JP5426047B1 - プレキャストコンクリート躯体の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレストレスによる二次応力の影響を考慮することなく容易に設計することが可能なプレキャストコンクリート躯体の構築方法を提供する。
【解決手段】複数の柱10の上面に接合された接合部材30間に梁20を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、少なくとも接合部材30から梁20に亘りPC鋼材を配置するとともにこれを緊張させることにより、梁20の長手方向に向けてプレストレスを導入し、その後柱10と接合部材30との間に経時硬化性材を充填固化することによりこれらを互いに接合することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法であって、特にPC鋼材を緊張することにより梁に対してプレストレスを導入するプレキャストコンクリート躯体の構築方法に関する。
複数の柱間に梁を架設させたコンクリート躯体からなる構造物が、従来より提案されている。このようなコンクリート躯体に対して補強を施す場合において、PC鋼材を緊張することにより梁に対してプレストレスを導入する工法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
このような柱間に梁を架設させたコンクリート躯体において、PC鋼材を介してプレストレスを導入する際には、梁の一端から他端にかけてPC鋼材を配置してこれを緊張させることとなる。その結果、梁全長にプレストレスが導入される結果、プレストレストコンクリートが形成されることとなる。
特開2009−133157号公報
ところで、このような柱間に架設された梁に対してPC鋼材を介してプレストレスを導入した場合、梁はかかるプレストレスによる圧縮力に基づいて変形が生じる。梁は、複数の柱間に架設されるため、このようにして梁全長に亘ってプレストレスが導入されると、その柱や梁を含むコンクリート躯体には、その変形に基づく二次応力が発生する。このような二次応力がコンクリート躯体に発生してしまうと逆に構造物の耐震性、安定性を欠く要因にもなる。
従って、このようなプレストレスによる二次応力を解消するための設計が必要となるが、かかる設計では二次応力の精密な計算も要求され設計が非常に複雑なものとなる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させてプレストレスによる耐震性の向上を図るプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、当該プレストレスによる二次応力の影響を考慮することなく容易に設計することが可能なプレキャストコンクリート躯体の構築方法を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明に係るプレキャストコンクリート躯体の構築方法では、プレキャストコンクリート部材で構成された複数の柱及びこれらに架設される梁と、柱及び梁を接合するための接合部材とを有するプレキャストコンクリート躯体を構築する。このとき、接合部材を含む梁全長にPC鋼材を配置してプレストレスが導入される。また梁と接合部材との間における打継部には、上述したPC鋼材等が接続されて現場打ちコンクリートが打設される。本発明では、柱と接合部材との間に経時硬化性材を充填固化する前に、上記PC鋼材を緊張させることにより梁の長手方向に向けてプレストレスを導入する。
また本発明では、柱の上面から延長された鉄筋を上記接合部材に予め設けられたシース管に遊嵌させ、プレストレス導入後、鉄筋とシース管との間隙から上記経時硬化性材を充填することにより、柱と接合部材とを互いに接合するようにしてもよい。
即ち、請求項1記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、上述した課題を解決するために、複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、少なくとも上記接合部材から上記梁に亘りPC鋼材を配置するとともにこれを緊張させることにより上記梁の長手方向に向けてプレストレスを導入し、その後上記柱の上面と上記接合部材との間に経時硬化性材を充填固化することによりこれらを互いに接合することを特徴とする。
請求項2記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、上記柱の上面から延長された鉄筋を上記接合部材に予め設けられたシース管に遊嵌させ、少なくとも上記接合部材から上記梁に亘りPC鋼材を配置するとともにこれを緊張させることにより上記梁の長手方向に向けてプレストレスを導入し、上記プレストレス導入後、上記鉄筋と上記シース管との間隙から上記経時硬化性材を充填することにより、上記柱と上記接合部材とを互いに接合することを特徴とする。
請求項3記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、請求項1又は2記載の発明において、上記梁と上記接合部材とを、上記プレストレス導入前に現場打ちコンクリートを介して互いに接合するか、又は上記PC鋼材によるプレストレスによる圧着力を介して接合することを特徴とする。
請求項4記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、請求項1〜3のうち何れか1項記載の発明において、上記複数の柱を、一直線上に3本以上に亘り、当該直線の中心位置から互いに非対称となる位置に形成することを特徴とする。
請求項5記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、請求項1又は2記載の発明において、上記梁と上記接合部材とを、上記プレストレス導入前に現場打ちコンクリートを介して互いに接合する場合には、当該現場打ちコンクリートによる打継部のサイズについて、以下の(1)式に基づいて設定すること
1.0×D<W<6.5×D・・・・(1)
を特徴とする。
ここでWは上記柱から上記接合部材の上記打継部への接触面までの間隔、Dは上記梁の梁成
請求項6記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法は、請求項1〜5のうち何れか1項記載の発明において、上記PC鋼材を上記梁及び上記接合部材において上下2段に亘り配置することを特徴とする。
請求項7記載のプレキャストコンクリート躯体は、請求項1〜6のうち何れか1項記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法により構築されたことを特徴とする。
本発明によれば、PC鋼材を用いてプレストレスが与えられているため、梁や接合部材の耐力を向上させてコンクリート躯体に作用する応力に抵抗することができる。また、柱や梁、接合部材はプレキャストコンクリート造なので、最終的には躯体を一体化させるために、各々の鉄筋とPC鋼材とを接続する。
本発明によれば、梁にプレストレスを導入する際には、プレストレス導入時の梁変形の影響が躯体に入らないようにするために、各構造部材に対してプレキャストコンクリート部材を用いることとしている。特に柱と梁の接合部材は、シース管が上下に貫通したレンコン形状の部材を用いる。そして、PC鋼材によりプレストレスを導入する際には、鉄筋とシース管の間隙、及び接合部材と柱の間に経時硬化性材の充填を行わず、あくまでプレストレスを導入した後に、当該経時硬化性材の充填を行う。
これにより、従来において問題とされていた、プレストレスの導入に基づく梁の変形に伴う2次応力が躯体の中に加わらないため、プレストレス導入時における躯体の安全性を検討する必要が無くなる。その結果、鉄筋コンクリート造の設計法がそのまま使用できる。ちなみに、プレストレストコンクリート造の設計法は、プレストレス導入時における各施工段階で2次応力を考慮する必要があるため、設計が煩雑にあるという問題点があった。しかし、本発明によれば、プレストレスの導入に基づく梁の変形に伴う2次応力が躯体の中に加わらないため、2次応力を考慮することなく設計を容易に進めることが可能となる。
本発明を適用した構築方法により構築されるプレキャストコンクリート躯体の構成例を示す図である。 図1におけるA領域の拡大断面図である 本発明を適用した構築方法により構築されるプレキャストコンクリート躯体も適用される接合部材の斜視図である。 本発明を適用した構築方法により構築されるプレキャストコンクリート躯体も適用される接合部材の正面図である。 梁や接合部材の内部に配設されるPC鋼材の具体的な構成例を示す図である。 本発明を適用したプレキャストコンクリート躯体の構築方法について説明するための図である。 本発明を適用したプレキャストコンクリート躯体の構築方法について説明するための他の図である。
以下、本発明を適用したプレキャストコンクリート躯体の構築方法の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した構築方法により構築されるプレキャストコンクリート躯体1の構成例を示している。図2は、図1中A領域の拡大断面図である。
このプレキャストコンクリート躯体1は、地盤200上に立設された複数の柱10と、この柱10上に設けられる接合部材30と、接合部材30間に設けられる梁20と、梁20と接合部材30との間に形成される打継部40と、梁20の上面に形成される床スラブ50とを備えており、少なくとも接合部材30、梁20に亘りPC鋼材21が配設されて、その両端にはアンカー材162、支承筒155が固定されている。このプレキャストコンクリート躯体1は、更に梁20を支持するための支保工201が設けられていてもよい。
柱10は、プレキャストコンクリート部材である。この柱10は、最下層から上方に向けて積層されて構成される。最下層の柱10の下端は地盤200に固定される。この柱10は、鉄筋コンクリート構造(RC構造)を有している。このため、柱10の内部には、当該柱の長手方向に延びる複数本の鉄筋(主筋)11が組み込まれている。そして、この鉄筋11の上端は、柱10の上面から鉛直上方に向けて突出されている。なお本発明では、柱10の構成として鉄筋コンクリート構造を採用する場合を例にとり説明をしているが、これに限定されるものではなく、他の構造を採用するものであってもよい。この柱10の他の構成例としては、プレストレスト・鉄筋コンクリート構造を用いるようにしてもよい。この鉄筋11は柱10の底部から下側に向けて突出されていてもよい。
梁20は、プレキャストコンクリート部材である。この梁20は、複数の柱10の上面に接合された接合部材30間に架設される。即ち、この梁20は、長手方向の両側において配置されている接合部材30の間に狭持されるようにして配設される。この梁20内においても複数本の鉄筋24が埋設される。また、梁20は、プレストレスト鉄筋コンクリート構造(PRC構造)とされ、詳細は後述するが内部にPC鋼材21が配置される
接合部材30は、柱10の上端に固定される。接合部材30には、図2に示すように上面30aから底面30bまで貫通するシース管31が設けられる。このため、接合部材30は、シース管31が貫通されたいわゆるレンコン形状で構成されている。このシース管31の配設本数や位置は、柱10の上面から鉛直上方に向けて突出されている鉄筋11の本数や位置に対応させて設けられている。また、シース管31の径は、鉄筋11よりも大きいものとされている。接合部材30は、柱10に接合される際には、その柱10から鉛直上方に突出させた鉄筋11に、シース管31に挿入させる。鉄筋11は、接合部材30におけるシース管31を貫通し、その上端は接合部材30の上端から突出することとなる。シース管31は鉄筋11よりも径が大きいため、鉄筋11の外周とシース管31の内周には間隙が形成され、鉄筋11はシース管31に対していわゆる遊嵌状態で固定される。そして鉄筋11とシース管31の間隙には、グラウト等の経時硬化性材42が充填されて固化されていることにより互いに一体化される。ちなみに、鉄筋11は柱10の底部から下側に向けて突出されている場合においても、シース管31に遊嵌させ、経時硬化性材を充填固化させることで一体固定するようにしてもよい。
接合部材30の構成としては、あくまでPRC構造を基本とするものとする。この接合部材30において埋設される鉄筋24としては、互いに鉄筋同士が格子状に交差させて接合されている。この鉄筋24は、少なくともPC鋼材21の伸張方向(梁20の長手方向)において延長されている。
図3は、この接合部材30の斜視図である。この図3において鉛直方向に相当するZ軸、水平方向に延長されて互いに直交するX軸及びY軸とし、Z軸に対してX、Y軸が互いに直交するものとしたとき、この接合部材30は、Z軸、X軸、Y軸の各方向に延長されて構成されている。換言すれば、この接合部材30は、隣接する梁20、隣接する柱10がある各方向(X、Y、Z軸)に対して延長されている。特に接合部材30を上方から視認したとき、十字状に伸びている形状とされているが、これはプレキャストコンクリート躯体1を構成する建築物の内側に配置されるための形状であり、これに限定されるものではない。仮に接合部材30が建築物の端部や隅部を構成する箇所に配設されるものであれば、上方から視認したときはT字状やL字状をなす場合も当然に含まれる。そして、このX軸、Y軸方向にそれぞれ延長されている接合部材30には鉄筋32が配置され、その端面30cからは鉄筋32が突出されている。図4は、この接合部材30の端面30cの正面図であるが、端面30cの縁部において鉄筋32が突出されており、さらに上段と下段それぞれにおいてX方向(図4中紙面奥行き方向)に延長されたシース管28の内部に棒状のPC鋼材21が配設されている。
なお、このシース管31に挿通された鉄筋11の上端には、スリーブ式鉄筋継手51が装着されていてもよい。スリーブ式鉄筋継手51は、上層にある柱10と下層にある柱10とを互いに接合するために用いられる。スリーブ式鉄筋継手51は、筒状に形成されており、その内部には上層にある柱10と下層にある柱10からそれぞれ鉄筋11の端部が互いに突き合せるようにして挿入される。このときスリーブ式鉄筋継手51の内部に充填材を充填して固化させることで、上層と下層の柱10を互いに接合することができる。この充填材としては、例えばモルタル等の流動性に優れた経時硬化性材を用いるようにしてもよい。なお上層と下層の柱10を互いに接合する技術は、上述した例に限定されるものではなく、他のいかなる公知技術を適用するようにしてもよい。
梁20と接合部材30との間に形成される打継部40は、梁20側から接合部材30にかけてPC鋼材21を被覆するためのシース管28が配置される。また打継部40には、複数本の鉄筋24が埋設される。この打継部40の近傍において、鉄筋24同士を接合するための鉄筋継手29が設けられていてもよい。打継部40は、現場打ちコンクリートが打設される。ちなみに、この打継部40においてシース管28や、鉄筋24は互いに接続されていてもよい。なお、梁20と接合部材30とは、このような打継部40による現場打ちコンクリートを介して互いに接合する場合に限定されるものではない。例えばこの打継部40の構成を省略し、梁20と接合部材30とをPC鋼材21によるプレストレスによる圧着力を介して接合するようにしてもよい。
梁20の上段において設けられる床スラブ50は、床構造を形成するものであり、床面に対して垂直方向に負荷される荷重を支持するために用いられる。
支保工201は施工途中において梁20を支持するために配設される。この支保工201は例えば金属製のパイプ等で構成され、施工終了後に取り除かれる。
図5は、梁20や接合部材30の内部に配設されるPC鋼材21の具体的な構成例を示している。梁20、接合部材30には、長手方向に延長されたシース管28が配置され、そのシース管28の内部にPC鋼材21が挿入される。このPC鋼材21の両端にはアンカー材162、支承筒155が接続され、これらを介して梁20や接合部材30にプレストレスが導入される。ちなみに、PC鋼材21は、アンボンドタイプであってもよいし、ボンドタイプであってもよい。但し、以下の例では、かかるPC鋼材21をアンボンドタイプで構成した場合を例にとり説明をする。ちなみに、PC鋼材21の代替として高強度の鉄筋を用いてプレストレスを導入するようにしてもよい。
プレストレスの導入方法は、いかなる周知の方法に基づいてプレストレスを導入するようにしてもよい。またPC鋼棒以外に、PC鋼線等を使用するようにしてもよい。
上述の如き構成からなるPC鋼材21により実際にプレストレスを導入する際には、先ずシース管28を梁20、接合部材30、打継部40へ配置し、その中にPC鋼材21を挿入する。
シース管28に、このPC鋼材21における中空PC鋼棒136に相当する部分を挿入後、PC鋼材21を緊張する。このPC鋼材21を緊張する際には、上述したアンカー材162、支承筒155を回転させる。これによりPC鋼材21に対して緊張力が負荷され、この緊張力は、アンカー材162や支承筒155を介して梁20、接合部材30、打継部40に対してプレストレスとして伝達されることとなる。その結果、梁20や接合部材30の強度を向上させることが可能となる。このようにしてPC鋼材21を緊張させた後に、シース管28の内部に、グラウト等で構成される経時硬化性材を充填する。なお、梁20を予め工場等において製作する場合には、プレテンション方式に基づいてプレストレスを付与するようにしてもよい。
ちなみに、このPC鋼材21は、梁20の内部において少なくとも梁20の下面よりに配置されている。梁20は上部から下方に向けて荷重を受けるため、PC鋼材21を配置してプレストレスを付与することにより、当該上部からの荷重に対して耐えることが可能となる。なお、PC鋼材21の数量は適宜設定することができる。梁20の端部に位置するPC鋼材21の一部分を、梁20の中央部に位置するPC鋼材21よりも上方に配置するようにしてもよい。また、本発明では、接合部材30に対してもプレストレスを付与することが可能となるため、プレキャストコンクリート躯体1に作用する応力に耐えることが可能となる。
なお、本発明では、プレストレスト鉄筋コンクリート構造(PRC構造)に限定されるものではなく、梁20の構成としては、鉄筋24の構成を省略してPC鋼材21だけを用いたプレストレストコンクリート構造(PC構造)を採用するようにしてもよい。梁20の構成としてPRC構造又はPC構造を採用することにより、これを架設するための柱10の間隔(スパンS)を広げやすくなる。そして、このスパンSを広げることにより、プレキャストコンクリート躯体1の内部における柱10の数を減少させることができるため、建築物内部におけるスペースを有効活用することが可能となる。また接合部材30をPRC構造とし、接合部材30の強度を確保することにより、梁20の両端に配置される2つの接合部材30について当該梁20を介して離間させて配置することもできる。2つの接合部材30の距離を広げることによっても柱10の間隔(スパンS)を広げることもできる。
梁20内部におけるPC鋼材21の配置、数や鉄筋24の構成は、接合部材30の負担応力に応じて自在に設計可能とされている。接合部材30に作用する応力に応じて、PC鋼材21及び鉄筋32の負担比率を適宜設定することができる。ここで負担比率とは、PC鋼材21及び鉄筋32の保有耐力の負担比率である。具体的には可能な限り鉄筋32により耐力を負担させ、不足分をPC鋼材21に負担させると経済的である。
特にPC鋼材21を梁20及び接合部材30において上下2段に亘り配置することで、地震時において負荷される荷重に対抗することができ、より耐震性を向上させることが可能となる。
なお、本発明では、現場打ちコンクリートによる打継部40のサイズについて、以下の(1)式に基づいて設定するようにしてもよい。
1.0×D<W<6.5×D・・・・(1)
ここでWは、図2に示すように柱10から接合部材30の打継部40への端面30cまでの間隔、Dは梁20の梁成である。
距離Wが式(1)の条件を満たすことにより、プレキャストコンクリート躯体1に発生する応力に耐えながら、接合部材30のサイズを最適化させることが可能となる。また、距離Wが式(1)の下限値(1.0×D)よりも小さい場合には、接合部材30における鉄筋32と、PC鋼材21の付着長さが十分に取れず、発生応力に十分に対応しきれない。また柱10間に1又は複数箇所に亘り打継部40を設けた場合を想定して式(1)の上限値を6.5×Dとしている。
次に、本発明を適用したプレキャストコンクリート躯体の構築方法について説明をする。
先ず図6(a)に示すように、地盤200上に複数の柱10を立設する。その結果、柱10の上面から上方に突出された鉄筋11が上方に延長された状態となる。次に、図6(b)に示すように梁20並びに接合部材30の組立を行う。柱10から鉛直上方に突出させた鉄筋11に、接合部材30におけるシース管31を挿入させる。また、この接合部材30間に梁20を配置する。これら接合部材30並びに梁20は、この段階において支保工201により保持する。
次に図7(a)に示すように梁20側から接合部材30にかけてPC鋼材21を被覆するためのシース管28を配置する。また、このシース管28の内部には、PC鋼材21を挿入させる。なお図示はしないが、この段階において他の鉄筋24、32等も配設するようにしてもよい。打継部40において場所打ちコンクリートを打設する。
次にPC鋼材21を上述のように緊張する。その結果、梁20や接合部材30において梁20の長手方向に向けてプレストレスを付与することが可能となる。この段階において柱10と接合部材30との間には、未だ経時硬化性材42が充填されていない。このため、プレストレス導入時には、柱10の上面と接合部材30は互いに経時硬化性材42を介して拘束されていない状態にある。このため、プレストレス導入の際に接合部材30や梁20が柱10に対して自由に動くことが可能となり、導入されたプレストレスに基づく応力が柱10に対して負荷されてしまうのを防止することができる。
最後に図7(b)に示すように、鉄筋11とシース管31の間隙に経時硬化性材42を充填して固化させることでこれらを接合する。これにより、柱10と接合部材30とは互いに経時硬化性材42を介して一体化される。ちなみに、鉄筋11とシース管31の間隙に注入された経時硬化性材42は、接合部材30と柱10との間にも拡散する結果、接合部材30と柱10の間にも経時硬化性材42が充填されることとなる。
このように本発明によれば、経時硬化性材42を介して柱10と接合部材30とを互いに一体化する前に、PC鋼材21を用いて接合部材30、梁20に対してプレストレスを導入する。これにより、梁20や接合部材30の耐力を向上させ、プレキャストコンクリート躯体1に作用する応力に抵抗することが可能となる。また柱10や梁20、接合部材30は、プレキャストコンクリート造であるため、最終的には躯体を一体化するための各々の鉄筋24、32やPC鋼材21を接続する。
特に本発明によれば、梁20にプレストレスを導入する際において、プレストレス導入時における梁変形の影響が躯体に入らないように各構造部材につきプレキャストコンクリート部材を用いる。特に接合部材30は、シース管31が上下に貫通したレンコン形状の部材を用いる。そして、PC鋼材21によりプレストレスを導入する際には、鉄筋11とシース管31の間隙、及び接合部材30と柱10の間に経時硬化性材42の充填を行わず、あくまでプレストレスを導入した後に、当該経時硬化性材42の充填を行う。
これにより、従来において問題とされていた、プレストレスの導入に基づく梁の変形に伴う2次応力が躯体の中に加わらないため、プレストレス導入時における躯体の安全性を検討する必要が無くなる。その結果、鉄筋コンクリート造の設計法がそのまま使用できる。ちなみに、プレストレストコンクリート造の設計法は、プレストレス導入時における各施工段階で2次応力を考慮する必要があるため、設計が煩雑にあるという問題点があった。しかし、本発明によれば、プレストレスの導入に基づく梁の変形に伴う2次応力が躯体の中に加わらないため、2次応力を考慮することなく設計を容易に進めることが可能となる。
また、上述した図1では、複数の柱10を、一直線上に3本に亘り形成している。そして、当該直線の中心位置に相当する中央の柱10から互いに対称となる位置に残りの2本の柱10が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、当該直線の中心位置に相当する中央の柱10から互いに非対称となる位置に残りの2本の柱10が形成されていてもよい。かかる場合においても、本発明は、全ての柱10について上述した施工方法を実施するため、全ての柱10と接合部材30との関係において上述した作用効果を得ることが可能となる。複数の柱10を、一直線上に3本以上に亘り、当該直線の中心位置から互いに非対称となる位置に形成する場合においても、同様である。
また、上述した例では、あくまで梁20と接合部材30とが別部材で構成されている場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、互いに一体化された同一部材で構成されていてもよいことは勿論である。
1 プレキャストコンクリート躯体
10 柱
11 鉄筋
20 梁
21 鋼材
24 鉄筋
28 シース管
29 鉄筋継手
30 接合部材
31 シース管
32 鉄筋
40 打継部
42 経時硬化性材
50 床スラブ
51 スリーブ式鉄筋継手
136 鋼棒
137 鋼棒
152 孔
153 孔
154 回動工具係合用外面
155 支承筒
156 ストッパー
158 回動工具係合用外面
159 凹部
160 押圧係止片
162 アンカー材
171 部材
200 地盤
201 支保工

Claims (7)

  1. 複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、
    少なくとも上記接合部材から上記梁に亘りPC鋼材を配置するとともにこれを緊張させることにより上記梁の長手方向に向けてプレストレスを導入し、
    その後上記柱の上面と上記接合部材との間に経時硬化性材を充填固化することによりこれらを互いに接合すること
    を特徴とするプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
  2. 複数の柱の上面に接合された接合部材間に梁を架設させたプレキャストコンクリート躯体の構築方法において、
    上記柱の上面から延長された鉄筋を上記接合部材に予め設けられたシース管に遊嵌させ、
    少なくとも上記接合部材から上記梁に亘りPC鋼材を配置するとともにこれを緊張させることにより上記梁の長手方向に向けてプレストレスを導入し、
    上記プレストレス導入後、上記鉄筋と上記シース管との間隙から上記経時硬化性材を充填することにより、上記柱と上記接合部材とを互いに接合すること
    を特徴とするプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
  3. 上記梁と上記接合部材とを、上記プレストレス導入前に現場打ちコンクリートを介して互いに接合するか、又は上記PC鋼材によるプレストレスによる圧着力を介して接合すること
    を特徴とする請求項1又は2記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
  4. 上記複数の柱を、一直線上に3本以上に亘り、当該直線の中心位置から互いに非対称となる位置に形成すること
    を特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
  5. 上記梁と上記接合部材とを、上記プレストレス導入前に現場打ちコンクリートを介して互いに接合する場合には、当該現場打ちコンクリートによる打継部のサイズについて、以下の(1)式に基づいて設定すること
    1.0×D<W<6.5×D・・・・(1)
    を特徴とする請求項1又は2記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
    ここでWは上記柱から上記接合部材の上記打継部への接触面までの間隔、Dは上記梁の梁成
  6. 上記PC鋼材を上記梁及び上記接合部材において上下2段に亘り配置すること
    を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法。
  7. 請求項1〜6のうち何れか1項記載のプレキャストコンクリート躯体の構築方法により構築されたことを特徴とするプレキャストコンクリート躯体。
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