JP7180273B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関する。
図4には、従来の重荷重用空気入りタイヤ2のビード4の部分(以下、ビード部Bとも称される。)が示される。このビード部Bは、リムR(正規リム)に嵌め合わされる。
このタイヤ2では、カーカスプライ6は、ビード4の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。このカーカスプライ6は、プライ本体8と折り返し部10とを備える。
このタイヤ2では、ビード4はコア12とエイペックス14とを備える。このタイヤ2では、エイペックス14は、第一エイペックス16と、この第一エイペックス16よりも軟質な第二エイペックス18とを備える。図4に示されるように、第一エイペックス16の外端16aは、径方向において、折り返し部10の端10aよりも外側に位置する。
このタイヤ2は、ビード部Bの剛性確保のために、フィラー20を備える。図示されないが、このフィラー20は並列した多数のスチールコードとトッピングゴムとで構成される。
フィラー20は、折り返し部10とチェーファー22との間に位置する。図4に示されるように、径方向において、フィラー20の内端20aはビード4のコア12の内側に位置する。フィラー20の外端20bは、折り返し部10の端10aよりも内側に位置する。このフィラー20は、従来のフィラー(以下、ノーマルフィラーとも称される。)のように、ビード4の周りにて折り返された構造を有していない。このフィラー20は、ショートフィラーとも称される。
このタイヤ2は、トラック、バス等の車両に装着される。このタイヤ2のビード部Bには、大きな荷重が作用するため、このビード部Bの耐久性、すなわちビード耐久性を向上させることは重要である。重荷重用空気入りタイヤにおいては、ビード部Bの構成を調整して剛性をコントロールすることにより、ビード耐久性を向上させることが検討されている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2015-157524号公報
フィラー20として前述のショートフィラーを採用したタイヤ2では、ノーマルフィラーを採用したタイヤにおいて保護されていた、フィラー20の内端20aの位置からビード4に沿って径方向外向きに延びるプライ本体8に作用する力が増大する。このタイヤ2では、フィラー20によるビード4の拘束力が低下するため、ビード部Bの動きが大きい。このため、折り返し部10の端10aの動きも大きく、プライ・ターンアップ・ルース(PTL)という損傷が生じることが懸念される。このビード部Bの動きは、発熱、すなわち、エネルギーロスを招来するため、転がり抵抗の増大を伴う恐れもある。タイヤ2の転がり抵抗の増大は、車両の燃費性能に影響する。
例えば、ワイヤ24を巻き回して構成するコア12において、このワイヤ24の巻数を増加させる、コア12の径方向外側に位置するエイペックス14のボリュームを増加させる等をして、ビード部Bの剛性を向上させれば、ビード耐久性の向上を図ることができる。しかしその一方で、タイヤ2の質量が増加するとともに、ビード部Bの動きに伴う発熱、すなわち、エネルギーロスが増加することが懸念される。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成された、重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る好ましい重荷重用空気入りタイヤは、一対のビードと、一方のビードと他方のビードとの間を架け渡すプライ本体と、前記プライ本体に連なり前記ビードの周りにて軸方向内側から外側に折り返される折り返し部とを有する、カーカスプライと、軸方向において前記折り返し部の外側に位置し、金属コードを含む、一対のフィラーと、を備える。径方向において、前記フィラーの第一端はビードベースラインよりも内側に位置し、当該フィラーの第二端は前記折り返し部の端と前記ビードベースラインとの間に位置する。前記ビードは、コアと、当該コアを包囲する第一エイペックスと、当該第一エイペックスの径方向外側に位置する第二エイペックスとを備える。前記第一エイペックスの外周は、丸みを帯びた輪郭を有する。前記第一エイペックスは前記第二エイペックスよりも硬質である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記タイヤの側面と、当該タイヤが嵌め合わされるリムのフランジとの接触面の外端に対応する、当該側面上の位置をフランジ接触端としたとき、径方向において、前記第一エイペックスの外端は、前記折り返し部の端よりも内側に位置し、前記フランジ接触端よりも外側に位置する。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記コアの径方向内端から前記第一エイペックスの外端までの径方向距離は15mm以上45mm以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記コアの軸方向内端からカーカスプライまでの距離は1mm以上である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、その側面のうち、最大幅位置と前記折り返し部の端との間のゾーンに、凹みが設けられる。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記プライ本体から前記凹みまでの最小厚さの、当該最小厚さを示す線分に沿って計測される、当該プライ本体から当該凹みがないとして得られる仮想側面までの仮想厚さに対する比は0.3以上0.7以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記折り返し部の端から前記凹みの内端までの径方向距離は10mm以上20mm以下である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記凹みは、底部と、当該底部の径方向外側に位置する外側境界部とを備える。前記外側境界部のプロファイルは、外側に凸な円弧で表され、当該円弧の半径が40mm以上である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記凹みは、底部と、前記底部の径方向内側に位置する内側境界部とを備える。前記内側境界部のプロファイルは、外側に凸な円弧で表され、当該円弧の半径が40mm以上である。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記底部のプロファイルは内向きに凸な円弧で表される。
好ましくは、この重荷重用空気入りタイヤでは、前記底部のプロファイルは直線で表される。
本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、フィラーとして所謂ショートフィラーが採用される。このフィラーは質量の低減に寄与する。そして、このタイヤでは、外周が丸みを帯びた輪郭を有する、硬質な第一エイペックスによって、コアの周囲が包囲される。荷重の作用による、ビードの部分の倒れこみが抑制されるので、このタイヤでは、良好なビード耐久性が得られる。さらに第一エイペックスが小さなボリュームで構成されるので、この第一エイペックスによる転がり抵抗への影響が効果的に抑えられる。このタイヤでは、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成される。本発明によれば、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成された、重荷重用空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのビード部が示された部分断面図である。 図3は、図1のタイヤのビード部の変形例が示された部分断面図である。 図4は、従来の重荷重用空気入りタイヤのビード部が示された部分断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明においては、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。本発明では、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
本発明において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本発明において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本発明において正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1は、本発明の一実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤ32(以下、単に「タイヤ32」と称することがある。)の一部を示す。このタイヤ32は、例えば、トラック、バス等の重荷重車両に装着される。
図1は、タイヤ32の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ32の断面の一部を示す。この図1において、左右方向はタイヤ32の軸方向であり、上下方向はタイヤ32の径方向である。この図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ32の周方向である。この図1において、一点鎖線CLはタイヤ32の赤道面を表す。
図1において、軸方向に延びる実線BBLはビードベースラインである。このビードベースラインは、リム(正規リム)のリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
図1において、符号PWはこのタイヤ32の軸方向外端である。この外端PWは、このタイヤ32の側面34に模様や文字等の装飾がないと仮定して得られる、仮想側面に基づいて特定される。一方の外端PWから他方の外端PWまでの軸方向距離は、このタイヤ32の最大幅、すなわちタイヤ32の断面幅(JATMA等参照)である。この外端PWは、このタイヤ32が最大幅を示す位置(以下、タイヤ32の最大幅位置とも称される。)である。
このタイヤ32は、トレッド36、一対のサイドウォール38、一対のビード40、一対のチェーファー42、カーカス44、ベルト46、一対のクッション層48、インナーライナー50及び一対のフィラー52を備える。
トレッド36は、その外面54において路面と接触する。トレッド36の外面54はトレッド面である。前述の側面34は、このトレッド面54の端に連なり、径方向内向きに延びる。
トレッド36は、ベース部56と、キャップ部58とを備える。このタイヤ32では、一対のベース部56が設けられる。これらベース部56は、軸方向において間隔をあけて配置される。それぞれのベース部56は、ベルト46の端の部分を覆う。ベース部56は架橋ゴムからなる。キャップ部58は、ベース部56の径方向外側に位置する。このキャップ部58は、一対のベース部56とベルト46全体とを覆う。このキャップ部58の外面が前述のトレッド面54をなす。キャップ部58は架橋ゴムからなる。
このタイヤ32では、トレッド36に、少なくとも3本の周方向溝60が刻まれる。これにより、このトレッド36には、少なくとも4本の周方向陸部62が構成される。
それぞれのサイドウォール38は、トレッド36の端に連なる。サイドウォール38は、トレッド36の端から径方向内向きに延びる。サイドウォール38は架橋ゴムからなる。サイドウォール38の外面は、タイヤ32の側面34を構成する。
それぞれのビード40は、サイドウォール38よりも径方向内側に位置する。ビード40は、コア64と、エイペックス66とを備える。
コア64は、周方向に延びる。コア64は、巻き回されたスチール製のワイヤ68を含む。コア64は略六角形の断面形状を有する。このタイヤ32では、コア64は、径方向においてビードベースラインよりも外側に位置する。このコア64の断面において、符号PAで示された角部がこのコア64の径方向内端であり、符号PBで示された角部がこのコア64の軸方向内端である。なお、コア64の角部は、コア64の断面に含まれる、ワイヤ68の断面束の輪郭に基づいて特定される。
エイペックス66は、コア64の径方向外側に位置する。エイペックス66は、コア64から径方向外向きに延びる。このタイヤ32では、エイペックス66は、第一エイペックス70と第二エイペックス72とを備える。第一エイペックス70及び第二エイペックス72のそれぞれは架橋ゴムからなる。第一エイペックス70は、第二エイペックス72よりも硬質である。このエイペックス66は、硬質な第一エイペックス70と軟質な第二エイペックス72とで構成される。
このタイヤ32では、第一エイペックス70の硬さは83以上98以下の範囲で設定される。第二エイペックス72の硬さは45以上65以下の範囲で設定される。なお、本発明において、「硬さ」は、JIS K6253の規定に準じて、23℃の温度条件下でタイプAデュロメータを用いて測定される。
第一エイペックス70は、コア64を包囲する。言い換えれば、コア64に周囲には、第一エイペックス70が位置する。第二エイペックス72は、この第一エイペックス70の径方向外側に位置する。この第二エイペックス72は、第一エイペックス70から径方向外向きに延びる。第二エイペックス72は、径方向外向きに先細りである。
図1に示されるように、このタイヤ32では、第一エイペックス70の外周は丸みを帯びた輪郭を有する。この第一エイペックス70は、丸型である。このため、第二エイペックス72の第一エイペックス70との接触面、すなわち、第二エイペックス72の底面74は、図1に示された断面において、径方向外向きに凸な形状を有する。
それぞれのチェーファー42は、ビード40の軸方向外側に位置する。このチェーファー42は、サイドウォール38よりも径方向内側に位置する。チェーファー42は、リムと接触する。チェーファー42は、架橋ゴムからなる。このタイヤ32では、チェーファー42の外端76は、径方向において、第二エイペックス72の外端78、すなわち、エイペックス66の外端78よりも内側に位置する。
図1において、符号PTはこのタイヤ32のトゥーである。このトゥーPTからサイドウォール38の内端80までのチェーファー42の外面は側面34の一部をなす。
カーカス44は、トレッド36、サイドウォール38及びチェーファー42の内側に位置する。カーカス44は、少なくとも1枚のカーカスプライ82を備える。このタイヤ32のカーカス44は、1枚のカーカスプライ82からなる。
図示されないが、カーカスプライ82は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは、トッピングゴムで覆われる。それぞれのカーカスコードは、赤道面と交差する。このタイヤ32では、カーカスコードが赤道面に対してなす角度は70°以上90°以下である。このタイヤ32のカーカス44は、ラジアル構造を有する。このタイヤ32では、カーカスコードの材質はスチールである。有機繊維からなるコードが、カーカスコードとして用いられてもよい。
このタイヤ32では、カーカスプライ82はそれぞれのビード40(詳細にはコア64)の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される。このカーカスプライ82は、一方のビード40と他方のビード40とを架け渡すプライ本体84と、このプライ本体84に連なりそれぞれのビード40の周りにて軸方向内側から外側に向かって折り返される一対の折り返し部86とを有する。このタイヤ32では、折り返し部86の端88は、径方向において、チェーファー42の外端76とサイドウォール38の内端80との間に位置する。
ベルト46は、トレッド36の径方向内側に位置する。このベルト46は、カーカス44の径方向外側に位置する。
このタイヤ32では、ベルト46は径方向に積層された4枚の層90からなる。このタイヤ32では、ベルト46を構成する層90の枚数に特に制限はない。このベルト46の構成は、タイヤ32の仕様が考慮され適宜決められる。
図示されないが、それぞれの層90は並列された多数のベルトコードを含む。これらベルトコードは、トッピングゴムで覆われる。このタイヤ32では、ベルトコードの材質はスチールである。
それぞれの層90において、ベルトコードは赤道面に対して傾斜する。一の層90におけるベルトコードは、この一の層90に積層される他の層90におけるベルトコードと交差する。
このタイヤ32では、4枚の層90のうち、第一層90Aと第三層90Cとの間に位置する第二層90Bが最大の軸方向幅を有する。径方向において最も外側に位置する第四層90Dが、最小の軸方向幅を有する。
それぞれのクッション層48は、ベルト46の端の部分において、このベルト46とカーカス44との間に位置する。クッション層48は、架橋ゴムからなる。
インナーライナー50は、カーカス44の内側に位置する。インナーライナー50は、タイヤ32の内面を構成する。このインナーライナー50は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー50は、タイヤ32の内圧を保持する。
それぞれのフィラー52は、ビード40の部分に位置する。このフィラー52は軸方向においてビード40の外側に位置する。図1に示されるように、フィラー52は、折り返し部86とチェーファー42との間に位置する。
図示されないが、フィラー52は並列した多数の金属コードを含む。このタイヤ32では、金属コードの材質はスチールである。このタイヤ32では、フィラー52に含まれる金属コードはスチールコードである。フィラー52において、金属コードはトッピングゴムで覆われる。
このタイヤ32では、径方向において、フィラー52の第一端92(内端とも称される。)はビードベースラインよりも内側に位置する。このフィラー52の第一端92は、径方向において、ビードベースラインとトゥーPTとの間に位置する。このタイヤ32では、軸方向において、このフィラー52の第一端92は、コア64の内端PA、すなわち角部PAの位置と同等の位置に配置される。このフィラー52の第二端94(外端とも称される。)は、径方向において、折り返し部86の端88よりも内側に位置する。このフィラー52の第二端94は、径方向において、折り返し部86の端88とビードベースラインとの間に位置する。このフィラー52は、ショートフィラーである。
このタイヤ32では、フィラー52として所謂ショートフィラーが採用される。このフィラー52は質量の低減に寄与する。そして、このタイヤ32では、外周が丸みを帯びた輪郭を有する、硬質な第一エイペックス70によって、コア64の周囲が包囲される。このタイヤ32では、荷重の作用による、ビード40の部分(以下、ビード部Bとも称される。)の倒れこみが抑制されるので、良好なビード耐久性が得られる。ビード部Bの倒れこみが抑えられる上に、第一エイペックス70が小さなボリュームで構成されるので、このタイヤ32は転がり抵抗の低減を図ることができる。このタイヤ32では、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成される。
図2には、図1のタイヤ32の断面の一部が示される。この図2には、このタイヤ32のビード部Bが示される。この図2において、左右方向はタイヤ32の軸方向であり、上下方向はタイヤ32の径方向である。この図2の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ32の周方向である。
このタイヤ32では、径方向において、第一エイペックス70の外端96は折り返し部86の端88よりも内側に位置する。このタイヤ32では、折り返し部86の端88への歪の集中が抑えられる。このタイヤ32では、良好なビード耐久性が得られる。第一エイペックス70が小さなボリュームで構成されるので、このタイヤ32は転がり抵抗のさらなる低減も図ることができる。この観点から、このタイヤ32では、径方向において、第一エイペックス70の外端96は折り返し部86の端88よりも内側に位置するのが好ましい。
図2において、符号PFは、タイヤ32と、リムのフランジLFとの接触面の径方向外端に対応する、側面34上の位置、すなわち、フランジ接触端である。このタイヤ32では、第一エイペックス70の外端96は、径方向において、このフランジ接触端PFよりも外側に位置する。このタイヤ32では、第一エイペックス70の剛性が適切に維持されるとともに、フランジ接触端PFの外側部分における側面34のせり出しが効果的に抑えられる。このタイヤ32では、良好なビード耐久性が効果的に維持される。この観点から、このタイヤ32では、径方向において、第一エイペックス70の外端96はフランジ接触端PFよりも外側に位置するのが好ましい。
図2において、両矢印HAはコア64の径方向内端PAから第一エイペックス70の外端96までの径方向距離である。両矢印DBは、コア64の軸方向内端PBからカーカスプライ82までの距離である。この距離DBは最短距離で表される。
このタイヤ32では、コア64の径方向内端PAから第一エイペックス70の外端96までの径方向距離HAは15mm以上が好ましく、45mm以下が好ましい。この距離HAが15mm以上に設定されることにより、荷重の作用による、ビード部Bの倒れこみが抑制されるので、このタイヤ32では、良好なビード耐久性が得られる。この観点から、この距離HAは20mm以上がより好ましく、25mm以上がさらに好ましい。この距離HAが45mm以下に設定されることにより、このタイヤ32では、折り返し部86の端88への歪の集中が抑えられる。このタイヤ32では、良好なビード耐久性が得られる。第一エイペックス70が小さなボリュームで構成されるので、このタイヤ32は転がり抵抗のさらなる低減も図ることができる。この観点から、この距離HAは40mm以下がより好ましく、35mm以下がさらに好ましい。
このタイヤ32では、コア64の軸方向内端PBからカーカスプライ82までの距離DBは1mm以上が好ましい。この距離DBが1mm以上に設定されることにより、走行時の荷重が作用した状態でのカーカスプライ82とコア64との擦れが防止される。このタイヤ32では、コア64の軸方向内端PBの付近でのカーカスコードの切断が効果的に防止される。この観点から、この距離DBは1.5mm以上が好ましい。第一エイペックス70が適正なボリュームで構成され、この第一エイペックス70による転がり抵抗への影響が抑えられる観点から、この距離DBは5mm以下が好ましい。
図3は、本発明のさらに他の実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤ102(以下、単に「タイヤ102」と称することがある。)の一部を示す。
この図3には、このタイヤ102のビード部Bが示される。図3において、左右方向はタイヤ102の軸方向であり、上下方向はタイヤ102の径方向である。この図3の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ102の周方向である。
この図3には、図1に示されたタイヤ32のビード部Bの変形例が示される。このタイヤ102では、このビード部Bに凹みを設けた外は、図1に示されたタイヤ32と同等の構成を有する。この図3においては、図1に示されたタイヤ32の部材と同一の部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
このタイヤ102では、側面34に、凹み104が設けられる。このタイヤ102では、側面34の一部をなすサイドウォール38に、この凹み104は設けられる。図3に示されるように、凹み104は内向きに凸な形状を有する。この凹み104は、周方向に途切れることなく延在する。
図3において、符号PSは凹み104の外端である。符号PUは、この凹み104の内端である。このタイヤ102では、径方向において、凹み104の外端PSは最大幅位置PWよりも内側に位置する。凹み104の内端PUは、径方向において折り返し部86の端88よりも外側に位置する。このタイヤ102では、その側面34のうち、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに、凹み104は設けられる。
このタイヤ102では、図1に示されたタイヤ32と同様、フィラー52として所謂ショートフィラーが採用される。このフィラー52は質量の低減に寄与する。そして、このタイヤ102では、外周が丸みを帯びた輪郭を有する、硬質な第一エイペックス70によって、コア64の周囲が包囲される。荷重の作用による、ビード部Bの倒れこみが抑制されるので、このタイヤ102では、良好なビード耐久性が得られる。さらにビード部Bの倒れこみが抑えられる上に、第一エイペックス70が小さなボリュームで構成されるので、このタイヤ102は転がり抵抗の低減を図ることができる。このタイヤ102では、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成される。
リムに装着されたタイヤ102に荷重が作用すると、タイヤ102においては、折り返し部86の端88及びフィラー52の第二端94が位置する付近に向かってゴムは動く。この動きに合わせて、プライ本体84は軸方向外向きに動く。前述したように、このタイヤ102では、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに凹み104が位置する。この凹み104は、折り返し部86の端88及びフィラー52の第二端94が位置する付近におけるゴムの動きを抑制するとともに、プライ本体84の動きを抑制する。この凹み104は、タイヤ102に荷重が作用した際の、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分における、ゴムの動きを抑制する。
このタイヤ102では、側面34の、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに設けられる凹み104は、質量の低減に寄与する。この凹み104は、前述したように、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分におけるゴムの動きを抑制する。折り返し部86の動きが抑えられるので、このタイヤ102では、プライ・ターンアップ・ルースのような損傷が生じにくい。そして、この動きの抑制は、変形に伴う発熱も抑える。
このタイヤ102では、第一エイペックス70の径方向高さは低い。このタイヤ102は、撓みに貢献できる領域をサイドウォール38の部分、すなわちサイド部Sに、十分に確保できるとともに、エイペックス66に沿って延びるプライ本体84の輪郭を設定しやすい。このタイヤ102では、軸方向外向きへの側面34のせり出しが抑えられるので、凹み104に作用する歪の量が低減される。このタイヤ102では、凹み104におけるクラック等の損傷が生じにくい。このタイヤ102では、前述の、凹み104により奏される効果が十分に発揮される。このタイヤ102では、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成される。
図3において点線VLは、側面34に凹み104がないとして得られる仮想側面である。この仮想側面VLは、最大幅位置PWの特定に用いられる、前述の仮想側面の一部である。実線NLは、プライ本体84の法線である。両矢印TAは、この法線NLに沿って計測される、プライ本体84から凹み104までの厚さである。このタイヤ102では、この厚さTAがプライ本体84から凹み104までの最小厚さである。両矢印TBは、この最小厚さTAを示す線分、すなわち法線NLに沿って計測される、プライ本体84から仮想側面VLまでの仮想厚さである。
このタイヤ102では、最小厚さTAの、仮想厚さTBに対する比は0.3以上が好ましく、0.7以下が好ましい。この比が0.3以上に設定されることにより、この凹み104の底付近における歪の増大が抑えられるとともに、最小厚さTAが必要な厚さで構成される。このタイヤ102では、この凹み104におけるクラック等の損傷の発生が抑えられる。この観点から、この比は0.4以上がより好ましい。この比が0.7以下に設定されることにより、荷重が作用した際の、サイドウォール38を構成するゴムのリムのフランジLF側に向かう動きが抑えられる。このタイヤ102では、凹み104が、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分におけるゴムの動きを効果的に抑制する。このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。この観点から、この比は0.6以下がより好ましい。
図3において、両矢印DUは折り返し部86の端88から凹み104の内端PUまでの径方向距離である。両矢印DSは、最大幅位置PWから凹み104の外端PSまでの径方向距離である。
このタイヤ102では、折り返し部86の端88から凹み104の内端PUまでの径方向距離DUは10mm以上が好ましく、20mm以下が好ましい。この距離DUが10mm以上に設定されることにより、凹み104が折り返し部86の端88と適正な間隔をあけて配置されるので、凹み104と折り返し部86との干渉が防止される。折り返し部86の端88への歪みの集中が抑えられ、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。この距離DUが20mm以下に設定されることにより、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに十分な大きさを有する凹み104が確保される。この場合においても、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。
このタイヤ102では、最大幅位置PWから凹み104の外端PSまでの径方向距離DSは10mm以上が好ましく、20mm以下が好ましい。この距離DSが10mm以上に設定されることにより、凹み104が最大幅位置PWと適正な間隔をあけて配置される。このタイヤ102では、最大幅位置PWにおけるサイドウォール38が適正な厚さを有するので、良好な耐カット性が維持される。この距離DSが20mm以下に設定されることにより、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに十分な大きさを有する凹み104が確保される。凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。
このタイヤ102では、側面34のうち、最大幅位置PWから径方向内側部分は、前述の凹み104と、この凹み104の外端PSから径方向外向きに延びる外側部106と、この凹み104の内端PUから径方向内向きに延びる内側部108とを備える。
前述の仮想側面VLは、外側部106と内側部108との間に位置する。凹み104の外端PUは、外側部106と仮想側面VLとの境界である。この凹み104の内端PUは、内側部108とこの仮想側面VLとの境界である。このタイヤ102では、仮想側面VLのプロファイルと、外側部106のプロファイルとは、境界PSにおいて接する。この仮想側面VLのプロファイルと、内側部108のプロファイルとは、境界PUにおいて接する。
このタイヤ102では、凹み104は、底部110と、外側境界部112と、内側境界部114とを備える。
外側境界部112は、底部110と、前述の外側部106とを架け渡す。外側境界部112のプロファイルは、外端PSにおいて外側部106のプロファイルと接する。この外端PSは、外側境界部112と外側部106との境界でもある。
内側境界部114は、底部110と、前述の内側部108とを架け渡す。内側境界部114のプロファイルは、内端PUにおいて内側部108のプロファイルと接する。この内端PUは、内側境界部114と内側部108との境界でもある。
図3において、符号PSbは底部110の外端である。符号PUbは、この底部110の内端である。このタイヤ102では、底部110の径方向外側に、外側境界部112は位置する。底部110のプロファイルは、外端PSbにおいて外側境界部112のプロファイルと接する。この外端PSbは、底部110と外側境界部112との境界である。底部110の径方向内側には、内側境界部114が位置する。底部110のプロファイルは、内端PUbにおいて内側境界部114のプロファイルと接する。この内端PUbは、底部110と内側境界部114との境界である。
図3に示された、このタイヤ102の断面において、外側境界部112のプロファイルは外側に凸な円弧で表される。この図3において、矢印Rsは、この外側境界部112のプロファイルを表す円弧の半径である。
このタイヤ102では、外側境界部112のプロファイルを表す円弧の半径Rsは40mm以上が好ましい。これにより、外側境界部112への歪の集中が抑えられる。このタイヤ102では、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。なお、この半径Rsの上限は、側面34のプロファイルの構成が考慮され適宜決められる。
図3に示された、このタイヤ102の断面において、内側境界部114のプロファイルは外側に凸な円弧で表される。この図3において、矢印Ruは、この内側境界部114のプロファイルを表す円弧の半径である。
このタイヤ102では、内側境界部114のプロファイルを表す円弧の半径Ruは40mm以上が好ましい。これにより、内側境界部114への歪の集中が抑えられる。このタイヤ102では、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。なお、この半径Ruの上限は、側面34のプロファイルの構成が考慮され適宜決められる。
このタイヤ102では、凹み104がビード耐久性の向上と転がり抵抗の低減に効果的に寄与する観点から、外側境界部112のプロファイルを表す円弧の半径Rsが40mm以上であり、内側境界部114のプロファイルを表す円弧の半径Ruが40mm以上であるのがより好ましい。
このタイヤ102では、底部110のプロファイルは、内側に凸な円弧で表される。これにより、底部110に作用する力が底部110全体に効果的に分散される。このタイヤ102では、底部110の特定の箇所に歪が集中し、クラック等の損傷が発生することが防止される。このタイヤ102では、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。
図3において、矢印Rbは底部110のプロファイルを表す円弧の半径である。このタイヤ102では、この半径Rbは、前述の、折り返し部86の端88から凹み104の内端PUまでの径方向距離DU及び最大幅位置PWから凹み104の外端PSまでの径方向距離DS、並びに、外側境界部112のプロファイルを表す円弧の半径Rs及び内側境界部114のプロファイルを表す円弧の半径Ruを考慮して、適宜決められる。底部110における応力集中による損傷防止の観点から、この半径Rbは40mm以上が好ましい。
図示されないが、このタイヤ102では、凹み104の底部110のプロファイルは円弧ではなく、直線で表されてもよい。この場合、底部110のプロファイルは、外端PSbにおいて外側境界部112のプロファイルと接していなくてもよい。この底部110のプロファイルは、内端PUbにおいて内側境界部114のプロファイルと接していなくてもよい。底部110のプロファイルが直線で表された場合においても、底部110に作用する力が底部110全体に効果的に分散され、この底部110における損傷の発生が防止される。このタイヤ102では、凹み104により奏される効果がより十分に発揮される観点から、凹み104の底部110のプロファイルは円弧で表されるのが好ましい。
図3において、符号PNは法線NLと凹み104との交点である。この交点PNは、プライ本体84から凹み104までの厚さが最小厚さを示す、凹み104上の位置、すなわち最小厚さ位置である。符号PCは、凹み104の中心位置である。図3に示された断面にて計測される、凹み104の長さが半分となる位置において、この中心位置PCは特定される。
このタイヤ102では、凹み104の最小厚さ位置PNは、径方向において、この凹み104の中心位置PCよりも外側に位置する。このタイヤ102では、凹み104に作用する力が凹み104全体に効果的に分散される。このタイヤ102では、凹み104の特定の箇所に歪が集中し、クラック等の損傷が発生することが防止される。このタイヤ102では、凹み104により奏される効果が十分に発揮されるので、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。この観点から、凹み104の最小厚さ位置PNは、径方向において、この凹み104の中心位置PCよりも外側に位置するのが好ましい。
このタイヤ102では、凹み104の中心位置PCは、径方向において、エイペックス66の外端78とチェーファー42の外端76との間に位置する。このタイヤ102では、凹み104が、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分におけるゴムの動きを効果的に抑制する。このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。この観点から、凹み104の中心位置PCは、径方向において、エイペックス66の外端78とチェーファー42の外端76との間に位置するのが好ましい。
図3において、両矢印HWはビードベースラインから最大幅位置PWまでの径方向距離である。両矢印HBは、凹み104の内端PUから外端PSまでの径方向距離である。
このタイヤ102では、径方向距離HWに対する径方向距離HBの比は、0.45以上が好ましく、0.65以下が好ましい。この比が0.45以上に設定されることにより、凹み104の大きさが十分に確保される。この凹み104は、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分におけるゴムの動きを効果的に抑制する。このタイヤ102では、ビード耐久性が効果的に向上するとともに、転がり抵抗が効果的に低減される。この観点から、この比は0.50以上がより好ましい。この比が0.65以下に設定されることにより、凹み104の大きさが適切に維持される。このタイヤ102では、凹み104による剛性への影響が効果的に抑制される。この観点から、この比は0.60以下がより好ましい。
ところで、タイヤ32又はタイヤ102の偏平率の呼びが65%以下であり、断面幅の呼びが385以上である場合、このタイヤ32又はタイヤ102では、トレッド36の軸方向幅に対して、ビードベースラインから赤道面とカーカス44の内面との交点までの径方向高さで表される、カーカス高さが低いため、撓むことにより荷重の作用を吸収できる領域(ずなわち、前述の撓みに貢献できる領域)が通常のタイヤに比べて狭い。このため、このタイヤ32又はタイヤ102では、十分なビード耐久性を確保することは難しい。
前述したように、このタイヤ32及びタイヤ102の第一エイペックス70の径方向高さは低い。タイヤ102においてはさらに、側面34の、最大幅位置PWと折り返し部86の端88との間のゾーンに凹み104が設けられる。タイヤ32においては、第一エイペックス70が、タイヤ102においては第一エイペックス70と凹み104とが撓みに貢献する。このタイヤ102においては、凹み104が、折り返し部86の端88よりも径方向外側部分におけるゴムの動きを抑制するとともに、質量の低減にも寄与する。このため、タイヤ32又はタイヤ102の偏平率の呼びが65%以下であり、断面幅の呼びが385以上である場合であっても、このタイヤ32又はタイヤ102では、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成される。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と、転がり抵抗の低減とが達成された、重荷重用空気入りタイヤが得られる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1及び2に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ=11R22.5)を得た。
この実施例1では、第一エイペックスの外端は径方向において折り返し部の端とフランジ接触端PFとの間に配置された。表1には、第一エイペックスの外端が折り返し部の端よりも内側に位置することが「in」で、この第一エイペックスの外端がフランジ接触端よりも外側に位置することが「out」で表されている。
この実施例1では、コアの径方向内端PAから第一エイペックスの外端までの径方向距離HAは、30mmに設定された。コアの軸方向内端PBからカーカスプライまでの距離DBは、1.5mmに設定された。
[比較例1]
比較例1は、図4に示された従来のタイヤ(タイヤサイズ=11R22.5)である。この比較例1では、エイペックス以外は実施例1と同等の構成である。
[実施例2]
第一エイペックスの外端を折り返し部の端よりも径方向外側に配置させた他は実施例1と同様にして、実施例2のタイヤを得た。表1には、第一エイペックスの外端が折り返し部の端よりも外側に位置することが「out」で表されている。
[実施例3]
第一エイペックスの外端をフランジ接触端よりも径方向内側に配置させた他は実施例1と同様にして、実施例3のタイヤを得た。表1には、第一エイペックスの外端がフランジ接触端よりも内側に位置することが「in」で表されている。
[実施例4]
図3に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた重荷重用空気入りタイヤ(タイヤサイズ=11R22.5)を得た。側面に凹みを設けた他は、実施例1と同等の構成を有する。
この実施例4では、プライ本体から凹みまでの最小厚さTAの、この最小厚さTAを示す線分(すなわち、法線NL)に沿って計測される、プライ本体から凹みがないとして得られる仮想側面VLまでの仮想厚さTBに対する比(TA/TB)は、0.5に設定された。
[実施例5-6]
距離DBを下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5-6のタイヤを得た。
[実施例7-10]
距離HAを下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7-10のタイヤを得た。
[耐PTL性能]
ビード耐久性として、耐PTL(プライ・ターンアップ・ルース)性能を評価した。この評価では、タイヤをリム(サイズ=22.5×8.75)に組み込み、タイヤの内部に空気を充填した。タイヤの内圧が1000kPaに調整された。駆動ドラムを有する台上試験機にこのタイヤを装着した。76.53kNの縦荷重をタイヤに負荷し、このタイヤを20km/hで走行させて、ビードに損傷が生じるまでの走行時間とPTLの発生状況を確認した。この結果が、実施例1のタイヤを100とした指数として、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほどPTLが発生しにくく、ビード耐久性に優れることを表す。
[転がり抵抗係数(RRC)]
タイヤをリム(サイズ=22.5×8.75)に組み込み、タイヤの内部に空気を充填した。タイヤの内圧が800kPaに調整された。転がり抵抗試験機にこのタイヤを装着した。26.72kNの縦荷重をタイヤに負荷し、このタイヤを80km/hで走行させて、転がり抵抗を測定した。その結果が、実施例1を100とした指数として、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど転がり抵抗は小さく好ましい。
[耐CBU性能]
ビード耐久性として、耐CBU(ケーシング・ブレイク・アップ)性能を評価した。この評価では、タイヤをリム(サイズ=22.5×8.75)に組み込み、タイヤの内部に300ccの水を投入するとともに、空気を充填した。タイヤの内圧が800kPaに調整された。80℃に調整した雰囲気で、2週間静置した。この前処理の後、タイヤの内部に300ccの水を投入するとともに空気を充填し、内圧を1000kPaに調整した。駆動ドラムを有する台上試験機にこのタイヤを装着した。76.53kNの縦荷重をタイヤに負荷し、このタイヤを20km/hで走行させて、ビードに損傷が生じるまでの走行時間とCBUの発生状況を確認した。この結果が、実施例1のタイヤを100とした指数として、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほどCBUが発生しにくく、ビード耐久性に優れることを表す。
Figure 0007180273000001
Figure 0007180273000002
表1及び2に示されるように、実施例では、フィラーとしてショートフィラーを、そして、第一エイペックスに丸型のエイペックスを採用することにより、軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と転がり抵抗の低減とが達成されていることが確認される。実施例は、比較例に比して評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された軽量化を図りながら、ビード耐久性の向上と転がり抵抗の低減とを達成するための技術は、種々のタイヤに適用されうる。
2、32、102・・・タイヤ
4、40・・・ビード
6、82・・・カーカスプライ
8、84・・・プライ本体
10、86・・・折り返し部
10a・・・折り返し部10の端
12、64・・・コア
14、66・・・エイペックス
16・・・第一エイペックス
16a・・・第一エイペックス16の外端
18・・・第二エイペックス
20、52・・・フィラー
20a・・・フィラー20の内端
20b・・・フィラー20の外端
22、42・・・チェーファー
24、68・・・ワイヤ
34・・・側面
36・・・トレッド
38・・・サイドウォール
44・・・カーカス
54・・・トレッド36の外面(トレッド面)
70・・・第一エイペックス
72・・・第二エイペックス
74・・・第二エイペックス72の底面
76・・・チェーファー42の外端
78・・・第二エイペックス72の外端(エイペックス66の外端)
80・・・サイドウォール38の内端
88・・・折り返し部86の端
92・・・フィラー52の第一端
94・・・フィラー52の第二端
96・・・第一エイペックス70の外端
104・・・凹み
106・・・外側部
108・・・内側部
110・・・底部
112・・・外側境界部
114・・・内側境界部

Claims (12)

  1. 一対のビードと、
    一方のビードと他方のビードとの間を架け渡すプライ本体と、前記プライ本体に連なり前記ビードの周りにて軸方向内側から外側に折り返される折り返し部とを有する、カーカスプライと、
    軸方向において前記折り返し部の外側に位置し、金属コードを含む、一対のフィラーと、
    前記プライ本体の軸方向外側に位置し、タイヤの側面を構成する一対のサイドウォールと
    を備え、
    径方向において、前記フィラーの第一端がビードベースラインよりも内側に位置し、当該フィラーの第二端が前記折り返し部の端と前記ビードベースラインとの間に位置し、
    前記ビードが、コアと、当該コアを包囲する第一エイペックスと、当該第一エイペックスの径方向外側に位置する第二エイペックスとを備え、
    前記第一エイペックスの外周が丸みを帯びた輪郭を有し、
    前記第一エイペックスが前記第二エイペックスよりも硬質であり、
    前記第一エイペックスの、前記プライ本体との接触外端と、前記第一エイペックスの、前記折り返し部との接触外端とが、前記タイヤが嵌め合わされるリムのフランジの径方向外端よりも径方向内側に位置し、
    前記第二エイペックスの外端が、前記プライ本体と前記サイドウォールとの間に挟まれ前記サイドウォールと接触する、重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤの側面と、前記フランジとの接触面の外端に対応する、当該側面上の位置をフランジ接触端としたとき、
    径方向において、前記第一エイペックスの外端が、前記折り返し部の端よりも内側に位置し、前記フランジ接触端よりも外側に位置する、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記コアの径方向内端から前記第一エイペックスの外端までの径方向距離が15mm以上45mm以下である、請求項1又は2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記コアの軸方向内端からカーカスプライまでの距離が1mm以上である、請求項1から3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤの側面のうち、最大幅位置と前記折り返し部の端との間のゾーンに、凹みが設けられる、請求項1から4のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  6. 前記プライ本体から前記凹みまでの最小厚さの、当該最小厚さを示す線分に沿って計測される、当該プライ本体から当該凹みがないとして得られる仮想側面までの仮想厚さに対する比が、0.3以上0.7以下である、請求項5に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  7. 前記折り返し部の端から前記凹みの内端までの径方向距離が10mm以上20mm以下である、請求項5又は6に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  8. 前記凹みが、底部と、当該底部の径方向外側に位置する外側境界部とを備え、
    前記外側境界部のプロファイルが、外側に凸な円弧で表され、当該円弧の半径が40mm以上である、請求項5から7のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  9. 前記凹みが、底部と、前記底部の径方向内側に位置する内側境界部とを備え、
    前記内側境界部のプロファイルが、外側に凸な円弧で表され、当該円弧の半径が40mm以上である、請求項5から8のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  10. 前記底部のプロファイルが内向きに凸な円弧で表される、請求項8又は9に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  11. 前記底部のプロファイルが直線で表される、請求項8又は9に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  12. 前記リムと接触する一対のチェーファーをさらに備え、
    前記チェーファーの外端が、前記第二エイペックスの外端の径方向内側に位置する、請求項1から11のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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