JP5488777B2 - トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置 - Google Patents

トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5488777B2
JP5488777B2 JP2007273547A JP2007273547A JP5488777B2 JP 5488777 B2 JP5488777 B2 JP 5488777B2 JP 2007273547 A JP2007273547 A JP 2007273547A JP 2007273547 A JP2007273547 A JP 2007273547A JP 5488777 B2 JP5488777 B2 JP 5488777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
trichlorosilane
product gas
gas
reaction product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007273547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008156209A (ja
Inventor
一樹 水嶋
祐司 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007273547A priority Critical patent/JP5488777B2/ja
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to PCT/JP2007/070912 priority patent/WO2008065838A1/ja
Priority to KR1020097001714A priority patent/KR101400481B1/ko
Priority to EP07830646.1A priority patent/EP2088124B1/en
Priority to US12/309,626 priority patent/US20090285743A1/en
Priority to CN2007800245948A priority patent/CN101479193B/zh
Priority to TW097116310A priority patent/TWI430947B/zh
Publication of JP2008156209A publication Critical patent/JP2008156209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5488777B2 publication Critical patent/JP5488777B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/08Compounds containing halogen
    • C01B33/107Halogenated silanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/08Compounds containing halogen
    • C01B33/107Halogenated silanes
    • C01B33/1071Tetrachloride, trichlorosilane or silicochloroform, dichlorosilane, monochlorosilane or mixtures thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

本発明は、テトラクロロシランと水素を反応させてトリクロロシランに転換するトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシラン製造装置に関する。
高純度多結晶シリコンは、例えばトリクロロシラン(SiHCl3:TCSと略称)、テトラクロロシラン(SiCl4:STCと略称)、および水素を原料とし、次式(1)に示されるトリクロロシランの水素還元反応、次式(2)に示されるトリクロロシランの熱分解反応によって製造することができる。
SiHCl3+H2 → Si+3HCl ・・・(1)
4SiHCl3 → Si+3SiCl4+2H2 ・・・(2)
上記製造方法の原料となるトリクロロシランは、金属シリコンに塩化水素を反応させて粗トリクロロシランを製造し、これを蒸留精製して得られる。また、上記生成反応の排ガスから蒸留分離して回収したテトラクロロシランを原料とし、次式(3)に示す水素付加の転換反応によってトリクロロシランを生成させることができる。
SiCl4+H2 → SiHCl3+HCl ・・・(3)
このトリクロロシランを製造する装置として、例えば特許文献1に記載されている転換反応装置(転化炉)が知られている。この転換反応装置は、発熱体に囲まれた反応室が同心配置の2つの管によって形成された外室と内室の二重室を有し、この反応室の下部に熱交換器が設けられており、該熱交換器を介して反応室に水素とテトラクロロシランとを供給する原料ガス供給管路と、反応室から反応生成ガスを排出する排出管路とが接続しており、上記熱交換器において、反応室に供給される供給ガスが、反応室から排出される反応生成ガスから熱を伝達されて予熱されると共に、排出される反応生成ガスの冷却が行われるようになっている。
また、例えば特許文献2には、テトラクロロシランと水素を反応室に導入して600℃〜1200℃の温度で転換反応させることによってトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスを得るとともに、反応室から導出された上記反応生成ガスを、例えば1秒以内に300℃以下にまで達するような冷却速度で急冷する冷却手段を備えたものが提案されている。
特許第3781439号公報 特公昭57−38524公報
ところで、特許文献1に記載のトリクロロシランの製造装置では、反応室下部の熱交換器において、供給された原料ガスと熱交換することによって反応生成ガスの冷却が行われるが、反応生成ガスを冷却する過程で、トリクロロシランが塩化水素と反応して四塩化珪素(STC)と水素に分解する上記反応式(3)の逆反応が生じる。ここで、従来のような熱交換器による冷却では、冷却速度が遅いため上記逆反応の発生を十分に抑えることはできず、トリクロロシランへの転換率が低下すると云う不都合があった。この不都合は、より高い温度で転換反応を起こさせた場合に大きくなり、特に1200℃を超える温度で顕著であった。
また、特許文献2に記載されているように、上記逆反応がほとんど生じなくなる300℃以下にまで1秒以下といった極端に短い時間で急冷することによって上記反応式(3)の逆反応を抑制することが可能であるが、このように急冷した場合には、冷却過程において例えば以下の反応式(4)に示すように、SiCl2がSiCl4と反応して、ポリマーが副生することが知られている。このSiCl2は、以下の反応式(5)に示すように、トリクロロシランの分解よって生じる中間生成物であり、高温においてより多く生成する。このように、ポリマーの副生は、より高い温度で転換反応を起こさせた場合に大きくなり、特に1200℃を超える温度で顕著となる。
SiCl2+SiCl4 → Si2Cl6 ・・・(4)
SiHCl3 → SiCl2+HCl ・・・(5)
このようにポリマーが副生するためにトリクロロシランの転換率が低下すると共に、副生したポリマーが配管の壁に付着するなどして配管を閉塞し、配管等の状態を良好に維持できないと云う不都合があった。なお、上記ポリマーとは、前述のSi2Cl6のようにシリコン2原子以上を含むSi3Cl8、Si22Cl4等の高次クロロシラン類の総称である。
また、300℃以下にまで冷却した場合には、熱交換器により供給ガスを十分に予熱できず反応生成ガスの余熱を活用することができなくなるので、エネルギーロスが大きくなり、このトリクロロシランの製造装置全体の熱効率が著しく低下してしまう。さらに、1000℃程度の反応生成ガスを1秒以内に300℃以下にまで急冷するためには、構成が複雑な冷却装置を用いる必要があり、トリクロロシランの製造コストが大幅に増加してしまうなどの問題があった。
本発明は、このような従来の製造方法における上記問題を解決したものであって、反応生成ガスの余熱を利用して反応室に導入される上記テトラクロロシランまたは上記水素の少なくとも一方を予熱すると共に、反応室から導出された反応生成ガスを冷却する工程(冷却手段)を設けて冷却速度を適正化することによって、テトラクロロシランへの逆反応およびポリマーの副生を防止することにより、熱効率および転換率の向上を図ることができるトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明に係るトリクロロシランの製造方法は、テトラクロロシランと水素とからなる原料ガスを反応室内に導入して900℃〜1900℃での転換反応によりトリクロロシランと塩化水素を含む反応生成ガスを生成する転換反応工程と、上記反応室から導出された上記反応生成ガスを300℃〜800℃まで急冷する冷却工程と、冷却された上記反応生成ガスと上記原料ガスとの間で熱交換を行い、該原料ガスを300℃〜800℃に予熱する予熱工程とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係るトリクロロシランの製造装置は、テトラクロロシランと水素とからなる原料ガスを内部に導入し900℃〜1900℃での転換反応によりトリクロロシランと塩化水素を含む反応生成ガスを生成する反応室と、上記反応室から導出された上記反応生成ガスを300℃〜800℃にまで急冷する冷却手段と、冷却された上記反応生成ガスと原料ガスとの間で熱交換を行い、該原料ガスを300℃〜800℃に予熱する予熱手段とを備えていることを特徴としている。


上記構成のトリクロロシランの製造方法、およびトリクロロシランの製造装置においては、反応室から導出された反応生成ガスが300〜800℃にまで急冷される。ここで、トリクロロシランからテトラクロロシランへの逆反応は、800℃以下になると顕著には起こらなくなるので、トリクロロシランへの転換率の向上を図ることができる。また、急冷後の反応生成ガスの温度が300℃以上であるので、冷却過程におけるポリマーの発生を抑制でき、転換率のさらなる向上を図ることができるとともにポリマーによる配管閉塞等のトラブルを未然に防止できる。
さらに、急冷後の反応生成ガスの温度が300℃以上に維持されるとともに、この反応生成ガスと反応室に導入されるテトラクロロシランまたは水素の少なくとも一方との間で熱交換を行ってテトラクロロシランまたは水素の少なくとも一方を予熱する予熱工程(予熱手段)を備えているので、反応生成ガスの余熱を利用してテトラクロロシランおよび水素を予熱することが可能となり、このトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置全体の熱効率を向上させることができる。
また、本発明のトリクロロシランの製造方法は、上記転換反応工程は、1200℃〜1900℃での転換反応によって上記反応生成ガスを生成することを特徴とする。また、本発明のトリクロロシランの製造装置は、上記反応室は、テトラクロロシランと水素とを1200℃〜1900℃に加熱保持して転換反応により上記反応生成ガスを生成することを特徴とする。
これらトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置では、1200℃〜1900℃で転換反応させているので、転換反応がより促進され、トリクロロシランへの転換率を向上させることができる。なお、1200℃を超えると、反応生成ガス中のトリクロロシランの一部が塩化水素と中間生成物であるSiCl2に分解してSiCl2が反応生成ガス中で主要な成分となるので、ポリマーが発生し易くなるが、本発明では急冷後の反応生成ガスの温度を300℃以上に維持されるように冷却速度が適正化されているので、ポリマーの発生が抑制され、1200℃以上の高温で転換反応させても問題がない。
また、本発明のトリクロロシランの製造方法は、好ましくは上記冷却工程において、上記反応生成ガスを300℃〜650℃にまで急冷することを特徴とする。また、本発明のトリクロロシランの製造装置は、好ましくは上記冷却手段は、上記反応生成ガスを300℃〜650℃にまで急冷することを特徴とする。
これらのトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置では、反応生成ガスを650℃以下の温度にまで冷却しているので、転換反応の逆反応がさらに抑制され、トリクロロシランへの転換率を向上させることができる。また、冷却温度が650℃以下であるので、冷却後の反応生成ガスが流通する配管や熱交換器などをステンレス鋼で形成することが可能となり、この製造装置を低コストで製作することができる。なお、上記配管や上記熱交換器などをステンレス鋼で形成した場合には、ステンレス鋼に含まれるリン(P)、ボロン(B)、砒素(As)等が反応生成ガス中に不純物として混入する懸念があるが、反応生成ガスの温度が650℃以下であるので不純物の混入を抑制でき、高純度のトリクロロシランを製造することができる。
本発明によれば、反応生成ガスの余熱を利用して反応室に導入される上記テトラクロロシランまたは上記水素の少なくとも一方を予熱するとともに、反応室から導出された反応生成ガスを冷却する手段を設け、冷却速度を適正化してテトラクロロシランへの逆反応およびポリマーの副生を防止するので、熱効率およびトリクロロシランの転換率を向上することができる。
以下に、本発明の実施形態であるトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態であるトリクロロシランの製造装置1は、図1に示すように、テトラクロロシランと水素とからなる供給ガスを内部に導入して転換反応によりトリクロロシランと塩化水素とを含む反応生成ガスを生成する反応室2と、反応室2に接続され該反応室2内に上記供給ガスを供給するガス供給機構10と、反応室2に接続され該反応室2内部の反応生成ガスを外部に導出する反応生成ガス導出機構20と、を有している。
反応室2は、加熱手段(図示なし)を備えており、反応室2に導入されたテトラクロロシランと水素とを900℃〜1900℃にまで加熱して保持し、転換反応により上記反応生成ガスを生成する。ここで、反応室2内を1200℃〜1900℃に設定すれば、トリクロロシランへの転換率が向上する。すなわち、1200℃〜1900℃の転換反応により多くのトリクロロシランを取り出すことができるのである。
なお、反応室2は、前述のような900℃〜1900℃の高温に対する耐熱性が必要となるためにカーボンで形成されており、さらに、カーボンの劣化防止とさらなる耐熱性向上の観点からカーボンの表面に炭化珪素(SiC)のコーティングが施されている。
ガス供給機構10は、反応室2内に導入される供給ガスが流通する供給ガス用配管11A、11B、11Cと、供給ガスと上記反応生成ガスとの間で熱交換を行う熱交換器12とを備えている。また、この熱交換器12の下流側(反応室2側)には、熱交換器12によって加熱された供給ガスをさらに加熱するための加熱装置としてカーボンヒータ13が配設されている。
反応生成ガス導出機構20は、反応室2内の反応生成ガスから導出される反応生成ガスが流通する反応生成ガス用配管21A、21B、21Cと、反応室2から導出された反応生成ガスを冷却する冷却装置22とを備えている。
冷却装置22は、冷却水配管23A、23Bを有し、この冷却水により上記反応生成ガスを冷却する水冷式のものであり、900℃〜1900℃の反応生成ガスを300℃〜800℃にまで急冷可能とされている。なお、本実施形態では、冷却装置22は、反応生成ガスを300℃〜650℃にまで急冷可能な構成とされている。また、冷却装置22によって冷却された反応生成ガスが流通する反応生成ガス用配管21B、21Cは、ステンレス鋼で構成されている。
次に、前述のトリクロロシランの製造装置1を用いたトリクロロシランの製造方法について説明する。
まず、テトラクロロシランと水素とからなる原料ガスをガス供給配管11Aを通じて熱交換器12に導入する。このときの上記原料ガスの温度は約100℃前後である。この原料ガスが熱交換器12によって300℃〜800℃の反応生成ガスと熱交換されて、300〜800℃程度に加熱される。このように加熱された原料ガスは、ガス供給配管11Bを通じてカーボンヒータ13に導入されて400〜800℃程度に加熱され、ガス供給配管11Cを通じて反応室2内に導入される。
反応室2内では、上記加熱手段によって供給ガスが900℃〜1900℃にまで加熱され、転換反応により上記反応生成ガスを生成する。この反応生成ガスは、反応生成ガス用配管21Aを通じて冷却装置22内に導入される。そして、冷却装置22で水冷されて300℃〜800℃に、本実施形態では300℃〜650℃にまで急冷される。このように冷却された反応生成ガスは、反応生成ガス用配管21Bを通じて上記熱交換器12に導入され、その余熱により上記供給ガスを予熱する。
熱交換器12によってさらに冷却された反応生成ガスは、冷却器3を介して蒸留装置4に送られ、トリクロロシランが蒸留によって分離される。
上記構成からなる本実施形態のトリクロロシラン製造方法およびトリクロロシラン製造装置1においては、反応室2内で900℃〜1900℃での転換反応によりトリクロロシランと塩化水素とを含有する反応生成ガスが生成され、この反応生成ガスを冷却装置22によって800℃以下にまで急冷しているので、トリクロロシランと水素の反応によるテトラクロロシランへの逆反応の進行を抑制でき、トリクロロシランへの転換率の向上を図ることができる。
また、急冷後の反応生成ガスの温度が300℃以上となるように冷却速度が制御されているので、冷却過程におけるポリマーの副生を抑制することができ、転換率のさらなる向上を図ることができるとともにポリマーによる配管閉塞等のトラブルを防止できる。
さらに、反応室2に供給ガスを導入するガス供給機構10に、上記原料ガスと反応生成ガスとの間で熱交換を行う熱交換器12が設けられるとともに、急冷後の反応生成ガスの温度が300℃以上とされているので、反応生成ガスの余熱を利用して供給ガスを予熱することが可能となり、このトリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置1全体の熱効率を向上させることができる。また、このように供給ガスが熱交換機12により予熱されるとともに、カーボンヒータ13によってさらに加熱されているので、反応室2の加熱手段を簡単なものとすることができる。
また、本実施形態においては、反応室2において1200℃〜1900℃で転換反応させているので、転換反応がより促進され、トリクロロシランへの転換率を向上させることができる。ここで、転換反応の温度が高い場合にはポリマーが生成されやすくなるが、冷却後の反応生成ガスの温度が300℃以上となるように冷却装置22での冷却速度が制御されているので、ポリマーの生成を防止できる。
さらに、冷却装置22において、反応生成ガスを650℃以下にまで冷却することによって転換反応の逆反応がさらに抑制され、トリクロロシランへの転換率を向上させることができる。また、冷却装置22よりも下流側の反応生成ガス用配管21B、21Cをステンレス鋼で形成することが可能となり、低コストでこの製造装置1を構成することができる。さらに、反応生成ガス用配管21B、21Cを構成するステンレス鋼に含まれるリン(P)、ボロン(B)、砒素(As)等が反応生成ガス中に混入することを抑制でき、高純度のトリクロロシランを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、反応室にテトラクロロシランと水素とからなる供給ガスを導入するものとして説明したが、供給ガスにジシラン類が含まれていてもよい。さらに、供給ガスとしてテトラクロロシランと水素とを混合したものを反応室に導入するものとして説明したが、これに限定されることはなく、テトラクロロシランと水素とを別々に反応室に導入してもよい。この場合、熱交換器により、テトラクロロシランまたは水素のうち少なくとも一方が予熱されるように構成されていればよい。
また、熱交換器の下流側にカーボンヒータを配設したものとして説明したが、加熱手段を別途設けなくてもよいし、カーボンヒータ以外の加熱手段を設けてもよい。また、反応室はカーボンで形成され、その表面に炭化珪素のコーティングが施されているものとして説明したが、炭化珪素のコーティングが施されていなくてもよい。さらに、テトラクロロシランおよび水素の熱交換器への導入の際の温度が約100℃のものとして説明したが、これに限定されることはなく、任意の温度とすることができる。また、冷却装置を制御するために、反応室に接続された反応生成ガス用配管に温度センサを設けてもよい。
〔実施例1〕
図1に示す製造装置に基づいて、1200℃の反応温度で生成した混合ガスを反応室2から冷却装置22に導入して冷却したときの、冷却装置出口の生成ガス温度とトリクロロシラン転換率の関係を図2に示した。トリクロロシラン転換率は反応室2に導入した原料のテトラクロロシランの導入量(STC量)に対するトリクロロシラン生成量(TCS量)のモル比(TCS量/STC量:%)である。
図2に示すように、生成混合ガスの冷却温度が800℃以上であると、トリクロロシラン転換率が28%以下になり、該転換率が大幅に低下する。一方、生成混合ガスの冷却温度が800℃より低く、例えば、650℃のときには、トリクロロシランの転換率は約28.5%に向上する。
〔実施例2〕
図1に示す製造装置に基づいて、1200℃の反応温度で生成した混合ガスを反応室2から冷却装置22に導入して冷却したときの、冷却装置出口の生成ガス温度とポリマー生成率の関係を図3に示した。ポリマー生成率は反応室2に導入した原料のテトラクロロシランの導入量(STC量)に対するポリマー生成量(ポリマ量)のモル比(ポリマ量/STC量%)である。
図3に示すように、生成混合ガスの冷却温度が300℃以下であると、ポリマーの生成量が急激に増加する。従って、図2および図3の結果によれば、生成ガスの冷却温度は300℃〜800℃が適当であり、300℃〜650℃が好ましいことが分かる。生成ガスの冷却温度が300℃〜650℃の範囲では、ポリマーの生成が大幅に抑制され、かつトリクロロシランの転換率が高い。
本発明の実施形態であるトリクロロシランの製造装置の説明図である。 生成ガスの冷却温度とトリクロロシラン転換率の関係を示すグラフ。 生成ガスの冷却温度とポリマー生成率の関係を示すグラフ。
符号の説明
1−トリクロロシランの製造装置、2−反応室、3−冷却器、4−蒸留装置、10−ガス供給機構、11A、11B、11C−ガス供給配管、12−熱交換器(予熱手段)、13−カーボンヒータ、20−生成ガス導出機構、21A、21B、21C−生成ガス用配管、22−冷却装置(冷却手段)、23A、23B−冷却水配管。

Claims (6)

  1. テトラクロロシランと水素とからなる原料ガスを反応室内に導入して900℃〜1900℃での転換反応によりトリクロロシランと塩化水素を含む反応生成ガスを生成する転換反応工程と、上記反応室から導出された上記反応生成ガスを300℃〜800℃まで急冷する冷却工程と、冷却された上記反応生成ガスと上記原料ガスとの間で熱交換を行い、該原料ガスを300℃〜800℃に予熱する予熱工程とを備えていることを特徴とするトリクロロシランの製造方法。
  2. 請求項1に記載するトリクロロシランの製造方法において、1200℃〜1900℃での転換反応により生成した反応生成ガスを300℃〜650℃まで急冷するトリクロロシランの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載するトリクロロシランの製造方法において、予熱した原料ガスを加熱する工程を有し、予熱後に加熱した原料ガスを反応室に導入するトリクロロシランの製造方法。
  4. テトラクロロシランと水素とからなる原料ガスを内部に導入し900℃〜1900℃での転換反応によりトリクロロシランと塩化水素を含む反応生成ガスを生成する反応室と、上記反応室から導出された上記反応生成ガスを300℃〜800℃にまで急冷する冷却手段と、冷却された上記反応生成ガスと原料ガスとの間で熱交換を行い、該原料ガスを300℃〜800℃に予熱する予熱手段とを備えていることを特徴とするトリクロロシランの製造装置。
  5. 請求項4に記載するトリクロロシランの製造装置において、1200℃〜1900℃での転換反応により生成した反応生成ガスを300℃〜650℃まで急冷するトリクロロシランの製造装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載するトリクロロシランの製造装置において、予熱した原料ガスを加熱する手段を有し、予熱後に加熱した原料ガスを反応室に導入するトリクロロシランの製造装置。
JP2007273547A 2006-11-30 2007-10-22 トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置 Active JP5488777B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273547A JP5488777B2 (ja) 2006-11-30 2007-10-22 トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置
KR1020097001714A KR101400481B1 (ko) 2006-11-30 2007-10-26 트리클로로실란의 제조 방법 및 트리클로로실란의 제조 장치
EP07830646.1A EP2088124B1 (en) 2006-11-30 2007-10-26 Process for producing trichlorosilane
US12/309,626 US20090285743A1 (en) 2006-11-30 2007-10-26 Method for producing trichlorosilane and apparatus for producing trichlorosilane
PCT/JP2007/070912 WO2008065838A1 (fr) 2006-11-30 2007-10-26 Procédé de production de trichlorosilane et dispositif de production de trichlorosilane
CN2007800245948A CN101479193B (zh) 2006-11-30 2007-10-26 三氯硅烷的制备方法和三氯硅烷的制备装置
TW097116310A TWI430947B (zh) 2006-11-30 2008-05-02 三氯矽烷之製造方法,三氯矽烷之製造裝置,以及多結晶矽之製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006323097 2006-11-30
JP2006323097 2006-11-30
JP2007273547A JP5488777B2 (ja) 2006-11-30 2007-10-22 トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008156209A JP2008156209A (ja) 2008-07-10
JP5488777B2 true JP5488777B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=39467635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273547A Active JP5488777B2 (ja) 2006-11-30 2007-10-22 トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20090285743A1 (ja)
EP (1) EP2088124B1 (ja)
JP (1) JP5488777B2 (ja)
KR (1) KR101400481B1 (ja)
CN (1) CN101479193B (ja)
TW (1) TWI430947B (ja)
WO (1) WO2008065838A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5397580B2 (ja) * 2007-05-25 2014-01-22 三菱マテリアル株式会社 トリクロロシランの製造方法と製造装置および多結晶シリコンの製造方法
JP5392488B2 (ja) * 2008-10-30 2014-01-22 三菱マテリアル株式会社 トリクロロシランの製造方法および用途
JP5333725B2 (ja) * 2008-10-30 2013-11-06 三菱マテリアル株式会社 トリクロロシランの製造方法および利用方法
TW201031591A (en) * 2008-10-30 2010-09-01 Mitsubishi Materials Corp Process for production of trichlorosilane and method for use thereof
US8178051B2 (en) * 2008-11-05 2012-05-15 Stephen Michael Lord Apparatus and process for hydrogenation of a silicon tetrahalide and silicon to the trihalosilane
KR101133658B1 (ko) 2009-02-09 2012-04-10 코아텍주식회사 금속촉매를 이용한 삼염화실란의 제조방법 및 장치
KR101055751B1 (ko) 2009-02-11 2011-08-11 코아텍주식회사 촉매와 반응열을 이용한 삼염화실란의 제조방법 및 장치
JP5633160B2 (ja) * 2009-03-11 2014-12-03 三菱マテリアル株式会社 トリクロロシランの製造装置
WO2010116500A1 (ja) * 2009-04-08 2010-10-14 電気化学工業株式会社 トリクロロシラン冷却塔およびそれを用いたトリクロロシラン製造方法
US8298490B2 (en) * 2009-11-06 2012-10-30 Gtat Corporation Systems and methods of producing trichlorosilane
DE102010000979A1 (de) * 2010-01-18 2011-07-21 Evonik Degussa GmbH, 45128 Verwendung eines druckbetriebenen keramischen Wärmetauschers als integraler Bestandteil einer Anlage zur Umsetzung von Siliciumtetrachlorid zu Trichlorsilan
DE102010000978A1 (de) * 2010-01-18 2011-07-21 Evonik Degussa GmbH, 45128 Strömungsrohrreaktor zur Umsetzung von Siliciumtetrachlorid zu Trichlorsilan
DE102010000981A1 (de) * 2010-01-18 2011-07-21 Evonik Degussa GmbH, 45128 Closed loop-Verfahren zur Herstellung von Trichlorsilan aus metallurgischem Silicium
DE102010007916B4 (de) * 2010-02-12 2013-11-28 Centrotherm Sitec Gmbh Verfahren zur Hydrierung von Chlorsilanen und Verwendung eines Konverters zur Durchführung des Verfahrens
US20120107216A1 (en) * 2010-10-27 2012-05-03 Gt Solar Incorporated Hydrochlorination heater and related methods therefor
US20120199323A1 (en) * 2011-02-03 2012-08-09 Memc Electronic Materials Spa Shell and tube heat exchangers and methods of using such heat exchangers
CN102730691B (zh) * 2012-07-10 2015-04-29 内蒙古盾安光伏科技有限公司 多晶硅氢化工序中的能量利用
DE102012223784A1 (de) 2012-12-19 2014-06-26 Wacker Chemie Ag Verfahren zur Konvertierung von Siliciumtetrachlorid in Trichlorsilan
EP2969948A1 (en) * 2013-03-13 2016-01-20 SiTec GmbH Temperature management in chlorination processes and systems related thereto
WO2014182397A1 (en) 2013-05-07 2014-11-13 Bruce Hazeltine Monolithic heat exchanger and apparatus and methods for hydrogenation of a halosilane
CN106006648A (zh) * 2016-05-17 2016-10-12 山东瑞川硅业有限公司 一种制备三氯氢硅的方法
CN107162003A (zh) * 2017-06-30 2017-09-15 于志远 一种四氯化硅氢化工艺和三氯氢硅制备高纯硅工艺
TWI719702B (zh) * 2019-11-04 2021-02-21 實聯精密化學股份有限公司 三氯矽烷生成設備

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE795913A (fr) * 1972-02-26 1973-06-18 Degussa Procede de preparation de chlorosilanes
DE3024319C2 (de) * 1980-06-27 1983-07-21 Wacker-Chemitronic Gesellschaft für Elektronik-Grundstoffe mbH, 8263 Burghausen Kontinuierliches Verfahren zur Herstellung von Trichlorsilan
JPS6081010A (ja) * 1983-10-13 1985-05-09 Denki Kagaku Kogyo Kk トリクロルシランの製造法
JPS6221707A (ja) * 1985-07-22 1987-01-30 Nippon Steel Corp トリクロルシランの製造方法
US5906799A (en) * 1992-06-01 1999-05-25 Hemlock Semiconductor Corporation Chlorosilane and hydrogen reactor
DE102005005044A1 (de) * 2005-02-03 2006-08-10 Consortium für elektrochemische Industrie GmbH Verfahren zur Herstellung von Trichlorsilan mittels thermischer Hydrierung von Siliciumtetrachlorid

Also Published As

Publication number Publication date
KR101400481B1 (ko) 2014-05-28
KR20090087864A (ko) 2009-08-18
TW200918451A (en) 2009-05-01
CN101479193A (zh) 2009-07-08
TWI430947B (zh) 2014-03-21
EP2088124A1 (en) 2009-08-12
CN101479193B (zh) 2011-12-07
EP2088124A4 (en) 2011-02-23
JP2008156209A (ja) 2008-07-10
US20090285743A1 (en) 2009-11-19
WO2008065838A1 (fr) 2008-06-05
EP2088124B1 (en) 2018-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5488777B2 (ja) トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシランの製造装置
JP5397580B2 (ja) トリクロロシランの製造方法と製造装置および多結晶シリコンの製造方法
JP5601438B2 (ja) トリクロロシランの製造方法およびトリクロロシラン製造装置
JP5435188B2 (ja) 多結晶シリコンの製造方法および多結晶シリコン製造設備
JP2012501949A (ja) 流動層反応器、その使用及びクロロシランのエネルギー自立型の水素化方法
JP2012501949A5 (ja)
KR20120127414A (ko) 야금 규소로부터 트리클로로실란을 제조하기 위한 "폐쇄 루프" 방법
US20130099164A1 (en) Use of a pressurized ceramic heat exchanger as an integral part of a plant for converting silicon tetrachloride to trichlorosilane
CN107074561B (zh) 使用高效混合式水平反应器的多晶硅制造装置和方法
JP5321314B2 (ja) クロロシラン重合物の分解方法および分解装置
CN102196995B (zh) 三氯硅烷的制备方法及利用方法
JP5392488B2 (ja) トリクロロシランの製造方法および用途
CN101479192A (zh) 三氯硅烷的制备方法和三氯硅烷的制备装置
JP5333725B2 (ja) トリクロロシランの製造方法および利用方法
KR20110051624A (ko) 염소가스 혹은 염화수소를 이용하여 다결정실리콘 제조원료인 고순도의 삼염화실란을 제조하는 방법
JP2008115059A (ja) トリクロロシランの製造方法及びトリクロロシラン製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5488777

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150