JP5471537B2 - 直流電源装置 - Google Patents

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Description

この発明は、交流直流変換を行う直流電源装置に関するものである。
従来の直流電源装置が有する整流回路では、商用電源から直流電源装置に入力される入力電流が商用電源の電圧と同期整流できないため、電源力率が悪く無効電力分が多い、すなわち電力利用率が悪いという課題がある。無効電力分とは供給される電力が直流電源装置を介し接続されている負荷側の装置によって消費されず、供給側に返還される分であり、供給元からみると発電・送電の効率が悪く、負荷側からみると供給された電力を有効に利用していない状態である。また、従来の直流電源装置では商用電源から入力される入力電流の波形が正弦波状の波形から歪む、すなわち高調波電流成分の含有率が多いという課題が生じ、同一の電源系統に接続された他の装置の動作を妨害したり送電設備を損傷させたりするという課題がある。これらは、国際規格(IEC61000−3)等によって改善を要求されており、その対策として特許文献1のように半導体スイッチング素子にてPWM制御を行い、電源力率の改善、電源高調波電流の抑制、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置が用いられている。
また、モータなどを駆動するインバータ回路では、近年の省エネ化に従い、特許文献2にあるようにパワー半導体モジュールに、炭化ケイ素(SiC)によるショットキーバリアダイオード(SBD)を用いパワー半導体モジュールの電圧降下による定常損失を減らしたり、パワー半導体モジュールのスイッチ速度(ターンオン速度)を速くしスイッチング損失を減らしたりすることで、モータなどの駆動効率は現状と同等で、パワー半導体モジュールの低損失化、低発熱化を図っている。
特開2001−286149号公報(第11−12頁、第1−4図) 特開2008−92663号公報(第3−4頁)
従来の商用電源に接続される一般的な電源力率の改善、電源高調波電流の抑制を行う直流電源装置では、20kHz〜25kHz程度のスイッチング周波数でスイッチングを行っているが、このスイッチングによって商用電源からの入力電流上に生じる電流リップルは大きく、この電流リップル成分を除去する手段すなわちフィルタ回路が必要となる課題がある。また、スイッチング周波数が低いとPWM制御による電流や電圧の時間制御も粗くなるため、電流リップルを除去した入力電流が正弦波の波形形状を維持できずに歪んだり、電源電圧との同期位相ずれが発生したりと課題がある。また、大きな電流リップル成分を除去ためのフィルタ回路では入力電流の位相に対する影響も大きいため、入力電流の波形を乱したり、歪ませたりする原因になる。すなわち、これら課題のため、机上設計通りすなわち制御回路が制御した通りの電源高調波電流を0とし電源力率を1とすることに課題があった。
その解決方法の一つとして、直流電源装置のスイッチング周波数を高周波化しPWM制御の時間制御をきめ細かで行って行く方法がある。スイッチング周波数の高周波化により電流リップルは小さくなり、電流リップル成分が除去する以外に影響が少ないフィルタ回路で電流リップル成分が除去することができるとともに、PWM制御のきめ細かな時間制御により歪みが少ない正弦波状の入力電流を生成することでき、机上設計に近い電源高調波電流の低減と高電源力率化とを行うことができる。
しかしながら、商用電源に接続される直流電源装置のスイッチング周波数を高周波化する場合、半導体スイッチング素子の高速スイッチング動作に追従し商用電源の電圧が印加されても絶縁破壊に耐えることができる高耐圧・大電流の整流素子が存在しないという課題があった。
また、従来の構成部品にてスイッチング周波数の高周波化を行うと、直流電源装置の電流が流れる経路上にある半導体素子すなわち整流用素子および半導体スイッチング素子の損失が大きくなり、直流電源装置の効率を低下させたり、損失による発熱に半導体素子が耐えられず焼損したりするという課題があった。
また、スイッチング周波数の高周波化を行うと、直流電源装置の半導体素子の損失増加による発熱の増加により、冷却装置が大型化・コストアップするという課題があった。
また、直流電源装置の半導体素子の高速スイッチング動作により、高周波ノイズが発生し、直流電源装置外の別の装置を誤動作させたり、直流電源装置自身を誤動作させたりする課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、直流電源装置の半導体スイッチング素子と協調動作をする整流素子に高速スイッチング動作ができ商用電源の電圧が印加できる半導体素子を使用することにより、スイッチング周波数の高周波化を実現し、電源力率が高く、電源高調波電流が低減された、高効率な直流電源装置を得ることが目的である。
この発明は、半導体スイッチング素子のスイッチング動作と協調動作をする整流素子に炭化ケイ素(SiC)あるいは窒化ガリウム(GaN)と金属とのショットキー接合にて形成されるとともに商用電源の電圧に対する耐電圧強度を有する半導体素子を使用したものである。
この発明は、半導体スイッチング素子のスイッチング動作と協調動作をする整流素子に炭化ケイ素(SiC)あるいは窒化ガリウム(GaN)と金属とのショットキー接合にて形成されるとともに商用電源の電圧に対する耐電圧強度を有する半導体素子を使用することによって、スイッチング周波数の高周波化を実現し、電源力率が高く、電源高調波電流が低減された、高効率な直流電源装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1におけるハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図である。 この発明の実施の形態1における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態1における回路を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態1における入力電流の説明図である。 この発明の実施の形態1における半導体素子を流れる電流の説明図である。 この発明の実施の形態1におけるスイッチング波形図である。 この発明の実施の形態1におけるスイッチング周波数と損失の関係図である。 この発明の実施の形態1におけるスイッチング周波数と電流リップルおよびリアクトル容量の関係図である。 この発明の実施の形態1における別形態のハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるハーフブリッジ型コンバータ回路の回路構成図であり、空気調和機などの家電製品に用いられている電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整を行う直流電源装置である。以降、本回路を例に挙げて説明していく。交流電源1は、ノイズフィルタ2、リアクトル3を介して整流回路4に接続されている。整流回路4すなわちダイオードブリッジ回路は、整流素子すなわちダイオード4c、4d、4e、4fで構成されており、整流回路4の正極端子側に整流素子4e、4f、負極端子側に整流素子4c、4dが接続され、その負極端子に電流検出用シャント抵抗6が接続されている。また、整流回路4の整流素子4c、4dと電流検出用シャント抵抗6とにはPWM制御にてスイッチング動作を行う半導体スイッチング素子5a、5bが接続されている。整流回路4の整流出力側には平滑用コンデンサ7が接続され、さらにその先には、空気調和機を動作させているインバータ装置などが接続されている。交流電源1は空気調和機の外から交流電力を供給し、交流電源1以外は空気調和機の中に設けられている。なお、交流電源1は、空気調和機のような家電製品を動かすために、一般的に商用電源入力AC100V〜240V程度で使用される。
図1において、交流電源1のR、Sラインは、ノイズフィルタ2の入力に接続され、ノイズフィルタ2の出力のR1、S1ラインがリアクトル3の入力に接続されている。ノイズフィルタ2は交流電源1から伝播するノイズを抑制するとともに、ノイズフィルタ2から交流電源1にノイズを伝播させないように抑制するという働きがあり、ノイズフィルタ2の内部で、交流電源1のRラインとノイズフィルタ2のR1ラインとが、交流電源1のSラインとノイズフィルタ2のS1ラインとがつながっている。リアクトル3の出力は整流回路4に接続され、整流回路4の正極端子は平滑コンデンサ7の正極に接続されPラインすなわち直流電源装置の正極出力端子を形成し、整流回路4の負極端子は電流検出用シャント抵抗6を介して、平滑コンデンサ7の負極に接続されNラインすなわち直流電源装置の負極出力端子を形成している。このような構成で、交流電源の電圧と電流は、ノイズフィルタ2とリアクトル3を介して、整流回路にて全波整流され、全波整流された脈流は平滑コンデンサ7にて平滑され、直流の電圧と電流すなわち直流電源に変換される。そして、変換された直流は空気調和機内の他の装置や回路、例えば、ファンモータや圧縮機を駆動するためインバータ装置などに供給されている。
また、直列に接続された整流素子4cと電流検出用シャント抵抗6とに、並列に整流素子4cとは逆極性すなわち逆の向きに電流が流れるように半導体スイッチング素子5aは接続されている。同様に、直列に接続された整流素子4dと電流検出用シャント抵抗6とに、並列に整流素子4dとは逆極性すなわち逆の向きに電流が流れるように半導体スイッチング素子5bは接続されており、半導体スイッチング素子5a、5bを制御して、交流電源1から入力される交流入力電流や平滑コンデンサ7の両端に発生する直流出力電圧を制御する。なお、電流検出用シャント抵抗6は、半導体スイッチング素子5a、5bを制御するための電流を検出する。
また、図1の制御ブロックは、平滑コンデンサ7の両端すなわちP−Nライン間の目標電圧値の指令信号すなわち目標出力電圧を出力する目標出力電圧発生器8と、目標出力電圧発生器8の出力である目標出力電圧とP−Nライン間の実際の電圧である直流出力電圧とが入力され目標出力電圧と直流出力電圧との誤差分を増幅した出力電圧誤差分信号を出力する出力電圧誤差増幅器9と、交流電源1の電圧を全波整流した正弦波基準波形信号を出力する電源同期回路10と、出力電圧誤差増幅器9の出力である出力電圧誤差分信号と電源同期回路10の出力である正弦波基準波形信号とが入力され出力電圧誤差分信号と正弦波基準波形信号とを乗算した出力電圧誤差増幅信号を出力する掛算器11と、電流検出用シャント抵抗6を流れる電流から発生させた実電流信号と掛算器11の出力である出力電圧誤差増幅信号とが入力され実電流信号と出力電圧誤差増幅信号との誤差分を増幅した電流誤差増幅信号を出力する電流誤差増幅器12と、半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチング周波数を制御する三角波を発生させる三角波発生器13と、三角波発生器13の出力である三角波と電流誤差増幅器12の出力である電流誤差増幅信号とが入力され三角波と電流誤差増幅信号とを比較してPWM駆動信号を出力する比較器14と、比較器14が発生するPWM駆動信号が入力されPWM駆動信号に応じて半導体スイッチング素子5a、5bをオン・オフすなわちスイッチングさせる半導体スイッチング素子駆動回路15と、によって構成されている。
次に、図2、図3を用いて回路動作すなわち交流電源1から平滑コンデンサ7までの電流の流れについて説明する。図2は、交流電源1の電圧が正の半波すなわち、交流電源1のRラインが正の電圧、Sラインが負の電圧がかかっている場合である。
図2において半導体スイッチング素子5a、5bがオンの場合、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、半導体スイッチング素子5a、電流検出用シャント抵抗6、整流素子4dおよびリアクトル3を経て、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち破線aのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。
また、図2において半導体スイッチング素子5a、5bがオフの場合、交流電源1のRラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のR1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4e、平滑コンデンサ7、電流検出用シャント抵抗6、整流素子4dおよびリアクトル3を経て、ノイズフィルタ2のS1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のSラインへ戻る経路すなわち点線bのループを電流が流れ、平滑コンデンサ7が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ7に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ7に充電するため、破線aのループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
次に図3は、交流電源1の電圧が負の半波すなわち、交流電源1のRラインが負の電圧、Sラインが正の電圧がかかっている場合である。
図3において半導体スイッチング素子5a、5bがオンの場合、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、半導体スイッチング素子5b,電流検出用シャント抵抗6、整流素子4cおよびリアクトル3を経て、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち破線cのループを短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流は増加し、リアクトル3にエネルギーが蓄えられる。
また、図3において半導体スイッチング素子5a、5bがオフの場合、交流電源1のSラインからノイズフィルタ2を介してノイズフィルタ2のS1ラインを通り、リアクトル3、整流素子4f、平滑コンデンサ7、電流検出用シャント抵抗6、整流素子4cおよびリアクトル3を経て、ノイズフィルタ2のR1ラインからノイズフィルタ2を介して交流電源1のRラインへ戻る経路すなわち点線dのループを電流が流れ、平滑コンデンサ7が充電される。このとき、リアクトル3に蓄えられたエネルギーが、交流電源1が供給する電力とともに平滑コンデンサ7に出力・充電されるので、直流出力電圧の昇圧が行われる。また、交流電源1はリアクトル3とともに平滑コンデンサ7に充電するため、破線cのループを短絡電流が流れる場合に対して、交流電源1からの入力電流は減少する。
以上の動作が繰り返され、電源電圧と入力電流とが同相となるように制御されるため電源力率が改善され、入力電流が正弦波となるため入力電流に含まれる高次成分の高調波電流すなわち電源高調波電流が低減され、リアクトル3に蓄えられたエネルギーによって直流出力電圧が昇圧させられる。なお、交流電源1がAC100Vの場合で、変換された直流電圧はDC400V程度まで昇圧可能であり、この範囲で直流電圧を可変制御する。
次に、入力電流が正弦波になる制御動作について説明する。図1の制御ブロックにおいて、目標出力電圧発生器8の目標出力電圧とP−Nライン間から検出される実際の直流出力電圧とから出力電圧誤差増幅器9にて出力電圧誤差分が演算され、直流出力電圧が調整される。すなわち、出力電圧誤差増幅器9は、目標出力電圧に対して直流出力電圧が不足であれば、入力電流を増加させリアクトル3に蓄えるエネルギーを増やし、目標出力電圧に対して直流出力電圧が過剰であれば、入力電流を減少させリアクトル3に蓄えるエネルギーを減らすように制御する。
次に、出力電圧誤差増幅器9の出力である出力電圧誤差分信号と電源同期回路10の出力である正弦波基準波形信号とから掛算器11にて正弦波状の出力電圧誤差増幅信号とする。正弦波基準波形信号はノイズフィルタ2の出力であるR1、S1ラインから検出したR1−S1ライン間の電圧すなわち交流電源1の電源電圧と同相の正弦波上の電圧を電源同期回路10にて信号に変換されたものである。交流電源1の電源電圧と同相の正弦波状の正弦波基準波形信号を使用することにより、掛算器11で電源電圧と同期した正弦波状の電流に制御する。交流電源1の入力電流を電源電圧と同期した同相の電流にすることで電源力率は1に近づき、交流電源1の入力電流を正弦波に近づけることにより入力電流に含まれる高次成分の高調波電流すなわち電源高調波電流が0に近づいていく。なお、正弦波基準波形信号はノイズを除去したノイズフィルタ2の出力側R1、S1ラインで取ることが望ましいが、入力側のR、Sラインでもノイズなどに問題がなければ使用しても構わない。
次に、正弦波基準波形信号と実電流信号とから電流誤差増幅器12にて電流誤差増幅信号が演算され、実際流れている電流が調整される。すなわち、電流誤差増幅器12では、正弦波基準波形信号に対して実際流れている電流が少なければ増加させ、多ければ減少させるように制御する。
最後に、電流誤差増幅器12の出力である電流誤差増幅信号と三角波発生器13の出力である三角波とからPWM駆動信号を比較器14にて生成する。比較器14にて生成されたPWM駆動信号にて半導体スイッチング素子5a、5bをオン・オフする。すなわち、三角波によって半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチング周波数が制御され、電流誤差増幅信号によって半導体スイッチング素子5a、5bのオン・オフ時間の比率が制御される。また、図2、図3にて説明した通り、半導体スイッチング素子5a、5bがオンの時、短絡電流が流れ、交流電源1からの入力電流が増加するとともにリアクトル3にエネルギーが蓄えられ、半導体スイッチング素子5a、5bがオフの時、交流電源1からの入力電流が減少するとともにリアクトル3に蓄えられたエネルギーが平滑コンデンサ7側に出力され、直流出力電圧の昇圧が行われる。
以上の動作を、半導体スイッチング素子5a、5bをスイッチングするスイッチング周波数すなわちスイッチング周期で、繰り返すことにより、入力電流と直流出力電圧が制御される。
ここで、半導体スイッチング素子5a、5bはPWM駆動信号にて駆動されるため、オン・オフを繰り返す時間すなわちスイッチング周期の長短によって入力電流の変化の状態が変わる。つまり、スイッチング周期が長い場合は、スイッチング周期内のオン・オフ時間も長くなるので、電流の変化時間も長く、変化量も大きくなり、図4(a)のように粗い正弦波波形の電流すなわち電流リップルが大きい正弦波電流となる。スイッチング周期が短い場合は、スイッチング周期内のオン・オフ時間も短くなるので、電流の変化時間も短く、変化量も小さくなり、図4(b)のように滑らかな正弦波波形の電流すなわち電流リップルが小さい正弦波電流となる。
なお、この電流リップルはノイズフィルタ2の中にノルマルコイルなどで構成された電流リップル成分を除去するフィルタ回路を設け、交流電源1側に流出しないようにしているが、電流リップルが大きければ大きいほど、除去する回路も大型化する。
直流電源装置において、電源力率を高くし、電源高調波電流を低く抑えるためには、より厳密な正弦波の波形に入力電流を近づけていく必要がある。そのためには、スイッチング周波数の高周波化する必要がある。すなわち、スイッチング周波数の高周波化により、きめ細かなPWM制御の時間制御を行い厳密な正弦波の電流を生成するとともに、電流リップルを小さくし電流リップル成分を除去するフィルタ回路の影響を小さくする必要がある。これにより、電流リップルを除去した後の入力電流も正弦波の波形から歪むことなく、また、同期位相ずれ等も生じること無くなる。
しかしながら、従来の半導体の構成で、スイッチング周波数の高周波化のため、スイッチング半導体の高速スイッチング動作(ターンオン、ターンオフ動作)を行った場合、電流の流れる状態の切替えの間に不要な電流が流れ、状態遷移のロスになっている。
図5にてスイッチング時の不要な回路電流が流れる状態遷移のロスについて説明する。図5は、図1および図2の説明にある整流素子4eと半導体スイッチング素子5aとその周辺を抜き出したもので、図2同様、半導体スイッチング素子5aがオンすると破線aの経路で電流が流れ、半導体スイッチング素子5aがオフすると点線bの経路で電流が流れる。また、図5中、Kは整流素子4eのカソード端子、Aは整流素子4eのアノード端子、Cは半導体スイッチング素子5aのコレクタ端子、Eは半導体スイッチング素子5aのエミッタ端子、Gは半導体スイッチング素子5aのゲート端子である。
半導体スイッチング素子5aがオフしているときは整流素子4eのアノード端子Aはカソード端子Kより高い電圧すなわち順バイアス電圧が印加されているので整流素子4eは通電状態となり、アノード端子Aからカソード端子Kに向かって電流が流れている。このとき、半導体スイッチング素子5aのゲート端子Gにオン信号が入力されると、半導体スイッチング素子5aはコレクタ−エミッタ端子間を通電できる状態にし、コレクタ端子Cからエミッタ端子Eに向かって電流を流すようになるが、整流素子4eのアノード端子Aはカソード端子Kより低い電圧すなわち逆バイアス電圧にゆっくり変化するとともに、整流素子4eが通電できる状態から通電を遮断する状態すなわち阻止する状態にゆっくり状態遷移する。すなわち、整流素子4eが半導体スイッチング素子5aと協調動作できない通電状態を短時間であるが発生し、図5中の実線eのように整流素子4eのカソード端子Kから半導体スイッチング素子5aのエミッタ端子Eに向かって流れる電流が発生する。すなわち、整流素子4eに逆回復電流が発生し、半導体スイッチング素子5aに流れ込む。半導体スイッチング素子5aがゲート端子Gに入力されるオン信号に対して能動的にコレクタ−エミッタ端子間の通電を行うことに対し、整流素子4eは半導体スイッチング素子5aが切替える電位差と電流の流れによって整流素子4e内の電荷の移動が生じ受動的に通電を阻止するので、動作が鈍い。
したがって、半導体スイッチング素子5aのオン・オフ時には、破線aの経路で電流が流れる状態と点線bの経路で電流が流れる状態の他に半導体スイッチング素子5aのスイッチング動作、特にオフからオンに状態推移する瞬間すなわちターンオン時に、実線eの経路で電流が流れる状態が存在するが、図2にて動作説明を行ったとおり、実線eの経路で電流が流れてもリアクトル3のエネルギーの充填または放出は生じず、入力電流が増加または減少したりはしない。すなわち、電源力率の改善、電源高調波電流の抑制、直流出力電圧の調整には無関係で不要な動作電流である。
一方、図5中の実線eの経路で逆回復電流が流れた場合、いくつかの問題が発生する。
例えば、図6は半導体スイッチング素子のコレクタ−エミッタ端子間の電圧波形であり、半導体スイッチング素子がターンオンする時の電圧波形である。半導体スイッチング素子がオフの場合、コレクタ−エミッタ端子間はスイッチの開放状態と同じ状態となるので、端子間にかかる最大電圧となり端子間を流れる電流が遮断される。半導体スイッチング素子がオンの場合、半導体スイッチング素子が電流を流すコレクタ−エミッタ端子間はスイッチの閉鎖状態と同じ状態となるので、端子間の電位差は0Vとなり端子間を電流が流れる。
半導体スイッチング素子がターンオンする時に流れる逆回復電流は、図6に図示していないが電流の時間変化すなわちdi/dtが極めて急峻であり、その電流が周辺回路のリアクタンス成分(L)とキャパシタンス成分(C)とLC共振し、図6(b)のようにリンキング電圧すなわち振動した電圧となって現れる。このリンキング電圧は、電磁ノイズとなり、周辺の回路に誤動作を誘引させたり、信号伝達の障害となったりする。特に、スイッチング周波数を高周波化にすると、発生の機会・頻度が増加し、高周波スイッチング実現の大きな課題となる。そのため、図1、図2、図3には図示していないが、電磁ノイズの対策のためノイズ対策部品を取付ける。通常この対策部品には回路上の配線に簡易的に取付けるフェライトコアなどの電子部品が使用されチョークコイルとして働く。また、これらのノイズ対策部品は、図に示す回路が同一でも、実際の回路形態や配線の引き回しの違いによって、効果が変わり、実際の回路形態に対し特有であるため、図示を省略している。これらは、回路や制御が実現しようとしている電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整の性能には無関係なので、単純に重量、サイズ、コストを押し上げ、回路効率を下げている。
また、この逆回復電流は半導体スイッチング素子を通過するため、電源力率の改善、電源高調波電流の低減、直流出力電圧の調整には貢献しない不要な電流による損失が半導体スイッチング素子に発生し発熱が増加する。この不要な損失のため直流電源装置の効率を悪化させ、この損失による発熱のため不要な大きさのヒートシンクなどの冷却装置が必要になる。また、理論上は図2、図3に示される電流を考慮した設計すなわち必要な容量または大きさの半導体チップで構成された半導体スイッチング素子の選定を行えば良いが、実際の設計は理論上の制御動作以外の電流分を考慮した熱耐力を有する余分な容量または余分な大きさの半導体チップで構成された半導体スイッチング素子を選定しないと実現不可能であった。特に、スイッチング周波数の高周波化実現のために大きな課題であった。
また、この不要な電流は、最終的に交流電源1からの入力電流を増加させるが直流電源としての出力にはならないので、回路の効率を下げるのみで課題であった。
なお、逆回復電流が発生する現象については、図3においても、全く同じで、図5中、整流素子4eと半導体スイッチング素子5aが、整流素子4fと半導体スイッチング素子5bに置き換わるだけで、同じ理論、説明で現象が説明できる。
この逆回復電流を低減し高速スイッチング動作実現のため、図1の回路において、この切替え動作の鈍い整流素子4eと4fとに、逆回復電荷が小さく逆回復時間が短い、すなわち、逆回復電流が小さい高速の阻止動作が可能なショットキーバリアダイオード(以降SBDと呼ぶ)を適用している。
SBDとはショットキー接合を利用したダイオードで、一般の整流素子である整流ダイオードはPN接合を用いている。PN接合では電流の輸送が主に半導体内の少数キャリアで行われることに対し、ショットキー接合では多数キャリアで行われるため、アノード端子からカソード端子への順方向の電圧降下が低く、スイッチング速度が速いという特長がある。一方、ショットキー接合ではカソード端子からアノード端子への逆方向に高電圧をかけた時の逆方向漏れ電流が大きく、逆方向耐電圧が低いという欠点があり、商用電源に直接接続し使用する高電圧・大電流回路では、漏れ電流による損失が大きく印加電圧に耐えられないということで使用されてこなかった。通常のSBDでは、逆方向耐電圧を保持するためドリフト層のキャリア濃度を下げると順方向電圧降下を上昇させる。逆に、順方向電圧降下を抑制するためにドリフト層のキャリア濃度を上げると逆方向漏れ電流が大きくなり、逆方向耐電圧が悪化するというトレードオフがある。これに対して、通常のSBDを構成する半導体であるシリコン(Si)と金属とのショットキー接合から半導体である炭化ケイ素(以降SiCと呼ぶ)や窒化ガリウム(以降GaNと呼ぶ)と金属例えばチタンとのショットキー接合にすることにより、逆方向漏れ電流の低減が図れるとともに、半導体と金属とが接合している界面を超平坦化し、界面に形成されるポテンシャル障壁であるショットキー障壁の高さを均一にする、すなわち金属原子と半導体原子とが界面化学反応によってそれぞれの原子が界面を通り越して拡散し界面の部分毎にショットキー障壁の高さがばらつくという現象を抑制していく構造や方法などと組合せて、逆方向耐圧を保持させたまま逆方向漏れ電流を低減させることができる。これにより、従来のSBDの順方向電圧降下と高速スイッチング動作の特長を維持しつつ、逆方向耐電圧と逆方向漏れ電流とが改善され、商用電源の印加電圧にも耐えられ、漏れ電流による損失も少ないので、高電圧・大電流回路に使用可能となる。すなわち、高電圧・大電流回路に使用可能なSiCを使用したSBDであるSiC−SBDが形成できる。図1の整流素子4eと4fとには、このSiC−SBDを使用している。なお、SiCの代わりにGaNを使用しても同じ効果のSBDが得られる。
これにより、半導体スイッチング素子を変更することなく、従来と同じものでも、整流素子とのスイッチング動作の協調動作はスムーズに行われるようになり、半導体スイッチング素子が持つ高速スイッチング動作が可能になる。
なお、スイッチング特性を改善されたSiC−SBDは整流回路に用いても、ダイオードが持つ整流作用は変わらない。よって、SiC−SBDを使用すると、高速スイッチング動作以外に、ドリフト層のキャリア濃度を調整して順方向電圧降下も抑制されているので、整流素子4e、4f自身の順方向電圧降下による損失も低減し、発熱も抑制される。
また、半導体チップのSiC化により、絶縁破壊電圧強度がシリコン(Si)に比べて約10倍と耐電圧強度が上がる上、扱える電流密度も大きく最大電流が大きくできるので、耐電圧強度を確保するドリフト層をSiC化し耐電圧強度アップと半導体チップ面積をそのままで大電流化とが図れる他、同程度の耐電圧強度と最大電流とを有する半導体チップであれば、耐電圧強度を確保する層を薄くし電流通過面積を減少させてシリコン(Si)の半導体チップと比べて小さい半導体チップとすることもできる。
また、半導体チップのSiC化により、同程度の性能のシリコン(Si)では200℃程度が熱限界であることに比べて、300℃程度まで動作可能と熱耐力が向上する上、熱伝導度がシリコン(Si)の約3倍と大きいので熱放散も向上する。
以上のように、半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチング動作により大きな逆回復電流が流れる整流素子4e、4fをSiC−SBDで構成することにより、逆回復電荷が非常に少なく逆回復時間が非常に短くなる、すなわち逆回復電流が非常に小さくなり、半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチング損失を少なくすることができる。例えば、商用電源入力がAC100Vの場合に一般的に用いられる定格逆耐圧600V、定格順電流6AのSiC−SBDでは逆回復電荷は約20nC程度と通常のシリコンPN接合ダイオードの150〜1500nCに比べ著しく小さくなっており、これによって発生する逆回復電流も小さくなっている。
図7は、商用電源AC100V入力の空気調和機において一般的な、定格逆耐圧600V、定格順電流20Armsクラスの半導体を用いたハーフブリッジ型コンバータ回路の整流素子に一般的なシリコンPN接合ダイオードを用いた場合とSiC−SBDを用いた場合との半導体スイッチング素子であるIGBT1素子分の損失を表すグラフであるが、現行の最大スイッチング周波数24kHzにて駆動している場合、SiC−SBDを用いると約4.5Wの損失の減少が認められる。半導体スイッチング素子は5a、5bと2個あるので、合計約9Wの損失改善となり、ターンオン時の損失の約60%に当たる。また、図7に示す半導体スイッチング素子のスイッチング損失以外に順方向電圧降下による損失など整流素子すなわちSiC−SBD自身の損失が約3W低減させる結果が得られている。これは、回路全体で、約12Wの損失改善となり、省エネ、効率性能アップが要求される空気調和機に適用した場合、大きく貢献できる。
スイッチング周波数が現状のままであるならば、この損失改善分は放熱部品、たとえばヒートシンクの小型化を実現し、配置場所の制約緩和やコストダウン、電気品のサイズダウンにも貢献する。また、ヒートシンクと半導体スイッチング素子や整流素子の間に塗布するシリコンコンパウンドすなわち放熱用グリスの量を減らしたり、同様にヒートシンクと半導体スイッチング素子や整流素子の間に挟む放熱用シートを熱抵抗の大きいものに替えたりし、安価な製作とすることが可能である。また、ヒートシンクと半導体スイッチング素子や整流素子の接触面をフライス加工などによる超平坦化を行い、できる限り小さな接触抵抗を維持していたが、冷却性能に余裕ができれば、フライス加工などの時間を要する加工を省略することができ、より安価な製作とすることが可能である。
また、発熱を低減した効果を転用し、冷却装置は現在の状態を維持し発熱が現状と同じ程度にまでスイッチング周波数を上げることもできる。
また、同様に、発熱を低減した効果を転用し、冷却装置とスイッチング周波数とは現在の状態を維持し発熱が現状と同じ程度にまで入力電流を大きくし、回路の大容量化を図ることもできる。
また、スイッチング周波数が現状のままであるならば、商用電源を直接変換して用いられる高電圧・大電流回路では、設計時に理論以上の電流を考慮した熱耐力を有する余分な容量または余分な大きさの半導体チップで構成された半導体スイッチング素子を選定していたが、逆回復電流が小さくすることにより、現在の設計に比べ小さな半導体チップを有する半導体スイッチング素子で十分な回路動作が実現可能となる。
また、スイッチング周波数が現状のままであるならば、図6(b)に示されていたリンキング電圧すなわち振動した電圧の成分および現象は、図6(a)のように現象が起きる時間が短くなり振幅が小さくなる。よって、発生していたノイズも減少し、信号伝達の障害も抑制される。そのため、ノイズ対策部品であるチョークコイルの必要数、重量、サイズの削減が可能となり、チョークコイルの抵抗分による電力損失も低減することができ、直流電源装置の高効率化に寄与する。
また、高速スイッチング動作を行うことによりスイッチング周波数の高周波化を行うと、例えば、図7のスイッチング周波数と半導体スイッチング素子であるIGBT1素子分の損失の関係を説明する図によれば、SiC−SBDを用いた場合、現行のシリコンPN接合ダイオードに対して半導体スイッチング素子のターンオン時の損失約9W(1素子分は約4.5W)まで損失を増加させスイッチング周波数を上昇させることができる結果が得られる。これは約10kHzアップに相当する。すなわち、回路全体では、SiC−SBDを用いたことによる約12Wのターンオン時の損失と順方向電圧降下による損失との損失改善分を用いて、約12W損失が増加するがスイッチング周波数アップに用いた場合、従来のスイッチング周波数である約20kHz〜約25kHz程度から約35kHz〜約40kHz程度までスイッチング周波数アップが可能となる。すなわち、従来の回路および構成を維持したまま、従来困難であった25kHz以上のスイッチング周波数を実現でき、高い電源力率と電源高調波電流の低減とができる直流電源装置が得られる。
また、このスイッチング周波数アップによって、図2、図3にて説明する1回のオン・オフによる電流経路の切替え、例えば破線aの経路と点線bの経路との切替えにおいて、リアクトル3がエネルギーを充填および放出する時間と量が少なくなるので、リアクトル3の容量は小さくて済み、小型化、軽量化できる。例えば、約20kHzを約40kHz程度に引き上げるとして、約2倍のスイッチング周波数となることにより、図8に示すようにリアクトル3の容量すなわちリアクタンス値は約220μH、約50%減(約半分)の容量とすることができる。リアクトル3のコアが同一であれば、巻き数を半減でき、銅巻き線の使用量が減りコスト低減になる他、リアクトルの銅損も半減するため全体効率が改善する。リアクトル3のコア、巻き線の材質によって差異があるが、大きな電流を流す空気調和機の場合、リアクトルの損失は大きく、銅損の半減による高効率化は非常に大きい。また、スイッチング周波数アップによる高周波化によって、コア材料にも低周波ではその効果・効力が薄い高周波高磁性材料を使用することができるようになるためコアの小型化が可能となる。よって、リアクタンス値を約半分としてコアを含めた再設計を行えば、商用電源を直接変換して用いられる高電圧・大電流回路で、現行より小型で損失の少ないリアクトルの設計が可能であり、コストが低減するほか、大きな発熱部品であったリアクトル3の配置制約が緩和され、電気品の小型化も可能となる。
また、このスイッチング周波数アップによって、電流リップルが小さくなるので、ノイズフィルタ2の小型化、軽量化もできる。リアクトル3同様、例えば、約20kHzを約40kHz程度に引き上げるとすると、図4にて説明した入力電流の中に含まれる電流リップルは図8のように約5A、約50%(約半分)程度小さくなり、交流電源1側へ電流リップル分を流出しないようにするノイズフィルタ2の中に設けられたノルマルコイルなどで構成される電流リップル成分を除去するフィルタ回路において、ノルマルコイルなどの容量も約半分に設計し直せるなど電流リップルを除去するフィルタ回路の小型化が可能となる。また、回路の構成部品も高周波材料を用いるため、全体の体積が小さくなり、商用電源を直接変換して用いられる高電圧・大電流回路で、ノイズフィルタ2の小型化、軽量化、低コスト化できる。
また、このスイッチング周波数アップによって、PWM制御の時間制御がきめ細かに制御できるようになり、電流リップルの減少によってフィルタ回路が有する電流リップルを除去する性能を縮小させ、フィルタ回路が電流位相などに及ぼす影響を減少させることができるようになり、電流リップルが除去された後の入力電流であっても厳密な正弦波に近づき、電源電圧との同期位相ずれなどは発生せず、高い電源力率と低い電源高調波電流とにすることができる。
また、半導体スイッチング素子5a、5bと協調動作を行う整流素子4e、4fにSiC−SBDを使用することによって実現させるため、残りの整流素子4c、4d、半導体スイッチング素子5a、5bを従来の半導体構成部品から変更するような大きな設計変更を行う必要なく実現可能である。
以上の説明では、高速スイッチング動作において、最も効果が高い半導体スイッチング素子5a、5bと協調動作を行う整流素子4e、4fにSiC−SBDを使用した例を説明してきたが、整流素子4c、4dにもSiC−SBDを使用しても構わない。整流素子4c、4dにSiC−SBDを使用した場合、SiC−SBDの持つ順方向電圧降下の改善特性により、整流素子4c、4dの損失も低減され、回路全体の効率が改善できる。もちろん、整流素子4c、4dは損失の低減により、整流素子4c、4dに対応するヒートシンクなどの冷却装置は小型化できる。なお、整流素子4c、4dは、高速スイッチング動作の影響は僅かなので、SiC化したダイオードであれば、特にSBD構造のダイオードを用いなくても構わない。
また、半導体スイッチング素子5a、5bをSiC化しても構わない。半導体スイッチング素子5a、5bをSiC化あるいはGaN化することで、ワイドバンドギャップを持った半導体スイッチング素子となり、小さな半導体チップで高耐圧化ができる他、電流が半導体スイッチング素子5a、5b内を通過する時の順方向電圧降下すなわち内部抵抗が下がるので、半導体スイッチング素子5a、5b自身の損失の低減となる。なお、半導体スイッチング素子5a、5bの損失の低減により、半導体スイッチング素子5a、5bに対応するヒートシンクなどの冷却装置は小型化できる。また、半導体スイッチング素子5a、5b、整流素子4c、4d、4e、4fが同一のヒートシンクに取付けられていれば、これらの素子のSiC化あるいはGaN化によって、ヒートシンク全体としても小型化でき、放熱構造の制約緩和などに貢献できる。
また、半導体スイッチング素子5a、5b、整流素子4c、4d、4e、4fはSiC化により、高電圧・大電流に対する耐力も向上する。
例えば、高速・高周波のスイッチングを行うと、サージ電圧やサージ電流を発生し、障害を引き起こす。しかし、これらのサージ電圧やサージ電流が、交流電源1側から直流電源装置に侵入する場合や平滑コンデンサ7から先につながるファンや圧縮機の駆動回路のような他の装置から発生・伝達される場合でも、整流素子4e、4fはSiC化により、故障し難くなる。さらに、整流素子4c、4d、4e、4fとSiC化すると、例え、半導体スイッチング素子5a、5bが、サージ電圧やサージ電流により、故障したとしても、整流素子4c、4d、4e、4fを使った通常の整流動作は行えるので、他の装置への電力供給は可能であり、故障の状態・原因などの制御メモリーへの記憶や電力供給の停止、継続などの判断が余裕を持って可能となる。
もちろん、半導体スイッチング素子5a、5b、整流素子4c、4d、4e、4fもSiC化することで、さらに故障し難い直流電源装置となる。
なお、この半導体スイッチング素子5a、5bがIGBTのようなトランジスタの場合、半導体スイッチング素子にオンさせるPWM駆動信号が入力され、コレクタ−エミッタ端子間に順方向の電圧すなわち順バイアス電圧が印加されるとコレクタ端子Cからエミッタ端子Eの順方向に電流は流すが、コレクタ−エミッタ端子間に逆方向の電圧すなわち逆バイアス電圧が印加されてもエミッタ端子Eからコレクタ端子Cの逆方向に電流は流さない。よって、交流電源1の電圧の正負によって半導体スイッチング素子5a、5bのコレクタ−エミッタ端子間にかかる順バイアス電圧、逆バイアス電圧に寄らず、半導体スイッチング素子5a、5bに同一のPWM駆動信号を入力し同時にオン・オフしても、半導体スイッチング素子5a、5bのいずれかにのみ電流が流れる経路以外発生しないので、例えばコレクタ−エミッタ端子間に流れる電流を阻害するような問題はない。
また、一般的な直流を交流に変換しモータなどを駆動するインバータ装置のように、Pラインにコレクタ側が接続され上アームを構成する半導体スイッチング素子とNラインにエミッタ側が接続され下アームを構成する半導体スイッチング素子とがあり、その上アームのエミッタ側と下アームのコレクタ側とが接続され上アームと下アームとで一組のアームを構成し、例えば、3相モータを駆動する場合には3アーム、6個の半導体スイッチング素子で構成される回路の場合、上下アームのいずれかがスイッチングを行った瞬間に各上下アームに並列に設けられているダイオードに逆回復電流が流れる。しかし、6個あるダイオードのうち、どのダイオードの逆回復電流がどの半導体スイッチング素子に流れ込むか、予め類推して設計していくことは非常に複雑で時間を要する。さらに、モータを駆動するための回転数を変える周波数制御や出力電圧を可変させる電圧制御を行うPWM制御では、PWM駆動信号のパルスパターンは複雑な上、上下アームのいずれか2つ以上が同時にスイッチングを行い電流が流れるパターンなども発生する。すなわち、半導体スイッチング素子との協調動作が複雑で、電圧のdv/dtと電流のdi/dtの影響と電流の流れとを考え設計あるいは制御変更を行っていくことは容易ではない。よって、一般的なインバータ装置では必ずしも単純なダイオードのSiC化はノイズ対策の削減とはならない場合が多い。
これに対して、本発明の交流電源の交流を直流に変換する直流電源回路は、整流回路4の負極側と電流検出用シャント抵抗6とに並列に接続された半導体スイッチング素子すなわちNラインに接続された半導体スイッチング素子にてスイッチングを行う構成とし、この構成にて、交流電源の電圧は一定の実効値でスイッチング周波数もほぼ一定の状態で入力電流を制御し、電源力率の改善と、電源高調波電流の低減と、直流出力電圧を可変する制御を行うため、PWM制御のPWM駆動信号のパルスパターンは、複雑にならず、簡素である。そのため、半導体スイッチング素子と協調動作を行う部品を対策しリンキング電圧やリンキング電流すなわちLC成分にて共振し振動となって現れる電圧や電流を抑制した設計あるいはこれに適した制御に変更することは容易であり、整流素子4e、4fにSiC−SBDを使用したとしても、制御動作を阻害し回路構成に支障をきたす問題はない。
また、電流検出用シャント抵抗6を1個備え、1箇所から、図2、図3の正の半波、負の半波での電流を共通に検出しているが、正の半波と負の半波とで別々のシャント抵抗を用いて切替えて検出しても構わない。また、シャント抵抗ではなく、カレントトランスなどの電流センサーや半導体スイッチング素子に取り込まれたカンレントミラー回路であっても構わない。
また、逆回復電流低減による損失改善分を電磁ノイズ対策に利用することもできる。
半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチ速度すなわちターンオフまたはターンオンする速度を遅くする、すなわちゲート端子に接続されている図示していないゲート抵抗などを大きくするなどの変更を行うと、半導体スイッチング素子5a、5bのスイッチング損失は増加する。一方、半導体スイッチング素子5a、5bのターンオン時の逆回復電流の変化すなわちdi/dtも緩やかな変化となり、電磁ノイズが抑制される。整流手段のSiC−SBD化による約12Wの損失改善分を用いて、約12W損失が悪化するが半導体スイッチング素子5a、5bのターンオン、ターンオフする速度を遅くする効果に用いた場合、計算上であるが、効率同一であれば半導体スイッチング素子5a、5bのコレクタ−エミッタ端子間の電圧変化であるdv/dtを約1/2に抑えることができる。直流電源装置の効率は従来と同等となるが、特に100MHz近傍の放射ノイズを大幅に抑制できるため、ノイズ対策部品であるチョークコイルの必要数、重量、サイズの削減が可能となる。
以上により、半導体スイッチング素子と協調動作する整流素子に、逆回復電荷が少なく逆回復電流が小さい高速スイッチング動作が可能なショットキー接合で形成され、商用電源AC100V〜240V程度の交流電圧あるいは商用電源が整流・平滑・昇圧され商用電源の電圧程度から商用電源の電圧の2倍以上に変換された直流電圧が印加されても絶縁破壊に耐えられるSiCまたはGaNにて構成されたSBDを使用することによって、商用電源が印加される回路であってもスイッチング周波数の高周波化が行え、交流電源の入力電流上の電流リップル成分を低減し、電流リップルを除去する手段すなわち回路の入力電流に対する影響を抑制することができるので、机上設計通りすなわち制御回路の制御動作通りの高電源力率で電源高調波電流が抑制された直流電源装置を得ることができる。
また、半導体スイッチング素子と協調動作する整流素子をSiC−SBDとすることによって、従来の回路構成、回路部品を大きく変更することなく、高電源力率で電源高調波電流が抑制された直流電源装置が実現できる。
図9は、この発明にかかる別の実施の形態であり、ハーフブリッジ型コンバータ回路の一部または全部を、絶縁樹脂でモールドし、一つのモジュール20に集積したものである。したがって、基本的な構成は実施の形態1と同様である。
図9において、大電流が流れる電子部品である整流回路4、半導体スイッチング素子5a、5bおよび電流検出用シャント抵抗6を、薄膜配線に比べて十分配線厚が厚いリードフレームで接続し、これらを絶縁樹脂でモールドし、集積化して一つのモジュール20としたものである。モジュール20の20a〜20gは基板にモジュールを取付ける基板取付け端子であるとともに、モジュール内に通電したり、信号を伝達したりする電極である。このモジュール20は、基板取付け端子20a〜20gを介して回路基板の薄膜配線上に半田にて取付けられる。これで、他の電子部品例えば、平滑コンデンサ7などと基板の薄膜配線を介して接続される。モジュール20が基板に取付けられたとき、例えば、直方体上のモジュールの両側に基板取付け端子20a〜20gが設けられるデュアルインライン型のモジュール構造の場合、モジュール20は基板と対抗する面とは逆側にリードフレームからつながる金属面が露出するように半田付けされ、金属面がモジュールの放熱を行う。この金属面に放熱用のヒートシンクを取付け、さらに効率よく放熱を補助する。なお、このモジュールの金属面は放熱構造を良くするために露出しているので、放熱効率が良ければ露出させず絶縁樹脂で全てモールドされていても構わない。また、デュアルインライン型のモジュール構造の場合について説明したが、シングルインライン型でも同様で、モジュール20の露出した金属面にヒートシンクを取付けて放熱を行う。なお、動作については、図1のものと同様につき、その説明を省略する。
以上により、整流回路4、半導体スイッチング素子5a、5bおよび電流検出用シャント抵抗6を、絶縁樹脂でモールドし、集積化して一つのモジュール20とすることにより、薄膜配線基板上にこれらを構成した場合に比べ、基板サイズを小型化することができる。特に空気調和機などの家電製品のように商用電源入力AC100〜240V、20A、直流変換出力DC400V程度の高電圧大電流を使用し、狭いスペースに電気品を収納しなければならない製品に有効に利用できる。商用電源入力AC100〜240V、20A、直流変換出力DC400V対応の薄膜配線は広いパターン幅、沿面、空間距離が必要であるが、モジュール化することによりこれらの制約がなくなり、小型化が可能となる。
また、半導体素子をそれぞれ回路基板に半田付けにて実装することに比べて、一つのモジュール部品で実装できるため、組立て性も向上する。
また、整流素子4e、4fをSiC−SBDにしたモジュールの例であるが、整流素子4c、4dや半導体スイッチング素子5a、5bをSiC化しても構わない。図1で説明したものと同じ効果が得られる。
さらに、整流素子4e、4fをSiC−SBDとしているため、半導体スイッチング素子5a、5b側の損失を抑えることができるとともに、SiC−SBD自身の発熱量が減っているため放熱機構の簡素化などができるためモジュール20の小型化が行える。また、不要な電流による損失を見越した設計の必要がなくなるため、設計理論どおりの十分に小さな半導体チップを選択でき、さらにモジュール20の小型化が行える。
また、集積化、モジュール化により一つの放熱機構に発熱を有する半導体素子を取付けることができるため、放熱機構を集中化・小型化や実装・組立ての効率化が図れる。
また、さらなる高周波化にともなうノイズ発生の対策を行う場合、発生源が一つのモジュールとその周辺回路にまとまっているため、小さな範囲で集中的なシールドで封じることができ、ノイズ対策費や方法が簡単にできる。
さらに、損失が減るとともにSiC化により熱耐力、熱放散が向上しているため、密閉に近いシールド対策も可能となり、柔軟な対策ができる。
塵埃や異物などによりトラッキングなどの対策もモジュール化・小型化により、広範囲に対策を施すことなく、コストも安く実現できる。また、損失が減るとともにSiC化により熱耐力が向上しているため、風路などのモジュールの放熱機構を犠牲にしても対策できる。
また、SiC化によりモジュールの耐電圧強度も引き上げることが容易となったため、日本国内の商用電源入力AC100V、AC200Vと海外の商用電源入力AC240Vなどのように個別に設計されていたが、一つのモジュールで日本から海外までワールドワイドな電源に対応できるようになる。よって、商用電源入力AC100〜240Vというような電源対応が図れ、製品の利便性や設計の効率化などが図れる。
また、従来どおり、AC100V対応、AC200V対応などのように各電源個別に回路・装置を作り、製品を供給する場合でも、モジュール部品を交換するだけで、生産が可能となり、設計が共通化することができる。
また、モジュール20を回路基板に実装した場合、モジュール20が小型となるため薄膜配線基板上の薄膜配線による回路ループの面積が小さくなり、配線の長さが短くなるため、薄膜配線の配線インダクタンスに起因する放射ノイズおよびこの放射ノイズによる誤動作を抑制することが可能となる。また、電流検出用シャント抵抗6をモジュール20内に取り込まずに外付けし、電流検出用シャント抵抗6の抵抗値を変更することにより電流検出レベルの設定を容易に行うことができるような構成や、半導体スイッチング素子駆動回路を内蔵して、制御信号を直接モジュール20に接続する構成が可能となる。
なお、電流検出用シャント抵抗6も必要に応じて、モジュール20内に集積し半導体素子と同時にモールドし一つのモジュールとしても構わない。
以上、モジュールを回路基板に実装した薄膜配線基板は、モジュールの小型化、ノイズ対策規模の縮小化、放熱対策の規模縮小化によって、小型化が可能となり、安価で、小型で、効率や性能が高く、ノイズの発生が低く、誤動作などに対して信頼性の高い直流電源装置を得ることができる。
また、モジュール内の半導体素子において、少なくとも半導体スイッチング素子と協調動作する整流素子に、逆回復電荷が少なく逆回復電流が小さい高速スイッチング動作が可能なショットキー接合で形成され、商用電源AC100V〜240V程度の交流電圧あるいは商用電源が整流・平滑・昇圧され商用電源の電圧程度から商用電源の電圧の2倍以上に変換された直流電圧が印加されても絶縁破壊に耐えられるSiCまたはGaNにて構成されたSBDを使用することによって、商用電源が印加される回路であってもスイッチング周波数の高周波化が行え、交流電源の入力電流上の電流リップル成分を低減し、電流リップルを除去する手段すなわち回路の入力電流に対する影響を抑制することができるので、机上設計通りすなわち制御回路の制御動作通りの高電源力率で電源高調波電流が抑制された直流電源装置を得ることができる。
なお、本発明は空気調和機を例に説明してきたが、直流電源を使用した空気清浄や送風を行う送風機や、冷凍庫・冷蔵庫やショーケースなどの冷凍装置、温水を供給する給湯器であっても使用可能である。また、チラーなどのように水やブラインなどを使用する冷凍機、空気調和機においても同様に使用可能である。
1 交流電源
2 ノイズフィルタ
3 リアクトル
4 整流回路
4c 整流素子
4d 整流素子
4e 整流素子
4f 整流素子
5a 半導体スイッチング素子
5b 半導体スイッチング素子
6 電流検出用シャント抵抗
7 平滑コンデンサ
8 目標出力電圧発生器
9 出力電圧誤差増幅器
10 電源同期回路
11 掛算器
12 電流誤差増幅器
13 三角波発生器
14 比較器
15 半導体スイッチング素子駆動回路
20 モジュール
20a 基板取付け端子1
20b 基板取付け端子2
20c 基板取付け端子3
20d 基板取付け端子4
20e 基板取付け端子5
20f 基板取付け端子6
20g 基板取付け端子7

Claims (6)

  1. 正極端子に第1の正極側整流手段と第2の正極側整流手段とが並列に接続され負極端子に第1の負極側整流手段と第2の負極側整流手段とが並列に接続され前記第1の正極側整流手段と前記第1の負極側整流手段との間に商用電源の一端が接続され前記第2の正極側整流手段と前記第2の負極側整流手段との間に前記商用電源の他端が接続された整流回路と、前記整流回路の前記負極端子に接続され前記整流回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段および前記第1の負極側整流手段に並列に接続された第1のスイッチング手段と、前記電流検出手段および前記第2の負極側整流手段に並列に接続された第2のスイッチング手段と、前記電流検出手段が検出した前記電流に基づき前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段とのオン・オフ時間の比率を制御する制御信号を生成する制御手段と、前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段との25kHzを超えるスイッチング周波数を制御する三角波と前記制御信号とを比較しPWM駆動信号を生成する比較手段と、前記PWM駆動信号にて前記第1のスイッチング手段と前記第2のスイッチング手段とを駆動する駆動手段と、を備え、前記第1のスイッチング手段と協調動作する前記第1の正極側整流手段および前記第2のスイッチング手段と協調動作する前記第2の正極側整流手段は炭化ケイ素あるいは窒化ガリウムと金属とのショットキー接合にて形成された構造であるとともに前記商用電源の電圧に対する耐電圧強度を有する半導体素子であることを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記第1の正極側整流手段と前記第2の正極側整流手段とは前記商用電源の電圧の2倍に変換された直流電圧に対する耐電圧強度を有する半導体素子であることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記第1の負極側整流手段と前記第2の負極側整流手段とが炭化ケイ素あるいは窒化ガリウムで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の直流電源装置。
  4. 前記第1のスイッチング手段および前記第2のスイッチング手段が炭化ケイ素あるいは窒化ガリウムで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の直流電源装置。
  5. 前記整流回路、前記第1のスイッチング手段および前記第2のスイッチング手段を一つのモジュールに集積したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の直流電源装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の直流電源装置が供給する直流出力を使用し送風機あるいは圧縮機を駆動することを特徴とする冷凍空調装置。
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