以下に、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
(1)はじめに
実施形態に係るゲームサーバが組み込まれたゲームシステムGの構成例について、図1に示す。ゲームシステムGは、ゲームを配信するゲームサーバ1と端末3との間の通信により実現されるオンラインゲームを端末3の実ユーザに提供する。図示されるように、ゲームシステムGは、インターネットなどのネットワーク2に接続されたゲームサーバ1と、当該ゲームサーバと通信可能に接続される端末3a、3b、3c、・・・、3n(以下、総称して端末3と記載する)とを備えている。
ゲームサーバ1は、ゲームを提供するためのアプリケーションソフトウェアを実装したホストコンピュータである。ゲームサーバ1は、実ユーザが端末3へ入力した操作に応じて、ゲームを進行するための演算処理を実行する。ネットワーク2は、例えばインターネットなど、ゲームサーバ1と端末3との間でデータの送受信が可能な通信網である。
端末3は、実ユーザゲームの提供を受けるクライアントコンピュータであって、ゲームサーバ1から送信される画像データを表示する機能と、実ユーザの操作を入力し、ゲームサーバ1へと送信可能な機能とを有する。
ゲームシステムGにおいて、ゲームサーバ1は、演算処理の結果としてゲームを表現する画像(以下、ゲーム画像と記載)を端末3に送信し、表示させる。端末3は、表示した画像に対して入力される実ユーザの操作をゲームサーバ1に送信する。実ユーザの操作を受信したゲームサーバ1は、操作内容に応じた演算処理を実行し、処理結果を示すゲーム画像を更に端末3に送信し、表示させる。こうした一連の処理の繰り返しにより、実ユーザは、端末3上においてゲームを遊戯することが可能となる。
また、ゲームシステムGは、複数の実ユーザがそれぞれの端末3を介して同時にゲームの提供を受け、互いにコミュニケーションを取りながら遊戯することができる、いわゆるソーシャル要素を有するソーシャルゲーム40を提供する。
(2)用語の説明
本実施形態において用いる用語の定義について、以下に説明する。
本実施形態では、ソーシャルゲーム40のユーザについて、便宜上「実ユーザ」と「仮想ユーザ」との二つの概念を用いている。「実ユーザ」とは、ゲームを遊ぶ主体となるユーザであって、端末3を操作することでゲームサーバ1に操作内容を入力する遊戯者である。
「仮想ユーザ」とは、実ユーザの操作に基づいて行動する、ゲーム内の仮想的なキャラクタである。仮想ユーザは、ソーシャルゲーム40のプログラムに従って行動するゲーム内の他のキャラクタと同様に、ゲーム内の画像やテキストにより表現されるアバターやキャラクタ名として他の実ユーザに知覚される。また、将棋ゲームの指し手など、画像やテキストから直接的には知覚されないものの、実ユーザの操作に基づく行動の主体として間接的に知覚される存在であってもよい。
ソーシャルゲーム40内において、仮想ユーザは実ユーザの単なる操作対象となるだけではなく、実ユーザそのものを代理する存在であると言える。例えば、仮想ユーザには、ソーシャルゲーム40内における能力の尺度を示すレベルや攻撃力などのパラメータが割り当てられる。仮想ユーザに何らかの行動を行わせた場合の成否の判断など、実ユーザの操作に対する処理は、主としてこれらのパラメータに基づいて決定される。また、ある実ユーザが、自分の操作対象とは異なる仮想ユーザを知覚することで、その仮想ユーザを操作する他の実ユーザの存在を認識し、その実ユーザとメッセージを交換したり、共同して遊戯したりするなど、ゲームに応じた交流を図ることができる。
「仮想世界」とは、ゲームサーバ1により提供される画像やテキストなど各種データによってゲーム内に構成される(言い換えれば、表現される)仮想的な世界である。
「アイテム」とは、ゲーム内における仮想ユーザの所有物であり、ソーシャルゲーム40内で用いられる能力値などのデータが割り当てられるものである。アイテムは、仮想ユーザに割り当てられるパラメータを変更したり、実ユーザの操作内容に対して特殊な処理を適用したりすることで、ゲームの進行に影響を与える。なお、「品目」との意味に示されるような何らかの物品に限らず、仮想ユーザが持つ魔法などの能力や飼育する動物類など、何らかの形で所有可能な概念をアイテムとして扱ってよい。
(3)ソーシャルゲームの概要
続いて、実施形態に係るソーシャルゲームの例であるソーシャルゲーム40の概要について説明する。
本実施形態のゲームサーバ1により提供されるソーシャルゲーム40の一例として、冒険や戦闘を題材としたゲームを提供する場合について説明する。本実施形態のソーシャルゲーム40では、実ユーザがゲーム内において仮想ユーザを操作し、ゲーム内に構成された仮想世界を冒険したり、他の仮想ユーザやゲーム内キャラクタと戦闘や交流したりすることができる。また、実ユーザが操作する仮想ユーザは、冒険や戦闘などゲームの進行に応じてアイテムを取得することができ、このアイテムを用いることでゲームの進行を有利に進めることができる。
本実施形態では、冒険や戦闘や交流など、ソーシャルゲーム40内の異なる複数のゲーム要素を便宜上それぞれ個別のゲームパートとして定義して説明する。図2は、ソーシャルゲーム40について、構成するゲーム要素たる複数のゲームパートを図示した概念図である。
図2に示されるように、ソーシャルゲーム40は、クエストパート41、合成パート42、バトルパート43、ガチャパート44、トレードパート45、ユーザパート46及びボーナスパート47の複数のゲームパートを含む。本実施形態では、これら複数のゲームパート41〜47が、相互に関係し、または独立して存在することで、実ユーザに多様な興趣を提供する一のソーシャルゲーム40を表現している。以下、単にゲームまたはソーシャルゲーム40と記載した場合は、これら複数のゲームパートを包含したソーシャルゲーム全体を示すものとする。
クエストパート41は、「探索、探求、冒険」の意味を有する「クエスト」との名称が示すように、仮想世界を冒険することを題材としたゲームパートである。クエストパートでは、実ユーザは、仮想ユーザの行動を操作して仮想世界を冒険させることで、ストーリーを進行させたり、アイテムを取得したりすることができる。
合成パート42は、仮想ユーザが所持するアイテム同士を組み合わせて異なるアイテムに変化させる、いわゆるアイテムの合成を題材としたゲームパートである。
バトルパート43は、仮想ユーザと、他の仮想ユーザやゲーム内キャラクタとの戦闘(つまり、バトル)を題材としたゲームパートである。
ガチャパート44は、硬貨を自動販売機に投入してカプセル入りのおもちゃが出てくる様子を表した「ガチャガチャ(登録商標)」を題材としたゲームパートである。ガチャパートでは、実ユーザは、仮想ユーザが所持するゲーム内通貨などを支払うことで、ガチャにより抽選を行い、抽出されたアイテムを取得させることができる。
トレードパート45は、仮想ユーザが所持するアイテムを交換(つまり、トレード)することを題材としたゲームパートである。トレードパートでは、実ユーザは、仮想ユーザが所持するアイテムを、他の仮想ユーザやゲーム内キャラクタなどとトレードすることで、異なるアイテムを取得させることができる。
ユーザパート46は、仮想ユーザを介した実ユーザ間のコミュニケーションを題材としたゲームパートである。実ユーザは、仮想ユーザを介して他の実ユーザにメッセージを送ったり、共同してゲームを遊ぶための仲間関係を構築したりなど、コミュニケーションをとることができる。
なお、これらのゲームパート41〜46は、実ユーザが遊戯するための遊戯可能条件が設定されていないゲームパートであり、本実施形態における「通常ゲームパート」の一例である。
ボーナスパート47は、遊戯する実ユーザに対してゲーム内アイテムを付与することを目的としたゲームパートである。実ユーザは、ボーナスパート47を遊戯することで、ゲームを遊戯する上での興趣を得ながら、ゲーム内で用いるアイテムを取得することができる。
本実施形態では、ボーナスパート47には、遊戯するための遊戯可能条件が設定されており、ソーシャルゲーム40を開始した直後の実ユーザは、すぐにはボーナスパート47での遊戯ができないようになっている。実ユーザは、通常ゲームパート41〜46で遊戯する中で、この遊戯可能条件を満たすことで、はじめてボーナスパート47で遊戯することができるようになる。そして、実ユーザは、ボーナスパート47で遊戯する中で、その進行に応じてアイテムを取得するためのアイテム付与条件を達成することで、アイテムを取得することができる。
ボーナスパート47の遊戯内容は、通常ゲームパート41〜46に関連したものであり、好ましくは、これらのゲームパートにより演出されるソーシャルゲーム40の全体的なイメージと統一感を有するものである。また、設定される遊戯上の目的を達成することで何らかの報酬が得られることの期待感を実ユーザに抱かせることができるものが好ましい。一例として、ボーナスパート47は、下記の(1)及び(2)などを含む。
(1)通常ゲームパート41〜46とは異なる遊戯内容とその目的を有するゲーム要素。一例として、既存のスロットゲーム、双六、トランプゲームまたは絵合わせなどのミニゲームであって、独自に設定されるアイテム付与条件を達成することで、実ユーザはアイテムを取得することができる。
(2)通常ゲームパート41〜46のそれぞれと同様の遊戯内容とその目的を有するゲーム要素。すなわち、通常ゲームパート41〜46と同様の遊戯内容を有するボーナスパート47は、本来のゲームパートには設定されていないアイテム付与条件が設定されており、これを満たすことで、実ユーザはアイテムを取得することができる。
例えば、(2)の中で、クエストパート41と同様の遊戯内容やその目的を有するボーナスパート47では、実ユーザはクエストパート41において仮想ユーザを操作して仮想世界を冒険することと同様に、またはその延長として、ボーナスパート47内でも同様の仮想世界内での冒険を楽しむことができる。このとき、ボーナスパート47の仮想世界内には、クエストパート41の仮想世界内には存在しなかった位置に、アイテムを取得できる宝箱などのオブジェクトが配置されたり、クエストパート41においても存在する宝箱からより価値の高いアイテムが取得可能となっていたりする。
すなわち、(2)のボーナスパート47は、ソーシャルゲーム40の実ユーザに対して、ボーナスパート47という独立したゲームパートではなく、従来遊戯していた通常ゲームパート41〜46と同様の、または類似のゲーム要素であって、より容易にアイテムを取得できる一態様であるとの印象を与えるものであってよい。
なお、ボーナスパート47は、複数の異なる遊戯内容を同時に有するものであってよく、例えば、上述の(1)及び(2)の態様の両方を包含するものや、(2)の態様において、通常ゲームパート41〜46と同様の遊戯内容を全て包含するものであってもよい。ボーナスパート47では、実ユーザは、ゲームを遊戯する中で、アイテムを取得できるため、通常ゲームパート41〜46と比べて、大きな満足感や達成感を得ることができる。
本実施形態のソーシャルゲーム40では、このような複数のゲームパートが、相互に関係し、または独立して存在することで、全体として、実ユーザに多様な興趣を提供する一のゲームを表現している。
(4)ハードウェア構成例
ソーシャルゲーム40の提供を行うゲームシステムGの各構成について、図を参照してより詳細に説明する。
(4−1)端末の構成
端末3は、図1に示されるように、無線通信部31、表示部32及び操作入力部33を備える携帯無線通信端末であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)などである。
無線通信部31は、携帯電話回線や無線LAN(Local Area Network)回線などの無線通信回線を用いてネットワーク2に接続して、ゲームサーバ1との間でデータ通信を行う。具体的には、無線通信部31は、ゲームサーバ1から送信されるゲーム画像の画像データを受信し、一方で操作入力部33を介して入力された実ユーザの操作内容をゲームサーバ1に送信する。
表示部32は、ゲームサーバ1から受信した画像データを表示するディスプレイである。操作入力部33は、実ユーザの操作を入力するためのデバイスであって、例えば、表示部32と一体化したタッチパネルや、表示部32に表示されるゲーム画像を適宜選択可能なボタンやポインティングデバイスなどである。
また、端末3は、上述した各部の処理を実施するための制御手段として、CPUなどの演算装置や、CPUを動作させるためのアプリケーションプログラムなどが格納されるメモリ(いずれも不図示)などを備える。
ゲームサーバ1は、ソーシャルゲーム40を提供する端末3のそれぞれについて、使用する実ユーザが登録したID及びパスワードを用いて、端末3の認証を行う。認証を行うことで、ゲームサーバ1は、通信する端末3と、端末3を操作する実ユーザと、実ユーザの操作の対象となる仮想ユーザとを相互に関連づけて把握することができる。ゲームサーバ1との間での個体認証を行った端末3は、ゲームサーバ1からソーシャルゲーム40を進行するのに必要なデータを受信するとともに、操作入力部33により入力された操作データをゲームサーバ1に送信する。
なお、端末3が無線通信部31を介した無線通信によりネットワーク2と接続している例について説明したが、例えば、有線通信によりネットワーク2に接続されていてもよい。
(4−2)ゲームサーバの構成
ゲームサーバ1は、図1に示されるように、ネットワーク2に接続され、端末3から送信される実ユーザの操作に応じて、ゲームを構成するデータを送信する機器である。なお、図1には、一台のゲームサーバ1のみが示されているが、ソーシャルゲーム40を提供する端末3の接続数などに応じて、同様の構成を有する機器を適宜追加してもよい。また、例えば、複数の機器にソーシャルゲーム40に関するデータを夫々断片的に格納し、端末3からのリクエストに応じて、対応する機器がデータの提供を行うように、複数の機器を組み合わせて、一つのゲームサーバとして動作する構成であってもよい。いずれの構成においても、ゲームサーバ1とは、ゲームを提供するサーバとしての機能を有する単一の機器、または複数の機器の集合を示す概念であってよい。
図3を参照して、本実施形態のゲームサーバ1の構成について説明する。図3は、ゲームサーバ1の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。図示されるように、ゲームサーバ1は、ネットワーク2を介して端末3と通信を行う通信インタフェース11と、キーボードやマウスなどによる操作入力を受ける入力装置12と、各種演算処理を行うCPUなどの演算処理装置13と、処理内容などを表示するディスプレイなどの表示装置14と、演算処理データを一時的に記憶するSRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメモリ15と、アプリケーションプログラム及び各種データが記憶されたハードディスクなどの記憶装置16とを備える。
ゲームサーバ1は、記憶装置16に記録されるアプリケーションプログラムを演算処理装置13により実行することで、ソーシャルゲーム40を端末3に対して提供し、その進行を制御することができる。このとき、演算処理装置13が実行する機能について、図4を参照して説明する。図4は、ソーシャルゲーム40の提供と進行の制御に関して、ゲームサーバ1の各部が有する機能について概念的に示すブロック図である。
図4に示されるように、ゲームサーバ1は、操作データ受信部101と、画像データ送信部102と、ゲームパート管理部103と、仲間関係管理部105と、ゲーム処理部110と、データ記憶部120とを備える。
操作データ受信部101は、ネットワーク2を介して端末3から入力される実ユーザの操作の入力を受け、ゲーム処理部110に操作内容を入力するインタフェースである。操作データ受信部101は、受信した実ユーザの操作内容をゲームパート管理部103と、ゲーム処理部110とに入力する。
画像データ送信部102は、ネットワーク2を介して端末3と通信を行うためのインタフェースである。ゲーム処理部110において生成されたゲーム画像の画像データを端末3へ送信する。
ゲームパート管理部103は、実ユーザの操作に応じて、当該実ユーザの遊戯対象を、指定されたゲームパートへと移行する処理を行う。
実ユーザが遊戯対象のゲームパートを他のゲームパートへ移行する操作の一例について説明する。例えば、端末3の表示部32に表示されるゲーム画像中に、各ゲームパート41〜47を選択するためのボタンなどのオブジェクトが表示される。実ユーザが端末3を操作していずれかのボタンを選択すると、ゲームパート管理部103は、当該実ユーザの遊戯対象を選択されたゲームパートへ移行する処理を行う。
なお、ソーシャルゲーム40には、ボーナスパート47のように、実ユーザが遊戯をするために達成すべき遊戯可能条件を要するゲームパートが存在する。そこで、ゲームパート管理部103は、ボーナスパート47で遊戯するための遊戯可能条件を設定し、遊戯可能条件の達成状況を管理するための遊戯可能条件管理部104を有する。
遊戯可能条件管理部104は、ボーナスパート47を遊戯するための前提条件である遊戯可能条件を設定する。そして、入力される実ユーザの操作やゲームの進行に係る情報を確認し、実ユーザ毎に遊戯可能条件を満たしたか否かを判断する。
遊戯可能条件は、典型的には、通常ゲームパート41〜46で遊戯中の実ユーザの操作内容や遊戯状況(ひいては、操作対象の仮想ユーザのゲーム内での状況)に応じて達成され得る態様で設定される。遊戯可能条件管理部104は、この遊戯可能条件の達成状況を、実ユーザ毎に割り当てた「移行ポイント」という点数を用いて管理している。
遊戯可能条件管理部104は、実ユーザの操作やそれによるゲームの進行が何らかのゲーム内目標を達成する度に、移行ポイントを加算する。そして、遊戯可能条件管理部104は、実ユーザがこの移行ポイントを所定の点数以上蓄積したこと、または蓄積した点数を所定の点数以上消費したことで、遊戯可能条件を達成したと判断する。つまり、ゲーム内目標を複数回達成して、移行ポイントを蓄積することが、遊戯可能条件となる。
遊戯可能条件管理部104は、通常ゲームパート41〜46で遊戯中の実ユーザの操作や、それによるゲームの進行によって達成される何らかのゲーム内目標を移行ポイントの割り当て条件として設定する。例えば、クエストパート41で遊戯中の仮想ユーザが、仮想世界内のある地点まで到達することなどが割り当て条件となる。また、合成パート42で遊戯中の合成によりあるアイテムを取得することや、アイテムの合成を所定の回数行うことが割り当て条件となる。また、バトルパート43で遊戯中のボス格のキャラクタと戦闘して勝利することや、戦闘に所定の回数勝利することが割り当て条件となる。また、ガチャパート44で遊戯中の所定回数ガチャを行うことや、ボーナスパートを遊戯するためのチケットなど、所定のアイテムをガチャで取得することが割り当て条件となる。また、トレードパート45で遊戯中のトレードを所定の回数行うことや、所定の人数の他の仮想ユーザとトレードを行うことが割り当て条件となる。また、ユーザパート46で遊戯中の所定の人数の他の仮想ユーザにメッセージの送付など、交流を行うことなどが割り当て条件となる。
遊戯可能条件管理部104は、実ユーザ毎の遊戯可能条件の達成状況について、データ記憶部120に関連情報を格納して管理する。図5は、仮想ユーザ毎の遊戯可能条件の達成状況を管理するためのデータテーブルの一例である遊戯可能条件データテーブル121を示す説明図である。図示されるように、遊戯可能条件管理部104は、実ユーザ毎に固有の「ユーザID」を割り当て、保有する「移行ポイント」と、「ボーナスパート遊戯フラグ」とを記録して管理している。
ボーナスパート遊戯フラグとは、ボーナスパート47を遊戯するための遊戯可能条件を満たしていることを示す。遊戯可能条件管理部104は、遊戯可能条件を満たしている場合、ボーナスパート遊戯フラグが存在することを示す「1」の値を格納する(図5、ユーザID001、002の実ユーザ)。他方、遊戯可能条件を満たしていない場合、ボーナスパート遊戯フラグが存在しないことを示す「0」の値を格納する(図5、ユーザID003、004の実ユーザ)。
その他の処理例として、遊戯可能条件管理部104は、他の実ユーザから「招待」を受けることを遊戯可能条件に設定してもよい。例えば、すでにボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしている実ユーザは、仲間関係にある他の実ユーザをボーナスパート47へ「招待」する処理を行えるよう設定される。遊戯可能条件管理部104は、「招待」を受けた他の実ユーザに対して遊戯可能条件を達成したボーナスパート遊戯フラグを付与する。
なお、実ユーザが他の実ユーザを無制限にボーナスパート47へ「招待」することが可能となると、実ユーザが抱くボーナスパート47の稀少性や特別感が薄れてしまう可能性がある。このため、遊戯可能条件管理部104は、ボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしている実ユーザに対して、他の実ユーザを「招待」するための条件を設定してもよい。例えば、通常ゲームパート41〜46で遊戯する中で遊戯可能条件を達成した回数、「招待」することを許可したり、「招待」できる実ユーザの人数を限定したりすることで条件を設定してもよい。
遊戯可能条件管理部104は、その他何らかの実ユーザの操作などに応じて、ボーナスパート47の遊戯可能条件を任意に設定してもよい。また、その態様は、実ユーザがソーシャルゲーム40での遊戯から興趣を得られるよう、単に作業的なものではなく、ゲーム全体と何らかの関連性を有していることが好ましい。例えば、実ユーザ同士で仲間関係を構築して、複数の実ユーザが共同して遊べるようなゲームであれば、仲間の人数が多いほど、遊戯可能条件となる移行ポイントの点数を低減するよう設定してもよい。このように設定された遊戯可能条件は、ゲームを遊ぶことへの意欲を促進すると共に、そこから得られる興趣をも向上することができる。
ボーナスパート47で遊戯することは、実ユーザにとって、アイテムを取得できるとの期待感を抱かせるものであり、ソーシャルゲーム40を構成するゲームパートの中では、褒賞(ボーナス)としての意味合いを有する。このため、ボーナスパート47で遊戯するための遊戯可能条件を達成することは、このような褒賞を得るために達成すべき条件であり、それ自体が実ユーザにとって一つのゲーム内目的であると言える。これを踏まえて、遊戯可能条件は、実ユーザに対して、ボーナスパート47を遊戯することについて、通常ゲームパート41〜46を遊戯することとは異なる稀少性や特別感を演出できるような態様で設定されることが好ましい。
仲間関係管理部105は、実ユーザ同士の仲間関係の構築、及び仲間関係の管理を行う。仲間関係とは、同じソーシャルゲーム40で遊戯する実ユーザ同士の交流を主たる目的としたソーシャル要素の一例であって、例えば、友人、家族、チームやギルドなど、ゲーム内での実ユーザ同士の関係性を示す。実ユーザは、他の実ユーザと仲間関係を構築することで、このような関係性を擬似的に結び、共同してソーシャルゲーム40を遊ぶことができる。
仲間関係の構築は、例えば、ユーザパート46での遊戯により行われる。ユーザパート46で遊戯中の実ユーザが他の実ユーザに対して仲間関係の構築を要求すると、要求を受けた実ユーザにその旨の承認を求めるメッセージが送付される。要求を受けた実ユーザが承認することで、実ユーザ同士の仲間関係が構築される。
仲間関係管理部105は、実ユーザ同士の仲間関係を示す仲間情報をデータ記憶部120に格納して、実ユーザ毎の仲間関係を管理している。図6は、データ記憶部120内に格納される実ユーザ毎の仲間情報を管理するためのデータテーブルの一例である仲間関係データテーブル122を示す説明図である。図示されるように、仲間関係管理部105は、実ユーザ毎のユーザIDと、仲間関係にある他の実ユーザのユーザIDとを記録して管理している。例えば、ユーザID001の実ユーザは、ユーザID002、003の実ユーザと仲間関係にあることが示されている。また、ユーザID002の実ユーザは、ユーザID001、005の実ユーザと仲間関係にあることが示されている。
ゲーム処理部110は、ソーシャルゲーム40を構成するゲーム要素である各ゲームパート41〜47の進行に係る処理を行う。ゲーム処理部110について、便宜上、これらの各ゲームパートに対応して個別に処理を行う複数の機能部に区分して説明する。
図4に示されるように、ゲーム処理部110は、ゲームパート41〜47のそれぞれに対応した処理を行う個別の処理部である、クエストパート処理部111と、合成パート処理部112と、バトルパート処理部113と、ガチャパート処理部114と、トレードパート処理部115と、ユーザパート処理部116と、ボーナスパート処理部117とを便宜上有している。
各処理部111〜117は、対応するゲームパートで遊戯する実ユーザの操作を受け、ゲームパートに規定される処理を実行し、処理結果に応じたゲーム画像データを生成して端末3に送信して、表示部32にゲーム画像を表示させるという共通した一連の処理を行う。また、実ユーザの操作によって、操作対象の仮想ユーザに割り当てられる能力値などのパラメータや、所持するアイテムなどに変更が生じる場合、データ記憶部120に格納されるデータの書き換えを行う。これらの処理を繰り返すことによって、ソーシャルゲーム40を進行させる。
例えば、クエストパート処理部111は、実ユーザの操作に応じて、仮想世界内で仮想ユーザが冒険をしているように移動や探索を行わせ、その結果として仮想世界内の状況を示すグラフィックやテキストを含むゲーム画像を生成して、送信する。
その他の通常ゲームパートの処理部112〜116も同様に、実ユーザの操作に応じて、各ゲームパート42〜46で規定される処理を行って、処理結果のゲーム画像を当該実ユーザの端末3に送信する。すなわち、合成パート処理部112は、合成パート42に係る上記の処理を行う。バトルパート処理部113は、バトルパート43に係る上記の処理を行う。ガチャパート処理部114は、ガチャパート44に係る上記の処理を行う。トレードパート処理部115は、トレードパート45に係る上記の処理を行う。ユーザパート処理部116は、ユーザパート46に係る上記の処理を行う。
ボーナスパート処理部117は、ボーナスパート47の進行に係る処理を行う。ボーナスパート処理部117は、一機能として、通常ゲームパートの処理部111〜116と同様に、実ユーザの操作に応じて、ボーナスパート47の進行に係る処理を行い、画像データを生成して送信する処理を行う。
ボーナスパート47は、例えば、通常ゲームパート41〜46と同様の遊戯内容を有するものや、他のゲームパートにはない独自の遊戯内容を有するものなど、複数の遊戯要素を包含するものであってもよい。ボーナスパート処理部117は、これらの遊戯内容のうち、実ユーザに提供するものを、実ユーザの選択に応じて決定したり、実ユーザの成績などゲームの遊戯状況に応じて自動的に決定したりしてもよい。
一の実施例として、例えば、ボーナスパートの遊戯可能条件を満たした実ユーザが、ボーナスパート47への移行操作を行う際に、ボーナスパート47に含まれる複数の遊戯内容の中から所望の遊戯内容を選択して遊戯することができるようにしてもよい。
また、他の実施例として、ボーナスパート処理部117は、ボーナスパート47での遊戯を要求した実ユーザのソーシャルゲーム40の遊戯状況に応じて、提供する遊戯内容を選択してもよい。例えば、ボーナスパート処理部117は、クエストパート41を頻繁に遊ぶ実ユーザに対しては、クエストパート41と同様の遊戯内容を有するボーナスパート47を提供するなど、実ユーザの遊戯状況から、実ユーザの好みを推測して好ましい遊戯内容を選択する。
また、ボーナスパート処理部117は、実ユーザが操作する仮想ユーザのレベルなど能力値や、仲間の人数など、ゲーム内のパラメータに応じて、提供する遊戯内容を決定してもよい。この場合、仮想ユーザのレベルが高い実ユーザや仲間の人数が多い実ユーザほど、より稀少度の高いアイテムの取得や、より興趣の高い内容での遊戯ができるなど、ソーシャルゲーム40をより多く遊んでいる実ユーザに対する、褒賞的な意味合いを持たせることもできる。
その他、任意の態様により、ボーナスパート処理部117は、提供するボーナスパート47の遊戯内容を、実ユーザの好みやゲームの遊戯状況に応じて適宜設定してもよい。これは、ソーシャルゲーム40を遊戯する実ユーザの興趣を更に向上することが期待できるという点で有益である。
また、ボーナスパート処理部117は、これらの機能に加えて、実ユーザの操作やボーナスパート47での遊戯の進行に応じて、ボーナスパート47で遊戯をする中でアイテム付与条件の達成状況を管理し、条件を満たした実ユーザにアイテムを付与する。これらの機能を実現するためにボーナスパート処理部117は、図4に示されるように、アイテム付与条件管理部1171と、アイテム情報管理部1172との機能部を有する。
アイテム付与条件管理部1171は、ボーナスパート47での遊戯についてアイテム付与条件を設定し、実ユーザの操作や、当該実ユーザのボーナスパート47の進行に応じてアイテム付与条件を達成したか否かを判断する。
アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザ毎のアイテム付与条件の達成状況について、「ボーナスポイント」というゲーム内価値を利用して管理している。「ボーナスポイント」は、ボーナスパート47で遊戯中の実ユーザが、何らかの遊戯目標を達成する毎に、アイテム付与条件管理部1171によって加算される点数の形で実装される。そして、実ユーザがこのボーナスポイントを所定の必要点数以上に蓄積することや、蓄積されたボーナスポイントを消費することで、アイテム付与条件管理部1171は、当該実ユーザがアイテム付与条件を満たしたと判断する。つまり、ボーナスパート47に設定されるゲーム内目標を複数回達成して、ボーナスポイントを蓄積することが、アイテム付与条件となる。
アイテム付与条件管理部1171は、ボーナスパート47で遊戯中の実ユーザの操作や、それによるゲームの進行によって達成される何らかのゲーム内目標をボーナスポイントの割り当て条件として設定する。
このボーナスポイントの割り当て条件は、ボーナスパート47での遊戯の内容やその目的に応じて適宜設定されてよい。例えば、スロットゲームを遊戯内容とするボーナスパート47においては、アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザの遊戯の結果、スロットゲームの役が成立した場合に、成立した役の稀少度に応じたボーナスポイントの加算を行う。また、双六を遊戯内容とするボーナスパート47においては、アイテム付与条件管理部1171は、仮想ユーザが止まったマスに応じた点数のボーナスポイントを加算する。
また、通常ゲームパート41〜46と同様の遊戯内容とを有するボーナスパート47においては、アイテム付与条件管理部1171は、それぞれの通常ゲームパート41〜46の進行に沿った何らかの遊戯的な目標をボーナスポイントの割り当て条件に設定してもよい。
アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザ毎のアイテム付与条件の達成状況について、データ記憶部120に関連情報を格納して管理する。図7は、データ記憶部120に格納される、実ユーザ毎のアイテム付与条件の達成状況を管理するためのデータテーブルの一例であるアイテム付与条件データテーブル123を示す説明図である。図示されるように、アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザ毎にユーザIDと、保有する「ボーナスポイント」と、「アイテム付与フラグ」とを記録して管理している。
「アイテム付与フラグ」とは、ボーナスパート47においてアイテムの付与を受けるためのアイテム付与条件を満たしていることを示す。アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与条件を満たしている場合、アイテム付与フラグが存在することを示す「1」の値を格納する(図7、ユーザID001の実ユーザ)。他方、アイテム付与条件を満たしていない場合、アイテム付与フラグが存在しないことを示す「0」の値を格納する(図7、ユーザID002−004の実ユーザ)。
アイテム付与条件管理部1171は、その他何らかの態様でアイテム付与条件を設定してもよい。例えば、実ユーザのボーナスパート47での遊戯内容に応じて、ボーナスポイントを割り当てる代わりに、アイテム付与フラグを設定してもよい。好適には、ボーナスパート47での実ユーザの遊戯の成績に応じたアイテムを付与するように、アイテム付与フラグを設定してもよい。
アイテム情報管理部1172は、アイテム付与条件を満たした実ユーザに、ゲーム内アイテムを付与する処理を行う。
具体的には、アイテム情報管理部1172は、データ記憶部120内に、実ユーザ毎にソーシャルゲーム40内で使用可能な(言い換えれば、保有する)アイテムを示すデータテーブルを格納し、該テーブルを更新することで、アイテムの割り当て、つまり付与を行う。
図8は、データ記憶部120に格納される、実ユーザ毎の保有アイテムを管理するためのデータテーブルの一例である保有アイテムデータテーブル124を示す説明図である。アイテム情報管理部1172は、このデータテーブルを参照することで、実ユーザが保有するアイテムを記録し、管理している。
図示されるように、アイテム情報管理部1172は、実ユーザ毎にユーザIDと、保有するアイテムを示す識別用の番号である「アイテムID」を記録して管理している。このアイテムIDは、図示しない別のデータテーブルなどにおいて、アイテムの名称、効果、画像や説明用のテキストなど具体的なデータに関連付けられる。図8の例では、ユーザID001の実ユーザは、アイテムIDがI001とI002との2つのアイテムを保有することが示されている。また、ユーザID002の実ユーザは、アイテムIDがI003のアイテムを保有することが示されている。アイテム情報管理部1172は、このデータテーブルの値を更新することによって、実ユーザへアイテムを付与する処理を行う。
なお、アイテム情報管理部1172は、あらかじめ指定される特定のアイテムを付与してもよく、複数の候補の中から何らかの手段で選択されたアイテムを付与してもよい。
また、アイテム付与条件の達成状況に応じて、付与するアイテムを決定する処理などを行ってもよい。例えば、より多くのボーナスポイントを蓄積したり、一度に多くのボーナスポイントを消費したりするほど、稀少なアイテムを付与するなど、ボーナスポイントの蓄積量や消費量に応じて付与するアイテムを決定してもよい。このような処理のために、アイテム付与条件管理部1171は、種々のアイテム付与条件のそれぞれについて、達成した際の状況に応じた複数種類のアイテム付与フラグを用意し、実ユーザのアイテム付与条件の達成状況を管理してもよい。
また、アイテム情報管理部1172は、アイテム付与条件を満たした実ユーザのゲーム内行動やパラメータ、操作する実ユーザの遊戯傾向などに応じて、付与するアイテムを決定してもよい。例えば、バトルパート43をよく遊ぶ(言い換えれば、ソーシャルゲーム40の遊戯中に占める時間的割合が大きい)実ユーザに対しては、より強い戦闘用のパラメータを有する武器を付与するなど、実ユーザがよく遊ぶゲームパートで役に立つアイテムを付与してもよい。
データ記憶部120は、ソーシャルゲーム40に関する種々のデータを記憶装置16内に格納して管理する。一例として、データ記憶部120は、プログラムや画像データやテキストなどソーシャルゲーム40を構成するデータや、ソーシャルゲーム40を遊戯する実ユーザに関連するものなど、ゲームサーバ1がソーシャルゲーム40を提供する上で用いられる各種データを管理する。データ記憶部120は、ソーシャルゲーム40を構成する画像データやテキストデータなどを格納するデータベースや、ソーシャルゲーム40に参加している実ユーザ(または、操作対象の仮想ユーザ)に係る情報を格納するデータベースを格納する。
(5)ゲームサーバにおける処理
以下、ゲームサーバ1の各部におけるソーシャルゲーム40の進行に係る処理の例について説明する。
[処理例1:図9]
まず、図9を参照して、ゲームサーバ1のソーシャルゲーム40の進行に係る処理を説明する。図9は、ゲームサーバ1における、ソーシャルゲーム40の進行に係る一連の処理の流れを示すフローチャートである。
図示される例には、通常ゲームパート41〜46を遊戯している実ユーザが、操作を入力することで、ソーシャルゲーム40を進行させる際の処理について記載される。なお、この段階では実ユーザはボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしておらず、通常ゲームパート41〜46でのみ遊戯可能な状態であるとする。
ソーシャルゲーム40の進行のための処理では、実ユーザが遊戯中の通常ゲームパート41〜46に対応する通常ゲームパートの処理部111〜116は、入力される操作に応じて、ゲームパートの進行に係る処理を行う(ステップS110)。
他方、ボーナスパート47の遊戯を指定する操作が入力される場合、ゲームパート管理部103は、遊戯可能条件管理部104と共同して、実ユーザの遊戯対象をボーナスパート47へ移行する処理を行う(ステップS120)。ボーナスパート47の遊戯に移行した後、ボーナスパート処理部117は、入力される操作に応じて、ボーナスパートの進行に係る処理を行う(ステップS130)。
更に、ボーナスパート47で遊戯中の実ユーザの操作に応じて、ボーナスパート処理部117のアイテム情報管理部1172は、操作対象の仮想ユーザに対し、アイテムを付与する処理を行う(ステップS140)。ゲームサーバ1は、ステップS140のアイテム付与処理を終了した後、実ユーザの操作に応じて、対応するゲームパート41〜46に応じた処理を行う(ステップS110に戻る)。なお、このとき、実ユーザがボーナスパート47の遊戯可能条件を満たした状態であり、ボーナスパート47での遊戯を継続する場合には、ステップS120の移行処理や、ステップS130のボーナスパート47の進行の処理を行う。
S110からS140までの各ステップにおいて行われるゲームサーバ1の処理内容について、図10から図13を参照して、より詳細に説明する。図10から図13は、それぞれ、ゲームの進行に係る処理(ステップS110)、ボーナスパート47への移行処理(ステップS120)、ボーナスパート47の進行に係る処理(ステップS130)及びアイテム付与処理(ステップS140)における詳細な処理内容を示すフローチャートである。
[処理例2:図10]
図10を参照して、実ユーザが、通常ゲームパート41〜46を遊戯している状態でのゲームの進行に係る処理(図9、ステップS110)について説明する。ここでは、ソーシャルゲーム40の開始直後など、ボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしていない実ユーザが、通常ゲームパート41〜46での遊戯を通じて、遊戯可能条件を満たすときの処理の例を示している。
ゲームサーバ1では、端末3から送信された実ユーザの操作内容がゲームパート管理部103とゲーム処理部110とに入力される。操作データの入力を受けたゲームパート管理部103は、該操作内容を確認する(ステップS111)。
続いて、ゲームパート管理部103は、ボーナスパート47への移行のための移行ポイントの取得条件を満たすものであるかを判断する(ステップS112)。ここでの移行ポイント取得条件は、例えば、クエストパート41を遊戯する実ユーザの操作内容が、仮想ユーザをボーナスパート47の遊戯のための一条件となる目的地に到達するものであるなどである。
ボーナスパート47への移行のための移行ポイントの取得条件を満たすものであると判断した場合(ステップS112:Yes)、遊戯可能条件管理部104は、例えば、図5に示される遊戯可能条件データテーブル121を参照し、当該実ユーザが操作する仮想ユーザに移行ポイントを加算するよう、値を更新する(ステップS113)。
データテーブル内の値を更新した後、遊戯中のゲームパートに対応した処理部111〜116は、入力された操作内容に応じた進行のための処理を行う(ステップS114)。
なお、移行ポイントの加算処理(ステップS113)と、ゲームパート進行のための処理(ステップS114)とは、相前後して行われてもよく、また並列して行われてもよい。つまり、実ユーザの操作入力に対して、ゲームパート処理部111〜116が進行のための処理(ステップS114)を先行して行い、その後、遊戯可能条件管理部104が移行ポイントの加算処理(ステップS113)を行ってもよい。また、実ユーザの操作がボーナスパート47への移行のための移行ポイントの取得条件を満たすものであると判断される場合(ステップS112:Yes)、その旨がゲームパート処理部111〜116と遊戯可能条件管理部104とに同時に伝えられ、各部において並列して処理(ステップS113、S114)が行われてもよい。
他方、入力された操作内容が、移行ポイントの取得条件を満たすものでないと判断された場合(ステップS112:No)、ゲームパート処理部111〜116は、入力された操作内容に応じて通常ゲームパート41〜46の進行のための処理を行う(ステップS114)。
続いて、ゲームパート管理部103は、データテーブルを参照し、実ユーザに割り当てられる移行ポイントの確認を行う(ステップS115)。
移行ポイントがボーナスパートの遊戯可能条件となる必要点数に達している場合(ステップS116:Yes)、ゲームパート管理部103は、当該実ユーザに対して、ボーナスパート遊戯フラグを付与するよう、データテーブルを更新する(ステップS117)。
一方で、移行ポイントがボーナスパート47の遊戯可能条件となる必要点数に達していない場合(ステップS116:No)、フラグの付与を行わず、処理を終了する(END)。なお、その他の例として、実ユーザが蓄積した移行ポイントを所定の必要点数以上消費することで、遊戯可能条件を満たすとしてもよい。
以上、説明した処理では、遊戯可能条件管理部104は、実ユーザの通常ゲームパート41〜46での遊戯状況に応じて、ボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしたことを示すボーナスパート遊戯フラグを付与する。なお、ボーナスパート遊戯フラグを取得した実ユーザは、繰り返し通常ゲームパート41〜46で遊戯してもよく、その場合、ゲームサーバ1は、実ユーザの操作に応じて、図9のステップS110に示される処理(言い換えれば、図10のステップS111からS117の一連の処理)が繰り返し実行される。他方で、ボーナスパート遊戯フラグを取得した実ユーザは、ボーナスパート47への移行操作を行ってもよく、その場合、ゲームサーバ1は、実ユーザの操作に応じて、図9のステップS120に示される処理を行う。
[処理例3:図11]
図11を参照し、ボーナスパート47への移行に係る一連の処理(図9、ステップS120)について説明する。ここでは、実ユーザが端末3の表示部32に表示されるゲーム画面の中で、ボーナスパート47への移行処理を要求するボタンなどの選択可能なオブジェクトを選択して、ボーナスパート47への移行操作を行った場合の処理について示している。
ボーナスパート47への移行操作の入力を受け(ステップS121)、ゲームパート管理部103は、遊戯可能条件管理部104にその旨を通知し、当該実ユーザが、ボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしているか否かの判断を要求する(ステップS122)。
ここに、ボーナスパート47の遊戯可能条件は、データ記憶部120内の遊戯可能条件データテーブル121に格納されるボーナスパート遊戯フラグについて管理されている。遊戯可能条件管理部104は、このデータテーブル内の当該実ユーザに関するデータを参照し、このボーナスパート遊戯フラグの存在を確認する。
ゲームパート管理部103は、データテーブルにおいて、当該実ユーザにボーナスパート遊戯フラグが存在する場合、つまり、図5の例でボーナスパート遊戯フラグ=「1」である場合(ステップS123:Yes)、ゲームパート管理部103は、当該実ユーザの遊戯対象をボーナスパート47に移行する処理を行う(ステップS124)。
他方で、当該実ユーザにボーナスパート遊戯フラグが存在しない場合、つまり、図5の例でボーナスパート遊戯フラグ=「0」である場合(ステップS123:No)、ゲームパート管理部103は、当該実ユーザの遊戯対象をボーナスパート47に移行する処理を行わない。代わりに、ゲームパート管理部103は、当該実ユーザの端末3に対して、ボーナスパート47への移行を行えない旨を示すメッセージを提示し、実ユーザからの操作入力を待ち受ける状態(つまり、ステップS121の状態)に移行する(ステップS125)。
以上、説明した処理では、遊戯可能条件管理部104は、ボーナスパート47への移行を要求した実ユーザについて、遊戯可能条件を満たしているか否かを判断し、条件を満たしている場合に、ボーナスパート47への移行処理を行う。これにより、遊戯可能条件を満たした実ユーザにのみ、ボーナスパート47での遊戯を可能とすることができる。
なお、他の処理例として、ゲームパート管理部103は、実ユーザがボーナスパート47の遊戯可能条件を満たしていない場合は、ボーナスパート47への移行操作を行えないように設定してもよい。例えば、ゲームパート管理部103は、ゲーム開始直後の実ユーザ向けのゲーム画像中には、ボーナスパート47への移行操作を選択するためのボタンを表示しないよう制限し、遊戯可能条件を満たした実ユーザに対してのみ移行操作用のボタンを表示するよう処理してもよい。
実ユーザの遊戯対象がボーナスパート47へと移行した場合、ゲームサーバ1は、ボーナスパート処理部117により、ボーナスパート47のゲーム画像を当該実ユーザの端末3に送信するなど、図9のステップS140に示されるボーナスパート47の進行に係る処理を行う。
[処理例4:図12]
図12を参照し、ボーナスパート47へ移行後の、進行に係る処理(図9、ステップS130)について説明する。ボーナスパート47への移行後、ボーナスパート処理部117のアイテム情報管理部1172は、端末3から送信される実ユーザの操作内容を確認する(ステップS131)。
アイテム情報管理部1172は、入力された操作内容が、あらかじめ設定されるアイテム付与のためのボーナスポイントの取得条件を満たすものであると判断した場合(ステップS132:Yes)、アイテム情報管理部1172は、図7に示されるアイテム付与条件データテーブル123を参照し、当該実ユーザが操作する仮想ユーザが保有するボーナスポイントを加算するよう、このデータテーブル内の値を更新する(ステップS133)。なお、図12の例では、ボーナスポイントを必要点数以上蓄積することで、アイテムを付与する条件を満たす場合の例について示している。その他の例として、実ユーザが蓄積したボーナスポイントを所定の必要点数以上消費することで、アイテムを付与する条件を満たすとしてもよい。
ボーナスパート処理部117は、ボーナスポイントの加算(ステップS133)後、入力された操作内容に応じたボーナスパート47進行のための処理を行う(ステップS134)。
このとき、ボーナスパート処理部117は、実ユーザの操作内容に応じたボーナスパート47進行のための処理(ステップS134)を先行して行い、処理結果に応じた画像データなどを端末3に送信した後に、当該実ユーザの操作対象の仮想ユーザのボーナスポイントを加算する処理(ステップS133)を行ってもよい。
なお、ボーナスポイントの加算処理(ステップS133)と、ボーナスパート47進行のための処理(ステップS134)とは、相前後して行われてもよく、また並列して行われてもよい。つまり、実ユーザの操作入力に対して、ボーナスパート処理部117が進行のための処理(ステップS134)を先行して行い、その後、アイテム付与条件管理部1171がボーナスポイントの加算処理(ステップS133)を行ってもよい。また、実ユーザの操作がボーナスポイントの取得条件を満たすものである場合(ステップS132:Yes)、その旨がボーナスパート処理部117と、アイテム付与条件管理部1171とに同時に伝えられ、各部において並列して処理(ステップS133、S134)が行われてもよい。
他方、入力された操作内容がボーナスポイントの取得条件を満たすものでないと判断した場合(ステップS132:No)、操作内容に応じたボーナスパート47進行のための処理を行う(ステップS134)。
続いて、アイテム情報管理部1172は、データテーブルを参照し、実ユーザに割り当てられるボーナスポイントの確認を行う(ステップS135)。
アイテム情報管理部1172は、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる必要点数に達していると判断した場合(ステップS136:Yes)、アイテム情報管理部1172は、当該実ユーザに対して、アイテム付与フラグを付与するよう、データテーブル内の値を更新して(ステップS137)、処理を終了する(END)。
一方で、アイテム情報管理部1172は、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる必要点数に達していないと判断した場合(ステップS136:No)、フラグの付与を行わず、処理を終了する(END)。
[処理例5:図13]
図13を参照し、ボーナスパート47を遊戯している実ユーザへのアイテム付与処理(図9、ステップS140)について説明する。
アイテム情報管理部1172は、ボーナスポイント加算後など、図12に示したボーナスパート47の進行処理中の任意のタイミングで、アイテム付与条件データテーブル123を参照し、対象となる実ユーザ(例えば、ステップS133においてボーナスポイントを加算した実ユーザ)の遊戯状況として、遊戯対象のゲームパートを確認する(ステップS141)。
ステップS141の処理に基づいて、アイテム情報管理部1172は、当該実ユーザの遊戯対象がボーナスパート47を遊戯中か否かの判断を行う(ステップS142)。
当該実ユーザがボーナスパート47を遊戯中であると判断した場合(ステップS142:Yes)、アイテム情報管理部1172は、更に、アイテム付与条件データテーブル123を参照して、当該実ユーザにアイテム付与フラグが存在するか否かを確認する(ステップS143)。
ボーナスパート47を遊戯中の実ユーザがアイテム付与フラグを有していると判断した場合(ステップS143:Yes)、アイテム情報管理部1172は、保有アイテムデータテーブル124内のデータを更新し、当該実ユーザに対してゲーム内アイテムを付与し(ステップS144)、処理を終了する(END)。
他方、当該実ユーザがボーナスパート47を遊戯中でないと判断した場合(ステップS142:No)、または、アイテム付与フラグが存在しないと判断した場合(ステップS143:No)、アイテム情報管理部1172は、当該実ユーザに対してアイテムの付与を行わずに処理を終了する(END)。
以上、説明した処理では、ボーナスパート47で遊戯する実ユーザが、操作内容やゲームの進行などに応じて、アイテムを取得することができる。なお、アイテムを取得した実ユーザは、そのままボーナスパート47を継続して遊戯してもよく、その場合ゲームサーバ1は、実ユーザの操作に応じて、図13のステップS141からS144に示した処理を繰り返し実行する。また、実ユーザは、ゲームパート移行処理によって通常ゲームパート41〜46へと遊戯対象を移行してもよく、その場合、ゲームサーバ1は、実ユーザの操作に応じて、図9のステップS110に示した処理を実行する。
本実施形態の処理によれば、実ユーザのゲームでの遊戯状況に応じて、アイテムを付与することができる。アイテムを付与するボーナスパート47での遊戯内容は、通常ゲームパート41〜46の遊戯内容や、ソーシャルゲーム40全体のイメージと関連したものである。このため、例えば、現実世界の貨幣でアイテム取得のためのくじ引きをするような「ガチャ」など、ゲーム内容と乖離した作業的な遊戯と異なり、実ユーザが遊戯することそれ自体により、興趣を与えることが期待できる。
また、ボーナスパート47での遊戯は、前提として達成する必要があるゲーム内の遊戯可能条件が設定される。これにより、遊戯することでアイテムを取得できるボーナスパート47での遊戯の特別感や稀少性を実ユーザに抱かせることができる。つまり、実ユーザにとっては、本来のゲームを遊戯する上での目的であったアイテムの取得だけでなく、その過程におけるボーナスパート47の遊戯可能条件の達成や、ボーナスパート47での遊戯自体もソーシャルゲーム40を遊ぶ上での一つの目的とすることができる。これは、ゲーム内でアイテムの収集を目的とする実ユーザだけでなく、面白いゲームを遊びたいと考える実ユーザにとってもボーナスパート47で遊戯しようとする動機づけを与えることに繋がり、ゲーム全体の興趣の向上にも繋がる。
一方、ゲーム制作者にとっても、ボーナスパート47の遊戯可能条件やアイテム付与条件に相当するゲーム上の目的を設定したり、ボーナスパート47の遊戯内容を設定したりすることで、これまでには存在しなかった多様なゲームの表現が可能となるという利点がある。この点から、より興趣に富んだゲームを提供することが可能となる。
(6)ボーナスパートの例
ボーナスパート47の構成について、具体的な例を交えて説明する。ボーナスパート47は、典型的には、実ユーザに対してゲーム内アイテムを付与することを目的としたゲームパートである。ボーナスパート47を遊戯することで、実ユーザは、ゲームを遊戯する上での興趣を得ながら、ゲーム内アイテムを確実に、または確率的に取得することができる。
このため、ボーナスパート47の構成は、アイテムを取得するための実ユーザの操作が比較的簡単であることが好ましい。しかしながら、単純すぎる操作では実ユーザに対してゲームを遊戯しているのではなく、アイテム取得のための作業を行っているとの心象を抱かせ、興趣を低減させてしまう可能性もある。そこで、ボーナスパート47は、遊戯に要する作業が比較的簡易であり、且つ、実ユーザに対して、進行に応じて褒賞の付与に対する期待を与えられる構成が好ましい。例えば、既存のスロットゲーム、双六、トランプゲームまたは絵合わせなど、比較的簡易な操作で遊戯が可能であり、設定される何らかの目標を達成し得るゲームが好ましい。
図14(a)は、ボーナスパート47の一例であるスロットゲームを進行中の端末3の表示部32の例を図示したものである。ボーナスゲーム47を進行中の端末3の表示部32には、図示されるように3つのリールを有するスロットマシンを模したゲーム画像が、ボーナスパート処理部117により生成され、表示される。
ボーナスパート47を遊ぶ実ユーザは、端末3の操作入力部33を介してゲーム画像中のPLAYボタン471を操作することで、スロットゲームを開始することができる。スロットゲームを開始すると、スロットマシンのリールが回転するアニメーション状のゲーム画像が表示される。実ユーザは、表示部32を確認し、所望の絵柄が揃うよう、STOPボタン472−474を操作し、各リールの回転を停止する。
リールの停止後、ボーナスパート処理部117のアイテム情報管理部1172は、リール上に揃った絵柄により成立した役に応じて、実ユーザに対してアイテムを付与する。例えば、図示される例では、ハートの絵柄が3列揃っているため、成立した役に応じたアイテムを付与する。
以上、説明したスロットゲームでは、1回の遊戯について、実ユーザは、PLAYボタン471及びSTOPボタン472−474を操作するという比較的簡単な操作だけで足りる。また、絵柄を揃えて役を成立するという目標を達成することで、成立した役に応じた何らかの褒章を予期することができる。このため、実ユーザは、スロットゲームの遊戯を享受した上で、アイテムを取得することが可能となり、アイテムの取得自体から得られる興趣を高めることができる。
なお、上述した例では、ボーナスポイントを所定量蓄積することで、アイテムを付与するためのフラグを付与する構成であるが、本発明の実施形態が採り得る態様はこのような構成に限られない。例えば、ボーナスポイントを消費することでボーナスパート47を遊戯可能となり、遊戯結果に応じてアイテム付与フラグが成立する構成であってもよい。図14(a)に示される例では、ボーナスパート47に含まれるゲーム要素で遊戯するためにボーナスポイントを用いる例について説明している。図示される例では、実ユーザは、ボーナスポイントを所定数蓄積する毎に、または蓄積したボーナスポイントを所定数消費する毎に、スロットゲームを一回遊ぶことができる。この例は、蓄積したボーナスポイントを消費し、スロットゲームを行った上で役を成立させることで、アイテム付与フラグが付与される構成である。
表示部32に表示されるメッセージウインドウ475には、例えば、図14(b)に示されるようなスロットゲームの進行に関わるメッセージが提示される。例えば、ボーナスパート47の遊戯のために、ボーナスポイントを必要とする構成では、現在の実ユーザが保有するボーナスポイントと、スロットゲームを遊べる残り回数とが、「残りボーナスポイント10、あと10回遊べるよ!」という文面475aにより示される。また、スロットゲームの遊戯結果として役が成立し、アイテム付与フラグが付与される場合には、「おめでとう!アイテムゲットだよ!」などの文面475bにより、その旨が示される。
このようにボーナスポイントを消費してボーナスパート47を遊戯した結果に応じてアイテムが付与される構成では、実ユーザは、ボーナスパート47の遊戯回数、ひいてはアイテムを取得できる機会が限られるため、より遊戯に集中することが期待できる。また、実ユーザが遊戯に集中することから、ボーナスパート47の遊戯により得られる興趣を向上することも期待できる。
なお、ボーナスパートの他の例として、クエストパート41、合成パート42、バトルパート43、ガチャパート44、トレードパート45及びユーザパート46など、通常ゲームパートと同様の遊戯内容を有する構成であってもよい。このとき、ボーナスパート47は、好ましくは、本来のゲームパートではアイテムの付与が生じないイベントにおいてアイテムを付与することや、本来のゲームパートで付与されるアイテムとは異なる価値のアイテムを付与することなど、本来のゲームパートとは異なる処理を行う。言い換えれば、ボーナスパート47は、通常ゲームパート41〜46と同様の構成で同様の進行を行う一方で、遊戯する実ユーザが取得できるアイテムの取得頻度またはその価値が本来のゲームパートよりも高く設定されたものである。
例えば、クエストパート41と同様の遊戯内容を有するボーナスパート47では、実ユーザは仮想ユーザを操作して、仮想的な世界を冒険する中で、通常アイテムを得られるタイミング以外でもアイテムを取得でき、また、通常得られるものよりもゲーム内価値が高いアイテムを取得できる。また、合成パート42と同様の構成のボーナスパート47では、実ユーザは、実ユーザが保有するゲーム内アイテムを組み合わせることで、通常得られるものよりもゲーム内価値が高いアイテムを取得できる。また、ガチャパート44と同様の構成のボーナスパート47では、実ユーザは、ゲーム内通貨などを支払うことで、ランダムにアイテムを入手するに際し、通常得られるものよりもゲーム内価値が高いアイテムを取得できる。
通常ゲームパート41〜46と同様の遊戯内容を有するボーナスパート47によれば、実ユーザにとって、通常のゲームと同様の進行を行うことで、より多くの、またはより稀少度の高いアイテムを取得できるため、本来のゲームの進行と乖離せず、ゲームに対する没入感を維持したままアイテムの取得を行うことができる。また、ゲームを制作する側としても、新しくボーナスパート47を一から設計する代わりに、既存のゲームパートにおけるイベント処理を変更した構成を用意することでボーナスパート47を提供することが可能となり、比較的簡単な作業で、ゲーム全体の興趣を高めることが可能となる。
(7)変形処理例
上述したゲームサーバ1の処理内容とは異なる変形処理例について以下に説明する。
[変形処理例1:図15]
図15を参照して、図10に示したゲーム進行時の、ボーナスパート遊戯フラグの付与に係る変形処理例を説明する。図15は、ボーナスパート遊戯フラグの付与に係るゲームサーバ1の処理(図9、ステップS110または図10)の変形処理例を示すフローチャートである。
図15の例では、ボーナスパート遊戯フラグを有する実ユーザ(以下、実ユーザAとする)に対する処理(通常ゲームパートの進行処理A)と、ボーナスパート遊戯フラグを有していない実ユーザ(以下、実ユーザBとする)に対する処理(通常ゲームパートの進行処理B)とを並列に示している。この処理は、実ユーザAが実ユーザBをボーナスパート47へ招待するという操作により、実ユーザBに対してボーナスパート遊戯フラグを付与している。
図示されるように、ゲームサーバ1のゲームパート管理部103は、実ユーザAの端末3から入力される実ユーザBをボーナスパート47へと招待する操作を受けた際(ステップS151)、実ユーザBの端末3に対して、招待を受けるか否かを問い合わせる確認メッセージを送信する(ステップS152)。
確認メッセージに対して、実ユーザBが招待を受けるよう応答する場合(ステップS153:Yes)、ゲームパート管理部103は、実ユーザBが操作する仮想ユーザに対して、ボーナスパート遊戯フラグを付与するよう、データ記憶部120内のデータテーブルを更新し(ステップS154)、実ユーザBに対する処理(通常ゲームパートの進行処理B)を終了する。
他方、実ユーザBが、招待を受けないよう応答する場合、または所定の猶予期間の間に応答がないなど、招待に対して否定的な応答を受けた場合(ステップS153:No)、ゲームパート管理部103は、ボーナスパート遊戯フラグの付与を行わずに実ユーザBに対する処理(通常ゲームパートの進行処理B)を終了する(END)。
ゲームパート管理部103が、ボーナスパート遊戯フラグを付与(ステップS154)した後、ゲームパート管理部103は、実ユーザBへフラグを付与した旨を実ユーザAの端末3にメッセージを送信して通知し(ステップS155)、実ユーザAに対する処理(通常ゲームパートの進行処理A)を終了する(END)。
他方、ボーナスパート遊戯フラグを付与しない旨を決定した(ステップS153:No)後、ゲームパート管理部103は、実ユーザBが招待に応じなかった旨を実ユーザAに通知し(ステップS155)、実ユーザAへの処理を終了する(END)。
このように実ユーザAの招待により、他の実ユーザBがボーナスパート47を遊戯可能となった場合、ボーナスパート47におけるアイテム付与フラグの設定に係る処理について、実ユーザAと実ユーザBとを、一つの単位(例えば、仲間関係)としてまとめ、全体でアイテム付与フラグの設定を行ってもよい。このときの実ユーザA、Bに対するボーナスパート47の進行に係る処理について、変形処理例2として以下に説明する。
[変形処理例2:図16]
図16は、図15に示される処理の後に、実ユーザA、Bがボーナスパート47へ移行した場合の、実ユーザA、Bの操作に応じた、ゲームの進行に係る処理(図9、ステップS130または図12)の変形例について示すフローチャートである。
実ユーザAまたはBがボーナスパート47へ移行した後、ボーナスパート処理部117のアイテム付与条件管理部1171は、実ユーザAまたはBの端末3から送信される実ユーザの操作内容を確認する(ステップS161)。
入力された操作内容はボーナスポイントの取得条件を満たすと判断される場合(ステップS162:Yes)、アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与条件データテーブル123を参照し、条件を満たす操作を行った実ユーザが保有するボーナスポイントを加算するよう、値を更新する(ステップS163)。
ボーナスポイントの加算後、ボーナスパート処理部117は、入力された操作内容に応じて、操作を行った実ユーザにボーナスパート47進行のための処理を行う(ステップS164)。
なお、ボーナスポイントの加算処理(ステップS163)と、ボーナスパート47進行のための処理(ステップS164)とは、相前後して行われてもよく、また並列して行われてもよい。つまり、実ユーザAまたはBの操作入力に対して、ボーナスパート処理部117が進行のための処理(ステップS164)を先行して行い、その後、アイテム付与条件管理部1171がボーナスポイントの加算処理(ステップS163)を行ってもよい。また、実ユーザAまたはBの操作がボーナスポイントの取得条件を満たすものである場合(ステップS162:Yes)、その旨がボーナスパート処理部117と、アイテム付与条件管理部1171とに同時に伝えられ、各部において並列して処理(ステップS163、S164)が行われてもよい。
他方、入力された操作内容はボーナスポイントの取得条件を満たすものでないと判断した場合(ステップS162:No)、ボーナスパート処理部117は、入力された操作内容に応じて、操作を行った実ユーザにボーナスパート47進行のための処理を行う(ステップS164)。
続いて、アイテム付与条件管理部1171は、データテーブルを参照し、実ユーザA、Bのそれぞれに割り当てられるボーナスポイントの合計値の確認を行う(ステップS165)。
保有するボーナスポイントの合計値がアイテム付与条件となる所定の必要点数に達していると判断される場合(ステップS166:Yes)、アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザA、Bのそれぞれに対して、アイテム付与フラグを付与するよう、データテーブル内の値を更新する(ステップS167)。
一方で、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる必要点数に達していないと判断される場合(ステップS166:No)、アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与フラグの付与を行わずに処理を終了する(END)。
[変形処理例1、2の効果]
このような変形処理例によれば、ソーシャルゲーム40を遊戯する実ユーザ間の交流に応じてボーナスパート47の遊戯可能条件やアイテム付与条件を設定することができる。
上述した例では、他の実ユーザと共同してゲームを進行する実ユーザにとっては、ボーナスパート47が遊戯可能となる条件の達成や、アイテムの取得が容易になる。これにより、他の実ユーザと交流を持つことで、ソーシャルゲーム40をより有利に、また多様な態様でゲームを進めることができるとの期待感を抱かせることができる。結果として、ソーシャルゲーム40を遊ぶ実ユーザ間の交流(典型的には、仮想ユーザを介した交流)を活性化させることが期待できる。
また、ゲーム制作者にとっても、実ユーザ同士が交流を行いながら遊戯するような遊戯内容や目的を設定することが可能となり、多様なゲームの表現が可能となるため、より興趣に富んだゲームを提供することが可能となるとの利点がある。
また、更なる変形処理例として、遊戯可能条件管理部104は、仲間人数に応じて、実ユーザ毎のボーナスパート47の遊戯可能条件となる移行ポイントの必要点数を決定してもよい。
図17は、実ユーザの仲間人数と、遊戯可能条件の達成に必要な移行ポイントの点数とを対応付けたデータテーブルの一例である移行ポイントデータテーブル125を示す説明図である。遊戯可能条件管理部104は、あらかじめデータ記憶部120に格納されるこの移行ポイントデータテーブル125を参照して、遊戯可能条件となる移行ポイントの必要点数を決定する。図17の移行ポイントデータテーブル125の例では、実ユーザの仲間人数を、0人、1〜5人、6〜10人、11人以上の4段階に分けて、仲間人数が多いほど必要点数を20、18、15、10と段階的に少なくしている。遊戯可能条件管理部104は、このテーブルに例示されるように、仲間人数が多い実ユーザほど、遊戯可能条件を達成しやすくなるよう設定する。これにより、ソーシャルゲーム40における実ユーザ同士の仲間関係の構築を促し、仲間同士となった実ユーザ間の交流によりゲーム全体を活性化できる。
なお、アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与条件となるボーナスポイントの必要点数の決定のために、同様の処理を行ってもよい。
[変形処理例3:図18]
アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与条件となるボーナスポイントの蓄積または消費の必要点数を、実ユーザが保有するボーナスポイントに応じて決定してもよい。一例として、アイテム付与条件管理部1171は、あらかじめ決定した仮の必要点数と、実ユーザ毎のボーナスポイントの保有点数とを比較して、必要点数を変動する処理を行う。
図18を参照して、図12に示したアイテム付与条件管理部1171の動作による、ボーナスポイントの確認と、必要点数に達したか否か判断(ステップS135−S136)に係る変形処理例を説明する。図18は、この変形処理例を示すフローチャートである。
変形処理例において、アイテム付与条件管理部1171は、例えば、データ記憶部120内のアイテム付与条件データテーブル123を参照し、実ユーザに割り当てられるボーナスポイントの確認を行う(ステップS171)。
アイテム付与条件管理部1171は、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる必要点数に達しているか否かの判断を行う(ステップS172)。
ステップS172において、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる所定の必要点数に達していると判断される場合(ステップS172:Yes)、アイテム付与条件管理部1171は、当該実ユーザに対して、アイテム付与フラグの条件となるボーナスポイントの必要点数を増加するか否かを判断する(ステップS173)。
ステップS173において、ボーナスポイントの必要点数を上げると判断した場合(ステップS173:YES)、アイテム付与条件管理部1171は、「必要点数>実ユーザの保有点数」となるよう、必要点数を増加する(ステップS174)。一方、ボーナスポイントの必要点数を上げないと判断した場合(ステップS173:No)には、アイテム付与条件管理部1171は、必要点数の変更を行わずに処理を終了する(END)。
一方、ステップS172において、ボーナスポイントがアイテム付与条件となる所定の必要点数に達していないと判断された場合(ステップS172:No)、アイテム付与条件管理部1171は、当該実ユーザに対して、アイテム付与フラグの条件となるボーナスポイントの必要点数を下げるか否かを判断する(ステップS175)。
ボーナスポイントの必要点数を下げると判断した場合、アイテム付与条件管理部1171は、「必要点数<実ユーザの保有点数」となるよう、必要点数を減少させる(ステップS176)。一方、アイテム付与条件管理部1171は、ボーナスポイントの必要点数を下げないと判断した場合(ステップS175:No)には、必要点数の変更を行わずに処理を終了する(END)。
図19は、実ユーザが保有するボーナスポイントの点数とアイテム付与に必要な点数との差と、その差に応じた必要点数の変動量とを対応付けたデータテーブルの一例であるポイント変動量データテーブル126を示す説明図である。アイテム付与条件管理部1171は、このポイント変動量データテーブル126を参照して、アイテム付与条件の達成のためのボーナスポイントの必要点数を変動する。
図19に示されるポイント変動量データテーブル126では、実ユーザの保有点数と必要点数との差を、6以上、1〜5、0、−1〜−5(つまり、保有点数が必要点数より1〜5点多い)、−6以下(つまり、保有点数が必要点数より6点以上多い)の5段階に分けて、必要点数の変動量を対応付けている。必要点数との差が6以上または−6以上である場合、差が大きく開いているため、特に必要点数の変動を行う必要がないとの判断が成り立つため、変動を行わない。また、保有点数が必要点数に1〜5点足りない場合、必要点数を5点減少して直ちに必要点数を満たすように調整する。また、保有点数が必要点数と同値または1〜5点上回る場合、必要点数を5点増加して、必要点数よりわずかに満たないように調整する。
このように実ユーザが保有するボーナスポイントの点数に応じて、アイテム付与条件の達成のための必要点数を調整することで、実ユーザがアイテムを取得するために要するソーシャルゲーム40の遊戯時間や達成する目標を適宜調整することができる。例えば、必要点数が現在保有するボーナスポイントをわずかに上回るよう増加することで、実ユーザに対して、あともう少し遊戯すればアイテムが取得できるとの期待を抱かせ、遊戯への意欲を向上させることが期待できる。
また、現在保有するボーナスポイントが必要点数にわずかに足りない場合に、必要点数を減少させ、必要点数に達成したことにすることで、実ユーザは想定よりも簡単に目標を達成できたとの達成感や、所望のアイテムを得ることができ、ゲームを遊ぶ上で得られる興趣を向上させることが期待できる。
なお、遊戯可能条件管理部104は、ボーナスパート47の遊戯可能条件となる移行ポイントの必要点数の決定のために、同様の処理を行ってもよい。
[他の変形処理例]
なお、ここに説明した変形処理例のさらに変形例として、アイテム付与条件管理部1171は、アイテム付与条件となるボーナスポイントの蓄積または消費の必要点数を、実ユーザ毎に、保有するボーナスポイントに応じて決定してもよい。例えば、アイテム付与条件管理部1171は、実ユーザの保有点数の略半分の値を必要点数に設定し、一度目のアイテムの付与を行った後、次の判定時には実ユーザの保有点数よりも少し高い値を必要点数に設定し、アイテム付与条件の達成のためには、遊戯してボーナスポイントを稼ぐ必要があるように、調整してもよい。
また、一実施例として、アイテム付与条件管理部1171は、ボーナスポイントを実ユーザの課金による購入対象としてもよい。このような構成では、課金によりボーナスポイントを購入したとしても、実ユーザは、単にアイテムを取得するのみではなく、ボーナスパート47という特有のゲームパートを遊戯することができる。このため、従来の「ガチャ」などにおけるゲーム内容と乖離した作業的な遊戯と比較して、実ユーザが得られる興趣の向上に繋がる。
本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うゲームサーバ、ゲーム提供方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体及びゲームシステムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。