JP5481166B2 - 化学的機械的研磨用スラリー - Google Patents

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Description

本発明は、半導体用基板の製造に好適な化学的機械的研磨用スラリー、並びに当該スラリーを用いた基板の研磨及び製造方法に関する。
半導体回路の高性能化は、回路を構成するトランジスタ、抵抗、配線等の微細化がなされ、高密度化と同時に高速応答化することにより行なわれており、加えて、配線の積層化により、さらなる高密度、高集積化が可能となった。これらを可能とした半導体製造における技術として、シャロー・トレンチ分離(Shallow Trench Isolation:狭素子分離)、メタルプラグ、ダマシン法が挙げられる。「シャロー・トレンチ分離」とはトランジスタ素子分離、メタルプラグとは層間絶縁膜を貫通した構造を持つ金属による三次元配線、「ダマシン法」とは銅配線の埋め込み技術のことである。シャロー・トレンチ分離等の各工程に欠かすことのできない技術が化学的機械的研磨(CMP)である。「CMP」とはChemical Mechanical Polishingの略称であり、シャロー・トレンチ分離、ダマシン法、層間絶縁膜形成、メタルプラグ埋め込みのそれぞれの工程において、常に用いられている。これらの微細なパターンはフォトリソグラフィ工程により形成されるレジストマスクを転写することで形成されるが、微細化が進むにつれ、リソグラフィに用いる投影レンズの焦点深度が浅くなり、基板の凹凸をそれ以内に収めなければならないため、要求される平坦性が高くなる。CMPにより、加工面を平坦化することによって、ナノオーダー、原子レベルでの平坦面が得られ、三次元配線、すなわち積層化による高性能化が可能となる。CMPは、現在、層間絶縁膜の平坦化、BPSG膜(ボロン、リン等をドープした酸化ケイ素膜)、シャロー・トレンチ分離形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等を行う際に導入されている。
シャロー・トレンチ分離においては、基板上に成膜された酸化ケイ素等からなる余分な絶縁膜を除くためにCMPが使用され、研磨を停止させるため、前記絶縁膜の下にストッパ膜が形成される。ストッパ膜としては、一般的には窒化ケイ素等が使用され、前記絶縁膜とストッパ膜との研磨速度比を大きくすることで、研磨終了ポイントを設定することが容易になるが、被研磨膜上の段差を解消し、研磨後に平坦な被研磨膜を得ることが望ましい。さらに、段差解消後の過剰研磨時において、ストッパ膜上で研磨が停止し、絶縁膜及びストッパ膜の研磨が進行しないことが、平坦な被研磨膜を得るために望ましい。
従来、化学的機械的研磨用スラリーの砥粒安定性向上、研磨速度の制御、平坦性向上、段差解消、過剰研磨時の研磨抑制を図るため、ポリアクリル酸やその塩等の水溶性有機化合物を化学的機械的研磨用スラリーに加えることが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、ポリアクリル酸やその塩等のカルボン酸ポリマーと、ポリビニルピロリドン、カチオン化合物、双性イオン化合物を併用している系も知られている(特許文献3参照)。
またさらに、ダマシン法における金属膜研磨等において、D−リボース、D−アラビノース等のピラノース骨格を有する環状化合物や、D−フルクトース、D−エリトロース等のフラノース骨格を有する環状化合物、シクロデキストリン等のグルコース骨格を有する化合物、有機酸などを配合した化学的機械的研磨用スラリーが知られている(特許文献4〜6参照)。
特許第3672493号公報 特許第3649279号公報 特開2007−273973号公報 特開平11−246851号公報 特開2002−110596号公報 特開2006−066874号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたポリアクリル酸やその塩等の水溶性有機化合物を含有する化学的機械的研磨用スラリー、あるいはさらにポリビニルピロリドン等を併用する化学的機械的研磨用スラリーは、絶縁膜とストッパ膜との段差を小さくするという点において、必ずしも満足できるものではなかった。また、特許文献4〜6に記載された化学的機械的研磨用スラリーにおいても、絶縁膜とストッパ膜との段差を小さくするという点について何ら示唆はなく、本発明者らが確認したところ、これらの化学的機械的研磨用スラリーでは、絶縁膜とストッパ膜との段差を十分に小さくすることはできなかった。
従って、本発明は、シャロー・トレンチ分離工程において、酸化ケイ素等から形成される絶縁膜と、窒化ケイ素等から形成されるストッパ膜との段差を極めて小さくすることができる化学的機械的研磨用スラリー、並びに基板の研磨及び製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、特定の分子量を有する水溶性包接化合物(a)を研磨砥粒(b)とともに、特定の含有量で使用することにより、シャロー・トレンチ分離工程において、絶縁膜とストッパ膜との段差のきわめて小さい被研磨膜を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の[1]〜[11]に関する。
[1]水溶性包接化合物(a)、研磨砥粒(b)及び水(c)を含有する化学的機械的研磨用スラリーであって、前記水溶性包接化合物(a)が200〜1,000,000の重量平均分子量を有し、スラリー全量に対して0.5質量%を超えて10質量%以下の範囲で含有されている、シャロー・トレンチ分離工程用の化学的機械的研磨用スラリー。
[2]水溶性包接化合物(a)が、環状オリゴ糖及びその誘導体よりなる群から選択される1種又は2種以上である、上記[1]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[3]環状オリゴ糖及びその誘導体が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導体である、上記[2]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[4]水溶性包接化合物(a)が、スラリー全量に対して0.6質量%〜5質量%含有されている、上記[1]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[5]研磨砥粒(b)が、平均粒子径が0.5nm〜1,000nmの無機酸化物粒子である、上記[1]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[6]研磨砥粒(b)が、スラリー全量に対して0.1質量%〜30質量%含有されている、上記[1]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[7]無機酸化物粒子が、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ヒュームドシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化マグネシウム及び酸化マンガンよりなる群から選択される1種又は2種以上の粒子である、上記[5]に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[8]pHが3〜12.5である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の化学的機械的研磨用スラリー。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の化学的機械的研磨用スラリーを基板と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして基板上の絶縁膜を研磨する、基板の研磨方法。
[10]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の化学的機械的研磨用スラリーを基板と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして基板上の絶縁膜を研磨する工程を含む、基板の製造方法。
[11]基板上の絶縁膜が酸化ケイ素膜及び/又は窒化ケイ素膜である、上記[9]又は[10]に記載の方法。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、シャロー・トレンチ分離における絶縁膜や層間絶縁膜の研磨工程において、絶縁膜とストッパ膜との段差が極めて小さい被研磨膜を得ることができ、基板製造時の歩留まりを向上させることができる。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、水溶性包接化合物(a)、研磨砥粒(b)及び水(c)を含有する。本発明においては、水溶性包接化合物(a)として、200〜1,000,000の重量平均分子量を有する水溶性包接化合物を用いる。
本発明において、「水溶性包接化合物」としては、25℃における水への溶解性が0.01g/L以上であり、かつ環状構造を有している化合物が挙げられる。25℃における水への溶解性が0.01g/L未満の場合には、絶縁膜とストッパ膜との段差の低減及び過剰研磨時の研磨速度の抑制効果が得られない。研磨用スラリーに添加して、前記の段差及び過剰研磨時の研磨を良好に低減するためには、25℃における水への溶解性が0.1g/L以上であることが好ましく、0.5g/L以上であることがより好ましい。
「包接化合物」とは、空洞を有する分子であって、その分子(ホスト)の中に、他の分子(ゲスト)を取り込むことが可能な化合物の総称である。ホスト化合物としては、シクロデキストリンやクラウンエーテル等の筒状、環状化合物が有名である。これらの化合物は空洞の大きさにより、取り込むゲスト分子の大きさを制御できることが知られている。
上記の水溶性包接化合物は、200〜1,000,000の重量平均分子量を有することが好ましい。前記分子量が200未満であると絶縁膜とストッパ膜との段差が低減されず、1,000,000を超えると化学的機械的研磨用スラリーの粘度が増加し、研磨時の化学的機械的研磨用スラリー流入性が低下するため、研磨均一性が低下する。化学的機械的研磨用スラリーとして良好な作用効果を得るためには、水溶性包接化合物の重量平均分子量は500〜900,000の範囲にあることがより好ましく、700〜800,000の範囲にあることがさらに好ましい。なお、前記重量平均分子量は、GPC装置(Waters社製「150C」)にGPCカラム(東ソー株式会社製「GMPWXL」)を接続し、200mMリン酸塩水溶液を移動相として用いて測定し、ポリエチレングリコール換算して表した値を用いたものである。
上記水溶性包接化合物としては、たとえば、環状オリゴ糖及びその誘導体、水溶性ポルフィリン、水溶性フタロシアニン、クラウンエーテル、水溶性シクロファン、水溶性カリックスアレーン等が挙げられる。上記水溶性包接化合物としては、工業的な入手容易性等の観点から、環状オリゴ糖及びその誘導体が好ましい。
上記の環状オリゴ糖及びその誘導体は、これらより1種を選択し、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を選択し、組み合わせて用いることもできる。
本発明において、「環状オリゴ糖及びその誘導体」としては、ピラノース骨格及び/又はフラノース骨格を有する単糖類が、結合位置を問わずに、5個以上20個以下で環化した化合物、又はその誘導体が挙げられる。
ピラノース骨格及び/又はフラノース骨格を有する単糖類は、D−体、L−体の立体異性体を問わずに用いることができる。ピラノース骨格を有する単糖類としては、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、ラムノース等が、フラノース骨格を有する単糖類としてはエリトロース、トレオース、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース等が挙げられる。
好適な環状オリゴ糖及びその誘導体の例としては、シクロデキストリン、シクロマンニン、シクロアワオドリン、及びこれらの誘導体が挙げられる。工業的な入手容易性等の観点から、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導体が好ましく、水溶性の観点から、α−シクロデキストリン及びその誘導体、β−シクロデキストリンの誘導体、並びにγ−シクロデキストリン及びその誘導体がより好ましい。
上記環状オリゴ糖の誘導体としては、環状オリゴ糖の有するカルボキシル基又はヒドロキシル基に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が導入された誘導体、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸等のヒドロキシカルボン酸を有する化合物が導入された誘導体などが挙げられる。
上記水溶性包接化合物は、スラリー全量に対して、0.5質量%を超えて10質量%以下の範囲で含有させる必要がある。上記水溶性包接化合物の含有量が、スラリー全量に対して0.5質量%以下であると、上記水溶性化合物の基板への吸着が不十分であるため、絶縁膜とストッパ膜との段差が解消されない上、過剰研磨時の研磨が進行する。一方、上記水溶性包接化合物が、スラリー全量に対して10質量%を超えて含有される場合には、上記水溶性包接化合物の基板への吸着が多過ぎ、研磨速度が低下する上、化学的機械的研磨用スラリー中の研磨砥粒が凝集する傾向にある。絶縁膜とストッパ膜との段差解消効果、過剰研磨時の研磨速度の抑制、並びに化学的機械的研磨用スラリー中の砥粒の凝集の抑制といった観点から、上記水溶性包接化合物の含有量は、スラリー全量に対して0.6質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.6質量%〜3.5質量%であることがさらに好ましい。
本発明に用いる研磨砥粒(b)は、平均粒子径が0.5nm〜1,000nmの微粒子であることが好ましい。前記研磨砥粒の平均粒子径が0.5nm未満であると、研磨速度が低下する場合があり、平均粒子径が1,000nmを超えると、研磨傷が発生する傾向にある。研磨速度の抑制及び研磨傷発生を抑制する観点から、前記研磨砥粒の平均粒子径は1nm〜700nmであることがより好ましく、5nm〜500nmであることがさらに好ましい。
前記研磨砥粒の平均粒子径の測定は、粒径測定装置(大塚電子株式会社製「ゼータ電位・粒径測定システム ELSZ−2」等)を用い、動的光散乱法により行うことができる。
上記研磨砥粒としては、たとえば、有機化合物、高分子化合物、無機化合物、有機−無機複合材料を用いることができる。
上記有機化合物及び高分子化合物としては特に限定されないが、たとえばフラーレン誘導体や、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリアクリル酸粒子、ポリメタクリル酸粒子、ポリアクリルアミド粒子、ポリメタクリルアミド粒子等、不飽和二重結合を有する単量体を単独あるいは複数組み合わせて重合した高分子化合物が挙げられる。
上記無機化合物としては、フラーレン、ナノダイアモンド、ケイ素、ゲルマニウム、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、金属、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物、金属炭酸化物、金属硫酸化物、金属硝酸化物、金属フッ化物、金属臭化物、金属窒化物、金属ヨウ化物等の金属化合物、ヒ化ガリウム、セレン化亜鉛、カドミウムテルル等の化合物半導体が挙げられる。前記金属及び金属化合物の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、亜鉛、カドミウム、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム、コバルト、ロジウム、鉄、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、セリウム、ランタン、イットリウム、イリジウム、ジルコニウム、スズ等が挙げられ、単独あるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
上記有機−無機複合材料としては、たとえば無機化合物粒子に有機化合物を被覆したもの、有機化合物粒子に無機化合物を被覆したもの、有機化合物粒子中に無機化合物粒子を分散したもの、有機ポリシロキサン化合物等が挙げられる。
研磨効率の観点から、研磨砥粒としては、上記無機化合物の粒子を用いることが好ましい。また、前記無機化合物粒子のうち、研磨速度が高く、研磨傷の低減に優れるという観点から、酸化アルミニウム、酸化セリウム、ヒュームドシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化マグネシウム、酸化マンガンの各粒子がより好ましく、酸化セリウム粒子がさらに好ましい。
研磨砥粒(b)の含有量は、スラリー全量に対して0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、0.2質量%〜25質量%であることがより好ましく、0.3質量%〜20質量%であることが特に好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、研磨速度が低下する傾向にあり、30質量%を超えると、研磨砥粒が凝集する傾向にある。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーには、研磨砥粒の分散安定性を向上させるため、本発明の特徴を阻害しない範囲で公知の分散剤を含有させることができる。
上記分散剤としては、たとえば、水溶性アニオン性分散剤、水溶性ノニオン性分散剤、水溶性カチオン性分散剤、水溶性双性イオン分散剤等が挙げられる。前記水溶性アニオン性分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリスルホン酸等、及びこれらの塩が挙げられる。前記水溶性ノニオン性分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、N−置換ポリアクリルアミド、N,N−置換ポリアクリルアミド等、水溶性カチオン性分散剤としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が挙げられる。前記水溶性双性イオン分散剤としては、カチオン性及びアニオン性の不飽和二重結合を有する単量体を共重合してなる共重合体、末端にアニオン及びカチオンをそれぞれ有するベタイン等が挙げられる。本発明においては、これらの分散剤より1種又は2種以上を選択して用いることができる。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーには、本発明の特徴を阻害しない範囲で、アニオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、双性イオン高分子化合物、多糖類を含有させてもよい。前記アニオン性高分子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリスルホン酸等、及びこれらの塩等が挙げられ、前記ノニオン性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、N−置換ポリアクリルアミド、N,N−置換ポリアクリルアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。前記カチオン性高分子化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が挙げられ、前記双性イオン高分子化合物としては、カチオン性及びアニオン性の不飽和二重結合を有する単量体を共重合してなる共重合体、末端にアニオン及びカチオンをそれぞれ有するベタイン等が挙げられる。前記多糖類としては、たとえば、デキストラン、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、ヘパリン、アガロース等が挙げられる。
さらに本発明の化学的機械的研磨用スラリーには、本発明の特徴を阻害しない範囲で、分子量10〜1,000の低分子化合物を含有させてもよい。かかる低分子化合物としては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペラジン、イミダゾール、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソプロピルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミン類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、酪酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸類;グリシン、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン等のアミノ酸類;ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;過酸化水素、過硫酸アンモニウムン等の酸化剤;ベンゾトリアゾール、チアベンダゾール等の錯形成剤などが挙げられる。
本発明において、水(c)は、特に制限は無く、蒸留水、脱イオン水等を好ましく用いることができる。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、所望のpHに調整して研磨に用いることが好ましい。pH調整剤としては、半導体研磨に使用する場合には、金属汚染を防止するため、アルカリ金属類の水酸化物よりも、アンモニア水又は塩酸等の酸成分を用いることが好ましい。本発明の化学的機械的研磨用スラリーのpHは、3〜12.5であることが好ましい。化学的機械的研磨用スラリーのpHが3未満であると、研磨速度が低下し、12.5を超えると、基板上の絶縁膜の平坦性が低下する傾向にある。研磨速度、基板上の絶縁膜の平坦性の観点から、本発明の化学的機械的研磨用スラリーのpHは3.3〜12であることがより好ましく、3.5〜11.7であることがさらに好ましい。
本発明において、化学的機械的研磨用スラリーのpHは、たとえば、pHメーター(堀場製作所社製「pHメータ F22」等)を用いて、通常の方法に従って測定することができる。
本発明の化学的機械的研磨用スラリーは、たとえば、研磨砥粒を含有するスラリーと、水溶性包接化合物水溶液とからなる2液式の化学的機械的研磨用スラリーとして調製し、保存してもよく、また予め、研磨砥粒を含有するスラリーと、水溶性包接化合物水溶液とを混合した1液式化学的機械的研磨用スラリーとして調製し、保存してもよい。なお、2液式として調製される場合には、研磨時に混合し、1液となればよい。2液式研磨用スラリーとして調製する場合、これら2液の配合を用時に任意に変えることにより、被研磨絶縁膜の平坦性及び研磨速度、並びに段差解消性能の調整が容易に可能となる。2液式化学的機械的研磨用スラリーを用いて研磨する場合、たとえば、研磨砥粒を含有するスラリーと水溶性包接化合物水溶液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流させて供給配管出口の直前で混合して研磨パッド上に供給する方法や、研磨直前に、研磨砥粒を含有するスラリーと、水溶性包接化合物水溶液とを混合する方法等がとられる。さらに、研磨砥粒を含有するスラリーと水溶性包接化合物水溶液とを、上記のように配管内で、又は研磨直前に混合する場合、必要に応じて水を混合して研磨特性を調整することもできる。
本発明の研磨方法は、研磨定盤上に両面テープ、面ファスナー等を用いて貼り付けた研磨パッドに、被研磨膜を形成した基板を押し当てて加圧し、上記本発明の化学的機械的研磨用スラリーを基板と研磨パッドとの間に供給しながら、基板と研磨パッドとを相対的に動かして被研磨膜を研磨することを特徴とする。
上記の基板としては、シリコン、ゲルマニウム、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、酸化亜鉛、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、炭化ケイ素等の半導体基板が挙げられる。また、前記基板の被研磨膜としては、酸化ケイ素膜等から形成される絶縁膜層と、窒化ケイ素膜等から形成されるストッパ膜が挙げられる。このような半導体基板上に形成された酸化ケイ素膜層、窒化ケイ素膜層等を化学的機械的研磨用スラリーで研磨することによって、基板表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって段差のない平滑な面とすることができる。
本発明の研磨方法において、研磨に用いる装置としては、たとえば、研磨パッドを貼り付けることが可能で、回転数の変更が可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤と、被研磨膜を有する基板を保持できるホルダーとを有する一般的な研磨装置などを使用することができる。
研磨条件としては特に制限されないが、効率的に研磨を行うためには、定盤と基板それぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましく、基板にかける圧力は、研磨後に傷が発生しないようにするという見地から、150kPa以下とすることが好ましい。研磨している間、研磨パッドには、化学的機械的研磨用スラリーをポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に化学的機械的研磨用スラリーで覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることが好ましい。このように、被研磨膜である無機絶縁膜層を上記化学的機械的研磨用スラリーで研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。このようにして平坦化されたシャロー・トレンチを形成したあと、無機絶縁膜層の上に、アルミニウム配線又は銅配線を形成し、その配線間及び配線上に、後述する方法により無機絶縁膜を形成した後、化学的機械的研磨用スラリーを用いて同様に研磨して平滑な面とする。この工程を所定回数繰り返すことにより、所望の層数を有する半導体基板を製造することができる。
本発明において用い得る研磨パッドとしては、特に制限されないが、たとえば、一般的な不織布、織布、人工皮革、合成樹脂などが挙げられる。これらの中では、合成樹脂が好ましく用いられる。
上記合成樹脂としては、たとえば熱硬化性ポリウレタン樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂;エポキシ樹脂;フッ素樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリブタジエン樹脂、ポリスチレンブタジエン樹脂等の架橋ゴム;ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のビニル樹脂などが挙げられる。前記合成樹脂は単独で用いても、あるいは複数種を組み合わせて用いてもよく、さらには添加剤などを加えて使用することもできる。なお、耐磨耗性の観点からは、ポリウレタン樹脂が好ましい。
上記合成樹脂は、特に限定されないが、多孔質体であってもよい。多孔質体の製造方法としては、たとえば、微小中空体を合成樹脂内に分散する方法、水溶性高分子化合物を単独で、あるいは複数種を組み合わせて合成樹脂内に分散することにより、研磨時に化学的機械的研磨用スラリーにより前記水溶性高分子化合物を溶出させ、実質的に多孔質体を形成する方法、超臨界発泡成形を用いる方法、高分子化合物微粒子を焼結し、連通孔構造を形成させる方法等が挙げられる。
上記研磨パッドの構造は特に制限されず、単層構造であっても、クッション層を有する複層構造であってもよい。また、前記研磨パッドには、化学的機械的研磨用スラリーが溜まるような穴構造及び/又は溝構造を付加する加工が施されていることが好ましい。溝構造としては、特に制限するものではないが、格子状、放射状、螺旋状、同心円状などの溝を用いることができる。前記溝構造及び穴構造は、単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いることができる。さらにまた、前記研磨パッドは、研磨パッド内に砥粒を内包した構造であってもよい。砥粒を研磨パッド内に内包させるには、たとえば、砥粒、合成樹脂及び溶媒を混合し、混合物を成形型に注入した後乾燥する方法、溶融した合成樹脂に砥粒を混合し、混合物を成形型に注入した後冷却する方法を用いることができる。
本発明の研磨方法においては、必要に応じて、ダイアモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したCMP用のコンディショナーを研磨装置に取り付け、研磨パッド上に前記コンディショナーを押し付けて、前記研磨パッド表面を、被研磨膜である絶縁膜の研磨に好適な表面粗さに調整することができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
酸化セリウム砥粒(昭和電工株式会社製研磨剤「GPL−C1010」(原液濃度10質量%))50g、α−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)9.0g、蒸留水を1Lメスシリンダー中で混合し、マグネチックスターラーで撹拌しながら、28質量%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)を加えてpHを8.1とした後、蒸留水で全量を1,000gとして、砥粒濃度0.5質量%、α−シクロデキストリン濃度0.9質量%の化学的機械的研磨用スラリーを得た。
[実施例2] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)添加量を6.0gとし、α−シクロデキストリン濃度を0.6質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[実施例3] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにγ−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)9.0gを添加し、γ−シクロデキストリン濃度を0.9質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[実施例4] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにメチル−β−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)9.0gを添加し、メチル−β−シクロデキストリン濃度を0.9質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[実施例5] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにβ−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)9.0gを添加し、β−シクロデキストリン濃度を0.9質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[実施例6] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)添加量を15.0gとし、α−シクロデキストリン濃度を1.5質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例1] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにデキストラン(和光純薬工業株式会社製)9.0gを添加し、デキストラン濃度を0.9質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例2] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにスクロース(和光純薬工業株式会社製)9.0gを添加し、スクロース濃度を0.9質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例3] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量5,000)4.0gを添加し、ポリアクリル酸濃度を0.4質量%とし、pHを5.0に調整した以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例4] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量25,000)4.0gを添加し、ポリアクリル酸濃度を0.4質量%とし、pHを5.0に調整した以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例5] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリンの代わりにポリアクリル酸(和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量250,000)4.0gを添加し、ポリアクリル酸濃度を0.4質量%とし、pHを5.0に調整した以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
[比較例6] 化学的機械的研磨用スラリーの調製
α−シクロデキストリン(和光純薬工業株式会社製)添加量を1.0gとし、α−シクロデキストリン濃度を0.1質量%とした以外は、実施例1と同様に化学的機械的研磨用スラリーを調製した。
上記実施例及び比較例の各化学的機械的研磨用スラリーで用いた研磨砥粒(b)について、平均粒子径を測定した。また、各化学的機械的研磨用スラリーについてpHを測定し、これらを用いて絶縁膜層の研磨を行って、絶縁膜とストッパ膜との段差測定を行なった。研磨砥粒(b)の平均粒子径の測定方法、化学的機械的研磨用スラリーのpHの測定方法、絶縁膜層の研磨及び絶縁膜とストッパ膜との段差測定の方法については、以下に示した。
[研磨砥粒(b)の平均粒子径の測定]
化学的機械的研磨用スラリーについて、大塚電子株式会社製「ゼータ電位・粒径測定システム ELSZ−2」にて、25℃、ピンホール径50μm、溶媒条件;25℃の水の屈折率=1.33、粘度=0.89cP、比誘電率=78.3の条件下で2回測定し、それぞれキュムラント解析により平均粒子径と粒径分布を求め、それぞれの平均粒子径を平均した。
酸化セリウム砥粒液10質量%(昭和電工株式会社製研磨剤「GPL−C1010」(原液濃度10質量%)について測定したところ、平均粒子径は197.1nmであった。
[pHの測定]
堀場製作所社製「pHメータ F22」を用い、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液;pH4.00(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液;pH7.00(25℃)、ホウ酸塩pH緩衝液;pH9.00(25℃))を用いて、3点校正した後、電極を化学的機械的研磨用スラリーに入れて、2分間以上経過して安定した後の値を測定した。
[絶縁膜層の研磨]
シャロー・トレンチ素子分離絶縁膜CMP評価用試験ウェハとして、SKW社製パターンウェハ「SKW3−2」を用いた。研磨装置(MAT社製「BC−15」)のウェハ保持部に前記ウェハを固定した。一方、研磨定盤には380mmΦの研磨パッド(ローム&ハース社製「IC1400」同心円溝)を両面テープで貼り付けた。コンディショナー(株式会社アライドマテリアル製、直径19.0cm)を用い、圧力=3.48kPa、定盤回転数=100rpm、コンディショナー回転数=140rpmで同方向に回転させ、純水を定量送液ポンプ(東京理科器械株式会社製「RP−1000」)を用い、毎分150mLの流量で供給しながら、60分間研磨パッドのコンディショニングを行った。前記研磨パッド上に、実施例及び比較例の各化学的機械的研磨用スラリーを、毎分120mLの流量で供給しながら、研磨定盤を100rpm、前記ウェハを99rpmで同方向に回転させた。前記研磨パッド上に前記ウェハを荷重23.4kPaで押し付け、前記シャロー・トレンチ分離絶縁膜CMP評価用試験ウェハの研磨を行った。凸部窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失し、窒化ケイ素膜が露出した時点を「ジャスト研磨」とし、ウェハを蒸留水で洗浄、乾燥し、光干渉式膜厚測定装置(Nanometrics社製「Nano spec AFT Model 5100」)を用い、酸化ケイ素、窒化ケイ素の膜厚測定を行った。段差については表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製小形表面粗さ測定機「SJ−400」)を用い、標準スタイラス、測定レンジ=80μm、JIS2001、GAUSSフィルタ、カットオフ値λc=2.5mm、カットオフ値λs=8.0μmの設定で測定し、断面曲線から段差を算出した。また、ジャスト研磨までの研磨時間の15パーセントに相当する時間だけジャスト研磨後に研磨し、過剰研磨時のモデル試験を行い、再度膜厚、段差を測定した。
実施例及び比較例の各化学的機械的研磨用スラリーについてのpH測定結果、ジャスト研磨時及び過剰磨時の絶縁膜とストッパ膜との段差の測定結果を、表1及び表2に示した。
表1及び表2の結果を比較したところ、本発明の実施例の各化学的機械的研磨用スラリーを用いて研磨した場合には、水溶性包接化合物の代わりに、環状構造を有さないデキストラン又はスクロースを含有する比較例1及び2の各スラリーを用いた場合に比べて、ジャスト研磨時の段差(ジャスト段差)及び過剰研磨時の段差がともに低減され、過剰研磨による段差の増加量も少なくなっていた。水溶性包接化合物の代わりに高分子化合物を含有する比較例3〜5の各スラリーを用いた場合と比べても、過剰研磨による段差の増加量が低減されていた。また、水溶性包接化合物含有濃度の低い比較例6のスラリーを用いた場合には、十分な効果が得られなかった。
以上詳述したように、本発明は、シャロー・トレンチ分離における絶縁膜や層間絶縁膜の研磨工程おいて、絶縁膜とストッパ膜との段差を極めて低減することのできる化学的機械的研磨用スラリーを提供するものである。また、前記段差の極めて小さい被研磨膜を得ることができ、基板製造時の歩留まりを向上させ得る、基板の研磨方法及び製造方法を提供するものである。

Claims (7)

  1. α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導体よりなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性包接化合物(a)、酸化セリウム(b)及び水(c)を含有する化学的機械的研磨用スラリーであって、前記水溶性包接化合物(a)が200〜1,000,000の重量平均分子量を有し、スラリー全量に対して0.質量%〜5質量%の範囲で含有されている、シャロー・トレンチ分離工程用の化学的機械的研磨用スラリー。
  2. 酸化セリウム(b)平均粒子径が0.5nm〜1,000nmである、請求項1に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
  3. 酸化セリウム(b)が、スラリー全量に対して0.1質量%〜30質量%含有されている、請求項1に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
  4. pHが3〜12.5である、請求項1〜のいずれか1項に記載の化学的機械的研磨用スラリー。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化学的機械的研磨用スラリーを基板と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして基板上の絶縁膜を研磨する、基板の研磨方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化学的機械的研磨用スラリーを、基板と研磨パッドの間に供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かして基板上の絶縁膜を研磨する工程を含む、基板の製造方法。
  7. 基板上の絶縁膜が酸化ケイ素膜及び/又は窒化ケイ素膜である、請求項又はに記載の方法。
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