JP5429777B2 - 偏光板 - Google Patents

偏光板 Download PDF

Info

Publication number
JP5429777B2
JP5429777B2 JP2008330539A JP2008330539A JP5429777B2 JP 5429777 B2 JP5429777 B2 JP 5429777B2 JP 2008330539 A JP2008330539 A JP 2008330539A JP 2008330539 A JP2008330539 A JP 2008330539A JP 5429777 B2 JP5429777 B2 JP 5429777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
sensitive adhesive
pressure
adhesive layer
polarizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008330539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009186995A (ja
Inventor
清 武藤
真一 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2008330539A priority Critical patent/JP5429777B2/ja
Publication of JP2009186995A publication Critical patent/JP2009186995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5429777B2 publication Critical patent/JP5429777B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの両面に粘着剤層が積層され、その少なくとも片面に保護フィルムが積層されている偏光板に関する。
偏光板は、液晶表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として、広く用いられている。かかる偏光板として従来より、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムにトリアセチルセルロースからなる透明保護フィルムを接着したものが使用されているが、近年、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などモバイル機器への展開、さらには大型テレビへの展開などに伴い、薄肉軽量化が求められている。また、携帯化により使用場所が広範囲にわたることから、同時に耐久性の向上も求められている。
偏光フィルムは、一般的に、ポリビニルアルコール系樹脂にヨウ素などに代表される二色性色素を含浸させ、高倍率にて一軸延伸して製造されている。このため偏光フィルムを乾熱環境下に晒すと収縮を伴う大きな寸法変化が生じてしまう。たとえば、特開平6−109922号公報(特許文献1)に記載されたような偏光フィルムについて、100℃にて2時間加熱した前後の寸法変化率を測定した場合、10%を超える大きな収縮が観察される。このため、通常、偏光フィルムの両面に接着剤層などを介して透明保護フィルムを積層して偏光板を製造することで、偏光フィルムの寸法変化を低減させている。特許文献1では、トリアセチルセルロースフィルムを偏光フィルムの両面に積層した偏光板について、100℃にて2時間加熱した前後の寸法変化率が記載されているが、収縮が2%以下となっており、収縮が抑制されていることが分かる。
また、特開平6−59123号公報(特許文献2)には、トリアセチルセルロースフィルムを偏光フィルムの両面に積層した偏光板を80℃にて4時間加熱した前後の寸法変化率が記載されているが、収縮が0.3%以下となっており、収縮が抑制されていることが分かる。
しかしながら、近年、薄肉軽量化のため、偏光フィルムの一方の面だけに透明保護フィルムを積層させた偏光板も求められており、このような偏光板は、乾燥した高温環境下に晒されたとき、偏光フィルムの収縮を抑制することができず不具合が生じ易い傾向にあった。このため、このように偏光フィルムの一方の面だけに透明保護フィルムを積層させた偏光板の偏光フィルム面に粘着剤層を設け、その粘着剤層を液晶セルに貼合した状態で、あるいはその粘着剤層に位相差フィルムなどの他の光学フィルムを貼り合わせ、さらに粘着剤を介して液晶セルに貼合した状態で乾燥した高温環境下に晒すと、偏光板端部の接着剤が剥れたり、偏光板端部が盛り上がって画面表示を歪めたりすることがあった。これらの不具合は、偏光フィルムの一方の面だけが保護フィルムで拘束されることにより発生していると考えられた。
そこで本発明者らは、偏光フィルムの両面に粘着剤層を形成することで不具合が解決できないか検討した。偏光フィルムの両面に粘着剤層を形成して保護フィルムを積層した例は、例えば、特開平5−212828号公報(特許文献3)に示されているが、十分な加熱圧着が必要であるため製造が煩雑となる問題があった。また、特開平9−105814号公報(特許文献4)には、緩和時間105秒での緩和弾性率が15×105dyn/cm2以下(0.15MPa以下)の粘着剤層を光学フィルムに適用する例が示されているが、このような粘着剤を偏光フィルムの両面に積層して形成させた偏光板を用いた液晶セルは、耐熱環境下に晒したとき、保護フィルムが剥れたり、偏光フィルムが収縮して偏光板端部が浮いたりするなどの問題が発生していた。
一方、貯蔵弾性率を高めた粘着剤も公知であり、たとえば特開2006−235568号公報(特許文献5)には、23℃における貯蔵弾性率が0.3MPa以上である偏光板用粘着剤が開示されており、特開2006−309114号公報(特許文献6)には、アクリル系共重合体と、側鎖に活性エネルギー線重合性基を有するアクリル系共重合体とを含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射して、23℃における貯蔵弾性率を0.3〜10MPaとした偏光板用粘着剤が開示されている。これらの文献では、ポリビニルアルコール系偏光フィルム(偏光子)の両面にトリアセチルセルロースを貼り合わせた3層構造の偏光板を、液晶セルなどの光学部品に貼着するための粘着剤として、かかる貯蔵弾性率の高いものを用いることが提案されている。
特開平6−109922号公報 特開平6−59123号公報 特開平5−212828号公報 特開平9−105814号公報 特開2006−235568号公報 特開2006−309114号公報
本発明は、偏光フィルムの両面に粘着剤層を形成したときの上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、液晶セルに貼合して液晶パネルとした場合に、種々の環境条件下に晒しても偏光板端部が浮くなどの問題が発生しない偏光板を提供することにある。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの両面に粘着剤層が積層され、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して保護フィルムが積層されており、液晶セルに貼合して用いられるものであって、該粘着剤層のうち、液晶セルに近い側となる粘着剤層は、その貯蔵弾性率が23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下であり、且つ、偏光フィルムに対する剥離強度が11N/25mm以上であることを特徴とする。
ここで、液晶セルに近い側となる粘着剤層は、その厚みが1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また本発明によれば、上記の偏光板を液晶セルの少なくとも片側に配置してなる液晶表示装置も提供される。
本発明の偏光板は、上記の構成を有することにより、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面に接着剤層を介して透明保護フィルムが積層され、他面には粘着剤層が設けられているような従来の偏光板に比べ、液晶セルに貼合して液晶パネルないし液晶表示装置とした状態で種々の環境条件下に晒しても、偏光板端部が浮くなどの問題が発生せず、耐久性に優れたものとなる。
<偏光板>
図1は、本発明に係る偏光板の層構成の例を示す断面模式図である。この図に示すように、本発明の偏光板10は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム2の両面に、それぞれ第一の粘着剤層1および第二の粘着剤層3が積層され、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して第一の保護フィルム5および/または第二の保護フィルム6が積層された構成を有する。保護フィルム5、6は、一方だけが配置されてもよいし、両方が配置されてもよい。このような偏光板は、たとえば液晶セルに貼合されることにより液晶表示装置を構成するものとなる。そして本発明では、液晶セルに貼合される際に液晶セルに近い側となる第一の粘着剤層1を、貯蔵弾性率が23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下であり、且つ、偏光フィルムに対する剥離強度が11N/25mm以上であるもので構成する。
<偏光フィルム>
本発明に用いられる偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂からなり、具体的には、そのようなポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルム(単にポリビニルアルコール系樹脂フィルムとも記す)に一軸延伸および二色性色素による染色処理を施して、その二色性色素を吸着配向させたものである。
このような偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、通常、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは99〜100モル%である。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、たとえば、上記エチレンを包含するオレフィン類、不飽和カルボン酸類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000の範囲内、好ましくは1500〜5000の範囲内である。
これらのポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、たとえばアルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなども使用し得る。通常、偏光フィルム製造の開始材料としては、厚みが20〜100μm、好ましくは30〜80μmのポリビニルアルコール系樹脂フィルムの未延伸フィルムを用いる。工業的には、フィルムの幅は1500〜4000mmが実用的である。この未延伸フィルムを、膨潤処理、染色処理、ホウ酸処理、水洗処理の順に処理し、ホウ酸処理までの工程で一軸延伸を施し、最後に乾燥することにより、偏光フィルムを得ることができる。このようにして得られる偏光フィルムの厚みは、たとえば5〜50μmである。
偏光フィルムの作製方法としては、大きく分けて2つの製造方法がある。第1の方法は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、空気あるいは不活性ガス中で一軸延伸後、膨潤処理工程、染色処理工程、ホウ酸処理工程および水洗処理工程の順に溶液処理し、最後に乾燥を行なう方法である。第2の方法は、未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水溶液で膨潤処理する工程、次いで染色処理工程、ホウ酸処理工程および水洗処理工程の順に溶液処理し、ホウ酸処理工程および/またはその前の工程で湿式にて一軸延伸を行ない、最後に乾燥を行なう方法である。
いずれの方法においても、一軸延伸は、1つの工程で行なってもよいし、2つ以上の工程で行なってもよいが、複数の工程で行なうことがより好ましい。延伸方法は、公知の方法を採用することができ、たとえばフィルムを搬送する2つのニップロール間に周速差をつけて延伸を行うロール間延伸、熱ロール延伸法(たとえば特許第2731813号に記載されたような方法)、テンター延伸法などがある。基本的に工程の順序は、上述のとおりであるが、処理浴の数や、処理条件などに制約はない。また、上記第1および第2の方法に記載されていない工程を別の目的で付加してもよい。かかる工程の例としては、ホウ酸処理後に、ホウ酸を含まないヨウ化物水溶液による浸漬処理(ヨウ化物処理)またはホウ酸を含まない塩化亜鉛などを含有する水溶液による浸漬処理(亜鉛処理)などが挙げられる。
膨潤処理工程は、フィルム表面の異物除去、フィルム中の可塑剤除去、次工程での易染色性の付与、フィルムの可塑化などの目的で行なわれる。処理条件は、これらの目的が達成できる範囲で、かつ基材フィルムの極端な溶解、失透などの不具合が生じない範囲で決定される。予め気体中で延伸したフィルムを膨潤させる場合には、たとえば20〜70℃、好ましくは30〜60℃の水溶液にフィルムを浸漬して行なわれる。フィルムの浸漬時間は、30〜300秒間、好ましくは60〜240秒間である。はじめから未延伸の原反フィルムを膨潤させる場合には、たとえば10〜50℃、好ましくは20〜40℃の水溶液にフィルムを浸漬して行なわれる。フィルムの浸漬時間は、30〜300秒間、好ましくは60〜240秒間である。
膨潤処理工程では、フィルムが幅方向に膨潤してフィルムにシワが入るなどの問題が生じやすいため、拡幅ロール(エキスパンダーロール)、スパイラルロール、クラウンロール、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップなどの公知の拡幅装置でフィルムのシワを取りつつフィルムを搬送することが好ましい。浴中のフィルム搬送を安定化させる目的で、膨潤浴中での水流を水中シャワーで制御したり、EPC(Edge Position Control装置:フィルムの端部を検出し、フィルムの蛇行を防止する装置)などを併用することも有用である。本工程では、フィルムの搬送方向にもフィルムが膨潤拡大するので、搬送方向のフィルムのたるみを無くすために、たとえば処理槽前後の搬送ロールの速度をコントロールするなどの手段を講ずることが好ましい。また、使用する膨潤処理浴は、純水の他、ホウ酸(たとえば特開平10−153709号公報に記載)、塩化物(たとえば特開平06−281816号公報に記載)、無機酸、無機塩、水溶性有機溶媒、アルコール類などを0.01〜0.1質量%の範囲で添加した水溶液も使用可能である。
二色性色素による染色処理工程は、フィルムに二色性色素を吸着、配向させるなどの目的で行なわれる。処理条件は、これらの目的が達成できる範囲で、かつ基材フィルムの極端な溶解、失透などの不具合が生じない範囲で決定される。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、たとえば10〜45℃、好ましくは20〜35℃の温度条件下、質量比でヨウ素/ヨウ化カリウム/水=0.003〜0.2/0.1〜10/100の濃度の水溶液を用いて、30〜600秒間、好ましくは60〜300秒間浸漬処理を行なう。ヨウ化カリウムに代えて、他のヨウ化物、たとえばヨウ化亜鉛などを用いてもよい。また、他のヨウ化物をヨウ化カリウムと併用してもよい。さらに、ヨウ化物以外の化合物、たとえばホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルトなどを共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合、ヨウ素を含む点で下記のホウ酸処理と区別される。水100質量部に対し、ヨウ素を0.003質量部以上含んでいるものであれば染色槽とみなすことができる。
二色性色素として水溶性二色性染料を用いる場合、たとえば20〜80℃、好ましくは30〜70℃の温度条件下、質量比で二色性染料/水=0.001〜0.1/100の濃度の水溶液を用いて、30〜600秒、好ましくは60〜300秒浸漬処理を行なう。使用する二色性染料の水溶液は、染色助剤などを含有していてもよく、たとえば硫酸ナトリウムなどの無機塩、界面活性剤などを含有していてもよい。二色性染料は単独でもよいし、2種類以上の二色性染料を併用することもできる。
上述したように、染色槽でフィルムを延伸させてもよい。延伸は染色槽の前後のニップロールに周速差を持たせるなどの方法で行なわれる。また、膨潤処理工程と同様に、拡幅ロール(エキスパンダーロール)、スパイラルロール、クラウンロール、クロスガイダー、ベンドバーなどを、染色浴中および/または浴出入口に設置することもできる。
ホウ酸処理は、水100質量部に対してホウ酸を1〜10質量部含有する水溶液に、二色性色素で染色したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより行なわれる。二色性色素がヨウ素の場合、ヨウ化物を1〜30質量部含有させることが好ましい。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛などが挙げられる。また、ヨウ化物以外の化合物、たとえば塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウムなどを共存させてもよい。
ホウ酸処理は、架橋による耐水化や色相調整(青味がかるのを防止するなど)などのために実施される。架橋による耐水化のためにホウ酸処理が行なわれる場合には、必要に応じて、ホウ酸以外に、またはホウ酸と共に、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどの架橋剤も使用することができる。なお、耐水化のためのホウ酸処理を、耐水化処理、架橋処理、固定化処理などの名称で呼称する場合もある。また、色相調整のためのホウ酸処理を、補色処理、再染色処理などの名称で呼称する場合もある。
このホウ酸処理は、その目的によって、ホウ酸およびヨウ化物の濃度、処理浴の温度を適宜変更して行なわれる。耐水化のためのホウ酸処理、色相調整のためのホウ酸処理は特に区別されるものではないが、下記の条件で実施することができる。原反フィルムを膨潤処理、染色処理、ホウ酸処理する場合であって、ホウ酸処理が架橋による耐水化を目的としている場合には、水100質量部に対してホウ酸を3〜10質量部、ヨウ化物を1〜20質量部含有するホウ酸処理浴を使用し、通常、50〜70℃、好ましくは55〜65℃の温度で行なわれる。浸漬時間は、90〜300秒である。なお、予め延伸したフィルムを染色処理、ホウ酸処理を行なう場合、ホウ酸処理浴の温度は、通常、50〜85℃、好ましくは55〜80℃である。
耐水化のためのホウ酸処理の後、色相調整のためのホウ酸処理を行なうようにしてもよい。たとえば、二色性染料がヨウ素の場合、この目的のためには、水100質量部に対してホウ酸を1〜5質量部、ヨウ化物を3〜30質量部含有するホウ酸処理浴を使用し、通常、10〜45℃の温度で行なわれる。浸漬時間は、通常、3〜300秒、好ましくは10〜240秒である。続く色相調整のためのホウ酸処理は、耐水化のためのホウ酸処理と比較して、通常、低いホウ酸濃度、高いヨウ化物濃度、低い温度で行なわれる。
二色性染料がヨウ素の場合、さらに、色相調整のために、ヨウ化物溶液による処理を行ってもよい。たとえば、水100質量部に対してヨウ化カリウムを0.5〜5質量部有する処理浴を使用し、通常、5〜40℃の温度で行われる。浸漬時間は、通常、3〜300秒、好ましくは5〜120秒である。
これらのホウ酸処理は複数の工程からなっていてもよく、通常、2〜5の工程で行なわれることが多い。この場合、使用する各ホウ酸処理槽の水溶液組成、温度は上述した範囲内で、同じであっても異なっていてもよい。上記耐水化のためのホウ酸処理、色相調整のためのホウ酸処理をそれぞれ複数の工程で行なってもよい。
なお、ホウ酸処理工程においても、染色処理工程と同様にフィルムの延伸を行なってもよい。最終的な積算延伸倍率は、たとえば4〜7倍程度、好ましくは4.5〜6.5倍である。ここでいう積算延伸倍率は、原反フィルムの長さ方向基準長さが、全ての延伸処理終了後のフィルムにおいてどれだけの長さになったかを意味し、たとえば、原反フィルムにおいて1mであった部分が全ての延伸処理終了後のフィルムにおいて5mとなっていれば、そのときの積算延伸倍率は5倍となる。積算延伸倍率は、(製造後の偏光フィルムの長さ)/(原反フィルムの長さ)の比として表すこともできる。
ホウ酸処理の後、水洗処理が行なわれる。水洗処理は、耐水化および/または色相調整のためにホウ酸処理したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、たとえば水に浸漬する方法、水をシャワーとして噴霧する方法、浸漬と噴霧とを併用する方法などによって行なわれる。水洗処理における水の温度は、通常、2〜40℃であり、浸漬時間は2〜120秒である。
ここで、延伸処理後のそれぞれの工程において、フィルムの張力がそれぞれ実質的に一定になるように張力制御を行なってもよい。具体的には、染色処理工程で延伸を終了した場合、以後のホウ酸処理工程および水洗処理工程で張力制御を行なう。染色処理工程の前工程で延伸が終了している場合には、染色処理工程およびホウ酸処理工程を含む以後の工程で張力制御を行なう。ホウ酸処理工程が複数のホウ酸処理工程からなる場合には、最初または最初から2段目までのホウ酸処理工程で前記フィルムを延伸し、延伸処理を行なったホウ酸処理工程の次のホウ酸処理工程から水洗工程までのそれぞれの工程において張力制御を行なうか、最初から3段目までのホウ酸処理工程で前記フィルムを延伸し、延伸処理を行なったホウ酸処理工程の次のホウ酸処理工程から水洗工程までのそれぞれの工程において張力制御を行なうことが好ましいが、工業的には、最初または最初から2段目までのホウ酸処理工程で前記フィルムを延伸し、延伸工程を行なったホウ酸処理工程の次のホウ酸処理工程から水洗工程までのそれぞれの工程において張力制御を行なうことがより好ましい。なお、ホウ酸処理後に、上述したヨウ化物処理または亜鉛処理を行なう場合には、これらの工程についても張力制御を行なうことができる。
膨潤処理から水洗処理までのそれぞれの工程における張力は同じであってもよく、異なっていてもよい、張力制御におけるフィルムへの張力は、特に限定されるものではなく、単位幅当たり、150〜2000N/m、好ましくは600〜1500N/mの範囲内で適宜設定される。張力が150N/mを下回ると、フィルムにシワなどができやすくなる傾向にある。一方、張力が2000N/mを超えると、フィルムの破断やベアリングの磨耗による低寿命化などの問題が生じる。また、この単位幅当たりの張力は、その工程の入口付近のフィルム幅と張力検出器の張力値から算出する。なお、張力制御を行なった場合に、不可避的に若干延伸・収縮される場合があるが、本発明においては、これは延伸処理に含めない。
偏光フィルム作製工程の最後には、乾燥処理が行なわれる。乾燥処理は、張力を少しずつ変えて多くの段数で行なう方が好ましいが、設備上の制約などから、通常、2〜3段で行なわれる。2段で行なわれる場合、前段における張力は600〜1500N/mの範囲から、後段における張力は250〜1200N/mの範囲から設定されることが好ましい。張力が大きくなりすぎると、フィルムの破断が多くなり、小さくなりすぎるとシワの発生が多くなり好ましくない。また、前段の乾燥温度を30〜90℃の範囲から、後段の乾燥温度を50〜100℃の範囲から設定することが好ましい。温度が高くなりすぎると、フィルムの破断が多くなり、また光学特性が低下し、温度が低くなりすぎるとスジが多くなり好ましくない。乾燥処理温度は、たとえば60〜600秒とすることができ、各段における乾燥時間は同一でも異なっていてもよい。時間が長すぎると、生産性の面で好ましくなく、時間が短すぎると乾燥が不十分になり好ましくない。
こうして得られた偏光フィルムの寸法変化率は2.7%以下、好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。なお、当該偏光フィルムの寸法変化率は、試験片の一辺が偏光フィルムの延伸軸方向と平行になるように、100mm×100mmの大きさとした試験片の延伸軸方向に対し垂直な方向(TD方向)における初期寸法Aと、その試験片を85℃の乾熱環境下で96時間保持した後のTD方向における寸法Bとから、下記式により算出される。
寸法変化率(%)=(A−B)/A×100
上述した好適な範囲内の寸法変化率を有する偏光フィルムは、たとえば偏光フィルムの乾燥温度および/または乾燥時間を制御することで得ることができる。
また、偏光フィルム作製工程を経て得られる偏光フィルムは、その水分率については特に制限されないが、好ましくは3〜14質量%の範囲内であり、より好ましくは3〜10質量%の範囲内、特に好ましくは3〜8質量%の範囲内である。偏光フィルムの水分率が3質量%未満である場合には、偏光フィルムが脆く延伸方向に沿って裂け易くなるためハンドリングが困難であり、また、偏光フィルムの水分率が14質量%を超える場合には、偏光フィルムが乾熱環境下にて収縮しやすくなる虞がある。なお、偏光フィルムの水分率は、たとえば105℃乾熱下で1時間保持した前後の質量変化から算出することができる。上述した好適な範囲内の水分率を有する偏光フィルムは、たとえば偏光フィルムの乾燥温度および/または乾燥時間を制御することで得ることができる。
こうして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色処理およびホウ酸処理が施されて、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムが得られる。この偏光フィルムの厚みは、通常、5μm以上50μm以下の範囲内である。
<粘着剤層>
本発明では、上述した方法によって製造されたポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム2の両面に粘着剤層(第一の粘着剤層1、第二の粘着剤層3)が積層形成される。そして、液晶セル20に貼合する際に液晶セル20に近い側となる第一の粘着剤層1は、23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下の貯蔵弾性率を有することを特徴とする。この貯蔵弾性率が0.15MPa未満では、粘着剤層が柔らかすぎて、偏光フィルムを耐熱環境下に晒した際に生じる偏光フィルムの収縮を抑制することが困難となる。一方、1MPaを超えると、偏光板(偏光フィルムの両面に粘着剤層を積層し、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して保護フィルムが積層されたもの)を液晶セルに貼った状態で耐熱環境下に晒した際に、偏光板端部に盛り上がるような変形状態が観察されやすくなる傾向にある。このような特性を有する粘着剤層を、液晶セルに貼合する際に液晶セルに近い側となる第一の粘着剤層1とすることにより、偏光フィルムの収縮を抑制し、かつ偏光板端部の盛り上がり現象をも有効に抑制することができる。
このような粘着剤層は、従来から液晶表示装置用に用いられてきた種々の粘着剤、たとえばアクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系などの粘着剤を用いて形成することができる。また、エネルギー線硬化型、熱硬化型の粘着剤を用いてもよく、これらの中でも、透明性、耐候性、耐熱性などに優れるアクリル系樹脂をベースポリマーとした粘着剤(以下「アクリル系粘着剤」と記す)が好適である。なお、粘着剤は感圧接着剤とも呼ばれるものであり、押さえるだけで他物質の表面に接着し、またこれを被着面から引き剥がす場合には、被着物に強度さえあればほとんど痕跡を残すことなく除去できる粘弾性体である。
アクリル系粘着剤は特に制限されるものではないが、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルなどを2種類以上用いた共重合系ベースポリマーが好適に用いられる。さらに、これらのベースポリマー中に極性モノマーが共重合されている。極性モノマーとしては、たとえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するモノマーを挙げることができる。
これらのアクリル系粘着剤は、単独でも勿論使用可能であるが、通常は架橋剤が併用される。架橋剤としては、2価または多価の金属塩であって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの、ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの、ポリエポキシ化合物やポリオール化合物であって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの、ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものなどが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が、有機系架橋剤として広く使用されている。
エネルギー線硬化型粘着剤とは、紫外線や電子線などのエネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有しており、エネルギー線照射前においても粘着性を有してフィルムなどの被着体に密着し、エネルギー線の照射により硬化して密着力の調整ができる性質を有する粘着剤である。エネルギー線硬化型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。エネルギー線硬化型粘着剤は、一般にはアクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分とする。通常は、さらに架橋剤が配合されており、また必要に応じて、光重合開始剤や光増感剤を配合することもできる。
通常の画像表示装置またはそれ用の光学フィルムに用いられている粘着剤層は、その貯蔵弾性率が高々0.1MPa程度であり、それに比べ、本発明に用いられる第一の粘着剤層の貯蔵弾性率は0.15MPa以上1MPa以下という顕著に高い値となる。ここで、貯蔵弾性率が「23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下」とは、この範囲のいずれの温度においても貯蔵弾性率が上記範囲の値をとることを意味する。貯蔵弾性率は通常、温度上昇に伴って漸減するので、23℃および80℃における貯蔵弾性率がいずれも上記範囲に入っていれば、この範囲の温度において、上記範囲の貯蔵弾性率を示すとみることができる。80℃における貯蔵弾性率が0.15MPa下回ると、偏光板化した後、液晶セルに貼合し、耐熱環境に晒したときに、偏光フィルムの収縮量が大きくなってしまう。一方、23℃における貯蔵弾性率が1MPaを越えると、偏光板化した後、液晶セルに貼合し、耐熱環境に晒したときに、偏光フィルムと保護フィルムとの間、または偏光板と液晶セルとの間に、剥れや気泡の発生などの問題を生じるおそれがある。
23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下の貯蔵弾性率を有する粘着剤層とするためには、たとえば、上述したような通常の粘着剤、特にアクリル系粘着剤に、オリゴマー、具体的にはウレタンアクリレート系オリゴマーを配合したうえで、エネルギー線を照射して硬化させた、エネルギー線硬化型粘着剤を用いればよい。エネルギー線としては、紫外線が好適である。紫外線硬化成分の配合により、貯蔵弾性率が高められた、すなわち硬くされたシート状粘着剤それ自体は公知であり、粘着剤メーカーから入手できる(たとえば、先の特許文献5および6も参照)。
ここで、貯蔵弾性率(G′)は、市販の粘弾性測定装置を用いて測定することができ、たとえば以下の装置を用いて捻りせん断方法で求められる数値が採用される。
試験片:8mmΦ×1mm厚の円柱
測定器:DYNAMIC ANALYZER RDA II (REOMETRIC社製)
周波数:1Hz
歪み量:1%
本発明で規定する粘着剤層には、上述したベースポリマーおよび架橋剤のほか、必要に応じて、粘着剤層の粘着力、凝集力、粘性、弾性率、ガラス転移温度などを調整するために、たとえば天然物や合成物である樹脂類、粘着性付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、消泡剤、腐食抑制剤、光重合開始剤などの適宜の添加剤を配合することもできる。さらに微粒子を含有させて、光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
本発明において、液晶セルに近い側となる第一の粘着剤層1の厚みは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。その厚みが10μmを超えると、偏光板(偏光フィルムの両面に粘着剤層を積層し、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して保護フィルムが積層されたもの)を液晶セルへ貼合後、耐熱環境下に晒した際に、偏光板表面が柚子肌状に変形するなど外観上の問題が発生しやすい傾向にある。一方1μm未満では、粘着性の低下や液晶セルへ偏光板を貼合する際に気泡が発生しやすいなどの不具合を生じ易くなる。
液晶セルから遠い側となる第二の粘着剤層3については、その貯蔵弾性率は特に制限されないが、こちらも、23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上の貯蔵弾性率を示すものであることが好ましい。第二の粘着剤層3は、第一の粘着剤層1に比べてより高い貯蔵弾性率を示すもの、たとえば5MPa程度の貯蔵弾性率を示すものであってもよい。第二の粘着剤層3の厚みも特に制限されないが、適度の粘着力を発現する範囲で薄い方が、耐熱環境下に晒した際に偏光フィルムの収縮を抑えることができるので好ましい。その厚みは、1μm以上30μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1μm以上20μm以下である。
本発明の偏光板において、液晶セル20に近い側となる第一の粘着剤層1は、偏光フィルム2に対する剥離強度が、11N/25mm以上である必要がある。この剥離強度は偏光フィルム2と第一の粘着剤層1との密着性を示す指標であり、11N/25mm未満では、偏光板(偏光フィルムの両面に粘着剤層を積層し、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して保護フィルムが積層されたもの)を液晶セルへ貼合後、耐熱環境下に晒した際に、偏光フィルムと粘着剤層との間で剥れたり、気泡が発生したりするなどの問題が生じる。剥離強度が高すぎると、リワーク(偏光板を液晶セルに貼合する際に、貼合ミスなどのために偏光板を貼り直す作業)が困難となる傾向にあり、通常、60N/25mm以下である。剥離強度は、粘着剤中に配合される架橋剤の量によって調整できる。具体的には、架橋剤の配合量を多くすることによって剥離強度を大きくすることができ、架橋剤の配合量を少なくすることによって剥離強度を小さくすることができる。
本発明における剥離強度の測定は、偏光フィルムの両面に粘着剤層を積層し、保護フィルムを積層しない状態で、25mm幅の試験片を切り出し、島津製作所製のオートグラフを使用し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で行なう。ここで、粘着剤層はそれ単独では形状の保持が困難であるため、剥離強度を求めようとする粘着剤層に他のフィルムを積層した状態で測定する。具体的な例を挙げると、偏光フィルムに粘着剤層が積層された状態で、剥離強度を求めようとする粘着剤層にプラスチックフィルムを貼り付け、もう一方の粘着剤層をガラスに貼り付けて試験片とし、その偏光フィルムから、プラスチックフィルムを粘着剤層とともに剥離するときの強度を測定する。
なお、本発明の偏光板の製造方法において、粘着剤層を偏光フィルムに積層する(形成する)方法としては特に制限されるものではなく、たとえば、上で説明した各成分がトルエンや酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解または分散した粘着剤組成物を、偏光フィルムの表面に直接塗布して乾燥させることにより粘着剤層を形成した後、シリコーン系などの離型処理が施されているセパレータを積層して得てもよいし、セパレータ上に粘着剤層を形成した後、偏光フィルムに転写して積層してもよい。エネルギー線硬化型粘着剤を用いる場合には、ウレタンアクリレート系オリゴマーなどのエネルギー線硬化成分が配合された粘着剤組成物を塗布し、乾燥させた後、エネルギー線を照射してかかる硬化成分を硬化させる。また、粘着剤層を偏光フィルムに形成する際には、必要に応じて偏光フィルムおよび粘着剤層の少なくとも一方に密着処理、たとえばコロナ処理などを施してもよい。なお、形成された粘着剤層の表面は通常、離型処理が施されたセパレータフィルムで保護されており、セパレータフィルムは、後述の保護フィルムが積層される前、あるいは保護フィルムが積層されない場合は液晶セルや光学フィルムなどへ偏光板を貼合する前に剥がされる。
<保護フィルム>
上記のようにして両面に粘着剤層が設けられた偏光フィルムは、その少なくとも片面に、上記粘着剤層を介して保護フィルムが積層される。保護フィルムは、樹脂の無配向フィルムであってもよいし、配向させて位相差を発現させたフィルムであってもよい。たとえば、シクロオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルムなど、当分野において従来より広く用いられているフィルムを挙げることができる。
本発明の偏光板における保護フィルムに用いられ得るシクロオレフィン系樹脂とは、たとえばノルボルネン、多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂(熱可塑性シクロオレフィン系樹脂とも呼ばれる)である。本発明において、シクロオレフィン系樹脂は、上記シクロオレフィンの開環重合体または2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、シクロオレフィンと鎖状オレフィン、ビニル基を有する芳香族化合物などとの付加重合体であってもよい。また、極性基が導入されているものも有効である。
シクロオレフィンと鎖状オレフィンまたは/およびビニル基を有する芳香族化合物との共重合体を用いる場合、鎖状オレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットが50モル%以下(好ましくは15〜50モル%)であってもよい。特に、シクロオレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体を用いる場合、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは、上述したように比較的少ない量とすることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%である。
シクロオレフィン系樹脂は、適宜の市販品、たとえばTopas(Ticona社製)、アートン(JSR(株)製)、ゼオノア(ZEONOR)(日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス(ZEONEX)(日本ゼオン(株)製)、アペル(三井化学(株)製)などを好適に用いることができる。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとする際には、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の方法が適宜用いられる。また、たとえばエスシーナ(積水化学工業(株)製)、SCA40(積水化学工業(株)製)、ゼオノアフィルム((株)オプテス製)などの予め製膜されたシクロオレフィン系樹脂製のフィルムの市販品を用いてもよい。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものであってもよい。延伸することで、シクロオレフィン系樹脂フィルムに任意の位相差値を付与することができる。延伸は、通常、フィルムロールを巻き出しながら連続的に行なわれ、加熱炉にて、ロールの進行方向、その進行方向と垂直の方向、あるいはその両方へ延伸される。加熱炉の温度は、通常、シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が採用される。延伸の倍率は、通常1.1〜6倍、好ましくは1.1〜3.5倍である。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、ロール状態にあると、フィルム同士が接着してブロッキングを生じ易い傾向にあるので、通常は、プロテクトフィルムを貼合してロール巻きとされる。またシクロオレフィン系樹脂フィルムは、一般に表面活性が劣るため、偏光フィルムと接着させる表面には、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を行なうのが好ましい。中でも、比較的容易に実施可能なプラズマ処理やコロナ処理が好適である。
保護フィルムに用いられ得る酢酸セルロース系樹脂は、酢酸セルロースの部分または完全酢酸エステル化物であって、たとえばトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。このようなセルロースエステル系樹脂のフィルムとしては、適宜の市販品、たとえばフジタックTD40UZ(富士フイルム(株)製)、KC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)などを好適に用いることができる。
また、本発明の偏光板においては、保護フィルムとして位相差特性を付与した酢酸セルロース系樹脂フィルムも好適に用いられ、WV BZ 438(富士フイルム(株)製)、KC4FR−1(コニカミノルタオプト(株)製)などが挙げられる。酢酸セルロースは、アセチルセルロースとも、セルロースアセテートとも呼ばれる。
このような位相差特性を付与した保護フィルムは、保護フィルムとしての特性と位相差フィルムとしての特性とを併有したものとなる。しかし、主として位相差フィルムとしての作用のみを有するフィルムを用いる場合は、保護フィルムとしての特性を示すフィルムと位相差フィルムとしての特性を示すフィルムとを積層させた状態で本発明の保護フィルムとすることもできる。このように本発明の保護フィルムは、1のフィルムのみからなるものとすることができるとともに、2以上のフィルムを積層したものとすることもできる。
その一方で位相差を付与するため、酢酸セルロース系樹脂フィルムを延伸させてもよい。さらに、この酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光フィルムとの接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
また、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムを保護フィルムとして用いることができる。具体的にはたとえば、少なくとも2種の高分子薄膜が交互に多数層積層され、屈折率異方性による反射率の異方性を利用する反射型偏光フィルムを挙げることができる。このような反射型直線偏光フィルムとして、たとえば、米国3M社(日本では住友スリーエム(株))から販売されているDBEFシリーズを挙げることができる。
保護フィルムの表面には、用途に応じて、ハードコート処理、防眩処理、反射防止処理、帯電防止処理などの表面処理が施されてもよい。また、視野角特性を改良するために液晶層などの光学層を形成させてもよい。これらの表面処理を施す方法や光学層を形成する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法を採用することができる。
このような保護フィルムは、ロール状態にあると、フィルム同士が接着してブロッキングを生じ易い傾向にあるので、ロール端部に凹凸加工を施したり、端部にリボンを挿入したり、プロテクトフィルムを貼合したりしてロール巻きとされる。
本発明において、保護フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣るものとなる。一方、厚すぎると、透明性が低下したり、積層後に必要な養生時間が長くなったりするなどの問題が生じる。したがって、本発明に用いる保護フィルムの適当な厚みは、たとえば5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上150μm以下、より好ましくは20μm以上100μm以下である。
<偏光板の製造方法および利用方法>
偏光フィルムの両面に形成された粘着剤層に、保護フィルム、あるいは位相差フィルムを貼合する方法は特に限定されるものではなく、フィルムを重ねてロール等により貼合すればよい。貼合に用いるロールは、ゴムロールとゴムロールの組み合わせまたはゴムロールと金属ロールとの組み合わせが好ましい。ゴムロールのゴムの種類は、シリコーンゴム、ブチルゴム、EPDMゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。中でも耐久性の面からシリコーンゴムが好適である。ゴムロールのゴム硬度は、JIS K 6301に規定されるスプリング式硬さ試験のA形で測定した値で、通常20〜90度の範囲のものが用いられる。
保護フィルムを積層した偏光板や更に位相差フィルムを積層した偏光板は、液晶セルに貼着して、液晶パネルないし液晶表示装置とすることができる。液晶セルへの貼着には、簡便性や光学歪の発生防止などの観点から、粘着剤を使用することが好ましい。この粘着剤には、特に限定はなく、例えば、アクリル系重合体や、シリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとしたものを用いることができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性や凝集力を保持し、基材との接着性にも優れ、さらには耐候性や耐熱性などを有し、加熱や加湿の条件下で浮きや剥がれ等の剥離問題を生じないものを選択して用いることが好ましい。なお、偏光フィルム2の片面に第二の粘着剤層3と第二の保護フィルム6とがこの順に積層され、偏光フィルム2の他面には23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下の貯蔵弾性率を示す第一の粘着剤層1のみが積層された本発明の偏光板を、当該第一の粘着剤層1側で液晶セルに貼合する場合は、当該第一の粘着剤層1をそのまま液晶セルへ貼合すればよい。
上記液晶セルへの貼着に使用する粘着剤層は、例えば、トルエンや酢酸エチルなどの有機溶媒に粘着剤組成物を溶解または分散させて10〜40質量%の溶液を調製し、これを偏光板の保護フィルムまたは位相差フィルム上に直接塗工する方式や、予めシリコーン系等の離型処理が施されているセパレータ上に形成しておき、それを偏光板の保護フィルム上または位相差フィルム上に移着する方式などにより、形成することができる。粘着剤層の厚みは、その接着力などに応じて決定されるが、通常は1μm以上50μm以下の範囲である。なお、形成された粘着剤層が表面に露出される場合には、汚染防止などのため、セパレータを配置した方がよい。セパレータとしては先に説明したものと同様のものが用いられる。
また、液晶セルへの貼着に使用する粘着剤層は必要に応じて、光散乱性を付与するための微粒子を含有してもよいし、ガラス繊維やガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉やその他の無機粉末などからなる充填剤、顔料や着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有してもよい。紫外線吸収剤には、サリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがある。
なお、本発明の偏光板の表面には光学フィルムを積層してもよい。積層される光学フィルムの例としては、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、WVフィルム(富士フイルム(株)製)、NHフィルム(新日本石油(株)製)、NRフィルム(新日本石油(株)製)などが挙げられる。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品としては、たとえばDBEFシリーズ(3M社製、日本では住友スリーエム(株)から入手できる)などが挙げられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品としては、たとえばアートンフィルム(JSR(株)製)、エスシーナ(積水化学工業(株)製)、ゼオノアフィルム((株)オプテス製)などが挙げられる。
本発明により製造された偏光板は、通常、大型のロール材料やシート材料の形態を有しており、所望の形状と透過軸を有する偏光板を得るためには、鋭利な刃を持った切断工具により切断(チップカット)される。このため、切断して得られる偏光板チップには、外周端部において偏光フィルムが外部へ露出した状態が生じてしまうため、外周端面をフライカット法などで連続的に切削することが好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上記のようにして製造された偏光板を液晶セルの少なくとも片側に上記のような粘着剤層を介して配置してなるものである。図2は、本発明の偏光板を液晶セルに適用する場合の例を示す断面模式図であり、図3は、その場合のもう一つの例を示す断面模式図である。図2に示すように、偏光フィルム2の片面に第二の粘着剤層3と第二の保護フィルム6とがこの順に積層され、偏光フィルム2の他面には23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下の貯蔵弾性率を示す第一の粘着剤層1のみが積層された偏光板を、その第一の粘着剤層1側で液晶セル20に貼合することができる。また図3に示すように、偏光フィルム2の片面に23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下の貯蔵弾性率を示す第一の粘着剤層1と第一の保護フィルム5(たとえば位相差フィルム)とがこの順に積層され、偏光フィルム2の他面には第二の粘着剤層3と第二の保護フィルム6とがこの順に積層された偏光板を、その第一の保護フィルム5側で液晶セル20に積層することもできる。図3に示す例の場合は、通常、第一の保護フィルム5と液晶セル20の貼合に第三の粘着剤層7を用いることができる。いずれの例においても、液晶セル20の他面側にも偏光板を配置するのが通例であり、他面側の偏光板は、上と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。偏光板と液晶セルとの貼合方法は特に限定されることはなく、通常一般に知られているものでよい。たとえば、1本のゴムロールを用いて偏光板を液晶セルへ貼合する方法や、2本のゴムロールの間に液晶セルと偏光板とを通過させる方法等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ない限り質量基準である。
<実施例1>
(A)偏光フィルム
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールからなるフィルムを、乾式で約4.2倍に一軸延伸し、さらに緊張状態に保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.1/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が10.5/7.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き10℃の純水で5秒間洗浄した後、90℃で180秒間乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルム(本発明でいうポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム)を得た。この偏光フィルムの厚みは25μmであった。
(B)高弾性率の粘着剤
アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体にウレタンアクリレートオリゴマーおよびイソシアネート系架橋剤が添加された粘着剤層が、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータ)の離型処理面に、5μmの厚みで形成されたシート状粘着剤を用いた。なお、この粘着剤層の貯蔵弾性率を前述の方法により測定したところ、23℃において0.6MPa、80℃において0.19MPaであった。
(C)保護フィルム
トリアセチルセルロースからなるフィルムの片面にハードコート処理が施されている厚み43μmのフィルム([40CHC]、凸版印刷(株)製)にケン化処理を施し、片面に表面処理(ハードコート処理)が施された保護フィルムとした。
(D)位相差フィルム
ノルボルネン系樹脂の延伸フィルムからなり、光の波長λに対してλ/4である140nmの面内位相差を有し、厚みが25μmの位相差フィルム(エスシーナフィルム、積水化学工業(株)製)の片面に、シート状のアクリル系粘着剤を貼り合わせて、粘着剤層付き位相差フィルムとした。この粘着剤層の貯蔵弾性率は、23℃において0.05MPa、80℃において0.04MPaであった。
(E)偏光板の作製
上記(A)に示した偏光フィルムの両面に、(B)に示したシート状粘着剤を貼り合わせ、粘着剤層を形成させた。次いで、一方の粘着剤層からセパレータを剥がし、その粘着剤層露出面に、上記(C)に示した保護フィルムを、ハードコート処理が施されていない面で貼着した。次いで、偏光フィルムのもう一方の面の粘着剤層からセパレータを剥がし、その粘着剤層露出面に、上記(D)に示した位相差フィルムの粘着剤層が設けられていない面を貼着した。こうして、位相差機能が付与された粘着剤層付き偏光板を得た。
別途、上述のとおり偏光フィルムの両面に粘着剤層を形成させた状態で、その片側粘着剤層に、上記(D)に示したのと同じ位相差フィルム(粘着剤層が付いていないエスシーナフィルム)を貼り付けて、25mm幅の試験片を切り出し、もう一方の粘着剤層をガラスに貼り付けて、偏光フィルムと粘着剤層の間の剥離強度を測定したところ、16.2N/25mmであった。剥離強度は、(株)島津製作所製のオートグラフを使用し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、剥離速度300mm/分、剥離角度180°で、上記の位相差フィルムが粘着剤層とともに偏光フィルムから剥れるようにして測定した。
<実施例2>
実施例1の(B)に示したものとは異なるシート状粘着剤を用い、その他は実施例1と同様にして、位相差機能が付与された粘着剤層付き偏光板を得た。ここで用いたシート状粘着剤について、粘着剤層の貯蔵弾性率を前述の方法により測定したところ、23℃において0.25MPa、80℃において0.15MPaであった。また、この粘着剤層と偏光フィルムの間の剥離強度は20.0N/25mmであった。
<実施例3>
ここでは、偏光フィルムの両面に異なる種類の粘着剤層を形成して偏光板を作製した。用いた粘着剤は、それぞれ次のとおりである。第一の粘着剤により第一の粘着剤層を形成し、第二の粘着剤により第二の粘着剤層を形成した。
第一の粘着剤:実施例1の(B)に示したのと同じで、23℃における貯蔵弾性率0.6MPa、80℃における貯蔵弾性率0.19MPaの粘着剤層が、セパレータ上に5μm厚で形成された粘着剤シート。偏光フィルムに対する剥離強度は16.2N/25mmである。
第二の粘着剤:23℃における貯蔵弾性率0.55MPa、80℃における貯蔵弾性率0.27MPaの粘着剤層が、5μm厚でセパレータ上に形成された粘着剤シート。偏光フィルムに対する剥離強度は1.7N/25mmであった。
実施例1で用いたのと同じ偏光フィルムの片面に、上記第一の粘着剤(シート)を、他面には上記第二の粘着剤(シート)を貼り合わせ、粘着剤層を形成させた。第二の粘着剤層の偏光フィルムに対する剥離強度は、この状態で第二の粘着剤層側に実施例1で用いたのと同じ位相差フィルムを貼り付け、第一の粘着剤層側はガラスに貼り付けて、実施例1と同じ方法で測定した。そして、実施例1におけるハードコート層付き保護フィルムに替えて、ポリエステル系樹脂の多層フィルムからなる反射型偏光フィルム(DBEF−P2、3M社製)の片面にハードコート処理を施したものを用い、そのハードコート処理が施されていない面を第二の粘着剤層に貼り合わせ、その他は実施例1と同様にして、位相差機能が付与された粘着剤層付き偏光板を作製した。
<実施例4>
第二の粘着剤を以下のものに変更し、その他は実施例3と同様にして、位相差機能が付与された粘着剤層付き偏光板を作製した。
第二の粘着剤:微粒子が配合されて光拡散性を有し、23℃における貯蔵弾性率3.97MPa、80℃における貯蔵弾性率1.67MPaの粘着剤層が、セパレータ上に15μm厚で形成された粘着剤シート。偏光フィルムに対する剥離強度は3.6N/25mmであった。
<比較例1〜4>
表1に示すように、実施例1に対して「貯蔵弾性率」、偏光フィルム表面に対する「剥離強度」、「厚み」が各々異なるシート状粘着剤を用いて粘着剤層を形成させたことを除き、他は実施例1と同様の位相差機能が付与された粘着剤層付き偏光板を得た。
<評価>
このようにして作製された実施例1〜4および比較例1〜4の偏光板を40mm×40mmのサイズにカットし、位相差フィルム上の粘着剤層でガラスに貼合して評価サンプルとした。ここで作製した評価サンプルは、液晶セル20がガラスに変わっている以外は、図3に示した層構成と同じである。作製直後の評価サンプルについて、以下に示す外観の不良、剥れ、収縮および端部盛上りがないことを確認した後、それぞれの評価サンプルを85℃の乾熱環境下で96時間保持し、かかる乾熱試験後の状態を評価した。その結果を表1に示す。
評価項目の「外観」は、評価サンプルの表面状態が鏡面であるかどうかを目視観察した結果である。表1の結果から、第一の粘着剤層の厚みが薄いと良好な傾向にあることがわかる。なお、外観が不良であるものは、「柚子肌」と記した。
評価項目の「剥れ」は、主として評価サンプルの端部に生じやすいフィルムの剥れや、粘着剤層に生じやすい気泡などが存在しないかどうかを、10倍のルーペを用いて目視観察した結果である。表1の結果から、第一の粘着剤層の剥離強度が11N/25mm以上であれば、剥れが生じない傾向にあることが分かる。
評価項目の「収縮」は、評価サンプルの端部に発生する偏光フィルムの収縮量を示し、収縮量が大きいほど、保護フィルムと位相差フィルムまたは反射型偏光フィルムとで挟まれた偏光フィルムが内側へ大きく縮み、偏光フィルムの端部と、保護フィルムおよび位相差フィルムまたは反射型偏光フィルムの各端部との間に大きな空隙が生じていることになる。このような収縮は、偏光フィルムの端部が窪んで口を開いた状態に見えることから、「口開き」とも呼んでいる。この空隙が大きいほど、外部応力によって保護フィルムが剥れ易くなったり、水分による影響(偏光フィルムのヨウ素が抜け偏光性能が発現しなくなる現象)を受け易くなったりする。
この収縮量、すなわち偏光フィルムとそれを両面から挟む保護フィルムおよび位相差フィルムまたは反射型偏光フィルムとの間に生じる空隙は、MD方向(偏光フィルムの延伸軸方向)とTD方向(上記延伸軸に対して面内で直交する方向)とについて、(株)ニコン製の2次元測定器(NEXIV VMR−12072)を用いて測定し、表1ではそれぞれ、「収縮(MD方向)」および「収縮(TD方向)」と表示した。測定は、ガラスに貼られた評価サンプルの端部を上から観察し、最も外側の端部(保護フィルムまたは、位相差フィルムもしくは反射型偏光フィルムの端部となる)を検出するとともに、それより内側で偏光フィルムの端部となっている部分を検出し、両者の差(距離)の最大値で表示した。なお、偏光フィルムの端部となっている部分は、偏光フィルム特有の色で識別できる。表1の結果から、第一の粘着剤層の貯蔵弾性率が上限1MPaの範囲内で高いほど、また同程度の貯蔵弾性率の場合は第一の粘着剤層の厚みが薄いほど、収縮量を抑制できる傾向にある。
評価項目の「端部盛上り」は、評価サンプルの端部に発生する偏光板が盛り上がるような変形状態を示し、評価サンプルの端部における最も高い頂部における高さと評価サンプルの中央部における水平面の高さとの差(μm)を測定した結果である。測定は、SENSOFAR社製の共焦点干渉顕微鏡「PL−μ2300」を用いて行なった。この測定は、MD方向とTD方向との2方向について行ない、それぞれ「端部盛上り(MD方向)」、「端部盛上り(TD方向)」とした。表1の結果から、第一の粘着剤層の貯蔵弾性率が低いほど、盛上りを小さくできる傾向にあることが分かる。なお、端部盛上り高さは、約1μmを超えると目視観察で視認し易くなり、約4μmとなると、目視観察で反射光の歪みが強く認められることになり、外観上も好ましくない。このような端部盛上りが1μmを超えて大きくなるほど、偏光板を液晶セルに貼合して液晶パネルとした場合に、偏光板端部に浮きが生じ易くなることを意味する。
Figure 0005429777
表1中、「第一の粘着剤層」とは液晶セルに近い側となる粘着剤層を示し、「第二の粘着剤層」とは第一の粘着剤層とは異なる側の粘着剤層を示す(ただし、実施例1および2においては両者は同じである)。また、「第一の保護フィルム」とは「第一の粘着剤層」側に貼合される保護フィルムであり、「第二の保護フィルム」とは「第二の粘着剤層」側に貼合される保護フィルムである。また、これらの保護フィルムに関し、「TAC」とは上記で用いたハードコート層付きトリアセチルセルロースフィルムを示し、「DBEF」とは上記で用いた反射型偏光フィルムを示し、「RF」とは上記で用いた位相差フィルムを示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例の偏光板は比較例の偏光板に比し優れた効果を示し、本発明の偏光板の構成(とりわけ、特定の貯蔵弾性率を有し、偏光フィルムとの剥離強度に優れる粘着剤層を偏光フィルムの液晶セルに近い側に積層した構成)が優れている。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る偏光板の層構成の例を示す断面模式図である。 本発明の偏光板を液晶セルに適用する場合の例を示す断面模式図である。 本発明の偏光板を液晶セルに適用する場合のもう一つの例を示す断面模式図である。
符号の説明
1 第一の粘着剤層(液晶セルに近い側となる粘着剤層)、2 偏光フィルム、3 第二の粘着剤層(液晶セルとは反対側となる粘着剤層)、5 第一の保護フィルム、6 第二の保護フィルム、7 第三の粘着剤層、10 偏光板、20 液晶セル(ガラス)。

Claims (2)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの両面にそれぞれ直接、粘着剤層が積層され、さらにその少なくとも片面に該粘着剤層を介して保護フィルムが積層されており、液晶セルに貼合して用いられる偏光板であって、
    前記粘着剤層のうち、液晶セルに近い側となる粘着剤層は、
    その厚みが1μm以上10μm以下であり、
    その貯蔵弾性率が23℃以上80℃以下の温度範囲において0.15MPa以上1MPa以下であり、且つ、
    偏光フィルムに対する剥離強度が11N/25mm以上であることを特徴とする偏光板。
  2. 請求項に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
JP2008330539A 2008-01-08 2008-12-25 偏光板 Expired - Fee Related JP5429777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008330539A JP5429777B2 (ja) 2008-01-08 2008-12-25 偏光板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008001335 2008-01-08
JP2008001335 2008-01-08
JP2008330539A JP5429777B2 (ja) 2008-01-08 2008-12-25 偏光板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009186995A JP2009186995A (ja) 2009-08-20
JP5429777B2 true JP5429777B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=40853063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008330539A Expired - Fee Related JP5429777B2 (ja) 2008-01-08 2008-12-25 偏光板

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5429777B2 (ja)
KR (1) KR20100117591A (ja)
CN (1) CN101910890A (ja)
TW (1) TW200941050A (ja)
WO (1) WO2009087942A1 (ja)

Families Citing this family (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101309598B1 (ko) * 2009-10-09 2013-09-23 주식회사 엘지화학 일체형 터치 편광판 및 이를 포함하는 터치 패널
JP5789936B2 (ja) * 2009-10-22 2015-10-07 住友化学株式会社 光学積層体及びその製造方法
JP5251827B2 (ja) * 2009-10-26 2013-07-31 住友化学株式会社 液晶表示装置
KR101719156B1 (ko) * 2009-12-01 2017-03-23 엘지디스플레이 주식회사 액정표시장치
JP5720238B2 (ja) 2010-01-06 2015-05-20 住友化学株式会社 光学積層体及びその製造方法
CN102893202B (zh) * 2010-11-10 2015-01-21 Lg化学株式会社 光学元件
US20120275024A1 (en) * 2011-04-27 2012-11-01 Rockwell Collins, Inc. Polarizer assembly with adhesive layers
JP5930636B2 (ja) * 2011-09-27 2016-06-08 住友化学株式会社 偏光板
WO2013055154A2 (ko) * 2011-10-14 2013-04-18 주식회사 엘지화학 양면형 편광판 및 이를 포함하는 광학 장치
CN103314317B (zh) * 2011-10-14 2016-12-07 Lg化学株式会社 在两侧具有保护膜的偏振片和包括该偏振片的光学器件
CN103415584B (zh) 2011-10-14 2016-06-08 Lg化学株式会社 用于偏振板的粘合剂和包括该粘合剂的偏振板
JP6256003B2 (ja) * 2011-11-25 2018-01-10 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び円偏光板
JP2013137521A (ja) * 2011-11-30 2013-07-11 Sumitomo Chemical Co Ltd 複合位相差板及びそれを用いた複合偏光板
KR101973832B1 (ko) * 2012-02-29 2019-04-29 수미토모 케미칼 컴퍼니 리미티드 광학 표시 디바이스의 생산 시스템 및 광학 표시 디바이스의 생산 방법
JP6488125B2 (ja) * 2013-12-26 2019-03-20 日東電工株式会社 積層偏光フィルム、その製造方法、積層光学フィルムおよび画像表示装置
TWI647476B (zh) * 2014-07-29 2019-01-11 日商住友化學股份有限公司 偏光板、附有黏著劑之偏光板及液晶顯示裝置
CN105549144B (zh) * 2014-10-27 2018-11-06 住友化学株式会社 偏振片及液晶显示装置
CN105739002B (zh) * 2014-12-26 2020-06-02 住友化学株式会社 偏振板
CN105739003B (zh) * 2014-12-26 2019-12-24 住友化学株式会社 偏振板
JP6654362B2 (ja) * 2015-06-04 2020-02-26 日東電工株式会社 粘着剤付き光学フィルム、および画像表示装置の製造方法
JP2017003906A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 日東電工株式会社 両面粘着剤層付偏光フィルムおよび画像表示装置
KR102525401B1 (ko) * 2015-06-30 2023-04-24 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 편광판, 액정 패널 및 액정 표시 장치
JP6172302B2 (ja) * 2015-06-30 2017-08-02 住友化学株式会社 偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置
KR102641791B1 (ko) * 2015-08-24 2024-03-04 닛토덴코 가부시키가이샤 표면 보호 필름을 갖는 광학 부재
JP7154733B2 (ja) * 2015-08-24 2022-10-18 日東電工株式会社 表面保護フィルム付光学部材
KR20170023717A (ko) * 2015-08-24 2017-03-06 닛토덴코 가부시키가이샤 표면 보호 필름을 갖는 광학 부재
JP6112250B1 (ja) * 2015-12-04 2017-04-12 住友化学株式会社 偏光板のセット及び液晶パネル
TWI618955B (zh) * 2015-12-09 2018-03-21 住華科技股份有限公司 光學結構
JP6324366B2 (ja) * 2015-12-21 2018-05-16 住友化学株式会社 偏光板
JP6006443B1 (ja) * 2016-01-29 2016-10-12 ダイアモールディング株式会社 フロントパネルの製造方法
JP6767143B2 (ja) * 2016-03-30 2020-10-14 日東電工株式会社 離型フィルムの剥離方法及び光学表示パネルの製造方法
KR102502207B1 (ko) * 2016-03-31 2023-02-21 도요보 가부시키가이샤 편광자 보호 필름, 편광판 및 액정 표시 장치
JP6442435B2 (ja) * 2016-05-26 2018-12-19 住友化学株式会社 偏光板、及び液晶表示装置
JP7403209B2 (ja) * 2016-07-28 2023-12-22 住友化学株式会社 偏光板
JP6925808B2 (ja) * 2017-01-26 2021-08-25 日東電工株式会社 光学積層体の製造方法および画像表示装置の製造方法
JP6747754B2 (ja) 2017-04-25 2020-08-26 エルジー・ケム・リミテッド 光学デバイス
JP6797163B2 (ja) * 2018-10-11 2020-12-09 住友化学株式会社 光学積層体及び表示装置
JP2020140008A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 住友化学株式会社 フレキシブル積層体
US20220171108A1 (en) * 2019-03-29 2022-06-02 Lg Chem, Ltd. Optical laminate

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3368525B2 (ja) * 1996-12-27 2003-01-20 住友化学工業株式会社 反射型偏光板およびこれを用いた液晶表示装置
JP3535380B2 (ja) * 1998-04-24 2004-06-07 日東電工株式会社 柔軟性層の表面粘着化処理法
JPH11337730A (ja) * 1998-05-26 1999-12-10 Sumitomo Chem Co Ltd 偏光板
JP3947337B2 (ja) * 1999-03-08 2007-07-18 積水化学工業株式会社 偏光板
JP2003114331A (ja) * 2001-08-03 2003-04-18 Oji Paper Co Ltd 偏光板保護用透明粘着フィルム
JP2003139952A (ja) * 2001-11-01 2003-05-14 Sekisui Chem Co Ltd 偏光板
JP4780647B2 (ja) * 2004-12-02 2011-09-28 日東電工株式会社 光学フィルム用粘着剤、光学フィルム用粘着剤層およびその製造方法、粘着型光学フィルム、ならびに画像表示装置
JP4739950B2 (ja) * 2005-01-21 2011-08-03 ダイセル化学工業株式会社 偏光性積層体及びその製造方法
JP4515357B2 (ja) * 2005-01-27 2010-07-28 リンテック株式会社 偏光板用粘着剤、粘着剤付き偏光板及びその製造方法
JP2006309114A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Lintec Corp 偏光板用粘着剤、粘着剤付き偏光板及びその製造方法
TWI453472B (zh) * 2007-08-22 2014-09-21 Sumitomo Chemical Co A composite polarizing plate, a laminated optical member, and an image display device using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009186995A (ja) 2009-08-20
WO2009087942A1 (ja) 2009-07-16
TW200941050A (en) 2009-10-01
KR20100117591A (ko) 2010-11-03
CN101910890A (zh) 2010-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5429777B2 (ja) 偏光板
JP5382843B2 (ja) 偏光板の製造方法
US11059272B2 (en) Polarizing plate assembly
JP5930636B2 (ja) 偏光板
JP5399890B2 (ja) 偏光板の製造方法
JP5105425B2 (ja) 偏光板の製造方法
WO2011114871A1 (ja) 偏光板、偏光板の評価方法、および偏光板の製造方法
JP5147014B2 (ja) 高コントラスト偏光板および液晶表示装置
JP5548444B2 (ja) 偏光板の製造方法
JP2011022202A (ja) 偏光板およびそれを用いた画像表示装置
JP2011113018A (ja) 偏光板および偏光板の製造方法
JP5416545B2 (ja) 積層フィルムの製造方法
JP2012022250A (ja) 積層体およびその製造方法
JP5316076B2 (ja) 粘着剤付き偏光板の製造方法
JP6174298B2 (ja) 偏光性積層フィルムおよび積層フィルム
JP2014132313A (ja) 偏光板の製造方法、偏光板、積層光学部材、および画像表示装置
JP6181804B2 (ja) 偏光板
JP5886575B2 (ja) 積層体の製造方法
JP5823154B2 (ja) 粘着剤層付き偏光板
KR102502463B1 (ko) 프로텍트 필름을 갖는 편광판의 제조 방법
JP2020180238A (ja) 硬化性組成物、硬化物層、光学積層体、及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5429777

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees