つのスリップリング25の外周側には、3つのブラシ26がそれぞれ配設されてスリップリング25に対して摺動するようになされている。上記ブラシ26は、第1のインバータ31(より詳しくは、第1のインバータ31内の半導体スイッチング素子)に接続され、この第1のインバータ31の電源ライン及び接地ラインが、充放電可能なバッテリ33の電源端子(正極端子)及び接地端子とそれぞれ接続されている。このことで、第1のコイル11とバッテリ33とが第1のインバータ31を介して接続されることとなる。
上記第1のインバータ31は、第1のコイル11の電流制御を行うために設けられたものであり、後述のコントローラ61(図3参照)が第1のインバータ31(半導体スイッチング素子)の作動を制御することで、第1のモータ21の作動を制御する。これにより、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して第1のモータ21を駆動したり、第1のコイル11で発電させてその発電電力をバッテリ33に充電させたりすることが可能になる。
上記バッテリ33の電源端子及び接地端子は、更に昇圧コンバータ34(本実施形態では、倍電圧回路を有するもの)を介して第2のインバータ32の電源ライン及び接地ラインとそれぞれ接続され、この第2のインバータ32(半導体スイッチング素子)は、第2のコイル12(U相、V相及びW相の各巻線)と接続されている。このことで、バッテリ33は、第2のインバータ32を介して第2のコイル12とも接続されることになる。第2のインバータ32は、第2のコイル12の電流制御を行うために設けられたものであり、コントローラ61が第2のインバータ32(半導体スイッチング素子)の作動を制御することで、第2のモータ22の作動を制御する。これにより、バッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給して第2のモータ22を駆動したり、第2のコイル12で発電させてその発電電力をバッテリ33に充電させたりすることが可能になる。尚、上記昇圧コンバータ34は必ずしも必要なものではないが、上記昇圧コンバータ34により、バッテリ33の端子間電圧よりも高圧で第2のモータ22を駆動することができ、第2のモータ22を効率良く駆動することが可能になる。
図3に示すように、上記車両1には、該車両1の車速を検出する車速センサ41と、該車両1の乗員のアクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ42と、該車両1の電動スロットルの開度を検出するスロットル開度センサ43と、上記第1のロータ5の回転速度を検出する第1のロータ回転速度センサ44と、上記第2のロータ6の回転速度を検出する第2のロータ回転速度センサ45と、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ46と、エンジン2の排気を浄化するための触媒の温度を検出する触媒温度センサ47と、車両1のステアリングの舵角を検出する舵角センサ48と、上記バッテリ33の端子間電圧(以下、バッテリ電圧という)を検出するバッテリ電圧センサ49と、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するペダル踏み込み量検出手段としてのブレーキペダルセンサ50と、車両1のブレーキの作動状態(つまり上記ブレーキ機構19の作動状態)を検出するブレーキ検出手段としてのブレーキセンサ51とが設けられている。これらセンサ41〜51により検出された検出情報が、制御手段としてのコントローラ61に入力されるようになっている。
上記バッテリ電圧センサ49は、バッテリ33の残容量(充電状態(SOC))を検出するものであり、バッテリ電圧が低くなるほどバッテリ33の残容量が少ないことを示す。尚、バッテリ電圧に加えて、バッテリ33に対する流出入電流値(電流センサにより検出する)の積算値を考慮して、バッテリ33の残容量を検出するようにしてもよい。
上記ブレーキ機構19は、乗員のブレーキペダルの踏み込み操作とは独立に作動させることが可能に構成されたものである。乗員がブレーキペダルを踏み込んだときには、コントローラ61が、ブレーキ機構19を、ブレーキペダルセンサ50により検出される踏み込み量に応じたブレーキ力で作動させる。
上記アクセル開度センサ42は、乗員のアクセルペダルの踏み込み量を検出するペダル踏み込み量検出手段を構成する。
上記コントローラ61は、一般的なCPUやROM、RAM等を有するものであって、上記入力情報に基づいて、上記エンジン2の作動制御(燃料噴射弁や点火プラグの作動制御)を行うとともに、上記第1及び第2のインバータ31,32の作動を制御して第1及び第2のモータ21,22の作動を制御し、また、上記ブレーキ機構19の作動を制御する。
車両1が停止状態から発進(前進)する際には、本実施形態では、エンジン2を停止した状態で、第2のモータ22を駆動する。すなわち、第2のインバータ32を介してバッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給する制御(第1の運転制御)を行う。これにより、第2のロータ6が回転駆動されて駆動輪18が回転する。このとき、第1のコイル11の各相の巻線はバッテリ33と接続されずに開放状態とされるとともに、エンジン2及び第1のロータ5は停止している。
そして、車両1の走行中において、第2のモータ22のみでは第2のロータ6(駆動輪18)の駆動トルクが不足する場合、バッテリ電圧センサ49により検出されたバッテリ電圧が所定電圧(バッテリ33が機能する最低電圧よりも少し高い電圧)以下である場合(バッテリ33の残容量が所定値以下である場合)、エンジン2の停止後において、それまでエンジン2の排気により活性化温度以上に温められていた触媒の温度(上記触媒温度センサ47により検出)が基準温度(活性化温度よりも少し高い温度)よりも低くなったとき等においては、エンジン2を始動する。すなわち、第1のインバータ31を介してバッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して、第1のロータ5に、第2のロータ6を土台にしてクランキングトルクを発生させる。これにより、エンジン2が出力軸3を介してクランキングされて始動する。このようにエンジン2が始動すると、基本的には、エンジン2が、出力軸3及び第1のロータ5(これらは第2のロータ6と同じ方向に回転する)を介して第2のロータ6を駆動する。第2のモータ22は、エンジン2により駆動される第2のロータ6の駆動のアシスト(トルクアシスト)を行う。また、エンジン2のみで第2のロータ6を駆動する場合もある。尚、車両1の後退時には、第2のモータ22のみで、第2のロータ6を前進時とは反対方向に回るように駆動する。
上記第2のコイル12へ電力を供給して第2のモータ22のみで第2のロータ6を駆動しているときにおいて上記エンジン2を始動させる際には、上記第2のコイル12への供給電力量を、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータ6に生じるトルク分を打ち消すように増大させる。すなわち、このように供給電力量を増大しない場合には、第2のロータ6に、上記クランキングトルクの反作用による、車両1を減速させるトルクが生じて、駆動輪18の駆動トルクが急激に低下してしまう。そこで、本実施形態では、第2のコイル12への供給電力量の増大によって、車両1を減速させるトルク分を打ち消して、駆動輪18の駆動トルクの変化を抑制するようにしている。ここで、仮にこのような駆動トルクの変化が或る程度生じたとしても、車両1の乗員がそのことを感知し難くなるようにするために、乗員のアクセルペダルの踏み込み量の変化率であるアクセルペダル踏み込み速度が所定値以上であるときに、上記エンジン2を始動させるようにすることが好ましい。すなわち、その踏み込みによっても第2のコイル12への供給電力量が急激に増大されるので、乗員が上記駆動トルクの変化を感知し難くなる。上記所定値は、このように乗員が駆動トルクの変化を感知し難くなるようなアクセルペダル踏み込み速度に設定すればよい。
本実施形態では、乗員のブレーキペダルの踏み込み量の変化率であるブレーキペダル踏み込み速度が所定値以上であるときに、上記エンジン2を始動させる。この場合、その踏み込みによって急激にブレーキがかかるので、乗員が上記駆動トルクの変化を感知し難くなる。この場合も、上記所定値を、乗員が駆動トルクの変化を感知し難くなるようなブレーキがかかるブレーキペダル踏み込み速度に設定すればよい。
また、舵角センサ48により検出される舵角が所定角度以上であって車両が旋回していると判断されるときには、エンジン2を始動させないようにすることが好ましい。すなわち、車両1が旋回しているときに、駆動輪18の駆動トルクが変化すると、車両1の挙動が不安定になる可能性があるので、このような旋回状態では、エンジン2を始動させないようにするのがよい。この場合、舵角センサ48は、車両1の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を構成することになる。
ここで、車両1の停止中にエンジン2を始動させ、車両1の発進の際に、エンジン2で第2のロータ6を駆動するようにしてもよい。この場合、第2のモータ22が第2のロータ6の駆動をアシストするようにしてもよい。この車両1の停止中におけるエンジン2の始動の際にも、上記と同様に、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して第1のロータ5にクランキングトルクを発生させるとともに、バッテリ33から第2のコイル12へ、上記クランキングトルクの反作用により第2のロータ6に生じるトルクを打ち消すための電力を供給するようにする。これにより、車両1が停止状態から後退するのを防止することができる。この車両1の後退をより確実に防止するために、車両1の停止中におけるエンジン2の始動の際に、ブレーキセンサ51により、上記ブレーキ機構19が作動していないと判断されたときには、該ブレーキ機構19を作動させるようにすることが好ましい。
エンジン2で第2のロータ6を駆動する場合(上記アシストを行う場合も含む)、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁的に結合して第1のロータ5から第2のロータ6へトルクを伝達するべく、第1のコイル11に電流を流す必要がある。この場合、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して第1のコイル11に電流を流すようにしてもよく、エンジン2の駆動力の一部を使用して、第1のコイル11で発電させることで第1のコイル11に電流を流すようにしてもよい。この発電電力のうち余った電力をバッテリ33に充電させることも可能である。さらに、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁的に結合することに加えて、第2のロータ6をエンジン2と第1のモータ21とで駆動するために、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給することも可能である。
ここで、車両1の走行時でかつエンジン2の運転時において、第2のロータ6を第1のロータ5と同じ回転速度で回転駆動すると、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁力で結合するために、第1のロータ5のコイルにおける各相の巻線に常に同じ電流を流し続けなければならなくなる。これを回避するために、本実施形態では、コントローラ61が、エンジン2並びに第1及び第2のインバータ32の作動制御により、第2のロータ6を第1のロータ5に対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させる差回転制御(第2の運転制御)を行うようにしている。
上記差回転制御は、上記第2のロータ6を上記第1のロータ5よりも低速で回転させる低速制御、及び、上記第2のロータ6を上記第1のロータ5よりも高速で回転させる高速制御のうちのいずれか一方を選択的に行う制御であって、上記低速制御時において、上記エンジン回転数センサ46により検出されたエンジン回転数が、該エンジン2の最高効率となる最高効率回転数よりも高く設定された第1設定回転数よりも高くなったときには、上記高速制御を行う一方、該高速制御時において、上記エンジン回転数が、上記最高効率回転数よりも低く設定された第2設定回転数よりも低くなったときには、上記低速制御を行う制御である。
上記第1及び第2設定回転数は、第1乃至第2設定回転数の範囲が上記最高効率回転数を含みかつ効率が比較的良好な範囲となるような値に設定される。例えば、第1設定回転数は3000〜4000rpmに設定され、第2設定回転数は、1500〜2000rpmに設定される。また、上記第1及び第2のロータ5,6の回転速度差である所定回転速度は、上記低速制御から上記高速制御に切り換えたときに、エンジン回転数が上記第2設定回転数と略同じになり、上記高速制御から上記低速制御に切り換えたときに、エンジン回転数が上記第1設定回転数と略同じになるような値が好ましい。例えば、第1設定回転数が4000rpmであり、第2設定回転数が2000rpmである場合、上記所定回転速度は、エンジン回転数に換算した値で1000rpmとすればよい。
尚、上記のような差回転制御に限られるものではなく、第1及び第2のロータ5,6の回転速度が互いに異なっていればよい。
上記高速制御時には、基本的には、第2のコイル12へ電力を供給して第2のモータ22による上記アシストを行い、これにより、第2のロータ6を上記第1のロータ5よりも高速で回転させる。第1のコイル11には、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁力で結合するために、バッテリ33から電力を供給して電流を流すか、又は第1のコイル11での発電により電流を流す。第1のコイル11で発電しながらその発電電力をバッテリ33を介して第2のコイル12へ供給するようにしてもよい。第2のモータ22による上記アシストの程度や、第1のコイル11への電力の供給か又は発電かは、車速やアクセル開度に基づく車両要求トルクを考慮して、第1及び第2のロータ5,6の回転速度差が上記所定回転速度になるように適宜決定される(上記低速制御時も同様)。
尚、上記高速制御時に、バッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給しないで、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して、第1のロータ5と第2のロータ6との結合だけでなく、第2のロータ6をエンジン2と第1のモータ21とで駆動するようにすることが可能である(エンジントルクを低くして、その分だけ第1のモータ21によりトルクアシストする)。
一方、上記低速制御時には、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁力で結合するために、第1のコイル11にバッテリ33から電力を供給して電流を流すか、又は第1のコイル11での発電により電流を流すべく第1のインバータ31を制御するとともに、第2のコイル12の各相の巻線が開放状態となるように第2のインバータ32を制御する(第2のコイル12には電力を供給しないし、発電もしない)。
尚、上記低速制御時においても、バッテリ33から第1のコイル11に電力を供給することで、第2のロータ6をエンジン2と第1のモータ21とで駆動することは可能である(エンジントルクを低くして、その分だけ第1のモータ21によりトルクアシストする)。また、第2のコイル12への電力供給により上記アシストを行うようにしてもよい。
上記コントローラ61による差回転制御の基本動作を、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。図4は、エンジン制御のフローチャートであり、図5は、これに対応するインバータ制御(モータ制御)のフローチャートである。尚、図4及び図5のフローチャートでは、第1のモータ21によるトルクアシストは、上記低速制御時及び高速制御時共に行わず、第2のモータ22によるトルクアシストは、高速制御時のみ行うようにしている。
図4のエンジン制御から説明すると、最初のステップS1で、先ず低速制御を行い(図5のフローチャートのステップS101と同時に行う)、次のステップS2で、車速V、アクセル開度α、スロットル開度TVO、エンジン回転数NE、及び、第1のロータ5の回転速度NR1を、それぞれ対応するセンサより読み込む。
次のステップS3では、少なくとも車速V及びアクセル開度αに基づいて、車両1を駆動するのに必要な車両要求トルクを計算し、次のステップS4で、現在、低速制御であるか否かを判定する。このステップS4の判定がYESであるとき(低速制御であるとき)には、ステップS5に進む一方、ステップS4の判定がNOであるとき(高速制御であるとき)には、ステップS10に進む。
上記ステップS5では、上記車両要求トルクに基づいて、第1及び第2のモータ22によるトルクアシストはないものとして、エンジン2が出力すべきエンジン要求トルクTE1を計算し、次のステップS6で、エンジン要求トルクTE1に基づいて、スロットル開度TVO1を決定し(その決定した開度になるように電動スロットルを制御することを含む。以下、同じ。)、次のステップS7で、エンジン要求トルクTE1に基づいて、燃料噴射弁による燃料噴射量F1を決定する(その決定した燃料噴射量になるように燃料噴射弁を制御することを含む。以下、同じ。)。
次のステップS8では、エンジン回転数NEが第1設定回転数NE1よりも高いか否かを判定し、このステップS8の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、高速制御に切り換え(図5のステップS107と同時に行う)、しかる後にステップS2に戻る。一方、ステップS8の判定がNOであるときには、そのままステップS2に戻る。
上記ステップS4の判定がNOであるときに進むステップS10では、上記車両要求トルクに基づいて、第2のモータ22によるトルクアシスト(図5のステップS108で求まるTr1)を考慮して、エンジン要求トルクTE2(TE2<TE1)を計算し、次のステップS11で、エンジン要求トルクTE2に基づいて、スロットル開度TVO2を決定し、次のステップS12で、エンジン要求トルクTE2に基づいて、燃料噴射弁による燃料噴射量F2を決定する。
次のステップS13では、エンジン回転数NEが第2設定回転数NE2よりも低いか否かを判定し、このステップS13の判定がYESであるときには、ステップS14に進んで、低速制御に切り換え(図5のステップS111と同時に行う)、しかる後にステップS2に戻る。一方、ステップS14の判定がNOであるときには、そのままステップS2に戻る。
インバータ制御の方は、最初のステップS101で、上記ステップS1と同時に低速制御を行い、次のステップS102で、車速V、アクセル開度α、第1のロータ5の回転速度NR1、及び、第2のロータ6の回転速度NR2を、それぞれ対応するセンサより読み込む。
次のステップS3では、少なくとも車速V及びアクセル開度αに基づいて、車両要求トルクを計算し(ステップS3と同じ)、次のステップS104で、現在、低速制御であるか否かを判定する。このステップS104の判定がYESであるとき(低速制御であるとき)には、ステップS105に進む一方、ステップS104の判定がNOであるとき(高速制御であるとき)には、ステップS108に進む。
上記ステップS105では、第1のインバータ31をスイッチング制御して、第1のロータ5から第2のロータ6にエンジントルクTE1を伝達することで、ステップS103の車両要求トルクを得るとともに、第1のロータ回転速度NR1が、第2のロータ回転速度NR2に所定回転速度NR0を加えた値になるようにする。
次のステップS106では、エンジン回転数NEが第1設定回転数NE1よりも高いか否かを判定し(ステップS8と同じ)、このステップS106の判定がYESであるときには、ステップS107に進んで、高速制御に切り換え(ステップS9と同時に行う)、しかる後にステップS102に戻る。一方、ステップS106の判定がNOであるときには、そのままステップS102に戻る。
上記ステップS104の判定がNOであるときに進むステップS108では、第2のモータ22の発生トルクTr1を計算し、次のステップS109で、第1のインバータ31をスイッチング制御して、第1のロータ5から第2のロータ6にエンジントルクTE2を伝達し、かつ、第2のインバータ32をスイッチング制御する(発生トルクがTr1となるように第2のモータ22を駆動する)ことで、ステップS103の車両要求トルクを得る(エンジントルクTE2に第2のモータ22によるアシストトルクTr1が加えられて、車両要求トルクを得る)とともに、第2のロータ回転速度NR2が、第1のロータ回転速度NR1に所定回転速度NR0を加えた値になるようにする。
次のステップS110では、エンジン回転数NEが第2設定回転数NE2よりも低いか否かを判定し(ステップS13と同じ)、このステップS110の判定がYESであるときには、ステップS111に進んで、低速制御に切り換え(ステップS14と同時に行う)、しかる後にステップS102に戻る。一方、ステップS110の判定がNOであるときには、そのままステップS102に戻る。
図6は、第2のモータ22のみで第2のロータ6を駆動中にエンジン2を始動させる際の、コントローラ61によるインバータ制御(モータ制御)の動作を示すフローチャートである。
最初のステップS201では、車速、アクセル開度、ブレーキペダル踏み込み量、バッテリ電圧、及び、触媒温度を、それぞれ対応するセンサより読み込み、次のステップS202で、少なくとも車速及びアクセル開度に基づいて、車両要求トルクを計算する。
次のステップS203では、エンジン始動要求があるか否かを判定する。すなわち、第2のモータ22のみでは第2のロータ6の駆動トルクが不足する場合、バッテリ電圧が上記所定電圧以下である場合、エンジン2の停止後において、それまでエンジン2の排気により活性化温度以上に温められていた触媒の温度が上記基準温度よりも低くなったとき等には、エンジン始動要求があるとする。
上記ステップS203の判定がNOであるときには、ステップS204に進んで、第2のインバータ32をスイッチング制御して、ステップS202の車両要求トルクが発生するようにバッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給して、第2のモータ22のみで第2のロータ6を駆動し、しかる後にリターンする。
一方、上記ステップS203の判定がYESであるときには、ステップS205に進んで、エンジン2が停止中であるか否かを判定する。このステップS205の判定がYESであるときには、ステップS206に進んで、エンジン始動の条件を満たすか否かを判定する。すなわち、アクセルペダル踏み込み速度又はブレーキペダル踏み込み速度が所定値以上であるときや、舵角センサ48により検出される舵角が所定角度よりも小さくて車両が旋回していないと判断されるときに、エンジン始動の条件を満たすとする。
上記ステップS206の判定がNOであるときには、上記ステップS204に進む一方、ステップS206の判定がYESであるときには、ステップS207に進んで、第1のインバータ31をスイッチング制御して、第1のロータ5にクランキングトルクが発生するようにバッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給するとともに、第2のインバータ32をスイッチング制御して、ステップS202の車両要求トルクに加えて、上記クランキングトルクの反作用により第2のロータ6に生じるトルク分を打ち消すトルクが第2のロータ6に余分に生じるように、バッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給し、しかる後にリターンする。
上記ステップS205の判定がNOであるときには、ステップS208に進んで、第1及び第2のインバータ31,32をスイッチング制御して、上記の差回転制御を行い、しかる後にリターンする。
図7は、コントローラ61によるブレーキ機構19の作動制御(車両1の停止中にエンジン2を始動する場合のインバータ制御を含む)の動作を示すフローチャートである。
最初のステップS301では、ブレーキペダル踏み込み量、及び、車速をそれぞれ対応するセンサより読み込み、次のステップS302で、ブレーキペダルが踏み込まれているか否かを判定する。
上記ステップS302の判定がYESであるときには、ステップS303に進んで、ブレーキペダル踏み込み量からブレーキ力を計算し、次のステップS304で、ステップS303で計算したブレーキ力が作用するようにブレーキ機構19を作動させ、しかる後にリターンする。
一方、上記ステップS302の判定がNOであるときには、ステップS305に進んで、エンジン始動要求があるか否かを判定する。このステップS305の判定がNOであるときにはそのままリターンする一方、ステップS305の判定がYESであるときには、ステップS306に進む。
上記ステップS306では、車両1が停止中であるか否かを判定し、このステップS306の判定がNOであるときにはそのままリターンする一方、ステップS306の判定がYESであるときには、ステップS307に進んで、エンジン始動トルク(クランキングトルク)に対応するブレーキ力を計算する。このブレーキ力は、本実施形態では、仮に後述のステップS308で第2のコイル12へ電力を供給しなかったとしても、クランキングトルクの反作用により車両1が後退するのを阻止し得るようなブレーキ力とする。
次のステップS308では、第1のインバータ31をスイッチング制御して、第1のロータ5にクランキングトルクが発生するようにバッテリ33から第1のコイル11へ電力供給し、かつ、第2のインバータ32をスイッチング制御して、上記クランキングトルクの反作用により第2のロータ6に生じるトルクを打ち消すトルクが第2のロータ6に生じるようにバッテリ33から第2のコイル12へ電力供給するとともに、上記ステップS307で計算したブレーキ力が作用するようにブレーキ機構19を作動させ、しかる後にリターンする。
したがって、本実施形態では、車両1の走行時でかつエンジン2の停止中には、第2のインバータ32により、バッテリ33から第2のコイル12へ電力を供給させる第1の運転制御を行うとともに、車両1の走行時でかつエンジン2の運転時には、該エンジン2並びに第1及び第2のインバータ31,32の作動制御により、第2のロータ6を第1のロータ5に対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させる第2の運転制御(差回転制御)を行うようにしたので、エンジン2で第2のロータ6を駆動する場合(第2のモータ22によりアシストを行う場合も含む)に、第1のロータ5と第2のロータ6とを電磁力で結合するために第1のコイル11に流さなければならない電流を刻々と変化させることができ、この結果、第1のコイル11や第1のインバータ31の半導体スイッチング素子等の損傷を防止することができる。
また、上記第1の運転制御を実行中にエンジン2を始動させる際に、第1のインバータ31により、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して第1のロータ5にクランキングトルクを発生させるとともに、第2のコイル12への供給電力量を、上記クランキングトルクの反作用により第2のロータ6に生じるトルク分を打ち消すように増大させるので、上記クランキングトルクの反作用による駆動輪18の駆動トルクの低下を防止することができ、この結果、駆動トルクの変化による車両1の走行への悪影響を防止することができるとともに、乗員に違和感を与えるのを防止することができる。
さらに、車両1の停止中にエンジン2を始動させる際に、第1のインバータ31により、バッテリ33から第1のコイル11へ電力を供給して第1のロータ5にクランキングトルクを発生させるとともに、第2のインバータ32により、バッテリ33から第2のコイル12へ、上記クランキングトルクの反作用により第2のロータ6に生じるトルクを打ち消すための電力を供給するようにすることで、車両1が後退するのを防止することができる。この車両1の停止中におけるエンジン2の始動時にブレーキ機構19を作動させるようにすれば、車両1が後退するのをより確実に防止することができる。
本発明は、エンジンと、該エンジンの出力軸に連結され、第1のコイルを有する第1のロータと、該第1のロータの外周側に配設されかつ駆動輪と連結され、磁石を有して第1のロータと共に第1のモータを構成する第2のロータと、該第2のロータの外周側に配設されかつ第2のコイルを有して該第2のロータと共に第2のモータを構成するステータと、上記第1のコイルの電流制御を行うための第1のインバータと、上記第2のコイルの電流制御を行うための第2のインバータと、上記第1のコイルへ上記第1のインバータを介して電力を供給するとともに、上記第2のコイルへ上記第2のインバータを介して電力を供給するバッテリとを備えたハイブリッド車両の制御装置に有用である。
本発明の実施形態に係る制御装置が搭載されたハイブリッド車両の構成を示す概略図である。 図1のII−II線断面図である。 ハイブリッド車両の制御系の構成を示すブロック図である。 コントローラによる差回転制御(エンジン制御)の基本動作を示すフローチャートである。 コントローラによる差回転制御(インバータ制御)の基本動作を示すフローチャートである。 第2のモータのみで第2のロータを駆動中にエンジンを始動させる際の、コントローラによるインバータ制御の動作を示すフローチャートである。 コントローラによるブレーキの作動制御(車両停止中にエンジンを始動する場合のインバータ制御を含む)の動作を示すフローチャートである。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
3 出力軸
5 第1のロータ
6 第2のロータ
7 ステータ
11 第1のコイル
12 第2のコイル
13 永久磁石
14 永久磁石
18 駆動輪
19 ブレーキ機構
21 第1のモータ
22 第2のモータ
31 第1のインバータ
32 第2のインバータ
33 バッテリ
42 アクセル開度センサ(ペダル踏み込み量検出手段)
48 舵角センサ(旋回状態検出手段)
50 ブレーキペダルセンサ(ペダル踏み込み量検出手段)
51 ブレーキセンサ(ブレーキ検出手段)
61 コントローラ(制御手段)

Claims (2)

  1. エンジンと、該エンジンの出力軸に連結され、第1のコイルを有する第1のロータと、該第1のロータの外周側に配設されかつ駆動輪と連結され、磁石を有して第1のロータと共に第1のモータを構成する第2のロータと、該第2のロータの外周側に配設されかつ第2のコイルを有して該第2のロータと共に第2のモータを構成するステータと、上記第1のコイルの電流制御を行うための第1のインバータと、上記第2のコイルの電流制御を行うための第2のインバータと、上記第1のコイルへ上記第1のインバータを介して電力を供給するとともに、上記第2のコイルへ上記第2のインバータを介して電力を供給するバッテリとを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    上記エンジンの作動を制御するとともに、上記第1及び第2のインバータの作動を制御して上記第1及び第2のモータの作動を制御する制御手段を備え、
    上記制御手段は、上記ハイブリッド車両の走行時でかつ上記エンジンの停止中には、上記第2のインバータにより、上記バッテリから上記第2のコイルへ電力を供給させる第1の運転制御を行うとともに、上記ハイブリッド車両の走行時でかつ上記エンジンの運転時には、該エンジン並びに上記第1及び第2のインバータの作動制御により、上記第2のロータを上記第1のロータに対して所定回転速度だけ差を持たせた状態で回転させる第2の運転制御を行うよう構成されており、
    更に上記制御手段は、上記第1の運転制御を実行中に上記エンジンを始動させる際には、上記第1のインバータにより、上記バッテリから上記第1のコイルへ電力を供給して上記第1のロータにクランキングトルクを発生させるとともに、上記第2のコイルへの供給電力量を、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータに生じるトルク分を打ち消すように増大させ、上記ハイブリッド車両の停止中に上記エンジンを始動させる際には、上記第1のインバータにより、上記バッテリから上記第1のコイルへ電力を供給して上記第1のロータにクランキングトルクを発生させるとともに、上記第2のインバータにより、上記バッテリから上記第2のコイルへ、上記クランキングトルクの反作用により上記第2のロータに生じるトルクを打ち消すための電力を供給するよう構成され、
    上記ハイブリッド車両は、該ハイブリッド車両のブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダル踏み込み量検出手段を更に備え、
    更に上記制御手段は、上記ハイブリッド車両の走行時における上記第1の運転制御の実行中に、上記ブレーキペダル踏み込み量検出手段により検出された上記ブレーキペダル踏み込み量を入力して、上記エンジンの始動要求がありかつ該ブレーキペダル踏み込み量の変化率であるブレーキペダル踏み込み速度が、上記駆動輪にブレーキが急激に作用することを示す、所定値以上であるときに、上記エンジンを始動させるよう構成されていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    上記ハイブリッド車両は、該ハイブリッド車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を更に備え、
    上記制御手段は、上記第1の運転制御の実行中に、上記旋回状態検出手段により検出された上記旋回状態を入力して、上記ハイブリッド車両が旋回しているときには、上記エンジンを始動させないよう構成されていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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