JP5416067B2 - 車両用電動式ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電動式ポンプの制御装置に関し、詳しくは、エンジンで駆動される機械式ポンプを補助するために設けた電動式ポンプの制御装置に関する。
特許文献1には、エンジンに接続した変速機構の作動油圧を、エンジンで駆動される機械式オイルポンプによって供給するアイドルストップ機構付車両において、エンジンのアイドルストップ制御中(エンジン停止中)は、変速機構に対して電動式オイルポンプから作動油圧を供給する技術が開示されている。
特開2009−293649号公報
上記のように、電動式オイルポンプをエンジンの停止中に用いる場合、電動式オイルポンプの吐出側を、一方向弁を介して機械式オイルポンプの吐出側に接続し、エンジンの回転中であって機械式オイルポンプの作動中に、オイルが電動式オイルポンプ側へ逆流することを阻止するようにしている。
また、電動式オイルポンプの制御においては、必要流量を確保するために、ポンプ回転速度が目標値に近づくようにポンプの印加電圧を変化させ、かつ、電動式オイルポンプを、エンジンの停止に備えて予め起動させ、機械式オイルポンプの停止時おける作動油圧の落ち込みを抑制するようにする場合がある。
しかし、電動式オイルポンプの起動直後のエンジン(機械式オイルポンプ)が回転を継続している間は、一方向弁の下流側圧力が高い状態に維持されるために一方向弁が開かず、電動式オイルポンプの回転速度の上昇が頭打ちになる。
従って、制御量としてのポンプ回転速度を目標値に近づけるように印加電圧を変化させる制御を行うと、印加電圧が高くなって過大電流が流れてしまうという問題が生じ、また、一方向弁が開くまで印加電圧を増大変化させる結果、一方向弁が開いてポンプ負荷が急減したときに、流量のオーバーシュートが発生してしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、電動式ポンプに過大な電流が流れることを抑制でき、かつ、流量のオーバーシュートを抑制できる車両用電動式ポンプの制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本願発明は、エンジンの回転停止中にモータ回転速度に応じてモータ印加電圧を制御して電動式ポンプを作動させる場合に、エンジンの停止前からモータ電流に応じてモータ印加電圧を制御して電動式ポンプを作動させ、その後、モータ回転速度に応じたモータ印加電圧の制御に移行するようにした。
上記発明によると、エンジン回転中から電動式ポンプを作動させるときに、電動式ポンプに過大な電流が流れることを抑制でき、かつ、流量のオーバーシュートを抑制できる。
実施形態において、本願発明に係る車両用電動式ポンプの制御装置を適用する、自動車AT(オートマチック・トランスミッション)用油圧ポンプシステムを示すブロック図である。 実施形態におけるモータ制御装置及びブラシレスモータの構成を示す回路図である。 実施形態におけるブラシレスモータの通電パターンを示すタイムチャートである。 実施形態における電動式オイルポンプの駆動制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 実施形態における通電モードの切り替え処理を示すフローチャートである。 実施形態におけるブラシレスモータの位置決め処理を示す図である。 実施形態における低速センサレス制御の特性を示すタイムチャートである。 実施形態におけるブラシレスモータの起動時における通電モードの切り替え処理を示す図である。 実施形態におけるブラシレスモータの印加電圧の設定処理を示すフローチャートである。 実施形態におけるエンジン回転速度、ポンプ回転速度、ポンプ印加電圧、ポンプ電流の相関を示すタイムチャートである。 実施形態における印加電圧の設定処理の別の例を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本願発明に係る車両用電動式ポンプの制御装置を適用する、自動車AT(オートマチック・トランスミッション)用油圧ポンプシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示す自動車AT用油圧ポンプシステムでは、変速機7の油圧回路にオイル(作動油)を供給するオイルポンプとして、エンジン(内燃機関)12の出力により駆動される機械式オイルポンプ(機械式ポンプ)6と、モータで駆動される電動式オイルポンプ(電動式ポンプ)1とを並列に備えている。
また、エンジン12を制御するエンジン・コントロール・モジュール(ECM)13には、エンジン12の運転条件を検出する各種センサ(エンジン回転速度を検出するセンサを含む)からの信号が入力され、これらの信号に基づいてエンジン12への燃料噴射や点火を制御する。
更に、エンジン・コントロール・モジュール(ECM)13は、アイドルストップ実行条件(自動停止条件)の成立時にエンジン12を停止し、アイドルストップ停止条件(自動始動条件)が成立するとエンジン12を再始動する、アイドルストップ制御機能を備えている。
電動式オイルポンプ1は、直結されたブラシレスモータ2により駆動される。モータ制御装置(MCU)3は、AT制御装置(ATCU)4からの指令に基づき、ブラシレスモータ2を制御する。
但し、電動式オイルポンプ1に用いるモータをブラシレスモータに限定するものではなく、ブラシ(整流子)を備えた電動機であってもよい。
ECM13は、アイドルストップの許可・不許可の情報をATCU4に送信する。そして、アイドルストップによってエンジン12が停止されている間は、機械式オイルポンプ6もその動作を停止するため、ATCU4は、アイドルストップ中において電動式オイルポンプ1を動作させて、変速機7に対するオイルの供給(作動油圧の確保)を行わせるように、MCU3に対して指令を出力する。
電動式オイルポンプ1の吸込口には、オイルパン10内に一端が開放される吸込側配管5aが接続され、また、電動式オイルポンプ1の吐出口には、吐出側配管5bが接続される。
前記吐出側配管5bには、電動式オイルポンプ1から変速機7に向けたオイルの流れを許容する一方向弁11を介装してある。この一方向弁11は、上流側の圧力が下流側の圧力よりも設定圧以上に高くなると開弁する機械式の逆止弁である。
一方、機械式オイルポンプ6の吸込口には、オイルパン10内に一端が開放される吸込側配管9aが接続され、また、機械式オイルポンプ6の吐出口には、吐出側配管9bが接続される。
そして、電動式オイルポンプ1の吐出側配管5bと機械式オイルポンプ6の吐出側配管9bとが合流して油圧供給配管8に接続し、油圧供給配管8によって作動油圧が変速機7に供給される。
エンジン12の回転中(運転中)は、エンジン12により駆動される機械式オイルポンプ6がオイルパン10内のオイルを吸い込んで、変速機7に向けてオイルを圧送する。
このとき、ブラシレスモータ2はオフであって、一方向弁11の下流側の圧力が上流側の圧力よりも高く、一方向弁11が閉弁状態を保持するため、電動式オイルポンプ1に向かうオイルの流れは、一方向弁11によって遮断される。
一方、エンジン12がアイドルストップによって回転を停止すると、機械式オイルポンプ6も回転を停止し、オイルを圧送することができなくなる。これによって、変速機7における作動油圧が低下すると、エンジン12を再始動させて発進するときの油圧応答の遅れによって発進ショックなどを発生させてしまう。
そこで、エンジン12のアイドルストップ条件が成立し、アイドルストップの許可状態になると、AT制御装置4がモータ起動の指令をモータ制御装置3に送信し、エンジン12の回転停止に備えて予め電動式オイルポンプ1を起動させておくことで、エンジン12のアイドルストップに伴って、変速機7における作動油圧が落ち込むことを抑制する。
ブラシレスモータ2が起動し電動式オイルポンプ1が回転し始めることで、一方向弁11上流側の吐出側配管5b内の油圧が上昇する一方、エンジン12がアイドルストップすることで機械式オイルポンプ6の吐出圧が低下するため、一方向弁11が開弁し、電動式オイルポンプ1の吐出圧が変速機7に供給されるようになり、エンジン12の停止中は、電動式オイルポンプ1の駆動を継続させて、作動圧の保持を図る。
図2は、モータ制御装置3及びブラシレスモータ2の詳細を示す。
モータ制御装置3は、モータ駆動回路212と、マイクロコンピュータを備えた制御器213とを含んで構成され、制御器213はAT制御装置4との間で通信を行う。
ブラシレスモータ2は、3相DCブラシレスモータ(3相同期電動機)であり、U相,V相及びW相の3相巻線215U,215V,215Wを、図示省略した円筒状の固定子に備え、該固定子の中央部に形成された空間に永久磁石回転子216が配置される。
そして、モータ駆動回路212は、例えばIGBTからなる6個のスイッチング素子217a〜217fを3相ブリッジ接続し、かつ、各スイッチング素子217a〜217fに逆並列にダイオード218a〜218fをそれぞれ接続して構成され、かつ、電源回路219を有している。
スイッチング素子217a〜217fの制御端子(ゲート端子)は、制御器213に接続され、スイッチング素子217a〜217fのオン・オフは、制御器213によるパルス幅変調動作で制御される。
制御器213は、モータ駆動回路212へのパルス幅変調信号(PWM信号)を生成し、ブラシレスモータ2の印加電圧Vを制御する回路であり、相電圧に基づいて回転子216の回転位置を検出し、この位置情報に基づいて通電モードを決定する所謂センサレス方式で各相への通電を制御する。
AT制御装置4は、ブラシレスモータ2の制御量の目標値として、後述するように、目標回転速度TGNP又は目標電流TGAPを演算してモータ制御装置3に送信する一方、モータ制御装置3からブラシレスモータ2の回転速度NPの情報などを受信する。
図3は、通電モード毎の各相への印加電圧Vを示す。
通電モードは、電気角60degごとに順次切り替わる6通りの通電モード(1)〜(6)からなり、各通電モード(1)〜(6)においてスイッチング素子217a〜217fは、指令電圧に応じてパルス幅変調した信号で駆動される。
本実施形態では、U相のコイルの角度位置を基準位置(deg)とし、通電モード(3)から通電モード(4)への切り替えを行う角度位置を30degに、通電モード(4)から通電モード(5)への切り替えを行う角度位置を90degに、通電モード(5)から通電モード(6)への切り替えを行う角度位置を150degに、通電モード(6)から通電モード(1)への切り替えを行う角度位置を210degに、通電モード(1)から通電モード(2)への切り替えを行う角度位置を270degに、通電モード(2)から通電モード(3)への切り替えを行う角度位置を330degに設定している。
通電モード(1)は、スイッチング素子217a及びスイッチング素子217dをオン制御し、他を全てオフとすることで、U相に電圧Vを印加し、V相に電圧−Vを印加し、U相からV相に向けて電流を流す。
通電モード(2)は、スイッチング素子217a及びスイッチング素子217fをオン制御し、他を全てオフとすることで、U相に電圧Vを印加し、W相に電圧−Vを印加し、U相からW相に向けて電流を流す。
通電モード(3)は、スイッチング素子217c及びスイッチング素子217fをオン制御し、他を全てオフとすることで、V相に電圧Vを印加し、W相に電圧−Vを印加し、V相からW相に向けて電流を流す。
通電モード(4)は、スイッチング素子217b及びスイッチング素子217cをオン制御し、他を全てオフとすることで、V相に電圧Vを印加し、U相に電圧−Vを印加し、V相からU相に向けて電流を流す。
通電モード(5)は、スイッチング素子217b及びスイッチング素子217eをオン制御し、他を全てオフとすることで、W相に電圧Vを印加し、U相に電圧−Vを印加し、W相からU相に向けて電流を流す。
通電モード(6)は、スイッチング素子217e及びスイッチング素子217dをオン制御し、他を全てオフとすることで、W相に電圧Vを印加し、V相に電圧−Vを印加し、W相からV相に向けて電流を流す。
上記のように、6つの通電モード(1)〜(6)を、電気角60deg毎に切り替えることで、各スイッチング素子217a〜217fは、240deg毎に120deg間通電されることから、図3に示すような通電方式は120度通電方式と呼ばれる。
図4は、AT制御装置4が実施する、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の制御のメインルーチンを示す。
まず、ステップS101では、エンジン12の運転条件の情報(アイドルストップの許可・不許可の情報や、エンジン回転速度の情報などを含む)や、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPの情報などを取得する。
そして、ステップS102では、アイドルストップが許可されているか否かを判断し、アイドルストップが不許可の状態であれば、ステップS101へ戻って各種情報を再取得する。
一方、ステップS102でアイドルストップが許可されていると判断した場合には、ステップS103へ進み、機械式オイルポンプ6に代わって、電動式オイルポンプ1によって変速機7に対する作動油圧の供給を行わせるために、電動式オイルポンプ1を駆動制御する。
ステップS103で実施する電動式オイルポンプ1の駆動制御としては、ブラシレスモータ2の通電モード(通電相)の切り替え制御と、ブラシレスモータ2の印加電圧Vの設定制御とがあり、これらの制御については、後で詳細に説明する。
電動式オイルポンプ1の駆動制御を行っている状態では、更に、ステップS104へ進み、アイドルストップの停止要求があるか否かを判断し、アイドルストップの停止要求が無ければ、ステップS103に戻って電動式オイルポンプ1の駆動制御を継続させ、エンジン12が再始動される場合には、そのまま本ルーチンを終了させることで、電動式オイルポンプ1の駆動を停止する。
ここで、前記ステップS103における通電モードの切り替え制御を、図5のフローチャートに従って説明する。
図5のフローチャートに示すルーチンは、電動式オイルポンプ1の駆動開始指令をトリガとして処理が開始される。
まず、ステップS201では、ブラシレスモータ2を起動するに当たって、ブラシレスモータ2の初期位置を決定するための位置決め操作を行う。
具体的には、例えば図6に示すように、通電モード(3)に対応する相通電、即ち、Vu=0、Vv=Vin、Vw=−Vinに設定し、係る相通電状態を保持することで、モータ角度の初期値を90degとする。
但し、初期位置を決定するための位置決めを、通電モード(3)に対応する相通電による90degの位置に限定するものではなく、他の通電モード(1),(2),(4)〜(6)のいずれかに対応する相通電を行わせることができ、更には、通電モード(1)〜(6)のいずれにも該当しないパターンの相通電を行わせてもよい。
ステップS201で、ブラシレスモータ2を初期位置に位置決めするための相通電を行うと、次のステップS202では、ステップS201での相通電状態を、ブラシレスモータ2が初期位置まで回動するのに要する時間に相当する設定時間だけ継続したか否かを判断し、設定時間が経過すると、実際にブラシレスモータ2が初期位置になったものと推定してステップS203へ進む。
ステップS203では、通電モードの切り替えによるブラシレスモータ2の回転駆動制御として、低速センサレス制御を開始する。
前記低速センサレス制御とは、モータ回転速度NPを低速域と高速域とに2分した場合に、前記低速域において、3相固定子巻線のうち、2相の印加パルス電圧によって非通電相に誘起される電圧(パルス誘起電圧)を検出し、図7に示しように、非通電相の端子電圧と通電モード毎の閾値(プラス閾値またはマイナス閾値)とを比較し、非通電相の端子電圧が閾値に達した時点で、電圧を印加する2相(通電モード)を切り替える制御である。
低速センサレス制御においては、回転子の位置により磁気回路の飽和状態が変化することから、2相の印加パルス電圧によって、回転子の位置に応じた誘起電圧が非通電相に発生することになり、非通電相の誘起電圧から、回転子位置を推定して、通電モードの切り替えタイミングを検出する。
上記の低速センサレス制御を実施することで、エンジン回転中であってモータ回転速度が上がらない状態から電動式オイルポンプ1を作動させても、ブラシレスモータ2を脱調させることなく、通電制御することが可能である。
ステップS203で、初期位置から低速センサレス制御によってブラシレスモータ2を回転させ始める場合には、回転子216が応答しない範囲内の時間で、通電モードの切り替えを2回行って、前記切り替え後の通電モードで発生する合成磁束に回転子216が引かれることでトルクが発生し、初期位置から回転し始めるようにする。
例えば、初期位置を、通電モード(3)での相通電による90degの角度位置として設定した場合には、図8に示すように、通電モード(3)に対応する相通電を維持していた状態から、電流は応答変化するが回転子216は回動しない時間T(例えば500μsec)で、通電モード(4)を経て通電モード(5)に切り換え、通電モード(5)での合成磁束に引かれて、初期位置の90degから210degに向けて回転子216が回転し始めるようにする。
そして、初期位置の90degから回転し始めると、通電モード(5)の非通電相であるV相の端子電圧に基づき、通電モード(6)への切り替えタイミングを判断し、通電モード(6)への切り替えを行い、その後は、非通電相の端子電圧に基づいて通電モードの切り替えタイミングを検出することで通電モードを順次切り替え、ブラシレスモータ2を回転させる。
低速センサレス制御を開始すると、ステップS204では、モータ回転速度NPが前記低速域と高速域とに切り分ける閾値以上になったか否かを判断し、そのときのモータ回転速度NPが閾値未満であれば、そのまま低速センサレス制御を継続し、そのときのモータ回転速度NPが閾値以上であれば、ステップS205へ進み、回転子が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電力)を検出し、この誘起電圧(速度起電力)のゼロクロスポイントで通電モードを切り替える高速センサレス制御に移行する。
高速センサレス制御に移行した後は、ステップS206で、モータ回転速度NPが〔閾値−ヒステリシス分〕よりも低くなったか否かを判断し、モータ回転速度NPが〔閾値−ヒステリシス分〕よりも低くなれば、再度低速センサレス制御に戻るようにする。
前記ヒステリシス分(>0)は、モータ回転速度NPが閾値近傍で変動する場合に、低速センサレス制御と高速センサレス制御との間で頻繁な切り替えがなされることがないように、高速センサレス制御に移行した後は、モータ回転速度NPが前記閾値を下回っても低速センサレス制御への切り替えを行わず、モータ回転速度NPが〔閾値−ヒステリシス分〕まで低下して初めて低速センサレス制御への切り替えを行う。
モータ回転速度NPが〔閾値−ヒステリシス分〕以上である場合には、ステップS207へ進み、電動式オイルポンプ1の停止指令が出力されたか否かを判断し、電動式オイルポンプ1の停止指令が出力されていなければ、ステップS104へ戻って高速センサレス制御によるモータ駆動を継続し、停止指令が出力されると、本ルーチンを終了させることで、ブラシレスモータ2の各相への通電を遮断する。
図9のフローチャートは、前記ステップS103における印加電圧Vの設定制御の詳細を示す。
ステップS301では、エンジン12が回転中であるか否かを判断する。前述のように、アイドルストップの許可判定に基づきブラシレスモータ2が起動される一方、ブラシレスモータ2の起動後にエンジン12における燃料噴射・点火を停止させ、ブラシレスモータ2の起動後にエンジン12(機械式オイルポンプ6)の回転が停止するようにしてある。
即ち、機械式オイルポンプ6から電動式オイルポンプ1への移行時に、エンジン12の回転停止前から電動式オイルポンプ1を作動させ、機械式オイルポンプ6と電動式オイルポンプ1との双方がオイルを吐出する過渡期間を設けることで、電動式オイルポンプ1の立ち上がり遅れによって作動圧が落ち込むことを抑制するようにしてある。
従って、ブラシレスモータ2を起動させたとき及び起動直後においては、エンジン12が回転中であり、ステップS301でエンジン12が回転中であると判断することで、ステップS302へ進む。
尚、エンジン12の回転・回転停止は、エンジン12の回転に同期してパルス信号を発生するクランク角センサからのパルス信号の出力が途絶えているか否かに基づいて判断できる。
ステップS302では、ブラシレスモータ2の電流(通電相に流れる電流)APが目標電流TGAPに近づくように印加電圧Vを決定する制御(印加電圧Vの操作により電流APを制御する電流制御)を行い、この印加電圧Vの情報をモータ制御装置3に出力する。
具体的には、モータ電流APが目標電流TGAPよりも低い場合には印加電圧Vを増加させ、モータ電流APが目標電流TGAPよりも高い場合には印加電圧Vを減少させる制御を行うものであり、係る印加電圧Vの決定には、例えば、モータ電流APと目標電流TGAPとの偏差に基づく比例・積分・微分制御を用いることができる。
印加電圧Vの指令値を受け取ったモータ制御装置3は、指令電圧値に応じてパルス幅変調した信号でスイッチング素子217a〜217fを駆動する。
前記目標電流TGAPは、電動式オイルポンプ1の定常状態で作動油圧を確保可能な電流値であって、後述するモータ回転速度NPを目標回転速度TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(印加電圧Vの操作によりモータ回転速度NPを制御する回転速度制御)における許容最大電流よりも低い電流として、予め設定・記憶されている。即ち、前記目標電流TGAPは、目標油圧相当値に応じて定めることが好ましく、電動式オイルポンプ1などが正常である場合に、モータ電流が過電流とならないように予め定められている。
従って、電流APが目標電流TGAPに近づくように印加電圧Vを決定する制御(電流制御)においては、モータ回転速度NPが目標回転速度TGNPに近づくように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)よりも、モータ電流をより低く制限することになる。
エンジン12の回転中であって機械式オイルポンプ6の吐出圧、即ち、一方向弁11の下流側の圧力が高い状態では、電動式オイルポンプ1を起動しても一方向弁11が閉状態を保持するため、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPの上昇が頭打ちとなる。
このため、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標に近づけるように印加電圧Vを決定する制御を実施すると、回転速度NPが目標に達しないことから、印加電圧Vを漸増させることになり、印加電圧Vの増大に応じて電流が過大になってしまい、モータ駆動回路212のスイッチング素子217a〜217fなどを損傷させてしまう可能性がある。
更に、一方向弁11の閉弁状態で上流側の圧力が大きくなることで、一方向弁11が開弁したときに、電動式オイルポンプ1が吐出したオイルが一挙に流れ出し、オイル流量のオーバーシュートが発生する可能性がある。
これに対し、上記のように、ブラシレスモータ2の電流APを目標TGAPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御を実施すれば、モータ回転速度MPを目標回転速度TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)を行った場合よりも電流をより低く制限することになって、電流(換言すれば、一方向弁11の上流側圧力)が過大になることを抑制でき、過大電流による駆動回路の損傷や流量のオーバーシュートの発生を抑制できる。
即ち、エンジン12の回転停止に伴う電動式オイルポンプ1への移行段階において、電流APを目標TGAPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(電流制御)から、モータ回転速度NPを目標回転速度TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)に移行させれば、モータ電流としてより高い電流が許容されることになり、電流制御は過大電流を制限する制御であって、電流制御から回転速度制御への移行は、過大電流を制限する制御を解除したことに相当することになる。
ステップS302で、ブラシレスモータ2の電流を目標に近づけるように印加電圧Vを決定する制御を実施しているときには、更に、ステップS303へ進み、目標値TGNPと実際のモータ回転速度NPとの偏差ΔNPの絶対値が閾値以下になっているか否か、換言すれば、モータ回転速度NPが上昇して目標に充分に近づいているか否かを判断する。
前記目標値TGNPは、エンジン12の停止中におけるモータ回転速度NPの目標値であり、後述するように、ステップS303からステップS304へ進んだ場合には、モータ回転速度NPが目標値TGNPに近づくように印加電圧Vを決定する。
但し、ステップS302で用いる目標値TGNPとして、制御切り替え判定用として予め設定したモータ回転速度、即ち、印加電圧操作における目標とする回転速度とは異なる回転速度を用いることができる。
エンジン12を停止する処理(燃料噴射・点火の停止)が実施され、エンジン12の回転がアイドル回転速度から低下して機械式オイルポンプ6の吐出圧が低下すると、一方向弁11が開き、一方向弁11が開くことで、電動式オイルポンプ1の負荷が減って電動式オイルポンプ1の回転速度NPが上がることになる。
そこで、一方向弁11が開いて電動式オイルポンプ1の負荷が減ったことを、電動式オイルポンプ1の回転速度NPの上昇変化に基づいて検出するものであり、電動式オイルポンプ1の回転速度NPの上昇変化を、本実施形態では、回転速度偏差ΔNPと閾値との比較に基づいて判断する。
そして、一方向弁11が開いて電動式オイルポンプ1の負荷が減った状態では、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御を実施しても、電流が過大になるまで印加電圧Vを増加させることはなく、また、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標TGNP付近に維持させることで、オイルの必要流量を安定的に確保できる。
このため、電動式オイルポンプ1の目標回転速度TGNPと実際の回転速度NPとの偏差ΔNPの絶対値が閾値以下になっていて、一方向弁11の開弁による電動式オイルポンプ1の回転速度NPの上昇変化を推定できる場合には、ステップS304へ進み、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御に移行させる。
ステップS304の制御は、具体的には、実際の回転速度NPが目標TGNPよりも低い場合には印加電圧Vを増加させ、実際の回転速度NPが目標TGNPよりも高い場合には印加電圧Vを減少させる制御を行うものであり、係る印加電圧Vの決定には、例えば、実際の回転速度NPと目標TGNPとの偏差に基づく比例・積分・微分制御を用いることができる。
尚、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御を、エンジン12の回転が低下する前から前述の比例・積分・微分制御を用いて行うと、実際の回転速度NPが目標TGNPに達しないことから積分分が溜まり、エンジン12の回転が低下した後も、前記積分分によって印加電圧Vが高い値を保持して過大電流が流れる状態が継続してしまう。
これに対し、エンジン12の回転低下(一方向弁11の開弁)を待って、回転速度NPを目標TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御を開始させれば、回転速度NPを目標TGNPにまで上昇させることができるので、積分分が過剰に溜まることがなく、印加電圧Vが過大となって過電流が流れることを抑制できる。
また、電動式オイルポンプ1の回転速度NPの上昇変化を検出できなかったとしても、エンジン12が回転を停止し、機械式オイルポンプ6が停止した場合には、電動式オイルポンプ1の吐出圧で一方向弁11が開くことで、電動式オイルポンプ1の負荷が減って電動式オイルポンプ1の回転速度NPが上がることになり、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御を実施しても、電流が過大になるまで印加電圧Vが増加することはないものと判断できる。
そこで、エンジン12の回転が停止したと判断した場合も、ステップS304へ進み、電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標に近づけるように印加電圧Vを決定する制御に移行させる。
即ち、目標値TGNPと実際のモータ回転速度NPとの偏差ΔNPの絶対値が閾値以下になるか、又は、エンジン12の回転停止を検出した場合に、ステップS304へ進む。
電動式オイルポンプ1(ブラシレスモータ2)の回転速度NPを目標に近づけるように印加電圧Vを決定する制御に移行すると、ステップS305では、電動式オイルポンプ1の停止指令が発生したか否かを判定する。そして、停止指令が発生していない場合、換言すれば、アイドルストップの継続中であれば、ステップS301へ戻って、電動式オイルポンプ1の印加電圧の制御を継続させる。
尚、上記ステップS303では、エンジン12の回転停止に伴う機械式オイルポンプ6から電動式オイルポンプ1への移行段階における電流制御から回転速度制御への切り替えタイミングを、目標値TGNPと実際のモータ回転速度NPとの偏差ΔNP、または、エンジン12の回転停止に基づいて判断させたが、この他、エンジン12の回転停止指示の発生時点、エンジン12の回転停止指示から設定時間だけ経過した時点、エンジン回転速度NEが設定回転速度(>0rpm)にまで低下した時点、エンジン12の回転停止から設定時間だけ経過した時点のいずれかで、電流制御から回転速度制御への切り替えを行わせることができる。
更に、変速機7に供給される作動油圧(ライン圧)、即ち、一方向弁11の下流側の圧力が低下して設定圧に達した時点で、電流制御から回転速度制御への切り替えを行わせることができる。
即ち、ステップS303の判断は、一方向弁11が間もなく開くものと推定できるタイミングから、一方向弁11が確実に開いていると推定できるタイミングの間である、エンジン12の回転停止に伴う電動式オイルポンプ1への移行段階を判断できれば良い。
但し、電流制御から回転速度制御への切り替えタイミングが早すぎると、過大電流が流れる期間が長くなり、逆に、電流制御から回転速度制御への切り替えタイミングが遅すぎると、無駄にモータ電流を低く制限し、目標回転速度TGNPに到達するのが遅れてしまうことになるので、これらの要求を満たす適切な期間内で、電流制御から回転速度制御への切り替えが行われるように、切り替えタイミングを予め適合する。
図10は、エンジン12(機械式オイルポンプ6)の回転が停止した時点で、ブラシレスモータ2の制御方式を切り替える場合における、ブラシレスモータ2の回転速度NP、印加電圧V、電流APの変化を示すタイムチャートである。
時刻t1でアイドルストップの許可が判定されると、ブラシレスモータ2を起動し、モータ電流APを目標値TGAPに近づけるように印加電圧Vを制御してブラシレスモータ2を駆動する。
ここで、エンジン12の運転停止処理が実行され、これにより機械式オイルポンプ6の回転が減少し、一方向弁11が開弁するまでの間、モータ電流APが目標値TGAP付近に制御されるから、モータ電流が過大になることが抑制され、また、一方向弁11の上流側圧力(ポンプ負荷)が過剰に上昇することがない。
そして、アイドルストップの許可に基づき、時刻t2の時点でエンジン12の回転停止指示に基づきエンジン12の燃料噴射・点火を停止し、時刻t3でエンジン12の回転が停止すると、モータ電流APを目標値TGAPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(電流制御)から、モータ回転速度を目標値に近づけるように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)に移行することで、過大電流を制限する制御を解除し、より高い電流が許容されるようにする。
エンジン12の回転が停止するときには、機械式オイルポンプ6の回転も停止し、機械式オイルポンプ6の回転が停止すれば一方向弁11の下流側圧力が低下することで、一方向弁11が開き、一方向弁11が開いた状態であれば、一方向弁11上流側での圧力上昇が抑えられるから回転を上げることができ、モータ回転速度NPを目標値TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御に移行しても、印加電圧Vの増加による過大電流の発生を抑制でき、かつ、モータ回転速度NPを目標TGNP付近に制御することで、必要流量の安定的な確保を図ることができる。
更に、一方向弁11が開いて電動式オイルポンプ1の負荷が低下し、電動式オイルポンプ1の回転が上昇傾向にある状態から、モータ回転速度NPを目標値TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御に移行するから、目標回転速度TGNPに向けてモータ回転速度NPをスムーズに上昇させることができる。
ところで、上記実施形態では、エンジン12の回転中に、電動式オイルポンプ1の電流制御を実施することで、過大電流を制限するようにしたが、エンジン12回転中の電動式オイルポンプ1の起動時から、回転速度制御を実施させる一方、エンジン回転中(エンジン12の回転停止に伴う電動式オイルポンプ1への移行前)であるか否かによって、最大電流の制限値を切り替えることで、エンジン12の回転中に過大電流となることを抑制することができる。
この最大電流の制限値を切り替える実施形態を、図11のフローチャートに従って説明する。
図11のフローチャートの各ステップは、前述の図9のフローチャートの各ステップに対して、ブラシレスモータ2の通電制御を行うステップであるステップS402、ステップS404のみが異なり、他のステップS401、ステップS403、ステップS405は、前述のステップS301、ステップS303、ステップS305と同様な処理を行う。
ステップS401でエンジン12が回転中であると判断し、ステップS402へ進むと、ブラシレスモータ2の電流APが目標電流TGAPに近づくように印加電圧Vを決定する制御(電流制御)を行わせることで、電動式オイルポンプ1を作動させる。
即ち、図9のフローチャートに示した実施形態では、電動式オイルポンプ1の起動からエンジン12の回転停止に伴う電動式オイルポンプ1への移行段階に至るまでは、モータ電流APを目標値TGAPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(電流制御)を行い、その後、モータ回転速度NPを目標値TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)に移行させた。
これに対し、図11に示す実施形態では、電動式オイルポンプ1の起動当初のエンジン回転中から、回転速度制御で電動式オイルポンプ1を作動させる。
ここで、回転速度制御を実施した場合、前述のように、一方向弁11が閉じていることで、モータ回転速度NPが目標TGNPに到達せずに、印加電圧Vを過剰に増加させてしまい、過大電流が流れてしまうことになる。
そこで、ステップS402では、回転速度制御を実施するが、最大電流の制限値APMAXを実際の電流APが超えない範囲で、印加電圧Vを許容するようにして、たとえ実際のモータ回転速度NPが目標値TGNPを下回っている状態であっても、モータ電流APが制限値APMAXに達していれば、それ以上に印加電圧Vを増加させないようにする最大電流の制限制御を実施する。
ステップS402におけるエンジン回転中の回転速度制御では、前記制限値APMAXに、エンジン回転中(一方向弁11の閉弁中)であって回転速度NPが目標値TGNPに達しない状態に適合させた値APMAX1を設定する。
この制限値APMAX1は、エンジンの回転停止に伴う電動式オイルポンプ1への移行を判断した後に用いる制限値APMAX2よりも低い電流値であり、たとえ実際のモータ回転速度NPが目標値TGNPを下回っている状態であっても、制限値APMAX1以下にモータ電流APを制限することで、一方向弁11が閉じていてモータ回転速度NPが上がらない状態で、印加電圧Vを増大させて過大電流が流れ、また、一方向弁11の上流側圧力が過大になることを抑制する。
そして、ステップS403で、エンジン12の回転停止に伴う一方向弁11の開弁動作によって電動式オイルポンプ1による油圧供給に移行する段階であると判断すると、ステップS404へ進み、モータ回転速度NPを目標値TGNPに近づけるように印加電圧Vを決定する制御(回転速度制御)をそのまま継続させるが、前記制限値APMAXに前記APMAX1よりも高い電流値であるAPMAX2を設定する。
即ち、ステップS404へ進むことで、制限値APMAX1による電流制限、換言すれば、一方向弁11の閉弁状態で回転速度制御を実施することで発生する過大電流を制限する制御を解除し、より高い電流(APMAX2)を許容する状態に切り替え、目標回転速度TGNPに向けてモータ回転速度NPを増加させることができるようにする。
尚、ステップS404へ進んだときに、制限値APMAXによる電流制限を停止させてもよい。
上記実施形態では、電流APの制限値APMAXを切り替えることで、一方向弁11の閉弁状態(エンジン12の回転停止前)から回転速度制御を実施しても、過大電流が流れ、また、一方向弁11の上流側圧力が過大になることを簡便に抑制できる。
尚、本願発明は、変速機にオイルを供給するオイルポンプに限定されず、例えば、エンジンに冷却水を供給するウォータポンプとして、エンジンで駆動される機械式ウォータポンプと、モータで駆動される電動式ウォータポンプとを備える車両にも適用できる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電動式ポンプの制御装置において、
前記電動式ポンプと前記機械式ポンプが、エンジンに接続される変速機に作動油を供給するオイルポンプであり、
前記エンジンがアイドルストップ機能による停止中に前記電動式ポンプを作動させる車両用電動式ポンプの制御装置。
上記構成によると、エンジンがアイドルストップし、機械式オイルポンプが停止しても、代わりに電動式オイルポンプによって変速機に作動油圧を供給でき、再始動後の発進性能を維持でき、また、電動式オイルポンプをエンジン停止前から作動させても、過大電流が流れることを抑制して、駆動回路の保護を図れ、また、一方向弁の上流側圧力が過大になることを抑制して、流量のオーバーシュートの発生を抑制できる。
(ロ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電動式ポンプの制御装置において、
前記電動式ポンプを駆動するモータがブラシレスモータであり、該ブラシレスモータの各相への通電モードを、少なくとも低速側で、通電相に対する印加パルス電圧によって非通電相に誘起される電圧を検出し、検出した非通電相の電圧と通電モード毎の閾値とを比較し、非通電相の電圧が閾値に達した時点で、電圧を印加する相の切り替えを行う車両用電動式ポンプの制御装置。
上記発明によると、電動式ポンプを駆動するモータがブラシレスモータであっても、低速域から通電モードの切り替えを行え、エンジン停止前から電動式ポンプを作動させ、回転速度が上がらない状態となっても、脱調の発生を抑制できる。
1…電動式オイルポンプ(電動式ポンプ)、2…ブラシレスモータ、3…モータ制御装置、6…機械式オイルポンプ(機械式ポンプ)、11…一方向弁、12…エンジン、212…モータ駆動回路、213…制御器、215U,215V,215W…巻線、216…永久磁石回転子、217a〜217f…スイッチング素子

Claims (3)

  1. モータで駆動されると共に吐出側配管に一方向弁が介装される電動式ポンプと、エンジンで駆動されると共に前記一方向弁の下流側の配管に吐出側配管が接続される機械式ポンプとを備えた車両において、前記電動式ポンプを制御する制御装置であって、
    前記エンジンの回転停止中にモータ回転速度に応じてモータ印加電圧を制御して前記電動式ポンプを作動させる場合に、前記エンジンの停止前からモータ電流に応じてモータ印加電圧を制御して前記電動式ポンプを作動させ、その後、モータ回転速度に応じたモータ印加電圧の制御に移行する、車両用電動式ポンプの制御装置。
  2. モータ電流に応じたモータ印加電圧の制御からモータ回転速度に応じたモータ印加電圧の制御への移行を、モータ回転速度の上昇に応じて行う、請求項1記載の車両用電動式ポンプの制御装置。
  3. モータ電流に応じたモータ印加電圧の制御からモータ回転速度に応じたモータ印加電圧の制御への移行を、前記一方向弁の下流側圧力の低下に応じて行う、請求項1記載の車両用電動式ポンプの制御装置。
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