JP5503428B2 - Rem含有鋼の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類元素(REM)を含有するREM含有鋼の製造方法に関するものである。
REMは、橋梁、高層建造物、船舶などの溶接構造体における溶接熱影響部(HAZ部)の靱性向上や、溶接時のスパッタ低減などに有用な元素である。そのため、REM含有鋼は、溶接構造用鋼や溶接材料などに好適に用いられる。例えば、特許文献1〜3には、溶接構造体に用いられる機械構造用鋼にREMを添加し、REM含有酸化物を生成させることによってHAZ部の組織を微細化させ、HAZ靱性を高めた技術が提案されている。また、特許文献4、5には、溶接用ワイヤなどの溶接材料にREMを添加し、スパッタ発生を低減する方法が提案されている。
ところで特許文献6、7には、母材およびHAZ部の組織制御に有効な量のTi系酸化物をREM含有鋼中に存在させると、溶鋼を鋳込む際にノルズ閉塞が生じやすくなり、生産性が劣化するという問題が指摘されている。
特開2002−363687号公報 特開2003−221643号公報 特開2003−286540号公報 特開2003−225792号公報 特開2005−46878号公報 特開2001−20031号公報 特開2001−20033号公報
上記特許文献1〜5には、機械構造用鋼や溶接材料などに有用なREM含有鋼の製造に際して、鋳造時にノズル閉塞が発生し、生産性が低下するという問題については全く着目されていなかった。一方、上記特許文献6、7には、Ti系酸化物とノズル閉塞の関係について記載されているが、REM含有酸化物とノルズ閉塞の関係については着目されていなかった。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、ノズル閉塞を発生させることなく鋳造可能なREM含有鋼の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係るREM含有鋼の製造方法とは、C:0.01〜0.15%(質量%の意味。以下成分について同じ。)、Si:1.2%以下(0%を含まない)、Mn:3.8%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.03%以下(0%を含まない)、N:0.01%以下(0%を含まない)、Ti:0.2%以下(0%を含まない)およびREM:0.0003〜0.05%を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなるREM含有鋼を製造する方法であり、REM添加前の溶鋼中の溶存酸素量QOfを0.0001〜0.015%の範囲に調整し、その後にREMを添加するにあたっては、前記溶存酸素量QOfとREM添加量QREMが下記(1)式を満足する量のREMを添加して溶製する点に要旨を有する。
2logQREM+3logQOf≦−11 ・・・(1)
前記REM含有鋼は、更に他の元素として、
[1]Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、
[2]Cu:2%以下(0%を含まない)および/またはNi:12%以下(0%を含まない)、
[3]Cr:3%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)、
[4]Nb:0.25%以下(0%を含まない)および/またはV:0.1%以下(0%を含まない)、
[5]B:0.005%以下(0%を含まない)、
等の元素を含有することも有効である。
本発明によれば、REM添加溶鋼の溶製にあたり、REM添加前の溶鋼中の溶存酸素量QOfを所定の範囲に調整し、当該溶存酸素量QOfに応じた適切なREM添加量QREMを添加して溶製しているため、ノズル閉塞の原因となるREM含有酸化物を低減でき、鋳造時のノズル閉塞による操業トラブル(溶鋼の出鋼量減少や、生産性の劣化など)を回避できる。
図1は、出鋼を開始してからの経過時間(秒)に対する出鋼量(kg)の変化を示すグラフである。 図2は、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfとREM添加量QREMの関係を示すグラフである。 図3は、(1)式の左辺の値(Z値)と出鋼量(kg)の関係を示すグラフである。
本発明者らは、REM含有鋼の鋳造時におけるノズル閉塞の主な原因は、REM含有酸化物にあるとの観点に立ち、検討を重ねてきた。前述したように、REM含有酸化物は、機械構造用鋼などのHAZ靱性向上に有用であるが、融点が高く、溶鋼中では液体ではなく固体として存在しているため、ノズル内壁に付着し易く、ノズル内径を徐々に狭めて最終的にはノズルを閉塞し、溶鋼の出鋼量減少や生産性低下などの弊害をもたらす。そこでREM添加前の溶鋼に含まれる溶存酸素量QOfを適切に制御し、溶存酸素量QOfに応じてREM添加量QREMを適切に制御して溶製すれば、鋳造時のノズル閉塞を防止できることを見出し、本発明を完成した。
本発明において、ノズル閉塞とは、鋳造時に用いられる取鍋ノズルや浸漬ノズル、造塊時に用いられる注入管の閉塞(詰まり)を意味する。以下では、取鍋ノズルの閉塞を例に挙げて説明するが、これに限定する趣旨ではない。
以下、本発明の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るREM含有鋼の製造方法は、溶製工程に特徴があり、具体的には、
[A]REMを添加する前の溶鋼に含まれる溶存酸素量QOfを0.0001〜0.015%の範囲に調整した後にREMを添加すること;
[B]REMの添加に当たっては前記溶存酸素量QOfとREM添加量QREMが下記(1)式を満足するように制御して溶製するところに特徴がある。
2logQREM+3logQOf≦−11 ・・・(1)
[A]溶存酸素量QOf:0.0001〜0.015%について
REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfは0.0001〜0.015%の範囲とする。上記溶存酸素量QOfの範囲は、主に、REM添加によるHAZ靱性向上作用を有効に発揮させるために設定されたものである。溶存酸素量QOfが0.0001%未満では、溶存酸素量QOfが不足し、HAZ靱性向上に有用な、微細なREM含有酸化物が充分得られない。また、溶存酸素量QOfが不足すると、酸素と結合しないREMがSと結合してREM硫化物を形成したり、或いは任意元素として添加されるCaやZrがCa硫化物やZr炭化物を形成したりするなどし、鋼材自体の靱性を劣化させる原因となる。従って上記溶存酸素量QOfは、0.0001%以上、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.0015%以上とする。一方、溶存酸素量QOfが0.015%を超えると、溶存酸素量が多過ぎるため、REMを添加したときにREMと酸素との反応が激しくなって溶製作業上好ましくないばかりか、溶鋼中に粗大なREM含有酸化物を生成してノズル閉塞を発生させる原因となる。従って上記溶存酸素量QOfは0.015%以下、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.008%以下に抑える。
なお、本発明において溶存酸素とは、酸化物を形成しておらず、溶鋼中に存在するフリーな状態の酸素を意味する。REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfは、固体電解質を用いた一般的な起電力測定法によって測定すればよい。
[B]上記(1)式について
本発明では、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfの範囲を上記[A]のように適切に制御したうえで、REM添加に当たっては、更に上記(1)式を満足するように溶存酸素量QOfに留意しながら制御することが必要である。この(1)式は、「REM添加溶鋼鋳造時のノズル閉塞を防止するには、粗大なREM含有酸化物の生成を少なくすれば良い」との観点に基づき、設定した式である。詳細には、上記観点のもと、溶鋼中でのREM酸化物生成反応式(下記(2)式を参照)を構成する「REM」(上記(1)式におけるREM添加量QREM)と「O(酸素)」(上記(1)式における溶存酸素量QOf)を指標とし、溶存酸素量QOfと当該溶存酸素量QOfに対するREM添加量QREMが、取鍋ノズルを介して取鍋から鋳型に出鋼したときの溶鋼量(出鋼量)に及ぼす影響を調べた基礎実験に基づいて設定されたものである。後記する図3に示すように、上記(1)式の左辺の値をZ値とすると、Z値が−11を境にして出鋼量が大きく変化し、Z値が−11以下となるように溶存酸素量QOfとREM添加量QREMを調整すれば、ノズル閉塞を引き起こすことなく取鍋ノズルから溶鋼を出鋼できることが判明し、上記(1)式を定めた次第である。上記(1)式の左辺のそれぞれの係数(「logQREM」の係数2、および「logQOf」の係数3)は、下記(2)式で示される、溶鋼中でのREM酸化物生成反応式の係数(「REM」の係数2、および「O」の係数3)に対応している。
2REM+3O=REM23 ・・・(2)
即ち、上記(1)式において、Z値は、ノズル閉塞防止のための基準値となるべきものである。本発明において、溶存酸素量QOfとREM添加量QREMが上記(1)式を満足するということは、HAZ靱性向上に寄与する微細なREM含有酸化物の生成に最小限必要な溶存酸素量QOfは確保したうえで、REM添加量QREMについては、ノズル閉塞に悪影響を及ぼす粗大なREM含有酸化物は生成しない程度に、溶存酸素量QOfごとに、できるだけ少なく添加することを意味する。本発明によれば、微細なREM含有酸化物は充分に生成するが粗大なREM含有酸化物の生成が抑えられるため、鋳造時のノズル閉塞を防止できると思料される。
上記Z値が−11を超えると、溶存酸素量QOfとREM添加量QREMのバランスが悪くなり、溶存酸素量QOfに対してREM添加量QREMが多くなって粗大なREM含有酸化物が生成してノズル閉塞が発生し易くなる。従って上記Z値は、−11以下とする。Z値は少ない程良く、好ましくは−12以下、より好ましくは−13以下、更に好ましくは−14以下とする。Z値の下限は特に限定されないが、鋼中のREM量などを考慮すると、おおむね、−15程度であることが好ましい。
なお、REM添加量QREMは、上記(1)式に基づき、溶存酸素量QOfに応じて適宜決定されるが、REM添加量QREMの範囲は、概して、最終製品であるREM含有鋼に含まれるREM量に比べて多く設定される。これは、鋳造前の溶鋼に添加されたREMは、鋳造過程などで揮発したり、スラグ中に分散するなどして鋼材中に歩留まり難いため、REM添加溶鋼に含まれるREM添加量QREMに比べてREM含有鋼に含まれるREM量の方が少なくなるからである。本発明の方法は、以下に詳述するように、0.0003〜0.05%のREMを含有するREM含有鋼を製造するのに好適に用いられるが、本発明では、このようなREM量を確保できるように、溶製時のREM添加量QREMを適切に制御すれば良い。
本発明を特徴づける溶製工程の骨子は上記の通りであるが、より具体的な方法を、溶製手順に従って説明する。
まず、本発明では、転炉や電気炉などで一次精錬されたREM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfを、必要に応じて、上記0.0001〜0.015%の範囲に調整する。一次精錬された溶鋼中の溶存酸素量QOfは、通常0.01%を超えているため、当該溶鋼中の溶存酸素量QOfが0.01%超〜0.015%の範囲であれば、特別な調整を行なうことなくそのまま用いることができるが、0.015%を超えている場合は、溶存酸素量QOfの調整が別途必要となる。
この場合における溶存酸素量QOfの調整方法としては、例えばRH式脱ガス精錬装置を用いて真空脱酸する方法や、Si,Mn,Ti,Alなどの脱酸性元素を添加する方法などが挙げられ、これらの方法を適宜組み合わせて上記溶存酸素量QOfを調整すれば良い。また、RH式脱ガス精錬装置の代わりに、取鍋加熱式精錬装置や簡易式溶鋼処理設備などを用いて上記溶存酸素量QOfを調整しても良い。この場合、真空脱酸による溶存酸素量QOfの調整はできないため、溶存酸素量QOfの調整にはSi等の脱酸性元素を添加する方法を採用すれば良い。Si等の脱酸性元素を添加する方法を採用するときは、例えば、転炉から取鍋へ出鋼する際に脱酸性元素を添加しても構わない。
次に、本発明では、上記のようにREM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfを上記範囲に調整してから、REMを添加して鋳造する。本発明では、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfとREM添加量QREMの関係が、上記(1)式の関係を満足することが重要であって、REM以外の成分元素(Ti、Zr、Caなど)の添加順序は特に限定されない。REMは極めて活性な元素であり、他の成分元素に比べて酸素と非常に結合し易いため、ノズル閉塞の原因となる粗大なREM含有酸化物の生成に大きく関与するREM添加量QREMについては上記(1)式のように特別に留意する必要があるが、REM以外の成分元素と酸素との反応性は、REMに比べれば劣るため、当該成分元素の影響は、REMに比べて少ないからである。即ち、上記(1)式を制御しさえすれば、REM以外の成分元素の添加順序にかかわらず、鋳造時のノズル閉塞を防止できる。
但し、本発明のREM含有鋼を製造するに当たっては、溶鋼中にREMを添加する前に、Tiを添加することが好ましい。Ti酸化物はREM含有酸化物に比べて溶鋼との界面エネルギーが小さいため、溶存酸素量QOfを調整した溶鋼に対し、REMを添加してからTiを添加すると、粗大なTi酸化物が生成し易いのに対し、REM添加前にTiを添加することでTi酸化物を微細化でき、結果的に、HAZ靱性に寄与する微細な酸化物を生成させることができる。その後、REM(必要によりZrやCa)を添加することで、粒内フェライト変態の核となり、HAZ靱性の向上に寄与するREM含有酸化物が得られる。
なお、上記のようにTiを添加してからREMを添加する場合においても、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfに応じてREM添加量QREMが上記(1)式を満足する量のREMを添加すれば、粗大なREM含有酸化物の生成が抑制されるため、ノズル閉塞を有効に防止できる。即ち、上記の場合であっても、ノズル閉塞防止のためにTi添加量を考慮する必要はない。REMより先にTiを添加すると溶鋼中の溶存酸素はTiと結合して酸化物を形成するため、REMと結合する溶存酸素量は減少するが、Tiは、REMと比べると酸素と結合し難く、且つTi酸化物は溶鋼との界面エネルギーが小さいため、REMに比べて粗大な酸化物を形成し難く、ノズル閉塞の原因とはなり難いからである。
溶鋼へ添加するREMやCa、Zr、Tiの形態は特に限定されず、例えば、REMとして、純Laや純Ce、純Yなど、或いは純Ca、純Zr、純Ti、更にはFe−Si−La合金、Fe−Si−Ce合金、Fe−Si−Ca合金、Fe−Si−La−Ce合金、Fe−Ca合金、Ni−Ca合金、Fe−Zr合金、Fe−Ti合金などを添加すればよい。また、REMは、ミッシュメタルの形態で添加してもよい。ミッシュメタルとは、セリウム族希土類元素の混合物であり、具体的には、Ceを40〜50%程度,Laを20〜40%程度含有している。但し、ミッシュメタルには不純物としてCaを含むことが多いので、ミッシュメタルがCaを含む場合は、このCa量を考慮して鋼材に含有させるCa量を調整することが好ましい。
このようにして溶製されたREM添加溶鋼は、常法に従って連続鋳造してスラブとした後、常法に従って熱間圧延(必要に応じて冷間圧延)してREM含有鋼を製造すれば良い。上記溶製方法によって得られる本発明のREM含有鋼は、REMを含んでいれば特に限定されないが、REM添加によるHAZ靱性向上作用やスパッタ発生低減作用を有効に発揮させたい場合には、REM含有鋼の組成は、以下のように制御されていることが好ましい。以下では、溶接構造体や溶接材料などに適用する場合を想定したときに好適に用いられるREM含有鋼の組成を記載している。このようなREM含有鋼用の溶鋼は、当該鋼の組成が得られるように調整されたものを用いればよい。
C :0.01〜0.15%
Si:1.2%以下(0%を含まない)
Mn:3.8%以下(0%を含まない)
P :0.03%以下(0%を含まない)
S :0.03%以下(0%を含まない)
N :0.01%以下(0%を含まない)
Ti:0.2%以下(0%を含まない)
REM:0.0003〜0.05%
以下、各成分について詳しく説明する。
Cは、鋼材(母材)の強度や溶接部の焼入れ性を確保するために欠くことのできない元素であり、0.01%以上含有させる必要がある。C量は、好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.03%以上である。しかしC量が0.15%を超えると、溶接時のHAZに島状マルテンサイト(MA)が多く生成してHAZの靱性劣化を招くばかりでなく、溶接性にも悪影響を及ぼす。従ってC量は0.15%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下とする。
Siは、脱酸作用を有すると共に、固溶強化により鋼材(母材)の強度向上に寄与する元素である。また、Siは溶接部の延性を確保するために作用する元素である。こうした作用を有効に発揮させるには、Siは、0.01%以上含有させることが好ましい。Siは、より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.05%以上、特に好ましくは0.1%以上含有させるのがよい。
しかしSi量が1.2%を超えると、溶接材料として上記REM含有鋼を用いたときに、初層溶接部に高温割れが発生する。従ってSi量は、1.2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.8%以下とする。また、橋梁、高層建造物、船舶などに使用される鋼材として上記REM含有鋼を用いる場合には、鋼材の溶接性やHAZ靱性を高めるために、Si量は0.3%以下とすることが推奨され、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.05%以下とする。Si量を抑えるほどHAZ靱性は向上するが、鋼材の強度が低下することがある。
Mnは、鋼材(母材)の強度向上に寄与する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、0.4%以上、好ましくは0.8%以上、より好ましくは1%以上含有するのがよい。しかしMn量が3.8%を超えると、鋼材(母材)の溶接性を劣化させる他、溶接部の靱性を低下させる。従ってMn量は、3.8%以下、好ましくは3%以下に抑える必要がある。特に、橋梁、高層建造物、船舶などに使用される鋼材として上記REM含有鋼材を用いる場合には、Mn量は2.5%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1.8%以下に抑えるのがよい。
Pは、偏析し易い元素であり、特に鋼材中の結晶粒界に偏析して靱性を劣化させる元素である。従ってP量は0.03%以下に抑制する必要がある。P量は、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下である。なお、Pは、通常、不可避的に0.001%程度含有している。
Sは、Mnと結合して硫化物(MnS)を生成し、母材の靱性や板厚方向の延性を劣化させる有害な元素である。また、SがLaやCeなどのREMと結合してREM硫化物(例えば、LaSやCeS)を生成すると、REM含有酸化物の生成が抑えられるためノズル閉塞の発生は抑制される。しかしHAZ靱性向上に寄与する微細なREM含有酸化物の生成も阻害されるため、有用なREM含有鋼を得ることができない。従ってS量は0.03%以下に抑える必要がある。S量は、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下、更に好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.006%以下である。なお、Sは、通常、不可避的に0.0005%程度含有している。
Nは、窒化物(例えば、ZrNやTiNなど)を析出する元素であり、該窒化物は、溶接時のHAZに生成するオーステナイト粒の粗大化をピン止め効果によって防止し、しかも粒内フェライト変態を促進し、HAZ靱性の向上に寄与する。こうした効果を有効に発揮させるには、Nは0.003%以上含有させることが好ましい。N量は、より好ましくは0.004%以上、更に好ましくは0.005%以上である。Nは多いほど窒化物を形成してオーステナイト粒の微細化を促進してHAZの靱性向上に有効に作用する。しかしN量が0.01%を超えると、固溶N量が増大して母材自体の靱性が劣化する。従ってN量は0.01%以下に抑える必要がある。N量は、好ましくは0.009%以下、より好ましくは0.008%以下である。
Tiは、鋼材中に窒化物や酸化物を生成して鋼材組織の微細化に寄与する元素であり、HAZ靱性の向上や溶接部の高温割れ抑制に有効に作用する。こうした効果を発揮させるには、Tiは、好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.007%以上、更に好ましくは0.01%以上とするのがよい。しかし過剰に添加すると粗大な窒化物や酸化物が多量に生成してノズル閉塞を発生させる他、鋼材の靱性を劣化させる。従ってTiは0.2%以下とする。Tiは、好ましくは0.18%以下、より好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.08%以下とする。
REMの作用は上述したとおりであり、例えば溶接構造用鋼において、鋼中にREM含有酸化物やREM含有硫化物を生成して粒内フェライト変態核の生成を促進し、鋼材組織の微細化によるHAZ靱性向上に寄与する元素である。また、溶接用ワイヤなどの溶接材料にREMを含有させると、溶接時にスパッタが発生するのを防止することができる。こうした作用を発揮させるには、REMは、0.0003%以上含有させる必要があり、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.002%以上である。しかしREMを過剰に添加すると、固溶REMが生成し、これが偏析することで鋼自体(母材)の靱性が劣化する。従ってREM量は0.05%以下に抑えるべきである。REM量は、好ましくは0.03%以下、より好ましくは0.01%以下、更に好ましくは0.007%以下である。
なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくはLaおよび/またはCeを含有するのがよい。
上記REM含有鋼の残部成分は、鉄および不可避不純物(例えば、MgやAs,Seなど)である。
上記REM含有鋼は、更に他の元素として、
[1]Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種、
[2]Cu:2%以下(0%を含まない)および/またはNi:12%以下(0%を含まない)、
[3]Cr:3%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)、
[4]Nb:0.25%以下(0%を含まない)および/またはV:0.1%以下(0%を含まない)、
[5]B:0.005%以下(0%を含まない)、
等の元素を含有することも有効である。こうした範囲を定めた理由は以下の通りである。
《[1]Zr、Al、Ca》
Zr、Al、Caは、いずれも鋼材のHAZ靱性向上に関与する元素であり、単独で、或いは任意に選択される2種以上を含有してもよい。
特に、Zrは、上記Tiと同様の作用を有する元素である。即ち、鋼材中に窒化物や酸化物を生成して鋼材組織の微細化に寄与する元素であり、HAZ靱性の向上や溶接部の高温割れ抑制に有効に作用する。こうした効果を発揮させるには、Zrは、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.003%以上、更に好ましくは0.005%以上とするのがよい。しかし過剰に添加すると粗大な窒化物や酸化物が多量に生成してノズル閉塞を発生させる他、鋼材の靱性を劣化させる。従ってZrは、好ましくは0.1%以下とする。Zrは、より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.06%以下とする。
Zrと上記Tiを併用する場合は、合計で、好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.007%以上、更に好ましくは0.01%以上とするのがよく、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.07%以下、最も好ましくは0.06%以下とするのがよい。
Alは、脱酸力の強い元素であり、適正量の添加であれば、清浄度の向上や他元素の歩留まり安定化に寄与する元素である。しかし過剰に添加すると鋼材のHAZ靱性向上に有効に作用するREM含有酸化物を還元してHAZ靱性を向上させることができず、また溶接材料の場合は、溶接時にスパッタが発生するのを防止できないため、溶接作業性を悪化させる原因となる。従ってAl量は0.1%以下に抑えることが好ましい。Al量は、より好ましくは0.05%以下、更に好ましくは0.03%以下、特に好ましくは0.01%以下である。なお、Alは、通常、不可避的に0.0005%程度含有している。
Caは、鋼材中の酸化物や硫化物などの形態や組成を制御して靱性向上に寄与する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0005%以上含有させるのがよい。しかしCaを過剰に添加すると、粗大な硫化物が生成して鋼材(母材)の靱性が劣化する。従ってCa量は、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.007%以下、更に好ましくは0.005%以下とするのがよい。
《[2]Cuおよび/またはNi》
CuとNiは、いずれも鋼材の強度を高めるのに寄与する元素であり、夫々単独で、或いは複合して添加できる。しかしCu量が2%を超えると、母材の強度を著しく高め過ぎて母材の靱性を却って劣化させるため、HAZ靱性も低下する。従ってCu量は、好ましくは2%以下、より好ましくは1.8%以下、更に好ましくは1.5%以下とするのがよい。なお、Cu添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.2%以上含有させるのがよい。
Ni量が12%を超えると、上記Cuと同様に、母材の強度を著しく高め過ぎて母材の靱性を劣化させるため、HAZ靱性も低下する。従ってNi量は、好ましくは12%以下、より好ましくは11.5%以下、更に好ましくは11%以下、特に好ましくは5%以下、最も好ましくは3.5%以下とするのがよい。なお、Ni添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.2%以上含有させるのがよい。
《[3]Crおよび/またはMo》
CrとMoは、いずれも鋼材の強度を高めるのに寄与する元素であり、夫々単独で、或いは複合して添加できる。しかしCrが3%を超えると、母材の強度を著しく高め過ぎて母材の靱性を劣化させるため、HAZ靱性を低下する。従ってCr量は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下とするのがよい。なお、Cr添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.15%以上含有させるのがよい。
MoもCrと同様に、1%を超えると、母材の強度を著しく高め過ぎて母材の靱性を劣化させるため、HAZ靱性を低下する。従ってMo量は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.9%以下、更に好ましくは0.8%以下とするのがよい。なお、Mo添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.15%以上含有させるのがよい。
《[4]Nbおよび/またはV》
NbとVは、いずれも炭窒化物として析出し、該炭窒化物のピン止め効果により、溶接時にHAZのオーステナイト粒が粗大化するのを防止し、HAZ靱性を向上させる作用を有する元素である。NbとVは、夫々単独で、或いは複合して添加することができる。しかしNb量が0.25%を超えると、析出する炭窒化物が粗大化し、HAZ靱性を却って劣化させる。従ってNb量は、好ましくは0.25%以下、より好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.15%以下とするのがよい。なお、Nb添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.01%以上、更に好ましくは0.02%以上含有させるのがよい。
VもNbと同様に、0.1%を超えると、析出する炭窒化物が粗大化し、HAZ靱性を却って劣化させる。従ってV量は、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.09%以下、更に好ましくは0.08%以下とするのがよい。なお、V添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.002%以上、より好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.01%以上含有させるのがよい。
《[5]B(ホウ素)》
Bは、粒界フェライトの生成を抑制して靱性を向上させる元素である。しかしB量が0.005%を超えると、オーステナイト粒界にBNとして析出し、靱性の低下を招く。従ってB量は、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.004%以下とするのがよい。なお、B添加による作用を有効に発揮させるには、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.0015%以上含有させるのがよい。
上記成分組成を満足するREM含有鋼は、溶接時に熱影響を受けてもHAZ靱性が良好な鋼材となる。この鋼材は、板厚を約3.0mm以上の厚鋼板としても良好なHAZ靱性を示す。また、溶接材料(溶接用ワイヤ、例えば、ソリッドワイヤ)として上記REM含有鋼材を用いると、スパッタ発生を防止できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、下記実験は実験室で行った。
高周波誘導溶解炉(容量500kg)を用い、下記表2に示す成分組成(質量%)の供試鋼(残部は鉄および不可避不純物)を溶製し、150kgのインゴットに鋳造して冷却した。詳細には、まず、高周波誘導溶解炉で原料鋼を溶解し、1600℃に保持した状態で、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfを、C、Si、Mn、AlおよびTiから選ばれる少なくとも1種の元素を用いて脱酸して調整した。この溶存酸素量QOfを、固体電解質を用いた一般的な起電力測定法によって測定した。測定結果を下記表1に示す。
次いで、REM添加前、および/または、REM添加後に、REM以外の成分が下記表2に示す範囲となるように調整しつつ、下記表1に示す量のREM(QREM)を上記の溶鋼に添加した。下記表1には、上記溶存酸素量QOfとREM添加量QREMの値を下記(1)’式に代入して算出したZ値(上記(1)式の左辺の値)を併せて示す。
Z=2logQREM+3logQOf ・・・・(1)’
なお、REMはLaを約25%とCeを約50%含有するミッシュメタルの形態で、TiはFe−Ti合金の形態で、ZrはFe−Zr合金の形態で、CaはNi−Ca合金の形態で、夫々添加した。
REM添加後の溶鋼を、高周波誘導溶解炉から取鍋に速やかに出鋼し、この取鍋を重量測定装置(ロードセル)を備えた鋳型の上方に吊り下げた。その後、取鍋底部に設けられたφ12mmの取鍋ノズルを開放し、取鍋下方の鋳型に溶鋼を出鋼した。取鍋から鋳型に出鋼するときの溶鋼温度は約1600℃となるように、高周波誘導溶解炉で溶鋼の温度を調整した。取鍋ノズルを介して取鍋から鋳型へ溶鋼を出鋼している間、鋳型に取り付けたロードセルによって、鋳型内に流出した溶鋼重量(出鋼量)を連続的に測定した。
本実施例では、この出鋼量に基づいてノズル閉塞の有無を評価した。詳細には、出鋼を開始してから120秒経過した時点における出鋼量を基準値とし、この出鋼量が145kg以上である場合を、ノズル閉塞が無く、合格とする。下記表1に、出鋼を開始してから120秒経過した時点における出鋼量(kg)を示す。
また、図1に、出鋼を開始してからの経過時間(秒)に対する出鋼量(kg)の経時的変化をグラフに示す。なお、図1には、下記表1に示した例のうち、代表例としてNo.1と5(以上、本発明例)、No.10と14(以上、比較例)の結果を示す。図1中、実線はNo.1の結果、細かい点線はNo.5の結果、一点鎖線はNo.10の結果、粗い点線はNo.14の結果を夫々示している。
下記表1と図1から次のように考察できる。No.1〜9、17は、本発明で規定する条件を満足するようにREM添加鋼を製造した例である。これらの例は、出鋼を開始してから120秒経過した時点で145kg以上のREM添加溶鋼を出鋼できており、更に出鋼を続けてもノズル閉塞は発生せず、取鍋内のREM添加溶鋼を全て鋳型に出鋼できた。
これに対し、No.10〜16は、本発明で規定する条件のいずれかを満足せずにREM添加鋼を製造した例である。これらのうち、No.10〜15は、上記Z値が−11を超えた例であり、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfとREM添加量QREMのバランスが悪く、溶鋼中に多量のREM含有酸化物が生成し、このREM含有酸化物がノズル内壁に付着してノズル閉塞が発生した。その結果、出鋼開始後120秒経過時点での出鋼重量は145kg未満と少なく、更に出鋼を続けるとノズルが完全に閉塞して取鍋内にはREM添加溶鋼が残った。一方、No.16は、上記Z値は本発明で規定する要件を満足しているものの、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfが0.015%を超えた例であり、REM含有酸化物の他、REM以外の元素の酸化物も多く生成し、これらの酸化物がノズル内壁に付着してノズル閉塞を発生させていた。その結果、出鋼開始後120秒経過時点での出鋼重量は145kg未満と少なく、更に出鋼を続けるとノズルが完全に閉塞して取鍋内にはREM添加溶鋼が残った。
上記の結果は、表1の代表例をプロットした図1を参照すると一層明瞭に読み取れる。図1から明らかなように、本発明法によって製造したNo.1と5(実線と細かい点線)では、出鋼を開始してから120秒経過した時点で145kg以上の溶鋼を出鋼できており、時間の経過と共に出鋼量は益々増大している。これに対し、本発明法に基づかないNo.10と14(一点鎖線と粗い点線)では、出鋼を開始してから120秒経過した時点での溶鋼の出鋼量は145kg未満と少なく、時間が更に経過しても出鋼量は殆ど変わらなかった。詳細には、No.10では100秒経過時点から、No.14では150秒経過時点から、出鋼量はほぼ横ばいとなり、取鍋からの出鋼がほぼ停止していることが分かる。
更に、本発明に規定する上記(1)式が、鋳造時のノズル閉塞の有用な指標となることを、図2および図3を用いて明らかにする。これらの図では、下記表1のうち、溶存酸素量QOfが本発明で規定する要件から外れているNo.16を除いたNo.1〜15、17の結果をプロットしている。
まず、図2は、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfとREM添加量QREMの関係を示す。詳細には、図2中、本発明の要件を満足するNo.1〜9、17の結果(ノズル閉塞なし)を○で示し、本発明の要件のいずれかを満足しないNo.10〜15の結果(ノズル閉塞あり)を×で示す。
図2に示した直線は、上記(1)’式を示しており、ノズル閉塞の有無は、上記(1)’式を境に明瞭に棲み分けされ、溶存酸素量QOfとREM添加量QREMとは、非常に高い相関関係を有していることが読み取れる。即ち、REM添加前溶鋼の溶存酸素量QOfを0.0001〜0.015%の範囲に調整した後、REMを添加する際に、溶存酸素量QOfに応じて上記Z値が−11以下(直線より下の領域)となるようにREMを添加すれば、取鍋から鋳型に出鋼するときのノズル閉塞を防止できることが分かる。
また、図3は、上記Z値と出鋼量の関係をグラフ化したものである。図3から明らかなように、上記Z値が−11を境にして出鋼量は大きく変化しており、Z値は、ノズル閉塞防止の有用な指標となることが分かる。
Figure 0005503428
Figure 0005503428

Claims (8)

  1. C :0.01〜0.15%(質量%の意味。以下成分について同じ。)、
    Si:1.2%以下(0%を含まない)、
    Mn:3.8%以下(0%を含まない)、
    P :0.03%以下(0%を含まない)、
    S :0.03%以下(0%を含まない)、
    N :0.01%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.005〜0.2および
    REM:0.0003〜0.05%を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなるREM含有鋼を製造する方法であって、
    REM添加前の溶鋼中の溶存酸素量QOfを0.0001〜0.015%の範囲に調整し、その後にREMを添加するにあたっては、前記溶存酸素量QOfとREM添加量QREMが下記(1)式を満足する量のREMを添加して溶製することを特徴とするREM含有鋼の製造方法。
    2logQREM+3logQOf≦−11 ・・・(1)
  2. 前記溶鋼中に前記REMを添加する前にTiを添加する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(1)式を、鋳造時のノズル閉塞の指標として用いるものである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記REM含有鋼が、更に他の元素として、
    Zr:0.1%以下(0%を含まない)、
    Al:0.1%以下(0%を含まない)、
    Ca:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記REM含有鋼が、更に他の元素として、
    Cu:2%以下(0%を含まない)および/または
    Ni:12%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記REM含有鋼が、更に他の元素として、
    Cr:3%以下(0%を含まない)および/または
    Mo:1%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記REM含有鋼が、更に他の元素として、
    Nb:0.25%以下(0%を含まない)および/または
    V :0.1%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記REM含有鋼が、更に他の元素として、
    B:0.005%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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