JP6340467B1 - 袖壁を用いるラーメン構造及びその接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PC柱と鉄骨梁とで形成される複合ラーメン構造において、袖壁と柱梁を簡単かつ合理的な接合方法で接合できるラーメン構造と、PC柱と袖壁の接合方法とを提供する。【解決手段】袖壁付き柱と梁2とで形成されるラーメン構造であって、袖壁11と柱1は、それぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁が上下の梁間の柱の側面に配置され、袖壁の鉛直方向において上下の梁と接合せず、水平方向においてPC鋼材13を柱に貫通させて配置し、PC鋼材が緊張定着され袖壁と柱とが一体化される。【選択図】図1

Description

本発明は、柱と梁とで形成されるラーメン構造において、コンクリート造の柱と鉄骨梁とで形成される複合構造として、プレキャストコンクリート柱(以下、PC柱という)に袖壁を適宜取り付け、該袖壁付きPC柱と鉄骨梁とが柱梁接合部に水平に貫通させたPC鋼材によって一体的に接合されるラーメン構造およびその接合方法に関するものである。
一般にこの種のPC柱と鉄骨梁とを接合する構造については、従来技術が公知になっている。その公知の従来技術としては、PC柱と鉄骨梁とからなる建物構造であって、柱梁接合部は現場打ちコンクリートで形成され、端部に定着プレートが設けられた鉄骨梁の端部はPC柱のアゴに載せてあり、前記柱梁接合部に水平に貫通したPC鋼材は前記定着プレートに緊張定着され、これらPC柱と鉄骨梁とが前記柱梁接合部に貫通させた前記PC鋼材により一体接合させることを特徴とする柱と梁の接合部構造である(特許文献1)。
上記公知の従来技術において、梁を鉄骨梁として軽量化し、PC柱にアゴを一体的に設けたことにより、大スパン(柱間隔)の広々とした空間が得られると共に、高層又は超高層建物にも適用できる合理的な構造にし、柱梁接合部を現場打ちコンクリートまたはPC柱と一体的に形成し、アゴ付のPC柱と鉄骨梁とからなる構造としPC鋼材で緊張定着して接合したので、巨大地震時でも、鉄骨梁がPC柱から外れて落下することなく安定して接合状態を維持する、というものである。
また、袖壁付き柱に関する技術が複数公知になっている。この公知の第1の従来技術においては、壁付き柱は、柱とその両側に設けられた壁とから構成した一体となった異形断面を有する部材とし、該部材断面において、柱と壁とにそれぞれ下層階から上層階まで連結したPC鋼材を挿通させて配置し、該PC鋼材に緊張導入力を与えて緊張定着することによりプレストレスを付与した壁付き柱が形成され、前記壁付き柱の断面において、柱幅をbとし壁の厚さをtとした時に、柱幅に対する壁の厚さ比を、t/b=0.3以上とし、前記緊張導入力は、柱に配置されたPC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材降伏荷重の80%までとし、壁に配置されたPC鋼材に与える緊張導入力を該PC鋼材降伏荷重の40〜70%とすることを特徴とする建造物である(特許文献2)。
この公知に係る第1の従来技術は、PC鋼材を緊張定着することによって、強風や大地震によりPC鋼材に掛かる引張力が増えてくるが、最大引張力でも降伏しない弾性範囲内に納まるように設計することが出来るのであり、それによって柱部および壁部に配置されたPC鋼材に掛かる最大引張力がほぼ同じになり、建造物の破損を防止することができる、というものである。
さらに、袖壁付き柱に関する第2の従来技術においては、上下の梁間の柱に袖壁が設けられ、該袖壁が上下の梁と縁切り状態で、かつ袖壁端部内の全長に耐震補強材が埋設されたことを特徴とする柱構造である(特許文献3)。
この公知に係る第2の従来技術は、建物に過大な荷重が作用した場合であっても、耐震補強材によって袖壁端部の圧縮破壊が防止されるとともに、袖壁が上下の梁と縁切り状態であるため、上下の梁の破壊も防止できる、というものである。
特許第5521105号の特許公報 特許第4647714号の特許公報 特開平11−336251号の公開特許公報
前記特許文献1に示されたPC柱と鉄骨梁とで構成された複合ラーメン構造は、梁を軽量化し、大スパンを飛ばすことができる反面に、プレストレスが導入されたPC梁とPC柱とで形成されたPCラーメン構造に比べ、鉄骨梁の剛性が小さいために、地震時に生じる振動が大きくなり、制振ダンパーとして鉄骨プレースを配置する必要があるが、鉄骨プレースは地震による溶接部の破損が多いという報告があった。
この問題点については、前記特許文献2に示されたコンクリート造の袖壁付き柱を上記複合ラーメン構造に適用することによって、鉄骨プレースの代わりに袖壁付きPC柱による制振構造とすることが望まれる。
ところが、地震力はあらゆる方向から建物構造物に作用するから、袖壁の平面配置については、柱の平面(X、Y)2方向(直交する両側面)に配置することが必要である。しかしながら、特許文献2に示された袖壁付き柱は、柱の両側に袖壁を設けて柱本体と一体的に製作されたものであり、袖壁を柱の平面(X、Y)2方向側面(直交する両側面)に配置することは、現場打ちとする場合はできるが、プレキャストとする場合は、運搬が困難のため適用できないという問題点を有している。
上記の問題点を解決するために、袖壁と柱本体をそれぞれプレキャストとし、現場で接合して一体化する方法は、特許文献3に示されている。
しかしながら、特許文献3に示された方法は、袖壁に接合溝を設けて、柱の側面からアンカー筋を突設し、アンカー筋にスパイラル状の割裂防止筋を配筋し、これらの鉄筋を接合溝に収容するように袖壁を柱の側面に当接させて、接合溝内に無収縮モルタルを注入して一体化することになっているため、現場作業が煩雑で手間かかるばかりではなく、既存柱の側面からアンカー筋を突設しているため、プレキャスト製の袖壁を上方から建て込むことはできず、梁の長手方向から水平移動して取付するしかないから、現実的に施工は極めて困難である。
さらに、柱の側面から突設させたアンカー筋は袖壁の接合溝に注入されるモルタを介して袖壁と接合するだけで、直接的に袖壁コンクリートに挿通して接合されていないため、柱と袖壁との接合構造は非常に弱いから、地震時に制振ダンパーとする役割は十分に得られないという問題点も有している。
なお、前記特許文献2及特許文献3の袖壁付き柱が適用されている建造物の梁については、コンクリート製であり、鉄骨梁を用いる場合には、袖壁と鉄骨梁との接合方法については言及されていない。
いずれにしても、前記従来技術における袖壁付き柱を使用する建造物においては、袖壁付きPC柱の搬送時の不都合や、後付の袖壁についても作業性の悪さ等による種々の問題点を解決すべき課題を有している。
本発明は、柱と梁とで形成されるラーメン構造の中で、特にPC柱と鉄骨梁とで形成される複合ラーメン構造において、袖壁と柱をそれぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁と柱梁を簡単かつ合理的な接合方法で接合して、制振ダンパーの役割を兼用する袖壁を用いるラーメン構造と、PC柱と袖壁の接合方法とを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の発明は、前述の従来例の課題を解決する具体的手段として、袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造であって、前記袖壁と柱は、それぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁が上下の梁間の柱の側面に配置され、該袖壁の鉛直方向において上下の梁と接合せず、水平方向においてPC鋼材を柱に貫通させて配置し、該PC鋼材が緊張定着され前記袖壁と柱とが一体化されることを特徴とする袖壁を用いるラーメン構造を提供するものである。
前記第1の発明において、前記袖壁の平面配置において、柱の2方向側面ともに配置されること;および前記梁は、鉄骨造とすること、を付加的要件として含むものである。
本発明に係る第2の発明は、袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造における袖壁と柱と梁との接合方法であって、袖壁と柱をそれぞれプレキャストコンクリート部材とし、予めPC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト柱部材を地面に仮建てし、PC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト袖壁部材を柱の側面に吊り込んで設置し、シースにPC鋼材を柱に貫通して袖壁に配置し、袖壁と柱との間に設けられている目地にモルタルを注入し硬化させ、PC鋼材の端部に定着具を取り付けて緊張定着して袖壁を柱に一体化接合し、PC鋼材とシースとの隙間にグラウトを注入して硬化させるという一連の作業を地組で完成した後に、一体化された袖壁付き柱を吊り上げて、先に構築された柱頭及び梁の上端(トップコンクリート上面)に設置し、袖壁と梁とを接合せず柱同士のみをPC鋼材で連接することを特徴とする袖壁と柱と梁との接合方法を提供するものである。
前記第2の発明に関して、袖壁の平面配置において、地組で柱の2方向側面ともに袖壁を配置して一体化した状態で吊り上げて設置すること、を付加的要件として含むものである。






















1.プレキャストコンクリート部材とする袖壁と柱を水平方向のPC鋼材のみで接合することで、袖壁と柱とは強固に接合され、制振ダンパーの役割を兼用できる袖壁付きPC柱が容易かつ確実に形成される。
2.水平方向のPC鋼材のみで接合することで、建て込みには無理なく施工が簡単で工期が大幅に短縮することができる。
3. 袖壁の平面配置においては、柱の(X、Y)2方向側面に拘束条件なく自由自在に配置計画することができる。
4.柱の側面に配置される袖壁を上下梁と接合しないことによって、鉛直荷重による軸力及び曲げ応力を受けず、柱の水平剛性を大幅に増加し、柱の水平変形を抑制し、PC柱と鉄骨梁とで構成された複合ラーメン構造における制振効果を顕著に得られると共に、袖壁の壁厚が小さくすることができる。
また、柱が鉛直荷重を支えるものとして、水平荷重に対して袖壁が柱と共同作用で抵抗させることができるため、柱の断面大きさが主に鉛直荷重によって定めて小さくすることができる。
5.本発明の接合方法によれば、プレキャスト袖壁とプレキャスト柱を一体化する一連の作業は、全て地組で完成させ、高所作業を大幅に削減することができる。
また、袖壁を上下梁と接合しないことによって、袖壁の取付作業は全て地組で完成することが可能になり、現場作業の省力化を実現することができる。
本発明に係る第1の実施の形態における袖壁を用いるラーメン構造の要部を略示的に示した縦断面図である。 図1のA―A線に沿う断面図である。 図1のB―B線に沿う断面図である。 同実施の形態に係るラーメン構造の建造物における特定階の柱と袖壁と梁との配置関係を略示的に示した平面図(設計図)である。 前記第1の実施の形態における他の実施例の要部を略示的に示した縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態における柱と袖壁との接合方法に係る状況を示した説明図である。 同実施の形態に係る接合方法において、図(a)は接合途中のPC鋼棒を挿通した状態を略示的に示した縦断面図、図(b)は図(a)のC―C線に沿う断面図である。 同実施の形態に係る接合方法において、図(a)は接合途中の挿通したPC鋼棒の端部を定着具で緊張定着した状態を略示的に示した縦断面図、図(b)は図(a)のD―D線に沿う断面図である。 同実施の形態に係る接合方法において、図(a)は接合が完了した状態を略示的に示した縦断面図、図(b)は図(a)のE―E線に沿う断面図である。 同実施の形態に係る接合方法において、柱と袖壁との接合が完了した袖壁付き柱をクレーンで吊り下げて先に建て込んだ柱の上に建て込む状況を示した説明図である。 同実施の形態に係る接合方法において、柱と袖壁との接合が完了した袖壁付き柱を先に建て込んだ柱とPC鋼棒で緊張定着して連結した状況を示した説明図である。 同実施の形態に係る接合方法において、柱と袖壁との接合が完了した袖壁付き柱を建て込んだ後に、該柱の顎部に梁を載置した状況を示した説明図である。 同実施の形態に係る接合方法において、建て込んだ袖壁付き柱の顎部に載置した梁をPC鋼棒で柱と連結した状況を示した説明図である。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳しく説明する。まず、第1の実施の形態について図1〜図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る基本的な構成を示すものである。PC柱1と鉄骨梁2とで形成される複合ラーメン構造であって、PC柱1は顎3付きでプレキャストコンクリート製とし、各階ごとにPC鋼材(以下、実施例の説明ではPC鋼棒という)4で緊張定着して接合される。PC柱1の顎3に鉄骨梁2の端部を設置して柱梁接合部とし、鉄骨梁2の端部には予めエンドプレート5と定着プレート6とが設けられており、前記柱梁接合部にシース10a、10bを介して複数のPC鋼棒7をそれぞれ貫通して定着プレート6に定着具8を用いて緊張定着して接合され、定着プレート6とエンドプレート5との間に充填材9、例えば、コンクリートまたは無収縮モルタルを用いて充填することが望ましい。なお、上下の柱連結部、柱梁接合部及び後述する袖壁には、PC鋼材またはPC鋼棒を挿通する部位にはそれぞれシース10a、10b、10cが予め取り付けられていると共に、PC柱1と鉄骨梁2のエンドプレート5との間には目地モルタル14aが設けられている。
袖壁11は、PC柱1と同様にプレキャストコンクリート製で、予め一次ケーブル12としてPCストランドを配設してプレテンション方式でプレストレスを付与することが好ましい。本願ではプレテンションストランドという。
このように形成された袖壁11は、上下の鉄骨梁2間におけるPC柱1の側面に配置され、上下の鉄骨梁2と接合させず、水平方向にシース10a、10cを介してPC鋼棒13をPC柱1と袖壁11とを貫通して配置し、該PC鋼棒13の両端を定着具15にて緊張定着して袖壁11とPC柱1とが一体化される。図示の実施例では、上下2階分を例示階とし、上の階はPC柱1の両側に袖壁11が付く例とし、下の階はPC柱1の片側に袖壁11が付く例を示すものである。
両側に袖壁11が付く例において、図2に示すように、袖壁11とPC柱1との間にそれぞれ目地モルタル14bが設けられて、水平方向にシース10a、10cを介してシース10a、10cを介してPC鋼棒13をPC柱1を貫通して両側の袖壁11の外側端面で定着具15を用いて緊張定着して一体化される。片側に袖壁11が付く例においても、図3に示すように、PC柱1と袖壁11との間に目地モルタル14bが設けられ、PC鋼棒13は一方の端部が袖壁11の外側端面に、他方の端部がPC柱1の側面においてそれぞれ定着具15により一体的に緊張定着するのである。なお、図1における符号16はPC鋼棒4を接続するカプラーであり、17は合成梁の上端とするトップコンクリート(床スラブ含む)である。
前記した袖壁11付きのPC柱を用いて構築される建造物の1つの階における平面配置を示した図4について説明する。
PC柱1と鉄骨梁2とで形成される複合ラーメン構造で構築される建造物18において、所定箇所に所要の水平剛性に合わせて、PC柱1の片側、両側乃至四側面等に選択的に袖壁11を配置することが可能であり、柱の側面の一方向しか袖壁を配置できない従来技術(特許文献2の図5)に比べて、設置場所の制約を受けないばかりでなく、構造全体のバランスや耐震性等を考慮して、合理的に且つ自由に平面配置設計が可能になるのである。なお、建造物18における中央部の空間部分19は、例えば、吹き抜けやエレベータ、階段等の設置スペース、要するに、柱、梁そしてスラブを配置しない大空間として設けられて利用されるものである。
前記実施の形態に係る他の実施例について、図5を用いて説明する。
この実施例は、鉄骨梁に代えてプレキャストコンクリート梁(以下PC梁という)20を使用した例を示すもので、他の構成部分については実質的に同一であり、それらの説明については重複するので、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
即ち、袖壁11を取り付けたPC柱1の顎3にPC梁20の端部を載置し、該PC梁20内に配設したシース10dを介して挿通したPC鋼材による二次ケーブル21でPC圧着接合してPC柱1とPC梁20を一体化した構造である。なお、PC柱1とPC梁20の端部との間には目地モルタル14aが設けられている。
次に、第2の発明に係る建造物における袖壁と柱梁との接合方法について図6〜図12を用いて説明する。
まず、工場で、それぞれプレキャストコンクリート部材として予めPC鋼材とするPC鋼棒が挿通されシース10a、10cが内部に配設されて形成されたPC柱1と袖壁11とをまとめて建築現場に搬入して所要の場所にストックし、図6に示すように、地面22に所要広さの鉄板23を敷設してプレキャスト部材、即ち、PC柱1と袖壁11とを組み立てる場所(地組する場所)を用意する。そして、設計図に基づいて設置されるべきPC柱1をストックした所からクレーンで吊り上げて地組場所へ搬送し、鉄板23上の略中央部に立設して仮止めして(仮止め金具は図示省略)セットする。
次に、そのPC柱1に取り付けられる袖壁11をストック場所からクレーンにより吊り上げて地組場所まで搬送し、PC柱1の側面にセットする。この場合に、例えば、1枚乃至4枚の袖壁11を取り付ける必要があれば、順次1枚ずつ吊り上げて搬送し、PC柱1の側面にセットして取り付けるようにする。なお、図示の実施例では、PC柱1(X、Y)2方向側面に対して3枚の袖壁11を取り付ける例を示したものである。
PC柱1の側面にセットした袖壁11に対して、図7(a)(b)に示したように、袖壁11とPC柱1との水平方向のシース10a、10cにPC鋼棒13を挿通し、PC柱1と袖壁11との間に目地モルタル14bを注入して硬化させ、その後、図8(a)(b)に示したように、PC鋼棒13の両端部において、定着具15を取り付けて、各PC鋼棒13を緊張定着することによりPC柱1に袖壁11が一体化接合され、さらに、図9(a)(b)に示したように、シース10a、10cとPC鋼棒13との間の隙間にグラウト25を注入して硬化させる。
このように一体化された袖壁11付きPC柱1は、図10に示したように、設計図に基づく所定の階(袖壁を配置する特定階)までクレーンで吊り上げて、例えば、先に設置して立ち上がり、その上に鉄骨梁2が架け渡されて一応のフロアーができているPC柱1の頭部と鉄骨梁2の上部に敷設したトップコンクリート17(床スラブを含む)の上に吊り下ろして設置する。この場合に、図11に示したように、PC柱1に埋設された縦方向のシース10aにPC鋼棒4を挿入し、その下端を先に設置された下のPC柱1に先に緊張定着してあるPC鋼棒4の上端部とカプラー16を介して一連に接続し、下部PC柱1と同じようにPC鋼棒4の上端に定着具15を装着して緊張定着して載置した上部のPC柱1を自立させる。
続いて、図12に示したように、自立させたPC柱1の顎3に鉄骨梁2を載せ、該鉄骨梁2の端部には、前記第1の実施の形態で説明したように予めエンドプレート5と定着プレート6とが設けられると共にシース10bが設けられている。そして、顎3に載置された鉄骨梁2に対して、図13に示したように、シース10a、10bを介して複数のPC鋼棒7をそれぞれ貫通して定着プレート6において定着具8を用いて緊張定着して接合され、定着プレート6とエンドプレート5との間に、例えば、コンクリートまたは無収縮モルタル等の充填材9を充填すると共に、エンドプレート5とPC柱1面との間に目地モルタル14aを充填する。ついでに袖壁11の上下端と鉄骨梁2との間に目地モルタル14cを同時に充填する。ただし、この部分については後で充填することもできる。
その後に、鉄骨梁2の上部にトップコンクリート17(スラブ含む)を打設してスラブを形成する。
以後、PC柱1に袖壁11を配置する上方階の特定階において、上記の図6〜図13で説明した手順で作業を繰り返して高層のラーメン構造の建造物を構築する。
また、PC柱1に袖壁11を配置しない一般階において、従来通りに先に立設された柱の上に次の柱を設置し、PC鋼棒4をカプラー16で接続して緊張定着して接合する。
本発明の構築方法の特徴としては、上記の図6〜図9で説明した手順で、要するにプレキャスト袖壁11とプレキャスト柱1とを一体化する一連の作業は、全て建築現場の地上で地組して完成させ、高所作業を大幅に削減したところにある。
また平面おいては、PC柱1の2方向に拘束条件はなく地組で袖壁11を適宜配置することができ、従来の現場打ちで構築することを必要としない。さらに、袖壁11を上下梁と接合しないことによって、袖壁11の取付作業は全て建築現場における地組で完成することが可能になり、現場作業の省力化を実現することができる。
さらに、基礎について、図示を省略したが、免震構造とする場合は、免震装置を介して下部基礎と上部基礎を設け、柱を上部基礎に立設して構築する。耐震構造とする場合は、柱を直接に基礎コンクリートに立設して構築する。
本発明の第1発明に係るラーメン構造は、袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造であって、前記袖壁と柱は、それぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁が上下の梁間の柱の側面に配置され、該袖壁の鉛直方向において上下の梁と接合せず、水平方向においてPC鋼材を柱に貫通させて配置し、該PC鋼材が緊張定着され前記袖壁と柱とが一体化されることを特徴とするものであり、また、第2の発明に係る袖壁と柱と梁との接合方法は、袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造における袖壁と柱梁との接合方法であって、袖壁と柱をそれぞれプレキャストコンクリート部材とし、予めPC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト柱部材を地面に仮建てし、PC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト袖壁部材を柱の側面に吊り込んで設置し、シースにPC鋼材を柱に貫通して袖壁に配置し、袖壁と柱との間に設けられている目地にモルタルを注入し硬化させ、PC鋼材の端部に定着具を取り付けて緊張定着して袖壁を柱に一体化接合し、PC鋼材とシースとの隙間にグラウトを注入して硬化させるという一連の作業を地組で完成した後に、一体化された袖壁付き柱を吊り上げて、先に構築された柱頭及び梁の上端(トップコンクリート上面)に設置し、袖壁と梁とを接合せず柱同士のみをPC鋼材で連接することを特徴とするものであり、プレキャストコンクリート部材とする袖壁と柱を水平方向のPC鋼材のみで接合することで、袖壁と柱とは強固に接合され、制振ダンパーの役割を兼用できる袖壁付きPC柱が容易かつ確実に形成されるので、建て込みには無理なく施工が簡単で工期が大幅に短縮することができるばかりでなく、柱の側面に配置される袖壁を上下梁と接合しないことによって、鉛直荷重による軸力及び曲げ応力を受けず、柱の水平剛性を大幅に増加し、柱の水平変形を抑制し、PC柱と鉄骨梁とで構成された複合ラーメン構造における制振効果を顕著に得られると共に、袖壁の壁厚が小さくすることができ、さらに、柱と袖壁と接合方法によれば、プレキャスト袖壁とプレキャスト柱を一体化する一連の作業は、全て地組で完成させ、高所作業を大幅に削減することができるばかりでなく、袖壁を上下梁と接合しないことによって、袖壁の取付作業は全て地組で完成することが可能になり、現場作業の省力化を実現することができるので、建築業界において広い範囲で使用可能である。
1 PC柱
2 鉄骨梁
3 顎
4,7、13 PC鋼棒(PC鋼材)
5 エンドプレート
6 定着プレート
8、15 定着具
9 充填材
10a、10b、10c、10d シース
11 袖壁
12 一次ケーブル
14a、14b、14c 目地モルタル
16 カプラー
17 トップコンクリート
18 建造物
19 空間部分
20 PC梁
21 二次ケーブル
22 地面
23 鉄板
25 グラウト

Claims (5)

  1. 袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造であって、
    前記袖壁と柱は、それぞれプレキャストコンクリート部材とし、袖壁が上下の梁間の柱の側面に配置され、該袖壁の鉛直方向において上下の梁と接合せず、水平方向においてPC鋼材を柱に貫通させて配置し、該PC鋼材が緊張定着され前記袖壁と柱とが一体化されることを特徴とする袖壁を用いるラーメン構造。
  2. 前記袖壁の平面配置において、柱の2方向側面ともに配置されることを特徴とする請求項1に記載の袖壁を用いるラーメン構造。
  3. 前記梁は、鉄骨造とすることを特徴とする請求項1乃至2に記載の袖壁を用いるラーメン構造。
  4. 袖壁付き柱と梁とで形成されるラーメン構造における袖壁と柱と梁との接合方法であって、
    袖壁と柱をそれぞれプレキャストコンクリート部材とし、予めPC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト柱部材を地面に仮建てし、PC鋼材を挿入する用のシースを配置してあるプレキャスト袖壁部材を柱の側面に吊り込んで設置し、シースにPC鋼材を柱に貫通して袖壁に配置し、袖壁と柱との間に設けられている目地にモルタルを注入し硬化させ、PC鋼材の端部に定着具を取り付けて緊張定着して袖壁を柱に一体化接合し、PC鋼材とシースとの隙間にグラウトを注入して硬化させるという一連の作業を地組で完成した後に、一体化された袖壁付き柱を吊り上げて、先に構築された柱頭及び梁の上端(トップコンクリート上面)に設置し、袖壁と梁とを接合せず柱同士のみをPC鋼材で連接することを特徴とする袖壁と柱と梁との接合方法。
  5. 前記袖壁の平面配置において、地組で柱の2方向側面ともに袖壁を配置して一体化した状態で吊り上げて設置することを特徴とする請求項4に記載の袖壁と柱梁との接合方法。
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JP3444785B2 (ja) * 1998-05-27 2003-09-08 五洋建設株式会社 柱構造および柱の補強方法

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