本実施形態の運転支援情報提供システム100は、車両の走行方向前方に存在する対象物と自車両との接近度を模擬的に表現する図形を含む情報を提供することにより運転者の運転を支援する装置である。
図面に基づいて、本実施形態に係る運転支援情報提供システム100について説明する。本実施形態においては、車両に搭載され、その車両の運転を支援する運転支援情報提供システム100を含む車載装置1000を例に説明する。
図1に示すように、運転支援情報提供システム100は、制御装置10と表示装置20とを有する。
また、図1に示すように、運転支援情報提供システム100は、車載装置1000に含まれるナビゲーション装置200、車両コントローラ300、及び測距・測位装置400と、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行う。
さらに、図1に示すように、運転支援情報提供システム100の制御装置10は、本実施形態に係る運転支援情報の生成処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory )12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、運転支援情報提供システム100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備える。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)11に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
次に、運転支援情報提供システム100の制御装置10が備える処理機能について説明する。制御装置10は、自車両の走行方向前方に検出される対象物と自車両との位置関係を算出する位置関係算出機能と、その位置関係に基づいて自車両と対象物との接近度を算出する接近度算出機能と、その位置関係における自車両と対象物との接近度を模擬的に表現する図形を導出する図形導出機能と、導出された図形を含む運転支援情報を自車両の運転者の周辺視野内に表示させる表示制御機能と、を有する。そして、各機能を実現するためのソフトウェアと、上述した制御装置10を含むハードウェアの協働により各機能を実行する。
以下、上述した運転支援情報提供システム100の制御装置10が実現する機能についてそれぞれ説明する。
まず、運転支援情報提供システム100の表示制御機能について説明する。制御装置10は、表示装置20を用いて、車両と対象物との接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を運転者の周辺視野内に表示させる。
ここで、図2〜図4に基づいて本実施形態の表示装置20について説明する。本実施形態の表示装置20は、その表示面が運転者の周辺視野内となるように設置される。具体的に、図2に示すように、表示装置20は、その表示面が、運転席に座る運転者の視線の中心部分にある中心視野を取り囲む周辺視野範囲内に位置するように設けられる。ちなみに、個人差はあるが、中心視野は一般に人の視線の中心から離心角8°〜12°程度の範囲であり、周辺視野は一般に人の視線の中心から離心角13°〜17°程度の範囲である。
図3は、図2に示す状態を車両の縦方向(進行方向)に沿う断面視図である。表示装置20は、自車両のインストルメントパネルの上面の近傍に設置される。図3に示すように、本実施形態の表示装置20は、透過性を有するインストルメントパネルの下側に設置される。つまり、運転者は、インストルメントパネルの上から表示装置20が表示する運転支援情報を視認することができる。
また、図3に示すように、本実施形態の表示装置20は、面状に配設された複数の発光体22と、その発光体列22を覆う拡散板23とを有する。本実施形態の各発光体22はその配設位置(座標)により識別され、制御装置20の制御指令に従い、点滅、明度の調節、及び色相の調節が発光体22ごとに可能である。本実施形態の発光体22は、発光ダイオードである。なお、本実施形態の発光ダイオードは赤、青、緑の三原色の色を発光するものを含み、任意の色を表現することができる。また、拡散板23は、発光ダイオードの発光点をぼかす。これにより、所定のピッチで設けられた発光ダイオードの光の点を連続する線として表現することができる。
さらに、図4に表示装置20と運転者Dの視野との位置関係を示す。図4に示すようにドライバDの視線Qに対して離心角0°以上、10°未満の範囲が中心視野であり、ドライバDの視線Qに対して離心角10°以上、15°未満の範囲が周辺視野である。図4に示すように、周辺視野の領域内に表示面21が含まれるように、表示装置20を設置する。
また、図3及び図4に示すように、表示装置20は、その表示面21が自車両の後方側に向くように、自車両の水平面に対して傾きをもって設置される。この傾きは、運転席の位置、ダッシュボードの高さ及び形状等に応じて車両ごとに適宜設定する。このとき、表示装置20の傾きは小さい値(3°〜6°,又は1°〜10°程度)とする。このように、表示装置20の表示面21と走行路面とに若干の角度を設けることにより、乗員は表示装置20に表示された情報と実際に視認する走行路面とを容易に対応づけることができるとともに、乗員から見やすくすることができる。また、若干の傾きにより表示面21に表示する情報に走行方向に沿う遠近感を表現しやすくなる。
ちなみに、中心視野の領域は、人が意識的にそのものを理解及び認識するために見る範囲であり、ものの形や大きさなどを正確にとらえることができる範囲である。これに対し、周辺視野の領域は、人が無意識に知覚できる範囲であり、ものの形や大きさなどを感覚的にとらえることができる範囲である。周辺視野は中心視野に比べて広いため、人は周辺視野において変化するものの位置や形を感覚的に捉えることができる。つまり、運転者は車両の前方の注意点に中心視野を設定して運転状況を正確に判断しつつ、並行して周辺視野において提示された情報を認識することができる。本実施形態では、このような人の視覚の特性を利用して、周辺視野に車両と対象物との接近度を模擬的に表現する図形を表示することにより、運転操作に集中する運転者に対して、自車両と対象物との接近度を感覚的に伝えることができる。
続いて、運転支援情報提供システム100の位置関係算出機能について説明する。運転支援情報提供システム100の制御装置10は、自車両の走行方向前方に検出される対象物と自車両との位置関係を算出する。つまり、制御装置10は、所定のタイミングにおける自車両の現在位置、走行方向、車速、及び操舵角を取得するとともに、自車両の走行方向前方に対象物が検出されたか否かの情報及びその位置を取得する。
所定タイミングにおける車両の現在位置は、ナビゲーション装置200から取得する。ナビゲーション装置200は、GPS(Global Positioning System)211を含む位置検出装置210を有し、自車両の位置をGPS(Global Positioning System)211その他の測位機能により検出する。
また、所定タイミングにおける車速、操舵角、車両コントローラ300から取得する。車両コントローラ300は、車速センサ310、操舵角センサ320を有する。車速センサ310は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速Vを検出し、検出した自車速を制御装置10に出力する。また、操舵角センサ320は、車両に取り付けられたステアリングホイールの操舵角αを検出し、制御装置10に出力する。
また、所定タイミングにおける自車両と対象物との位置関係は、測距・測位装置400から取得する。測距・測位装置400は、画像処理装置410及び/又はレーダ測距装置420を備える。
画像処理装置410は、画像に基づいて対象物の検出及び対象物までの距離を算出する。画像処理装置410は、車両の側方を撮像する側方カメラ411と車両の進行方向前方を撮像する前方カメラ412とを有する。側方カメラ411は、例えば左右のサイドミラー下部にそれぞれ取り付けられた小型のCCD(Charge Coupled Device)カメラ、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等であり、自車両の周囲から走行方向前方の状況の画像を取得する。側方カメラ411による検知領域は、車両の左右それぞれ0mから2m程度であり、この領域に含まれる側方道路風景が画像として取り込まれる。画像処理装置410は、側方カメラ411により検出された撮像画像に含まれるレーンマーカの画像情報に基づき、自車両が走行する走行車線を抽出する。また、画像処理装置410は、走行車線と自車両との距離(車線内横位置)、車線に対する自車両の走行方向の角度などを求める。
また、前方カメラ412は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCD(Charge Coupled Device)カメラまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等であり、自車両の走行方向前方の道路の状況を画像として検出する。画像処理装置410は、予め準備された対象物(車両、路上設置物、走行車線の境界など)のパターンを用いて、前方カメラ412により撮像された撮像画像から自車両の走行方向前方を走行する先行他車両、路上設置物、走行車線の境界を示すレーンマーカなどの対象物を検出する。さらに、画像処理装置410は、自車両から検出された先行他車両、路上設置物、レーンマーカなどの対象物までの距離及び方向を求め、自車両から対象物との位置関係及びその変化量を算出する。この対象物の検出処理及び位置関係の算出処理は所定周期で実行される。
また、レーダ測距装置420は、電磁波を出射し、自車両周辺の対象物に当たって生じた反射波を受波し、出射と反射波の時間差から、対象物の存在及び存在方向を検出するとともに、自車両と対象物との間の距離を測定し、自車両と対象物との位置関係およびその変化量を算出する。
また、制御装置10は、ナビゲーション装置200の地図情報220に記憶された道路情報(道路の曲率、道路の幅)を参照し、自車両の位置から自車の走行車線の境界までの距離(自車両の進行方向の延長線と走行車線の境界との交点までの距離)を、幾何学的手法により算出してもよい。この手法については、後に詳述する。
なお、測距・測位の手法は特に限定されず、出願時において利用可能な手法を用いることができる。
そして、測距・測位装置400は、算出した自車両と対象物との位置関係を制御装置10へ送出する。制御装置10は、自車両と対象物との位置関係を取得する。画像処理装置410とレーダ測距装置420の両方の機能を用いて、自車両と対象物との位置関係を算出してもよい。
次に、運転支援情報提供システム100の接近度算出機能について説明する。制御装置10は、位置関係算出機能により算出された位置関係に基づいて自車両と対象物との接近度を算出する。本実施形態の接近度は、自車両が対象物に最も接近するまでの時間又は距離で表現される。つまり、自車両が対象物に最も接近するまでの余裕時間が小さいほど、自車両が対象物までの距離が短いほど接近度が大きい。
本実施形態の制御装置10は、自車両と対象物との接近度を、自車両と対象物の距離又は自車両が対象物に到達するまでの時間に基づいて算出する。
本実施形態の制御装置10は、自車両と先行他車両との接近の度合に係る第1の接近度、及び/又は自車両と走行車線の境界との接近の度合に係る第2の接近度を算出する。
まず、第1の接近度の算出手法を説明する。制御装置10は、自車両と自車両の走行方向前方を走行する先行他車両(対象物)との位置関係を、自車両と先行他車両との距離と相対速度に基づいて算出する。さらに、制御装置10は、図5及び式1に示すように、自車両と先行車との車間距離Lcを自車両と先行車との相対速度ΔVcで除して求められる前方車間余裕時間(TTC:Time to Collision)を第1の接近度として算出する。
TTC(前方車間余裕時間)=Lc(車間距離)/ΔVc(相対速度) (式1)
なお、車間距離Lc及び相対速度ΔVcは、所定の周期で検出される先行他車両と自車両との位置関係及びその変化に基づいて取得する。また、上述した接近度を、走行する車両の現在位置から先行他車両(対象物)までの距離により表現することもできる。
第2の接近度の算出手法を説明する。まず、制御装置10は、自車両の走行方向前方に延在する走行車線の境界(対象物)との位置関係を、自車両と走行車線の境界との距離と自車両の速度に基づいて算出する。
図6に基づいて、車両が走行車線のカーブの外側の境界上にある点Tに到達し、これを超える(走行車線を逸脱する)までの到達時間により表現される接近度の算出手法を説明する。
制御装置10は、まず、自車両が走行車線の境界上にある地点Tを決定する。地点Tは、図6に示すように、走行路のカーブの外側の車線境界が成す円に対して、この走行車線上を走行する車両から引いた交点である。
そして、自車両から地点T(座標x,y)までの距離LIは、図6及び以下のように導く。まず、関係式x2+y2=(R+D)2から式{y=(R+D)2−x2}1/2によりyを求める。そして、(x,y)=(-R, LI) であるから、LI={ (R+2R・D+D)-R }1/2より、LI= (2RD+D) 1/2となる。ここで、Rは道路の曲率、Dは走行車線の幅の半分の値であり、道路情報として地図情報220から取得する。道路情報は、各地点を含む走行路の曲率、及び/又は各地点を含む走行路の車線幅を含む。本実施形態の道路情報は、ナビゲーション装置200の地図情報220を記憶するメモリに読み込み可能な状態で記憶されている。ナビゲーション装置200は、制御装置10の要求に応じて、所定の地点の地点情報及び/又は道路情報を送出する。また、制御装置10は、操舵角センサ320により所定値以上の操舵操作が検出されたタイミングで自車両から地点T(座標x,y)までの距離LIを算出してもよい。
なお、自車両から地点T(座標x,y)までの距離LIは、画像処理装置410により算出させてもよい。たとえば、撮像画像に基づいてレーンマーカを抽出し、このレーンマーカと自車両の縦方向の中心の延長線との交点を地点Tとし、自車両から地点Tまでの距離LIを求めることができる。
そして、制御装置10は、図7及び式2に示すように、自車両と走行車線の境界との距離LIを自車両の速度Vで除して求められる車線逸脱余裕時間(TLC:Time to Lane crossing)を第2の接近度として算出する。
TLC(車線逸脱余裕時間)=Ll(車線逸脱距離)/V(速度) (式2)
なお、上述した接近度を、走行する車両の現在位置から地点Tまでの距離により表現することもできる。
次に、運転支援情報提供システム100の図形導出機能について説明する。制御装置10は、位置関係における自車両と対象物との接近度を模擬的に表現する図形を導出する。制御装置10は、上述した2つの接近度(第1の接近度、第2の接近度)のそれぞれに対応する図形を導出する。つまり、制御装置10は、自車両と先行他車両との接近度を模擬的に表現する一の図形を導出し、自車両と走行車線の境界との接近度を模擬的に表現する他の図形を導出する。
図8に示すように、制御装置10は、第1の接近度又は第2の接近度に応じた形状の図形、つまり特徴の異なる図形を導出する。つまり、自車両と先行他車両との接近の度合に係る第1の接近度を模擬的に表現する場合は、図8(A)に例示する直線で構成された図形を用い、自車両と走行車線の境界との接近の度合に係る第2の接近度を模擬的に表現する場合は、図8(B)に例示する曲線を含む図形を用いる。運転者は図形の特徴により、示された運転支援情報が自車両と先行他車両との接近の度合に係る第1の接近度を示すものなのか、自車両と走行車線の境界との接近の度合に係る第2の接近度を示すものなのかを直感的に認識することができる。
また、制御装置10は、自車両と先行他車両との第1の接近度(TTCにより表現される接近の度合)と自車両と走行車線の境界との第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)とを比較し、接近度のいずれか高い方(余裕時間の短い方)の第1の接近度又は第2の接近度を模擬的に表現する図形を導出する。制御装置10は、比較の結果に応じて、1の接近度を模擬的に表現する図形含む運転支援情報と第2の接近度を模擬的に表現する図形含む運転支援情報とを自動的に切り替える。
第1の接近度と第2の接近度の比較は、車線逸脱余裕時間(TLC:Time to Lane crossing)と前方車間余裕時間(TTC:Time to Collision)との比較により行う。
図9に示すように、TTCとTLCとを対応づけ、TTCがTLC未満(又は以下)であり、 かつTTCが一定の閾値(T2)未満である場合(第9図中の濃いグレー部分)、つまり前方車間余裕時間(TTC)のほうがカーブの車線逸脱余裕時間(TLC)よりも小さい場合は、第1の接近度を模擬的に表現する図形が導出される。
また、TLCがTTC以下(又は未満)であり、かつ、TLCが一定の閾値(T1)より小さい場合(第9図中の左上の薄いグレー部分)、つまりカーブの車線逸脱余裕時間(TLC)のほうが前方車間余裕時間(TTC)よりも小さい場合は、第2の接近度を模擬的に表現する図形が導出される。
本実施形態の制御装置10は、位置関係における自車両と対象物との接近度に応じた形状の図形を導出する。つまり、接近度の高低に応じて異なる形状の図形を導出する。形状の異なる図形を含む運転支援情報を提供することにより、運転者はその図形の形状から接近度の高低を直感的に認識することができる。
図10(A)〜(C)は、自車両と先行他車両との第1の接近度(TTCにより表現される接近の度合)の高低に応じて導出される異なる形状の図形を含む運転支援情報の表示例を示す図である。図10(A)〜(C)に示す例では、一組の対辺が自車両の進行方向に対して略垂直方向に延在する四辺形である台形によって第1の接近度を模擬する。このとき台形の長辺(一組の平行な対辺のうち長い辺)が運転者に最も近い表示面21の端辺となるように図形を表示することが好ましい。図10(A)において、表示する図形にこの図形を模擬する台形のイメージを重畳して示す。
車両と先行他車両との第1の接近度を図10(A)〜(C)に示すような台形で表現することにより、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。つまり、台形の一組の対辺端をそれぞれ結ぶ他の一組の対辺は同じ角度で中央に向かって傾斜しており、この2本の直線は自車両の走行車線前方に伸びる2本のレーンマーカと似ているため、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。
本実施形態において、制御装置10は、第1の接近度の高低に応じて面積の異なる図形を導出する。
運転支援情報の一例を示す図10(A)〜(C)は、第1の接近度(TTCにより表現される接近の度合)がA<B<Cの関係にある。つまり、図10(A)に示す状態が第1の接近度が最も低く(最離隔状態)、図10(C)に示す状態が第1の接近度が最も高い(最接近状態)である。
図10(A)〜(C)では、第1の接近度の高低に応じて高さの異なる図形を導出する。本実施形態では、図10(A)〜(C)に示すように、第1の接近度が高いほど、高さの低い図形を導出する。
このとき、図10(A)〜(C)に示すように、変化する図形の高さ方向は、自車両の進行方向に沿うように設定し、さらに、その高さの基点を運転者に最も近い辺上の点とすることが好ましい。このようにすることで、運転者は、運転者に最も近い辺から自車両の進行方向に沿う図形の高さが変化する様子と対応づけて、先行他車両と自車両との接近度を認識することができる。
つまり、図形の高さが短くなり、形状が運転者側に縮んだ図形を示すと、運転者は先行他車両と自車両とが接近したことを直感的に認識することができ、図形の高さが長くなり、形状が運転者側から前方へ伸びた図形が示された場合、運転者は先行他車両と自車両とが離隔したことを直感的に認識することができる。
次に、カーブにおける走行車線の境界と自車両との第2接近度を模擬する図形の表示例を説明する。
図11(A)〜(D)は、自車両と先行他車両との第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)の高低に応じて導出される異なる曲率の曲線を有する図形を含む運転支援情報の表示例を示す図である。図11(B)において、表示する図形にこの図形を模擬する曲線のイメージを重畳して示す。
このとき曲線は、自車両がカーブする方向へ伸びる形状であることが好ましい。つまり、図11(A)〜(D)に示すように自車両が右側へカーブする場合は、表示装置20の表示面21のy=0,x=0の位置から伸びる曲線を含む図形によって第2の接近度を模擬し、自車両が左側へカーブする場合は、表示装置20の表示面21のy=0,x=maxの位置から伸びる曲線を含む図形によって第2の接近度を模擬する。
車両と走行車線の境界との第2の接近度を、図11(A)〜(D)に示すような曲線で表現することにより、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。つまり、運転者は、表示装置20に表示される曲線の伸びる方向及び曲線の形状を自車両が走行する走行車線と対応づけて認識することができる。このため、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。
図11(A)〜(D)に示すように、制御装置10は、第2の接近度の高低に応じて曲率の異なる図形を導出する。第2の接近度の高低に応じて変化する曲率は、その曲がりの程度を示し、曲率が大きいほどその湾曲は大きくなる。
運転支援情報の他の例を示す図11(A)〜(D)は、第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)がA<B<C<Dの関係にある。つまり、図11(A)に示す状態が第2の接近度が最も低く(最離隔状態)、図11(D)に示す状態が第2の接近度が最も高い(最接近状態)である。
本実施形態では、図11(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が高いほど、曲率の大きい(曲率半径の小さい)曲線を含む図形を導出し、自車両と対象物との接近度が低いほど曲率の小さい(曲率半径の大きい)曲線を含む図形を導出する。
また、異なるとらえ方をすると、自車両と対象物との接近度に応じて図形の右端部又は左端部の外角又は内角が異なる図形を導出する。ここで、図形の右端部又は左端部の外角は、図形の右端部又は左端部とこれに隣り合う辺の延長とが挟む角度であり、図形の右端部又は左端部の内角は、図形の右端部又は左端部で隣り合う2辺の内部に形成される角度である。
図11(A)〜(D)に示すように、制御装置10は、第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)の高低に応じて右端部又は左端部の外角又は内角の異なる図形を導出する。本実施形態では、図11(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が高いほど、右端部又は左端部の外角が大きい又は内角が小さい図形を導出する。図11(A)〜(D)に示すように、図形が多角形でない線図の場合、右端部又は左端部の外角又は内角は、この線図と表示装置20の表示面21のx軸又はy軸と図形が交差する角度とする。
特に限定されないが、本実施形態では、予め、第2の接近度の値と運転支援情報に含ませる図形とを対応づけて、記憶する。図12は、第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)の値域に対応づけられた図形の態様である。
図12に示す図形は、表示面21の原点(x=0,y=0)近傍の領域に位置する、図形の左端部Qにおける角度により特徴づけられる。つまり、左端部Qにおける曲線の接線と水平(表示面21のx座標(y=0)との角度をαとし、第2の接近度の値に応じて角度αの大きさを変化させる。この角度αは、図12に示す図形の左端部の外角に相当する。図12(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が最も小さい値域(図12(A))であるとき図形の角度αをα1とし、第2の接近度が次に小さい値域(同(B))であるとき図形の角度αをα2とし、第2の接近度が次に小さい値域(同(C))であるとき図形の角度αをα3とし、第2の接近度が最も小さい値域(同(D))であるとき図形の角度αをα4とする。このとき図12のA,B,C,D第2の接近度(TLCにより表現される接近の度合)の関係は、A<B<C<Dであり、図形の左端部Qにおける角度α1〜α4の関係は、α1<α2<α3<α4である。このように、本実施形態の制御装置10は、予め対応づけた情報を参照し、カーブにおける第2の接近度が最も小さい時の表示において、αを最小のα1とし、第2の接近度が大きくなるに従って、角度α1がα2→α3→α4と増加する図形を導出する。なお、内角と外角との和は180°であるから、第2の接近度が大きくなるに従って、内角が減少する図形を導出してもよい。
また、図12に示す曲線を含む図形の長さLを任意の一定値としてもよいが、第2の接近度が大きくなるほどLを長くしてもよい。
また、図12に示す図形を、左端部Qの他端側となる、図形の右端部Pにおける角度により特徴づけてもよい。右端部Pにおける曲線の接線と水平(表示面21のx座標(y=0)との角度をβとし、第2の接近度の値に応じて角度βの大きさを変化させる。この角度βは、図12に示す図形の右端部Pの外角に相当する。
図12(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が最も小さい値域(図12(A))であるとき図形の角度βをβ1とし、第2の接近度が次に小さい値域(同(B))であるとき図形の角度βをβ2とし、第2の接近度が次に小さい値域(同(C))であるとき図形の角度βをβ3とし、第2の接近度が最も小さい値域(同(D))であるとき図形の角度βをβ4とする。このとき図12A,B,C,Dの第2の接近度の関係は、A<B<C<Dであり、図形の右端部Pにおける角度β1〜β4の関係は、β1>β2>β3>β4である。このように、本実施形態の制御装置10は、予め対応づけた情報を参照し、カーブにおける第2の接近度が最も小さい時の表示において、βを最大のβ1とし、第2の接近度が大きくなるに従って、曲率βがβ2→β3→β4と変化する図形を導出する。なお、最も接近度が大きいときの角度β4は、左右の接近度の区別が明確になるよう、β4=0、すなわち水平とすることが好ましい。
さらに、本実施形態において、制御装置10は、第2の接近度の値に基づいて、上述する図形の角度α又は角度βを算出してもよい。
図13(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が最も小さい値域(図13(A))であるとき図形の角度αをα1とし、第2の接近度が最も小さい値域(同(D))であるとき図形の角度αをα4とする。
また、第2の接近度が最も小さい値域(図13(A))であるとき図形の角度βをβ1とし、第2の接近度が最も小さい値域(同(D))であるとき図形の角度βをβ4とする。なお、最も接近度が大きいときの角度β4は、左右の接近度の区別が明確になるよう、β4=0、すなわち水平とすることが好ましい。第2の接近度の値の増加に応じて曲率の角度αが増加又は角度βが減少するように、関係式α=α1・K1(K1は任意の係数)、β=β1・K2(K2は任意の係数)を予め定義する。制御装置10は、この関係式を用いて、第2の接近度の値に応じた角度α、角度βを算出する。関係式により角度α及び角度βを算出し、運転支援情報に含ませる図形を導出することにより、第2の接近度の値の小さい変化を運転者に知らせることができる。
このように、曲率の異なる曲線、右端部又は左端部の外角又は内角が異なる図形を含む運転支援情報を提供することにより、運転者はその曲線の形状、外角又は内角の大きさから接近度の高低を直感的に認識することができる。
図12、13に示すように、水平領域(表示面のx軸近傍)に近づく曲線を示すと、運転者は走行車線の境界と自車両とが接近したことを直感的に認識することができる。水平領域(表示面21のx軸近傍から遠ざかる曲線を示すと、運転者は走行車線の境界と自車両とが離隔したことを直感的に認識することができる。
さらに、本実施形態において、制御装置10は、第1の接近度の高低に応じて色、明度の異なる図形を導出する。
図14は、先行他車両と自車両の第1の接近度に応じて図形に付す色を定義するテーブルである。図14に示すテーブルでは、TTCがTa以上T2未満の場合は白色(及び/又は低い明度)を、Tb以上Ta未満の場合は白色よりも暖色である黄色(及び/又は中程度の明度)を、0以上Tb未満の場合は黄色よりも暖色である赤色(及び/又高い明度)を、図形に付す色として定義する。
運転支援情報の一例を示す図15(A)〜(D)は、第1の接近度(TTCにより表現される接近の度合)がA<B<C<Dの関係にある。つまり、図15(A)に示す状態が第1の接近度が最も低く(最離隔状態)、図15(D)に示す状態が第1の接近度が最も高い(最接近状態)である。
図15(A)〜(D)では、第1の接近度の高低に応じて色相、明度(明るさ)の異なる図形を導出する。本実施形態では、図15(A)〜(D)に示すように、第1の接近度が高いほど、色相が暖色の色の図形又は高い明度で表示される図形を導出する。ちなみに、制御装置10は、導出された図形に付される色を特定する表示命令を表示装置20へ送出し、特定された色が付された図形を表示装置20に表示させる。同様に、制御装置10は、導出された図形を表示する際の明度を特定する表示命令を表示装置20へ送出し、特定された明度(明るさ)で図形を表示装置20に表示させる。
同様に、本実施形態において、制御装置10は、第2の接近度の高低に応じて色、明度の異なる図形を導出する。
図16は、走行車線の境界と自車両の第2の接近度に応じて図形に付す色を定義するテーブルである。図16に示すテーブルでは、TLCがTc以上T1未満の場合は白色(及び/又は低い明度)を、Td以上Tc未満の場合は白色よりも暖色である黄色(及び/又は中程度の明度)を、0以上Td未満の場合は黄色よりも暖色である赤色(及び/又高い明度)を、図形に付す色として定義する。
運転支援情報の一例を示す図17(A)〜(D)は、第2の接近度がA<B<C<Dの関係にある。つまり、図17(A)に示す状態が第2の接近度が最も低く(最離隔状態)、図17(D)に示す状態が第2の接近度が最も高い(最接近状態)である。
図17(A)〜(D)では、第2の接近度の高低に応じて色相、明度(明るさ)の異なる図形を導出する。本実施形態では、図17(A)〜(D)に示すように、第2の接近度が高いほど、色相が暖色の色の図形又は高い明度で表示される図形を導出する。ちなみに、制御装置10は、導出された図形に付される色を特定する表示命令を表示装置20へ送出し、特定された色が付された図形を表示装置20に表示させる。同様に、制御装置10は、導出された図形を表示する際の明度を特定する表示命令を表示装置20へ送出し、特定された明度(明るさ)で図形を表示装置20に表示させる。
このようにすることで、運転者は、図形の色、明度が変化する様子と対応づけて、先行他車両と自車両との第2の接近度を認識することができる。
つまり、図形の色が相対的に赤に近い暖色となり、又は図形の明るさが相対的に明るくなると、運転者は先行他車両と自車両とが接近したことを直感的に認識することができ、つまり、図形の色が相対的に青に近い寒色となり、又は図形の明るさが相対的に暗くなると、運転者は先行他車両と自車両とが離隔したことを直感的に認識することができる。
続いて、図18のフローチャート図に基づいて、本実施形態の運転支援情報提供システム100の制御手順を説明する。
まず、運転支援情報提供システム1000が起動され、制御処理が開始される。この処理内容は、制御装置10において一定周期で実行される。概略を説明すると、ステップ群1では第1の接近度、第2の接近度を算出し、ステップ群2では第1の接近度と第2の接近度とを比較して第1の接近度又は第2の接近度模擬的に表現する図形を表示する。ステップ群3では、先行車接近度(第1の接近度)又はカーブ接近度(第2の接近度)の値に応じて図形の色を変化させる。
そして、制御装置10は、導出された図形を含む運転支援情報を、先に説明した表示装置20に提示させる。
以下、各ステップについて説明する。
ステップS100において、制御装置10は、測距・測位装置400から先行車両との車間距離、先行他車両の速度を取得し、車両コントローラ300から自車両の速度を取得する。
続くステップS101において、制御装置10は、ナビゲーション装置200から、自車両の走行する走行車線の道路情報を取得する。
さらに、ステップS102において、制御装置10は、第1の接近度に対応するTTC、第2の接近度に対応するTLCの値を算出する。
そして、ステップS103において、制御装置10は、第1の接近度を表現するTTCと第2の接近度を表現するTLCの値を比較する。第TLC(カーブ余裕時間)がTTC(車間余裕時間)以上である場合は、TTC(車間余裕時間)が短く、先行車両との第1接近度が高いと判断し、ステップS104へ進む。TLCがTTC未満である場合は、TLC(カーブ余裕時間)が短く、走行車線の境界との第2接近度が高いと判断し、ステップS110へ進む。
ステップS104において、制御装置10は、TTCが所定の閾値T2未満の場合はステップS105へ進み、そうでない場合はステップS120へ進む。接近の度合が高くなった場合にのみ、運転支援情報を提供するためである。
ステップS105において、制御装置10は、先行他車両と自車両との第1の接近度を模擬的に表現する図形を導出する。制御装置10は、第1の接近度に応じた形状、面積、高さの図形を導出する。
ステップS106において、制御装置10は、図形に付する色を判断する。具体的に、TTCが、所定の閾値Tbより大きく所定の閾値Ta以下である場合は、第1の接近度は中程度と判断し、ステップS108へ進んで、導出された図形を示すため、表示装置20の黄色の発光ダイオードLED22を点灯させる。他方、TTCが、所定の閾値Tbより大きく所定の閾値Ta以下でない場合は、ステップS107へ進む。
ステップS107において、制御装置10は、TTCが、所定の閾値Tb以下である場合は、第1の接近度は高いと判断し、ステップS109へ進んで、導出された図形を示すため、表示装置20の赤色の発光ダイオードLED22を点灯させる。
続いて、ステップS110以降の処理を説明する。ステップS110において、制御装置10は、TLCが所定の閾値T1未満の場合はステップS111へ進み、そうでない場合はステップS120へ進む。接近の度合が高くなった場合にのみ、運転支援情報を提供するためである。
ステップS111において、制御装置10は、走行車線の境界と自車両との第2の接近度を模擬的に表現する図形を導出する。制御装置10は、第2の接近度に応じた曲率、外角又は内角、長さの図形を導出する。
ステップS112において、制御装置10は、図形に付する色を判断する。具体的に、TLCが、所定の閾値Tdより大きく所定の閾値Tc以下である場合は、第2の接近度は中程度と判断し、ステップS114へ進んで、導出された図形を示すため、表示装置20の黄色の発光ダイオードLED22を点灯させる。他方、TLCが、所定の閾値Tdより大きく所定の閾値Tc以下でない場合は、ステップS113へ進む。
ステップS113において、制御装置10は、TLCが、所定の閾値Td以下である場合は、第2の接近度は高いと判断し、ステップS115へ進んで、導出された図形を示すため、表示装置20の赤色の発光ダイオードLEDを点灯させる。
制御装置10は、ステップS108、ステップS109、ステップS114、ステップS115の点灯を実行したら、ステップS120へ進む。ステップS120において、制御装置10は、車両のキーオフが入力されるまでステップS100からの処理を繰り返す。
本実施形態の運転情報提供システム100は、以上のように構成され、作用するので以下の効果を奏する。
本実施形態の運転情報提供システム100は、運転者にとって車両前方に存在する対象物との関係が認識しやすい運転支援情報を提供することができる。
つまり、本実施形態の運転情報提供システム100は、車両の走行方向前方に検出される前方対象物と自車両との位置関係における自車両と前方対象物との接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を、運転者の周辺視野内に表示することにより、周辺視野に表示する図形によって自車両と前方対象物との接近度を示せるので、運転者にとって車両前方に存在する対象物との関係が認識しやすい運転支援情報を提供することができる。
また、運転者は車両の前方の注意点に中心視野を設けて運転状況を正確に判断しつつ、周辺視野において提示された本実施形態に係る運転支援情報を認識することができる。本実施形態では、このような人の視覚の特性を利用して、周辺視野に車両と対象物との接近度を模擬的に表現する図形を表示することにより、運転操作に集中する運転者に対して、自車両と対象物との接近度を感覚的に伝えることができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、運転者の周辺視野の範囲に情報を提示するので、運転者の注意を必要以上に引きつけることがない。また、運転者の周辺視野の範囲に情報を提示するので、情報を常時提示することができ、情報の提示開始、切り替えなどによって運転者の注意を必要以上に引きつけることがなく、さらに、運転者にうっとうしさを感じさせることがない。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、前方のウインドシールド上に情報を表示するために必要な装置などが必要なく、コスト面で有利である。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両の走行方向前方を走行する先行他車両と自車両との接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を表示することにより、上述の効果を奏することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両の走行方向前方に延在する走行車線の境界と自車両との接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を表示することにより、上述の効果を奏することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、先行他車両と自車両との第1の接近度と走行車線の境界と自車両との第2の接近度を比較し、接近度のいずれか高い方の第1の接近度又は第2の接近度を模擬的に表現する図形を導出することにより、運転者がより注意を払うべき対象物についての運転支援情報を提示することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、第1の接近度が第2の接近度よりも高く、かつ第1の接近度が所定の閾値よりも高い場合は第1の接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を提示し、第2の接近度が第1の接近度よりも高く、かつ第2の接近度が所定の閾値よりも高い場合は第2の接近度を模擬的に表現する図形を含む運転支援情報を提示するので、注意すべき接近度を超えた場合に運転支援情報を提示することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、第1の接近度又は第2の接近度に応じた形状の図形を含む運転支援情報を提示することにより、運転者は第1の接近度を示す図形の形状と、第2の接近度を示す図形の形状とを区別して識別することができる。このため、運転者は、図形の形状の違いによって、先行他車両と自車両との第1の接近度に関する情報であるのか、走行車線の境界と自車両との第2の接近度に関する情報であるのかを直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度に応じた形状の図形を含む運転支援情報を提示するため、運転者は、図形の形状の違いによって、対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度に応じて面積の異なる図形を含む運転支援情報を提示するため、運転者は、図形の面積、すなわち大きさの違いによって、対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度に応じて高さの異なる図形を含む運転支援情報を提示するため、運転者は、図形の高さ、図形の進行方向の奥行きの違いによって、対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度が高いほど、その高さが低い図形を含む運転支援情報を提示するため、運転者は、図形の高さが低い、図形の進行方向の奥行きが狭い図形を見ることによって、対象物への接近度が大きいこと、つまり対応の緊急性が高いことを直感的に認識することができる。
つまり、図形の高さが短くなり、形状が運転者側に縮んだ図形を示すことにより、運転者は先行他車両と自車両とが接近したことを直感的に認識することができる。また、図形の高さが長くなり、形状が運転者側から伸びた図形を示すことにより、運転者は先行他車両と自車両とが離隔したことを直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、図形を、台形などの一組の対辺が自車両の進行方向に対して略垂直方向に延在する四辺形とすることにより、運転者はその図形の形状から接近度の高低を直感的に認識することができる。
さらに、先行他車両と自車両との第1の接近度を、台形で表現することにより、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。つまり、台形の一組の対辺端をそれぞれ結ぶ他の一組の対辺は同じ角度で中央に向かって傾斜しており、この2本の直線は自車両の走行車線前方に伸びる2本のレーンマーカと似ているため、自車両の走行車線前方の情景と、表示装置10に表示された運転支援情報との関係を分かりやすく表示することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度に応じて曲率が異なる曲線を含む図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、曲線の曲率の違いによって、対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度が高いほど曲率が大きい曲線を含む図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、曲線の湾曲状態によって対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度に応じて図形の右端部又は左端部の外角又は内角が異なる図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、外角又は内角の違いによって、対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度が高いほど図形の右端部又は左端部の外角が大きい又は内角が小さい図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、図形の角度によって対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度が高い場合は、接近度が低い場合よりも色相が暖色の色を付した図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、色のイメージによって対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、自車両と対象物との接近度が高い場合は、接近度が低い場合よりも明度が明るい図形を含む運転支援情報を提示するので、運転者は、光の明るさによって対象物への接近度の大きさ、つまり対応の緊急性を直感的に認識することができる。
また、本実施形態の運転情報提供システム100は、発光体22を有する表示面21が自車両の後方側に向くように、自車両の水平面に対して傾きをもって設置するので、運転者は表示装置20に表示された情報と実際に視認する走行路面とを容易に対応づけることができるとともに、運転者から見やすくすることができる。また、若干の傾きにより表示面21に表示する情報に走行方向に沿う遠近感を表現しやすくなる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
すなわち、本明細書では、本発明に係る運転支援情報提供装置の一態様として運転情報提供システム100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本明細書では、本発明に係る運転支援情報提供装置の一態様として、CPU11、ROM12、RAM13を含む制御装置10を備えた運転情報提供システム100を一例として説明するが、これに限定されるものではない。
また、本明細書では、本願発明に係る位置関係算出手段と、接近度算出手段と、図形導出手段と、表示手段とを有する運転支援情報提供装置の一態様として、位置関係算出機能と、接近度算出機能と、図形導出機能と、表示制御機能とを実現する制御装置10を備える運転情報提供システム100を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。