JP5515167B2 - 常温成形性を改善した商用マグネシウム合金板材およびその作製方法 - Google Patents

常温成形性を改善した商用マグネシウム合金板材およびその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、易成形性マグネシウム合金の製造方法、易成形性マグネシウム合金プレス成形体及び易成形性マグネシウム合金部材等に関するものであり、更に詳しくは、Al、Zn、Mnを適当量添加したマグネシウム合金圧延材を所定の試料表面温度(490〜566℃)に短時間(5分未満もしくは8分未満)で加熱した上で、熱間圧延し、その後に焼鈍を行うものであり、常温(30℃)で、アルミニウム合金(5000系もしくは6000系に相当)に匹敵する成形性を付与することを可能とする、マグネシウム合金板材、その製造方法、そのプレス成形体及びその部材に関するものである。本発明は、宇宙・航空材料・電子機器材料、自動車部材等の幅広い分野で利用することが可能なマグネシウム合金製部材及び筐体に関する新技術を提供するものである。
マグネシウムは、実用構造金属材料の中で最も低密度(=1.7g/cm)であり、金属材料特有の易リサイクル性を有し、資源も豊富に存在することから、次世代の構造用軽量材料として注目されている。現在、日本におけるマグネシウム製品の多くは、ダイキャスト等の鋳造法により作製されている。これらの手法により、薄肉成形が可能となったことが、マグネシウム合金の工業化を助長した最大の要因である。
特に、家電製品では、パソコン・携帯電話・デジタルカメラ等の家電製品筐体に、マグネシウム合金鋳造材が利用されている。しかし、現状の鋳造法による生産法には、鋳造欠陥を補うための後処理が必要であること、歩留りが低いこと、部材の強度・剛性に問題があること、等の問題が存在する。
一般的に、プレス成形は、歩留まりが高く、成形と同時に高強度・高靭性化を図ることができることから、需要拡大の有効な手段と言える。マグネシウム合金製板材から、プレス成形により成形体を作製できる場合、薄肉、かつ高強度な成形体を、安価なプロセスで作製することができ、家電製品筐体等、多くの需要が予測できる。
金属の塑性変形の基本となる転位の運動性は、すべり面間隔/原子間距離の比に影響されることが知られている。したがって、最密六方晶であるマグネシウム合金の場合、a軸長さとc軸長さの比(c/a比)が大きく(c/a=1.6236)、底面すべりと非底面すべりでは、転位の運動性に大きな違いが生じる。
そのため、マグネシウム合金の非底面すべりの臨界分解せん断応力(CRSS)は、常温において、他のすべり系と比較して、非常に大きく、常温成形性は、必然的に低い。更に、マグネシウム合金板材には、(0002)面が板面に対して平行に配向する集合組織が形成されるため、塑性変形時の板厚方向の歪みが期待できず、そのことが、常温成形性を妨げる一因となっている。
現在、幅広い分野で利用されているアルミニウム合金の常温成形性(エリクセン値)は、上記のマグネシウム合金よりも高く、5000系合金では8.3(5083−O材)、6000系合金では9.2(6061−T4材)、1000系合金では11.0(1100−O材)である(非特許文献1)。一方、マグネシウム合金の常温成形性(エリクセン値)は、せいぜい2.0〜5.0である(非特許文献2)。
したがって、マグネシウム合金に関しても、今後、マグネシウム合金板材の著しい需要を見込むためには、アルミニウム合金板材に相当する常温成形性(常温でのエリクセン値が少なくとも7.0以上)を付与することが必要であり、当技術分野においては、優れた易成形性を有する新しいマグネシウム合金板材の製造技術及びその製品を開発することが強く要請されている。
成形性に乏しいマグネシウム合金を、常温でプレス成形する手法としては、集合組織を制御したマグネシウム合金板材を利用することが挙げられる。近年、本発明者らは、規定量の軽希土類元素、Zn、Mn、Zrを添加したマグネシウム合金、もしくは規定量のCa、Zn、Al、Mn、Zrを添加したマグネシウム合金を、特定の条件で熱間・温間圧延し、特定の条件で焼鈍すると、板材の(0002)面集合組織に、TD方向に約35度傾いた極が現れ、成形性が著しく改善すること(エリクセン値8.0以上)を発見した(特許文献1)。
本合金を利用すると、アルミニウム合金並の常温成形性を有するマグネシウム合金板材を作製することができ、デジタルカメラ・ノートパソコン・PDA等の家電製品プレス成形体にマグネシウム合金を積極的に適用することが可能である。
一方、本合金を作製するためには、軽希土類元素等の高価な元素を利用する必要があり、商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)と比較すると、製品コストは高くなる。また、本合金により得られる圧延材の(0002)面集合組織は、TD方向に約35度傾いた極を有するため、TD方向には変形し易いが、RD方向には相対的に変形しにくい。それゆえに、本合金では、機械的特性の異方性を解消することが、実用化に向けた課題となっている。
マグネシウム合金の集合組織を改質する別の手法として、近年、マグネシウム合金板材に繰り返し曲げ加工を施す手法が提案された。本手法は、商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)に適用することができ、商用マグネシウム合金の常温成形性をアルミニウム合金並(エリクセン値:6.5以上)に高めることを可能とする(特許文献2)。
本手法は、商用マグネシウム合金の常温成形性を改善する方法として注目されるものの、繰り返し曲げ加工を実施した圧延材の(0002)面集合組織には、RD圧延に約45度傾いた極が現れるため、RD方向には変形し易いが、TD方向には変形しにくい。それゆえに、本手法では、特許文献1の発明と同様、機械的特性の異方性を解消することが、実用化に向けた課題となっている。
特願2008−292848 特開2005−298885号公報
アルミニウムハンドブック(第4版),軽金属協会編,軽金属協会発行,東京(1989),p.98 Y.Chino,H.Iwasaki and M.Mabuchi:Mater.Sci.Eng.A,Vol.466(2007),p.90 H.Conrad et al.:Acta Metall.,Vol.9(1961),p.367 P.W.Flynn et al.:Trans.Metall.Soc.AIME,Vol.221(1961),p.1148 H.Yoshinaga and R.Horiuchi:Trans.JIM,Vol.4(1963),p.134 T.Obara et al.:Acta Metall.Vol.21(1973),p.845 吉永日出男:稠密六方晶金属の変形双晶 マグネシウムを中心として(第1版),内田老鶴圃,東京(2007) S.R.Agnew et al.:Acta Mater.,Vol.49(2001),p.4277 日本マグネシウム協会編:マグネシウム技術便覧,カロス出版,東京(2005),pp.241 Y.Chino,K.Sassa,A.Kamiya,M.Mabuchi:Mater.Sci.Eng.A,Vol.441(2006),p.349 日本マグネシウム協会編:マグネシウム技術便覧,カロス出版,東京(2005),p.79 T.Laser,M.R.Nurnberg,A.Janz,Ch.Hartig,D.Letzig,R.Schmid−Fetzer,R.Bormann:Acta Mater.,Vol.54(2006),p.3033
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術を鑑みて、機械的特性に著しい異方性を生じさせずに、商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)にアルミニウム合金並みの常温成形性(エリクセン値で7.0以上)を付与することを目標として鋭意研究を重ねた結果、圧延時の試料表面温度を490〜566℃に限定し、更に、所定の試料表面温度まで短時間で昇温し、所定の圧延率で熱間圧延を実施し、更に、焼鈍を行うことにより、アルミニウム合金並みの常温成形性を有するマグネシウム合金を作製することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、希土類元素等の高価な元素を利用せずに、優れた常温成形性を有する商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)の製造方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、公知のマグネシウム合金圧延材とほぼ同じ(0002)面集合組織を有しつつ、その相対強度のみを飛躍的に低下させ、マグネシウム合金板材の異方性と常温成形性を飛躍的に改善したマグネシウム合金板材を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、該マグネシウム合金板材を成形して、複雑形状を有するマグネシウム合金製プレス成形体及びマグネシウム合金製部材を常温で作製するこれらの成形体ないし部材の製造方法を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、上記手法により作製されたマグネシウム合金板材、マグネシウム合金製プレス成形体及びマグネシウム合金製部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上30μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示す易成形性マグネシウム合金板材を製造する方法であって、
質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなるMg合金圧延板の試料表面温度を、8分未満で490〜566℃まで加熱し、その後に、少なくとも総圧延率5%で熱間圧延し、更に熱間圧延後に300〜450℃にて10分以上の条件で焼鈍を行うことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
(2)質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる圧延Mg合金板を用いる、前記(1)に記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上20μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示す易成形性マグネシウム合金板材を製造する方法であって、
質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなるMg合金圧延板の試料表面温度を、5分未満で490〜566℃まで加熱し、その後に、総圧延率5〜50%の範囲で熱間圧延し、更に熱間圧延後に300〜450℃にて10分以上の条件で焼鈍を行うことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
)質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる圧延Mg合金板を用いる、前記()に記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
)焼鈍前に、Mg合金圧延板の試料表面温度を、300℃未満に設定し、総圧延率30%未満の範囲で、温間圧延又は冷間圧延を行う、前記(1)から()のいずれかに記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
)質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上30μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示すことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材。
)質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材である、前記()に記載の易成形性マグネシウム合金板材。
)質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上20μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示すことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材。
)質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材である、前記()に記載の易成形性マグネシウム合金板材。
10)前記()から()のいずれかに記載の易成形性マグネシウム合金板材の成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金製プレス成形体。
11)前記(10)に記載のマグネシウム合金製プレス成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金製部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%(0の場合を含む。以下同じ)、好ましくは、質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材を、所定の試料表面温度(490℃〜566℃)まで、短時間(8分未満:好ましくは5分未満)で昇温した上で、圧延率5%以上、好ましくは5〜50%の範囲で熱間圧延を行うものであり、熱間圧延後に焼鈍を行うことを特徴とするものである。
また、本発明は、質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%、好ましくは、質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材からなり、結晶粒径が30μm未満、好ましくは20μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であることを特徴とし、また(0002)面の極がND軸に対して30度未満に分布することを特徴し、更に、エリクセン値で、少なくとも7.0以上の常温成形性を示すものである。
また、本発明は、上記製造方法で作製した易成形性マグネシウム合金板材の成形体であって、結晶粒径が30μm未満、好ましくは20μm未満であり、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であるマグネシウム合金製プレス成形体、及び該マグネシウム合金製プレス成形体からなるマグネシウム合金部材の点に特徴を有するものである。
本発明者らは、以前の研究において、マグネシウム合金プレス成形体を、常温(30℃)で作製するための手段として、規定量の軽希土類元素、Zn、Mn、Zrを添加したマグネシウム合金、もしくは規定量のCa、Zn、Al、Mn、Zrを添加したマグネシウム合金を熱間・温間加工し、更に、適当な熱処理に供することにより、集合組織を改質して、マグネシウム合金板材の成形性を向上させることを着想した。その結果として、集合組織を改質することに成功し、アルミニウム合金に匹敵する常温成形性を付与することに成功した。しかし、この手法では、軽希土類元素等の高価な元素を利用しており、そのため、経済的観点から、最も市場で出回っているMg−Al−Zn系合金に、繰り返し曲げ加工装置等の高価な設備を利用せずに、高い常温成形性を付与するための手段が求められていた。
そこで、本発明者らは、商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)に、アルミニウム合金に匹敵する、常温成形性を付与する技術開発に着手した。本発明者らは、詳細かつ系統的な実験を試みた結果、質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%、好ましくは、質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材を、所定の試料表面温度(490℃〜566℃)まで短時間(8分未満:好ましくは5分未満)で昇温した上で、圧延率5%以上、好ましくは5〜50%の範囲で熱間圧延を行い、熱間圧延後に焼鈍を行うと、その集合組織が改質され、常温成形性が飛躍的に向上することを発見した。
マグネシウムの各種すべり系(双晶含む)のCRSSの温度依存性を図1にまとめて示す(非特許文献3〜7)。底面<a>すべり及び{10−12}<10−11>双晶(引張り双晶)のCRSSは、温度依存性が殆ど無く、常温〜200℃では、非底面すべり系(柱面すべり・錐面すべり)よりも十分低い値を示す。一方、柱面<a>すべり及び錐面<c+a>すべりのCRSSは、温度依存性が強く、温度上昇とともに減少し、450℃以上になると、底面<a>すべりや{10−12}<10−11>双晶とほぼ同じ値を取る。
なお、マグネシウム合金圧延材に特有の、(0002)面が板面に対して平行に配向する集合組織は、熱間加工中の主たる変形モードが、底面<a>すべり、もしくは{10−12}<10−11>双晶の時に形成されることが数値計算により予見されている(非特許文献8)。本発明は、上記の知見を積極的に圧延材の製造プロセスに適用したものであり、試料を高温に加熱した上でマグネシウム合金を加工し、非底面すべりを活溌に活動させた状態加工を行い、集合組織を改質するものである。
一方、圧延前に、試料を450℃以上に加熱すると、特に、試料を490℃以上に加熱すると、結晶粒が異常粒成長し、圧延後の結晶粒は粗大化する。粗大な結晶粒を有するマグネシウム合金の強度は低く、延性も劣化することが知られており、必然的に常温成形性も劣化する。それゆえに、現状の技術では、Mg−Al−Zn系合金を圧延する時の圧延温度は、せいぜい430℃であった(非特許文献9)。
そこで、本発明者らは、結晶粒の異常粒成長を抑制しつつ、高温で圧延を行うことができれば、機械的特性を劣化させずに、商用マグネシウム合金の集合組織を改質することができると考え、鋭意研究開発を行った結果、試料表面を短時間で加熱した上で圧延を行うと、結晶粒の異常粒成長を抑制しつつ熱間圧延できることを見出した。
本発明の成果の一つとして、図2[実施例1]に、後述する実施例で説明するMg−3.0質量%Al−1.0質量%Zn−0.5質量%Mn合金(AZ31B合金と記載することがある)を、545℃に保持した炉に試料を投入し、8分未満で試料表面温度を525℃まで加熱し、所定温度到達後に、すかさず圧延した試料の(0002)面集合組織を示す。
また、図2[比較例1]に、530℃に保持した炉に試料を15分間保持し(圧延直前の試料表面温度は520℃〜525℃)、その後、炉から取り出し、圧延を行った試料の(0002)面集合組織を示す。いずれの試料も、総圧延率80%(一パスあたりの圧延率20%)の熱間圧延に供し、その後に焼鈍(350℃、90分)した試料である。
実施例1で作製した試料の(0002)面集合組織には、ND軸に対して、RD方向に30°以内に傾いた位置に(0002)面の極が現れ、公知のマグネシウム合金圧延材とほぼ同じ集合組織が現れた。一方、その集合組織の相対強度は、公知のマグネシウム合金圧延材の相対強度(6.0以上:非特許文献10)よりも著しく低く、3.7であった。
比較例1で作製した試料の(0002)面集合組織にも、実施例1とほぼ同じ集合組織が現れた。すなわち、試料表面温度を高温に加熱した上で圧延を行うと、柱面<a>すべり及び錐面<c+a>すべりの活動が活発になり、圧延時の集合組織形成が抑制されることが把握できる。また、集合組織形成に試料の加熱時間は影響を及ぼさないことが分かる。
次に、実施例1及び比較例1で作製した圧延材の光学顕微鏡組織を図3に示す。観察面は、RD−ND面である。実施例1で作製した試料の組織は、比較的均質であり、平均結晶粒径は18μmであるのに対し、比較例1で作製した試料の組織には、異常粒成長により、50μm以上に粗大化した結晶粒が散在し、平均結晶粒径は、32μmまで粗大化した。
次に、実施例1及び比較例1で作製した試料の常温(30℃)エリクセン試験結果を図4に示す。実施例1で作製した試料はエリクセン値8.5を示し、アルミニウム合金に匹敵する常温成形性を示した。
一方、比較例1で作製した試料のエリクセン値は、6.2であり、アルミニウム合金と比較すると低い値を示した。すなわち、試料を短時間で昇温し、圧延を実施すると、結晶粒の異常粒成長を抑制しつつ圧延を行うことが可能であり、常温成形性を飛躍的に改善することができることが示された。
試料の昇温時間を短時間に設定することにより、結晶粒の異常粒成長を抑制することができる理由として、Mg−Al系金属間化合物、もしくはAl−Mn系金属間化合物の固溶・溶融の抑制が挙げられる。
Mg−Al−Zn系合金に、1.0質量%以上のAlを添加すると、金属間化合物(Mg17Al12)が粒内・粒界に析出することが知られている。また、Mg−Al−Zn系合金に、0.1質量%以上のMnを添加すると、AlMn、Al11Mn等の金属間化合物が粒界・粒内に析出し、それらがMg合金の結晶粒を微細化する効果を有することが知られている。
一方、それらの析出物は、450℃以上に加熱すると、固溶・溶融が始まることが報告されている(非特許文献11,12)。本発明は、試料の昇温時間を短時間に設定することにより、Mg17Al12及びAl−Mn系化合物の固溶・溶融を極力抑制した状態で、高温で圧延を行い、異常粒成長抑制と集合組織制御を同時に達成したことに特徴を有するものである。
一連の研究開発から得られた知見より、商用マグネシウム合金(Mg−Al―Zn系合金)を、所定の試料温度、すなわち490℃〜566℃まで、短時間、すなわち8分未満:好ましくは5分未満で昇温し、圧延率5%以上、好ましくは5〜50%の範囲で熱間圧延を行い、熱間圧延後に焼鈍を行うことにより、組織が微細、すなわち平均結晶粒径30μm未満、好ましくは20μm未満で、公知のマグネシウム合金と同じ(0002)面集合組織を示しつつ、その強度を5.5未満に低めたマグネシウム合金圧延材を作製することに成功し、エリクセン値で、少なくとも7.0以上の常温成形性を示すマグネシウム合金圧延材を創製することに成功した。
本発明の常温成形性に優れた商用マグネシウム合金板材の成分及び作製条件の限定理由を説明する。本発明の製造方法に適用されるマグネシウム合金は、重量%で、Al:1〜10%、好ましくは2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%、残部が、Mg及び不可避不純物からなる成分組成を有するものである。
Alの含有量は、Mg合金内部にAl−Mn系金属間化合物を析出させるために、1〜10%の範囲内で添加されていることが好ましく、2〜7%の範囲内で添加されていることがより好ましい。なお、Alの添加量が10%を超えると、熱間加工性が低下する。また、Alの添加量が1%未満では、十分なMn−Al金属間化合物の析出を期待することができない。
Znの含有量は、0.2〜2.0%の範囲内で添加されてもよい。Znは、Alと同様に、鋳造性と強度等の機械的性質の向上に寄与するものであるが、Znの添加量が2.0%を超えると、鋳造性が低下する。
Mnの含有量は、0〜1.0%の範囲内(0の場合を含む)で添加されていることが好ましい。Mg合金にAl−Mn系合金を析出させるためには、0.1質量%以上のMnを添加することがより好ましい。一方、Mnが1.0質量%を超えると、金属間化合物が粗大化するため、避けるべきである。
熱間圧延に際しては、柱面<a>すべりや錐面<c+a>すべりが十分活動する、490℃以上に、試料表面温度を加熱する必要がある。また、結晶粒の異常粒成長を抑制するために、試料表面をなるべく短時間、具体的には、Mg17Al12及びAl−Mn系化合物の固溶・溶融を極力抑制できる8分未満、好ましくは5分未満で、目的温度まで加熱し、すかさず圧延を行う必要がある。試料表面を短時間で加熱する手法としては、例えば、試料を加熱するための保持炉(抵抗炉)の温度を、目的温度よりも少なくとも20℃以上高めに設定する方法や、急速加熱法(通電加熱や赤外線加熱等)を利用する方法がある。
熱間圧延に際しては、柱面<a>すべりや錐面<c+a>すべりが十分活動する、490℃以上に試料表面温度を加熱する必要がある。一方、試料表面温度を固相線温度(566℃)以上に加熱すると、試料が溶解するため、試料表面温度は、566℃未満に設定すべきである。
試料の集合組織形成を弱めるためには、熱間圧延中に充分な塑性変形を板材に付与する必要がある。具体的には、少なくとも熱間圧延の全圧延率を5%以上に設定すると、集合組織の形成を抑制しつつ、圧延を実施することが可能である。
一方、圧延材中の結晶粒の異常粒成長を極少化するためには、圧延中に試料を高温に晒す機会をなるべく減らすことが効果的である。例えば、所定の厚みまで、比較的低い試料表面温度、具体的には400℃未満で圧延を行い、最終的な圧延、具体的には総圧下率5〜50%のみ、試料を短時間で高温に加熱して圧延を行うと、試料を高温に晒す機会を減らすことができ、結晶粒の異常粒成長を極少化できる。
圧延材の板厚の均一性を確保するような精密圧延を行う際には、圧延の最終パスに、温間圧延もしくは冷間圧延を行う必要がある。本発明者らは、圧延の最終パスに、試料表面温度300度未満で、総圧延率30%未満の温間・冷間圧延であれば、圧延材の集合組織及び結晶粒径に大きな変化は起きず、優れた成形性が保持されることを確認している。
熱間圧延後の試料内部には、高密度の転位が蓄積されているため、板材の常温成形を行う前に熱処理、すなわち完全焼き鈍しを行うことが望ましい。具体的には、300〜450℃にて10分以上の熱処理に供した後に、プレス成形に供することが望ましい。450°以上に熱処理温度を設定すると、結晶粒の異常粒成長が起こる恐れがあるため、留意すべきである。
上記発明要素を駆使して作製されたマグネシウム合金板材は、常温(30℃)で、アルミニウム合金に相当する成形性、すなわちエリクセン値で少なくとも7.0以上を示す。ここでは、マグネシウム合金板材の成形性を表す指標として、エリクセン値を採用した。エリクセン試験は、JIS B7729及びJIS Z2274に準ずる試験を指す。
また、上記発明要素を駆使して作製されたマグネシウム合金板材は、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、相対強度が7未満となる(0002)面集合組織を示す。相対強度とは、測定された(0002)面集合組織を規格化(内部規格もしくは外部データ(ランダムデータ)による規格)した時のピーク強度の値を指す。
本発明により作製される板材の結晶粒は、微細、具体的には30μm未満、好ましくは20μm未満で、公知のマグネシウム合金と同様の(0002)面集合組織を示しつつ、その強度は、5.5未満であり、アルミニウム合金に匹敵する常温成形性(エリクセン値で少なくとも7.0以上)を示す。
なお、板材の表層部と中央部において、(0002)面集合組織の相対強度は異なり、一般的に、表層部で強い相対強度が観察される。ここでは、相対強度が最も弱くなる領域の試料中央部で、RD−TD面の(0002)面集合組織を測定した際に検出されるピーク強度を、相対強度として採用する。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)を、所定の試料温度(490℃〜566℃)まで、高速(8分未満:好ましくは5分未満)で昇温し、圧延率5%以上、好ましくは5〜50%の範囲で熱間圧延を行い、熱間圧延後に焼鈍を行うことにより、易成形性マグネシウム合金板材を作製することができる。
(2)得られた板材の組織は、微細(30μm未満、好ましくは20μm未満)で、公知のマグネシウム合金と同様の(0002)面集合組織を示しつつ、その相対強度は、5.5未満であり、エリクセン値で、少なくとも7.0以上の常温成形性が付与される。
(3)本発明を利用すると、資源枯渇・価格高騰が懸念される希土類元素を利用せずに、アルミニウム合金に匹敵する成形性が有するマグネシウム合金板材を作製することが可能であり、低コストで、易成形性マグネシウム合金板材を作製することができる。
(4)本発明を利用すると、機械的特性の異方性が少ない易成形性マグネシウム合金を作製することができ、幅広い用途に適用可能な、易成形性マグネシウム合金を提供することができる。
(5)上記易成形性マグネシウム合金板材を、常温成形することにより、マグネシウム合金製プレス成形体を作製し、提供することができる。
(6)上記マグネシウム合金製プレス成形体からなる筐体等のマグネシウム合金製部材を作製し、提供することができる。
マグネシウムの各種すべり系のCRSSの温度依存性をまとめた図であり、具体的には、底面<a>すべり、柱面<a>すべり、錐面<c+a>すべり、{10−12}<10−11>双晶の各温度におけるCRSSをまとめた図である。 実施例において利用したAZ31B合金圧延材の(0002)面集合組織を示したものである。[実施例1]は、実施例1で作製した試料の(0002)面集合組織を示し、[比較例1]は、比較例1で作製した試料の(0002)面集合組織を示す。 [実施例1]は、実施例1で作製した試料のRD−ND面の光学顕微鏡組織観察結果を示し、[比較例1]は、比較例1で作製した試料のRD−ND面の光学顕微鏡組織観察結果を示す。 [実施例1]は、実施例1で作製した試料のエリクセン試験結果を示し、[比較例1]は、比較例1で作製した試料のエリクセン試験結果を示す。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)実施例1〜3及び比較例1
実施例1〜3及び比較例1の試料作製方法(圧延時の試料温度の影響調査)
AZ31B合金(Mg−3.0質量%Al−1.0質量%Zn−0.5質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状は、50×60×5.0mmである。圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。予め、530〜560℃に保持したマッフル炉を利用して、試料の加熱を実施した。
実施例1〜3では、マッフル炉の温度を、所定の試料表面温度よりも20℃以上高く設定し、試料表面温度を熱電対により計測し、炉内の試料表面温度が所定値に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。一方、比較例1では、マッフル炉の温度を、530℃に設定し、試料を、炉内に15分保持後、熱間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、厚み5.0mmから1.0mm(総圧延率80%)まで、熱間圧延を実施した。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
(2)実施例4〜6
実施例4〜6の試料作製方法(圧延時の圧延率の影響調査1)
AZ31B合金(Mg−3.0質量%Al−1.0質量%Zn−0.5質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状を、50×60×4.0mm、50×60×3.0mm、50×60×2.0mmとし、厚みの異なる3種類の試料を用意した。圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。
予め、545℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が525℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.0mm(総圧延率50〜75%)まで、熱間圧延を実施した。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
(3)実施例7〜11
実施例7〜11の試料作製方法(圧延時の圧延率の影響調査2)
AZ31B合金(Mg−3.0質量%Al−1.0質量%Zn−0.5質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状は、50×60×5.0mmである。熱間圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。予め、430℃もしくは480℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が420℃もしくは450℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。
圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.3〜2.0mmまで、温間圧延を実施した。次に、545℃に保持したマッフル炉を利用して試料を加熱し、試料表面温度が525℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.0mm(総圧延率21〜50%)までの熱間圧延を実施した。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
(4)実施例12
実施例12の試料作製方法(組成の影響調査1)
AZ61合金(Mg−5.8質量%Al−0.7質量%Zn−0.3質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状は、50×60×5.0mmである。熱間圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。予め、545℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を短時間で加熱し、試料表面温度が525℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.0mmまで、熱間圧延に供した(総圧延率80%)。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
(5)実施例13、14
実施例13、14の試料作製方法(組成の影響調査2)
AZ61合金(Mg−5.8質量%Al−0.7質量%Zn−0.3質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状は、50×60×5.0mmである。熱間圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。予め、480℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が460℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。
圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.6mmまで、温間圧延を実施した。次に、530℃もしくは545℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が505℃もしくは525℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.0mm(総圧延率33%)までの熱間圧延を実施した。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
(6)実施例15〜1
実施例15〜1の試料作製方法(温間・冷間圧延の影響調査)
AZ31B合金(Mg−3.0質量%Al−1.0質量%Zn−0.5質量%Mn)を供試材として利用した。圧延前の試料形状は、50×60×5.0mmである。熱間圧延には、ロール直径152mm、ロール幅200mmの2段圧延機を利用した。予め、545℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が525℃に到達次第、すかさず熱間圧延に供した。
圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.3mmまで温間圧延を実施した。次に、210℃もしくは260℃に保持したマッフル炉を利用して、試料を加熱し、試料表面温度が200℃もしくは250℃に到達次第、すかさず温間圧延に供した。圧延時の1パス当たりの圧延率は、20%とし、1.0mm(総圧延率21%)までの温間圧延を実施した。圧延パス毎の試料の向きは同じである。圧延後に、350℃、90分の条件で焼鈍を行った。
作製したマグネシウム合金板材の常温成形性を評価するために、エリクセン試験を実施した。エリクセン試験は、JIS B7729及びJIS Z2247に準拠する。なお、ブランク形状は、板材形状の都合上、φ60mm(厚み1mm)とした。金型(試料)温度は、30℃とし、成形速度は、5mm/minとし、しわ押さえ力は、10kNとした。潤滑剤には、グラファイトグリスを利用した。
上記マグネシウム合金板材の(0002)面集合組織を、XRD法(シュルツの反射法)により測定し、ランダムデータ(粉末データ)で規格化し、(0002)面の相対強度を調査した。測定に際しては、圧延材より、20mm×20mm×1mmの板材を切り出し、RD−TD面を、厚み0.5mmまで面削した上で、#4000のSiC研磨紙で表面研磨した試料を利用した。また、上記マグネシウム合金板材のRD−ND面の組織を、光学顕微鏡により観察し、切片法(A.W.Thompson:Metallography,Vol.28(1972),p.366)により、結晶粒径を算出した。
(7)実施例1〜3及び比較例1の試験結果(圧延時の試料温度の影響調査)
各試料のエリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1に示す。また、実施例1〜3、比較例1の圧延パス毎の試料加熱時間を表2に示す。実施例1〜3で作製された試料の加熱時間は、いずれも8分未満であり、試料厚みの減少と共に、圧延時間は減少し、最終圧延パスの試料加熱時間は、3〜4分であった。表1より、試料表面温度を所定の温度に短時間に加熱した上で、圧延を実施することにより、30μm未満の結晶粒径を有し、集合組織の相対強度が5.5未満であり、エリクセン値が7.0以上を示す、板材が作製できることが確認できる。
(8)実施例4〜6の試験結果(圧延時の圧延率の影響調査1)
各試料のエリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1にまとめて示す。試料の加熱時間は、いずれも8 分未満である。実施例4の試料加熱時間は、表2(実施例1)の圧延パス2〜7回目とおよそ同じである。実施例5の試料加熱時間は、表2(実施例1)の圧延パス3〜7回目とおよそ同じである。実施例6の試料加熱時間は、表2(実施例1)の圧延パス5〜7回目とおよそ同じである。
実施例4〜6より、所定の試料表面温度及び所定の圧下率で熱間圧延を行うことにより、30μm未満の結晶粒径を有し、集合組織の相対強度が5.5未満であり、エリクセン値が7.0以上を示す板材が作製できることが確認できる。
(9)実施例7〜11の試験結果(圧延時の圧延率の影響調査2)
各試料のエリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1にまとめて示す。また、実施例7〜11の圧延パス毎に必要とした試料加熱時間をまとめて表3に示す。表3には、試料表面温度525℃で圧延を実施した際の試料加熱時間のみを示した。
実施例7〜11より、温間圧延により所定の厚みまでの予め圧延し、その後に、所定の試料表面温度まで急速加熱した上で、熱間圧延を行うことにより、加熱時間を微細な結晶粒径を有し、低い相対強度の集合組織を有し、優れた常温成形性を有する板材を作製できることが確認できる。
(10)実施例12の試験結果(組成の影響調査1)
エリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1に示す。また、実施例12の圧延パス毎の試料加熱時間を表4に示す。実施例12より、マグネシウム合金の組成を所定の組成に設定し、所定の試料表面温度まで急速加熱した上で、熱間圧延を行うことにより、微細な結晶粒径を有し、低い相対強度の集合組織を有し、優れた常温成形性を有する板材を作製できることが確認できる。
(11)実施例13、14の試験結果(組成の影響調査2)
エリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1に示す。また、実施例13、14の圧延パス毎の試料加熱時間を表5に示す。表5には、試料表面温度505℃もしくは525℃で圧延を実施した際の試料加熱時間のみを示した。
実施例13、14より、マグネシウム合金の組成を所定の組成に設定し、所定の試料表面温度まで急速加熱した上で、熱間圧延を行うことにより、微細な結晶粒径を有し、低い相対強度の集合組織を有し、優れた常温成形性を有する板材を作製できることが確認できる。
(12)実施例15、16の試験結果施例(温間・冷間圧延の影響調査)
エリクセン試験、集合組織測定、結晶粒径測定の結果を表1に示す。また、実施例15、16の圧延パス毎の試料加熱時間を表6に示す。実施例15、16より、最終工程に冷間・温間圧延を実施しても、予め、所定の試料表面温度まで急速加熱した上で、熱間圧延を行っておけば、微細な結晶粒径を有し、低い相対強度の集合組織を有し、優れた常温成形性を有する板材を作製できることが確認できる。
以上詳述したように、本発明は、常温成形性を改善した商用マグネシウム合金板材及びその作製方法に係るものであり、本発明により、商用マグネシウム合金(Mg−Al−Zn系合金)を、所定の試料温度(490℃〜566℃)まで短時間(8分未満:好ましくは5分未満)で昇温し、圧延率5%以上、好ましくは5〜50%の範囲で熱間圧延を行い、熱間圧延後に焼鈍を行うことにより、易成形性マグネシウム合金板材を作製することができる。作製された板材の結晶粒は、微細(30μm未満、好ましくは20μm未満)で、公知のマグネシウム合金と同様の(0002)面集合組織を示しつつ、その強度は5.5未満であり、アルミニウム合金に匹敵する常温成形性(エリクセン値で少なくとも7.0以上)を示す。本発明を利用することで、資源枯渇・価格高騰が懸念される希土類元素を利用せずに、アルミニウム合金に匹敵する成形性が付与されたマグネシウム合金板材を低コストで作製することが可能であり、更に、異方性と成形性を同時に改善したマグネシウム合金板材を作製することができる。また、本発明は、デジタルカメラ・ノートパソコン・PDA等、主に家電製品のプレス成形体を中心として積極的に適用することが可能であり、その産業的意義は大きいものと言える。

Claims (11)

  1. 質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上30μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示す易成形性マグネシウム合金板材を製造する方法であって、
    質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなるMg合金圧延板の試料表面温度を、8分未満で490〜566℃まで加熱し、その後に、少なくとも総圧延率5%で熱間圧延し、更に熱間圧延後に300〜450℃にて10分以上の条件で焼鈍を行うことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
  2. 質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる圧延Mg合金板を用いる、請求項1に記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
  3. 質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上20μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示す易成形性マグネシウム合金板材を製造する方法であって、
    質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなるMg合金圧延板の試料表面温度を、5分未満で490〜566℃まで加熱し、その後に、総圧延率5〜50%の範囲で熱間圧延し、更に熱間圧延後に300〜450℃にて10分以上の条件で焼鈍を行うことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
  4. 質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる圧延Mg合金板を用いる、請求項に記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
  5. 焼鈍前に、Mg合金圧延板の試料表面温度を、300℃未満に設定し、総圧延率30%未満の範囲で、温間圧延又は冷間圧延を行う、請求項1からのいずれかに記載の易成形性マグネシウム合金板材の製造方法。
  6. 質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上30μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示すことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材。
  7. 質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材である、請求項に記載の易成形性マグネシウム合金板材。
  8. 質量%で、Al:1〜10%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材であり、平均結晶粒径が11μm以上20μm未満であり、XRD法(シュルツの反射法)による測定で、RD−TD面の板厚中央部における、(0002)面集合組織の相対強度が5.5未満であり、(0002)面の極が、ND軸に対して30°未満に分布しており(但し、RD:圧延方向、TD:板幅方向、ND:板厚方向)、エリクセン値(JIS B7729及びJIS Z2274に準ずるエリクセン試験による)が少なくとも7.0であり、常温成形性を示すことを特徴とする易成形性マグネシウム合金板材。
  9. 質量%で、Al:2〜7%、Zn:0.2〜2.0%、Mn:0〜1.0%を含有し、残部が、Mg及び不可避不純物からなる組成を有するマグネシウム合金板材である、請求項に記載の易成形性マグネシウム合金板材。
  10. 請求項からのいずれかに記載の易成形性マグネシウム合金板材の成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金製プレス成形体。
  11. 請求項10に記載のマグネシウム合金製プレス成形体からなることを特徴とするマグネシウム合金製部材。
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