JP2006132303A - 鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造 - Google Patents

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康弘 戸沢
Kenichiro Yamamoto
憲一郎 山本
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Abstract

【課題】鉄骨造間柱とRC梁の定着部において、剛性を大きくし、且つ施工を容易にする。
【解決手段】鉄骨造間柱をRC梁1に定着させる定着構造において、RC梁1の配筋部1cを貫通して上下方向に突出するアンカーボルト3と、このアンカーボルト3の上部に固定する柱脚ベースプレート4と、このアンカーボルト3の下部に固定する柱頭ベースプレート5とを備え、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5がコンクリートに埋設された状態、もしくは柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートの一部がコンクリートに埋設された状態のRC梁1を形成し、このRC梁1の柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5間に鉄骨造間柱を固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨造間柱を鉄筋コンクリート造(以下RCとする)梁へ定着させる定着構造に関する。
鉄筋コンクリート建物において、梁のスパンが通常より大きい場合やスラブのスパンが通常より大きい場合には、建物の仕上げ重量や積載重量の一部を負担する鉄骨造間柱を設置することが行われている。また、高層の鉄筋コンクリート建物においては、暴風や地震による建物の水平変形(ゆれ)を押えるため、極低降伏点鋼等を内蔵する鉄骨造間柱を設置することが行われている。
この鉄骨造間柱の柱頭及び柱脚のRC梁への定着構造としては、図9から図11に示すような、非埋込型(露出型)構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この構造は、RC梁11内にアンカーボルト13を埋設した後、このRC梁11の上下面から突出しているアンカーボルト13の先端部をベースプレート(柱脚ベースプレート14、柱頭ベースプレート15)が有するボルト孔14aに挿通し、RC梁11とベースプレート(柱脚ベースプレート14、柱頭ベースプレート15)との間隙にモルタル等のグラウト材17を充填した後、アンカーボルト13とベースプレート(柱脚ベースプレート14、柱頭ベースプレート15)をナットにより堅結するものである。
特開平7−34537号公報
しかしながら、図11に示すように、ベースプレート(柱脚ベースプレート14)に設けるボルト孔14aは、施工精度を考慮してアンカーボルト13の径よりも10mm程度大径とするのが一般的である。このため、アンカーボルト13とベースプレート(柱脚ベースプレート14)のボルト孔14aとの間には間隙が生じることから、鉄骨造間柱12の柱脚部12aに作用する水平力Hは、主にベースプレート(柱脚ベースプレート14)面とモルタル等のグラウト材17との摩擦力FによりRC梁11に伝達される。摩擦力Fは作用軸力に比例するため、軸力が小さい場合には、鉄骨造間柱12のベースプレート(柱脚ベースプレート14)は水平滑りを生じやすく剛性が小さい。また、鉄骨造間柱12の柱脚部12aの剛性を高めるためには、アンカーボルト13に大きなプレストレス力(軸力)を導入し摩擦力Fを高めればよいが、アンカーボルト13の長さが比較的短い場合には導入するプレストレス力を管理するのは困難であった。
一方、施工においては、図9及び図10に示すように、鉄骨造間柱12の柱脚ベースプレート14及び柱頭ベースプレート15とRC梁11との間にはグラウト材17のための間隙が必要なため、柱脚ベースプレート14及び柱頭ベースプレート15とRC梁11の間にスペーサーを挟むなど、柱脚ベースプレート14及び柱頭ベースプレート15を何らかの方法で仮固定しておく必要があるが、この仮固定の作業が非常に煩雑であり、またグラウト作業も煩雑であった。特に、柱頭ベースプレート15のグラウト作業は高所作業となるため施工が難しく、安全上にも問題があった。
本発明の課題は、鉄骨造間柱とRC梁の定着部において、剛性を大きくし、且つ施工を容易にすることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、鉄骨造間柱(図示せず)をRC梁1に定着させる定着構造において、
前記RC梁1の配筋部1cを貫通して上下方向に突出するアンカーボルト3と、
このアンカーボルト3の上部に固定する柱脚ベースプレート4と、
前記アンカーボルト3の下部に固定する柱頭ベースプレート5とを備え、
前記柱脚ベースプレート4及び前記柱頭ベースプレート5がコンクリートに埋設された状態のRC梁1を形成し、
このRC梁1の前記柱脚ベースプレート4及び前記柱頭ベースプレート5間に鉄骨造間柱(図示せず)を固定してなることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、RC梁の配筋部に貫通させたアンカーボルトの上部に固定された柱脚ベースプレートと、下部に固定された柱頭ベースプレートが、共にコンクリートに埋設された状態のRC梁を形成する。よって、柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートとRC梁の間には間隙は存在しないため、従来行っていた柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートの仮固定、及びグラウト材充填といった煩雑な作業をする必要がなくなり、施工が容易になるとともに、施工コストを低減させることができる。
また、鉄骨造間柱は柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレート間に固定される。よって、鉄骨造間柱に水平力が作用すると、柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートの側面とコンクリートとの支圧力と、柱脚ベースプレート下面とコンクリートとの摩擦力及び柱頭ベースプレート上面とコンクリートとの摩擦力が協働してこの水平力に抵抗する。従って、柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートには水平方向の滑りが生じにくくなり、定着部の剛性を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鉄骨造間柱のRC梁1への定着構造において、例えば図2に示すように、鉄骨造間柱固定用の柱脚部2aを一体に設けた前記柱脚ベースプレート4が前記アンカーボルト3の上部に固定されて、鉄骨造間柱固定用の柱頭部2bを一体に設けた前記柱頭ベースプレート5が前記アンカーボルト3の下部に固定された先組金物8が備えられていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、アンカーボルトの上部に固定された柱脚ベースプレート4に鉄骨造間柱固定用の柱脚部が一体に設けられ、下部に固定された柱頭ベースプレートに鉄骨造間柱固定用の柱頭部が一体に設けられた先組金物を用いてRC梁を形成し、これを所定位置に架設した後は、高力ボルト又は溶接によって先組金物に鉄骨造間柱を直接接合する。従って、RC梁の配筋部の中に先組金物を容易に固定することができ、RC梁の製作が容易となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鉄骨造間柱のRC梁1への定着構造において、例えば図1に示すように、前記RC梁1は、前記柱頭ベースプレート5がコンクリートに埋設され、かつ前記柱脚ベースプレート4がコンクリートの上方に離間した半プレキャストRC梁部材1aと、
この半プレキャストRC梁部材1aの上に打設され、前記柱脚ベースプレート4を埋設して形成される後打ちコンクリート部1bとからなることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、RC梁は、柱頭ベースプレートがコンクリートに埋設され、かつ柱脚ベースプレートがコンクリートの上方に離間した半プレキャストRC梁部材と、この半プレキャストRC梁部材の上に打設され、柱脚ベースプレートを埋設して形成される後打ちコンクリート部とからなるため、工場生産された半プレキャストRC梁部材を現場で組み上げた後、後打ちコンクリート打設を行えばよい。従って、施工が容易になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の鉄骨造間柱のRC梁1への定着構造において、例えば図3に示すように、前記RC梁は、前記柱脚ベースプレート4及び前記柱頭ベースプレート5がコンクリートに埋設された半プレキャストRC梁部材1aと、
この半プレキャストRC梁部材1aの上に打設され、前記柱脚ベースプレート4に設けられた鉄骨造間柱固定用の柱脚部2aの一部を埋設して形成される後打ちコンクリート部1bとからなることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、RC梁は、柱頭ベースプレート及び柱脚ベースプレートがコンクリートに埋設された半プレキャストRC梁部材と、この半プレキャストRC梁部材の上に打設されて形成される後打ちコンクリート部とからなるため、工場生産された半プレキャストRC梁部材を現場で組み上げた後、後打ちコンクリート打設を行えばよい。従って、施工が容易になる。
また、鉄骨造間柱に水平力が作用するとき、後打ちコンクリート部に埋設された鉄骨造間柱固定用の柱脚部の側面とコンクリートの支圧力がこの水平力に抵抗する。従って、柱脚部が設けられた柱脚ベースプレートには水平方向の滑りがより生じにくくなり、定着部の剛性をより高めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造において、例えば図5及び図7に示すように、前記柱脚ベースプレート4は、前記RC梁11aの上面からその一部が突出するように該RC梁11aに埋設されており、
前記柱頭ベースプレート5は、前記RC梁11bの下面からその一部が突出するように該RC梁11bに埋設されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、柱脚ベースプレートはRC梁上面からその一部が突出するようにRC梁に埋設されており、柱頭ベースプレートはRC梁下面からその一部が突出するようにRC梁に埋設されている。よって、柱頭ベースプレート及び柱脚ベースプレートの埋設深さを小さくすることができ、RC梁の鉄筋と柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートとの距離を確保できるため、RC梁のかぶり厚を確保することができる。従って、RC梁の耐久性及び耐火性が低下することを防ぐことができる。
なお、RC梁の鉄筋の継手がスリーブ等を用いた機械式継手である場合は、鉄筋の径より継手の径の方が大きいため、継手部においてかぶり厚が最小となる。よって、柱脚ベースプレートの直下もしくは柱頭ベースプレートの直上に継手部が存在しなければ、柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートを、継手部と鉄筋との径の差だけRC梁に埋設しても、RC梁は最小かぶり厚さを確保することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造において、例えば図5に示すように、前記RC梁11a,11bは、その上面に前記柱脚ベースプレート4が埋設される第1欠き込み部9aと、その下面に前記柱頭ベースプレート5が埋設される第2欠き込み部9bと、前記第1欠き込み部9aと前記柱脚ベースプレート4との間隙、及び前記第2欠き込み部9bと前記柱頭ベースプレート5との間隙に充填されるグラウト材7と、を備えることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、請求項1〜5による効果が得られるのは勿論のこと、RC梁のコンクリートを打設した後に、RC梁が有する第1欠き込み部及び第2欠き込み部に、グラウト材を介して柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートを固定することができる。よって、建方の施工誤差を吸収することができる。従って、鉄骨造間柱の施工精度を向上させることができる。また、グラウト材は第1欠き込み部及び第2欠き込み部に注入して充填すればよく、型枠を取り付ける場合に比してグラウト材の充填作業が容易になる。
本発明によれば、従来行っていた柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートの仮固定、及びグラウト材の充填といった煩雑な作業をする必要がなくなり、施工が容易になる。もしくは、グラウト材は第1欠き込み部と及び第2欠き込み部に注入して充填すればよく、型枠を取り付ける場合に比してグラウト材の充填作業が容易になる。
また、柱脚ベースプレート及び柱頭ベースプレートには水平方向の滑りが生じにくくなり、定着部の剛性を高めることができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る鉄骨造間柱(例えば、図9の鉄骨造間柱12参照)のRC梁1への定着構造を示すものである。
図1(a)及び(b)に示すように、RC梁1は、半プレキャストRC梁部材1aとその上部に打設された後打ちコンクリート部1bからなり、このRC梁1内部には、鋼棒からなる10本の梁主筋1dがRC梁1の長手方向に互いに平行して配筋され、同様に鋼棒からなる複数のスターラップ1eが環状に配筋されている。
図1(b)に示すように、梁主筋1d及びスターラップ1eからなるRC梁1の配筋部1cの間隙に4本のアンカーボルト3が鉛直方向に貫通して埋設されており、これらのアンカーボルト3の両端は、RC梁1の上面及び下面からそれぞれ一定長さだけ突出している。
また、図1(a)に示すように、4本のアンカーボルト3には、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5が、それぞれ2つの第1ナット6、第2ナット6a及びワッシャー6bによって固定されており、第2ナット6aはRC梁1に埋設された柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の内側に位置し、外側にワッシャー6b及び第1ナット6が順に位置している。この柱脚ベースプレート4は、RC梁1の上部に埋設されており、柱脚ベースプレート4の上面はRC梁1の上面の一部を形成している。また、柱頭ベースプレート5は、RC梁1の下部に埋設されており、柱頭ベースプレート5の下面はRC梁1の下面の一部を形成している。
図1(a)及び(b)に示すように、柱脚ベースプレート4には、柱脚部2aが溶接によって接合されており、柱頭ベースプレート5には、柱頭部2bが溶接によって接合されている。また、これら柱脚部2a及び柱頭部2bには、鉄骨造間柱が高力ボルトによって接合されている。
次に、上述のように構成される鉄骨造間柱のRC梁1への定着構造の施工方法について説明する。
まず、工場において、図2(a)及び(b)に示すように、柱脚ベースプレート4、柱頭ベースプレート5、柱脚部2a、柱頭部2b及びアンカーボルト3を備える先組金物8を、図1に示す鉄骨造間柱を定着させるRC梁1の配筋部1cとともに組み立てる。
図2(b)に示すように、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5は、アンカーボルト3が挿通可能なボルト孔4a、5aをそれぞれ4つ有しており、柱脚ベースプレート4のボルト孔4aと柱頭ベースプレート5のボルト孔5aは、それぞれ対応する位置に設けられている。
次に、図1(a)に示すように、4本のアンカーボルト3に、2つずつ第2ナット6aを螺合した後、アンカーボルト3を、梁主筋1d及びスターラップ1eからなるRC梁1の配筋部1cの間隙に鉛直方向に貫通させる。そして、アンカーボルト3を柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の対応するボルト孔4a、5aにそれぞれ挿通させる。その後、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の外側からアンカーボルト3にワッシャー6b及び2つの第1ナットを順に螺合し、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5を固定する。このとき、柱脚ベースプレート4と柱頭ベースプレート5の距離はRC梁1の梁成となるようにし、且つ互いに平行になるように固定する。
続いて、配筋部1cの周囲に型枠を取り付けて、所定の高さまでコンクリートを打設し、先組金物8が固設された半プレキャストRC梁部材1aを形成する。このとき、柱頭ベースプレート5は、半プレキャストRC梁部材1aの下部に埋設され、かつ柱頭ベースプレート5の下面が半プレキャストRC梁部材1aの下面の一部を形成するようにコンクリートを打設する。また、柱脚ベースプレート4は、半プレキャストRC梁部材1aから上方に離間している。
次に、半プレキャストRC梁部材1aを施工現場へと搬送し、RC梁1の所定の位置に架設する。その後、半プレキャストRC梁部材1aから上方に離間した柱脚ベースプレート4が埋設されるように、半プレキャストRC梁部材1aの上にコンクリートを打設する。このとき、柱脚ベースプレート4の上面がRC梁1の上面の一部を形成するようにコンクリートを打設することによって、図1(a)及び(b)に示すような、RC梁1が形成される。
その後、RC梁1が十分な強度を持ったところで、柱脚部2a及び柱頭部2bの高力ボルト孔2cに鉄骨造間柱を、高力ボルトによって接合する。なお、鉄骨造間柱は、後打ちコンクリート部1bを打設する前に、柱頭部2b及び柱脚部2aに接合してもよい。また、柱脚部2a及び柱頭部2bと鉄骨造間柱との接合方法は溶接等でもよい。
なお、本実施例においては、RC梁1を半プレキャストRC梁部材1aと後打ちコンクリート部1bに分けて形成したが、RC梁1のコンクリートを全て現場で打設してもよい。
第1の実施形態によれば、RC梁1の配筋部1cに貫通させたアンカーボルト3の上部に固定された柱脚ベースプレート4と、下部に固定された柱頭ベースプレート5が、共にコンクリートに埋設された状態のRC梁1を形成する。よって、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5とRC梁1の間には間隙は存在しないため、従来行っていた柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の仮固定、及びグラウト材充填といった煩雑な作業をする必要がなくなり、施工が容易になるとともに、施工コストを低減させることができる。
また、図4に示すように、鉄骨造間柱に水平力Hが作用すると、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の側面とコンクリートとの支圧力Sと、柱脚ベースプレート4下面とコンクリートとの摩擦力F及び柱頭ベースプレート5上面とコンクリートとの摩擦力Fが協働してこの水平力Hに抵抗する。従って、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5には水平方向の滑りが生じにくくなり、定着部の剛性を高めることができる。
また、アンカーボルト3の上部に固定された柱脚ベースプレート4に柱脚部2aが一体に設けられ、下部に固定された柱頭ベースプレート5に柱頭部2bが一体に設けられた先組金物8を用いてRC梁1を形成し、これを所定位置に架設した後は、高力ボルト又は溶接によって先組金物8に鉄骨造間柱を直接接合する。従って、RC梁1の配筋部1cの中に先組金物8を容易に固定することができ、RC梁1の製作が容易となる。
さらに、RC梁1は、柱頭ベースプレート5がコンクリートに埋設され、かつ柱脚ベースプレート4がコンクリートの上方に離間した半プレキャストRC梁部材1aと、この半プレキャストRC梁部材1aの上に打設され、柱脚ベースプレート4を埋設して形成される後打ちコンクリート部1bとからなるため、工場生産された半プレキャストRC梁部材1aを現場で組み立てた後、後打ちコンクリート打設を行えばよい。従って、施工が容易になる。
(実施形態2)
図3(a)は、本発明の第2の実施形態に係る鉄骨造間柱(例えば、図9の鉄骨造間柱12参照)のRC梁1への定着構造を示すものである。
図3(a)及び(b)に示すように、RC梁1は、半プレキャストRC梁部材1aとその上部に打設された後打ちコンクリート部1bからなり、このRC梁1内部には、鋼棒からなる13本の梁主筋1dがRC梁1の長手方向に互いに平行して配筋され、同様に鋼棒からなる複数のスターラップ1eが梁主筋1dを囲むように環状に配筋されている。
図3(b)に示すように、梁主筋1d及びスターラップ1eからなるRC梁1の配筋部1cの間隙に4本のアンカーボルト3が鉛直方向に貫通して埋設されており、これらのアンカーボルト3の両端は、半プレキャストRC梁部材1aの上面及び下面からそれぞれ一定長さだけ突出している。
また、図3(a)に示すように、4本のアンカーボルト3には、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5が2つの第1ナット6、第2ナット6a及びワッシャー6bによって固定されており、第2ナット6aは半プレキャストRC梁部材1aに埋設された柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の内側に位置し、外側にワッシャー6b及び第1ナット6が順に位置している。この柱脚ベースプレート4は、半プレキャストRC梁部材1aの上部に埋設されており、柱脚ベースプレート4の上面は半プレキャストRC梁部材1aの上面の一部を形成している。また、柱頭ベースプレート5は、半プレキャストRC梁部材1aの下部に埋設されており、柱頭ベースプレート5の下面は半プレキャストRC梁部材1aの下面の一部を形成し、同時にRC梁1の下面の一部を形成している。
図3(a)及び(b)に示すように、柱脚ベースプレート4には、柱脚部2aが溶接によって接合されており、柱脚部2aの一部は後打ちコンクリート部1bに埋設されている。また、柱頭ベースプレート5には、柱頭部2bが溶接によって接合されており、これら柱脚部2a及び柱頭部2bには、鉄骨造間柱が高力ボルトによって接合されている。
次に、上述のように構成される鉄骨造間柱のRC梁1への定着構造の施工方法について説明する。
まず、工場において、図2(a)及び(b)に示すように、柱脚ベースプレート4、柱頭ベースプレート5、柱脚部2a、柱頭部2b及びアンカーボルト3を備える先組金物8を、図3に示す鉄骨造間柱を定着させるRC梁1の配筋部1cとともに組み立てる。
図2(b)に示すように、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5は、アンカーボルト3が挿通可能なボルト孔4a、5aをそれぞれ4つ有しており、柱脚ベースプレート4のボルト孔4aと柱頭ベースプレート5のボルト孔5aは、それぞれ対応する位置に設けられている。
次に、図3(a)に示すように、4本のアンカーボルト3に、2つずつ第2ナット6aを螺合した後、アンカーボルト3を、梁主筋1d及びスターラップ1eからなるRC梁1の配筋部1cの間隙に鉛直方向に貫通させる。そして、アンカーボルト3を柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の対応するボルト孔4a、5aにそれぞれ挿通させる。その後、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の外側からアンカーボルト3にワッシャー6b及び2つの第1ナットを順に螺合し、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5を固定する。このとき、柱脚ベースプレート4と柱頭ベースプレート5の距離は半プレキャストRC梁部材1aの部材成となるようにし、且つ互いに平行になるように固定する。
続いて、配筋部1cの周囲に型枠を取り付けて、所定の高さまでコンクリートを打設し、図3(a)に示すような、先組金物8が固設された半プレキャストRC梁部材1aを形成する。このとき、柱脚ベースプレート4は、半プレキャストRC梁部材1aの上部に埋設されかつ柱脚ベースプレート4の上面が半プレキャストRC梁部材1aの上面の一部を形成するようにし、また、柱頭ベースプレート5は、半プレキャストRC梁部材1aの下部に埋設されかつ柱頭ベースプレート5の下面が半プレキャストRC梁部材1aの下面の一部を形成するようにコンクリートを打設する。
次に、半プレキャストRC梁部材1aを施工現場へと搬送し、RC梁1の位置に架設する。その後、半プレキャストRC梁部材1aの上に所定の高さまでコンクリートを打設する。このとき、柱脚部2aの一部のみ後打ちコンクリート部1bに埋設させ、柱脚部2aが有する高力ボルト孔2cを埋設しないようにする。
その後、RC梁1が十分な強度を持ったところで、柱脚部2a及び柱頭部2bの高力ボルト孔2cに鉄骨造間柱を、高力ボルトによって接合する。なお、鉄骨造間柱は、後打ちコンクリート部1bを打設する前に、柱頭部2b及び柱脚部2aに接合してもよい。また、柱脚部2a及び柱頭部2bと鉄骨造間柱との接合方法は、溶接等でもよい。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、工場で柱脚ベースプレート4の下にコンクリートを打設するため、より確実な施工ができる。
さらに、鉄骨造間柱に水平力Hが作用するとき、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の側面とコンクリートの支圧力S、柱脚ベースプレート4下面とコンクリートとの摩擦力F及び柱頭ベースプレート5上面とコンクリートとの摩擦力Fのほかに、後打ちコンクリート部1bに埋設された柱脚部2aの側面とコンクリートの支圧力Sがこの水平力Hに抵抗する。従って、柱脚ベースプレート4には水平方向Hの滑りがより生じにくくなり、定着部の剛性をより高めることができる。
(実施形態3)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造を示すものである。
図5に示すように、RC梁11aの配筋部(例えば、図1の配筋部1c参照)の間隙に4本のアンカーボルト3aが鉛直方向に埋設されており、これらのアンカーボルト3aの上端は、RC梁11aの上面からそれぞれ一定長さだけ突出している。また、RC梁11bの配筋部(例えば、図1の配筋部1c参照)の間隙に4本のアンカーボルト3bが鉛直方向に埋設されており、これらのアンカーボルト3bの下端は、RC梁11bの下面からそれぞれ一定長さだけ突出している。
RC梁11aの上面には第1欠き込み部9aが形成されており、柱脚ベースプレート4は、その一部が第1欠き込み部9aに埋設された状態で第1ナット6によってアンカーボルト3aに固定されている。また、柱脚ベースプレート4と第1欠き込み部9aとの間隙には、モルタル等のグラウト材7が充填されている。
また、RC梁11bの下面には第2欠き込み部9bが形成されており、柱頭ベースプレート5は、その一部が第2欠き込み部9bに埋設された状態で第1ナット6によってアンカーボルト3bに固定されている。また、柱頭ベースプレート5と第2欠き込み部9bとの間隙にはモルタル等のグラウト材7が充填されている。
なお、RC梁11a,11bに埋設される柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の深さは、10mm程度もしくはベースプレートの厚さの半分程度が望ましい。
柱脚ベースプレート4には柱脚部2aが溶接によって接合されており、柱頭ベースプレート5には柱頭部2bが溶接によって接合されている。また、これらの柱脚部2a及び柱頭部2bには、例えば極低降伏点鋼等の制振部材10が組み込まれた鉄骨造間柱2が、高力ボルトによって接合されている。なお、制振部材10は、極低降伏点鋼等の鋼材製の他、粘弾性体製等から形成してもよい。
次に、上述のように構成される鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造の施工方法について説明する。
まず、工場において、RC梁11aの配筋部及びアンカーボルト3aを組み立て、この周囲に型枠を設置してコンクリートを打設し、半プレキャストRC梁部材11cを形成する。この半プレキャスト梁部材11cを施工現場へ搬送してRC梁11aの所定の位置に取り付けた後、図6(a)に示すように、上面からアンカーボルト3aの上端の一部が突出するように後打ちコンクリート部11dを打設してRC梁11aを形成する。
そして、RC梁11aの上面に第1欠き込み部9aを形成する。この第1欠き込み部9aは、柱脚ベースプレート4の一部が水平に埋設されるように、RC梁11a上部の打設直後にゴム型等を押し込むか、RC梁11aの表面を削って形成される。また、後述するRC梁11bの第2欠き込み部9bについても同様である。
次に、柱脚ベースプレート4に柱脚部2aを溶接によって接合した後、柱脚ベースプレート4が有するボルト孔4a(図2参照)にアンカーボルト3aをそれぞれ挿通させる。そして、柱脚ベースプレート4の一部を第1欠き込み部9aに挿入させた状態で、第1ナット6によって所定位置に柱脚ベースプレート4を固定する。このとき、柱脚ベースプレート4を水平に固定するために、柱脚ベースプレート4と第1欠き込み部9aとの間にスペーサ等を設けてもよい。
次に、図6(b)に示すように、RC梁11aと柱脚ベースプレート4との間隙に、モルタル等のグラウト材7を充填する。
このグラウト材7が十分な強度を持ったところで、図6(c)に示すように、鉄骨造間柱2を高力ボルト等によって柱脚部2aに接合する。
次に、図6(d)に示すように、予め工場において形成しておいたRC梁部材11bの下部を構成する半プレキャスRCト梁部材を、RC梁11bの所定の位置に架設する。この半プレキャスRCト梁部材の下面には第2欠き込み部9bが形成されており、この第2欠き込み部9bに柱頭ベースプレート5の一部が埋設された状態で、柱頭ベースプレート5がアンカーボルト3bに第1ナット6によって固定されている。また、柱頭ベースプレート5の下面には、柱頭部2bが溶接によって接合されている。
最後に、図5に示すように、柱頭ベースプレート5と第2欠き込み部9bとの間隙にモルタル等のグラウト材7を充填し、半プレキャストRC梁部材の上面にコンクリートを打設してRC梁11bを形成する。
なお、本実施形態においては、鉄骨造間柱2を柱脚部2aに接合した後にRC梁11bの半プレキャストRC梁部材を架設したが、これを架設した後に鉄骨造間柱2を柱脚部2a及び柱頭部2bに接合してもよい。また、RC梁11a,11bは、半プレキャストRC梁部材を用いずに、施工現場で形成してもよい。さらに、グラウト材7の充填は、第1欠き込み部9a及び第2欠き込み部9bに柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5が挿入されてから鉄骨造間柱2を定着させるまでの間に行えばよい。
第3の実施形態によれば、図8に示すように、鉄骨造間柱は柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5間に固定される。よって、鉄骨造間柱に水平力Hが作用すると、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の側面とコンクリートとの支圧力Sと、柱脚ベースプレート4下面とコンクリートとの摩擦力F及び柱頭ベースプレート5上面とコンクリートとの摩擦力Fが協働してこの水平力Hに抵抗する。従って、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5には水平方向の滑りが生じにくくなり、定着部の剛性を高めることができる。
また、柱脚ベースプレート4はRC梁11a上面からその一部を突出するようにRC梁11aに埋設されており、柱頭ベースプレート5はRC梁11b下面からその一部を突出するようにRC梁11bに埋設されている。よって、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の埋設深さを小さくすることができ、RC梁11a,11bの鉄筋と柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5との距離を確保できるため、RC梁11a,11bのかぶり厚を確保することができる。従って、RC梁11a,11bの耐力が低下することを防ぐことができる。
なお、RC梁11a,11bの鉄筋の継手がスリーブ等を用いた機械式継手である場合は、鉄筋の径より継手の径の方が大きいため、継手部においてかぶり厚が最小となる。よって、柱脚ベースプレート4の直下もしくは柱頭ベースプレート5の直上に継手部がなければ、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5をRC梁11a,11bに、継手部と鉄筋との径の差だけ埋設しても、RC梁11a,11bは最小かぶり厚を確保することができる。
さらに、RC梁11a,11bのコンクリートを打設した後に、RC梁11aが有する第1欠き込み部9a及びRC梁11bが有する第2欠き込み部9bに、グラウト材7を介して柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5を固定することができる。よって、建方の施工の誤差を吸収することができる。従って、鉄骨造間柱2の施工精度を向上させることができる。また、グラウト材7は第1欠き込み部9a及び第2欠き込み部9bに注入して充填すればよく、型枠を取り付ける場合に比してグラウト材7の充填作業が容易になる。
(実施形態4)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造を示すものである。
図7に示すように、RC梁11aの配筋部(例えば、図1の配筋部1c参照)の間隙に4本のアンカーボルト3aが鉛直方向に埋設されており、これらのアンカーボルト3aの上端は、RC梁11aの上面からそれぞれ一定長さだけ突出している。また、RC梁11bの配筋部(例えば、図1の配筋部1c参照)の間隙に4本のアンカーボルト3bが鉛直方向に埋設されており、これらのアンカーボルト3bの下端は、RC梁11bの下面からそれぞれ一定長さだけ突出している。
柱脚ベースプレート4は、その一部がRC梁11aに埋設された状態で第1ナット6によってアンカーボルト3aに固定されている。同様に、柱頭ベースプレート5は、その一部がRC梁11bに埋設された状態で第1ナット6によってアンカーボルト3bに固定されている。
なお、RC梁11a,11bに埋設される柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の深さは、10mm程度もしくはプレートの厚さの半分程度が望ましい。
柱脚ベースプレート4には柱脚部2aが溶接によって接合されており、柱頭ベースプレート5には柱頭部2bが溶接によって接合されている。また、これらの柱脚部2a及び柱頭部2bには、例えば極低降伏点鋼等の制振部材10が組み込まれた鉄骨造間柱2が、高力ボルトによって接合されている。なお、制振部材10は、極低降伏点鋼等の鋼材製の他、粘弾性体製等から形成してもよい。
次に、上述のように構成される鉄骨造間柱2のRC梁11a,11bへの定着構造の施工方法について説明する。
まず、柱脚ベースプレート4が有するボルト孔(図2参照)にアンカーボルト3aを挿通させて第1ナット6で固定したものを、RC梁11aの配筋部とともに組み立て、これらをRC梁11aの所定の位置に取り付ける。なお、柱脚ベースプレート4には、予め柱脚部2aを溶接等で接合しておく。
そして、柱脚ベースプレート4の一部が埋設されるように、配筋部の周囲に型枠を取り付け所定の高さまでコンクリートを打設してRC梁11aを形成する。
次に、柱脚ベースプレート4に接合された柱脚部2aに、高力ボルトによって鉄骨造間柱2を接合し、その鉄骨造間柱2に、柱頭ベースプレート5に接合された柱頭部2bを高力ボルトによって接合する。なお、柱頭ベースプレート5には、あらかじめアンカーボルト3bを固定しておく。その後、RC梁11bの配筋部をRC梁11bの所定の位置に架設し、周囲に型枠を設置してコンクリートを打設してRC梁11bを形成する。
なお、本実施形態においては、RC梁11a,11bは、半プレキャストRC梁部材を用いてもよい。
第4の実施形態によれば、柱脚ベースプレート4が一部コンクリートに埋設された状態のRC梁11aと、柱頭ベースプレート5が一部コンクリートに埋設された状態のRC梁11bを形成する。よって、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5とRC梁11a,11bとの間には間隙は存在しないため、従来行っていた柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の仮固定、及びグラウト材7充填といった煩雑な作業をする必要がなくなり、施工が容易になるとともに、施工コストを低減させることができる。
また、鉄骨造間柱2は柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5間に固定される。よって、鉄骨造間柱2に水平力H(図8参照)が作用すると、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の側面とコンクリートとの支圧力S(図8参照)と、柱脚ベースプレート4下面とコンクリートとの摩擦力F(図8参照)及び柱頭ベースプレート5上面とコンクリートとの摩擦力F(図8参照)が協働してこの水平力H(図8参照)に抵抗する。従って、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5には水平方向の滑りが生じにくくなり、鉄骨造間柱2の定着部の剛性を高めることができる。
さらに、柱脚ベースプレート4はRC梁11a上面からその一部を突出するようにRC梁11aに埋設されており、柱頭ベースプレート5はRC梁11b下面からその一部を突出するようにRC梁11bに埋設されている。よって、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5の埋設深さを小さくすることができ、RC梁11a,11bの鉄筋と柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5との距離を確保できるため、RC梁11a,11bのかぶり厚を確保することができる。従って、RC梁11a,11bの耐力が低下することを防ぐことができる。
なお、RC梁11a,11bの鉄筋の継手がスリーブ等を用いた機械式継手である場合は、鉄筋の径より継手の径の方が大きいため、継手部においてかぶり厚が最小となる。よって、柱脚ベースプレート4の直下もしくは柱頭ベースプレート5の直上に継手部が存在しなければ、柱脚ベースプレート4及び柱頭ベースプレート5をRC梁11a,11bに、継手部と鉄筋との径の差だけ埋設しても、RC梁11a,11bは最小かぶり厚を確保することができる。
本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第1実施形態の構成を示すもので、(a)正面断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明を適用した先組金物の構成を示すもので、先物金物の正面図(a)、ベースプレートの平面図(b)である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第2実施形態の構成を示すもので、(a)は正面断面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第1実施形態の構成の応力伝達を示す正面断面図である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第3実施形態の構成を示す断面図である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第3実施形態の施工手順を示すもので、(a)はRC梁に第1欠き込み部を形成したときの断面図、(b)は第1欠き込み部に柱脚ベースプレートを埋設したときの断面図、(c)は柱脚部に鉄骨造間柱を接合したときの断面図、(d)は上部のRC梁を架設したときの断面図である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第4実施形態の構成を示す断面図である。 本発明を適用した鉄骨造間柱定着構造の第3実施形態の構成の応力伝達を示す正面断面図である。 従来の鉄骨造間柱定着部の非埋込型(露出型)構造を示す正面図である。 従来の鉄骨造間柱定着部の非埋込型(露出型)構造を示すもので、(a)は正面断面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 従来の鉄骨造間柱定着部の非埋込型(露出型)構造の応力伝達を示す正面断面図である。
符号の説明
1,11a,11b RC梁
1a,1c 半プレキャストRC梁部材
1b,1d 後打ちコンクリート部
2 鉄骨造間柱
2a 柱脚部
2b 柱頭部
3,3a,3b アンカーボルト
4 柱脚ベースプレート
5 柱頭ベースプレート
7 グラウト材
8 先組金物
9a 第1欠き込み部
9b 第2欠き込み部
F 摩擦力
H 水平力
S 支圧力

Claims (6)

  1. 鉄骨造間柱を鉄筋コンクリート造梁に定着させる定着構造において、
    前記鉄筋コンクリート造梁の配筋部を貫通して上下方向に突出するアンカーボルトと、
    このアンカーボルトの上部に固定する柱脚ベースプレートと、
    前記アンカーボルトの下部に固定する柱頭ベースプレートと、を備え、
    前記柱脚ベースプレート及び前記柱頭ベースプレートがコンクリートに埋設された状態の鉄筋コンクリート造梁を形成し、
    この鉄筋コンクリート造梁の前記柱脚ベースプレート及び前記柱頭ベースプレート間に鉄骨造間柱を固定してなることを特徴とする鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
  2. 鉄骨造間柱固定用の柱脚部を一体に設けた前記柱脚ベースプレートが前記アンカーボルトの上部に固定されて、鉄骨造間柱固定用の柱頭部を一体に設けた前記柱頭ベースプレートが前記アンカーボルトの下部に固定された先組金物が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
  3. 前記鉄筋コンクリート造梁は、前記柱頭ベースプレートがコンクリートに埋設され、かつ前記柱脚ベースプレートがコンクリートの上方に離間した半プレキャスト鉄筋コンクリート造梁部材と、この半プレキャスト鉄筋コンクリート造梁部材の上に打設され、前記柱脚ベースプレートを埋設して形成される後打ちコンクリート部と、からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
  4. 前記鉄筋コンクリート造梁は、前記柱脚ベースプレート及び前記柱頭ベースプレートがコンクリートに埋設された半プレキャスト鉄筋コンクリート造梁部材と、この半プレキャスト鉄筋コンクリート造梁部材の上に打設され前記柱脚ベースプレートに設けられた鉄骨造間柱固定用の柱脚部の一部を埋設して形成される後打ちコンクリート部と、からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
  5. 前記柱脚ベースプレートは、前記鉄筋コンクリート造梁の上面からその一部が突出するように該鉄筋コンクリート造梁に埋設されており、
    前記柱頭ベースプレートは、前記鉄筋コンクリート造梁の下面からその一部が突出するように該鉄筋コンクリート造梁に埋設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
  6. 前記鉄筋コンクリート造梁は、その上面に前記柱脚ベースプレートが埋設される第1欠き込み部と、その下面に前記柱頭ベースプレートが埋設される第2欠き込み部と、前記第1欠き込み部と前記柱脚ベースプレートとの間隙、及び前記第2欠き込み部と前記柱頭ベースプレートとの間隙に充填されるグラウト材と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造。
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