JP5438253B2 - 人が出入りできる区域、特に扉によって閉ざされた空間への出入りを規制する方法 - Google Patents

Description

本発明は、人が出入りできる区域、特に扉によって閉ざされた空間への出入りを規制する方法に関する。この方法を遂行するため、識別コード、承認コード、およびアクセスコードを送受する、少なくとも二つの通信装置が提供される。同方法においては、第１の通信装置から少なくとも一つの第２の通信装置へ識別コードが送信される。第２の通信装置は識別コードをチェックし、チェックに合格した場合には、第１の通信装置へ承認コードを返信する。次に第１の通信装置が第２の通信装置へアクセスコードを送信する。アクセスコードのチェックに合格した後には出入りが自由とされる。

現代の建物用出入規制システムにはしばしば、電子キーがファイルされたチップカードが役立てられる。例えばエレベータ設備への出入りを許可するため、チップカードをチェックし目的地コールを送達する読み取り装置付き端末が、各階のエレベータの近くに配置される。その種のチップカードはまた、可搬式通信装置に、例えば携帯電話等に、内蔵させること、または挿入することができる。ただしその種の出入規制システムの場合には、目的地コールを発信する可搬式通信装置を位置の点で正確に特定できないという不利点がある。特に、目的地コールが提出されたところの階がどれなのかを識別できないことは多々ある。その結果、エレベータ設備の目的地コール制御部は、運ぶべき搭乗者がいる階について情報を持たない。

建物の中でユーザを案内するシステムは、欧州特許出願公開第１３２９４０９号明細書から知られている。この出入規制システムは、ユーザの通信手段との通信のため少なくとも一つの送／受信装置を、ならびにユーザ向けの情報項目を提供するため少なくとも一つのコンピュータ設備を備える。送／受信装置は、建物の中でユーザの通信手段をローカルに識別する目的を果たす。コンピュータ設備は、建物内でのユーザ案内のためのデータを、送／受信装置を介して通信手段へ伝達する。

この出入規制システムでは、通信手段の位置特定のため、数台の送／受信装置が通信手段の位置特定のためのコードシーケンスを同時に送信し、その結果コードシーケンスの重畳が起こり得ることが不利とわかっている。その上、通信装置によって送信される識別コードが数台の送／受信装置へ達することから、ユーザの位置特定は困難となる。例えば二つの別々の階に配置された二つの送／受信装置が識別コードを受信する場合でさえ、コンピュータ装置は、通信手段、よってユーザが、一方の送／受信装置の近く、または他方の送／受信装置の近くにいるか否かを区別できない。
欧州特許出願公開第１３２９４０９号明細書

本発明の目的は、人が出入りできる区域への出入りを規制する方法を、出入り可能な区域の中で第２の通信装置を位置の点で正確に特定でき、これによりユーザに正しい情報を提供できるよう開発することにある。

本発明によると、序文で述べた特徴を有する方法の場合に、この課題を達成するため、同方法は請求項１に従い、以下のステップすなわち、
ａ）少なくとも一つの第１の通信装置から少なくとも一つの第２の通信装置へ、所定の第１の送信電力で識別コードを送信することと、
ｂ）少なくとも一つの第２の通信装置によって識別コードをチェックすることと、
ｃ）識別コードのチェックに合格した場合に、少なくとも一つの第２の通信装置から第１の通信装置へ、第１の送信電力より低い第２の送信電力にて承認コードを送信することと、
ｄ）識別コードのチェックに合格した場合に、第１の通信装置から第２の通信装置へアクセスコードを送信することと、
ｅ）第２の通信装置によってアクセスコードをチェックすることと、
ｆ）アクセスコードのチェックに合格した場合に出入りを自由とすること、
を含むと規定される。

本発明による方法は、第２の通信装置が、第１の通信装置から送信された識別コードの受信の後に、承認コードを、第１の送信電力より低い第２の送信電力にて、第１の通信装置へ送信するとの認識に基づいている。第２の送信電力は好ましくは、第１の通信装置から送信される承認コードが、第２の通信装置の領域内の近接場の中でのみ受信できるものにする。この場合の近接場は好ましくは、約２メートルに満たない範囲を有する。比較的低い送信電力による承認コードの送信によって、事実近くにいて、ただし現場の事情から建物の別の部分に立っている別の人物が誤って特定されることは回避される。

本発明による方法の有利な展開は請求項２から１０にかけて記載されている。

本発明の有利な展開においては、通信装置の一定の範囲内に限り識別コードが送信されると規定する。これは、建物内の特定の建物区画で、または特定の階でのみ識別コードの送信が行われる場合に、ユーザが該当する建物区画の中に立っているか否かを立証でき、特に有利であることがわかる。有利には、範囲は最大３０メートルである。

本発明による方法の一展開においては、識別コードが所定の時点に、および／または所定の期間内に送信されると規定する。このようにして、建物がまったく使われない期間には識別コードを送信する必要もまたないため、電力消費量の低減により、少なくとも第１の通信装置に関しては、エネルギー節約を達成することが可能となる。

短距離通信技術の範囲内で確実且つ安全なデータ伝送を可能にするため、もしも第１の通信装置が第２の通信装置から一定の範囲内に位置するときに限り、ステップｃ）、ステップｄ）、ステップｅ）、および／またはステップｆ）が遂行されるなら、有利である。この接続において、範囲は好ましくは約５メートル未満に、好ましくは１メートル未満になる。この場合に好ましくは使用されるべき無線電波式データ伝送には、従来のインターフェイス、特に赤外線インターフェイスを使用できる。Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ規格は伝送規格として特に相応しい。

さらなるセキュリティ措置として、所定の期間内に限り出入りが自由とされると規定できる。よって例えば、第１の人集団には日中に限り、そして第２の人集団には夜間に限り、出入りを許可することができる。これを可能にするため、第１の通信装置、および／または第２の通信装置、および／またはアクセスコードそのものは、相応に生成できる。

時間に依拠しないセキュリティ措置を設けるため、本発明の方法の有利な展開においては、出入りを自由とするため所定の使用回数を経た後アクセスコードがキャンセルされる。その場合のキャンセルは自動的に、または中央コンピュータ装置を操作する権限保持者によって、行うことができる。

好ましくは第１の通信装置として携帯電話が使用される。よって、ユーザが自身の携帯電話だけでなく、さらなる可搬式通信装置を携行する負担を回避することが可能となる。第２の通信装置は好ましくは静止端末によって形成される。本方法をエレベータ設備に使用する場合、その種の端末は、例えば各階のエレベータ昇降路の近くに配置できる。その際、端末と第１の通信装置との通信は、好ましくは近接場通信によって行う。端末は、エレベータ昇降路の近くか、または建物壁のエレベータ昇降路の領域内に、自立するよう設けることができる。自立式配置の場合には、近接場通信で不具合が生じた場合に、ユーザは目的地コール入力のため端末を使用することができる。

図面を参照しながら下記にて本発明をさらに説明する。

図１は、三台のエレベータ２、３、４を含むエレベータ設備１の形をとる、人が出入りできる区域への出入りをチェックするシステムを概略的に示す。第１の端末２０は第１の階５のエレベータ設備１の領域内に、そして第２の端末２１は第２の階６に配置されている。ユーザ３０は、エレベータ２、３、４の内一つに出入りするため、第１の通信装置を形成する携帯電話２０を携行する。携帯電話１０は記憶装置とインターフェイスとディスプレイとキーボードとを装備する。

ユーザ３０は、例えば地下駐車場を通じて、第１の階５にて建物に入る。携帯電話１０はプログラム上、これが特定の時点に所定の期間にわたって識別コードを自動的に送信するよう装備される。ユーザ３０が静止端末２０の近傍に入ると直ちに、端末２０は携帯電話１０によって送信された識別コードを受信する。その際端末２０によって行われる識別コードのチェックは、携帯電話によって送信された識別コードを端末２０の記憶装置にファイルされた識別コードに比較する形で行われ、二つの識別コードが一致する場合には、端末２０から携帯電話１０にかけて、第１の送信電力より低い第２の送信電力にて承認コードを送信することにより、チェックの合格が伝達される。その場合の送信電力は、端末２０から約２メートルの範囲内に限り承認コードが送信されるものにする。その結果、ユーザが第１の階５で端末２０の近くに位置する場合に限り、携帯電話によって承認コードが受信される。この場合に、もしも同時に、第２の階６の端末２１が、携帯電話の識別コードを受信したが故に第２の送信電力で承認コードを送信するなら、これは携帯電話１０によって受信されない。承認コードの送信にはＢｌｕｅｔｏｏｔｈ規格が使用される。その後には、携帯電話１０から、その記憶装置にファイルされたアクセスコードが、インターフェイスを通じて第１の端末２０へ送信される。

このようにして、ユーザ３０の、よってユーザによって携行される携帯電話１０の居場所を特定できる。第１の端末２０によってアクセスコードが受信された後、アクセスコードは、記憶装置にファイルされた本来のアクセスコードに比較される。アクセスコードが本来のアクセスコードに一致する場合には、目的地コール制御部が目的地コールに応じる一つ以上のエレベータを決定する。この接続においてユーザ３０は、目的地コール制御部によって優先的に推奨されるエレベータを選択できるが、携帯電話と対応するメニューガイドにより、ディスプレイキーボードを利用して別のエレベータを選択することもできる。ユーザ３０によってエレベータが選択された後、目的地コール制御部は、選択されたエレベータへユーザ３０を案内するためしかるべきデータを伝達する。データの報知は、携帯電話のディスプレイを通じて、またはエレベータの上の表示装置を通じて、行うことができる。代わりに、音声出力を通じてユーザ３０にデータを伝達することもできる。

前述したエレベータ設備１への出入規制のための方法は、扉によって閉ざされた空間への出入規制に同様の方法で移すことができる。さらに前述した方法は代わりに、第１の通信装置１０が静止端末によって、そして第２の通信装置２０が携帯電話によって形成される仕様で遂行することもできる。その結果この形態においては、端末が携帯電話との連絡を確立するための識別コードを送信する。

エレベータ設備１への出入りを規制する本発明による方法は特に、連絡を確立するための識別コードが第１の送信電力にて、そして出入りを自由とするためのアクセスコードが第１の送信電力より低い第２の送信電力にて、送信されるという事実によって特徴づけられる。このようにして、ユーザ３０によって携行される第１の通信装置１０はその位置を正確に特定でき、その結果さらなるアクセスコード照会は促進される。なぜなら、識別に合格した後、アクセスコードをチェックするためのデータ送信を削減送信電力で行うことができ、その結果、比較的安全な送信がもたらされるからである。

区域への出入りをチェックするシステムを概略的に示す図である。

符号の説明

１ エレベータ設備
２、３、４ エレベータ
５ 第１の階
６ 第２の階
１０ 携帯電話（第１の通信装置）
２０ 第１の端末（第２の通信装置）
２１ 第２の端末
３０ ユーザ

Claims (10)

1. 識別コード、承認コード、およびアクセスコードを送受する少なくとも３つの通信装置により、人が出入りできる区域、特に扉（１）によって閉ざされた空間への出入りを規制する方法であって、ここで同方法は、以下のステップすなわち、
   ａ）第１の通信装置（１０）から所定の第１の送信電力にて送信された識別コードを、第２の通信装置（２０）および第３の通信装置（２１）を使用して受信することであって、第２の通信装置（２０）および第３の通信装置（２１）は、建物の異なる階に配置されている、受信することと、
   ｂ）第２の通信装置（２０）および第３の通信装置（２１）によって識別コードをチェックすることと、
   ｃ）識別コードのチェックに合格した場合に、第２の通信装置（２０）および第３の通信装置（２１）から第１の通信装置（１０）へ、第１の送信電力より低い第２の送信電力にて承認コードを送信することと、
   ｄ）第１の通信装置（１０）が第２の通信装置（２０）から承認コードを受信した後に、第２の通信装置（２０）を使用して第１の通信装置（１０）からアクセスコードを受信することと、
   ｅ）第２の通信装置（２０）によってアクセスコードをチェックすることと、
   ｆ）アクセスコードのチェックに合格した場合に出入りを自由とすることと、
   を含む、方法。
2. 識別コードと承認コードとが、第１の通信装置の一定の範囲（Ｒ）内に限り送信されることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 識別コードと承認コードとが、一定の時点に且つ一定の期間内に送信されることを特徴とする、請求項１または２に記載の方法。
4. 第１の通信装置（１０）が第２の通信装置（２０）の一定の範囲（Ｒ）内に位置するときに限り、ステップｃ）、ステップｄ）、ステップｅ）、またはステップｆ）が遂行されることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の方法。
5. 範囲（Ｒ）が約３０メートルに満たないことを特徴とする、請求項２または４に記載の方法。
6. 所定の期間内に限り出入りが自由とされることを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載の方法。
7. 出入りを自由とするため所定の使用回数を経た後、アクセスコードがキャンセルされることを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載の方法。
8. コンピュータ装置（４０）がアクセスコードを生成し、且つこれを第１の通信装置（１０）へ伝達することを特徴とする、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
9. 第１の通信装置（１０）として携帯電話が使用されることを特徴とする、請求項１から８のいずれか一項に記載の方法。
10. 第２の通信装置（２０）が静止端末によって形成されることを特徴とする、請求項１から９のいずれか一項に記載の方法。

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