JP4936192B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして用いられる熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
従来、配線板等に部品を実装するにあたり、クリームはんだと呼ばれる材料が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。クリームはんだは、はんだ粒子、フラックス成分及び溶剤を含む組成物である。このクリームはんだは、リフロー炉中で加熱されると、はんだ粒子が融点以上で溶解すると共に、このはんだ粒子の表面の酸化層がフラックス成分の作用によって除去される。これにより、はんだ粒子が一体化し、部品実装を完遂する。このクリームはんだを用いたはんだリフロープロセスを採用すると、多くの部品を配線板等に一括して接続でき、生産性が高くなる。
特開2004−185884号公報
しかし、従来のクリームはんだにあっては、室温における保存安定性が悪く、製造後24時間程度経過すると、粘度が高くなって使用するのが困難になるという問題があった。
また、従来のクリームはんだは強度及び靱性が十分ではないため、配線板等にはんだ接続だけで部品を固定すると、部品の脱落が起こりやすく、また、温度変化や衝撃によりはんだ接続部にクラックが起こりやすいという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、配線板等への部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして使用可能であり、室温における保存安定性が高く、複数の部品を配線板等に実装するにあたり、はんだリフロー処理により一括して部品実装が可能であり、かつはんだ接続部に高い強度及び靱性を付与することができる熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、融点240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、有機リン酸エステルを含む保存安定化剤を含有することを特徴とするものである。
明において、前記有機リン酸エステルが、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルの中から選ばれるものであることが好ましい
明において、前記保存安定化剤の含有量が、記はんだ粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲であることが好ましい
明において、前記フラックス成分が、下記構造式(1)で示されるものであることが好ましい
HOOCHC−X−CHCOOH …(1)
ただし、上記構造式(1)中の−X−は、−O−、−S−、−S−S−のうちのいずれかである。
明において、前記熱硬化性樹脂バインダーが、エポキシ樹脂であることが好ましい
明において、前記フラックス成分の含有量が、前記熱硬化性樹脂バインダーに対して1〜50phrの範囲であることが好ましい
明において、前記はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%の範囲であることが好ましい
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、前記熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用いると共に、前記有機リン酸エステルを含む前記保存安定化剤を用い、融点240℃以下の前記はんだ粒子、前記液状エポキシ樹脂の一部又は全部、前記フラックス成分、前記保存安定化剤を予め混合・混練する工程と、この工程で得られた混合物に前記液状エポキシ樹脂の残部、硬化剤を添加する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、配線板等への部品実装のための導電ペースト、特に熱硬化性はんだペーストとして使用可能であり、室温における保存安定性が高く、複数の部品を配線板等に実装するにあたり、はんだリフロー処理により一括して部品実装が可能であり、かつはんだ接続部に高い強度及び靱性を付与することができるものである。
また、保存安定化剤に含まれる有機リン酸エステルとフラックス成分とが室温において塩を形成することによって、熱硬化性樹脂組成物の安定化を図ることができるものである。
発明によれば、有機リン酸エステルの中でも特にリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルを用いると、安定化の効果を高く得ることができるものである。
発明によれば、保存安定化剤の含有量が、はんだ粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲であることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性が低下するのを防止しつつ、室温における保存安定性を十分に向上させることができるものである。
発明によれば、上記構造式(1)で示される化合物は、カルボキシル基を両末端に有しているが、室温では溶融しないためフラックス活性はそれ程大きくなく、室温での保存安定性に優れている。一方、この化合物が100℃以上の温度に加熱されると溶融し、優れた活性力(還元力)が顕在化してカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応が促進され、はんだ粒子から酸化被膜を効果的に除去することができるようになる。このため、低温加熱により溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができるものである。
発明によれば、熱硬化性樹脂バインダーとして用いるエポキシ樹脂は比較的低温で硬化すると共に接着性が高いため、従来のはんだリフロー処理より低い温度でも十分な硬化性を発揮して部品実装を可能とすると共に十分な補強効果を発揮することができるものである。
発明によれば、フラックス成分の含有量が、熱硬化性樹脂バインダーに対して1〜50phrの範囲であることにより、フラックス成分がフラックスとしての十分な作用を発揮すると共に熱硬化性樹脂組成物の硬化物により部品実装時に十分な補強効果を発揮することができるものである。
発明によれば、はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%の範囲であることにより、熱硬化性樹脂バインダーのブリードを防止することができると共に、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するのを防止することができるものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法によれば、はんだ粒子表面へのフラックス成分の吸着を促進することができ、そのため、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱した場合に、フラックス成分中のカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応を促進することができ、溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができるものである。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物中の、有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、硬化物の強度を向上することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態では、熱硬化性樹脂組成物は、融点が240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、保存安定化剤を含有する。
そして、この熱硬化性樹脂組成物中のフラックス成分としては、下記構造式(1)で示される化合物を用いることができる。
HOOCHC−X−CHCOOH …(1)
この式中の−X−は、−O−、−S−、−S−S−のうちのいずれかである。すなわち、フラックス成分として、下記構造式(2)で示されるジグリコール酸、下記構造式(3)で示されるチオジグリコール酸、下記構造式(4)で示されるジチオグリコール酸のうちの少なくとも一種を用いることができる。
HOOCHC−O−CHCOOH …(2)
HOOCHC−S−CHCOOH …(3)
HOOCHC−S−S−CHCOOH …(4)
フラックス成分は、上記のような化合物のうち一種の化合物からなるものであってもよく、二種以上の化合物からなるものであってもよい。また、フラックス成分は、上記化合物に加えて、一般に用いられる他のフラックスを含むものであってもよい。
この構造式(1)で示される化合物は、カルボキシル基を両末端に有しているが、室温では溶融しないためフラックス活性はそれ程大きくなく、室温での保存安定性に優れている。一方、この化合物が100℃以上の温度に加熱されると溶融し、優れた活性力(還元力)が顕在化してカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応が促進され、はんだ粒子から酸化被膜を効果的に除去することができるようになる。このため、低温加熱により溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができる。
なお、カルボキシル基を両末端に有する化合物としては、一般的には脂肪族骨格を有するグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、コルク酸等が挙げられる。しかし、これらは180℃以下の低温では還元力が不足気味であるため、金属表面の酸化膜に対する十分な還元作用を期待することができず、特にBi、In等の低融点の特殊な金属類を含むはんだに対しては、その還元力は十分に満足できるレベルではない。
これに対して、上記化学式(2)乃至(4)に示すような、主骨格に酸素原子、又は1個若しくは2個の硫黄原子が結合した構造の化合物は、脂肪族骨格の化合物と比べて、優れた還元力を発揮することができる。その理由は、主骨格の酸素原子及び硫黄原子が電子供与性の原子であるために、金属との配位接合性が高くなり、その結果、脂肪族骨格の化合物と比べて優れた還元力を発揮するためであると、推察される。
また、はんだ粒子は、上記の通り融点が240℃以下のものであればよい。はんだ粒子の融点の下限は特に制限されないが、80℃以上であることが好ましい。前記条件を満たす限り、はんだ粒子の組成は特に制限されないが、具体例として、Snをベースとする、Bi、Zn、In等の金属との合金を挙げることができる。また、はんだ粒子の含有量は、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%の範囲であることが好ましい。はんだ粒子の含有量が70質量%未満であると、熱硬化性樹脂バインダーがブリードするおそれがあり、逆に95質量%を超えると、熱硬化性樹脂バインダーによる補強効果が低下するおそれがある。
また、熱硬化性樹脂バインダーとしては、特に制限されず、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル樹脂等の適宜の熱硬化性樹脂を使用することができる。このうち、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂は比較的低温で硬化すると共に接着性が高いため、従来のはんだリフロー処理より低い温度でも十分な硬化性を発揮して部品実装を可能とすると共に十分な補強効果を発揮することができる。
熱硬化性樹脂バインダーとしてエポキシ樹脂を用いる場合は、通常は熱硬化性樹脂組成物中に硬化剤を含有させ、あるいはさらに必要に応じて硬化促進剤を含有させる。
硬化剤としては公知公用の適宜のものを使用することができる。例えばフェノールノボラック樹脂、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等を使用することができる。硬化剤の使用量は適宜設定されるが、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対する硬化剤の化学量論上の当量比が0.8〜1.2の範囲となるようにすることが好ましい。また、硬化促進剤を使用する場合も、公知公用の適宜のものを使用することができる。例えばトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機リン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中のフラックス成分の含有量は適宜設定されるが、特に熱硬化性樹脂バインダーの含有量に対してフラックス成分の含有量が1〜50phrの範囲であることが好ましい。このように前記含有量を1phr以上とすることでフラックス成分がフラックスとしての十分な作用を発揮し、また前記含有量が50phr以下であることで熱硬化性樹脂組成物の硬化物により部品実装時に十分な補強効果を発揮することができる。
また、熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂バインダーとフラックス成分の合計量は、前記組成物の全量に対して5〜30質量%の範囲であることが好ましい。前記含有量を5質量%以上とすることで、熱硬化性樹脂組成物に良好な流動性を付与すると共に、はんだ粒子が一体化した際のボイドの発生を抑制することができ、さらに優れた補強作用を発揮するとことができる。また前記含有量を30質量%以下とすることで、熱硬化性樹脂組成物中に十分な量のはんだ粒子を確保することができ、はんだ粒子の溶融一体化が容易となって、接続部分の接続抵抗を十分に低くすることが可能となる。
また、保存安定化剤は、熱硬化性樹脂組成物の室温における保存安定性を向上させることができるが、特に有機リン酸エステルを含んでいるのが好ましい。このような有機リン酸エステルとフラックス成分とが室温において塩を形成することによって、熱硬化性樹脂組成物の安定化を図ることができるものである。さらにこの有機リン酸エステルは、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルの中から選ばれるものであることが好ましい。これらのものは有機リン酸エステルの中でも特に安定化の効果を高く得ることができるものである。そしてこのような保存安定化剤の含有量は、上記はんだ粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲であることが好ましい。保存安定化剤の含有量が1質量部未満では、室温における保存安定性を十分に向上させることができないおそれがあり、逆に10質量部を超えると、熱硬化性樹脂組成物の硬化性が低下するおそれがある。
また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上記必須成分のほか、通常用いられる改質剤、添加剤を含有することができる。また、この熱硬化性樹脂組成物の粘度を低減し、あるいは流動性を付与する目的で、低沸点の溶剤や可塑剤を加えることもできる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の、好適な製造方法について説明する。この方法では、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用い、硬化剤を併用する。
まず、はんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、フラックス成分、保存安定化剤を予め混合・混練し、予備混合物を調製する。前記予備混合物中に配合する熱硬化性樹脂バインダーは、熱硬化性樹脂組成物に含有させる予定の熱硬化性樹脂バインダー全量(以下、熱硬化性樹脂バインダー全量という)のうち、全部であってもよく、一部であってもよい。この予備混合物を調製することで、はんだ粒子表面へのフラックス成分の吸着を促進することができる。
上記予備混合物を調製する際の熱硬化性樹脂バインダー(液状エポキシ樹脂)の添加は、はんだ粒子へのフラックス成分の馴染み性を向上するために行われる。この予備混合物の調製に用いられる熱硬化性樹脂バインダーの、熱硬化性樹脂バインダー全量に対する比率は、はんだ粒子の比率やフラックス成分の種類等に依存するため、特に限定されない。ただし、はんだ粒子表面へのフラックス成分の馴染み性を十分に向上するためには前記比率が30質量%以上であることが好ましく、また予備混合物中のフラックス成分の濃度を十分に高く保つことではんだ粒子へのフラックス成分の吸着を促進するためには、前記比率が80質量%以下であることが好ましい。
次に、前記予備混合物に硬化剤を添加する。このとき、予備混合物中の熱硬化性樹脂バインダーが、熱硬化性樹脂バインダー全量のうちの一部である場合は、熱硬化性樹脂バインダーの残部も添加する。これにより、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物を調製することができる。
次に、本発明に係る熱硬化性組成物の、好適な他の製造方法について説明する。
この方法でも、液状エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂バインダーを用い、硬化剤を併用する。また、溶剤を使用する。溶剤としては一般的な適宜の低沸点の溶剤を使用することができるが、例えばMEK(メチルエチルケトン)等を使用することができる。
まず、はんだ粒子、溶剤、フラックス成分、保存安定化剤を混合して予備混合物を調製する。この予備混合物を調製することで、はんだ粒子表面へのフラックス成分の吸着を促進することができる。
次に、予備混合物を乾燥して溶剤を除去する。その後、乾燥後の予備混合物に熱硬化性樹脂バインダー及び硬化剤を添加することで、熱硬化性樹脂組成物を調製することができる。
上記各製造方法によって熱硬化性樹脂組成物を調製すると、保存安定化剤によって、熱硬化性樹脂組成物の室温における保存安定性が向上し、製造後24時間程度経過しても粘度を低い状態に維持しておくことができ、容易に使用することができるものである。また、フラックス成分が、はんだ粒子表面にダイレクトに吸着されるため、熱硬化性樹脂組成物をはんだ粒子が溶融する温度まで加熱した場合に、フラックス成分中のカルボキシル基とはんだ粒子表面の金属酸化被膜との反応を促進することができ、溶融したはんだ粒子の一体化を促進することができる。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物中の、有効に作用しないフラックス成分の濃度を減少させ、硬化物の強度を向上することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
はんだ粒子として、JIS H42B:58Aに規定されたはんだ組成のものを用いた(Sn42Bi58)。はんだ粒子は常法に従って作製した。このはんだ粒子の平均粒径は15μm、融点は139℃であった。
このはんだ粒子を82質量部、熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、品番「YD128」)を11質量部、硬化剤(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名「アミキュアPN23」)を2質量部、フラックス成分としてジグリコール酸を2質量部、保存安定化剤としてリン酸トリメチルを3質量部用意した。そしてはんだ粒子、液状エポキシ樹脂、フラックス成分、保存安定化剤を予め混合した後、この混合物に硬化剤を添加してさらにディスパーを用いて均一に混練して、ペースト状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
熱硬化性樹脂組成物に配合する保存安定化剤として、リン酸トリエチルを用いた。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例3)
熱硬化性樹脂組成物に配合する保存安定化剤として、リン酸トリブチルを用いた。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例4)
熱硬化性樹脂組成物に配合する保存安定化剤として、リン酸トリフェニルを用いた。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例5)
熱硬化性樹脂組成物に配合するはんだ粒子の配合量を79質量部、液状エポキシ樹脂の配合量を14.6質量部、硬化剤の配合量を2.7質量部、ジグリコール酸の配合量を2.7質量部、リン酸トリメチルの配合量を1質量部とした。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例6)
熱硬化性樹脂組成物に配合するはんだ粒子の配合量を79質量部、液状エポキシ樹脂の配合量を10質量部、硬化剤の配合量を2質量部、ジグリコール酸の配合量を2質量部、リン酸トリメチルの配合量を7質量部とした。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例7)
熱硬化性樹脂組成物に配合するはんだ粒子の配合量を92質量部、液状エポキシ樹脂の配合量を3質量部、硬化剤の配合量を0.5質量部、ジグリコール酸の配合量を1.5質量部、リン酸トリメチルの配合量を3質量部とした。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例8)
熱硬化性樹脂組成物に配合するはんだ粒子の配合量を70質量部、液状エポキシ樹脂の配合量を18質量部、硬化剤の配合量を4質量部、ジグリコール酸の配合量を5質量部、リン酸トリメチルの配合量を3質量部とした。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例9)
熱硬化性樹脂組成物を調製するための成分として、実施例1と同様のはんだ粒子を82質量部、熱硬化性樹脂バインダーとしてシアン酸エステル樹脂(Lonza社製、品番「L−10」)を12質量部、硬化剤としてFeアセチルアセトナート(Fe(acac)3)を0.1質量部、フラックス成分としてチオジグリコール酸を2.9質量部、保存安定化剤としてリン酸トリメチルを3質量部用意した。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
熱硬化性樹脂組成物に配合する液状エポキシ樹脂の配合量を14質量部とし、保存安定化剤を用いなかった。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例2)
熱硬化性樹脂組成物に配合するジグリコール酸の配合量を10質量部、リン酸トリメチルの配合量を8質量部とし、熱硬化性樹脂バインダー及び硬化剤を用いなかった。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例3)
熱硬化性樹脂組成物に配合するはんだ粒子として、融点950℃の銀粒子を82質量部用いた。他の条件は実施例1と同一として、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(評価試験)
各実施例及び比較例で得られた熱硬化性樹脂組成物(比較例2で得られたはんだ組成物を含む)を用いて、次のような評価試験を行った。
1.保存安定性評価
熱硬化性樹脂組成物を製造直後から24時間保存し、その後、粘度を測定した。
2.表面性状評価
配線板(FR−4グレード)の表面にAuメッキが施された端子(パット)を形成し、前記パットの表面に、通常の方法に従い、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷法で塗布した。塗布後の熱硬化性樹脂組成物の厚みは、約70μmであった。この配線板をオーブン内で150℃で10分間加熱し、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させた。この硬化物を指触し、粘着感の有無を下記評価基準で評価した。
「○」:粘着感がない(タックフリー)。
「×」:粘着感がある。
3.接続抵抗値評価
上記の「2.表面性状評価」の場合と同様の方法で配線板のパットに熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、このパット上に0Ωの1608チップ抵抗器を配置した。この状態で配線板に対し、リフロー炉内で、最高温度150℃の条件でリフロー処理を施し、配線板上に前記チップ抵抗器を実装した。
処理後のチップ抵抗器の電気抵抗を測定した。
4.部品シェア強度評価
上記の「3.接続抵抗値評価」の評価において配線板に実装されたチップ抵抗器のシェア強度を測定した。
5.評価結果
以上の評価試験による評価結果を下記[表1][表2]に示す。
Figure 0004936192
Figure 0004936192
なお、比較例2では、はんだ組成物は硬化せず、非ペースト状となり、保存安定性及び表面性状の評価を行うことができなかった。

Claims (8)

  1. 融点240℃以下のはんだ粒子、熱硬化性樹脂バインダー、ジカルボン酸を含むフラックス成分、有機リン酸エステルを含む保存安定化剤を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記有機リン酸エステルが、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルの中から選ばれるものであることを特徴とする請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記保存安定化剤の含有量が、記はんだ粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記フラックス成分が、下記構造式(1)で示されるものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    HOOCHC−X−CHCOOH …(1)
    ただし、上記構造式(1)中の−X−は、−O−、−S−、−S−S−のうちのいずれかである。
  5. 前記熱硬化性樹脂バインダーが、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記フラックス成分の含有量が、前記熱硬化性樹脂バインダーに対して1〜50phrの範囲であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記はんだ粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物全量に対して70〜95質量%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱硬化樹脂組成物を製造する方法であって、前記熱硬化性樹脂バインダーとして液状エポキシ樹脂を用いると共に、前記有機リン酸エステルを含む前記保存安定化剤を用い、融点240℃以下の前記はんだ粒子、前記液状エポキシ樹脂の一部又は全部、前記フラックス成分、前記保存安定化剤を予め混合・混練する工程と、この工程で得られた混合物に前記液状エポキシ樹脂の残部、硬化剤を添加する工程とを含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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