JP5493671B2 - 塗料用湿気硬化性組成物 - Google Patents
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Description
しかし、近年の地球環境に対する関心の高まりから、大量の溶剤が揮発する溶剤型塗料は敬遠され、塗料の一層のハソリッド化、さらには粉体塗料への変更が求められている。
一般的にビニル系共重合体を含有する塗料組成物によるハイソリッド塗料や、粉体塗料を使用した場合、外観特性、物理特性、化学特性および貯蔵安定性を満足するものではなかった。特に平滑性とブロッキング性を同時に十分満足することはできなかった。平滑性を向上させるためには、溶融粘度を低下させることが最も効果的である。しかし、溶融粘度を低下させるためには、ガラス転移温度を低下させなければならず、この方法では、平滑性とブロッキング性の両性能を満足することは不可能であった。
これを解決する1つの方法として、例えば特許文献1には、ビニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)を小さくし、重合体の溶融粘度を下げ、平滑性とブロッキング性を両立させた塗料用湿気硬化性組成物が提案されている。
1.架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を含む塗料用湿気硬化性組成物であって、前記ビニル系重合体が以下の工程により製造されたものであることを特徴とする塗料用湿気硬化性組成物。
[1]一般式(2)で示される化合物をリビングラジカル重合開始剤として、一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを0.1〜10質量%含むビニル系モノマーをリビングラジカル重合することにより、末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体を製造する工程。
[2]上記ビニル系重合体と、一般式(4)で示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物とを反応させる工程。
2.上記工程[1]が、溶剤中で行われることを特徴とする上記1.に記載の塗料用湿気硬化性組成物。
3.上記溶剤が、オルトギ酸メチルまたはオルト酢酸メチルであることを特徴とする上記2.に記載の塗料用湿気硬化性組成物。
4.上記工程[1]のリビングラジカル重合中に、末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体と、一般式(4)示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物との反応が、同時に行われることを特徴とする上記1.〜3.のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
5.一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、リビングラジカル重合の重合率70%〜99%の範囲で添加し共重合させることを特徴とする上記1.〜4.のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
6.上記工程[1]で得られた末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体と、一般式(4)示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物とのモル比が1:0.8〜2.0であることを特徴とする上記1.〜5.のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
7.上記架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が5000〜50000であり、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.05〜3.0以下であることを特徴とする上記1.〜6.のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
[1]一般式(2)で示される化合物をリビングラジカル重合開始剤として、一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを0.1〜10質量%含むビニル系モノマーをリビングラジカル重合することにより、末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体を製造する工程。
[2]上記ビニル系重合体と、一般式(4)で示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物とを反応させる工程。
[A]一般式(1)で示されるリビングラジカル重合開始剤と、一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを反応させ、架橋性シリル基含有の重合前駆体を製造する工程。
[B]上記重合前駆体を用いて、架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマー以外のビニル系モノマーをリビングラジカル重合させる工程。
[C]上記工程[B]の重合率が70〜99%の時点で、さらに架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを添加して、共重合させる工程。
架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマー以外のビニル系モノマーとしては、(メタ)アクリル系化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル化合物がより好ましい。(メタ)アクリル系化合物の使用割合としては、工程[B]で用いる上記ビニル系モノマー全量を100質量%とした時に、40〜100質量%が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
工程[C]で用いられる架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーは、工程[A]で用いたものと同じモノマーを使用することができる。工程[C]における架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーの量は、工程[B]で使用する重合前駆体1モルに対し、0.1〜10モルが好ましい。より好ましくは0.4〜5モルであり、さらに好ましくは0.6〜3モルである。特に好ましくは0.8〜1.5モルである。0.1モル未満では、硬化物が弱く、優れた力学的特性を示さない。一方、10モルを超えると、硬化物の架橋密度が高くなりすぎ破断伸びも低く、脆くなるため好ましくない。
平均数(個数f)=上記ビニル系重合体中の架橋性シリルの官能基濃度[mol/kg]/(1000/数平均分子量)
平均数(個数f)が1.0より小さいと、塗料用湿気硬化性組成物から得られる硬化物は架橋密度が小さいため、破断強度が非常に弱いものになる。一方、10.0より大きいと、架橋密度が高すぎ、脆くて、可とう性の低い塗膜となる場合がある。
本発明の塗料用湿気硬化性組成物には、目的に応じ、適宜、硬化触媒、顔料、流動調整剤、チクソ剤(チクソトロピー調整剤)、帯電防止剤、表面調整剤、光沢付与剤、ブロッキング防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、ワキ防止剤、スリップ剤、酸化防止剤、純水等の添加剤を配合してもよい。また、クリアコートとして使用する場合に少量の顔料を配合し、完全に隠ぺい性の発現しない程度に着色しても良い。
また、合成例、実施例および比較例における「Mn」は、数平均分子量を意味し、「Mw」は、重量平均分子量を意味し、「Mw/Mn」は分散度を意味する。この「Mn」および「Mw」は、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で算出された値である。
<GPC測定条件>
装置:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−M 4本(東ソー社製)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン 0.35ml/min
検出器:RI
また、重合体における、架橋性シリル基のファンクショナリティーは、NMRスペクトルの積分比から評価し、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)は、DSC(示差走査熱量測定)による比容の温度変化から測定した。
合成例1(重合体Aの調製)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器にメタクリル酸メチル(以下、「MMA」ともいう)121質量部、スチレン(以下、「St」ともいう)25質量部、アクリル酸ブチル(以下、「BA」ともいう)21質量部、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(以下、「MDMS」ともいう)19質量部、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]31.1質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン23.1質量部、テトラブチルアンモニウムブロマイド(以下、「TBAB」ともいう)6.3質量部、オルトギ酸エステル(以下、「MOA」ともいう)176質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を105℃に上昇させ重合反応を開始し、反応液温度が105℃保たれるようジャケット温度は調整された。6時間後にMMA、St、BA、MDMSの重合率は90%、92%、88%、95%であった。そこに、MDMS19質量部添加し、105℃のまま4時間反応させた。この時点でのMMA、St、BA、MDMSの重合率は94%、94%、92%、99%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、90℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体を得た。重合体の性状はMw3500、Mn2800、Mw/Mn1.25、ガラス転移温度64℃であった。また酸価0.1mgKOH/gとなり、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]のカルボキシル基の反応率は99%となった。重合体の高分子鎖1本あたりのアルコキシシリル基数f(Si)は2.9であった。
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器にMMA170質量部、St34質量部、BA41質量部、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]30.8質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン22.9質量部、TBAB6.3質量部、MOA176質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を105℃に上昇させ重合反応を開始し、反応液温度が105℃保たれるようジャケット温度は調整された。6時間後にMMA、St、BAの重合率は91%、89%、87%であった。そこへMDMS19質量部添加し、105℃のまま4時間反応させた。この時点でのMMA、St、BA、MDMSの重合率は96%、91%、95%、99%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、90℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体を得た。重合体の性状はMw3940、Mn3010、Mw/Mn1.31、ガラス転移温度65℃であった。また酸価0.1mgKOH/gとなり、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]のカルボキシル基の反応率は99%となった。重合体の高分子鎖1本あたりのアルコキシシリル基数f(Si)は2.0であった。
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器にMMA191質量部、アクリル酸メチル(以下、「MA」ともいう)55質量部、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]30.4質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン22.6質量部、TBAB6.2質量部、MOA176質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を105℃に上昇させ重合反応を開始し、反応液温度が105℃保たれるようジャケット温度は調整された。6時間後にMMA、MAの重合率は94%、84%であった。そこへMDMS19質量部添加し、105℃のまま4時間反応させた。この時点でのMMA、MA、MDMSの重合率は97%、91%、98%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、90℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体を得た。重合体の性状はMw3960、Mn3070、Mw/Mn1.29、ガラス転移温度64℃であった。また酸価0.1mgKOH/gとなり、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]のカルボキシル基の反応率は99%となった。重合体の高分子鎖1本あたりのアルコキシシリル基数f(Si)は1.9であった。
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器にMOA400質量部、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]41.8質量部、3−アクリロキシプロピルジメトキシモノメチルシラン(以下、「ADMS」ともいう)24質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を75℃に上昇させ反応を開始し、反応液温度が75℃保たれるように調整された。4時間後に冷却し反応を終了した。反応液を分析するとADMSの重合率は98%であった。冷却後、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ、減圧乾燥した。そこに、MMA165質量部、St34質量部、BA28質量部、MOA183質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を105℃に上昇させ重合反応を開始し、反応液温度が105℃保たれるようジャケット温度は調整された。6時間後にMMA、St、BAの重合率は90%、83%、86%であった。そこへMDMS19質量部添加し、105℃のまま4時間反応させた。この時点でのMMA、St、BA、MDMSの重合率は95%、92%、95%、99%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、90℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体を得た。重合体の性状はMw3840、Mn2950、Mw/Mn1.30、ガラス転移温度63℃であった。また酸価0.1mgKOH/gとなり、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]のカルボキシル基の反応率は99%となった。重合体の高分子鎖1本あたりのアルコキシシリル基数f(Si)は2.0であった。
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器にMMA189質量部、St51質量部、BA34質量部、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]14.4質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10.7質量部、TBAB2.9質量部、MOA188質量部からなる混合液を仕込み、混合液は窒素バブリングで十分に脱気された。ジャケット温度を105℃に上昇させ重合反応を開始し、反応液温度が105℃保たれるようジャケット温度は調整された。6時間後にMMA、St、BAの重合率は92%、84%、87%であった。そこへMDMS9質量部添加し、105℃のまま4時間反応させた。この時点でのMMA、St、BA、MDMSの重合率は95%、92%、96%、99%であった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、90℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約200質量部の重合体を得た。重合体の性状はMw9220、Mn7200、Mw/Mn1.28、ガラス転移温度67℃であった。また酸価0.1mgKOH/gとなり、リビングラジカル重合開始剤[式(6)]のカルボキシル基の反応率は99%となった。重合体の高分子鎖1本あたりのアルコキシシリル基数f(Si)は1.9であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、MDMS188質量部、アゾビスイソブチロニトリル(以下「V−60」ともいう)13質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、V−60 10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、MDMSの重合率はそれぞれ91%、91%、98%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体を得た。得られた重合体の性状はMw5400、Mn2300、Mw/Mn2.35、ガラス転移温度は59℃、エポキシ基のファンクショナリティーは5.7であった。
1リットルのセパラブルフラスコにトルエン200質量部を加え、加熱攪拌し、トルエンが還流を始めたら、MMA160質量部、BA50質量部、MDMS188質量部、V−60 9質量部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間還流を続けた後、V−60 10質量部を加えて1時間還流し、その後還流を停止した。このときのMMA、BA、MDMSの重合率はそれぞれ91%、93%、96%あった。冷却後、反応液を抜き出し、減圧度0.3kPa、80℃で5時間かけ蒸発機で減圧乾燥し、約250質量部の重合体を得た。得られた重合体の性状はMw9870、Mn3300、Mw/Mn2.99、ガラス転移温度は68℃、エポキシ基のファンクショナリティーは5.6であった。
実施例1〜4、比較例1および2、並びに、参考例1(粉体塗料組成物の調製)
実施例1〜4、比較例1および2、並びに、参考例1の粉体塗料用組成物について、下記の方法により調製した。下記表2に記載の原料および配合割合に従い、ビニル系重合体(A〜G)および硬化触媒を配合して、三井三池製作所社製「FM10B型ヘンシェルミキサー」を用いて、3分間乾式混合した。次いで、BUSS社製エクストルーダー「PR46」を用いて110℃で溶融混練した後、冷却し、各粉体塗料用組成物を得た。
各粉体塗料用組成物の性能試験を行なうため、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、粉体塗料用組成物を厚さ50〜70μmに塗装した後、50℃で10日間加熱し、塗膜を作成した。
実施例5および6、並びに比較例3および4(ハイソリッド塗料用組成物)
実施例5および6、並びに比較例3および4のハイソリッド塗料用組成物について、下記の方法により調製した。下記表3に記載の配合に従い、ビニル系重合体(A,B,F,G)、硬化触媒および有機溶剤を配合した。エアスプレーができるように、25℃で、粘度を20秒(Zahncup#2)に調整して、ハイソリッド塗料を作成した。
各ハイソリッド塗料の性能試験を行なうため、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、ハイソリッド塗料用組成物を厚さ50〜70μmに噴霧塗装し、これを、50℃で10日間加熱し、塗膜を作成した。
上記により得られた塗膜について、以下の(1)〜(4)に示した性能試験を行った。
底面積が約20cm2の円筒容器に、上記により得られた塗膜を、高さが6cmとなるように入れ、30℃で7日間静値した。その後、上記円筒容器から塗膜を取り出して、その塗膜について下記の性能試験をおこなった。
(1)耐ブロッキング性
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、その塗膜のブロッキング状態を目視および指触で観察し、下記の基準に従って評価した。
◎:固まりが全く認められなかった。
○:米粒状の固まりが認められた。
×:容器の形のまま固まっていた。
(2)目視外観(塗膜の平滑性及び鮮映性)
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、その塗膜の外観をツヤ及び平滑性について、目視観察して、下記基準に従って評価した。
◎:特に優れていた。
○:良好であった。
×:劣っていた。
(3)ロングウエーブ(塗膜の平滑性)
上記の通り、30℃で7日間静値した後の上記円筒容器から取り出した塗膜について、
ウエーブスキャンプラス(BYK社製)にてロングウエーブを測定した。このロングウエーブは、塗膜の平滑性を表す指標であり、数値が小さいほど塗膜の表面は平滑となる。
(4)60度 表面光沢
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。数字が大きい程、光沢が高いことを示す。
Claims (7)
- 架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を含む塗料用湿気硬化性組成物であって、前記ビニル系重合体が以下の工程により製造されたものであることを特徴とする塗料用湿気硬化性組成物。
[1]一般式(2)で示される化合物をリビングラジカル重合開始剤として、一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを0.1〜10質量%含むビニル系モノマーをリビングラジカル重合することにより、末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体を製造する工程。
[2]上記ビニル系重合体と、一般式(4)で示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物とを反応させる工程。
- 上記工程[1]が、溶剤中で行われることを特徴とする請求項1に記載の塗料用湿気硬化性組成物。
- 上記溶剤が、オルトギ酸メチルまたはオルト酢酸メチルであることを特徴とする請求項2に記載の塗料用湿気硬化性組成物。
- 上記工程[1]のリビングラジカル重合中に、末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体と、一般式(4)示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物との反応が、同時に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
- 一般式(3)で示される架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、リビングラジカル重合の重合率70%〜99%の範囲で添加し共重合させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
- 上記工程[1]で得られた末端にカルボキシル基を有するビニル系重合体と、一般式(4)示される架橋性シリル基を有するグリシジル化合物とのモル比が1:0.8〜2.0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
- 上記架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量が1000〜20000であり、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.05〜3.0以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗料用湿気硬化性組成物。
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