JP5481835B2 - トナーの製造方法および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも着色剤と結着樹脂を含有してなる乾式用のトナーの製造方法等に関し、特定の重合体を用いて形成された樹脂を含有する結着樹脂よりなる乾式用のトナーの製造方法等に関する。
電子写真方式の画像形成方法では、一般に、以下の様な工程を経てプリント物の作製が行われる。先ず、感光体上に露光光が照射されて感光体上に潜像が形成され、その後、感光体上にトナーが供給されて潜像を現像することによりトナー画像が形成される。次に、感光体上のトナー画像を紙等の転写材に転写し、転写した画像に熱や圧力等を加えることによりトナー画像を定着することによりプリント物が作製される。そして、トナー画像を転写後の感光体上に残留するトナーはクリーニング装置によって除去されて、次の画像形成が行える様になる。
最近では、複数種類のカラートナーを用いたフルカラーのプリント作製も行われる様になり、フルカラーのプリント物を効率よく作製する上で画像形成速度の高速化が求められる様になってきた。そして、高速のプリント作製を実現する上でトナーには迅速な帯電性能と定着性能とを有することが求められる様になってきた。また、定着性能の向上という観点では、地球環境への配慮等から画像形成時における消費エネルギーの低減化が求められる様になってきた。そして、従来よりも低い定着温度でトナー画像を転写紙上に定着するいわゆる低温定着と呼ばれる技術に対応したトナーの開発が注目されている。
ところで、転写紙上に形成されたトナー画像は、設定された定着条件下である程度の粘度を有した状態で溶融し、転写紙上に強固に接着する性能が求められている。すなわち、トナー画像が定着装置を通過する間、転写紙上のトナーが溶融しきれずに画像表面のトナーのみが溶融して転写紙側のトナーが軟化しないことになると、トナー画像は転写紙への接着力が得られなくなる。そして、転写紙上のトナー画像は溶融トナーを介して加熱ローラに付着し、コールドオフセットと呼ばれる画像汚染を引き起こす。また、定着時にトナーの粘度が大幅に低下するほど溶融が進むと、溶融したトナー画像は破断して転写紙と定着ローラの双方に移行し、ホットオフセットと呼ばれる画像汚染を引き起こす。
この様に、プリント作製の高速化や低温定着性能を実現する上で、トナーにはある程度の粘度を有した状態で溶融し、転写紙上に強固に定着することが求められ、トナーの溶融不良に起因する画像汚染の発生を防ぐ耐オフセット性能が要求される。そして、トナー構成要素の1つである結着樹脂の熱に対する物性が、耐オフセット性を左右する重要な因子の1つになっている。また、結着樹脂の熱に対する物性は低温定着を実現する上での重要な因子の1つでもある。
この様に、低温定着性と耐オフセット性を両立するトナーが求められる様になり、トナーを構成する結着樹脂に着目して、この課題を解消するトナーを設計することが検討されてきた。たとえば、結着樹脂の低分子量成分と高分子量成分を調整したり、架橋構造を導入する等の対応がある。具体的には、高分子量領域のないブロードな分子量分布のスチレン−アクリル酸共重合体樹脂と金属化合物を用いて、イオン結合により重合体中のカルボキシル基と金属化合物間に架橋構造を形成した結着樹脂を用いるトナーの技術がある(特許文献1参照)。この技術は架橋構造の形成により実質的に結着樹脂を高分子量化して耐オフセット性を向上させようと考えたものであるが、金属化合物の添加量が多いと触媒作用を示して樹脂がゲル化して定着を阻害させるものであった。
また、ポリエステル樹脂の酸価、水酸基価、分子量分布、及びテトラヒドロフラン不溶分等を規定することにより低温定着対応のトナーを設計しようとする検討も行われた(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この技術は溶融温度も低下することになり耐オフセット性を低下させるものであった。
この様に、トナーを構成する結着樹脂に着目して、低温定着性と耐オフセット性向上の両立を図るトナーの検討が進められてきたが、さらなる検討が必要であった。
特開昭61−110156号公報 特開平9−204071号公報
本発明は、トナーを構成する結着樹脂を改良することにより、低温定着性と耐オフセット性の向上の両立が可能なトナーを提供することを目的とするものである。具体的には、定着時にコールドオフセットやホットオフセットと呼ばれる画像汚れを発生することなく良好に定着が行え、かつ、従来よりも低い定着温度でトナー画像を転写紙上に固着させることが可能なトナーを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題が以下に記載のいずれかの構成により解消されるものであることを見出した。すなわち、
請求項1に記載の発明は、
『少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
前記結着樹脂の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記結着樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であり、
重合性単量体として少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル単量体を水系媒体中に分散させ、前記分散させた重合性単量体を前記水系媒体中で下記一般式(1)で表される重合体の存在下で重合することにより、少なくとも一般式(1)の重合体、スチレン単量体、(メタ)アクリル単量体を反応させて形成した樹脂を含有する樹脂粒子を形成する工程と、
前記樹脂粒子を、予め分散処理させて形成した着色剤粒子と混合させた後、前記樹脂粒子と前記着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を少なくとも経てトナーを作製するものであり、
前記一般式(1)で表される重合体の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記一般式(1)で表される重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
Figure 0005481835
〔式中、Xはアクリロイル基及びメタアクリロイル基の少なくともいずれかを表し、Yはラジカル重合性単量体ユニットを表す。nは25以上1000以下の整数を表す。〕』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記一般式(1)で表される重合体が、リビングラジカル重合で合成された重合体であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。』というものである。
請求項に記載の発明は、
『前記樹脂粒子が、前記一般式(1)で表される重合体を用いて形成した樹脂を0.5質量%以上20質量%以下含有するものであることを特徴とする請求項または請求項に記載のトナーの製造方法。』というものである。
請求項に記載の発明は、
『少なくとも、電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持されたトナーより構成される現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体表面に転写する転写工程と、前記転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有し、
前記トナーの結着樹脂が、少なくとも下記一般式(1)で表される重合体、スチレン単量体、(メタ)アクリル単量体を反応させて形成した樹脂を用いて形成されたものであり、
前記結着樹脂の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記結着樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であり、
前記一般式(1)で表される重合体の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記一般式(1)で表される重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であることを特徴とする画像形成方法。

本発明により、低温定着性と耐オフセット性の向上を両立することが可能なトナーを提供することが可能になった。すなわち、分子鎖末端にアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有するテレケリックポリマーと呼ばれる重合体を用いて形成した樹脂を用いることにより上記課題が解消されることを見出した。具体的には、コールドオフセットやホットオフセットと呼ばれる定着温度に起因する画像汚染の発生をなくして良好な定着が行え、しかも、従来よりも低い定着温度でトナー画像を転写紙上に定着することができる様になった。さらに、コアシェル構造のトナーを形成すると、コア粒子表面にムラなく均一にシェルを形成することができる様になったためと考えられるが、優れた耐熱保管性を有するトナーを提供することも可能になった。
本発明は、少なくとも着色剤と結着樹脂とを含有してなるトナーに関する。
本発明では、一般式(1)で表される重合体を用いて形成される結着樹脂を含有してなるトナーにより低温定着性と耐オフセット性向上の両立が可能になった。
これは、一般式(1)で表される重合体の存在により結着樹脂構成分子鎖間に緩やかな架橋構造が形成されることで、低温定着性と耐オフセット性向上の両立を可能にしていると考えられる。すなわち、一般式(1)で表される重合体のYで表される部位がある程度の可撓性を有しているので、結着樹脂を構成する分子鎖は架橋構造を形成しても各分子鎖はある程度運動可能な状態にあるので低い温度の下で樹脂が溶融できて低温定着性を発現できる。また、トナー画像が高温高湿環境下や常温環境下におかれているときは、前記架橋構造の存在により結着樹脂構成分子鎖の運動が抑制されて分子鎖の自由度が低減されることにより、耐オフセット性向上を可能にしているものと考えられる。とりわけ、一般式(1)で表される重合体が単分散性の強いものになるほど、規則的な構造を持ちながら可撓性を有する架橋構造が形成されるので、低温定着性と耐オフセット性向上の両立をより顕著に発現できる様になるものと考えられる。
また、トナーを構成する結着樹脂が、上記範囲で規定する数平均分子量MnとMw/Mnを有することが、結着樹脂の熱的安定性に寄与するとともに、定着時に結着樹脂の弾性を向上させることも本発明の効果を発現させる要因になっているものと考えられる。すなわち、分子量分布が単分散の樹脂を用いることにより、結着樹脂中には同じ様なレベルの鎖長を有する分子鎖が多く存在する様になり、分子鎖同士の絡み合いのパターンが均一化する様になると考えられる。つまり、従来技術では、結着樹脂構成分子の分子量や分子量分布にばらつきがあったため、分子鎖同士の不規則な絡み合いが起こり易く、いろいろなパターンの絡み合いを解除させるのに多くのエネルギーが必要になり、定着温度も高くなったと考えられる。
また、本発明では、分子鎖同士の不規則な絡み合いが発生しにくくなっている分、従来技術で見られた様な分子鎖間で強い絡み合いが発生した個所での絡み合いによる分子鎖切断が起こりにくく、その結果、分子鎖切断によるラジカルの発生がなくなって樹脂の安定化を促進させていると考えられる。すなわち、分子鎖切断によりラジカルが発生することで結着樹脂が劣化して本来有していた結着樹脂性能が発現にくくなっていたことも考えられる。そして、結着樹脂中にラジカルが発生すると、それだけ分子量分布が拡大したり、ラジカルと帯電付与剤等との間で相互作用が起こって、トナー本来の性能を発現することができなくなったとも考えられる。これは、乳化会合工程を経て作製されるトナーでも、画像形成工程で加わるストレス等により分子鎖の切断が発生することが考えられ、トナー本来の性能を発現しにくくなる状態が起こっていたとも考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、一般式(1)で表される重合体である「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」について説明する。
一般式(1)で表される重合体は、「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」と呼ばれるもので、構造の両末端に(メタ)アクリロイル基、構造中央にはラジカル重合により形成された重合体で構成される。本発明では、構造中央のYで表されるラジカル重合により形成された重合体の部位をラジカル重合性単量体ユニットと呼んでいる。なお、本発明では一般式(1)で表される重合体中でXで表される「アクリロイル基及びメタアクリロイル基の少なくともいずれかの基」のことを「(メタ)アクリロイル基」あるいは「(メタ)アクリロイル」とも記載している。
一般式(1)で表される「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」は、公知の方法で形成されるものであるが、後述するリビングラジカル重合と呼ばれる重合法により形成するものが好ましい。リビングラジカル重合では、先ず、ビニル系モノマーを重合させて重合体を構成する主鎖を形成する。そして、重合終点で炭素−炭素二重結合を有する重合体を2つ以上添加して末端が形成されるもので、鎖延長された重合体あるいは星形重合体の形態を有するものである。すなわち、リビングラジカル重合を用いて形成された重合体は、Mw/Mnが1.0〜1.2という単分散の分子鎖を形成し易く、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂を作製し易いことから好ましいものである。
重合体の両末端以外の部位は、ラジカル重合が可能なビニル系モノマーを用いて形成されるものが好ましく、ビニル系モノマーを用いて形成されるものは、特に、ラジカル重合性単量体ユニットともいうことができる。重合体の両末端以外の部位を形成することが可能なビニル系モノマーには、たとえば、以下のものがある。すなわち、(メタ)アクリル酸系モノマー、スチレン系モノマー、フッ素含有ビニルモノマー、ケイ素含有ビニル系モノマー、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、マレイミド系モノマー、ニトリル基含有ビニル系モノマー、アミド基含有ビニル系モノマー、ビニルエステル類、アルケン類、共役ジエン類、アリルアルコール等より選択される少なくとも1種の組成物である。
以下、一般式(1)で表されるnの値が25以上1000以下となる「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」重合体の構造式を示すが、本発明に係るトナーに使用可能な一般式(1)で表される重合体は以下のものに限定されるものではない。なお、一般式(1)で表される重合体中のYの部位に付いているnは25以上1000以下のものであるが、これはメディアン値である。また、下記に示す重合体には、構造式中のYに該当する部位のものを複数種類用いたものもあり、各ラジカル重合性単量体ユニットのモノマー数をn1、n2、n3と示している。すなわち、2種類以上のラジカル重合性単量体ユニットより構成されているものでは、n1、n2あるいはn3の和が25以上1000以下となり、これらn1、n2、n3の値もメディアン値である。
Figure 0005481835
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Figure 0005481835
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次に、一般式(1)で表される重合体の形成方法として好ましいものの1つであるリビングラジカル重合について説明する。リビングラジカル重合は重合末端の活性が失われることなく維持されるラジカル重合のことである。リビングラジカル重合は、狭義の意味では末端が常に活性を持ち続けた状態で行われる重合のことであるが、一般に、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態におかれて重合を継続する擬リビングラジカル重合と呼ばれるものも含まれる。本発明でいうリビングラジカル重合の定義も後者のものである。
リビングラジカル重合には、たとえば、以下の様なものがある。
(1)コバルトポルフィリン錯体やニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの(たとえば、J.Am.Chem.Soc.1994,116,7943、Macromolecules,1994,27,7228参照)
(2)有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization)等。
原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属が中心金属の金属錯体を触媒として重合を行うものである。原子移動ラジカル重合についての詳細な説明は、たとえば、次の文献を参照することができる。
(1)Matyjaszewski等の文献
・J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
・Macromolecules 1995,28,7901
・Science 1996,272,866
(2)Sawamoto等の文献
・Macromolecules 1995,28,1721、
・WO96/30421及びWO97/18247、特開2005−240048号公報等。
これらの文献によると、リビングラジカル重合は一般に重合速度が非常に高く、ラジカル同士のカップリング等の停止反応が起こり易いラジカル重合でありながら、重合が連鎖的に進行して分子量分布の狭い重合体が得られる。また、分子量はモノマーと開始剤の反応比により自由にコントロールすることができる。
本発明では、上記一般式(1)で表される重合体を用いて形成される樹脂を結着樹脂として用いる他に定着助剤として用いることが好ましい。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂について説明する。
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂は、数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下となるものが好ましいものである。本発明では、トナーを構成する結着樹脂が数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwについて上記関係を満たすときに、低温定着性と耐オフセット性向上の両立という本発明の課題をより確実に実現することを見出した。すなわち、結着樹脂が上記関係を有することにより、定着時に溶融粘度が低く抑えられて高い流動性を発現することができる様になったためとみられる。この様な作用が得られる様になった理由は、前述した様に、分子量分布が単分散のものになることで、結着樹脂中で分子鎖の絡み合いが起こりにくくなり分子鎖の切断等が発生しにくくなり、その結果、結着樹脂内にラジカルが発生せず安定化したためと考えられる。特に、混練・粉砕工程を経て作製される粉砕トナーは、製造工程で分子鎖にストレスが加わる機会が多いので、本発明により、製造工程中でストレスを加えられても結着樹脂を構成する分子鎖が切断せず樹脂の安定状態が維持されるものと考えられる。
なお、トナーを構成する結着樹脂の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwは公知の分子量測定方法により算出することができる。以下に、分子量測定方法の代表例の1つであるテトラヒドロフラン(THF)をカラム溶媒として用いるゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)による分子量測定手順を説明する。
具体的には、測定試料を1mgに対してTHF(脱気処理したものを使用)を1ml添加し、室温下にてマグネチックスターラを用いて撹拌処理して充分に溶解させる。次に、ポアサイズ0.45μm〜0.50μmのメンブランフィルタで処理した後、GPC装置に注入する。
GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組み合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組み合せ等がある。
検出器としては、屈折率検出器(RI検出器)、あるいはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
本発明では、下記の測定条件にて分子量測定を行った。
(測定条件)
装置:HLC−8020(東ソー社製)
カラム:GMHXLx2、G2000HXLx1
検出器:RI及びUVの少なくともいずれか一方
溶出液流速:1.0ml/分
試料濃度:0.01g/20ml
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂は、前述した様に、一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂を含有するものである。上記一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂の結着樹脂中への添加量は、結着樹脂に対して0.5質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
以下に、上記一般式(1)で表される「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」重合体を結着樹脂中に導入する方法について説明する。
一般式(1)で表される重合体を重合性単量体に混合溶解させて界面活性剤水溶液中で重合反応を行う場合、前記重合体を含有した重合性単量体は水相中の界面活性剤ミセルに分子拡散しにくく、他の単量体と共重合が行いにくい状況におかれることが多い。
前記重合体を含有した重合性単量体をスムーズに重合させるためには、たとえば、以下に挙げるミニエマルジョン重合、シード重合、2段階膨潤により結着樹脂中に一般式(1)で表される重合体を含有する結着樹脂を作製することができる。このことについて具体的に説明する。
(1)ミニエマルジョン重合による導入方法
先ず、一般式(1)で表される重合体を重合性単量体に混合、溶解させた後、前記重合体を溶解させた重合性単量体を界面活性剤溶液中に添加し、高速撹拌や超音波照射等の物理手段により重合性単量体を乳化微分散処理する。その後、所定温度下でラジカル重合開始剤を添加して重合反応を行う。この手順により一般式(1)で表される重合体を含有する結着樹脂粒子を作製することができる。
この方法では、一般式(1)で表される重合体を溶解させた重合性単量体溶液中にワックス等を溶解させ、ワックス等も含有した重合性単量体溶液を乳化微分散処理して重合反応を行うこともできる。また、分子量や分子量分布、ガラス転移温度や軟化点を調整するためにミニエマルジョン重合により作製した結着樹脂粒子をコア粒子とし、ラジカル重合性単量体を滴下してシード重合を行うことによりコアシェル構造の結着樹脂粒子を形成することもできる。
(2)シード重合による導入方法
一般式(1)で表される重合体を必要に応じて加熱して界面活性剤溶液中に添加し、これを高速撹拌や超音波照射等の物理手段により乳化微分散処理する。作製した粒子をコア粒子として、これに重合性単量体を滴下した後、ラジカル重合開始剤を添加することにより、一般式(1)で表される重合体の粒子表面でシード重合を行う。この様にして、一般式(1)で表される重合体の周りに樹脂が形成され、前記重合体を含有した結着樹脂粒子が得られる。また、一般式(1)で表される重合体をワックスとともに溶解させたものを乳化微分散処理し、これをコア粒子にして前述したシード重合を行って前記重合体を含有する結着樹脂粒子を形成することも可能である。
(3)2段階膨潤法による導入方法
重合性単量体を乳化重合して作製した樹脂微粒子に、膨潤助剤、重合性単量体、一般式(1)で表される重合体を混合、溶解させて前記樹脂微粒子に吸収操作を行う。その後で重合を行うことにより一般式(1)で表される重合体を結着樹脂粒子中に導入するものである。
これらの方法により、結着樹脂中に一般式(1)で表される重合体を導入することができる。そして、上記方法の中でもミニエマルジョン重合による導入方法が特に好ましいものである。
次に、本発明に係るトナーの製造方法について説明する。本発明に係るトナーは、前述した一般式(1)で表される重合体を用いて形成された結着樹脂と着色剤を少なくとも含有してなり、特に、乳化会合法と呼ばれる製造方法により作製されるものである。ここで、本発明に係るトナーの作製方法である「乳化会合法」とは、乳化重合により樹脂粒子を作製し、前記樹脂粒子を凝集、融着させる工程を経てトナー粒子を作製するものである。
乳化会合法に代表される重合法によるトナー製造方法は、作製されたトナー(いわゆる重合トナーと呼ばれる)が、均一な粒度分布や形状分布、シャープな帯電分布等の特性が得られ易いことから好ましい。特に、本発明に係るトナーは、前述した構成により、従来よりも低い温度でトナー画像の定着が行えるとともに、定着後のトナー画像は熱に対して安定性を示し耐オフセット性が優れたトナー画像を作製することができるものである。低温定着性と耐オフセット性の2つの性能を両立するトナーを設計する場合、コアシェル構造による機能分離構造型のトナーが好ましいものであるが、重合法によるトナー製造方法はこの様な機能分離型のトナーを作製する上でも好ましいものである。
重合法によるトナー製造方法では、懸濁重合や乳化重合等の重合反応により樹脂粒子を形成する工程を経てトナー粒子を作製するものである。本発明では、前述した一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂を含有するトナーを作製するものであるが、たとえば、乳化重合で樹脂粒子を作製する際、一般式(1)で表される重合体を前述した方法で添加することにより、一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂を含有してなる樹脂粒子を作製することができる。
以下に、本発明に係るトナーの作製方法である乳化会合法によるトナー作製方法について説明する。乳化会合法によるトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子等の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
(8)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
この工程では、樹脂粒子を形成する重合性単量体として、少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル単量体を水系媒体中に投入して分散させておき、一般式(1)で表される重合体の存在下で重合を行って、100nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。本発明では、この工程で一般式(1)で表される重合体を用いて形成した樹脂を含有させてなる樹脂粒子が作製される。一般式(1)で表される重合体を用いて形成した樹脂を含有する樹脂粒子の具体的な作製方法としては、前述したミニエマルジョン重合、シード重合、2段階膨潤法が挙げられる。
ここで、「水系媒体」という言葉が用いられているが、本発明でいう「水系媒体」とは、水50〜100質量%と水溶性有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体のことをいう。水溶性の有機溶剤には、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等の公知のものがある。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
前述した手順により、水系媒体中に着色剤を分散させて、着色剤粒子分散液を作製する工程である。特に、本発明では、数平均1次粒径が30nm〜200nmの着色剤を用いて着色剤粒子分散液を作製するものである。そして、当該着色剤粒子分散液を用いてトナーを作製することにより、トナー粒子中における着色剤の数平均粒径が数平均1次粒径の1.1倍〜2.5倍になるものである。
(3)樹脂粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて粒子を形成し、凝集により形成した粒子を融着させてトナーの母体粒子、すなわち、外添処理をする前のトナーの母体となる粒子(以下、着色粒子ともいう)を作製する工程である。つまり、この工程は、本発明でいう「樹脂粒子を凝集させる工程」に該当するものである。
この工程では、樹脂粒子や着色剤粒子等が存在する水系媒体中に、塩化マグネシウム等に代表されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の凝集剤を添加することによりこれら粒子を凝集させる。次いで、水系媒体中を前記樹脂粒子のガラス転移温度以上で、かつ、前記混合物の融解ピーク温度以上に加熱することにより凝集を進行させると同時に凝集させた樹脂粒子同士を融着させている。さらに、凝集を進行させて粒子が目標の粒径になった時に、食塩等の塩を添加して凝集を停止させ、着色粒子を形成するものである。
この工程では、前述の樹脂粒子分散液の作製工程で作製される前述の一般式(1)で表される重合体を含有する樹脂粒子を用いることにより、本発明に係るトナーの母体粒子となる着色粒子を作製することができる。また、前述の着色剤粒子分散液の作製と同様の手順で水酸基を有する脂肪酸エステルワックスと脂肪族アルコールの混合物粒子分散液を作製し、前記混合物粒子を樹脂粒子、着色剤粒子とともに凝集、融着させて着色粒子を作製することもできる。
また、コアシェル構造のトナーを作製する場合、最初にコア用の樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させてコア粒子を形成した後、引き続き、シェル用樹脂粒子を投入してコア粒子表面に凝集、融着させる。この様に、凝集・融着を2段階で行うことによりコアシェル構造の着色粒子を作製することもできる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより着色粒子の形状を所望の平均円形度になるまで熟成するいわゆる形状制御工程とも呼ばれる工程である。熟成工程では、前述の凝集・融着工程で形成された着色粒子を構成する結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより、着色粒子の形状制御が行える。
(5)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/分の冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離する工程と、固液分離されたウェット状態の着色粒子表面より界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
生産工程では、固液分離された着色粒子は、通常、トナーケーキと呼ばれるケーキ状の集合物の形態をとり、洗浄処理はトナーケーキを解砕して行う。また、洗浄処理は、ろ液の電気伝導度がたとえば10μS/cm程度になるまで水で洗浄する。固液分離方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用する減圧ろ過法、フィルタプレス等を使用するろ過法等があり、本発明では特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された着色粒子を乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用することが好ましい。
また、乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥処理した着色粒子に後述する様な外添剤や滑剤を添加することにより画像形成に使用可能なトナー粒子を作製する工程である。なお、前記乾燥工程を経た着色粒子をそのままトナー粒子として使用するケースもあるが、外添剤を添加することによりトナーの帯電性や流動性、クリーニング性を向上させることができる。これら外添剤には、後述する様な無機微粒子や有機微粒子、脂肪族金属塩を使用することができ、その添加量はトナー全体に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤は種々のものを組み合わせて添加することができる。なお、外添剤を添加する際に使用する混合装置としては、たとえば、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、コーヒーミル等の公知の機械式の混合装置がある。
以上の工程を経て、前述した一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂を含有するトナーを作製することができる。なお、本発明に係るトナーを上記乳化会合法で作製する場合に使用可能な重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤については後述する。
本発明では、乳化会合法により低温定着性と耐オフセット性の向上を両立することが可能なトナーを作製するものであり、トナーを構成する結着樹脂のガラス転移温度は60℃〜70℃であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度は、たとえば、「DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマ社製)」や「TAC7/DX熱分析コントローラ(パーキンエルマ社製)」を用いて測定することができる。測定手順としては、先ず、結着樹脂4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、これをアルミニウム製パン(KIT No.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件は、測定温度−30℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移温度は、第1吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度として示す。
次に、本発明に係るトナーを構成する結着樹脂やワックス等について、具体例を挙げて説明する。
本発明に係るトナーは、結着樹脂が前記一般式(1)で表される「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」を用いて形成された樹脂を含有するものであるが、樹脂を形成する際に、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル単量体を用いて重合を行って形成する。また、本発明に係るトナーは、前述した樹脂にビニル系重合体等の公知の重合体樹脂を併用した結着樹脂を用いることができる。本発明に係るトナーを構成する結着樹脂に一般式(1)で表される「両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー」を用いて形成した樹脂と併用可能な重合体としては、たとえば、ビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製される重合体がある。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。なお、本発明で一般式(1)で表される重合体を用いて樹脂を形成する際に使用するスチレン単量体は、以下に示すスチレンあるいはスチレン誘導体を含むことができる。また、(メタ)アクリル単量体は、アクリル酸単量体やメタクリル酸単量体の他に、以下に示すメタクリル酸エステル誘導体やアクリル酸エステル誘導体を含むことができる。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すカルボキシル基やスルホン酸基、リン酸基の様なイオン性解離基を有するものも使用できる。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等がある。また、スルホン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等があり、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等がある。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
また、本発明に係るトナーに使用可能な着色剤としては公知のものが挙げられる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も使用することができる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等がある。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180、同185等がある。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等がある。
また、染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等がある。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲で、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することも可能である。
次に、本発明に係るトナーに使用可能なワックスについて説明する。本発明に係るトナーに使用可能なワックスには、以下に示す公知のものがある。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
なお、本発明では前述した一般式(1)で表される重合体を用いて形成される樹脂を結着樹脂として用いる他に定着助剤として使用することができる。一般式(1)で表される重合体を用いて形成した樹脂により、一般式(1)で表される重合体がもつ可撓性の作用により、上記ワックスによる離型性能が定着時に促進されて低温での定着性能を向上させるものと考えられる。
次に、本発明に使用されるトナーは、その製造工程で外部添加剤(=外添剤)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子や有機微粒子等の粒子を添加してトナー作製することが可能である。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に例示する無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤がある。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましい。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用することができる。
シリカ微粒子の具体例としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等がある。
チタニア微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等がある。
アルミナ微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等がある。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能で、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩がある。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩がある。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機等の公知の混合装置を使用して添加する方法がある。
次に、本発明に係るトナーを乳化会合法で作製する場合に使用される重合開始剤、分散安定剤、界面活性剤等について説明する。
本発明に係るトナーを構成する結着樹脂をビニル系重合性単量体を用いて形成する場合、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤としては、具体的には、以下に示すアゾ系またはジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤がある。すなわち、
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
(2)過酸化物系重合開始剤
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等がある。
また、樹脂粒子の分子量調整のために、公知の連鎖移動剤を用いることもできる。具体的には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー等がある。
本発明では、水系媒体中に分散させた重合性単量体を重合したり、水系媒体中に分散させた樹脂粒子等を凝集、融着してトナーを作製するので、これらトナー材料を水系媒体中に安定して分散させておく分散安定剤を使用することが好ましい。分散安定剤としては、たとえば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等のものがある。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等、一般に界面活性剤として使用されるものも分散安定剤として使用できる。
また、水系媒体中で重合性単量体を用いて重合を行う場合、界面活性剤を使用して前記重合性単量体の油滴を水系媒体中に均一に分散させる必要がある。このとき、使用可能な界面活性剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、以下に示すイオン性界面活性剤が好ましいものとして使用できる。イオン性界面活性剤には、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、脂肪酸塩等があり、スルホン酸塩には、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等がある。
また、硫酸エステル塩には、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等があり、脂肪酸塩には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等がある。
また、ノニオン性界面活性剤を使用することも可能で、具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等がある。
次に、本発明に係るトナーを用いる現像剤について説明する。本発明に係るトナーは、乾式トナーとして用いられ、乾式トナーとして使用される現像剤形態、すなわち、キャリアとトナーより構成される二成分現像剤として、あるいは、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することができる。
本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合、たとえば、後述するタンデム方式の画像形成装置を用いることにより、高速でフルカラープリントを作製することが可能である。二成分現像剤として使用する際に用いられる磁性粒子であるキャリアは、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。
キャリアの体積基準粒径は15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。また、飽和磁化値は20〜80emu/gが好ましい。この様な粒径と飽和磁化値を有するキャリアを用いることにより、画像形成時に現像スリーブ上に柔らかな磁気ブラシが形成され、鮮鋭性に優れたトナー画像を形成することができる。なお、上記体積平均粒径と飽和磁化値は公知の測定装置により測定が可能である。具体的には、体積基準粒径は湿式分散器を備えたレーザー回折式粒度分析装置「HELOS(シンパテック(株)製)」により、飽和磁化は「直流磁化特性自動記録装置3257−35(横河電気株式会社製)」により測定が可能である。
二成分現像剤は、トナーとキャリアを公知の方法で混合することにより得られる。トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%が好ましい。また、混合装置は特に限定されるものではなく、たとえば、ナウターミキサ、Wコーン及びV型混合機等を用いることができる。
また、キャリアを使用せずに画像形成を行う非磁性一成分現像剤として使用する場合、画像形成時にトナーは帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。したがって、前述したトナーを非磁性一成分現像剤として使用することにより、コンパクトなカラープリンタによるフルカラープリント作成が行え、スペース的に制限がある作業環境で色再現性に優れたフルカラープリント作成を可能にする。
次に、本発明に係るトナーを用いることが可能な画像形成方法について説明する。本発明に係る画像形成方法は、「一般式(1)で表される重合体を用いて形成された樹脂を含有するトナー」を用いるもので、少なくとも下記工程を経ることにより転写紙上にトナー画像を形成してプリント作製を行うものである。
(1)電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程
(2)電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持させた現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程
(3)トナー画像を転写体表面に転写する転写工程
(4)転写体表面に転写させたトナー画像を熱定着する定着工程。
図1は、本発明に係るトナーを用いてプリント作製を行うモノクロタイプの画像形成装置の一例である。図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式の画像形成装置で、画像読取部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送部Dより構成される。
画像読取部Aの上部には、原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられている。自動原稿送り手段では、原稿載置台11上に原稿を載置させ、載置した原稿は搬送ローラ12により1枚ずつ分離、搬送されて、読取位置13aで画像の読取りが行われる。読取りを終えた原稿は搬送ローラ12により原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に原稿を置いて読取りを行う場合、原稿画像は走査光学系を構成する照明ランプと複数のミラーより構成される複数のミラーユニット15、16により読み取られる。
画像読取部Aで読み取られた画像は、投影レンズ17を通して撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像した光学像は、順次電気信号(輝度信号)に変換された後A/D変換され、画像処理部Bで濃度変換やフィルタ処理等の処理が施されて画像データとして一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cは、像担持体であるドラム状の電子写真感光体1を有する。感光体1の外周に感光体1を帯電させる帯電手段2、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段4、転写手段5、クリーニング手段6、光除電手段であるPCL(プレチャージランプ)8が各々動作順に配置されている。また、現像手段4の下流側に感光体1上に形成されるパッチ画像の反射濃度を測定する濃度検出手段222が設けられている。感光体1は図示の時計方向に駆動回転する。
感光体1は帯電手段2により一様帯電がなされた後、像露光手段3により画像処理部Bのメモリからの画像信号に基づいて像露光される。像露光手段3が感光体1に対してAoの位置で像露光を行うことにより感光体1表面に静電潜像が形成される。
次に、感光体1上に形成された静電潜像は現像手段4により現像され、感光体1表面にトナー像が形成される。
転写紙搬送部Dは、異なるサイズの転写紙Pを収納する給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)を有し、また、手差給紙を行うための手差給紙ユニット42を側方に有し、これら給紙ユニットより適切な転写紙Pが選択される。転写紙Pは案内ローラ43により搬送路40に沿って搬送され、レジストローラ44により傾きと偏りが修正される。レジストローラ44により修正された転写紙Pは、再び搬送路40に沿って搬送され、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内される。感光体1上のトナー画像は、転写位置Boで転写極24と分離極25により転写紙Pに転写され、転写紙Pは感光体21面より分離し、転写手段5より定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52を有し、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52の間に通過させて、加熱、加圧を行いトナー画像を定着する。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は、転写紙Pの片面に画像形成を行う説明であるが、両面に画像形成を行う場合は排紙切換部材170、転写紙案内部177の作動により、転写紙Pは破線矢印方向に搬送される。さらに、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送されてスイッチバック搬送されて転写紙P後端部が先端部になって両面プリント用給紙ユニット130を搬送する。そして、両面プリント用給紙ユニット130の搬送ガイド131、給紙ローラ132の作動により転写紙Pは搬送路40を再度搬送され、前述した手順により転写紙Pの裏面にもトナー画像を形成することができる。
上記画像形成装置では、感光体、現像手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体構成のものとしてユニット化し、ユニット単位で装置本体に自在に着脱できる構成にすることもできる。また、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写または分離手段、及び、クリーニング手段を感光体と一体化したプロセスカートリッジとし、装置本体に自在に着脱できる単一ユニットにすることもできる。
また、図2は本発明に係るトナーを用いてカラー画像を形成する画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像装置、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、50は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置50とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読取装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。
また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置50により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
この様に感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置50で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
次に、図3も図2と同様、カラー画像形成装置の構成断面図であるが、図2の画像形成装置とは異なる形態のものである。図3の画像形成装置は、有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢印方向で示す反時計方向に所定の周速度で回転駆動する。感光体1は回転しながら、帯電手段2により所定の極性・電位に一様帯電処理され、次いで、不図示の像露光手段3により画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、静電潜像がイエロー(Y)の現像手段4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時、第2〜第4の現像手段であるマゼンタ、シアン、ブラックの各現像手段4M、4C、4Kは作動オフになっており感光体1に作用せず、第1色目のイエロートナー画像は第2〜第4の現像手段からの影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、たとえば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写紙Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写紙Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写紙Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写紙Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態は以下のものに限定されるものではない。なお、下記文中「部」は「質量部」を表すものである。
1.一般式(1)で表される「重合体1〜9」の作製
下記表1に示す一般式(1)で表される「重合体(両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー)1〜9」を公知の方法により作製した。作製した一般式(1)で表される「重合体1〜9」の構造、構造中のn、数平均分子量、ガラス転移温度を表1に示す。
Figure 0005481835
2.「トナー1〜19」の作製
2−1.「コア用樹脂粒子1〜19」の作製
以下に示す様に、「コア用樹脂粒子1〜19」を作製した。以下、作製したコア用樹脂粒子の粒径を「平均粒径」と呼ぶが、これは一般に「体積基準メディアン径」と呼ばれるものと同じものである。「平均粒径」は、「MICROTRAC UPA−150(HONEYWELL社製)」により下記条件下で測定したものである。
サンプル屈折率 1.59
サンプル比重 1.05 (球状粒子換算)
溶媒屈折率 1.33
溶媒粘度 0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整 測定セルにイオン交換水を投入し調製した。
また、後述する「着色剤粒子C」の作製の項に記載した「平均粒径」も上記測定装置を用い上記測定条件の下で測定した体積基準メディアン径である。
(1)「コア用樹脂粒子分散液1」の作製
下記手順により下記化合物より構成されるモノマー乳化液を調製した。
スチレン 201質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
メタクリル酸 18質量部
重合体2 17質量部
ベヘン酸ベヘニル 172質量部
上記化合物を混合する際、重合体2及びベヘン酸ベヘニルを公知の方法で重合性単量体であるスチレン、n−ブチルアクリレート、メタクリル酸に溶解させている。上記化合物を混合液に調製した。
次に、調製した混合液を、アニオン界面活性剤「エマールE27C(花王(株)製)」11質量部を純水1107質量部に溶解させて温度を80℃に維持させた液中に添加した。その後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で高速撹拌を行ってモノマー乳化液を調製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を装着した反応容器に、
純水 1005質量部
樹脂粒子分散液
(平均粒径130nm、Mw=15,000、固形分30%、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/イタコン酸=78.5/16.5/5(質量比))
237質量部
を投入し、内部の温度を70℃に昇温させて、窒素気流下で撹拌を行っている状態で、上記モノマー乳化液を添加した。
反応容器内の温度を70℃に維持しながら撹拌を行い、過硫酸カリウム(KPS)10質量部を純水190質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、さらに5分間にわたりn−オクチルメルカプタン5質量部を滴下後、同温度で40分間重合処理を行った。
次に、上記反応容器内に過硫酸カリウム(KPS)10質量部を純水190質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、
スチレン 366質量部
n−ブチルアクリレート 179質量部
n−オクチルメルカプタン 9質量部
の混合液を1時間にわたり滴下し、さらに1時間重合を行い、室温まで冷却して「コア用樹脂粒子1」を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体2」を用いて形成した「コア用樹脂粒子1」は、平均粒径が210nm、数平均分子量18,000であった。
(2)「コア用樹脂粒子2」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、モノマー乳化液を調製する際に使用するn−ブチルアクリレートの添加量を84質量部、「重合体2」の添加量を34質量部に変更した。また、重合開始剤溶液を過硫酸カリウム11.5質量部を純水220質量部に溶解させたものに変更した。その他は同様の手順で「コア用樹脂粒子2」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体2」を用いて形成した「コア用樹脂粒子2」は、平均粒径が220nm、数平均分子量が19,500であった。
(3)「コア用樹脂粒子3」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体6」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子3」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体6」を用いて形成した「コア用樹脂粒子3」は、平均粒径が200nm、数平均分子量が22,400であった。
(4)「コア用樹脂粒子4」の作製
前記「コア用樹脂粒子3」の作製において、モノマー乳化液を調製する際に使用するn−ブチルアクリレートの添加量を110質量部、「重合体6」の添加量を8質量部に変更した他は同様の手順で「コア用樹脂粒子4」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体6」を用いて形成した「コア用樹脂粒子4」は、平均粒径が205nm、数平均分子量が23,200であった。
(5)「コア用樹脂粒子5」の作製
前記「コア用樹脂粒子4」の作製において、モノマー乳化液を調製する際に使用するn−ブチルアクリレートの添加量を115質量部、「重合体6」の添加量を2質量部に変更した他は同様の手順で「コア用樹脂粒子5」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体6」を用いて形成した「コア用樹脂粒子5」は、平均粒径が215nm、数平均分子量が23,900であった。
(6)「コア用樹脂粒子6」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体7」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子6」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体7」を用いて形成した「コア用樹脂粒子6」は、平均粒径が230nm、数平均分子量が28,500であった。
(7)「コア用樹脂粒子7」の作製
前記「コア用樹脂粒子分散液1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体8」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子7」の分散液を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体8」を用いて形成した「コア用樹脂粒子7」は、平均粒径が240nm、数平均分子量が25,300であった。
(8)「コア用樹脂粒子8」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を装着した反応容器に、アニオン界面活性剤「エマールE27C(花王(株)製)」11質量部を純水950質量部に溶解させて温度を80℃に昇温して、
重合体2 100質量部
を投入し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エムテクニック社製)」で高速撹拌を行うことにより平均粒径110nmの重合体2の粒子分散液を調製した。
次に、上記反応容器内部の温度を80℃に維持して、窒素気流下で撹拌を行っている状態で、下記モノマー乳化液を添加した。
スチレン 201質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
メタクリル酸 18質量部
ベヘン酸ベヘニル 172質量部
反応容器内の温度を80℃に維持しながら撹拌を行い、過硫酸カリウム(KPS)10質量部を純水190質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、さらに5分間にわたりn−オクチルメルカプタン5質量部を滴下後、同温度で40分間重合処理を行った。
次に、上記反応容器内に過硫酸カリウム(KPS)10質量部を純水190質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、
スチレン 350質量部
n−ブチルアクリレート 165質量部
n−オクチルメルカプタン 9質量部
の混合液を1時間にわたり滴下し、さらに1時間重合を行い、室温まで冷却して「コア用樹脂粒子8」を作製した。両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマーである「重合体2」粒子存在下に上記重合性単量体混合液を滴下してシード重合を行って形成した「コア用樹脂粒子8」は、平均粒径が220nm、数平均分子量19,000であった。
(9)「コア用樹脂粒子9」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、モノマー乳化液を調製する際、「重合体2」を添加せず、「n−ブチルアクリレート」の添加量を117質量部に変更した他は同様の手順で「コア用樹脂粒子9」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子9」は、平均粒径が210nm、数平均分子量17,000であった。
(10)「コア用樹脂粒子10」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「1,4−ブタンジオールジアクリレート」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子10」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子10」は、平均粒径が230nm、数平均分子量が18,200であった。
(11)「コア用樹脂粒子11」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体4」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子11」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子11」は、平均粒径が245nm、数平均分子量が18,000であった。
(12)「コア用樹脂粒子12」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、使用した重合開始剤溶液を過硫酸カリウム2.5質量部を純水190質量部に溶解させたものに変更するとともに、モノマー乳化液添加後の重合処理時間を60分、後半の重合処理時間を90分に延長した。他は同様の手順で「コア用樹脂粒子12」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子12」は、平均粒径が225nm、数平均分子量が50,000であった。
(13)「コア用樹脂粒子13」の作製
前記「コア用樹脂粒子12」の作製において、モノマー乳化液添加後の重合処理時間を80分、後半の重合処理時間を120分に延長した他は同様の手順で「コア用樹脂粒子13」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子13」は、平均粒径が220nm、数平均分子量が65,000であった。
(14)「コア用樹脂粒子14」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、使用した重合開始剤溶液を過硫酸カリウム20質量部を純水190質量部に溶解させたものに変更するとともに、モノマー乳化液添加後の重合処理時間を30分、後半の重合処理時間を45分に短縮した。他は同様の手順で「コア用樹脂粒子14」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子14」は、平均粒径が215nm、数平均分子量が5,000であった。
(15)「コア用樹脂粒子15」の作製
前記「コア用樹脂粒子14」の作製において、モノマー乳化液添加後の重合処理時間を20分、後半の重合処理時間を30分に短縮した他は同様の手順で「コア用樹脂粒子15」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子15」は、平均粒径が215nm、数平均分子量が4,000であった。
(16)「コア用樹脂粒子16」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体1」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子16」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子16」は、平均粒径が210nm、数平均分子量が17,000であった。
(17)「コア用樹脂粒子17」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体3」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子10」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子10」は、平均粒径が235nm、数平均分子量が50,200であった。
(18)「コア用樹脂粒子18」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体9」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子18」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子18」は、平均粒径が245nm、数平均分子量が45,000であった。
(19)「コア用樹脂粒子19」の作製
前記「コア用樹脂粒子1」の作製において、「重合体2」に代えて「重合体5」を用いた他は同様の手順で「コア用樹脂粒子19」の分散液を作製した。作製した「コア用樹脂粒子19」は、平均粒径が245nm、数平均分子量が63,000であった。
2−2.「シェル用樹脂粒子1」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を装着した反応容器に、純水2948質量部、アニオン界面活性剤「エマール2FG(花王(株)製)」2.3質量部を投入、溶解させて温度を80℃にした。反応容器内の温度を80℃に維持しながら窒素気流下で撹拌を行い、過硫酸カリウム(KPS)10質量部を純水218質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加した。前記重合開始剤溶液を添加後、窒素気流下で撹拌を継続している状態で、下記化合物より構成されるモノマー混合液を反応容器中に3時間かけて滴下した。
スチレン 520質量部
n−ブチルアクリレート 184質量部
メタクリル酸 96質量部
n−オクチルメルカプタン 22質量部
上記モノマー混合液を滴下後、80℃の温度下で1時間重合反応を行って室温まで冷却することにより「シェル用樹脂粒子」を作製した。形成された「シェル用樹脂粒子」は、平均粒径82nm、重量平均分子量が13,200であった。
2−3.「着色剤粒子分散液C」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、C.I.ピグメントブルー15:3を25質量部徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて分散処理を行って、「着色剤粒子分散液C」を調製した。得られた「着色剤粒子分散液C」中の「着色剤粒子C」は、平均粒径が98nmであった。
2−4.「着色粒子1〜19」の作製
下記手順により、コアシェル構造を有する「トナー1〜19」の母体粒子となる「着色粒子1〜19」を作製した。
(1)「着色粒子1」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア用樹脂粒子1 1420質量部(固形分換算)
純水 820質量部
着色剤粒子C 150質量部(固形分換算)
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物20質量部を純水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて滴下した。滴下完了後に撹拌を行いながら昇温を開始し、系の温度が75℃になるまで昇温させて上記粒子の凝集、融着を行った。この状態で「マルチサイザ3(ベックマンコールター社製)」により会合粒子の粒径を測定し、会合粒子の体積基準メディアン径が6.5μmになった時、「シェル用樹脂粒子1」を210質量部(固形分換算)添加して、凝集、融着を継続させた。
凝集、融着を行いながら、反応系より溶液を少量取り出し、これを遠心分離装置で遠心分離処理して上澄みが透明になったことが確認されたとき、塩化ナトリウム40質量部を純水500質量部に溶解させた水溶液を添加し、引き続き加熱撹拌を行った。加熱撹拌を行いながら「FPIA2100(シスメックス社製)」を用いて粒子の平均円形度を測定し、平均円形度が0.965になったところで室温になるまで冷却した。この様にして作製した粒子を純水で洗浄、ろ過を繰り返し洗浄した後、35℃の温風で乾燥処理を行って、コア・シェル構造の「着色粒子1」を作製した。
(2)「着色粒子2〜19」の作製
前記「着色粒子1」の作製において、「コア用樹脂粒子1」に代えて後述する表2に示す様に「コア用樹脂粒子2〜19」を用いた他は同様の手順を経て「着色粒子2〜19」を作製した。
2−5.外添剤処理工程
上記手順により作製した「着色粒子1〜19」に下記外添剤を添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)にて外添剤処理を行うことにより「トナー1〜19」を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均1次粒径12nm)
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均1次粒径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添剤処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行ったものである。
以上の手順により作製した「トナー1〜19」を作製する際に使用したコア用樹脂粒子、「重合体(両末端(メタ)アクリロイルテレケリックポリマー)」、各トナーの重量平均分子量とMw/Mn値を表2に示す。なお、表2に示す様に、作製した各トナーを構成する結着樹脂の数平均分子量は、使用したコア用樹脂粒子の数平均分子量と一致した値になった。
Figure 0005481835
4.評価実験
(1)「現像剤1〜19」の作製
フェライト粒子にスチレン−アクリル樹脂で被覆してなる平均粒径35μmのキャリアと、前記「トナー1〜19」をそれぞれ混合処理して、トナー濃度が8%の「現像剤1〜19」を作製した。
(2)評価実験
前記「現像剤1〜19」及び「比較用現像剤1〜4」を、市販のデジタル複写機「bizhub PRO C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」の定着装置を改造した評価機に搭載して、定着オフセット性能と定着性能を評価した。ここで、「現像剤1〜8、12、14〜16、18」を用いたものを「実施例1〜13」、「現像剤9〜11、13、17、19」を用いたものを「比較例1〜6」として、定着オフセット性能、定着性能及びトナーの耐熱保管性について評価した。なお、定着装置は、定着用ヒートローラの表面温度を105℃〜210℃の範囲で変化させることができる様に改造したものである。
〈定着オフセット性能の評価〉
105℃〜210℃の範囲で5℃刻みで温度変化させ、各温度下でベタ帯状画像を有するA4画像を縦送りで搬送定着させて定着オフセットによる画像汚れの発生を評価した。試料は、搬送方向に対し垂直に5mm幅のベタ帯画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像で、これを縦送りで搬送、定着させて、低温側及び高温側で画像汚れが発生した定着温度を評価した。高温側は200℃以上で画像汚れが発生せず、かつ、低温側は150℃以下で画像汚れが発生しなかったものを合格とした。
〈定着性能の評価〉
前記「定着オフセット性能の評価」と同様に105℃〜210℃の範囲で5℃刻みで定着ヒートローラの温度を変化させて定着画像の評価を行った。評価は転写紙上へのトナー付着量が11mg/cmとなる条件で現像を行いトナー画像が形成された転写紙を温度10℃、湿度10%RHの環境下で定着処理を行った。
定着処理を行った転写紙を折り機を用いて画像部を折り曲げ、折り曲げた部位に0.35MPaの空気を吹きつけた後、折り曲げた部位の画像の状況を下記評価基準に基づいて評価した。評価は下記に示す5段階のランクで、ランク3となる定着温度を下限定着温度とした。下限定着温度が150℃以下のものを合格とした。
(評価基準)
ランク5:折れ目が全くなし
ランク4:一部折れ目にしたがって若干の剥離がみられる
ランク3:折れ目にしたがって細い線状剥離がみられるが実用上問題なし
ランク2:折れ目にしたがって太い剥離が認められ実用上問題あり
ランク1:画像上に大きな剥離が発生している。
〈トナーの耐熱保管性評価〉
また、トナーの耐熱保管性を以下の手順で評価した。先ず、前記各トナー0.5gをそれぞれ内径21mmの10mlガラス瓶に取り、蓋を閉めてタップデンサー「KYT−2000(セイシン企業社製)」で600回振とうした後、蓋を取り、温度57℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、前記トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に解砕しない様に載せ、「パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)」にセットし、押さえバー、ノブナットで固定した。
前記「パウダーテスター」を送り幅1mmの振動強度に調節して10秒間振動を加えた。その後、篩上に残存するトナー量を測定し、残存トナーの比率を算出することによりトナー凝集率(質量%)を求めて、これを耐熱保管性の評価とした。
トナー凝集率は、下記式により算出されるもので、
トナー凝集率(質量%)=〔(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)〕×100
耐熱保管性の評価は以下の基準に基づいて行った。すなわち、
◎:トナー行収率が15質量%未満(耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量%以上20質量%以下(耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20質量%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く使用不可)
上記基準のうち、◎と○を合格とした。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0005481835
表3に示す様に、本発明の構成を満たすトナーを用いた評価である「実施例1〜13」は、いずれも良好な定着性能が得られ、かつ、広い温度範囲でオフセットの発生しないことより、耐オフセット性と低温定着性が両立できることが確認された。また、トナーの耐熱保管性も良好な結果が得られ、本発明の構成によりコア表面にシェルが均一に形成されて良好な耐熱保管性が得られたものと推測される。一方、本発明の構成を有さないトナーを用いた評価である「比較例1〜6」は、耐オフセット性と低温定着性を両立できない結果になった。さらに、比較例では、所定の耐熱保管性が得られないものもあった。
モノクロタイプの画像形成装置の一例である。 タンデム型のカラー画像形成装置の一例である。 カラー画像形成装置の他の一例である。
符号の説明
1(1Y、1M、1C、1K) 感光体
2(2Y、2M、2C、2K) 帯電手段
3(3Y、3M、3C、3K) 像露光手段
4(4Y、4M、4C、4K) 現像手段
5 転写手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写ロール
6(6Y、6M、6C、6K) クリーニング手段
7 中間転写体ユニット
70 中間転写ベルト
10(10Y、10M、10C、10K) 画像形成部
50 定着手段(熱ロール式定着装置)
A 画像読取部
B 画像処理部
C 画像形成部
D 転写紙転送部
P 転写紙(記録部材)

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなるトナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記結着樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であり、
    重合性単量体として少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル単量体を水系媒体中に分散させ、前記分散させた重合性単量体を前記水系媒体中で下記一般式(1)で表される重合体の存在下で重合することにより、少なくとも一般式(1)の重合体、スチレン単量体、(メタ)アクリル単量体を反応させて形成した樹脂を含有する樹脂粒子を形成する工程と、
    前記樹脂粒子を、予め分散処理させて形成した着色剤粒子と混合させた後、前記樹脂粒子と前記着色剤粒子とを凝集、融着させる工程と、を少なくとも経てトナーを作製するものであり、
    前記一般式(1)で表される重合体の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記一般式(1)で表される重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
    一般式(1):X−(−Y−)n−X
    〔式中、Xはアクリロイル基及びメタアクリロイル基の少なくともいずれかを表し、Yはラジカル重合性単量体ユニットを表す。nは25以上1000以下の整数を表す。〕
  2. 前記一般式(1)で表される重合体が、リビングラジカル重合で合成された重合体であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記樹脂粒子が、前記一般式(1)で表される重合体を用いて形成した樹脂を0.5質量%以上20質量%以下含有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナーの製造方法。
  4. 少なくとも、電子写真感光体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体に担持されたトナーより構成される現像剤で現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写体表面に転写する転写工程と、前記転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を有し、
    前記トナーの結着樹脂が、少なくとも下記一般式(1)で表される重合体、スチレン単量体、(メタ)アクリル単量体を反応させて形成した樹脂を用いて形成されたものであり、
    前記結着樹脂の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記結着樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であり、
    前記一般式(1)で表される重合体の数平均分子量Mnが5,000以上50,000以下であり、かつ、前記一般式(1)で表される重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.0以上1.2以下であることを特徴とする画像形成方法。
    一般式(1):X−(−Y−)n−X
    〔式中、Xはアクリロイル基及びメタアクリロイル基の少なくともいずれかを表し、Yはラジカル重合性単量体ユニットを表す。nは25以上1000以下の整数を表す。〕
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