JP2008268565A - 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性と耐熱保存性とを両立させ、繰り返し使用時の帯電立ち上がりが良好であり、且つ出力される画像濃度の環境依存性の少ない静電荷像現像用トナーの製造方法、及び該製造方法で製造された静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】樹脂粒子を金属塩により凝集しコア粒子を作製させた後、該コア粒子上にシェル用樹脂粒子を金属塩を添加せずに付着してシェルを形成させ、コア・シェル構造トナーとすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、及びその製造方法に関する。
省エネルギー化が進む中で、電子写真技術においては、消費電力低減や高速印刷のために定着装置の低エネルギー化(低温定着化)が近年図られている。しかし、低温定着化に伴いトナーの熱的安定性が低下し、保管時及び輸送時の耐熱保存性の改良が十分ではなかった。
一方、着色剤や離型剤などの成分がトナー表面から露出することにより、安定した帯電性を長期に亘り維持することも不十分であった。これらの課題を解決するためにトナー表面を樹脂で被覆した構造を有する、所謂コア・シェル構造にてトナー性能向上を図る技術は以前より提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、トナーにおいては長期に亘り高画質な画像を提供するために、帯電立ち上がりの安定性、帯電性の環境差を小さくすることや、繰り返し使用時の帯電量の安定性も求められている。
乳化会合型トナーにおいては、重合性単量体よりなる樹脂粒子と必要に応じて着色剤などのトナー構成材料の粒子とを、例えば、金属塩を凝集剤として用いて凝集して融着させることにより会合させる凝集/融着工程を経ることにより得られる会合粒子(着色粒子)よりなるものであり、この凝集/融着工程において必要とされる凝集剤の添加量が大きいことから、特に樹脂粒子がカルボン酸基等の極性基を含む重合性単量体よりなるものである場合には、得られる会合粒子に付着、あるいは内包した凝集剤に由来する金属塩を洗浄処理によって容易に除去することは難しい。
然るに、凝集/融着工程において用いられる凝集剤に由来する金属塩が高い吸湿性を有するものであることから、得られる乳化会合型トナーはそれ自体の吸湿性が大きくなってしまう。その結果、画像形成が高温高湿下で行われる場合には、低温低湿下で行われる場合と比較してその帯電性が低くなる。従って、トナーとして乳化会合型トナーを用いる場合においては、画像濃度の環境依存性、帯電立ち上がり等にトラブルが発生しやすい。
このような乳化会合型トナーにおいて、コア・シェル構造を形成する場合には、凝集剤を使用しないでシェル層を構成する樹脂粒子をコア表面に被覆させることが重要になる。
このような金属塩の影響を考慮し、2価または3価金属元素の含有量、多価金属元素の含有量を規定した技術が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
特開2004−191618号公報 特開2004−271638号公報 特開2002−287410号公報 特開2003−330227号公報
本発明の目的は、低温定着性と耐熱保存性とを両立させ、繰り返し使用時の帯電立ち上がりが良好であり、且つ出力される画像濃度の環境依存性の少ない静電荷像現像用トナーの製造方法、及び該製造方法で製造された静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.樹脂粒子を金属塩により凝集しコア粒子を作製させた後、該コア粒子上にシェル用樹脂粒子を金属塩を添加せずに付着してシェルを形成させ、コア・シェル構造トナーとすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
2.前記コア粒子上へのシェル用樹脂粒子の付着がシェル用樹脂粒子分散液のpH調整により行われることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.前記シェル用樹脂粒子がビニル系重合性単量体の共重合体より構成される樹脂粒子であることを特徴とする前記1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
4.前記コア・シェル構造トナーが多価カルボン酸成分を含む重合性単量体より重合してなるビニル系共重合体樹脂を含むことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法によって製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
6.ガラス転移点が30〜45℃であることを特徴とする前記5に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明により、低温定着性と耐熱保存性とを両立させ、繰り返し使用時の帯電立ち上がりが良好であり、且つ出力される画像濃度の環境依存性の少ない静電荷像現像用トナーの提供、及び該静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、コア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナー(単にトナーとも言う)の製造方法として、樹脂粒子を金属塩により凝集してコア粒子を作製させた後、前記コア粒子上に金属塩を更に添加することなく、樹脂粒子を付着してシェルを形成させ、コア・シェル構造トナーとするものである。
トナー表面に付着した金属塩やトナー中に内包された金属塩は高い吸湿性を有し、この金属塩の存在によりトナー自体の吸湿性が増加し、環境による帯電特性に差が生じてくる。従って、この量を低減させることでトナーの帯電立ち上がりを向上させたり、帯電量の環境差を低減することが可能となる。特に乳化会合型トナーにおいては、金属塩を凝集剤として用いて凝集して溶融させることにより会合させる凝集/融着工程を経ることにより得られるものであり、上記のような金属塩による影響は大きい。
ところが、コア・シェルトナー製法において、この金属塩を全く使用しないで、イオン性界面活性剤、シェル樹脂粒子分散液のpH調整、加熱などにより形成させたコア・シェルトナーにおいても、帯電立ち上がりへの問題は残っていたのである。これは、樹脂粒子への凝集力の不均一に伴って、トナー粒子の粒度分布がブロードになり、その結果として、トナー粒子の帯電量分布がブロードになったためと考えられる。
そこで、本発明者は、トナーの帯電立ち上がりの向上、帯電量の環境差の低減には、トナー表面となるシェルに付着する金属塩量の低減が最も効果的であり、一方コア粒子はトナーとして帯電量分布をシャープに維持するために、金属塩による凝集が必要と考え、本発明に到ったものである。
本発明者は、コア・シェル構造を有する乳化会合型トナーにおいて、樹脂粒子を金属塩により凝集してコア粒子を作製させた後、前記コア粒子上に金属塩を更に添加することなくシェル用樹脂粒子を付着してシェルを形成させ、コア・シェル構造トナーとすることにより、帯電立ち上がりと帯電量の環境差を低減することを可能としたものである。
次に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解あるいは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)コア粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を付着し融着させてコア・シェル構造の着色粒子を形成するシェル化工程
(6)コア・シェル構造の着色粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造の着色粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程また、必要に応じて乾燥工程の後に、(9)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程を有する場合もある。
上記工程については、後で詳述する。
本発明のトナーを製造する場合、まず樹脂粒子と着色剤粒子とを会合融着させてコアとなる粒子(以下、コア粒子という)を作製する。次に、コア粒子分散液中に樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にこの樹脂粒子を凝集、融着させることによりコア粒子表面を被覆してコア・シェル構造を有する着色粒子を作製する。上記は樹脂粒子の製法としてミニエマルション法を用いた例を示したが、本発明においては、樹脂粒子の製法として乳化重合、懸濁重合、溶解懸濁法など各種製法で用いられた樹脂粒子を用いることができる。但し、樹脂粒子の粒径としては、数百nmであることが好ましい。
以下、本発明のトナーの各製造工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解させて、離型剤を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、ワックスを溶解あるいは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、ワックス(離型剤)と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かかる樹脂粒子は着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
(3)凝集・融着工程
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂粒子(着色または非着色の樹脂粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
なお、ここでいう「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、更に必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことをいう。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。なお、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。
着色剤の表面改質法は溶媒中に着色剤を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで前記樹脂粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。
この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上であると樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
(4)第1の熟成工程
そして、本発明では、凝集・融着工程の加熱温度や特に第1の熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、粒径が一定で分布が狭く形成したコア粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、且つ時間を長くしてコア粒子の表面が均一な形状のものに制御する。
(5)シェル化工程
本工程は凝集剤を添加することなく、シェル用樹脂粒子分散液のpHを3〜8に調整することによって、コア粒子表面上に付着、融着させてシェルを形成したコア・シェル構造の着色粒子を形成する工程である。
シェル層形成用樹脂粒子分散液のpHを本来のpHより高くすることで、樹脂粒子中のカルボキシル基を表面に配向させることによって、シェル用樹脂粒子同士が凝集してしまうのを防ぎつつ、サブミクロンであるシェル用樹脂粒子をコア粒子凝集の際に使用した金属塩の影響とその粒径差を利用した物理的付着力とにより、コア粒子表面に付着させるのである。
また、このpHを3〜8に調整した樹脂粒子を用いてシェル層を形成することで、コア・シェル構造を有するトナーの表面は極性基が多く持つことができ、これによってトナーの帯電性能の安定化が図れるのである。
具体的には、上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程で作成した後コア粒子分散液中に、pHを3〜8に調整したシェル用樹脂粒子を添加して、加熱攪拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させて着色粒子を形成させる。加熱攪拌時間は1〜7時間が好ましく、1〜3時間が特に好ましい。
(6)第2の熟成工程
シェル化により着色粒子が所定の粒径になった段階で、塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが100〜300nmのシェルを形成する。このようにして、コア粒子表面に樹脂粒子を固着させてシェルを形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃った着色粒子が形成される。
本発明では、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することで着色粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
(7)冷却工程・固液分離・洗浄工程
この工程は前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この工程は洗浄処理されたケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
なお、乾燥処理された着色粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(9)外添処理工程
この工程は乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
複合樹脂粒子の質量平均粒径(分散粒子径)は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは30〜300nmの範囲とされる。この質量平均粒径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
まず、本発明に用いられる金属塩について説明する。
(金属塩)
金属塩としては1価の金属、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、2価の金属、例えば、ベリリウム、マグネシウム等の典型金属元素、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガン、銅等の2価の金属塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。
これら金属塩の内、1価の金属の金属塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が挙げられる。2価の金属の金属塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。3価の金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは目的に応じて適宜選択され、トナーの作製過程において使用される。また、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等も適宜用いることができる。
金属塩として、これらの内、好ましくは添加量の低減が図れる2価以上の金属塩である。
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分及び分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
本発明に係る凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上である。
(コア・シェルトナー)
本発明におけるコア・シェルトナーとは、シェルが必ずしもコア粒子表面を完全に被覆していなくてもよい。効果を有する程度まで被覆されていればよい。
図1(a)に示すごとくコア粒子表面を面積率で70%以上、好ましくは80%以上を被覆することで、低温での定着性と保管時の耐熱保管性を両立することが可能である。また、図1(b)のようにシェル層の一部がコア部の内部に入り込んでいてもよい。図1(a)、図1(b)であっても、図1(c)のようにコア粒子表面の全面をシェル層で覆ったものと同様な効果を発現する。
また、本発明のトナーはシェルの厚さが10〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。
(Tg)
本発明のトナーのガラス転移点は、耐熱凝集性と低温定着性の30〜45℃とするものが好ましい。
本発明のトナーのガラス転移点は、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。測定手順としては、トナー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、heat−cool−heatの温度制御で行い、その2nd.heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分とからピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
〔本発明で用いられるトナー素材等〕
(1)結着樹脂
コア部を形成する樹脂及びシェル層を形成する樹脂は、スチレンーアクリル系共重合樹脂が好ましい。また、コア部を形成する樹脂を作製する単量体には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。また、シェル層を形成する樹脂を作製するための単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
本発明のトナーを構成する樹脂について、更に詳しく説明する。
本発明のトナーのコアやシェルの構成に各々用いられる樹脂としては、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に係る樹脂は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は、単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に樹脂を構成する重合性単量体として、上述のようにイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましいが、イオン性解離基を有するものとして、多価カルボン酸が特に好ましい。具体的にはイタコン酸、マレイン酸などのジカルボン酸が挙げられ、特にイタコン酸が好ましい。多価カルボン酸の導入により、トナー内部においてカルボキシル基による水素結合が生じ、トナー樹脂弾性が強化されてオフセット分離性が良好になり、低温定着性が向上するのである。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
(2)着色剤
本発明のトナーに使用する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。
磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えば、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の添加方法としては、樹脂粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し、重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することができる。
(3)ワックス(離型剤)
本発明のトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%である。
上記トナーの製造方法で使用可能な重合開始剤、連鎖移動剤及び界面活性剤について説明する。
(4)本発明に使用可能なラジカル重合開始剤
本発明のトナーを構成するコアやシェルを構成する樹脂は、前述の重合性単量体を重合して生成されるが、本発明に使用可能なラジカル重合開始剤には以下のものがある。
具体的には、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げられる。
また、乳化重合法で樹脂粒子を形成する場合は、水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(5)分散安定剤
また、反応系中に重合性単量体等を適度に分散させておくために、分散安定剤を使用することも可能である。分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。更に、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として、一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
本発明に用いられる界面活性剤について説明する。
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。コートキャリアを構成する被覆樹脂としては特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
図2は本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2に示すように、この画像形成装置1はタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kと、ベルト状の中間転写体6と給紙手段と搬送手段とトナーカートリッジ5Y、5M、5C、5K、本発明である定着装置10、及び操作部91等から構成されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット9Yは、像担持体(以下、感光体と称す)1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y、転写手段7Y、クリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M、転写手段7M、クリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C、転写手段7C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K、転写手段7K、クリーニング手段8Kを有する。
中間転写体6は複数のローラ6A、6B、6Cに巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成ユニット9Y、9M、9C、9Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次1次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
給紙手段である給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙ローラ21により一枚ずつ給紙され、レジストローラ22を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上に前記カラー画像が2次転写される。
カラー画像が転写された前記用紙Pは定着装置10により定着処理され、搬送手段である搬送ローラ23、24を経て、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
(コア用樹脂粒子A1分散液の調製)
(1)第1段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン265g、n−ブチルアクリレート110g、メタクリル酸27g、n−オクチルメルカプタン5gからなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)135gを添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液〔1−1〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)3gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔1−1〕を4時間混合・分散させ、分散粒子径600nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を85℃において2時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行って、樹脂粒子分散液〔a1〕を調製した。
(2)第2段重合:外層の形成
上記の樹脂粒子分散液〔a1〕に、重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 480g
n−ブチルアクリレート 165g
n−オクチルメルカプタン 10g
からなる単量体溶液〔1−2〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行った後、28℃まで冷却し、2層構造を有する複合樹脂粒子による樹脂粒子分散液〔A1〕を得た。
この樹脂粒子分散液〔A1〕を構成する複合樹脂粒子のガラス転移点温度(Tg)は35℃であった。
(コア用樹脂粒子A2分散液の調製)
(1)第1段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン275g、n−ブチルアクリレート94g、メタクリル酸26g、n−オクチルメルカプタン5gからなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)103gを添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液〔2−1〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)2.5gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔2−1〕を3時間混合・分散させ、分散粒子径750nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を85℃において2時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行って、樹脂粒子分散液〔a2〕を調製した。
(2)第2段重合:外層の形成
上記の樹脂粒子分散液〔a2〕に、重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 503g
n−ブチルアクリレート 142g
n−オクチルメルカプタン 10g
からなる単量体溶液〔2−2〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行った後、28℃まで冷却し、2層構造を有する複合樹脂粒子による樹脂粒子分散液〔A2〕を得た。
この樹脂粒子分散液〔A2〕を構成する複合樹脂粒子のガラス転移点温度(Tg)は43℃であった。
(コア用樹脂粒子A3分散液の調製)
(1)第1段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン242g、n−ブチルアクリレート125g、メタクリル酸27g、n−オクチルメルカプタン5gからなる単量体組成物に、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)150gを添加し、82℃に加温して溶解させて単量体溶液〔3−1〕を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩)3gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液〔3−1〕を4時間混合・分散させ、分散粒子径600nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を85℃において2時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行って、樹脂粒子分散液〔a3〕を調製した。
(2)第2段重合:外層の形成
上記の樹脂粒子分散液〔a3〕に重合開始剤(KPS)11.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 452g
n−ブチルアクリレート 194g
n−オクチルメルカプタン 10g
からなる単量体溶液〔3−2〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間に亘って加熱・撹拌することによって重合を行った後、28℃まで冷却し、2層構造を有する複合樹脂粒子による樹脂粒子分散液〔A3〕を得た。
この樹脂粒子分散液〔A3〕を構成する複合樹脂粒子のガラス転移点温度(Tg)は28℃であった。
(シェル用樹脂粒子分散液の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5Lの反応容器に下記で示されるアニオン系活性剤(構造式1)2.0gをイオン交換水3000gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。(構造式1) C1021(OCH2CH22SO3Na。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレンを528g、n−ブチルアクリレートを176g、メタクリル酸を120g、n−オクチルメルカプタンを22gからなる単量体混合液を3時間かけて滴下し、この系を80℃にて1時間に亘り加熱、攪拌することによって重合を行い、樹脂粒子を調製した。
樹脂粒子の重量平均分子量は12,000、ガラス転移点温度(Tg)53℃であった。
(多価カルボン酸含有樹脂粒子1分散液の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5Lの反応容器に下記で示されるアニオン系活性剤(構造式1)3.0gをイオン交換水2800gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
一方、
メチルメタクリレート 630g
n−ブチルアクリレート 130g
イタコン酸 40g
n−オクチルメルカプタン 28g
を混合し、78℃に加温してイタコン酸を溶解させ、単量体溶液を作製した。
次いで、5Lの反応容器中に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10gをイオン交換水400gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、上記単量体混合液を2時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間に亘り加熱、攪拌することによって多価カルボン酸含有樹脂粒子1分散液を得た。
この分散液を構成する多価カルボン酸含有樹脂粒子1のガラス点移転温度(Tg)は47℃、分子量は10,000であった。
(多価カルボン酸含有樹脂粒子2分散液の調製)
単量体溶液を構成する単量体の種類及び組成比と分子量調整剤を以下に示すように変更したことの他は、多価カルボン酸含有樹脂粒子島樹脂粒子1分散液の調製と同様にして多価カルボン酸含有樹脂粒子2分散液を得た。
この樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は52℃、分子量を12,000であった。
スチレン 80g
メチルメタクリレート 530g
n−ブチルアクリレート 130g
マレイン酸 56g
n−オクチルメルカプタン 22g
(着色剤粒子分散液1の調製)
ドデシル硫酸ナトリウム60部をイオン交換水1800部に撹拌溶解させた溶液に、撹拌下、C.I.ピグメントブルー15:3を200部を徐々に添加し、次いで撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子分散液1を得た。この着色剤分散液〔1〕中の着色剤の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、質量平均径で210nmであった。
(着色剤粒子分散液2の調製)
ノニオン界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)20部をイオン交換水1800部に撹拌溶解させた溶液に、撹拌下、C.I.ピグメントブルー15:3を200部を徐々に添加し、次いで撹拌装置「ウルトラタラックス」(IKA社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子分散液2を得た。この着色剤粒子分散液2中の着色剤の粒径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、質量平均径で230nmであった。
実施例1
〔トナー1の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
470部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A1」と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて75℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.912であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで水酸化ナトリウムを加え、事前にpH4.0に調整した「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、1時間に亘り攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を80℃にて1時間に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子1を得た。
なお、円形度はフロー式粒子像解析装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて水分散系で測定した。
得られたトナー母体粒子に疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。
実施例2
〔トナー2の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
452部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A1」と、「多価カルボン酸含有樹脂粒子1」52部と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて74℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.914であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで、水酸化ナトリウムを加え、事前にpH5.0に調整した「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、1時間に亘り攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を80℃にて1時間に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子2を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー2を得た。
実施例3
〔トナー3の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
390部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A1」と、「多価カルボン酸含有樹脂粒子2」260部と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調整した。
次いで、塩化アルミニウム24部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて72℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.911であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで、水酸化ナトリウムを加え、事前にpH5.0に調整した「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、1時間に亘り攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を80℃にて、1時間に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子3を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー3を得た。
実施例4
〔トナー4の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
429部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A3」と、「多価カルボン酸含有樹脂粒子1」208部と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて74℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.915であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで、水酸化ナトリウムを加え、事前にpH5.0に調整した「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、1時間に亘り攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を80℃にて1時間に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子4を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー4を得た。
実施例5
〔トナー5の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
416部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A2」と、「多価カルボン酸含有樹脂粒子1」171部と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて74℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.913であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで、水酸化ナトリウムを加え、事前にpH6.0に調整した「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、1時間に亘り攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を80℃にて1時間に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子5を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー5を得た。
比較例1
〔トナー6の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
470部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A1」と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液1」223部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて75℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.912であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで、「シェル層用樹脂粒子」分散液を75℃で、260部添加し、30分間攪拌を継続した後、再び塩化マグネシウム・6水和物80部をイオン交換水80部に溶解した水溶液を、攪拌下、10分間かけて添加した。5分間放置した後に昇温を開始し、20分間かけて84℃までに昇温した。この状態で、2時間、加熱攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム82部をイオン交換水330部に溶解した水溶液を添加してシェル化を終了させ、更に液温度を84℃にて30分に亘り加熱攪拌することにより融着を継続させ、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー6を得た。
比較例2
〔トナー7の製造〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
470部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子A1」と、イオン交換水1900部と、「着色剤粒子分散液2」223部とカチオン界面(花王製(株):サニゾールB50)10gとの混合液をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器に入れて攪拌した。次に、反応容器内を攪拌しながら48℃まで加熱した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が6.0μmになるまでこの状態を保ち、「コア部」を形成した。「コア部」の円形度は0.908であった。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、6.0μmに到達したところで「シェル層用樹脂粒子」分散液を穏やかに260部添加し、5分間かけ50℃まで昇温した。この状態で1時間加熱攪拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル層用樹脂粒子」の粒子を融着させ、シェル層を形成させた。その後、ここにアニオン界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンSC)15g添加した後、反応容器を密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、生成した融着粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子に、トナー1の作製と同様に外添剤を処理してトナー7を得た。
Figure 2008268565
〔現像剤の調製〕
トナー〔1〕〜〔7〕について、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である現像剤〔1〕〜〔7〕を調製した。
〔評価〕
デジタルカラー複合機(bizhub PRO C500)(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)に上記で作製した現像剤を順番に装填し、20℃、55%RHの環境で、以下の項目について行った。プリントは画素率が10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)をA4版上質紙(64g/m2)に行った。
(低温定着性)
定着装置の加熱ローラ表面温度を、紙表面温度が80〜150℃の範囲内で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作製した。なお、プリント画像の作成に当たってはA4版サイズの上質紙(80g/m2)を使用した。定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。
具体的には、トナーの付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ黒プリント画像を作成した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた「転写材(紙)表面温度」を最低定着温度とする。なお、転写材(紙)表面温度は非接触温度計で測定した。また、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。
◎:最低定着温度120℃未満での定着が可能
○:最低定着温度120℃以上、140℃未満での定着が可能
×:最低定着温度140℃以上での定着が可能。
(耐熱保管性)
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は下記式により算出される値である。
(トナー凝集率(%))=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が20質量%以下(トナーの耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)。
(帯電量の立ち上がりの評価(掃き目の有無))
評価画像を30万枚コピー後、低温低湿環境(10℃、20%RH)にて、朝のハーフトーン画像サンプル上にスジ状の画像欠陥の有無(掃き目の有無)を目視で観察した。
◎:掃き目は全くない
○:薄くスジ状の跡が残るが問題なし
×:スジ状の画像欠陥あり。
(画像濃度の環境依存性)
マクベス反射濃度計にてソリッド画像部の最高画像濃度を測定した。高温高湿環境(33℃、80%RH)と低温低湿環境(10℃、20%RH)での画像濃度の差を測定し、下記のようなランク評価を行った。
◎:画像濃度差が0.05未満
○:画像濃度差が0.05〜0.1
×:画像濃度差が0.1を超える
本発明では、◎、○が実用可であると判断した。
Figure 2008268565
表2より、本発明のトナーは全ての評価で、比較のトナーに対して優れていることが分かる。
本発明のトナーの構造を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 着色剤粒子
2 コア部を形成する樹脂
3 シェル部を形成する樹脂
9Y、9M、9C、9K 画像形成ユニット
6 中間転写体
10 定着装置
20 給紙カセット
P 転写材

Claims (6)

  1. 樹脂粒子を金属塩により凝集しコア粒子を作製させた後、該コア粒子上にシェル用樹脂粒子を金属塩を添加せずに付着してシェルを形成させ、コア・シェル構造トナーとすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記コア粒子上へのシェル用樹脂粒子の付着がシェル用樹脂粒子分散液のpH調整により行われることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記シェル用樹脂粒子がビニル系重合性単量体の共重合体より構成される樹脂粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記コア・シェル構造トナーが多価カルボン酸成分を含む重合性単量体より重合してなるビニル系共重合体樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法によって製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. ガラス転移点が30〜45℃であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
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