JP5440088B2 - エアバッグ装置及び車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両衝突時等に乗員を拘束するためのエアバッグ装置に係り、特に、エアバッグが膨張した状態において、エアバッグの乗員対向面に、上下方向の凹部が形成されるエアバッグ装置に関する。また、本発明はこのエアバッグ装置を備えた車両に関する。
車両衝突時等に乗員を拘束するためのエアバッグとして、膨張した状態において、エアバッグの乗員対向面に、上下方向の凹部が形成されるエアバッグが特開2006−103654に記載されている。同公報の0039段落には、車両の前突時に、膨張したエアバッグの該凹部の両側の肩拘束部によって乗員の肩部が拘束され、乗員の頭部は、凹部に進入しつつ拘束される旨記載されている。
この特開2006−103654号のエアバッグにあっては、左側の肩拘束部と右側の肩拘束部とは、該肩拘束部の前後方向の縦断面の大きさに近い程の大きな連通孔によって連通している。
また、このエアバッグにあっては、同号公報の図4の通り、凹部は上下方向の中間部が最も浅く、該中間部から上方及び下方に向って次第に深くなっている。
特開2006−103654号
本発明は助手席において、左又は右に偏って座っている乗員の拘束に好適なエアバッグ装置と、このエアバッグ装置を備えた車両を提供することを目的とする。
本発明は、その一態様において、車両の前突時に小柄な乗員を受け止めるのに好適な及びエアバッグ装置と、このエアバッグ装置を備えた車両を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のエアバッグ装置は、エアバッグと、該エアバッグを膨張させるインフレータとを備えたエアバッグ装置であって、該エアバッグは、助手席乗員の前方に膨張した状態において乗員に対面して上下方向に延在した凹部が形成されるものであり、該エアバッグは、乗員の左半身の前方に位置する左室と右半身の前方に位置する右室とが、それら同士の間の区画パネルによって隔てられているものであるエアバッグ装置において、該区画パネルの上部に、該左室と右室とを連通する第1の開口が設けられており、該第1の開口の開口面積は7500〜50000mmであり、膨張状態のエアバッグの最下端から該第1の開口の下縁の乗員側までの高さが200〜670mmであり、該エアバッグは、車両のインストルメントパネルから乗員に接近するように車両後方へ向って膨張するものであり、該エアバッグに、該エアバッグが膨張した状態において該エアバッグを略上下方向に貫通する空洞部が設けられており、該空洞部は、該エアバッグが膨張した状態において、その下端側が、少なくとも部分的に、インストルメントパネルの車両後方側の端部よりも車両後方に位置するように構成されており、該エアバッグは、車両前方側に配置された基端室と、該基端室に連なり、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、該基端室に連なり、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグとを有し、該左半側エアバッグと右半側エアバッグの対面部分同士が縫合されることにより前記凹部が形成されており、この縫合の縫目は上下方向に延在しており、且つこの縫目は、該凹部の上下方向の中間部において、少なくとも一部が乗員対向面から遠ざかるように湾曲しており、該凹部の上下方向の中間部における深さは、上部及び下部における該凹部の深さよりも大きなものとなっており、該左半側エアバッグと右半側エアバッグの前記対面部分同士が前記区画パネルを構成しており、前記縫合の縫目は、前記基端室から車両後方側に離隔して設けられており、該縫目と該基端室との間における該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの該対面部分同士の間が前記空洞部となっていることを特徴とするものである。
請求項2のエアバッグ装置は、請求項1において、該区画パネルの下部に、左室と右室とを連通する第2の開口が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3のエアバッグ装置は、請求項2において、第2の開口の開口面積は1200〜32000mm であり、前記エアバッグが膨張した状態において、第2の開口の上縁から下縁までの高さが35〜200mmであり、前記第1の開口の開口面積は、該第2の開口の開口面積よりも大であることを特徴とするものである。
請求項4のエアバッグ装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、上部における凹部の深さd は5〜200mmであり、中間部における凹部の深さd は25〜400mmであり、下部における凹部の深さd は5〜200mmであることを特徴とするものである。
請求項5のエアバッグ装置は、請求項4において、前記中間部の凹部は、深さが25〜400mmの部分であり、上下方向に150〜400mm延在していることを特徴とするものである。
請求項6のエアバッグ装置は、請求項5において、前記中間部の凹部においては、上部側ほど該凹部の深さが深くなっていることを特徴とするものである。
請求項7のエアバッグ装置は、請求項4ないし6のいずれか1項において、前記中間部の凹部においては、少なくとも部分的に、その最奥部の鉛直面内における接線方向が車両前方に向って前傾していることを特徴とするものである。
請求項8のエアバッグ装置は、請求項ないし7のいずれか1項において、前記対面部分の下部に、該左半側エアバッグ内と右半側エアバッグ内とを連通する第2の開口が設けられており、前記縫合の縫目は、前記第1の開口と第2の開口とを連続して取り巻いた長環状に延設されていることを特徴とするものである。
請求項9のエアバッグ装置は、請求項において、前記縫合の縫目は、前記第1の開口の車両後方側から前記第2の開口の車両後方側にかけて略上下方向に延在した第1の上下方向延在部と、該第1の開口の車両前方側から該第2の開口の車両前方側にかけて略上下方向に延在した第2の上下方向延在部とを有しており、該第1の上下方向延在部の上部は、該第1の開口の車両後方側の縁部に沿って該車両後方側へ凸に湾曲した上部車両後方側湾曲部を有しており、該第1の上下方向延在部の中間部は、上端が該車両後方側湾曲部の下端に連なり、該中間部の上下方向の途中部よりも上部側において、該第1の開口の下縁に沿うようにして車両前方側へ凸に湾曲した車両前方側湾曲部と、該車両前方側湾曲部の下端から下方且つ車両後方に向って斜めに延在した斜め延在部とを有しており、該第1の上下方向延在部の下部は、上端が該斜め延在部の下端に連なり、該第2の開口の車両後方側の縁部に沿って該車両後方側へ凸に湾曲した下部車両後方側湾曲部を有しており、該車両前方側湾曲部に前記凹部の最深部が存在しており、該最深部は、該上部車両後方側湾曲部と下部車両後方側湾曲部との間の中間位置よりも該上部車両後方側湾曲部側に位置していることを特徴とするものである。
請求項10のエアバッグ装置は、請求項9において、前記第2の上下方向延在部は、下部側ほど車両後方側となるように傾斜した略直線状に延在していることを特徴とするものである。
請求項11のエアバッグ装置は、請求項8ないし10のいずれか1項において、前記対面部分のうち前記第1の開口と第2の開口との間に第3の開口が設けられており、前記縫合の縫目は、該第1の開口、第2の開口及び第3の開口を連続して取り巻いていることを特徴とするものである。
請求項12のエアバッグ装置は、請求項8ないし11のいずれか1項において、前記左半側エアバッグ内及び右半側エアバッグ内に、それぞれ、該左半側エアバッグの左右の側面同士及び該右半側エアバッグの左右の側面同士を連結した連結帯が設けられており、該左半側エアバッグ内の該連結帯の右端側及び該右半側エアバッグ内の該連結帯の左端側は、それぞれ、前記対面部分のうち前記縫合の縫目によって取り巻かれた領域に結合されていることを特徴とするものである
本発明(請求項13)の車両は、かかる本発明のエアバッグ装置を搭載してなるものである。
本発明のエアバッグにあっては、左室と右室とがパネルによって隔てられ、このパネルの上部に第1の開口が設けられている。
助手席乗員が一方、例えば左側に偏って座っている状態において車両が前突した場合、乗員は主としてエアバッグの左室に受け止められ、左室の圧力が右室の圧力よりも高くなる。この左室内の上部のガスが第1の開口を通って右室に流出することにより、乗員の頭部に加えられる衝撃が軽減される。なお、左室と右室とがパネルによって隔てられているので、パネルが設けられていないエアバッグに比べて、バッグの剛性が上がるため、左側に偏った乗員を拘束する拘束力が高い。
即ち、上記特許文献1のように左室と右室との間にパネルが設けられていないと、左側に偏った乗員がエアバッグに当った時に、エアバッグ内の圧力がエアバッグ全体として上昇するので、エアバッグ左側が車両前方へ押し込まれる長さが大きい。これに対し、両室を隔てるパネルを設けた本発明のエアバッグでは、パネルを設けていないエアバッグよりも左室内の圧力の上昇が大きく、バッグの剛性も上がるため、乗員の拘束力が大きい。
パネルのない特許文献1のエアバッグにおいて、左側に偏った乗員の拘束力を高めるために、インフレータとして出力の大きいものを用いてエアバッグ内圧を大きくしたのでは、インフレータのコストが高くつくと共に、座席中央に座っている乗員を受け止めるときのエアバッグ内圧が徒に高くなる。
上記の説明では、乗員が左側に偏っているものとなっているが、右側に偏っていても同様の効果が奏される。
第1の開口を設けたことにより、エアバッグの左室及び右室の上部が均等に膨張展開し、エアバッグ内圧も左室と右室とで均等となるという効果も奏される。
左室及び右室の下部同士を連通する第2の開口を設けた場合には、エアバッグの左室及び右室の下部も均等に膨張展開し、エアバッグ内圧も左室と右室とで均等となる。
本発明のエアバッグにあっては、乗員対向面に上下方向に延在する凹部が設けられており、乗員が座席の左右方向中央に座っているときには、乗員の頭部が凹部に入り込むように受け止められる。
本発明のエアバッグにあっては、この凹部の上下方向の中間部が上部及び下部よりも深いものとなっている。小柄な乗員が助手席の左右方向中央に座っていたときに前突が生じた場合、この小柄な乗員の頭部が、凹部の両側部分に挟まれるようにして該凹部の中間部付近に入り込むので、頭部の前方移動速度が急激に減速することがない。乗員の左右の胸は、凹部の両側部分で受け止められる。助手席に大柄な乗員が座っている状態で前突が生じた場合、乗員の頭部はエアバッグ上部の凹部で受け止められ、左右の胸は凹部の両側部分で受け止められる。
本発明の一態様にあっては、中間部の凹部は、深さが25〜400mmの部分であり、上下方向に150〜400mm延在している。
本発明の一態様にあっては、中間部の凹部においては、上部側ほど該凹部の深さが深くなっている。このように構成することにより、前傾姿勢にて凹部に進入してきた小柄乗員の頭部がこの凹部に深く入り込むようになる。これにより、小柄乗員Pの頭部が左右にずれ動くことなく、しっかりと凹部内に保持される。
本発明においては、凹部の中間部においては、少なくとも部分的に、その最奥部の鉛直面内における接線方向が車両前方に向って前傾するものとなっていることが好ましい。この場合、小柄乗員の顔面が凹部の最奥部に達したときに、顔面がこの接線方向と略々合致するため、小柄乗員の首に対する負荷が最小化される。
本発明のさらに別の一態様のエアバッグは、乗員の左半身の前方において膨張する左半側エアバッグ及び右半身の前方において膨張する右半側エアバッグを有し、この左半側エアバッグと右半側エアバッグの対面部分同士とが縫合され、この左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間に凹部が形成されている。
この態様のエアバッグが前突時に膨張した場合、乗員が左右方向の中央に座っているときには、左半側エアバッグが乗員の左胸を受け止め、右半側エアバッグが乗員の右胸を受け止める。この左右の胸には硬くて強い肋骨が存在する。このエアバッグは、この肋骨を介して乗員を受承し、衝撃を吸収する。このエアバッグは、膨張した状態において左半側エアバッグと右半側エアバッグの先端部同士の間に谷間状の凹部が存在し、乗員の胸中央の胸骨付近は該凹部に対峙する。従って、乗員の身体がエアバッグに突っ込んでいった場合、胸の胸骨付近は、エアバッグからそれ程大きな反力を受けないようになり、この胸骨付近の負担が小さくなる。
上記の縫合の縫目を上下に延在させ、且つ上記中間部において乗員対向面から遠ざかるように湾曲している構成とすることにより、凹部が、上部及び下部から中間部にかけて徐々に深くなる。
本発明のように、エアバッグに、膨張した該エアバッグを略上下方向に貫通する空洞部を設け、エアバッグが膨張した状態において、該空洞部の下端側が少なくとも部分的にインストルメントパネル(以下、インパネと略すことがある。)の車両後方側の端部よりも車両後方に位置するように構成することにより、エアバッグが膨張するときに、インパネの近傍に物体が存在していても、この物体が空洞部に呑み込まれるようになる。
実施の形態に係るエアバッグの斜視図である。 図1のエアバッグの水平断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図3のVI−VI線断面図である。 図1のエアバッグの側面図である。 インサイドパネルの平面図である。 アウトサイドパネルの平面図である。 図1のエアバッグの分解斜視図である。 図1のエアバッグの分解斜視図である。 インサイドパネルの構成図である。 インサイドパネルの構成図である。 インサイドパネルの構成図である。 図1のエアバッグの膨張時の側面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 図21のXXII−XXII線に沿う断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの水平断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの膨張時の前後方向の縦断面図である。 実施の形態に係るエアバッグの膨張時の前後方向の縦断面図である。 インサイドパネルの糸目方向を示す平面図である。 アウトサイドパネルの糸目方向を示す平面図である。 インサイドパネルとアウトサイドパネルとの分解斜視図及びインサイドパネル及びアウトサイドパネルの外周縁同士の縫合部付近の平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図は本発明の実施の形態に係るエアバッグの膨張状態における上方からの斜視図、第2図はこのエアバッグの水平断面図、第3図は第2図のIII−III線断面図、第4,5,6図は第3図のIV−IV線、V−V線、VI−VI線断面図、第7図は膨張したエアバッグの側面図、第8図はインサイドパネルの平面図、第9図はアウトサイドパネルの平面図、第10図、第11図はこのエアバッグの分解斜視図である。
このエアバッグ10は、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグ12と、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグ14と、該右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の基端側に連通する基端室16とを有する。右半側エアバッグ12内が右室となっており、左半側エアバッグ14内が左室となっている。左半側エアバッグ14と右半側エアバッグ12とは、それらの対峙面同士が縫目90Sによって縫合されている。
右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とは、各々の対峙面に設けられた第1の開口91及び第2の開口92によって連通している。第1の開口91はエアバッグ10の上部に設けられ、第2の開口92は下部に設けられている。開口91の開口面積は7500〜50000mm特に20000〜40000mm程度が好適であり、開口92の開口面積は1200〜31400mm特に1900〜20000mm程度が好適である。縫目90Sは、開口91,92を取り巻くように延在している。
このエアバッグ10が膨張完了した状態にあっては、エアバッグ10の最低部から第1の開口91の下縁(好ましくは、第1の開口91の下縁の乗員側の端部)までの高さh(第3図)は、200〜670mmであることが好ましい。第2開口92の上縁から第1の開口91の下縁までの高さhは80〜400mm特に150〜300mm程度であることが好ましい。
このエアバッグ10が膨張完了した状態にあっては、エアバッグ10の最低部から第1の開口91の面積中心までの高さhは、170〜830mmであることが好ましい。エアバッグ10の最低部から第2開口92の面積中心までの高さhは20〜350mm特に55〜200mm程度であることが好ましい。なお、面積中心とは、開口を一様な厚み及び一様な密度を有した板材とみなしたときの該板材の重心の位置である。
また、エアバッグ10が膨張完了した状態にあっては、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14の先端部同士の間にタイパネルなどの架渡部材は存在せず、両バッグ12,14の先端部同士に間に上下方向に延在する凹部13が形成される。この凹部13は、乗員に向って(即ち、第1図〜第7図において右方に向って)開放している。凹部13の最奥部は上記の縫目90Sである。
このエアバッグ10が膨張完了した状態にあっては、第2図の通り、右半側エアバッグ12の最先端12tと左半側エアバッグ14の最先端14tとの間隔Wは150〜450mm特に170〜430mmであることが好ましい。
この実施の形態では、凹部13は、上下方向の中間部で最も深く、それから上方及び下方に向って徐々に浅くなっている。エアバッグ10の膨張完了状態において、上部における凹部13の深さdは5〜200mm特に30〜170mmが好適であり、中間部における凹部13の深さdは25〜400mm特に50〜350mmが好適であり、下部における凹部13の深さdは5〜200mm特に30〜170mmが好適である。
凹部13の中間部においては、深さが25〜400mmである範囲L(第7図)が上下方向に150〜400mm特に200〜300mm延在することが好ましい。なお、この範囲を示す長さLは、乗員対向面に沿う長さである。この範囲Lの下端の位置と、FMVSSのAF05タイル(アメリカ合衆国Federal Motor Vehicle Safety Standardに規定するアメリカ成人女性の小さい方から5%の体格)の小柄な乗員ダミーのヒップポイントHPとの高低差hが240〜460mmであることが好ましい。また、この範囲Lの上端と、該ヒップポイントHPとの高低差hが460〜670mmであることが好ましい。
この実施の形態では、上記範囲Lの上下方向の中間においては、該凹部13の最奥部の鉛直面内における接線方向T(第3図)は、車両前方に向って傾斜している。この接線方向Tの傾斜角度(水平面に対する仰角)θは25〜50°特に30〜45°程度であることが好ましい。
なお、第3,7図においては、縫目90Sは、上記範囲Lの上端付近から下端付近にかけて全体的に車両前方側へ凸の略円弧状に湾曲しており、これにより、凹部13は、上下方向の中間部で最も深く、それから上方及び下方に向って徐々に浅くなっているが、縫目90Sの形状及び凹部13の最深部の位置はこれに限定されない。例えば、縫目90Sは、略く字形や略7字形(第3,5図においては左右逆向きの略7字形)等の形状に延設されてもよい。また、凹部13は、例えばその上部の下側(即ち上記範囲Lの上端近傍)において急に深くなり、そこから下部側に向って徐々に浅くなる形状、即ち凹部13が中間部において上部側ほど深くなる形状であってもよい。縫目90Sは、凹部13の上部、中間部及び下部にわたって連続していなくてもよい。即ち、例えばこの凹部13の上部と中間部との間、及び中間部と下部との間の少なくとも一方で縫目90Sが不連続となっていてもよい。また、この凹部13の中間部において、縫目90Sは、必ずしも乗員対向面から遠ざかるように湾曲していなくてもよい。即ち、この凹部13の中間部の深さが凹部13の上部及び下部よりも深くなっていれば、該中間部において、縫目90Sは、少なくとも一部が乗員対向面に接近するように湾曲していてもよく、一直線状に延在していてもよい。このように構成されたエアバッグの一例を第27〜28図に示し、後で詳しく説明する。
この実施の形態では、右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の上下方向の中間付近かつ前後方向の中間付近に、それぞれ、エアバッグ10の左右方向に延在する連結帯93,94が設けられている。この連結帯93,94によって右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の膨張時の左右幅を規制することにより、各バッグ12,14の乗員側の先端部分が乗員方向に、より長く突出させ、凹部13をより深くすることができる。また、右半側エアバッグ12の最先端部12tと左半側エアバッグ14の最先端部14tとの間隔Wを規制することにより、確実に乗員の肋骨をこれらのエアバッグ12,14によって拘束することができ、胸骨への負担が小さくなる。
右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の外側面、即ち右アウト面40及び左アウト面30にはベントホール18が設けられている。
このエアバッグ10のパネル構成について第8図〜第11図を参照して以下に説明する。なお、第10,11図は、このエアバッグ10を各パネルに分解した分解斜視図である。
このエアバッグ10の外殻は、インサイドパネル20とアウトサイドパネル80とで構成されている。
インサイドパネル20は、略瓢箪形の細長いパネルであり、第10,11図の通り、中央で2つ折りされることによりライトサイド20Rとレフトサイド20Lが形成される。このインサイドパネル20は、ライトサイド20Rが右半側エアバッグ12の内側面を構成し、レフトサイド20Lが左半側エアバッグ14の内側面を構成する。インサイドパネル20は、レフトサイド20Lの下辺28、先端辺21、上辺22、折り返し部付近の上辺23、ライトサイド20Rの上辺24、先端辺25、下辺26、及び、該折り返し部付近の下辺27によって全周の辺部が構成されている。
第9図〜第11図の通り、アウトサイドパネル80は、右半側エアバッグ12の外側面を構成する右アウト面40と、左半側エアバッグ14の外側面を構成する左アウト面30と、基端室16を構成するためのマウス面50とを有している。
該左アウト面30及び右アウト面40は、それぞれ、先端辺31,41、上辺32,42、及び下辺34,44によって外周の辺縁が構成されている。
マウス面50は、左サイド面50A、底面50B、右サイド面50C、上面左サイドを構成する左フラップ50D、上面右サイドを構成する右フラップ50Eを有している。前記左アウト面30の基端側は該左サイド面50Aに連なり、右アウト面40の基端側は該右サイド面50Cに連なっている。このマウス面50は、各サイド面50A,50Cが略三角形となるように折られ、且つ、エアバッグ先端側に向って開放している。
このマウス面50は、略長方形状のフラップ50D,50E同士の対向辺51,52、フラップ50D,50Eの後側辺(フラップ後側辺)53,54、フラップ50D,50Eの前側辺55,56、該前側辺55,56に対向する前辺57、及び底面50Bの後側辺(底部後側辺)60によって外縁が構成されている。
該フラップ後側辺53,54は、それぞれ左アウト面30及び右アウト面40の上辺32,42に連なり、底部後側辺60の両端側は、それぞれ左アウト面30及び右アウト面40の下辺34,44に連なっている。
インサイドパネル20のレフトサイド20L及びライトサイド20Rの上部には、それぞれ、左半側エアバッグ14内と右半側エアバッグ12内とを連通するための開口91が設けられている。また、レフトサイド20L及びライトサイド20Rの下部にも、それぞれ、左半側エアバッグ14内と右半側エアバッグ12内とを連通するための開口92が設けられている。
レフトサイド20L及びライトサイド20Rの各開口91,92同士の間には、それぞれ連結帯94の基端が縫目94Sによって縫着されている。
アウトサイドパネル80には、連結帯94に対峙する位置に連結帯93の基端が縫目93Sによって縫着されている。
なお、第10,11図では、図面を明瞭とするために連結帯93,94は図示が省略されている。
アウトサイドパネル80の左右方向の中央部にはインフレータ115(第7図)からのガス導入用の開口であるマウス70が設けられている。
このエアバッグ10を製作するには、第10,11図のように、まずマウス面50のフラップ50D,50Eの対向辺51,52同士を縫合する。第11図の51Sはこの縫合の縫目を示している。
次に、インサイドパネル20のレフトサイド20Lとライトサイド20Rとを重ね合わせるようにインサイドパネル20を二ツ折りにし、開口91,92を取り巻く縫目90Sによって両サイド20L,20Rを縫合する。次いでアウトサイドパネル80の左アウト面30とインサイドパネル20のレフトサイド20Lとを対面させ、先端辺21,31同士、上辺22,32同士、下辺28,34同士をそれぞれ縫合すると共に、アウトサイドパネル80の右アウト面40とインサイドパネル20のライトサイド20Rとを対面させ、先端辺25,41同士、上辺24,42同士、下辺26,44同士を縫合する。また、アウトサイドパネル80のマウス面50のフラップ後側辺53,54をインサイドパネル20の折り返し部付近の上辺23付近と縫合し、該マウス面50の底部後側辺60を折り返し部付近の下辺27付近と縫合する。次いで、連結帯93,94の先端同士を縫目95S(第2,5図)によって縫合する。
これらの縫合により、エアバッグ10(第1図)を表裏逆にした状態、即ち、縫い合せ代がエアバッグの表側に露出した状態となる。第11図の通り、マウス面50のフラップ前側辺55,56と前辺57とは、まだ縫合されておらず、この状態では開放口Mとなっている。
そこで、この開放口Mを通してエアバッグを表裏反転させる。しかる後、この開放口Mを縫目50S(第1,2図)で縫合することにより、第1図のエアバッグ10となる。
なお、第2図の通り、基端室16の底面50Bに、インフレータ115(第7図)からのガス導入用の開口(マウス)70が配置される。
このエアバッグ10は、2枚のパネル20,80により外殻が構成されるため、縫合の手間が容易である。
このエアバッグ10は、車両衝突時に自動車の助手席乗員を拘束するために、助手席用エアバッグ装置に装着される。
第7図の通り、該助手席用エアバッグ装置は、インストルメントパネル110のトップ面に設置された、エアバッグ10を収容するための容器状のケース(コンテナ)114と、エアバッグ10を膨張させるためのインフレータ115等を備えている。該インフレータ115はケース114に配置されている。エアバッグ10が折り畳まれてこのケース114内に収容されている。そして、このエアバッグ10の折り畳み体を覆うようにケースにリッドが装着されている。該リッドは、エアバッグ10が膨張するときに該エアバッグ10からの押圧力によって開裂するようになっている。第7図の符号120はウィンドウシールドを示す。
このエアバッグ装置の作動は次の通りである。
このエアバッグ装置を搭載した自動車が衝突した場合、インフレータ115がガス噴出作動する。このインフレータ115からのガスは、まず基端室16を膨張させ、次いで右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14内に流入してこれらを膨張させる。
このエアバッグ10にあっては、先に膨張した基端室16は、インストルメントパネル110の上面に接し、姿勢が安定する。このため、右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14は、膨張完了時だけでなく膨張途中時でも姿勢が安定する。
また、膨張した基端室16から右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14にガスが略均等に供給されると共に、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14の先端側同士が開口91,92によって連通されているので、該右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14の双方が膨張初期の段階からスムーズに且つ左右略均等に膨張するようになる。例えば、開口91,92が設けられていないと、右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の内圧が不均一となることで該右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の膨張が不均一となり、これによってエアバッグ10の展開挙動が不安定になる可能性があるが、開口91,92を設けることにより、右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の不均一な展開及び膨張時の暴れが抑制される。
エアバッグ10が膨張完了した状態において、乗員対向面の左右方向の中央に、上下方向に延在した凹部13が形成される。即ち、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14の先端部同士の間に、上下方向に延在した谷間状の凹部13が形成され、この凹部13が乗員に向って開放している。
乗員が助手席の左右方向の中央に座っていたときには、膨張した右半側エアバッグ12が乗員Pの右胸を受け止め、膨張した左半側エアバッグ14が左胸を受け止め、胸骨付近は凹部13に対峙する。このため、胸骨付近に加えられるエアバッグ受承時の反力が小さなものとなる。頭部は、凹部13に入り込んで受け止められる。
このエアバッグ10にあっては、凹部13の上下方向の中間部の深さdが上部の深さd及び下部の深さdよりも大きいものとなっている。FMVSSのAF05タイル程度の小柄な乗員が助手席に座っていたときに前突が生じた場合、この小柄な乗員の頭部が中間部の深い凹部13に受け止められる。乗員の左右の胸や肩付近は、上記の通り右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の下部に受け止められる。小柄な乗員の場合、質量が小さいので、シートベルト着用時には、該シートベルトのショルダーウェビングの拘束力が作用することにより、胸の前方移動速度は比較的小さい。小柄な乗員の頭部は胸に比べて相対的に大きな速度で前方に移動する。この頭部が、両側から右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とに挟まれるようにして凹部13の中間部付近に入り込むので、この頭部の前方移動速度が急激に減速することがなく、胸と頭部がほぼ同挙動にて前方移動し、エアバッグ10を押し縮める。これにより、小柄な乗員の首に加えられる衝撃が最小化される。
なお、凹部13の前記最奥部の接線方向Tが前傾していると、AF05タイル程度の小柄乗員の顔面が該最奥部に達したときに、顔面が接線方向Tと略々合致するため、乗員の首に対する負荷が最小化される。
助手席の左右方向の中央にFMVSSのAM50タイル(アメリカ成人男性の平均的体格)程度の大柄な乗員が座っている状態で前突が生じた場合、乗員の頭部はエアバッグ10の乗員対向面の上部で受け止められ、胸や肩はエアバッグ10の上下方向中間部で受け止められる。大柄な乗員は、質量が大きいので、小柄乗員の場合よりも大きなエネルギーにて前方移動する。このエアバッグ10の上部では、凹部13が浅くなっており、頭部が凹部13に入り込んだときに、ほぼ同時に左右の胸、肩も右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14に当接する。そして、頭部と胸、肩とが一体的に、エアバッグ10を押し縮めながら前方移動する。エアバッグ10の上部において凹部13が浅くなっていることにより、頭部を拘束するのに必要なエアバッグ10の前後ストロークを確保することができるため、大柄な乗員に加えられる衝撃が吸収される。
助手席に座っている乗員が左側に偏っている場合は、乗員は左半側エアバッグ14に当って左半側エアバッグ14を押し縮める。これにより、左半側エアバッグ14内、すなわち、左室内のガス圧が上昇し、乗員が左半側エアバッグ14に受け止められる。左半側エアバッグ14と右半側エアバッグ12とは、インサイドパネル20によって隔てられているので、左室と右室とが隔てられていないエアバッグに比べて、左室内のガス圧が高い。この左室内のガスがベントホール18からエアバッグ10外に流出したり、開口91,92及び基端室16を通って右室へ流出することにより衝撃が吸収される。
乗員が右側に偏って座っていた場合には、乗員は右半側エアバッグ12によって受け止められ、右半側エアバッグ12内のガスがベントホール18からエアバッグ10外に流出したり、開口91,92及び基端室16を通って左室に流出することにより、衝撃が吸収される。
なお、この実施の形態においては、第3図の通り、シーム90Sと基端室16との間における右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14との間に、上下方向に貫通する空洞部90Vが存在する。この空洞部90Vは、エアバッグ10の膨張完了状態において、その下端側が少なくとも部分的にインパネ110の最後端部110aよりも車両後方側に位置するように形成されている。即ち、エアバッグ10の膨張完了状態においては、この空洞部90Vの下端側の開口部が、少なくとも部分的に、インパネ110の最後端部110aよりも車両後方において該エアバッグ10の下面に露呈する。従って、第15図のように、エアバッグ10が膨張するときに、インパネ110の近傍に物体Cが存在していても、この物体Cが空洞部90Vに呑み込まれるようになる。
上記実施の形態では、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とは対称形状となっているが、非対称形状であってもよい。また、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14の容積は同一であってもよく、異なってもよい。
上記実施の形態では2個の開口91,92が設けられているが、第16図のエアバッグ10Aのように上部の第1の開口91のみが設けられてもよい。また、上部に2個以上の第1の開口が設けられてもよく、この場合は、各第1の開口の開口面積の合計が上記第1の開口91の開口面積の好ましい範囲となっていればよい。
3個の開口を設けたエアバッグの一例を第18図に示す。第18図は、上部の開口91と下部の開口92との間に中間の開口91mを設けた実施の形態に係るエアバッグ10Cの第3図と同様部分の縦断面図である。
また、上記実施の形態では、凹部13は、上下方向の中間部が最も深くなっているが、第17図のエアバッグ10Bの凹部13Bのように上部、中間部及び下部において、凹部13Bが略均等な深さとなっていてもよい。図示はしないが、上部及び下部の深さが中間部よりも大きいものとなっていてもよい。
第16図〜第18図のその他の構成は第3図と同じであり、同一符号は同一部分を示している。
上記実施の形態では開口91,92が独立して離隔して設けられているが、第12図〜第14図のインサイドパネル20A,20B,20Cのように、開口91,92を繋げた形状の細長い開口94を設け、この開口94を横断する小パネルを設けてもよい。
第12図(a),(b)のインサイドパネル20Aの開口94は、途中がくびれた瓢箪形である。この開口94のくびれた部分を小パネル95が横断し、第12図(b)の通り、開口94の車両前側及び車両後側の縁部にそれぞれ縫目95Sによって縫着されている。
第13図(a)のインサイドパネル20Bは、この開口94のくびれた部分の車両前側及び車両後側の縁部にそれぞれ小パネル96の基端側が縫目96aによって縫着されている。第13図(b)のように、この小パネル96,96の先端側同士が縫目96bによって縫着されている。即ち、小パネル96,96を連結した小パネル連結体が開口94を横断している。
第14図のインサイドパネル20Cでは、開口94のくびれた部分の車両後側の縁部及び車両前側の縁部からそれぞれ小パネル97a,97bが突設されている。小パネル97a,97bは、インサイドパネル20Cの基布と一連一体に設けられている。第14図(b)のように、この小パネル97a,97bの先端同士が縫目97cによって縫着されている。即ち、小パネル97a,97bの連結体が開口94を横断している。
これらのインサイドパネル20A〜20Cを用いて製作されたエアバッグも、上記実施の形態のエアバッグと同様の作用効果を奏する。なお、インサイドパネル20A〜20Cの小パネル95や、小パネル96又は97の連結体の開口横断方向の長さを短くすることにより、凹部13の中間部の深さdを大きくすることができる。
第16図では、縫目90Sは閉じたループ形となっているが、縫目は途中で途切れたものであってもよい。第19図は、このような実施の形態に係るエアバッグの第3図と同様部分の縦断面図である。
第19図のエアバッグ10Dでは、上部の開口91が設けられている。縫目90S’’は、開口91を周回して取り巻く部分と、それから下方に延在した部分とを有する。下方に延在する部分は、前記縫目90Sから車両前方側の上下方向延在部を部分的に省略したものである。その他の構成は第16図と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
本発明では、右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14が、凹部13の中間部の奥側において、エアバッグ膨張状態において押し付け合わされるように構成してもよい。
第20図は、かかる実施の形態に係るエアバッグ10Eの膨張状態における乗員側の略々水平方向の断面図であり、前記第5図と同様部分の断面を示している。
この実施の形態では、縫目90Sのうち乗員側の部分が、凹部13の中間部において、前記第5図よりも若干奥側(車両前方側)に位置している。この縫目90Sよりも乗員側にあっては、凹部13の中間部の奥側領域Kにおいて、膨張した右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とが押し付け合わされている。乗員Pの頭部は、車両前突時に該奥側領域Kに入り込み、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とを押し分けるようにして前方に移動し、この間に衝撃が吸収される。
本発明では、左右テザーを縫目90Sによって右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14に縫合してもよい。第21図は、かかるエアバッグ10Fの第3図と同様部分の縦断面図である。第22図は、第21図のXXII−XXII線に沿う断面図である。このエアバッグ10Fでは、連結帯94が縫目90Sによってインサイドパネル20に縫合されている。このように縫目90Sによって連結帯94を縫合することにより、縫目94Sを省略できる。
なお、第22図では、連結帯94は、縫目90Sの車両前方側の上下方向延在部と車両後方側の上下方向延在部の双方によってインサイドパネル20に縫合されているが、第23図(a)のように、縫目90Sの車両前方側の上下方向延在部のみによってインサイドパネル20に縫合されてもよく、縫目90Sの車両後方側の上下方向延在部のみによってインサイドパネル20に縫合されてもよい。なお、第23図(a),(b)は、それぞれ、第22図と同様部分の水平断面図である。第23図(a),(b)のその他の構成は、第22図と同一である。
本発明では、第24図のエアバッグ10Gのように、左半側エアバッグ14と右半側エアバッグ12とは、それらの対峙面同士が上部結合手段としての縫目91Sと、下部結合手段としての縫目92Sによって縫合され、縫目91S,92Sが非連続となっていてもよい。
縫目91Sは開口91を取り巻いており、縫目92Sは開口92を取り巻いている。
凹部13のうち、上側の縫目91Sと下側の縫目92Sとの間の中間部は深い凹部となっている。この深い凹部にあっては、エアバッグ10Gが膨張した状態において、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とが押し付け合わされている。この押し付け合わされた部分に、連結帯94を縫着する縫目94Sが位置している。凹部13の中間部のうち、一部はこの縫目94Sによって行き止りとなるが、この縫目94Sと縫目91S及び92Sとの間にあっては、凹部13は基端室16にまで達している。
また、エアバッグ10Gが膨張した状態において、縫目94Sから乗員対向面までの間において右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とが押し付け合わされている部分が存在する。
第24図のその他の構成は第3図と同じであり、同一符号は同一部分を示している。
このエアバッグ10Gにあっても、FMVSSのAF05タイル程度の小柄な乗員が助手席に座っていたときに前突が生じた場合、この小柄な乗員の頭部が縫目91,92間の深い凹部13に受け止められる。乗員の左右の胸や肩付近は、上記の通り右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14の下部に受け止められる。
この実施の形態では、縫目94Sよりも乗員側にあっては、膨張した右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とが押し付け合わされて密着している。乗員の頭部は、車両前突時に該密着部分に入り込み、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14とを押し分けるようにして前方に移動し、この間に衝撃が吸収される。
助手席にFMVSSのAM50タイル(アメリカ成人男性の平均的体格)程度の大柄な乗員が座ってる状態で前突が生じた場合、乗員の頭部はエアバッグ10の乗員対向面の上部で受け止められ、胸や肩はエアバッグ10Gの上下方向中間部で受け止められる。大柄な乗員は、質量が大きいので、小柄乗員の場合よりも大きなエネルギーにて前方移動する。このエアバッグ10Gの上部では、凹部13が浅くなっており、頭部が凹部13に入り込んだときに、ほぼ同時に左右の胸、肩も右半側エアバッグ12及び左半側エアバッグ14に当接する。そして、頭部と胸、肩とが一体的に、エアバッグ10を押し縮めながら前方移動する。エアバッグ10Gの上部において凹部13が浅くなっていることにより、頭部を拘束するのに必要なエアバッグ10Gの前後ストロークを確保することができるため、大柄な乗員に加えられる衝撃が吸収される。
なお、この実施の形態においても、前記第15図のように、エアバッグ10Gが膨張するときに、インパネ110の近傍に物体Cが存在していても、この物体Cが空洞部90Vに呑み込まれるようになる。
第24図では、縫目91S,92Sは開口91,92を周回するだけであるが、第25図のエアバッグ10Hのように、縫目91Sから下方に分岐状の縫目91S''が延出してもよく、縫目92Sから上方に分岐状の縫目92S''が延出してもよい。縫目91S''及び92S''はシーム94Sの直近にまで延在してもよい。
第25図のその他の構成は第24図と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
第24,25図の実施の形態では2個の開口91,92が設けられているが、1個又は3個以上の開口が設けられてもよい。また、開口の大きさを上記説明以外としてもよい。このような実施の形態の一例について第26図を参照して説明する。
第26図のエアバッグ10Iは、下部の開口92を省略したものである。第26図のその他の構成は第24図と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
なお、本発明では、連結帯93,94は、インサイドパネル20及びアウトサイドパネル80と同様に、ナイロン等の合成繊維の織布よりなる基布の一方の面にシリコーン樹脂等のコーティングを施したコート布にて構成されることが好ましい。
このようなコート布にて連結帯93,94を構成した場合、連結帯93,94の樹脂コーティング面が車両前方を向くようにするのが好ましい。これにより、インフレータからの熱いガスが連結帯93,94に当る場合でも、連結帯93,94の耐熱性が高いものとなる。
第27図は、さらに別の実施の形態に係るエアバッグ10Jの第3図と同様部分の縦断面図である。
このエアバッグ10Jにおいては、凹部13の中間部は、上部側ほど深くなっている。
即ち、この実施の形態では、前記縫目90Sの車両後方側の上下方向延在部は、凹部13の上部では、開口91の後縁に沿って車両後方側へ突出するように湾曲しており、凹部13の中間部(即ち前記範囲L)では、該開口91の近傍(即ち前記範囲Lの上端近傍)において該開口91の下縁に沿うようにして車両後方側へ突出するように湾曲し、そこから下方に向って徐々に車両後方側となるように斜めに延在し、凹部13の下部では、開口92の後縁に沿って車両後方側へ突出するように湾曲している。即ち、この縫目90Sの車両後方側の上下方向延在部は、凹部13の中間部において、略7字形(第27図においては左右逆向きの略7字形)に延設されている。これにより、凹部13は、その上部の下側(即ち前記範囲Lの上端近傍)において急に深くなり、そこから下方に向って徐々に浅くなっている。
このエアバッグ10Jにおける前記範囲Lの上端から凹部13の最深部13bまでの間隔qは、0〜250mm特に0〜150mmであることが好ましい。
このエアバッグ10Jにおける該エアバッグ10Jの乗員対向面からの凹部13の最深部13bの深さd’は、25〜400mm特に50〜350mmであることが好ましい。
縫目90Sのうち、凹部13の最深部13bよりも下部側の下方且つ車両後方側へ斜めに延在した部分の水平面に対する仰角θは、25〜50°特に30〜45°程度であることが好ましい。
第27図のその他の構成は第3図と同一であり、第27図において第3図と同一符号は同一部分を示している。
このエアバッグ10Jにあっては、凹部13の中間部は、上部側ほど深くなっているので、第27図のように、前傾姿勢にて凹部13に進入してきた小柄乗員Pの頭部がこの凹部13に深く入り込むようになる。これにより、小柄乗員Pの頭部が左右にずれ動くことなく、しっかりと凹部13内に保持される。また、この凹部13の最深部13bよりも下部側においては、この凹部13の最奥面が車両前方に向って傾斜しているので、小柄乗員Pの顔面が該最奥面に達したときに、この顔面が該最奥面と略々合致する。これにより、乗員の首に対する負荷が最小化される。
なお、第12〜16,18〜23図の変更例は、第27図にも適用可能である。
第28図は、さらに別の実施の形態に係るエアバッグ10Lの第3図と同様部分の縦断面図である。
このエアバッグ10Lにおいては、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14との対峙面同士を縫合した縫目は、該対峙面の上部同士を縫合した上部縫目90Suと、該対峙面の中間部同士及び下部同士を連続して縫合した中下部縫目90Sm’とからなる。
この実施の形態では、該上部縫目90Suは、凹部13の上部側の開口91を取り巻くように環状に延在している。中下部縫目90Sm’は、凹部13の中間部から下部にかけて略上下方向に延在している。第28図の通り、これらの縫目90Su,90Sm’同士は不連続となっている。中下部縫目90Sm’は、凹部13の中間部においては、上部縫目90Suよりも車両前方側に位置している。なお、この実施の形態では、該中下部縫目90Sm’の上端側は、上部縫目90Suの車両前方側を通ってエアバッグ10Lの上端付近まで延在している。
凹部13の中間部においては、該中下部縫目90Sm’は、下部側ほど車両後方側となるように斜めに略一直線状に延在している。この部分の水平面に対する仰角θは、25〜50°特に30〜45°程度であることが好ましい。該中下部縫目90Sm’の上端側及び下端側は、それぞれ、車両前方側に向うように略円弧状に湾曲している。なお、この中下部縫目90Sm’は、右半側エアバッグ12と左半側エアバッグ14との対峙面の中間部同士及び下部同士を連続して縫合したものとなっているが、本発明においては、該対峙面の中間部同士を縫合した中間部縫目と、下部同士を縫合した下部縫目とが別々に設けられていてもよい。即ち、本発明では、中間部縫目と下部縫目も不連続となっていてもよい。この実施の形態では、凹部13の下部側の開口92は省略されている。仮に開口92が設けられている場合には、該中下部縫目90Sm’の下端側は、この開口92を取り巻く環状となっていてもよい。
このエアバッグ10Lにおいては、該上部縫目90Suが凹部13の上部の最奥部となっており、中下部縫目90Sm’が凹部13の中間部及び下部の最奥部となっている。該中下部縫目90Sm’は、上端側が上部縫目90Suよりも車両前方側に位置し、且つ下端側ほど車両後方側となるように斜めに延在しているので、凹部13は、中間部の深さが上部及び下部よりも深くなっている。
第28図のその他の構成は第3図と同一であり、第28図において第3図と同一符号は同一部分を示している。
このエアバッグ10Lにあっても、第1〜7図のエアバッグ10と同様の作用効果が奏される。
なお、第28図においても、中下部縫目90Sm’は、車両前方側へ突出するように湾曲していてもよく、あるいは車両後方側へ突出するように湾曲していてもよく、一直線状であってもよい。
上記のインサイドパネル20及びアウトサイドパネル80は、左右対称であることが好ましい。即ち、第29図(a),(b)のように、インサイドパネル20を左右に長くかつ平たく平面上に広げた状態において、インサイドパネル20のレフトサイド20Lとライトサイド20Rの糸目(基布組織糸の延在方向)は、該インサイドパネル20のセンターライン(インサイドパネル20の左右方向の中間を通る鉛直方向の線分)CLに対し0°及び90°とする(第29図(a))か、あるいは45°とする(第29図(b))。
同様に、アウトサイドパネル80についても、第30図(a),(b)の通り、左右に長く且つ平たく平面上に広げた状態において、該アウトサイドパネル80のパネルの糸目は、該アウトサイドパネル80のセンターライン(アウトサイドパネル80の左右方向の中間を通る鉛直方向の線分)CLに対し0°及び90°(第30図(a))とするか、あるいは45°(第30図(b))とする。
このように各パネル20,80の糸目を左右対称とすることにより、左半側エアバッグ14と右半側エアバッグ12とで強度が等しいものとなる。
なお、仮に、双方のパネル20,80を、糸目が各々のセンターラインCL,CLに対し同一方向(好ましくは0°及び90°)となるように構成した場合には、両パネル20,80を第29図(a)及び第30図(a)の如く平たく広げて重ね合わせると、両パネル20,80の糸目は互いに平行となる。
これに対し、上記の実施の形態においては、第31図(a)の通り、エアバッグ10を製作するに当り、インサイドパネル20は、センターラインCLに沿って二つ折りされるのに対し、アウトサイドパネル80は、その基端側のマウス面50が、底面50B、左右サイド面50A,50C及び上面(フラップ50D,50E)を有し、且つエアバッグ先端側に向って開放した立体的な形状となるように折られる。
このように一方のパネル20を平面折りし、他方のパネル80を立体折りして該パネル20,80同士を合体させた場合には、仮に両パネル20,80の糸目方向が各々のセンターラインCL,CLに対し同一方向であっても、第31図(b)の通り、これらのパネル20,80の外周縁同士は、糸目が互いに異なる方向(非平行方向)を指向した状態で重なり合う。このように、パネル20,80同士を、糸目を非平行方向として縫合した場合には、糸目を平行にして縫合した場合に比べて、両パネル20,80同士の縫合強度が高くなる。
なお、糸目を前記センターラインCL,CLに対して0°及び90°としたパネル20又は80にあっては、織布の反物からの基布取り効率が向上する。すなわち、単位長さの反物から切り出すことができるパネル20又は80の数が多くなる。
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
10,10A〜10I エアバッグ
12 右半側エアバッグ
13 凹部
14 左半側エアバッグ
16 基端室
20,20A,20B,20C インサイドパネル
30 右アウト面
40 左アウト面
50 マウス面
80 アウトサイドパネル
91,92,94 開口
93,94 連結帯
95,96,97 小パネル

Claims (13)

  1. エアバッグと、該エアバッグを膨張させるインフレータとを備えたエアバッグ装置であって、
    該エアバッグは、助手席乗員の前方に膨張した状態において乗員に対面して上下方向に延在した凹部が形成されるものであり、
    該エアバッグは、乗員の左半身の前方に位置する左室と右半身の前方に位置する右室とが、それら同士の間の区画パネルによって隔てられているものであるエアバッグ装置において、
    該区画パネルの上部に、該左室と右室とを連通する第1の開口が設けられており、
    該第1の開口の開口面積は7500〜50000mmであり、膨張状態のエアバッグの最下端から該第1の開口の下縁の乗員側までの高さが200〜670mmであり、
    該エアバッグは、車両のインストルメントパネルから乗員に接近するように車両後方へ向って膨張するものであり、
    該エアバッグに、該エアバッグが膨張した状態において該エアバッグを略上下方向に貫通する空洞部が設けられており、
    該空洞部は、該エアバッグが膨張した状態において、その下端側が、少なくとも部分的に、インストルメントパネルの車両後方側の端部よりも車両後方に位置するように構成されており、
    該エアバッグは、車両前方側に配置された基端室と、
    該基端室に連なり、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、
    該基端室に連なり、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグと
    を有し、
    該左半側エアバッグと右半側エアバッグの対面部分同士が縫合されることにより前記凹部が形成されており、
    この縫合の縫目は上下方向に延在しており、且つこの縫目は、該凹部の上下方向の中間部において、少なくとも一部が乗員対向面から遠ざかるように湾曲しており、
    該凹部の上下方向の中間部における深さは、上部及び下部における該凹部の深さよりも大きなものとなっており、
    該左半側エアバッグと右半側エアバッグの前記対面部分同士が前記区画パネルを構成しており、
    前記縫合の縫目は、前記基端室から車両後方側に離隔して設けられており、
    該縫目と該基端室との間における該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの該対面部分同士の間が前記空洞部となっていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1において、該区画パネルの下部に、左室と右室とを連通する第2の開口が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項2において、第2の開口の開口面積は1200〜32000mmであり、
    前記エアバッグが膨張した状態において、第2の開口の上縁から下縁までの高さが35〜200mmであり、
    前記第1の開口の開口面積は、該第2の開口の開口面積よりも大であることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    上部における凹部の深さdは5〜200mmであり、
    中間部における凹部の深さdは25〜400mmであり、
    下部における凹部の深さdは5〜200mmであることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項において、前記中間部の凹部は、深さが25〜400mmの部分であり、上下方向に150〜400mm延在していることを特徴とするエアバッグ装置。
  6. 請求項において、前記中間部の凹部においては、上部側ほど該凹部の深さが深くなっていることを特徴とするエアバッグ装置。
  7. 請求項ないしのいずれか1項において、前記中間部の凹部においては、少なくとも部分的に、その最奥部の鉛直面内における接線方向が車両前方に向って前傾していることを特徴とするエアバッグ装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記対面部分の下部に、該左半側エアバッグ内と右半側エアバッグ内とを連通する第2の開口が設けられており、
    前記縫合の縫目は、前記第1の開口と第2の開口とを連続して取り巻いた長環状に延設されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  9. 請求項において、前記縫合の縫目は、前記第1の開口の車両後方側から前記第2の開口の車両後方側にかけて略上下方向に延在した第1の上下方向延在部と、該第1の開口の車両前方側から該第2の開口の車両前方側にかけて略上下方向に延在した第2の上下方向延在部とを有しており、
    該第1の上下方向延在部の上部は、該第1の開口の車両後方側の縁部に沿って該車両後方側へ凸に湾曲した上部車両後方側湾曲部を有しており、
    該第1の上下方向延在部の中間部は、
    上端が該車両後方側湾曲部の下端に連なり、該中間部の上下方向の途中部よりも上部側において、該第1の開口の下縁に沿うようにして車両前方側へ凸に湾曲した車両前方側湾曲部と、
    該車両前方側湾曲部の下端から下方且つ車両後方に向って斜めに延在した斜め延在部と
    を有しており、
    該第1の上下方向延在部の下部は、上端が該斜め延在部の下端に連なり、該第2の開口の車両後方側の縁部に沿って該車両後方側へ凸に湾曲した下部車両後方側湾曲部を有しており、
    該車両前方側湾曲部に前記凹部の最深部が存在しており、
    該最深部は、該上部車両後方側湾曲部と下部車両後方側湾曲部との間の中間位置よりも該上部車両後方側湾曲部側に位置していることを特徴とするエアバッグ装置。
  10. 請求項において、前記第2の上下方向延在部は、下部側ほど車両後方側となるように傾斜した略直線状に延在していることを特徴とするエアバッグ装置。
  11. 請求項ないし10のいずれか1項において、前記対面部分のうち前記第1の開口と第2の開口との間に第3の開口が設けられており、
    前記縫合の縫目は、該第1の開口、第2の開口及び第3の開口を連続して取り巻いていることいることを特徴とするエアバッグ装置。
  12. 請求項ないし11のいずれか1項において、前記左半側エアバッグ内及び右半側エアバッグ内に、それぞれ、該左半側エアバッグの左右の側面同士及び該右半側エアバッグの左右の側面同士を連結した連結帯が設けられており、
    該左半側エアバッグ内の該連結帯の右端側及び該右半側エアバッグ内の該連結帯の左端側は、それぞれ、前記対面部分のうち前記縫合の縫目によって取り巻かれた領域に結合されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載のエアバッグ装置を搭載してなる車両。
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