JP5426643B2 - ナノカーボン製造装置 - Google Patents
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アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される方法である(例えば、特許文献1参照)。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノチューブを生成する方法である(例えば、特許文献2参照)。
CVD法には、反応炉の中に配置した基板にカーボンナノチューブを生成させる気相成長基板法(例えば、特許文献3参照)と、触媒金属と炭素源を一緒に高温の炉に流動させカーボンナノチューブを生成する流動気相法(例えば、特許文献4参照)の二つの方法がある。
本発明において、不活性ガスとしては、例えば窒素ガス,アルゴンガスが挙げられる。また、炭化水素としては、例えばエタノール(バイオエタノールを含む)が挙げられる。粉触媒としては、例えば鉄触媒が挙げられる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカーボンナノチューブ(CNT)製造装置の概略図である。
同製造装置は、内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器1と、表面にナノカーボン(例えばカーボンナノチューブ)2が生成される無端状で帯状のステンレス板3と、加熱手段としてのヒータ4と、炭化水素供給手段5と、不活性ガス供給手段6と、触媒供給手段7と、カーボンナノチューブ掻き取り回収手段(以下、CNT掻き取り回収手段と呼ぶ)8と、磨き洗浄手段9と、ガス排気手段10を備えている。
1)まず、図2の(A)のようにステンレス板41の表面に触媒粉としての鉄粉42を混合したエタノール液を塗布した後、ステンレス板41を反応容器47の中に入れ、図2の(B)のように乾燥し、鉄粉42を塗布した表面を乾燥する。つづいて、鉄粉42を塗布したステンレス板41を、炭化水素供給手段43,不活性ガス供給手段44,排気ガス回収手段45及び加熱手段46を備えた反応容器47の中に入れ、500〜1000℃程度まで加熱する(図2の(C)参照)。
図3は、前記生成方法でCNT48を生成した写真の外形を描いたものである。即ち、図3は、鉄板41上に生成されたCNTを電子顕微鏡で観察したところ、細い線状のCNT48であることが確認された。
まず、装置内部を不活性雰囲気にするために、不活性供給手段6を使って例えば窒素ガスを供給し、内部を窒素雰囲気に置換する。その後、ステンレス板3を回転移動させ、ヒータ制御手段15の電源を入れ、カーボンナノチューブ生成雰囲気が500〜1000℃の生成温度に達するまで昇温する。生成温度に達したら、窒素の供給を止めると同時に、炭素原料供給手段5を起動し、例えばエタノールBを炭素原料供給ルズル16から供給し、雰囲気の温度で瞬間に蒸発して炭化水素を含んだ気体となる。並行して、粉触媒供給手段7を起動し、触媒をステンレス板3の表面に塗布する。その際、十分に暖められたステンレス板表面の鉄触媒と炭化水素ガスが反応してCNT2を還元雰囲気で生成して生長する。ステンレス板3の表面に生長したCNT2は、従動ローラ12の下部に設けられたCNT掻き取り板25で掻き落とされ、下部のCNT回収缶26に回収される。ステンレス板3は、従動ローラ12で冷却された後、右へ移動し、研磨ブラシ31で磨き、洗浄液塗布ブラシ32で表面を線状する。その状態でステンレス板3とヒータ4間のカーボンナノチューブ生成部に戻され、再度CNTを生成する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るCNT製造装置の概略図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
第2の実施形態に係るナノカーボン製造装置は、図1の場合と比べて、研磨ブラシ及び洗浄液塗布ブラシからなる磨き洗浄手段,研磨粉回収缶,洗浄液回収缶及び洗浄液供給手段を省いた点、及びCNTを掻き取り板で掻き取る際,CNTをほとんど残す点が異なることを特徴とする。
まず、装置内部を不活性雰囲気にするために、不活性供給手段6を使って例えば窒素を供給し、内部を窒素雰囲気に置換する。その後、ステンレス板3を回転移動させ、ヒータ制御手段15の電源を入れ、CNT生成雰囲気が500〜1000℃の生成温度に達するまで昇温する。生成温度に達したら、窒素の供給を止めると同時に、炭素原料供給手段5を起動し、例えばエタノールBを炭素原料供給ルズル16から供給し、雰囲気の温度で瞬間に蒸発して炭化水素を含んだ気体となる。並行して、粉触媒供給手段7を起動し、触媒をステンレス板3の表面に塗布する。その際、十分に暖められたステンレス板表面の鉄触媒と炭化水素ガスが反応してCNT2を還元雰囲気で生成して生長する。ステンレス板3の表面に生長したCNT2は、従動ローラ12の下部に設けられたCNT掻き取り板25で掻き落とされ、下部のCNT回収缶26に回収される。
図5は、本発明の第3の実施形態に係るCNT製造装置の概略図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
図5中の符番51は、CNTを生成し、CNT掻き取り後のステンレス板3aを巻き取る駆動巻取りローラである。また、符番52は、例えば塩酸等により表面処理したステンレス板3aが巻回された従動ローラである。表面処理したステンレス板3aは、従動ローラ52から第1の支持ローラ53aを経てCNT生成部でCNTを生成し、CNT掻き取り後、第2の支持ローラ53bを経て駆動巻取りローラ51で巻き取るようになっている。
まず、装置内部を不活性雰囲気にするために、不活性ガス供給手段6を使って例えば窒素を供給し、内部を窒素雰囲気に置換する。次に、ヒータ制御手段15の電源を入れ、カーボンナノチューブ生成雰囲気が500〜1000℃の生成温度に達するまで昇温する。生成温度に達したら、窒素の供給を止めると同時に、表面処理したステンレス板3aを回転移動させ、炭素原料供給手段5を起動し、例えばエタノールBを炭素原料供給ルズル16から供給し、雰囲気の温度で瞬間に蒸発して炭化水素を含んだ気体となる。並行して、触媒供給手段7を起動し、鉄触媒をステンレス板3aの表面に塗布する。その際、十分に暖められたステンレス板表面の鉄触媒と炭化水素ガスが反応してCNT2を還元雰囲気で生成して生長する。ステンレス板3aの表面に生長したCNT2は、駆動巻き取りローラ51の下部に設けられたCNT掻き取り板25で掻き落とされ、下部のCNT回収缶26に回収される。
図6は、本発明の第4の実施形態に係るCNT製造装置の要部のみを示す概略図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
同製造装置は、内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器(図示せず)と、表面にCNT2が生成される円板形状のステンレス板60と、加熱手段としてのヒータ4と、触媒供給手段の一構成である触媒塗布ノズル23と、炭化水素供給手段の一構成である炭素原料供給ノズル16と、不活性ガス供給手段(図示せず)と、CNT掻き取り回収手段を構成するCNT掻き取り板22と、ガス排気手段(図示せず)と、ステンレス板60をゆっくり回転させる回転手段61を備えている。同製造装置は、縦型掻き取り方式を採用している。
まず、装置内部を不活性雰囲気にするために、筐体18内に窒素供給手段を用いて例えば窒素を供給し、内部を窒素雰囲気に置換する。次に、駆動モータ64を矢印Fの方向に回転させる。次に、ヒータ4の電源を入れ、ステンレス板60をカーボンナノチューブ生成雰囲気が500〜1000℃の生成温度に達するまで昇温する。生成温度に達したら、窒素の供給を止めると同時に、炭素原料供給手段を起動し、例えばエタノールBを炭素原料供給ルズル16から供給する。エタノールは、雰囲気の温度で瞬間に蒸発して炭化水素を含んだ気体となる。
図7は、本発明の第5の実施形態に係るCNT製造装置の要部のみを示す概略図である。但し、図1,図6と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
第5の実施形態に係るナノカーボン製造装置は横型掻き取り方式を採用し、図6の場合と比べ、円形のステンレス板60を縦型にし、触媒塗布ノズル23からステンレス板60に横方向から鉄触媒を噴霧するようにした点が異なり、他は図6の場合と同様である。また、CNT2の製造の仕方も第4の実施形態で述べたとおりである。
図8及び図9は、本発明の第6の実施形態に係るCNT製造装置の概略図である。ここで、図8は同製造装置の全体図、図9は同製造装置の一構成である回転軸及び掻き取り羽根の形状を拡大して示す概念図である。但し、図1と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
まず、装置内部を不活性雰囲気にするために、不活性供給手段を用いて例えば窒素を供給し、内部を窒素雰囲気に置換する。次に、ヒータ4の電源を入れ、円筒72が500〜1000℃のカーボンナノチューブ生成温度に達するまで昇温する。生成温度に達したら、窒素の供給を止めると同時に、炭素原料供給手段を起動し、例えばエタノールを炭素原料供給ルズルから供給する。エタノールは、雰囲気の温度で瞬間に蒸発して炭化水素を含んだ気体となる。
CNT2が十分成長したら駆動モータ75を矢印Fの方向に回転させ、円筒72の内面に生長したCNT2を掻き取り羽根74で掻き落とし、下部のCNT回収缶26に回収される。なお、カーボン製造装置内で発生するガスは、ガス排気手段8で水封を介してガスが逆流しないように排気される。
図10は、本発明の第7の実施形態に係るCNT製造装置の概略図である。但し、図1,8と同部材は同符番を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
図10のCNT製造装置は、図9と比べ、内部を還元雰囲気に保持しうるステンレス製の円筒81のみを用いる点が異なり、この円筒81の内壁にCNTを生成することを特徴とする。その他の構成部材及び製造方法は、図8の場合と同様である。
Claims (2)
- 内部を還元雰囲気に保持しうるとともに,外気と遮断可能な円筒状縦型反応容器と、この縦型反応容器内に配置されたステンレス円筒と、このステンレス円筒の内壁に生成されるカーボンナノチューブを掻き取る螺旋状の掻き取り羽根と、この掻き取り羽根を駆動する駆動源と、前記ステンレス円筒を加熱する加熱手段と、ステンレス円筒内に触媒粉を供給する触媒供給手段と、縦型反応容器内に炭化水素を供給する炭化水素供給手段と、縦型反応容器内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、ステンレス円筒に生成されたカーボンナノチューブを回収する回収手段と、縦型反応容器内のガスを排気するガス排気手段とを具備することを特徴とするカーボンナノチューブ製造装置。
- 前記掻き取り羽根は、主軸を中心に下部方向に末広がりのハの字形状に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ製造装置。
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