JP5479778B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5479778B2
JP5479778B2 JP2009129441A JP2009129441A JP5479778B2 JP 5479778 B2 JP5479778 B2 JP 5479778B2 JP 2009129441 A JP2009129441 A JP 2009129441A JP 2009129441 A JP2009129441 A JP 2009129441A JP 5479778 B2 JP5479778 B2 JP 5479778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bead
tire
carcass
radial direction
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009129441A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010274784A (ja
Inventor
慎一郎 山崎
鶴田  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2009129441A priority Critical patent/JP5479778B2/ja
Publication of JP2010274784A publication Critical patent/JP2010274784A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5479778B2 publication Critical patent/JP5479778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

この発明は、タイヤ周方向に延びる複数本のビードワイヤで構成されるビードコアを埋設してなる一対のビード部と、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨って延びるトレッド部とを具え、これら各部に亘ってトロイド状に延び、両端部を前記ビードコアの周りをタイヤ幅方向内側から外側へ折り返してなるカーカスを有する空気入りタイヤに関するものであり、かかる空気入りタイヤの耐久性の向上を図る。
一般的な空気入りタイヤにあっては、タイヤの負荷転動にカーカスの引き抜けを防止するために、十分な周方向剛性を有するビードコアの周りに、タイヤ幅方向内側から外側に向かってカーカスを折り返し、カーカスの折返し端を、リム径ライン位置のタイヤ径方向外側にあるゴム部材中に埋込むことで、ビードコアにカーカスを強固に固定している。このような従来技術にあっては、カーカスの折返し端が、ビード部のリムへの接触域よりもタイヤ径方向外側に位置することになる。その折返し端が位置するビード部若しくはサイドウォール部は、リムによって強固に保持され、ビードコア、ビードフィラ等によって強固に補強されるビード部の半径方向内端部分とは異なり、タイヤの負荷転動に際して、リムフランジよりもタイヤ径方向外側に位置する部分がタイヤ幅方向外側に向かって倒れ込み変形を繰り返す。この結果、特にカーカスの折返し端に大きなせん断変形が起き、ここからセパレーションを生じ、カーカスの折返し部に沿って進行するおそれがあった。
こうしたカーカス端部からのセパレーションを防止するには、ビード部及びサイドウォール部の倒れこみ変形の影響が小さいビードコア近傍にまでカーカス折返し端を下げることが有効であることが知られている。しかし、このようにカーカス折返し端の高さを下げると、ビード部からのカーカスの引抜けが発生するおそれがある。この理由は、カーカスでは、両ビード部間でトロイド状に延びるカーカス本体部と、ビード部の周りに折り返された折返し部にはそれぞれタイヤ径方向外側に向かう張力が加わり、これらの合力がビードコアによる係留力を上回った場合にカーカスの引抜けが生じるが、カーカス折返し端を下げる、すなわちカーカスの折返し部を短くすることは、この折返し部に加わる張力を小さくすることにもなり、この結果、引抜け方向への合力が大きくなるからである。
このように、従来の空気入りタイヤにあっては、カーカス端部でのセパレーション防止とカーカスの引抜け防止とは二律背反の関係にあり、これがタイヤの耐久性を効率的に向上させる上での障害となっていた。特に重荷重用タイヤでは、カーカス折返し端でのセパレーション抑制は従来から大きな課題であり、近年、特に環境への配慮がなされており、できるだけ資源を用いない軽量化したタイヤが望まれるに至り、上記のようなセパレーションを抑制することがますます重要となっている。
また、カーカスの引抜けが生ずる他の原因としては、カーカスに加わった張力の作用により、ビードコアがカーカスの引抜け方向に回転する変形を受け、この変形がカーカスの係留力を低下させ、カーカスの引抜けにつながることが知られている。
かかるカーカスの回転変形を防止するため、例えば特許文献1及び2には、隣接するビードワイヤと相互に補完的に係合する相補的形状部を有するビードワイヤを用いてビードコアを構成したタイヤが記載されている。かかるタイヤにおいては、ビードコアに回転応力が付加された場合に、相補的形状部を介して応力が隣接ビードワイヤに伝達され、回転応力が効果的に分散され、かつ、相補的形状部が隣接するビードワイヤの移動を制限するよう作用するため、ビードコアの回転変形を抑制することができる。
国際公開第2008/126875号パンフレット 国際公開第2008/143288号パンフレット
特許文献1及び2に記載されたタイヤは、カーカスの引抜けには効果があるものの、カーカス折返し端でのセパレーションについては検討がなされておらず、総合的な耐久性を向上させるためには更なる改良が望まれていた。
したがって、この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、ビード部構造、特にはカーカスの折返し部及びビードコアを構成するビードワイヤの適正化を図ることにより、カーカス端部でのセパレーション防止とカーカスの引抜け防止を高いレベルで両立させ、ビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明は、タイヤ周方向に延びる複数本のビードワイヤで構成されるビードコアを埋設してなる一対のビード部と、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨って延びるトレッド部とを具え、これら各部に亘ってトロイド状に延び、両端部を前記ビードコアの周りをタイヤ幅方向内側から外側へ折り返してなるカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面にて、前記ビードワイヤは、隣接するビードワイヤと相互に補完的に係合する係合部を有し、標準リムに装着し最高空気圧を充填した状態にて、リム径ライン位置と前記カーカスの折返し端との間のタイヤ径方向距離が、前記標準リムのリム径の2.5〜5.0%の範囲内にあるとともに、ビードコアは、平行四辺形状の断面形状を有し、鋭角角部がタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側に配置されてなることを特徴とする空気入りタイヤである。このような構成を採用することにより、ビードワイヤが相互に係合してビードコアの回転変形を防止するので、従来タイヤに比べてカーカスの折返し端を低く配置しても、十分なカーカスの耐引抜け性を確保することができる。
なお、ここでいう「標準リム」とは、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に定められる標準リムを意味し、「最高空気圧」とは、前記工業基準、規格等に定められる最高空気圧を意味する。また、「リム径ライン位置」とは、リム径測定位置を意味する。
かかる空気入りタイヤにあっては、標準リムのリム径位置からカーカスの折返し端までのタイヤ径方向距離が25mm以下であり、また、同タイヤ径方向距離が15mm以上であることが好ましい。
また、ビードワイヤは、タイヤ径方向に対して傾斜して直線状に延びるとともに相互に平行となる2つの直線部を有し、これら直線部の間に係合部が配置されてなることが好ましい。
さらに、隣接するビードワイヤは互いに接触していることが好ましい。
加えて、ビードコアは、平行四辺形状の断面形状を有し、鋭角角部がタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側に配置されてなることが好ましい。
この発明によれば、従来タイヤに比べてカーカスの折返し端を低く配置して、ここからのセパレーションの発生を抑制しつつも、ビードワイヤの形状的な係合によりビードコアの回転変形を防止して、カーカスの引抜けを確実に防止することができ、これらの作用が相まって、ビード部の耐久性を大幅に向上させることが可能となる。
この発明に従う代表的な空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、標準リムに装着された状態で示す。 図1に示すビードコアの一部を拡大して示す拡大断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、標準リムに装着された状態で示す。 この発明の空気入りタイヤに好適に適用可能な種々のビードワイヤを例示するタイヤ幅方向の断面図である。 この発明の空気入りタイヤに好適に適用可能な種々のビードワイヤを例示するタイヤ幅方向の断面図である。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のビード部のタイヤ幅方向断面を、標準リムに装着された状態で示している。
この実施形態のタイヤは、図1に示すように、慣例に従い、一対のビード部1と、このビード部1からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部(図示せず)と、両サイドウォール部間に跨って延びるトレッド部(図示せず)とを具える。ビード部1には、ビードコア2が埋設されている。このビードコア2には、トレッド部、サイドウォール部及びビード部の各部に亘ってトロイド状に延びる本体部3と、この本体部3につながり、ビードコア2の回りをタイヤ幅方向内側から外側へ折り返してなる折返し部4とからなるカーカス5が係留されている。このカーカス5は、ラジアルカーカス及びバイアスカーカスの何れとしてもよい。ビードコア2は、タイヤ幅方向に複数列(図示の例では8列)に並列する環状のビードワイヤ6を複数段(図示の例では6段)の積層状に積み重ねてなるものである。
次に、図2を参照して、ビードワイヤ6の断面形状を詳述する。各ビードワイヤ6(ここでは、説明の便宜上、図2の紙面向かって左側から順にビードワイヤ6a、ビードワイヤ6b及びビードワイヤ6cとする)は、タイヤ幅方向断面において、タイヤ径方向に対して傾斜して直線状に延びる直線部7と、タイヤ幅方向に相互に隣接するビードワイヤ6a、6b、6c間で形状的に相互に補完し合う係合部8とを具えてなる。直線部7は、タイヤ径方向の上側(紙面向かって上側)と下側(紙面向かって下側)に相互に平行して延びる上側直線部7a及び下側直線部7bを有する。係合部8は、これら二つの直線部7a、7b間に配置されており、紙面向かって左側に位置する第1係合部8aと、紙面向かって右側に位置し、第1係合部8bと相補的な形状を有する第2係合部8bを有する。ビードワイヤ6をこのような断面形状に形成したので、例えば、ビードワイヤ6bは、凸状をなすその第1係合部8aにて、隣接するビードワイヤ6aの凹状の第2係合部8bと補完的に係合し、その一方で、凹状をなすその第2係合部8aにて、反対側に隣接するビードワイヤ6cの凸状をなす第1係合部8aと補完的に係合している。
かかる実施形態の空気入りタイヤにあっては、隣接するビードワイヤ6は第1及び第2係合部8a、8bを介して互いに係合しているので、相互に応力を伝達し易い。よって、空気充填時や経時変化時等にビードコア2に回転応力が付加されても、かかる回転応力は各ビードワイヤ6間に効果的に分散され、ビードコア2全体として回転変形は小さくなり、言い換えれば回転剛性は大きくなる。また、ビードコア2に回転応力が付加された場合に、上記係合部8による補完的係合がタイヤ幅方向に連続して形成されているため、ビードワイヤ6のタイヤ径方向への移動は抑制される。この結果、ビードコア2に回転応力が付加された際の各ビードワイヤ6の、タイヤ幅方向断面における張力分布は均一化される。
このようにこの発明の空気入りタイヤによれば、互いに隣接するビードワイヤ6間に係合部8による補完的な係合を形成することにより、ビードコア全体としての回転剛性を大きくしてカーカス5の引き抜けを有効に抑制することができる。
また、この発明に係るタイヤは、図1に示すように、標準リムRに装着し、最高空気圧を充填した状態で、リム径ライン位置RLとカーカス5の折返し端9との間のタイヤ径方向距離をDとし、標準リムRのリム径をφとして、
0.025φ≦D≦0.05φ
なる関係を満たすようにカーカス折返し端9を配置している。このように、カーカス折返し端9が、リムフランジからのタイヤ径方向距離が比較的小さく、したがってタイヤの負荷転動の際にビード部やサイドウォール部が倒れ込み変形をした場合であっても、タイヤ幅方向への変位が小さい領域内に位置するので、かかる倒れ込み変形によりカーカス折返し端9にせん断変形が生じにくく、したがってカーカス折返し端9からのセパレーションの発生を有効に抑制できる。より好ましい範囲は、D≦25mmであり、これによりカーカス折返し端9におけるせん断変形を実質的に無くすことができる。
このようにカーカス折返し端9を下げる、すなわちカーカスの折返し部4を短くすることは、カーカス折返し部4に加わる張力を低減することとなり、カーカス5を引抜く方向に作用する張力を増大させることとなる。しかし、前述したように、ビードコアの回転剛性を大きくしたことで、カーカス5を引抜く方向に作用する張力の増大以上にビードコアによるカーカスの係留力を向上させているので、カーカス5の引抜けは有効に防止される。
なお、製造工程において、カーカスの折返し部は、カーカス部材をブラダ等を用いてビードコアの周りに巻き返して形成されるため、ある程度の長さを確保しておかねば巻き返し不良が発生し、これに起因した不良品の発生や故障の原因となり得ることから、リム径ライン位置RLとカーカスの折返し端9との間のタイヤ径方向距離Dをリム径φの2.5%以上としている。より好ましい範囲は距離Dが15mm以上である。
また、ビードワイヤ6の係合部8のタイヤ幅方向の長さ、すなわち隣接するビードワイヤがタイヤ幅方向で係合している長さの総和(ここでは、第1係合部8aのタイヤ幅方向の長さXと第2係合部8bのタイヤ幅方向の長さXとの和)は、ビードワイヤ6のタイヤ幅方向の長さXの20%以上とすることが好ましい。このようにすれば、確実な係合が得られるので、ビードコアの回転剛性をさらに効果的に高めることができる。
ところで、上記の実施形態では、隣接するビードワイヤ6は互いに直接的に接触しているが、隣接するビードワイヤ間に被覆ゴム等を介在させることもできる(図示せず)。しかしならが、被覆ゴムの経時的なクリープ変形に起因するビードコア2の形状くずれを防止するという観点からは、隣接するビードワイヤ6を、その間に被覆ゴム等を介在させることなく、互いに直接接触させることが好ましい。このように、隣接するビードワイヤ6を相互に直接接触させることで、被覆ゴムを介在させた場合に比べてビードコア2の全体としての経時的変化を小さくすることができるので、さらにカーカス5の引き抜けを抑制することができるとともにカーカス5の端部の歪みを小さくすることができる。
図3は、この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面を、標準リムに装着された状態で示している。この例では、ビードワイヤ6のタイヤ幅方向断面形状を平行四辺形とし、平行四辺形の鋭角角部を第1係合部8aとし、鈍角角部を第2係合部8bとすることで、隣接ビードワイヤ間で補完的な係合を形成している。また、隣接するビードワイヤの当接面は、右上がりの形状となっている。図示のビード部1で、カーカスに引抜け方向の張力が加わった際には、ビードコア2は反時計回りに回転変形しようとするが、当接面が右上がりであるので、右側のビードワイヤは、左側のビードワイヤを上方向に押すことから応力伝達は良い。この結果、空気充填時、荷重負荷時及び経時変化時等にビードコア2に加えられる回転応力は効率よく分散され、ビードコア2全体として回転変形は小さく、言い換えれば回転剛性は大きくなる。しかも、上記隣接面は、反時計回りの回転応力が加えられたときに、隣接するビードワイヤ6をタイヤ径方向上側もしくは下側に押し動かしにくい方向に向き合っていることから、ビードコア2全体としてビードワイヤ6のタイヤ幅方向断面内における周方向の張力分布は均一化される。
そして、この例では、ビードコア2のタイヤ幅方向断面形状を平行四辺形状にし、その鋭角角部をタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側となるように配置している。これにより、ビードコアにカーカス引抜け方向、すなわち反時計回りの回転応力が加わった場合に、上記鋭角角部がカーカス5をリムRに押し付けるように作用することから、カーカスの引抜け防止効果が向上する。
次に、この発明に好適に利用可能な種々のビードワイヤ6について図4に基づいて説明する。
上述したように、第1係合部8a及び第2係合部8bの形状は、隣接するビードワイヤ6同士を形状的に相互に補完し得るものであればよく、それらは、図1及び2に示した形状に限定されるものではない。例えば、図4(a)〜(u)に示すように、凸部及び凹部が複数であったり、曲線状であったり、キー及びキー溝型であったりしても良い。図4(a)〜(d)、(i)〜(l)及び(m)〜(q)では、係合部8は、二つの直線部7a、7b間に全体に亘って延在している。これによれば、各ビードワイヤ3の係合部8は、二つの直線部7a、7b間に全体に亘って延在しているので、空気充填時や経時変化時等に起因した回転応力がビードワイヤ6に付加されても、係合部8に局所的に力が加わることがなく、すなわち係合部8に加わる力は効果的に分散される。その結果、ビードワイヤ6の変形量は少なくなり、回転剛性はさらに高まる。図4(e)〜(h)に示すビードワイヤ6は、タイヤ幅方向断面にて、同一形状の二つの方形S、Sをずらして重ねてなる輪郭形状を有するものである。また、ビードワイヤ6は、図4(a)及び(b)に示すように、タイヤ径方向に上下に隣接するビードワイヤ6は左右に揃えて配置しても良く、又は図4(c)及び(d)に示すように左右にずらして配置しても良い。
また、図4に示す例では、タイヤ幅方向断面にて、ビードコア2のタイヤ径方向上側及び下側の輪郭線7a、7bは直線状に延びている。これによれば、ビードコア2のタイヤ径方向下側及び上面に凹凸が生じることがなく、ビードワイヤ6を束ねて使用する場合に形状くずれし難いので、すなわちビードコアの断面形状の安定性が高まるので、加硫時のビードコア2の崩れが抑制される。しかも、リムからの押圧力がビードワイヤ6の特定の箇所に集中することがないため、ビードワイヤ全体に均等に力がかかり、これらによって構成されるビードコア全体にも均等に力がかかることになるので、回転剛性としては高いものになる。加えて、下側の輪郭線7bとタイヤ径方向とのなす角度は、75度以上90度以下の範囲にあることが好ましい(特に、図4(a)参照)。このようにすれば、ビードワイヤ6を巻回してビードコア2を形成した際にビードコア2に所定のテーパ角度与え、ひいてはリムと当接するビード部1の下部に適正なテーパ角度を与えることができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図1〜4では、タイヤ幅方向に隣接するビードワイヤ間で補完的な係合が行われる例を示したが、図5に示すように、タイヤ径方向に隣接するビードワイヤ間で補完的な係合が行われるように構成することもできる。
次に、この発明の効果を確認するために、この発明に従うタイヤ(実施例1〜4)及び従来技術のタイヤ(従来例1、2)を試作し以下の試験により比較検討を行った。
試験に用いたタイヤはいずれも、タイヤサイズが275/80R22.5のトラック・バス用ラジアルタイヤであり、以下の諸元を有する。
実施例1〜3のタイヤは、図1に示したビード部構造を有するタイヤであり、実施例4のタイヤは、図3に示したビード部構造を有するタイヤである。これら実施例のタイヤのビードコアは、金属製のビードワイヤをタイヤ幅方向に8本並列に配置し、そしてタイヤ径方向に6層に巻き重ね金属帯により集束固定されてなる。なお、各ビードワイヤ間は、直接接触している。また、これらのタイヤは、1層のカーカスの両端部がビードコアの周りにタイヤ内側から外側に折り返され、トレッド部のカーカス外周側には4層のベルト層を配置した構成である。リム径ライン位置とカーカスの折返し端との間のタイヤ径方向距離は、それぞれ20mm、15mm、25mm、30mmである。なお、ビード部以外の構造については慣例の空気タイヤに従うものであり説明を省略する。
従来例1及び2のタイヤは、上記図1及び3に示すビードワイヤに代えて丸素線のビードワイヤを用いてビードコアを構成したものである(図示せず)。すなわちビードコアは、実施例1〜4と同一金属製の1.8mm径の1本のビードワイヤをタイヤ径方向内側から順に、7、8、9、8、7及び6列となるようにタイヤ幅方向及びタイヤ径方向にコイル状に巻き重ねてなり、その断面形状は六角形である。なお、ビードワイヤの巻き数は、上記実施例1〜4のタイヤ幅方向断面におけるビードワイヤの総断面積と同一となるように決定されている。また、リム径ライン位置とカーカスの折返し端との間のタイヤ径方向距離は、それぞれ35mm、20mmである。その以外の構成は、実施例1〜4のタイヤと同じである。
これら各試験タイヤをサイズ8.25のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧875kPa(相対圧)を適用し、室内ドラム試験機を用い、これらタイヤを正規荷重の150%の荷重の作用下で60km/hの速度で負荷転動させ、ビード部が故障するまでの走行距離を計測し、この計測値から耐久性を評価した。また、ドラム試験を終えた各試験タイヤを解体し、故障の発生箇所を目視確認した。これらの結果を表1に示す。なお、表1中の耐久性は、従来例1の耐久性を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど耐久性が優れている。
Figure 0005479778
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4のタイヤは、従来例1及び2のタイヤに比べてビード部の耐久性が著しく向上することが分かる。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、従来タイヤに比べてカーカスの折返し端を低く配置して、ここからのセパレーションの発生を抑制しつつも、ビードコア全体としての回転剛性を大きくしてカーカス引き抜けを抑制し、もってビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス本体部
4 カーカス折返し部
5 カーカス
6、6a、6b、6c ビードワイヤ
7、7a、7b ビードワイヤの直線部
8、8a、8b 係合部
9 カーカス折返し端

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に延びる複数本のビードワイヤで構成されるビードコアを埋設してなる一対のビード部と、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部間に跨って延びるトレッド部とを具え、これら各部に亘ってトロイド状に延び、両端部を前記ビードコアの周りをタイヤ幅方向内側から外側へ折り返してなるカーカスを有する空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面にて、前記ビードワイヤは、隣接するビードワイヤと相互に補完的に係合する係合部を有し、
    標準リムに装着し最高空気圧を充填した状態にて、リム径ライン位置と前記カーカスの折返し端との間のタイヤ径方向距離が、前記標準リムのリム径の2.5〜5.0%の範囲内にあるとともに、
    前記ビードコアは、平行四辺形状の断面形状を有し、鋭角角部がタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側に配置されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記標準リムのリム径位置から前記カーカスの折返し端までのタイヤ径方向距離が25mm以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記標準リムのリム径位置から前記カーカスの折返し端までのタイヤ径方向距離が15mm以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビードワイヤは、タイヤ径方向に対して傾斜して直線状に延びるとともに相互に平行となる2つの直線部を有し、これら直線部の間に前記係合部が配置されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 隣接する前記ビードワイヤは互いに接触している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
JP2009129441A 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ Active JP5479778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129441A JP5479778B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129441A JP5479778B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010274784A JP2010274784A (ja) 2010-12-09
JP5479778B2 true JP5479778B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=43422159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009129441A Active JP5479778B2 (ja) 2009-05-28 2009-05-28 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5479778B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3158058B2 (ja) * 1996-05-28 2001-04-23 住友ゴム工業株式会社 重荷重用ラジアルタイヤ
JP2003136922A (ja) * 2001-11-07 2003-05-14 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用ラジアルタイヤ
JP4850114B2 (ja) * 2007-04-09 2012-01-11 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
WO2008143288A1 (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010274784A (ja) 2010-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8905102B2 (en) Pneumatic radial tire with round crosssection lower filler surrounding bead core
JP4482504B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4801527B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5049050B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5410275B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5060108B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5973772B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP5814049B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5806191B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4500117B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP5814052B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2006256384A (ja) 重荷重用タイヤ
JP4984662B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6292710B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
US11400767B2 (en) Heavy duty pneumatic tire
JP6763188B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4473756B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4878179B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5479778B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4431075B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4215567B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP7172215B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP7180273B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
US20200122523A1 (en) Heavy duty pneumatic tire
JP2010274778A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5479778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250