JP5485256B2 - 補聴器、補聴システム、歩行検出方法および補聴方法 - Google Patents

補聴器、補聴システム、歩行検出方法および補聴方法 Download PDF

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Description

本発明は、歩行を検知する機能を有する補聴器に関するものである。
補聴器は、聴覚障害者や聴力の衰えた人などが聴力を補助するために利用するシステムである。補聴器は、外部で発生した音響信号をマイクロホンにより電気信号に変換し、この電気信号のレベルを増幅し、イヤホンのようなレシーバで再び音響信号に変換して利用者に聞こえる可聴音として出力する。
マイクロホンで取込んだ音響信号には、会話音声やテレビやラジオの出力音、インターホンや電話の呼び鈴など利用者の生活に必要な音情報のほか、生活騒音や環境騒音など利用者が必要とする音情報の認知を妨害する様々な妨害音も含まれる。そこで補聴器では、レベルの小さな音は増幅しレベルの大きな音は増幅しない非線形な増幅処理をはじめ、利用者が聞きやすいように増幅と減衰を組み合わせる様々な工夫がされてきた。
特に近年は、マイクロホンで取込んだ音響信号をデジタル信号に変換し、補聴処理をデジタル信号処理で行うデジタル補聴器が提供されている。例えば、取込んだ信号を複数の帯域に分割して帯域毎の希望信号/妨害信号(例えば、音声/非音声)の判別を高速に処理し、希望信号(例えば音声信号)のみを抽出する高度な雑音抑圧処理を行う補聴器が提供されている。また、補聴器の前後2ヶ所に設置されたマイクロホンへの入力時間差を用いて、前方から到来する音響信号のみを抽出する指向性収音などの機能が搭載された補聴器も提供されている。さらに、補聴器内部に記憶領域を備え、複数の補聴処理アルゴリズムを保持し、補聴器利用者の周囲環境に応じて補聴処理を自動、あるいは利用者が手動で切り替えるタイプの補聴器も提供されている。
補聴処理を利用者の周囲環境に応じて切り替える概念は従来、多く提案されている。例えば、図1に示す構成の補聴器は、入力音響信号にHMM(隠れマルコフモデル、Hidden Markov Model)を用いて周囲環境を分析し、周囲環境を予め定義したシーンに識別・分類して対応する補聴処理アルゴリズムに切り替える(例えば、特許文献1参照)。また、図2に示す構成の補聴器は、周囲騒音の定常度を分析し、指向性処理とスペクトルサブトラクション法を用いた雑音抑圧処理を切り替え、あるいはその両方を同時に動作させ、周囲騒音の質に応じて音声の明瞭度を改善する(例えば、特許文献2参照)。
図1に示す従来の補聴器1001は、マイクロホン1002で取込んだ音響信号を補聴処理部1003にて補聴処理し、レシーバ1004から出力するタイプの補聴器である。補聴器1001は、信号分析部1005で音響信号から音響的特徴を抽出し、信号識別部1006で瞬時的音響環境状況を識別する。補聴処理部1003は、信号識別部1006で識別した音響環境状況に応じて補聴処理アルゴリズムを切り替える。信号識別部1006における瞬時的音響環境状況の識別は、信号分析部1005で抽出した、音の強弱、スペクトル形態、調和構造などといった聴覚ベースの特徴の組み合わせによって行い、識別アルゴリズムとしてHMMを用いる。ここでHMMは、音声認識等で広く用いられている統計的手法で、過去の状態遷移や各状態における出現確率分布から、未知の入力に対する出力状態を推定する確率モデルである。HMMを適用するために、局所最適に陥らぬよう適切にパラメータを初期化するためのトレーニング装置1007が必要となる。
また、図2に示す従来の補聴器2001は、複数のマイクロホン2002a、2002bで取込んだ音響信号を補聴処理部2003にて補聴処理し、レシーバ2004から出力するタイプの補聴器である。補聴器2001は、マイクロホン2002a、2002bで取込んだ音響信号を信号分析部2005で入力音響信号の信号レベル、および定常度を算出する。補聴処理部2003は、信号分析部2005で算出した入力音響信号の定常度に応じて、指向性処理とスペクトルサブトラクション法を用いた雑音抑圧処理を切り替えたり、あるいはその両方を同時に動作させたりする。また、信号分析部2005で算出した入力音響信号レベルに応じて非線形処理の入出力特性テーブルを切り替える。これにより、入力音響信号に含まれる雑音成分を除去した後、音声成分に対してのみ補聴処理することができる。ここでスペクトルサブトラクション法は、周波数領域で推定した雑音成分を入力信号から減算する手法で、ファンノイズや暗騒音のような定常的な雑音の除去能力に優れた雑音抑圧手法である。
特表2004−500592号公報 特許第3894875号公報
しかしながら、上記従来の補聴器は、周囲騒音の特徴や変化を抽出し補聴処理アルゴリズムを切り替えるために、時として求められる処理またはするべき処理とは異なる処理が選択されるという問題点を有している。特に、騒音や雑音が多く騒音の種別も多様である街中では、同じ周囲音響環境であっても補聴器の利用シーンに応じて求められる補聴処理は異なるため、同じように補聴処理アルゴリズムを切り替えればよいというわけではない。例えば、周囲に雑音が多いからといって、街中を歩行中に指向性処理を行うと、利用者は周囲からの危険の接近に気づけずに危険を回避しにくくなる。しかし、従来の補聴器では、周囲音響環境が騒がしいために指向性処理や雑音抑圧処理を行う補聴処理に切り替わってしまう。
つまり、補聴処理を自動で切り替える際には、補聴器利用者の周囲環境を識別するだけでなく、利用シーンを想定した識別が重要といえる。補聴器の利用シーンで代表的なものをあげると、会話シーン、テレビやラジオの視聴シーン、散歩(外出)シーンなどが想定される。
会話シーンは、難聴者が補聴器を利用する最も主たる目的といえ、入力音響信号に含まれる音声成分を検出することにより会話シーンを判断し、音声信号に対してのみ補聴処理を行うことは補聴器の主機能として従来広く取組まれてきた。また、テレビやラジオの視聴シーンについても、入力音響信号の特徴分析によりテレビやラジオの出力音を比較的容易に検出可能であり、この検出に基づいて、テレビやラジオの出力音のみを補聴処理する補聴器も提供されている。さらに、近年はリモコンなどの外部機器を介して補聴器とテレビ端末を直接接続するシステムも提供され、利用者がテレビの出力音をより聞きやすくなっている。
一方、外出時等における散歩シーンは、これまでほとんど想定されてこなかった。外出シーンは家の中での会話シーンや視聴シーンと比較すると、騒音や雑音が多く騒音の種別も多様である。このため、従来の補聴器では雑音抑圧処理によって会話音声以外の雑音成分を除去したり、指向性処理によって特定の、例えば前方から到来する音響信号のみを抽出したりする補聴処理に切り替わる。しかし外出シーンにおいて、会話中ではなく街中を歩いている場合に、雑音抑圧処理や指向性処理により、危険を表す報知音等や後方から接近する車の騒音等を除去することは、利用者を非常に危険な状態に至らしめる。外出シーンにおいても、利用者が会話をしているか歩行しているのかなどを判断し、利用シーンに応じた適切な補聴処理を行うことのできるシステムが必要となる。
外出時における利用シーンの一つとして、利用者の歩行を検知することで、外出シーンのうち散歩(歩行)しているシーンを判断できると考えられる。このような利用者の散歩、歩行状態を検出するためには、振動や加速度センサを用いた歩行検出が一般的である。しかし、耳に装着する補聴器にこれらを搭載した場合、頭や首を振るなどした際の誤判別やセンサ搭載による補聴器の大型化・高コスト化などの課題がある。補聴器に付属するリモコンや補聴器本体のスイッチを用いて、歩行時に利用者が手動で切り替えてもよいが、(1)歩行シーンが日常的、かつ頻繁に起こりうること、(2)補聴器利用を利用者になるべく意識させない方がよいこと、といった理由から自動で切り替わることが望ましい。
このような課題を解決するため、本発明の補聴器は利用者の歩行状態を検出し、移動状態と周囲環境に応じて、補聴処理を自動で切り替える適応型補聴器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の補聴器は、外部の音響信号を収音する収音部と、収音された音響信号に対して複数のアルゴリズムを切り替えて補聴処理を行う補聴処理部と、補聴処理された音響信号を出力する出力部とを備える補聴器であって、収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出する風雑音検出部と、検出された風雑音の時間的変動を検出する時間変動検出部とを備え、補聴処理部は、検出された風雑音の時間的変動に基づいて、収音された音響信号に対する補聴処理のアルゴリズムを切り替える。
この構成によると、本発明の補聴器は、補聴器利用者の歩行状態に影響を受ける風雑音から利用者の歩行状態を検出することができ、利用者の状態に適合する補聴処理に自動で切り替えることができる。
また、本発明の補聴器における時間変動検出部は、風雑音の変動として、風雑音のパルス性変動を検出するパルス検出部と、検出されたパルス性変動の時間的くり返しの有無を検出するくり返し検出部とを備える構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、風雑音が利用者の歩行に同期するように発生しているか否かを検出でき、利用者の歩行状態を検出することができる。
また、本発明の補聴器における収音部は第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとを備え、風雑音検出部は第1のマイクロホンが収音した音響信号を主信号、第2のマイクロホンが収音した音響信号を参照信号とし、主信号をフィルタリング処理することによって得られる推定信号と参照信号との差分が最小になるようにフィルタ係数を更新する係数可変フィルタ部を備え、風雑音検出部は、推定信号と参照信号との差分である誤差信号を風雑音として検出する構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、収音された音響信号に含まれる風雑音をより正確に検出でき、それに基づいてより正確に利用者の歩行状態を検出することができる。
また、本発明の補聴器における収音部は第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとを備え、風雑音検出部は第1のマイクロホンが収音した音響信号を主信号、第2のマイクロホンが収音した音響信号を参照信号とし、主信号をフィルタリング処理することによって得られる推定信号と参照信号との差分が最小になるようにフィルタ係数を更新する係数可変フィルタ部を備え、風雑音検出部は、フィルタ係数を風雑音として検出する構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、収音された音響信号に含まれる風雑音の発生状態をより正確に検出でき、それに基づいてより正確に利用者の歩行状態を検出できる。
さらに、本発明の補聴器におけるパルス検出部はフィルタ係数の変動成分を抽出する変動成分抽出部と、抽出された変動成分の平滑化レベルに基づいて、変動成分の利得を制御する利得制御部とを備え、パルス検出部は、利得制御された変動成分レベルに基づいて、フィルタ係数のパルス性変動を検出する構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、収音された音響信号に含まれる風雑音発生の変化区間をより正確に検出でき、それに基づいてより正確に利用者の歩行状態を検出できる。
さらに、本発明の補聴器における利得制御部は変動成分の平滑化レベルがあらかじめ定められた閾値を超えている時間長に基づいて、変動成分の利得を制御する構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、利用者の歩行速度に応じて変化する風雑音に対応することができ、利用者の歩行速度が変化しても利用者の歩行状態を検出できる。
また、本発明の補聴器は、第1のマイクロホンが収音した音響信号と第2のマイクロホンが収音した音響信号とを用いて、第1の方向に指向感度を持った指向性信号と、特定の方向に指向感度を持たない無指向性信号とを生成する指向性合成部と、指向性合成部の出力を、指向性信号と、無指向性信号とで切り替えることが可能な指向性制御部とをさらに備え、指向性制御部がくり返し検出部でパルス性変動の時間的くり返しを検出しない場合には指向性信号を、パルス性変動の時間的くり返しを検出した場合には無指向性信号を出力するように切り替える構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、利用者の歩行状態に応じて、自動的に周囲音の聞こえ方を変更することができる。
また、本発明の補聴器は、利用者の一方の耳に装着され、時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動を、利用者のもう一方の耳に装着される他の補聴器に送信し、他の補聴器において検出された風雑音の時間的変動を受信する送受信部をさらに備え、補聴処理部は、時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動および送受信部で受信した風雑音の時間的変動に基づいて、収音された音響信号に対する補聴アルゴリズムを切り替える構成であってもよい。
この構成により、本発明の補聴器は、両耳に装着された補聴器間で、風雑音の検出状態を共有でき、利用者の歩行状態をより正確に検出できる。また、この補聴器は、両耳の補聴器における風雑音の検出結果に応じて補聴処理を切り替えることで、より利用者の状態に適合した補聴処理ができる。
また、本発明の補聴システムは、上記の補聴器を一対で備える補聴システムであって、補聴器は、時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動を他の補聴器に送信し、他の補聴器において検出された風雑音の時間的変動を受信する送受信部をさらに備え、補聴処理部は、時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動および送受信部で受信した風雑音の時間的変動に基づいて、収音された音響信号に対する補聴アルゴリズムを切り替える。
この構成により、本発明の補聴システムは、両耳に装着された補聴器間で風雑音の検出状態を共有でき、利用者の歩行状態をより正確に検出できる。
また、本発明の歩行検出方法は、外部の音響信号を収音する収音ステップと、収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出する風雑音検出ステップと、検出された風雑音の時間的変動を検出する時間変動検出ステップと、風雑音の時間的変動がくり返しのあるパルス性変動の場合には、歩行状態であると判定する判定ステップとを含む。
この構成により、本発明の歩行検出方法は、歩行状態を検出することができる。
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
本発明によれば、補聴器利用者の歩行状態を簡単に検出し、補聴器の代表的な利用シーンである歩行シーンに適合する補聴処理に自動で切り替え可能な適応型補聴器を提供することができる。
図1は、文献1で示す従来の補聴器の構成を示すブロック図である。 図2は、文献2で示す従来の補聴器の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態1〜4における補聴器の基本的な構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態1における補聴器の詳細な構成を示すブロック図である。 図5は、図4に示した風雑音検出部の出力とエッジ検出部の出力との関係を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態2における補聴器の詳細な構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態3における補聴器の詳細な構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態4における補聴器の詳細な構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の実施の形態1および2の歩行検出方法を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態を組み合わせた場合における補聴器の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 図11は、発明の図10に示した補聴器の歩行検出における各処理部の出力信号(実験データ)を示す図である。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図3および図5を用いて、本実施の形態に係る補聴器1の構成および動作を説明する。
本実施の形態の補聴器1は、マイクロホン2と、補聴処理部3と、レシーバ4と、風雑音検出部5と、歩行検出部6を備える。さらに歩行検出部6は、パルス検出部61と、くり返し検出部62を備える。
マイクロホン2は、外部で発生した音響信号を補聴器1に取込む。
補聴処理部3は、マイクロホン2で取込んだ音響信号に利用者の聴力レベル等に応じて増幅・減衰などの補聴処理を行い、補聴処理した音響信号をレシーバ4に出力する。
レシーバ4は、補聴処理した音響信号を再び外部に出力し、利用者に聴取させる。
風雑音検出部5は、マイクロホン2で取込んだ音響信号の収音時に混入している風雑音のレベルを検出し、風雑音発生信号として歩行検出部6に出力する。
歩行検出部6のパルス検出部61は、風雑音発生信号のパルス性変動を抽出し、このパルス性変動の情報をくり返し検出部62に出力する。
歩行検出部6のくり返し検出部62は、風雑音発生信号のパルス性変動の時間的くり返しを検出することで利用者の歩行状態を検出し、歩行検出信号として補聴処理部3に出力する。
補聴処理部3は、歩行検出部6で検出した歩行状態に応じて補聴処理アルゴリズムを切り替える。
風雑音が雑音として不快なレベルにまで大きくなるシーンは、実際に風が吹いている屋外にいる場合のほか、自転車で走行している場合、空調機付近にいる場合、通路等で風の巻込みが生じている場合など多数ありうる。また、風雑音が不快なレベルに達しないまでも、人が普通に歩くことによっても風雑音は発生する。この風雑音は、低レベルではあっても人の歩みに同期して瞬時的に、そして周期的に発生する(図5(a)参照)。このような瞬時的な風雑音がくり返し発生することは、利用者が日常生活を送る上で歩行以外の場合には起こりうる可能性が極めて低い。利用者が静止状態にあり、風が吹いていない場合には風雑音は発生せず(図5(b)参照)、風が吹いている場合には、ある程度継続する風雑音が発生する(図5(c)参照)。また、ドアの開閉などで瞬時的に風が発生した場合には、瞬時的な風雑音は発生するがくり返しては発生しない(図5(d)参照)。このように、歩行検出部6で瞬時的な風雑音がくり返し発生している状態を検出することにより、人の歩行状態を検出することができる。
次に図4および図9を用いて、風雑音検出部5と歩行検出部6の構成および動作を詳細に説明する。
風雑音検出部5は、ローパスフィルタ(LPF)51と、比較器52を備える。
歩行検出部6のパルス検出部61は、エッジ検出部611を備え、くり返し検出部62は、カウンタ621と、比較器622を備える。
マイクロホン2で取込んだ音響信号に風雑音が含まれる場合には、音声成分だけが含まれている場合に比べて、入力音響信号の周波数成分が低域に集中する。この特徴を活かして、マイクロホン2で取込んだ音響信号をローパスフィルタ51に入力し、低域周波数成分を抽出する。実験的に風雑音の成分は1kHz以下に多く発生することがわかっているため、ローパスフィルタのカットオフ周波数は1kHz前後とすればよい。もちろん、風雑音の特徴量をより顕著に抽出するためより低い、あるいはより高いカットオフ周波数としても同様の効果は期待できる。また、ローパスフィルタのかわりにDC成分を除去した上で低域成分を抽出するバンドパスフィルタを用いることもできる。さらに、周波数分析器(FFT)を用いて、低域の周波数成分のみを抽出する構成でも同様の効果は得られる。そして抽出した低域周波数成分のレベルを比較器52で所定の閾値(Th1)と比較し、低域周波数成分レベルが閾値以上の場合には風雑音が発生していると判断し、閾値未満の場合には風雑音が発生していないと判断する。なお、この所定閾値(Th1)は、様々なレベルや持続時間の風を発生させながら、風雑音の発生を検知しやすい値を実験的に決定すればよい。具体的には、標準的な人が歩く速度は4km/h程度、即ち、1m/s程度であり、自然に吹くそよ風程度とほぼ一致することから、所定閾値(Th1)は、1m/s程度の風雑音の発生を検知できる値とすればよい。また、この所定閾値(Th1)は一定のものであってもよいし、風雑音の発生が一定時間以上継続している場合に変化するなど可変のものであってもよい。
このようにして、風雑音検出部5は風雑音の発生を検出し(ステップS902)、風雑音発生信号として歩行検出部6に出力する。ここで風雑音発生信号は、図5に示すような風雑音を検出していない時間区間をLow、風雑音を検出している時間区間をHighとしたようなフラグ信号である。
歩行検出部6のパルス検出部61のエッジ検出部611は、風雑音発生信号のLowからHighへの変化、あるいはHighからLowへの変化、あるいはその両方の変化を検出する。これにより、風雑音発生の切り替わりを検出し、この切り替わりのタイミングに関する情報をくり返し検出部62に出力する(ステップS903)。くり返し検出部62は、カウンタ621で所定時間内での風雑音発生の切り替わりをカウントする。そしてカウントした風雑音発生の切り替わりの回数を比較器622で所定の閾値(Th2)と比較し(ステップS904)、風雑音発生の切り替わり回数が閾値以上の場合には歩行状態であると判断し(ステップS905)、閾値未満の場合には歩行状態でないと判断する(ステップS907)。所定時間内での風雑音発生の切り替わり回数が多い場合には、即ち、風雑音発生の切り替わり頻度が高く、一回の風雑音発生時間が短時間であることを意味する。つまりこのような場合には、瞬時的な風雑音がくり返し発生しており(図5(a)参照)、歩行状態であると判断できる。逆に、切り替わり回数が少ない場合には、(1)風雑音が発生していない(図5(b)参照)、(2)一回の風雑音発生時間が長い(図5(c)参照)、(3)一回の風雑音発生時間は短いがくり返しては発生していない(図5(d)参照)、のいずれかに該当し、歩行状態でないと判断できる。このように、歩行検出部6で風雑音発生信号のパルス性変動の時間的くり返しを検出することで、利用者の歩行状態を検出することができる。なお、この所定閾値(Th2)は、通常の風雑音と歩行状態における風雑音とを区別できるような値を実験的に決定すればよい。具体的には、特に目的がなく緩やかに歩いている時のペースが毎分100−110歩程度と言われていることから、所定閾値(Th2)はこの歩数に準じた値とすればよい。また、この所定閾値(Th2)は一定のものであってもよいし、周囲環境の状況に応じて変化するなど可変のものであってもよい。
このようにして、歩行検出部6は利用者の歩行状態を検出し、歩行検出信号として補聴処理部3に出力する。ここで歩行検出信号は、利用者の歩行状態を検出していない時間区間をLow、歩行状態を検出している時間区間をHighとしたようなフラグ信号である。
補聴処理部3は、歩行検出信号に応じて、補聴処理アルゴリズムの切り替えを行う。歩行状態を検出していない場合には、通常の周囲音響環境に応じた補聴処理アルゴリズムの切り替えを実行し、歩行状態を検出している場合には、通常の補聴処理アルゴリズム切り替えとは異なる歩行モードで補聴処理を実行する。
ここで、簡単のために通常の補聴処理アルゴリズムの切り替え処理は、以下のような処理であるとして説明する。通常の切り替え処理は、入力音響信号レベルを所定閾値と比較し、信号レベルが閾値未満の場合には、例えば屋内など静かな環境にいると判断して雑音抑圧処理は行わず入力音響信号をそのまま補聴処理する。一方、閾値以上の場合には、例えば屋外など騒がしい環境にいると判断して雑音抑圧処理を行い入力音響信号に含まれる音声成分のみを補聴処理する。
補聴処理部3は、歩行検出信号が歩行状態でないことを示している場合には、入力音響信号レベルに応じた補聴処理アルゴリズムに切り替え、信号レベルが所定閾値以上の場合には雑音抑圧処理を行い、閾値未満の場合は雑音抑圧処理を行わない(S908)。一方、歩行検出信号が歩行状態であることを示している場合には、従来のような入力音響信号レベルに応じた補聴処理アルゴリズムの切り替えは行わず、例えば信号レベルが所定閾値以上の場合であっても雑音抑圧処理を行わない代わりに補聴処理の増幅量を抑制する(S906)。このようにして、歩行状態が検出されていない場合には、入力音響信号レベルに応じた補聴処理アルゴリズムの切り替えを行う。例えば騒がしい環境では音響信号に含まれる雑音成分を除去し、騒がしい不快な状態を軽減する。同時に、歩行状態が検出されている場合には、騒がしい環境であっても雑音抑圧処理を行わず入力音響信号から音声成分以外の信号を除去することなく補聴処理することで、音声信号以外に危険音が存在した場合でも利用者が危険音を聞くことができる。
以上のように、周囲の音響信号に含まれる風雑音から歩行状態であるか否かを検出し、歩行状態に応じて補聴処理アルゴリズムを切り替えることで、より利用者が求める快適な補聴処理を提供することができる。
また、最近の補聴器では利用者の利用状態を記録し、以降の利用時やフィッティング時の補助情報に活用する機能が搭載されている。例えば、利用者の音量操作情報を記録し、次回利用時の初期音量として設定する機能である。本機能を活用し、利用者の歩行状態を記録することで、利用者の利用シーンを推測することができる。即ち、歩行状態を多く記録する場合は、利用者の歩行頻度や外出頻度が高いと推測され、例えば歩行状態をより検出しやすいように閾値等を再調整することで、利用者の利用シーンにより合致した補聴処理を行うことができる。あるいは、時間帯に応じて歩行状態を検出する頻度が異なる場合、歩行状態を多く検出する時間帯のみ歩行状態をより検出しやすいような閾値に切り替わるようにしてもよい。
なお、上記では補聴器として説明してきたが、他の音響機器においても同様に構成することができる。例えば、携帯用音楽プレーヤ、特にノイズキャンセリング機能搭載の音楽プレーヤ、あるいはヘッドホンやイヤホンのマイク(このマイクは既存のものであっても、新たに追加するものであってもよい)を用いて、同様に風雑音を検出し、歩行状態を検出する。そして、歩行状態を検出していない場合には、再生音楽信号のみをイヤホンから出力し、歩行状態を検出した場合には、音楽視聴を妨げない程度に周囲音を混合してイヤホンから出力するような処理を行うことができる。
(実施の形態2)
図6および図9を用いて、本実施の形態に係る補聴器1の構成および動作を説明する。
本実施の形態の補聴器1は、マイクロホン2が、マイクロホン2a、2bで構成される。以下、実施の形態1の補聴器1と同じ構成の説明は省略し、本実施の形態の風雑音検出部5、および歩行検出部6のパルス検出部61について詳細に説明する。
本実施の形態の風雑音検出部5は、マイクロホン2a、2bで取込んだ一方の音響信号を主信号、もう一方を参照信号とする適応フィルタで構成される。具体的には、係数可変フィルタ53と、減算器54と、係数更新部55を備える。
歩行検出部6のパルス検出部61は、レベル検出部612と、比較器613と、パルス判定部614を備える。
はじめに、風雑音検出部5の適応フィルタについて説明する。実施の形態1の風雑音検出部5では、マイクロホン2で取込んだ音響信号に風雑音が含まれる場合には、入力音響信号の周波数成分が低域に集中する特徴を活かして風雑音の発生を検出した。この特徴以外に、風雑音の特徴として、風雑音がマイクロホン入り口付近で発生する乱気流によって引き起こされるため、複数のマイクロホンで取込んだ音響信号の収音時に混入している風雑音が無相関に発生する特徴があげられる。この特徴を活かして、マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号をそれぞれ参照信号、主信号とする適応フィルタの収束と発散の度合いから風雑音の発生を検出する。
係数可変フィルタ53は、マイクロホン2bで取込んだ音響信号である主信号を入力として、係数更新部55からのフィルタ係数を用いてフィルタリング処理することにより推定信号を出力する。減算器54は、推定信号とマイクロホン2aで取込んだ参照信号の差分を算出し、誤差信号として出力する。係数更新部55は、減算器54で算出した誤差信号が最小になるように、係数可変フィルタ53のフィルタ係数を適応的に更新する。
マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号が音声成分のみを含んでいた場合には、2つの入力音響信号は単にマイク間距離に応じた遅延を有するほぼ同一の信号である。従って、マイクロホン2bで取込んだ音響信号を主信号、マイクロホン2aで取込んだ音響信号を参照信号とした適応フィルタは収束し、誤差信号はゼロに近くなる。逆に、マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号に風雑音が含まれる場合には、2つの入力音響信号は互いに無相関であるため、適応フィルタは収束せずに発散し、誤差信号は大きくなる。
このようにして、風雑音検出部5は風雑音の発生を検出し、誤差信号を風雑音発生信号として歩行検出部6に出力する(ステップS902)。ここで風雑音発生信号は、風雑音の発生量に応じた連続量で、風雑音が発生していない場合はゼロに近づき、風雑音が大きくなるほどレベルが大きくなる信号である。
歩行検出部6のパルス検出部61のレベル検出部612は、風雑音発生信号のレベルを検出する。レベル検出部612の最も簡単な構成は、風雑音発生信号の絶対値をとる構成であり、必要に応じて平滑化処理を含んでいてもよい。比較器613は、検出した風雑音発生レベルを所定の閾値(Th3)と比較する。
パルス判定部614は、風雑音発生レベルが所定閾値(Th3)を超えている時間の幅を所定の時間幅(Th4)と比較し、所定時間幅以内の場合に風雑音の発生がパルス性を持っていると判断する。なお、この所定閾値(Th3)と所定時間幅(Th4)は、歩行状態の風雑音を検出しやすいような値を実験的に決定すればよい。例えば、所定閾値(Th3)は、標準的な人が歩く速度および自然に吹くそよ風の風速から1m/s程度の風雑音を検出できる値とすればよく、所定時間幅(Th4)は、緩やかに歩いている時のペースが毎分100−110歩程度と言われていることから1・2歩程度あたりの所要時間である1秒程度とすればよい。また、この所定閾値(Th3)と所定時間幅(Th4)は一定のものであってもよいし、レベル検出部612で検出された風雑音発生レベルに応じて変化するなど可変のものであってもよい。例えば、歩行速度が速い場合には風雑音の発生レベルは大きくなり、また歩行速度が速いため風雑音発生のパルス幅は短くなる。逆に、歩行速度が遅い場合には風雑音発生レベルは小さく、パルス幅は長くなる。よって、風雑音発生レベルが第一の閾値(Th31)を超えた場合、すなわち、速く歩いている場合には第一の時間幅(Th41)を選択する。また、風雑音発生レベルが第一の閾値(Th31)以下で、かつ第一の閾値(Th31)より小さい第二の閾値(Th32)を超えた場合、すなわち、ゆっくり歩いている場合には、第一の時間幅(Th41)より大きい第二の時間幅(Th42)を選択するとしてもよい。このようにすると、歩行速度の速い遅いによらず風雑音発生のパルス性を検出し、歩行状態を検出することができる。また、この所定閾値(Th3)と所定時間幅(Th4)は、第一と第二の2つの組み合わせに限ったものではなく、3つ以上の閾値を設けた組み合わせにしてもよい。
このようにして、パルス検出部61は風雑音発生信号のパルス性変動を検出し(ステップS903)、この風雑音発生信号のパルス性変動の検出結果をくり返し検出部62に出力する。
くり返し検出部62は、所定時間内での風雑音発生のパルス性変動検出回数を所定の回数(Th2)と比較し、所定回数以上の場合にパルス性の風雑音がくり返し発生しているとして歩行状態であると判断する。なお、この所定回数(Th2)は歩行速度に応じて変化するなど可変のものであってもよい。歩行速度が速い場合にはパルス性の風雑音のくり返し頻度は多く、逆に歩行速度が遅い場合にはくり返し頻度は少なくなる。よって、例えば前記風雑音発生レベルが第一の閾値(Th31)を超えた場合には、第一の回数(Th21)を選択し、風雑音発生レベルが第一の閾値(Th31)以下で、かつ第一の閾値(Th31)より小さい第二の閾値(Th32)を超えた場合には、第一の回数(Th21)より小さい第二の回数(Th22)を選択するとしてもよい。このようにすると、歩行速度の速い遅いによらずパルス性の風雑音発生のくり返しを検出し、歩行状態を検出することができる。またこの歩行状態の検出は、パルス性の風雑音発生のくり返し頻度に応じて歩行速度を検出するとしてもよい。例えば、所定時間内での風雑音発生のパルス性変動検出回数が第一の回数(Th21)以上の場合には速く歩行していると判断し、パルス性変動検出回数が第一の回数(Th21)未満で、かつ第一の回数(Th21)より小さい第二の回数(Th22)以上の場合にはゆっくりと歩行している判断するとしてもよい。所定回数(Th2)は、第一と第二の2つの組み合わせに限ったものではなく、3つ以上の閾値を設けた組み合わせにすることで歩行速度を3段階以上で検出可能になることは言うまでもない。このように、風雑音発生信号のパルス性変動の時間的くり返しを検出することで(ステップS904)、利用者の歩行状態を検出する(ステップS905、S907)。
このようにして、歩行検出部6は利用者の歩行状態を検出し、歩行検出信号として補聴処理部3に出力する。
補聴処理部3の歩行検出信号に応じた補聴処理は、実施の形態1と同様にして行うのであってもよいし、マイクロホン2がマイクロホン2a、2bを有することを利用して下記のようにしてもよい。
補聴処理部3は、ある特定の方向、例えば補聴器の利用者の前方方向に指向感度を持った指向性信号と、特定の方向に指向感度を持たない無指向性信号とを生成する指向性合成部31と、指向性合成部31の出力を指向性信号と無指向性信号とで切り替える指向性制御部32とを有し、指向性制御部32で出力切り替えされた指向性合成部31の出力信号を増幅等するとする。図6では簡単のため周波数帯域毎に増幅量可変の増幅器33として記載する。
歩行状態が検出されていない場合には、通常の切り替え処理を行う。通常の切り替え処理は、入力音響信号レベルを所定閾値と比較し、信号レベルが閾値未満の場合には、例えば屋内など静かな環境にいると判断して指向性合成部31の出力を無指向性信号に切り替え補聴処理する。つまり、全方位から到来する音響信号に対して増幅等補聴処理する。一方、閾値以上の場合には、例えば屋外など騒がしい環境にいると判断して指向性合成部31の出力を指向性信号に切り替え補聴処理する。つまり、ある特定の方向、例えば補聴器利用者の前方から到来する音響信号に対して増幅等補聴処理する(S908)。
歩行状態が検出されている場合には、信号レベルが閾値以上の場合にも、指向性合成部31の出力は無指向性信号のままとし、増幅器33の増幅量を抑制する(S906)。
このように、適応フィルタの誤差信号を用いて歩行状態であるか否かを検出し、歩行状態に基づいて補聴モードを切り替えることで、より正確に利用者の歩行状態を検出することができ、より利用者が求める快適な補聴処理を提供することができる。
なお、上記では補聴器として説明してきたが、他の音響機器においても同様に構成することができる。
(実施の形態3)
次に図7および図9を用いて、本発明の実施の形態3に係る補聴器1の構成および動作を説明する。以下、実施の形態1、および2の補聴器1と同じ構成の説明は省略し、本実施の形態の風雑音検出部5、および歩行検出部6のパルス検出部61について詳細に説明する。
本実施の形態の風雑音検出部5は、実施の形態2と同様に、係数可変フィルタ53と、減算器54と、係数更新部55を備える適応フィルタで構成されるが、実施の形態2と異なり、係数可変フィルタ53のフィルタ係数を出力する。
歩行検出部6のパルス検出部61は、変動成分抽出部615と、レベル検出部612と、比較器617と、ゲインリミッタ618と、比較器613と、パルス判定部614を備える。
風雑音検出部5は、適応フィルタの誤差信号ではなく、係数可変フィルタ53のフィルタ係数を風雑音発生信号として出力する(ステップS902)。実施の形態2において前述したように、マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号が音声信号のみを含んでいた場合には、2つの入力音響信号は単にマイク間距離に応じた遅延を有するほぼ同一の信号である。従って、マイクロホン2bで取込んだ音響信号を主信号、マイクロホン2aで取込んだ音響信号を参照信号とした適応フィルタは収束し、フィルタ係数はある特定の値に収束する。逆に、マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号に風雑音が含まれる場合には、2つの入力音響信号は互いに無相関であるため、適応フィルタは収束せずに発散し、フィルタ係数も発散する。ここで風雑音発生信号は、風雑音の発生量に応じた連続量で、風雑音が発生していない場合はある特定の値に収束し、風雑音が大きくなるほど発散して変動量が大きくなる信号である。このフィルタ係数を用いることでより正確に風雑音の発生状態を検出できる。
パルス検出部61は、風雑音発生信号のパルス性の変動をその高域成分レベルから検出する(ステップS903)。風雑音が発生している場合、風雑音検出部5を構成する適応フィルタのフィルタ係数は発散し風雑音発生信号の変動量が大きくなるため、その高域成分レベルが増大する。そこで風雑音検出部5からの風雑音発生信号をハイパスフィルタなどで構成される変動成分抽出部615に入力し、高域周波数成分を抽出する。レベル検出部612は、抽出した高域周波数成分信号の絶対値をとるなどして高域成分レベル信号を算出し、平滑化レベル算出部616は、その高域成分レベル信号を平滑化処理する。平滑化した高域周波数成分レベル信号を比較器617で所定の閾値(Th5)と比較し、平滑化した高域周波数成分レベル信号が閾値以上の場合に高域周波数成分レベル信号をゲインリミッタ618で利得制御する。
ここで、パルス検出部への入力が通常風の風雑音発生信号である場合、風雑音は継続して発生するため、平滑化レベル算出部で算出される平滑化高域成分レベルは所定閾値(Th5)を越えて、レベル検出部で算出される高域成分レベルに近づくため、高域成分レベル信号はゲインリミッタで利得制御され大きく減衰されて出力される。
これに対し、パルス検出部への入力が歩行中の風雑音発生信号である場合、風雑音は瞬時的に発生するため、高域成分レベルの上昇も瞬時であり、平滑化レベル算出部で算出される平滑化高域成分レベルはほとんど変化しない。従って、高域成分レベル信号はゲインリミッタで利得制御されずにそのまま出力される。
このように、風雑音発生信号の高域成分レベルを、平滑化した高域成分レベル信号のレベルに応じて利得制御することにより、風雑音発生信号のパルス性変動は利得制御の影響を受けずにゲインリミッタ618をパルス性信号のまま通過する。風雑音発生信号が変動し続けている場合には利得制御によりゲインリミッタ618で減衰される。
比較器613は、ゲインリミッタ618の出力を所定の閾値(Th3)と比較し、パルス判定部614は、ゲインリミッタ618の出力が閾値(Th3)を超えている時間区間の時間長をカウントし、その時間区間の時間長を所定の閾値(Th4)と比較する。ゲインリミッタ618で利得制御した風雑音発生信号の高域成分レベル信号が、所定閾値(Th3)を超える時間区間の時間長が所定閾値(Th4)以内の場合に、風雑音発生信号がパルス性変動をしていると判断する。なお、高域成分レベル信号の利得制御開始レベルを決めるための所定閾値(Th5)は、パルス性変動を検出しやすい値を実験的に決定すればよい。ここでは、例えば、閾値(Th5)は、閾値(Th3)より少し小さい値としている。また、所定閾値(Th5)は一定のものであってもよいし、抽出した高域周波数成分レベルに応じて変化するなど可変のものであってもよい。このように、フィルタ係数の変動量に応じて所定閾値(Th5)を変化することで、歩行速度に応じて変化する風雑音発生量に追従可能となり、実施の形態2と同様、より高精度な歩行状態検出ができる。
なお、本実施の形態では風雑音発生信号の変動成分を抽出するために変動成分抽出部615はハイパスフィルタを用いる構成として説明したが、明らかに強風による風雑音発生の極度な変動成分を除外するため、ナイキスト成分付近を除外するバンドパスフィルタを用いることもできる。
なお実施の形態2で示した単に所定の閾値を超える風雑音発生信号の時間幅を検出するよりも、本構成のように風雑音発生信号の高域成分レベルの大きさから風雑音発生信号の変動量の大きな時間区間を抽出することで、より精度の高いパルス検出が可能となる。
このようにして、歩行検出部6は利用者の歩行状態を検出し、歩行検出信号として補聴処理部3に出力する。
補聴処理部3の歩行検出信号に応じた補聴処理は、実施の形態1〜2で説明したようにして行う。このように、適応フィルタのフィルタ係数の変動を用いて歩行状態であるか否かを検出し、歩行状態に基づいて補聴モードを切り替えることで、より利用者が求める快適な補聴処理を提供することができる。
なお、上記では補聴器として説明してきたが、他の音響機器、例えば、携帯用音楽プレーヤやノイズキャンセリング機能搭載のヘッドホンやイヤホンなどにおいても同様に構成することができる。
(実施の形態4)
次に図8を用いて、本発明の実施の形態4に係る補聴器1a、1bの構成および動作を説明する。
本実施の形態の補聴器1a、1bは、送受信部7を備える。以下、実施の形態1〜3の補聴器1と同じ構成の説明は省略し、送受信部7について詳細に説明する。
補聴器1aの送受信部7は、その補聴器1a以外の補聴器1bとの間で、歩行検出部6において検出された歩行検出信号の送受信を行う。補聴器1a、1bそれぞれの送受信部7は、補聴器1a、1bに接続された無線、あるいはケーブルを介して、歩行検出部6において検出された歩行検出信号を送受信し、共有する。
通常、歩行時に発生する風雑音は正面からの風切り音が要因のため、利用者の両耳に装着されている補聴器1a、1bの両方で同時に歩行状態が検出されるべきである。送受信部7で両補聴器間の歩行検出信号を共有し、両方の補聴器で歩行状態が検出されている場合にのみ、歩行状態であると判断する。また、いずれか一方の補聴器でのみ歩行状態が検出され、他方では検出されていない場合には、検出された方の歩行検出信号を無効(=Low)にする。これにより、歩行検出の誤検出を抑え、精度の高い歩行検出が可能となる。さらに、歩行検出の結果に応じて制御される補聴処理も両耳間で同一にすることで、利用者の違和感を取り除くことが可能である。即ち、補聴器1a、1bのいずれか一方の補聴器のみで歩行状態が検出され、他方では検出されていない場合には、検出された方の補聴器における補聴処理を、検出されていない場合の補聴処理とする。
逆に、補聴器1a、1bのいずれか一方でも歩行状態を検出した場合に、歩行状態を検出されていたい方の補聴器においても歩行検出信号を有効(=High)に切り替えてもよい。これにより、風雑音に鋭敏に反応することができる。さらにこの場合においても、歩行検出に結果に応じて制御される補聴処理を両耳間で同一にすることで利用者の違和感を取り除くことが可能である。即ち、補聴器1a、1bのいずれか一方でも歩行状態を検出した場合に、歩行状態を検出されていない方の補聴器における補聴処理を、検出された場合の補聴処理とする。
また、各補聴器の歩行検出信号に従い、歩行状態を検出した補聴器においてのみ歩行状態であると判断してもよい。
(実施の形態の組み合わせ)
なお、本発明を実施の形態1〜4に基づいて説明してきたが、本発明は実施の形態1〜4に限定されることはなく、実施の形態1〜4の構成を組み合わせた形態も本発明に含まれる。
即ち、実施の形態1のローパスフィルタ51の出力を風雑音発生量として、実施の形態2、あるいは実施の形態3のパルス検出部61への入力としてもよい。また、実施の形態2、あるいは実施の形態3の適応フィルタの出力を閾値判別したものを風雑音発生フラグとして、実施の形態1のエッジ検出部611への入力としてもよい。また、実施の形態2の適応フィルタの誤差信号を、実施の形態3の変動成分抽出部615への入力としてもよい。また、それ以外の任意の組み合わせも本発明に含まれる。これらの構成であっても、前述してきたように歩行状態を検出し、検出した歩行状態に基づいて補聴モードを切り替えることで、より利用者が求める快適な補聴処理を提供することができる。
図10に、実施の形態の組み合わせの一例として、実施の形態3における係数可変フィルタ53のフィルタ係数を、実施の形態1における比較器52に入力して閾値判別したものを風雑音発生フラグとして、実施の形態1のエッジ検出部611への入力とした構成図を示す。
図11に、図10の構成における歩行検出を示す実験データを示す。図11は、歩行時および静止時に通常風が吹いている場合での、風雑音検出部5および歩行検出部6の出力データおよび中間データを示す。
マイクロホン2a、2bで取込んだ音響信号(図11(a)参照)を用いて、係数可変フィルタ53の出力誤差が最小になるように係数更新部55によって更新されたフィルタ係数を風雑音の発生量とする(図11(b)参照)。比較器52は、抽出した風雑音発生量のレベルを所定閾値(Th1)と比較する(図11(c)参照)ことで、風雑音の発生が検出される(図11(d)参照)。歩行時と通常風の場合とで、風雑音の発生量(図11(b))は同程度であるものの、発生頻度が異なるため、通常風の場合では風雑音が検出され続ける一方、歩行時には断続的に風雑音が検出される(図11(d))。結果、例えば風雑音発生フラグのLowからHighへの変化点に着目すると(図11(e)参照)、歩行時には風雑音がくり返し発生していることが検出され、歩行状態であると判断できる。
また、実施の形態4の補聴器1a、1bの送受信部7以外の各構成は、実施の形態1〜3のいずれの構成であってもよいし、それ らを組み合わせたものであってもよい。また、補聴器1aと1bの送受信部7以外の構成が異なっていてもよい。
(その他の変形例)
また、次に示すような実施の形態も本発明に含まれる。
(1)前記の各装置を構成する構成要素の一部、または全部を、1個のシステムLSIで構成してもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIはその機能を達成する。
(2)前記の各装置を構成する構成要素の一部、または全部を、各装置に脱着可能なICカード、または単体のモジュールで構成してもよい。前記ICカード、または前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード、または前記モジュールは、(1)の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカード、または前記モジュールはその機能を達成する。このICカード、またはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(3)本発明は、前記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラム、または前記デジタル信号を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、本発明は、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラム、または前記デジタル信号を、電気通信回線、無線、または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、前記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、前記コンピュータプログラム、または前記デジタル信号を、前記記録媒体に記録して移送、あるいは前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(4)前記実施の形態、および前記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明の補聴器は、周囲環境に合わせて補聴処理を自動で切り替える適応補聴技術として有用である。
1、1a、1b、1001、2001 補聴器
2、2a、2b マイクロホン
3、1003、2003 補聴処理部
4 レシーバ
5 風雑音検出部
6 歩行検出部
7 送受信部
31 指向性合成部
32 指向性制御部
33 増幅器
51 ローパスフィルタ
52、613、617、622 比較器
53 係数可変フィルタ
54 減算器
55 係数更新部
61 パルス検出部
62 くり返し検出部
611 エッジ検出部
612 レベル検出部
614 パルス判定部
615 変動成分抽出部
616 平滑化レベル算出部
618 ゲインリミッタ
621 カウンタ
1002、2002a、2002b マイクロホン
1004、2004 レシーバ
1005、2005 信号分析部
1006 信号識別部
1007 トレーニング装置

Claims (12)

  1. 外部の音響信号を収音する収音部と、収音された前記音響信号に対して複数のアルゴリズムを切り替えて補聴処理を行う補聴処理部と、補聴処理された前記音響信号を出力する出力部とを備える補聴器であって、
    前記収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出する風雑音検出部と、
    前記検出された風雑音の時間的変動を検出する時間変動検出部と、
    を備え、
    前記時間変動検出部は、
    前記風雑音の変動として、前記風雑音のパルス性変動を検出するパルス検出部と、
    前記検出されたパルス性変動の時間的くり返しの有無を検出するくり返し検出部と、を備え、
    前記補聴処理部は、検出された前記風雑音の時間的変動に基づいて、前記収音された音響信号に対する補聴処理のアルゴリズムを切り替える
    補聴器。
  2. 前記収音部は、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとを備え、
    前記風雑音検出部は、前記第1のマイクロホンが収音した音響信号を主信号とし、前記第2のマイクロホンが収音した音響信号を参照信号とし、前記参照信号との差分が最小になるようにフィルタ係数を更新する係数可変フィルタ部を備え、
    前記風雑音検出部は、前記推定信号と前記参照信号との差分である誤差信号を風雑音として検出する
    請求項1に記載の補聴器。
  3. 前記収音部は、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとを備え、
    前記風雑音検出部は、前記第1のマイクロホンが収音した音響信号を主信号とし、前記第2のマイクロホンが収音した音響信号を参照信号とし、前記主信号をフィルタリング処理することによって得られる推定信号と前記参照信号との差分が最小になるようにフィルタ係数を更新する係数可変フィルタ部を備え、
    前記風雑音検出部は、前記係数可変フィルタ部における前記フィルタ係数を風雑音として検出する
    請求項1に記載の補聴器。
  4. 前記パルス検出部は、
    前記フィルタ係数の変動成分を抽出する変動成分抽出部と、
    前記抽出された変動成分の平滑化レベルに基づいて、前記変動成分の利得を制御する利得制御部とを備え、
    前記パルス検出部は、利得制御された前記変動成分レベルに基づいて、前記フィルタ係数のパルス性変動を検出する
    請求項に記載の補聴器。
  5. 前記利得制御部は、
    前記変動成分の平滑化レベルがあらかじめ定められた閾値を超えている時間長に基づいて、前記変動成分の利得を制御する
    請求項に記載の補聴器。
  6. 前記補聴処理部は、
    前記第1のマイクロホンが収音した音響信号と前記第2のマイクロホンが収音した音響信号とを用いて、第1の方向に指向感度を持った指向性信号と、特定の方向に指向感度を持たない無指向性信号とを生成する指向性合成部と、
    前記指向性合成部の出力を、前記指向性信号と、前記無指向性信号とで切り替えることが可能な指向性制御部と、
    を備え、
    前記指向性制御部は、
    前記くり返し検出部でパルス性変動の時間的くり返しを検出しない場合には前記指向性信号を、
    前記パルス性変動の時間的くり返しを検出した場合には前記無指向性信号を出力するように切り替える
    請求項のいずれか一項に記載の補聴器。
  7. 前記補聴器は、
    利用者の一方の耳に装着され、前記時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動を、利用者のもう一方の耳に装着される他の前記補聴器に送信し、前記他の補聴器において検出された風雑音の時間的変動を受信する送受信部をさらに備え、
    前記補聴処理部は、前記時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動および前記送受信部で受信した風雑音の時間的変動に基づいて、前記収音された音響信号に対する補聴アルゴリズムを切り替える
    請求項のいずれか一項に記載の補聴器。
  8. 請求項のいずれか一項に記載の前記補聴器を一対で備える補聴システムであって、
    前記補聴器は、
    前記時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動を他の前記補聴器に送信し、前記他の補聴器において検出された風雑音の時間的変動を受信する送受信部をさらに備え、
    前記補聴処理部は、前記時間変動検出部で検出された風雑音の時間的変動および前記送受信部で受信した風雑音の時間的変動に基づいて、前記収音された音響信号に対する補聴アルゴリズムを切り替える
    補聴システム。
  9. 外部の音響信号を収音する収音ステップと、
    前記収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出する風雑音検出ステップと、
    前記検出された風雑音の時間的変動を検出する時間変動検出ステップと、
    検出された前記風雑音の時間的変動がくり返しのあるパルス性変動の場合には、歩行状態であると判定する判定ステップと
    を含む歩行検出方法。
  10. 外部の音響信号を収音する収音部と、収音した前記音響信号に対して複数のアルゴリズムを切り替えて補聴処理を行う補聴処理部と、補聴処理された前記音響信号を出力する出力部とを備える補聴器における補聴方法であって、
    風雑音検出部が、前記風雑音の変動として、前記風雑音のパルス性変動を検出し、前記検出されたパルス性変動の時間的くり返しの有無を検出することによって、前記収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出し、
    時間変動検出部が、前記検出された風雑音の時間的変動を検出し、
    前記補聴処理部は、検出された前記風雑音の時間的変動に基づいて、前記収音された前記音響信号に対する補聴処理のアルゴリズムを切り替える
    補聴方法。
  11. 外部の音響信号を収音する収音部と、収音した前記音響信号に対して複数のアルゴリズムを切り替えて補聴処理を行う補聴処理部と、補聴処理された前記音響信号を出力する出力部とを備える補聴器に実装される集積回路であって、
    前記収音された音響信号の、収音時に混入している風雑音を検出する風雑音検出部と、
    検出された前記風雑音の時間的変動を検出する時間変動検出部と
    を備え、
    前記時間変動検出部は、
    前記風雑音の変動として、前記風雑音のパルス性変動を検出するパルス検出部と、
    前記検出されたパルス性変動の時間的くり返しの有無を検出するくり返し検出部と、を備え
    前記補聴処理部は、前記風雑音の時間的変動に基づいて、前記収音された前記音響信号に対する補聴処理のアルゴリズムを切り替える
    集積回路。
  12. コンピュータを、請求項1記載の補聴器が備える各処理部として機能させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラム。
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