JP5476959B2 - 軽圧下連続鋳造方法 - Google Patents

軽圧下連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5476959B2
JP5476959B2 JP2009278467A JP2009278467A JP5476959B2 JP 5476959 B2 JP5476959 B2 JP 5476959B2 JP 2009278467 A JP2009278467 A JP 2009278467A JP 2009278467 A JP2009278467 A JP 2009278467A JP 5476959 B2 JP5476959 B2 JP 5476959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
thickness
roll
light
reduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009278467A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011121063A5 (ja
JP2011121063A (ja
Inventor
倫哉 駒城
康一 堤
浩 淡路谷
透 松葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009278467A priority Critical patent/JP5476959B2/ja
Publication of JP2011121063A publication Critical patent/JP2011121063A/ja
Publication of JP2011121063A5 publication Critical patent/JP2011121063A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5476959B2 publication Critical patent/JP5476959B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

本発明は、軽圧下連続鋳造方法に係り、特に、連続鋳造鋳片の厚み中心部に見られるSやP、Mnなどの不純物元素の偏析を防止し、センターポロシティの少ない良好な内部品質を有する鋳片を鋳造することのできる軽圧下連続鋳造方法に関するものである。
溶鋼を凝固させつつ引抜いて連続的に鋳造する、いわゆる連続鋳造方法は、製品(鋼)の歩留りが良好で生産性が高いという特徴があり、溶鋼から直接、スラブやブルーム、ビレット等の鋳片を連続的に製造できる鋳造方法として広く知られている。しかし、この連続鋳造技術は、特に鋼の場合、鋳片の厚み中心部にCやP、S等の元素が濃化(中心偏析)しやすいという問題があった。
そこで、鋼を連続鋳造する際に生じる前記中心偏析を低減させるため、従来、溶鋼が凝固する収縮時の溶鋼流動に伴って発生する偏折に対し、凝固末期のロール間隔を調整し、凝固完了前の鋳片を軽圧下する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、鋼を連続鋳造するに際し、モールドと鋳片の液相線クレーターエンドとの間(凝固中期)の凝固シェルの部分については、バルジング力を積極的に惹起させて、未凝固層の厚さを増大させ(厚み膨張)、次いで、液相線クレーターエンドと固相線クレーターエンドとの間(凝固末期)の鋳片に対しては、軽圧下を加えることにより、中心偏析を低減させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、セグメントの各ロール軸受部にロードセルを設置し、オフラインで上部セグメントに所定の負荷をかけ、その負荷に対する各ロールの歪みを測定して負荷−歪み量線を作成した後、オンライン上でロードセルによりロール反力を測定し、得られたロール反力と前記負荷−歪み量曲線とから歪み量を求め、この歪み量の分だけロールを移動させてロール距離(ロール開度)を一定に保持する連続鋳造方法が開示されている。
そして、特許文献3では、連続鋳造中の未凝固溶鋼を含む状態の鋳片を多数対のロールにより軽圧下しつつ完全凝固状態に導く軽圧下連続鋳造方法において、鋳片が軽圧下によって完全に凝固状態した後に該鋳片の厚さを測定し、その測定厚さが所定の許容範囲を越える場合に、ロール圧下量を調整することによって、鋳片のひずみ速度を制御する軽圧下連続鋳造方法が開示されている。
特開昭60−6254号公報 特開平5−131253号公報 特開昭63−278654号公報
特許文献1に記載された中心偏折の低減技術は、初期のロール開度を設定しておく方法であって、鋳片が実際にどの程度バルジングし、そのためにどれだけの軽圧下力を加えることが必要かという動的な制御については考慮していない。しかし、軽圧下に要する荷重は、鋳造条件(鋳造速度、溶鋼加熱度、2次冷却条件)や鋳片の化学成分などにより刻々と変化し、ロールに働く軽圧下の反力もまた刻々と変動するため、鋳片の厚みは初期設定のロール間隙どおりにはならないのが普通である。従って、所定の軽圧下が行なわれたかどうかを判断することができず、結果として、中心偏折があまり低減しない場合も多かった。
特許文献2に記載された連続鋳造方法については、軽圧下を行う各ロールにそれぞれロードセルを設置する必要があり、従って、この方法については、さらなる設備投資を必要とするため費用が嵩むという問題があった。
特許文献3に開示されている鋳造技術は、鋳造後の鋳片の厚みを測定し、この厚みが所定の範囲に入っているかどうかを判定することで、ロールの圧下量を調整していく方法である。ところが、軽圧下による中心偏析の低減技術において重要なことは、中心部が最終凝固するまでの圧下勾配(単位時間あたりの圧下量)を制御することであり、最終的な鋳片厚みだけから軽圧下の良否を判断することはできない。
そこで、本発明の目的は、これらの従来技術が抱えている上述した問題を解決し、特に、荷重測定などに必要とされる高価な設備を使用することなく、簡単な装置の追加だけで中心偏析やセンターポロシティの少ない内部品質の良好な鋳片を軽圧下連続鋳造する方法を提案することにある。
発明者らは、鋼片の連続鋳造に際し、凝固中期のロール開度を凝固初期(モールド直下)のロール開度Sから徐々に広げていく積極的なバルジング力を作用させることにより、鋳片内未凝固層の厚さを増大させ、次いで、凝固末期においては、ロール開度を徐々に狭めて軽圧下する実験を行った(以下、このような軽圧下パターンを「IBSR」と略記する)。そして、このような鋳造を行った後の鋳片についての幅方向における厚み分布を調査した。その結果、
a.IBSRを行った場合、鋳片の幅方向に厚み分布を生じることが多く、幅方向端部の鋳片厚みTeよりも、幅方向中央部の鋳片厚みTcの方が厚くなる場合が多いこと、
b.同じIBSR条件でも、鋳片の2次冷却を強化した場合や、成分的に硬さの硬い鋳片の場合、厚み差(Tc−Te)が大きくなること、
c.ロール開度の差(S−S)と鋳片厚み差(Tc−Te)との間には相関が認められること、
などの知見を得た。
本発明は、これらの知見を踏まえて、さらに検討を加えて開発した方法であって、鋳片がモールドを出たモールド直下の凝固初期から該モールド直下を除く鋳片の液相線クレーターエンドまでの凝固中期および、該液相線クレーターエンドと固相線クレーターエンドとの間を意味する凝固末期を経て機端までに至る間に複数のロールが配設された連続鋳造装置を用いて鋼の連続鋳造を行う際に、前記凝固中期におけるロールの開度を下流側にいくに従い広げて鋳片の厚み膨張を導き、次いで、前記凝固末期におけるロール開度を下流側にいくに従い狭める軽圧下引き抜きを行う連続鋳造方法において、鋳片の幅方向端部と中央部の2箇所で前記軽圧下後の鋳片厚みを測定し、幅方向端部鋳片厚みTeと幅方向中央部鋳片厚みTc、および前記凝固初期のロール開度Sと厚み膨張時ロール開度S、軽圧下時ロール開度Sについての情報から、軽圧下評価値(ΔR)を求め、この軽圧下評価値(ΔR)に基づいてロール開度S 、S のいずれか少なくとも一方を修正する下記式で示される制御を行う、ことを特徴とする鋼の軽圧下連続鋳造方法である。

ΔRmm=(S −S )mm−(Tc−Te)mm
本発明では、鋳造後の鋳片厚みを測定し、この発明に特有の制御指標である「軽圧下評価値ΔR」を算出するという簡単な方法だけで、適正な軽圧下パターン(IBSR)での鋳片の軽圧下連続鋳造を行うことができるので、軽圧下量の過不足による中心偏析の悪化や、センターポロシティの増大を未然に防ぐことができ、内部品質の良好な鋳片を安定して製造することができる。
連続鋳造設備の略線図である。 (a)、(b)はそれぞれ、軽圧下パターンI、IIを示すグラフである。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、鋳片のバルジングの形態とそれを軽圧下する模様を示す説明図である。 ΔRと偏析度C/Co(Mn)との関係を示すグラフである。
図1は、本発明方法の実施に用いられる連続鋳造設備の概略図である。この設備を使って行われる連続鋳造では、モールドM内では、鋳片表面となる凝固シェルが急冷によって生成し、その後、上記凝固シェルは2次冷却(散水冷却)を経て、凝固厚みが次第に増加し、遂には鋳片を形造るに至る。
このような連続鋳造設備の場合、一般には、水平帯の部分において、鋳片の中心部が最終凝固するようになっている。その水平帯にはセグメントと呼ばれる、複数対のロールがひとつのフレームに支持された装置が、鋳片に面して複数台設置されている(図1では、セグメントを一つだけ図示)。そして、最終凝固時点の前後において、該当するセグメントの軽圧下ロール群で鋳片の軽圧下が行われる。この例では、セグメント単位で複数対のロール群の圧下量および圧下勾配を設定できる。
本発明において、前記連続鋳造設備の最下流側の位置には、鋳片の幅方向の厚み分布を測定するための厚み計4が設置されており、この厚み計4にて、鋳片の幅方向端部の厚みTeとそれ以外の部分の厚み(通常は中央部の厚み)Tcとがオンラインで測定できる。そして、その測定結果は演算装置5に送られ、演算装置5では鋳片厚み(Te、Tc)の測定値とロール開度(S、S、S)とから、後で詳しく述べる軽圧下評価値ΔRを算出し、その軽圧下評価値ΔRに基づき、ロール開度の修正量を各セグメントに出力して制御する。
以下、前記ロール開度の修正量算出の方法について説明する。
まず、軽圧下パターンIBSRの一例を図2に示す。まず、図2(a)は、モールド直下の凝固初期のロール開度Sから、厚み膨張時ロール開度Sまでの位置は、その間隔を広げて鋳片の厚み膨張(バルジング)が起きるようにし、その後の凝固末期は、ロール間隔を狭くして軽圧下が行われるようにする軽圧下時ロール開度Sを狭くする圧下パターンIを示す。一方、圧下パターンIIを示す図2(b)は、バルジングを促進させたあとの圧下量を少なくし、凝固末期における軽圧下時ロール開度Sを、凝固初期のロール開度Sよりも広げる圧下パターンである。
両圧下パターンI、IIともバルジングを促進させたときの断面形状は、図3(a)に示すように、幅方向端部の鋳片厚みTeに対し、幅方向中央部の鋳片厚みTcが膨らんだ断面形状となる。このときの幅中央部の鋳片厚みTcは、凝固中期のロール開度Sにほぼ等しくなる。一方、鋳片の端部は、モールドを出たときにはシェル状であるが、既に凝固が完了している部分であるから、熱収縮や凝固収縮を無視すれば、このときの端部の鋳片厚みTeは、凝固初期のロール開度Sとほぼ等しくなる。以下、本発明において、Teとは完全凝固した金属片幅方向の端部の厚みを指し、鋳片幅:2100mm程度、鋳片厚:250mm程度で、端部よりほぼ100mm以内の部分、一方、Tcとは、上記の鋳片幅方向端部を除く、中央部寄り部分における厚みを言うこととする。
この点、軽圧下パターンIでは、凝固末期のロール開度Sを凝固初期のロール開度Sよりも狭くしているので、軽圧下後の最終的な断面形状は、バルジングを考慮したとしても図3(b)に示すように、ほぼ矩形となる筈である。ただし、一般に、ロール開度は圧下の反力で開いてしまうので、軽圧下するための荷重が大きすぎると、幅方向端部の鋳片厚みTeよりも幅方向中央部の鋳片厚みTcの方が厚くなる場合が多い。
一方、軽圧下パターンIIの例では、凝固末期のロール開度Sを凝固初期のロール開度Sよりも広くしているので、軽圧下後の最終的な断面形状は図3(c)に示すように、幅方向端部の鋳片厚みTeよりも幅方向中央部の鋳片厚みTcの方はどうしても厚くなる。即ち、鋳片の厚みは、理論的にはTc−Te=S−Sという関係を満たすものになるが、実際には、ロール開度は軽圧下を加えたときの反力で開いてしまう他、凝固収縮や熱収縮の影響を受けて軽圧下後も変化するのが普通である。こうした理由により、上記関係式はむしろ、Tc−Te>S−Sとなる場合が多い。
以下、このことを、T>Teの場合につき、下記式(1)のように定義される軽圧下評価値ΔRを用いて、軽圧下量を修正(フィードバック制御)する方法について説明する。
ΔRmm=(S−S)mm−(Tc−Te)mm (1)
例えば、この軽圧下評価値ΔRの式から、Tc>Teの場合に、
a.ΔRが基準よりも小さければ、ロール開度Sを大きく(広く)するか、ロール開度Sを小さく(狭く)することにより、軽圧下量を相対的に大きくする、
b.逆に、ΔRが基準より大きければ、ロール開度Sを小さくするか、ロール開度Sを大きくすることにより、軽圧下が相対的に小さくなるようにする、
という制御を行うことで、軽圧下量を適正な範囲に修正(制御)することができるようになる。
なお、この軽圧下評価値ΔRの適正値を決定する方法については、次のように考えることができる。図4は、炭素含有量が0.05mass%、マンガン含有量が1.3mass%である炭素鋼(スラブ厚250mm)について、軽圧下評価値ΔRとMnの中心偏析の度合いC/Co(Mn)との関係を示したものである。なお、鋳片の偏析度は、鋳片の厚み方向1/4位置のマンガン分析値を偏析のない基準値(Co)とし、スラブ鋳片の幅方向の1/2位置(1/2W)および1/4位置(1/4W)から鋳造方向の縦断面試料を切り出し、その断面位置から鋳片厚み方向に1mmずつスライス加工して分析試料を採取し、この分析試料中の最も高いマンガン分析値(C)と前記基準値(Co)との比(C/Co)を偏析度として評価した。偏析度が1.0に近いほど偏析は少ないことを意味している。
図4に示すとおり、軽圧下評価値ΔRが大きくなると、偏析度C/Coが小さくなる。従って、この鋼種における偏析度C/Coの目標値が、1.05以下であれば、軽圧下評価値ΔRは4mm以上にすることが必要であることがわかる。このように、鋼種や鋳造スラブの厚みなどの鋳造条件毎に、このようなデータベースを予め作成しており、目標とする中心偏析の範囲から、そのときの軽圧下評価値ΔRの適正範囲を決定すればよい。
また、Tc≒Teのとき、上記式(1)は実質、
ΔRmm=(S−S)mm (2)
という式になる。即ち、Tc≒Teのときは、S−Sが所定の軽圧下評価値ΔRになるように設定し、常にTc≒Teであることを確認する、という制御方法が考えられる。または、Tc>Teとなるように軽圧下条件を変更して、この状態(Tc>Te)で軽圧下評価値ΔRが所定の値になるように軽圧下制御をしてもよい。この場合、修正前の軽圧下量が過度になっていた場合には、これを適正量に軽減すれば、内部割れや負偏折を回避できる。
なお、本発明に従えば、鋳片幅方向の厚み分布から前記軽圧下評価値ΔRを算出できる理由は、まず、鋳片のバルジングを促進する鋳造を行い、次いで軽圧下する適正な「IBSR」を行うからであり、この技術はIBSRを採用するときに、特に、有効な軽圧下制御方法である。
以上の方法により、凝固中期〜凝固末期にかけての軽圧下量を適正な範囲に制御することができるようになり、その結果、軽圧下力不足による中心偏析の悪化や、センターポロシティの増大を防ぐことができるようになり、内部品質の良好な連続鋳造鋳片を得ることができるのである。
(実施例1)
図1に示した軽圧下セグメント(セグメント長さ2m)を備える連続鋳造設備を用いて、炭素含有量が0.05mass%、マンガン含有量が1.3mass%である炭素鋼(スラブ厚250mm、スラブ幅2100mm)の連続鋳造を行い、中心偏析の発生状況について調査した。
この実施例において、基準の鋳造速度は、1.4m/分であり、基準となる軽圧下パターンは図2(b)に示したとおり、S=255mm、S=260mm、S=256mmとした。基準の鋳造、冷却条件でのクレーターエンド位置は、凝固・伝熱計算から、メニスカス距離で25mと算出される。凝固末期(最終凝固)付近では、鋳造方向1mあたり0.7mの軽圧下を行う設定とし、時間当たりの設定軽圧下速度は、0.98mm/分とした。
この実施例では、連続して2チャージ、500トン分の連続鋳造を行った。機端の厚み計4では随時、鋳造されたスラブ(鋳片)の幅方向の厚み分布を測定した。その結果、鋳造の初期(凝固初期)において、中央部と端部の厚みの差(Tc−Te)は2.5mmであり中央部が厚かった。この結果から、上記式(1)で算出される、軽圧下評価値ΔRは(5mm)−(2.5mm)=2.5mmであった。
なお、この実施例では、図4に示すところに基づき、軽圧下評価値ΔRを4.0mm以下では軽圧下量を増やすという設定(基準)にしていたので、これに従い、軽圧下におけるロールの開度Sを252mmに変更した。その結果、機端で測定した中央部と端部の厚みの差(Tc−Te)を0.5mm程度にすることでき、軽圧下評価値ΔR=4.5mmとなり、偏析度C/Coが小さくなることがわかった(適合例)。一方、比較のために、2チャージ目は、ロール開度Sを256mm元に戻したところ、軽圧下評価値ΔR=2.5mmとなり、偏析度は大きくなった(比較例)。
即ち、上記適合例では、中心偏析のきわめて少ない内部品質の良好な鋳片が得られたのに対し、上記比較例では軽圧下量が不足し、C、Mnなどの中心偏析が多く、内部品質の良好な鋳片が得られなかった。
<実施例2>
図1に示した軽圧下セグメント(セグメント長さ2m)を備える連続鋳造設備を用いて、炭素含有量が0.1mass%、マンガン含有量が1.5mass%である炭素鋼(スラブ厚250mm、スラブ幅2100mm)の連続鋳造を行い、実施例1と同様に中心偏析の発生状況について調査した。
この実施例において、基準の鋳造速度は、1.6m/分であり、基準となる軽圧下パターンは図2(a)に示したとおりとし、ロール開度は、S=255mm、S=258mm、S=252mmとした。基準の鋳造、冷却条件でのクレーターエンド位置は、凝固・伝熱計算から、メニスカス距離で27mと算出される。凝固末期(最終凝固)付近では、鋳造方向1mあたり0.7mmの軽圧下を行う設定とし、時間当たりの設定軽圧下速度は、1.12mm/分とした。
この実施例でも、連続して2チャージ、500トン分の連続鋳造を行った。機端の厚み計4では随時、鋳造されたスラブ(鋳片)の幅方向の厚み分布を測定した。その結果、鋳造の初期(凝固初期)において、中央部と端部の厚みの差(Tc−Te)はなくほぼ0.0mmであり、軽圧下評価値ΔRは上記式(1)より、3.0mmであった。この実施例では、軽圧下評価値ΔRを2.5mm以上では軽圧下量を減らすという設定(基準)にしていたので、これに従い、軽圧下におけるロールの開度Sを254mmに変更した。その結果、機端で測定した中央部と端部の厚み差(Tc−Te)を1.0mmとすることができ、軽圧下評価値ΔRが2.0mmにすることができ偏析度が小さくなることを確認した(適合例)。一方、比較のため、2チャージ目は、ロール開度Sを元の設定である252mmに戻したところ、軽圧下評価値ΔR3mmとなり、偏析度が大きくなることがわかった(比較例)。
即ち、上記適合例では、中心偏析が少なく内部割れもない内部品質の良好な鋳片が得られたのに対し、上記比較例では軽圧下量が大きすぎ、内部割れの発生およびC、Mnの負偏析が認められ、内部品質の良好な鋳片が得られなかった。
本発明の軽圧下連続鋳造技術は、単に、鋼の連続鋳造方法の下での軽圧下パターン(IBSR)鋳造に適用されるだけでなく、他の連続鋳造技術についても、同様の考え方を適用することができる。
1 連続鋳造設備
2 軽圧下セグメント
3 軽圧下ロール
4 厚み計
5 演算装置

Claims (1)

  1. 鋳片がモールドを出たモールド直下の凝固初期から該モールド直下を除く鋳片の液相線クレーターエンドまでの凝固中期および、該液相線クレーターエンドと固相線クレーターエンドとの間を意味する凝固末期を経て機端までに至る間に複数のロールが配設された連続鋳造装置を用いて鋼の連続鋳造を行う際に、
    前記凝固中期におけるロールの開度を下流側にいくに従い広げて鋳片の厚み膨張を導き、
    次いで、前記凝固末期におけるロール開度を下流側にいくに従い狭める軽圧下引き抜きを行う連続鋳造方法において、
    鋳片の幅方向端部と中央部の2箇所で前記軽圧下後の鋳片厚みを測定し、
    幅方向端部鋳片厚みTeと幅方向中央部鋳片厚みTc、および前記凝固初期のロール開度Sと厚み膨張時ロール開度S、軽圧下時ロール開度Sについての情報から、軽圧下評価値(ΔR)を求め、この軽圧下評価値(ΔR)に基づいてロール開度S 、S のいずれか少なくとも一方を修正する下記式で示される制御を行う、
    ことを特徴とする鋼の軽圧下連続鋳造方法。

    ΔRmm=(S −S )mm−(Tc−Te)mm
JP2009278467A 2009-12-08 2009-12-08 軽圧下連続鋳造方法 Expired - Fee Related JP5476959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009278467A JP5476959B2 (ja) 2009-12-08 2009-12-08 軽圧下連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009278467A JP5476959B2 (ja) 2009-12-08 2009-12-08 軽圧下連続鋳造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011121063A JP2011121063A (ja) 2011-06-23
JP2011121063A5 JP2011121063A5 (ja) 2012-08-09
JP5476959B2 true JP5476959B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=44285515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009278467A Expired - Fee Related JP5476959B2 (ja) 2009-12-08 2009-12-08 軽圧下連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5476959B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107000045A (zh) * 2014-12-24 2017-08-01 杰富意钢铁株式会社 钢的连续铸造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111001772B (zh) * 2019-12-24 2021-08-24 中冶南方连铸技术工程有限责任公司 轻压下或重压下辊缝控制方法及装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS606254A (ja) * 1983-06-25 1985-01-12 Nippon Kokan Kk <Nkk> 連続鋳造方法
JPS63278654A (ja) * 1987-05-12 1988-11-16 Nkk Corp 軽圧下鋳造方法
JPH05131253A (ja) * 1991-11-08 1993-05-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造スラブにおける中心偏析改善方法
JPH05185186A (ja) * 1992-01-14 1993-07-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼の連続鋳造方法
JP2854479B2 (ja) * 1992-11-26 1999-02-03 住友重機械工業株式会社 スラブ用連続鋳造機およびそれを用いた薄スラブ連続鋳造方法
JP3246372B2 (ja) * 1996-12-27 2002-01-15 日本鋼管株式会社 鋼の連続鋳造法
JPH10193063A (ja) * 1997-01-08 1998-07-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造方法
DE19745056A1 (de) * 1997-10-11 1999-04-15 Schloemann Siemag Ag Verfahren und Anlage zur Erzeugung von Brammen in einer Stranggießanlage
JP3351375B2 (ja) * 1999-01-27 2002-11-25 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法
DE19931331A1 (de) * 1999-07-07 2001-01-18 Siemens Ag Verfahren und Einrichtung zum Herstellen eines Stranges aus Metall
DE10011689A1 (de) * 2000-03-10 2001-09-13 Sms Demag Ag Verfahren zum Stranggiessen von Brammen und insbesondere von Dünnbrammen
JP2002248554A (ja) * 2001-02-22 2002-09-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼の連続鋳造鋳片およびその鋳造方法
JP3876768B2 (ja) * 2002-06-06 2007-02-07 住友金属工業株式会社 連続鋳造方法
JP4296985B2 (ja) * 2004-04-22 2009-07-15 住友金属工業株式会社 内質に優れた極厚鋼板とその製造方法
JP4687629B2 (ja) * 2006-10-13 2011-05-25 住友金属工業株式会社 金属の連続鋳造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107000045A (zh) * 2014-12-24 2017-08-01 杰富意钢铁株式会社 钢的连续铸造方法
CN107000045B (zh) * 2014-12-24 2019-04-26 杰富意钢铁株式会社 钢的连续铸造方法
US10543527B2 (en) 2014-12-24 2020-01-28 Jfe Steel Corporation Continuous steel casting method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011121063A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8006743B2 (en) Method and device for determining the position of the solidification point
CN105108096B (zh) 一种重轨钢大方坯连铸动态轻压下量的确定方法
JP5402308B2 (ja) 高炭素鋼の連続鋳造方法
US6102101A (en) Continuous casting method and apparatus thereof
JP2012066303A (ja) 鋼の連続鋳造方法および連続鋳造設備
JP2012011459A (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下方法
CN113770318A (zh) 薄带连铸中铸辊铸轧力及辊缝的控制方法及装置
JP6384679B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP5476959B2 (ja) 軽圧下連続鋳造方法
JP5494350B2 (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP5779978B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下方法
JP3427794B2 (ja) 連続鋳造方法
JPS63242452A (ja) 軽圧下鋳造方法
JP6624396B2 (ja) 鋼板の製造方法
JP5707850B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下制御方法
JP2000210759A (ja) 双ドラム式連続鋳造機による鋳造方法
JPH08132203A (ja) 連続鋳造方法
JP6098577B2 (ja) 連続鋳造機のロール間隔調整方法および鋼片の連続鋳造方法
JP3095346B2 (ja) 連続鋳造の鋳型内湯面レベル制御方法
US11077492B2 (en) Continuous steel casting method
JP6816523B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPS63278655A (ja) 軽圧下鋳造方法
JP4461075B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5707849B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下制御方法
JPWO2019203137A1 (ja) 鋼の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5476959

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees