JP5407378B2 - 冷却装置および冷却方法 - Google Patents

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本発明は、食品や食材などの被冷却物を真空冷却する真空冷却装置(真空冷却専用機)の他、被冷却物の真空冷却と冷風冷却とを実行可能な複合冷却装置など、真空冷却機能を有する各種の冷却装置と、そのような冷却装置を用いた冷却方法とに関するものである。
食品や食材(以下、単に食品という)の冷却方法として、真空冷却が知られている。真空冷却とは、食品が収容された処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧することで、食品からの水分の蒸発を促し、その気化熱により食品の冷却を図る方法である。食品を何℃まで真空冷却するかは適宜に設定されるが、食品の品質保持のため、たとえば5℃まで真空冷却される。このような低温までの真空冷却を図ろうとする場合、処理槽内の減圧手段として、真空ポンプだけでは足りず、通常、その上流側に蒸気エゼクタを設置したり、減圧ライン中の蒸気の凝縮を図る間接熱交換器を設置したりしている。
真空冷却中、処理槽内が減圧されるに伴い、処理槽内の飽和蒸気温度は低下する。その際、処理槽内の飽和蒸気温度が食品の温度を大きく下回ることなどによって、食品が突沸を起こし、食品の外観や風味、歩留りを悪化させるおそれがある。また、同様な理由で、食品の内部に気泡が発生し、商品価値が失われることもある。そこで、従来、下記特許文献1に開示されるように、処理槽内の減圧開始からの経過時間と処理槽内の目標圧力との関係を目標減圧曲線(圧力制御パターン)として予め設定しておき、その目標減圧曲線に沿うように処理槽内の減圧を図る真空冷却方法が提案されている。
特許第3832354号公報
従来の方法によれば、減圧手段の減圧能力が十分あり、目標減圧曲線に追従できる場合には問題がないが、減圧手段の減圧能力が不足し、目標減圧曲線に追従できない場合には、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力とに圧力差が生じることになる。
また、前述したように、減圧手段として蒸気エゼクタ、間接熱交換器および水封式真空ポンプを用いた場合、運転開始当初は間接熱交換器と真空ポンプのみで処理槽内の減圧が図られるが、真空ポンプのみでは到達真空度に限界があるため、予め設定されたエゼクタ作動圧力になると蒸気エゼクタも作動させて、処理槽内のさらなる減圧が図られる。
しかしながら、この蒸気エゼクタ作動開始時に、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力との間に大きな圧力差が既に生じていた場合、蒸気エゼクタの作動で減圧能力が向上するため、蒸気エゼクタの作動と同時に、目標減圧曲線に追いつこうとして急激な圧力低下が起こり、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまい、それに伴い処理槽内の飽和蒸気温度が食品の温度を大きく下回ってしまうおそれがある。その場合、前述したように、食品の突沸、その突沸に伴う食品の飛散、あるいは食品内に気泡が発生するおそれがあった。
本発明が解決しようとする課題は、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力との差を埋めようとする際に、処理槽内の圧力が急激に低下して、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止することにある。たとえば、蒸気エゼクタ作動開始時など減圧手段の減圧能力が変化する際に、処理槽内の圧力が急激に低下して、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止することにある。そして、それにより、食品の突沸、その突沸に伴う食品の飛散、あるいは食品内の気泡の発生を防止することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被冷却物が収容された処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧することで、前記被冷却物の冷却を図る冷却装置であって、前記処理槽内の減圧開始からの経過時間と前記処理槽内の目標圧力との関係を目標減圧曲線として予め設定されており、この目標減圧曲線に沿うように前記処理槽内の減圧を図ると共に、この減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点として前記実際圧力以下の前記目標減曲線の時間軸を前記所定時までずらすと共に、前記所定時における前記実際圧力に続く新たな目標減圧曲線として再設定することを特徴とする冷却装置である。
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内を減圧中、適宜、その時点における実際圧力を起点とする目標減圧曲線の時間軸を前記時点までずらして(言い換えればその時点における実際圧力以下の目標減圧曲線の時間軸を前記時点までずらして)新たな目標減圧曲線として再設定することになる。これにより、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力との差を小さくすることができる。従って、たとえば、減圧中に減圧手段による減圧速度を変えて、目標圧力と実際圧力との差を埋めようとしても(つまり減圧能力の向上に伴い目標減圧曲線に追いつこうとしても)、処理槽内が急激に減圧されるのが防止され、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのが防止される。これにより、被冷却物の突沸、その突沸に伴う被冷却物の飛散、あるいは被冷却物内の気泡の発生を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、前記所定時とは、前記処理槽内の実際圧力と前記目標減圧曲線による目標圧力との差が設定範囲を超えた時であることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置である。
請求項2に記載の発明によれば、目標圧力と実際圧力との差が設定範囲を超えると、目標減圧曲線を再設定することにより、目標圧力と実際圧力との差を小さくすることができる。これにより、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止しつつ、被冷却物の真空冷却を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記所定時とは、エゼクタ作動開始時、工程切替時、前記処理槽内が設定圧力になった時、前記被冷却物が設定温度になった時、および設定時間が経過した時の内、いずれか一以上の時であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却装置である。
請求項3に記載の発明によれば、エゼクタ作動開始時、工程切替時、処理槽内が設定圧力になった時、被冷却物が設定温度になった時、および設定時間が経過した時の内、いずれか一以上の時に、目標減圧曲線を再設定することにより、目標圧力と実際圧力との差を小さくすることができる。これにより、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止しつつ、被冷却物の真空冷却を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記処理槽内の減圧手段として、真空ポンプとエゼクタとを備え、前記処理槽内の実際圧力がエゼクタ作動圧力になるまでは、前記真空ポンプを作動させるが前記エゼクタは作動させず、前記処理槽内の実際圧力が前記エゼクタ作動圧力以下になると、前記真空ポンプに加えて前記エゼクタも作動させ、前記所定時とは、前記エゼクタの作動開始時であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置である。
請求項4に記載の発明によれば、エゼクタ作動開始時に予め目標減圧曲線を再設定しておくことで、目標圧力と実際圧力との差を小さくすることができる。これにより、エゼクタの作動開始により減圧速度を変えた際、目標圧力と実際圧力との差を埋めようとして処理槽内が急激に減圧されるのが防止され、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのが防止される。
さらに、請求項5に記載の発明は、被冷却物が収容された処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧することで、前記被冷却物の冷却を図る冷却方法であって、前記処理槽内の減圧開始からの経過時間と前記処理槽内の目標圧力との関係を目標減圧曲線として予め設定しておき、この目標減圧曲線に沿うように前記処理槽内の減圧を図ると共に、この減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点として前記実際圧力以下の前記目標減圧曲線の時間軸を前記所定時までずらすと共に、前記所定時における前記実際圧力に続く新たな目標減圧曲線として再設定することを特徴とする冷却方法である。
請求項5に記載の発明によれば、処理槽内を減圧中、適宜、その時点における実際圧力を起点とする目標減圧曲線の時間軸を前記時点までずらして(言い換えればその時点における実際圧力以下の目標減圧曲線の時間軸を前記時点までずらして)新たな目標減圧曲線として再設定することになる。これにより、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力との差を小さくすることができる。従って、たとえば、減圧中に減圧手段による減圧速度を変えて、目標圧力と実際圧力との差を埋めようとしても(つまり減圧能力の向上に伴い目標減圧曲線に追いつこうとしても)、処理槽内が急激に減圧されるのが防止され、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのが防止される。これにより、被冷却物の突沸、その突沸に伴う被冷却物の飛散、あるいは被冷却物内の気泡の発生を防止することができる。
本発明によれば、目標減圧曲線による目標圧力と処理槽内の実際圧力との差が埋めようとする際に、処理槽内の圧力が急激に低下して、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止することができる。特に、蒸気エゼクタ作動開始時など減圧手段の減圧能力が変化する際に、減圧能力の向上に伴い目標減圧曲線に追いつこうとして処理槽内の圧力が急激に低下して、処理槽内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうのを防止することができる。そして、それにより、食品の突沸、その突沸に伴う食品の飛散、あるいは食品内の気泡の発生を防止することができる。
本発明の冷却装置の一実施例を示す概略構成図であり、真空冷却装置に適用した例を示している。 図1の冷却装置を用いた冷却方法の一例を示す図であり、処理槽内の減圧開始からの経過時間と処理槽内の圧力との関係を示している。 図1の冷却装置を用いた冷却方法の他の例を示す図であり、処理槽内の減圧開始からの経過時間と処理槽内の圧力との関係を示している。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、真空冷却機能を有する各種冷却装置に適用される。冷却装置により冷却を図られる被冷却物は、特に問わないが、典型的には食品とされる。そのため、以下においては、被冷却物は食品であるとして説明する。
真空冷却とは、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、処理槽内を減圧することで、処理槽内の飽和蒸気温度を低下させ、食品からの水分蒸発を促すことにより、その気化潜熱を利用して処理槽内の食品を冷却することをいう。
真空冷却機能を有する装置には、たとえば、真空冷却装置、蒸煮冷却装置、飽和蒸気調理装置、冷風真空複合冷却装置が含まれる。真空冷却装置は、処理槽内を減圧して、処理槽内の食品の真空冷却を図る装置である。蒸煮冷却装置は、蒸気により処理槽内の食品の加熱を図った後、処理槽内を減圧して、処理槽内の食品の真空冷却を図る装置である。飽和蒸気調理装置は、処理槽内の圧力を調整することで、処理槽内の飽和蒸気温度を調整して、所望温度の飽和蒸気により処理槽内の食品の加熱を図る装置であり、加熱調理後には所望により、処理槽内を減圧して、処理槽内の食品の真空冷却を図ることができる装置である。さらに、冷風真空複合冷却装置は、処理槽内の食品へ冷風を吹き付けることによる冷風冷却と、食品を収容した処理槽内を減圧することによる真空冷却とを図ることができる装置である。
真空冷却装置、蒸煮冷却装置、飽和蒸気調理装置および冷風真空複合冷却装置などの内、いずれの場合でも、真空冷却機能に関する構成および運転は同様である。そこで、以下の実施例では、真空冷却機能のみを有する真空冷却装置について説明するが、蒸煮冷却装置、飽和蒸気調理装置および冷風真空複合冷却装置などにも同様に適用可能である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の冷却装置の一実施例の使用状態を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。本実施例の冷却装置は、真空冷却装置である。
この冷却装置1は、冷却を図りたい食品2が収容される処理槽3と、この処理槽3内の気体を外部へ吸引排出して処理槽3内を減圧する減圧手段4と、減圧された処理槽3内へ外気を導入して処理槽3内を復圧する復圧手段5と、処理槽3内の圧力を検出する圧力センサ6と、処理槽3内に収容される食品2の温度(品温)を検出する品温センサ7と、これらセンサ6,7の検出信号などに基づき前記各手段4,5を制御する制御手段8とを備える。
本実施例の処理槽3は、正面へ開口して中空部を有する処理槽本体9と、この処理槽本体9の開口部を開閉する扉(図示省略)とを備えた金属製の缶体である。処理槽3内への食品2の収容は、処理槽3に出し入れされるワゴン(図示省略)を介して行ってもよいし、図示例のように処理槽3内に棚板10を設けることで対応してもよい。また、食品2は、適宜、ホテルパンなどの容器11に入れて、処理槽3内に収容される。処理槽3内に食品2を収容した後、扉を閉じることで処理槽本体9の中空部は密閉される。
処理槽3には、前述したとおり、圧力センサ6と品温センサ7とが設けられる。本実施例の品温センサ7は、測温部を食品2に差し込んで、食品2の温度を検出する。
処理槽3には、処理槽3内の空気や蒸気を外部へ吸引排出して、処理槽3内を減圧する減圧手段4が接続される。本実施例では、処理槽3からの排気路12には、処理槽3の側から順に、蒸気エゼクタ13、熱交換器14、逆止弁15および水封式の真空ポンプ16が設けられる。
蒸気エゼクタ13は、吸入口17が真空弁18を介して処理槽3に接続される。蒸気エゼクタ13には、入口19から出口20へ向けて、給蒸路21からの蒸気が噴出可能とされる。真空弁18を開けた状態で、入口19から出口20へ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽3内の気体も出口へ向けて吸引排出される。給蒸路21に設けた給蒸弁22の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ13の作動の有無を切り替えることができる。
熱交換器14は、排気路12内の蒸気を冷却し凝縮させる。そのために、熱交換器14には、熱交給水弁23を介して水が供給され排出される。排気路12内の蒸気を予め凝縮させることで、その後の真空ポンプ16の負荷を軽減して、処理槽3内の減圧を有効に図ることができる。
水封式の真空ポンプ16は、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されて作動される。そのために、真空ポンプ16には、封水給水弁24を介して水が供給され排出される。真空ポンプ16を作動させる際、封水給水弁24は、真空ポンプ16に連動して開かれる。
処理槽3には、減圧された処理槽3内へ外気を導入して、処理槽3内を復圧する復圧手段5が接続される。本実施例では、処理槽3への給気路25には、処理槽3へ向けて順に、除菌フィルター26、給気弁27および逆止弁28が設けられる。従って、処理槽3内が減圧された状態で、給気弁27を開くと、フィルター26を介して外気を処理槽3内へ導入し、処理槽3内を復圧することができる。
給気弁27は、開閉のみ可能な電磁弁でもよいが、開度調整可能な電動弁の方が好ましい。この場合、処理槽3内の減圧時または復圧時に、給気弁27の開度を調整することで、処理槽3内の圧力を徐々に変化させることができる。
減圧手段4および復圧手段5は、制御手段8により制御される。この制御手段8は、前記各センサ6,7の検出信号などに基づき、前記各手段4,5を制御する制御器29である。具体的には、真空弁18、給蒸弁22、熱交給水弁23、真空ポンプ16、封水給水弁24、給気弁27、圧力センサ6および品温センサ7は、制御器29に接続されている。そして、制御器29は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽3内の食品2の真空冷却を図る。
以下、本実施例の冷却装置1を用いた冷却方法について具体的に説明する。本実施例の冷却方法は、処理槽3内の減圧開始からの経過時間と処理槽3内の目標圧力との関係を目標減圧曲線として予め設定しておくと共に、減圧中に目標減圧曲線を適宜再設定しつつ、最新の目標減圧曲線に沿うように処理槽3内の減圧を図ることで、処理槽3内の食品2の真空冷却を図る方法である。このような一連の真空冷却に先立ち、処理槽3内には冷却しようとする食品2が収容され、処理槽3の扉は閉じられる。処理槽3内に収容される食品2は、所望により他の冷却装置(ブラストチラーや差圧冷却装置)で予めある程度まで冷却されている場合もある。
処理槽3内を大気圧から減圧するには、真空弁18および封水給水弁24は開いた状態で、真空ポンプ16を作動させればよい。通常、減圧開始時には熱交給水弁23は閉じて熱交換器14に水は流さず、一定時間が経過するかあるいは熱交換器14の出口温度(処理槽3からの排気路12の内、熱交換器14から真空ポンプ16への配管内の温度)が所定温度を超えた場合に、熱交給水弁23を開いて熱交換器14に水を流す。そして、さらに熱交換器14の出口温度が所定まで上昇した場合は、熱交換器14への冷却水として、予めチラー(図示省略)で冷却された水を流すのがよい。また、減圧開始時には給蒸弁22は閉じて蒸気エゼクタ13は作動させず、処理槽3内の減圧に伴い処理槽3内をさらに減圧するには真空ポンプ16では足りなくなってくるエゼクタ作動圧力(たとえば45hPa)未満になると、給蒸弁22を開いて蒸気エゼクタ13も作動させる。
処理槽3内を減圧中、目標減圧曲線による目標圧力と、圧力センサ6により検出される処理槽3内の実際圧力との差を埋めるように、減圧能力(減圧速度ともいえる)が調整される。減圧能力の調整は、具体的には次のようにして行うことができる。すなわち、給気弁27が電磁弁であれば処理槽3内を所望に減圧するよう開閉すればよいし、給気弁27が電動弁であれば処理槽3内を所望に減圧するよう開度調整すればよい。
但し、減圧能力の調整は、これに限定されず適宜に変更可能である。たとえば、処理槽3内への給気路25を並列して複数設けると共に、それぞれの給気路25に給気弁27を設けておき、そのようにして設けられた複数の給気弁27の内、開く数を変えて制御してもよい。あるいは、排気路12の中途に外気導入路(図示省略)を接続し、その外気導入路に設けた外気導入弁(図示省略)の開閉や開度を調整してもよい。さらに、真空弁18の開度を調整したり、インバータを用いて真空ポンプ16の回転数を変えたりしてもよい。これらは、複数の方法を組み合わせてもよい。
目標減圧曲線の再設定は、処理槽3内の減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点とする目標減圧曲線の時間軸を前記所定時までずらして新たな目標減圧曲線とすることでなされる。言い換えれば、処理槽3内の減圧中の所定時、その所定時における実際圧力以下の目標減圧曲線の時間軸を前記所定時までずらして新たな目標減圧曲線とすることでなされる。なお、処理槽3内の減圧中、処理槽3内の実際圧力は、圧力センサ6で監視される。
前記所定時とは、典型的には蒸気エゼクタ13の作動開始時である。より具体的には、給蒸弁22を開く時である。前述したように、本実施例では減圧手段4として真空ポンプ16とこれよりも排気能力のある蒸気エゼクタ13とを備え、処理槽3内の実際圧力がエゼクタ作動圧力になるまでは、真空ポンプ16は作動させるが蒸気エゼクタ13は作動させず、処理槽3内の実際圧力がエゼクタ作動圧力以下になると、真空ポンプ16に加えて蒸気エゼクタ13も作動させる。ところが、この蒸気エゼクタ13の作動開始時に、目標圧力と実際圧力との差が大きければ、蒸気エゼクタ13の作動に伴い、圧力差を埋めようとして処理槽3内が急激に減圧され、処理槽3内の減圧速度が予め規定された勾配を上回ってしまうおそれがある。そして、処理槽3内の減圧速度が予め規定された勾配を上回った場合、処理槽3内の飽和蒸気温度が食品2の温度を大きく下回るおそれがあり、それにより、食品2の突沸、その突沸に伴う食品2の飛散、あるいは食品2内に気泡が発生するおそれがある。そこで、本実施例では、蒸気エゼクタ13の作動開始時に、予め目標圧力と実際圧力との差をなくすように、目標減圧曲線を再設定するのである。なお、通常、処理槽3内の実際圧力(エゼクタ作動開始時における実際圧力はエゼクタ作動圧力でもある)は目標圧力よりも高くなっているが、その場合にのみ目標減圧曲線の再設定をすれば足りる。
図2は、本実施例の冷却装置1を用いた冷却方法の一例を示す図であり、処理槽3内の減圧開始からの経過時間と処理槽3内の圧力との関係を示している。この図において、実線L1およびそれに続く一点鎖線L2は、予め設定された当初の目標減圧曲線を示し、破線L3は、処理槽3内の実際圧力を示し、その破線L3に続く実線L2´は、再設定された目標減圧曲線を示している。
前述したように、処理槽3内の実際圧力が予め定めたエゼクタ作動圧力PEになると、給蒸弁22を開いて蒸気エゼクタ13を作動させるが、これにより減圧能力が急激に高まることになる。そのため、その時点までに目標圧力と実際圧力との圧力差が大きくなっている場合、蒸気エゼクタ13の作動に伴い、予め定めた目標減圧曲線に追いつこうとするために、図2において二点鎖線L4で示すように、処理槽3内は急激に減圧されるおそれがある。減圧速度の調整がたとえば給気弁27でなされる場合において、目標圧力と実際圧力との圧力差が大きいことに伴い給気弁27が全閉されていれば、なおさらである。このような場合、処理槽3内の圧力変化の勾配が、当初規定されていた勾配(当初予定していた目標減圧曲線L2で規定されている勾配)を超えてしまい、前述したように食品2の突沸などの不都合を生じることになる。
そこで、本実施例では、処理槽3内の実際圧力がエゼクタ作動圧力PEになり、蒸気エゼクタ13を作動させる際には、その時点における実際圧力以下の目標減圧曲線(一点鎖線L2)の時間軸をその時点までずらして新たな目標減圧曲線(実線L2´)として再設定する。すなわち、図2における一点鎖線L2の時間軸をずらして、破線L3に続く実線L2´のようにして、これを新たな目標減圧曲線とする。これにより、蒸気エゼクタ13を作動させても、処理槽3内が急激に減圧されるのが防止されることになる。
ところで、目標減圧曲線の再設定は、蒸気エゼクタ13の作動開始時に限らず、これに代えてまたはこれに加えて、次のいずれか一以上の時としてもよい。
まず、目標減圧曲線の再設定は、処理槽3内の実際圧力と目標減圧曲線による目標圧力との差が設定範囲を超えた時に行ってもよい。特に、大気圧からの減圧開始時には真空ポンプ16のみを作動させるが、処理槽3内の実際圧力と目標減圧曲線による目標圧力との差が設定範囲を超えると、減圧能力が低下したと判断して、真空ポンプ16に加えて蒸気エゼクタ13も作動させる場合において、その蒸気エゼクタ13の作動開始時がよい。
図3は、図2と同様に、本実施例の冷却装置1を用いた冷却方法の一例を示す図であり、処理槽3内の減圧開始からの経過時間と処理槽3内の圧力との関係を示している。この図においても、実線L1およびそれに続く一点鎖線L2は、予め設定された当初の目標減圧曲線を示し、破線L3は、処理槽3内の実際圧力を示し、その破線L3に続く実線L2´は、再設定された目標減圧曲線を示している。図2の場合と異なる点は、図2の場合には、処理槽3内がエゼクタ作動圧力PEになると目標減圧曲線の再設定を行ったが、この図3の場合には、処理槽3内の実際圧力(破線L3)と目標減圧曲線による目標圧力(実線L1)との差が設定範囲を超えると目標減圧曲線の再設定を行う点である。図3の場合も、時間T1において目標減圧曲線の再設定を行わなければ、二点鎖線L4で示すように処理槽3内が急減圧されるおそれがあるが、目標減圧曲線が再設定されることで、そのような不都合が回避される。
さらに、目標減圧曲線の再設定は、次の場合に行ってもよい。すなわち、工程切替時(たとえば処理槽3内を一様に減圧するのではなく、処理槽3内の圧力を変化させる場合において、その変化時)、圧力センサ6により検出される処理槽3内の圧力が設定圧力になった時、品温センサ7による検出される処理槽3内の食品2の温度が設定温度になった時、および減圧開始から設定時間が経過した時などである。これらの場合も、それぞれの該当時に、蒸気エゼクタ13の作動を開始するなど、減圧手段4の減圧能力が高まる場合が、目標減圧曲線を再設定するのに特に有効といえる。
本発明の冷却装置および冷却方法は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、目標減圧曲線に沿うように処理槽3内を減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点とする目標減圧曲線の時間軸を前記所定時までずらして新たな目標減圧曲線として再設定する構成であれば、その他の構成および制御は適宜に変更可能である。さらに、目標減圧曲線の再設定は、減圧中に複数回行ってもよいことはもちろんである。
また、前記実施例では、真空冷却装置に適用した例を示したが、蒸煮冷却装置、飽和蒸気調理装置、冷風真空複合冷却装置などにも同様に適用可能である。すなわち、蒸煮冷却装置または飽和蒸気調理装置の場合には、前記実施例において、処理槽3内へ蒸気を供給する給蒸手段をさらに設置すればよい。これにより、給蒸手段により、処理槽3内へ蒸気を供給して食品2の加熱を図った後、減圧手段4により、処理槽3内を減圧して食品2の真空冷却を図ることができる。但し、給蒸手段は、ボイラなどからの蒸気を処理槽3内へ供給する以外に、処理槽3内に予め貯留しておいた水をヒータで蒸発させてもよい。また、冷風真空複合冷却装置の場合には、前記実施例において、処理槽3内に冷風を生じさせる手段(冷却機およびファン)をさらに設置すればよい。これにより、食品2を収容した処理槽3内を減圧することによる真空冷却と、処理槽3内の食品2へ冷風を吹き付けることによる冷風冷却とを図ることができる。
さらに、減圧手段4や復圧手段5の各構成は、前記実施例の構成に限定されない。たとえば、減圧手段4は、前記実施例において蒸気エゼクタ13に代えて水エゼクタを用いたりしてもよい。また、復圧手段5として、給気路25を並列して複数設けておき、それぞれに電磁弁を設けてもよい。
1 冷却装置(真空冷却装置)
2 食品(被冷却物)
3 処理槽
4 減圧手段
5 復圧手段
6 圧力センサ
7 品温センサ
13 蒸気エゼクタ
16 真空ポンプ
L1+L2 (当初の)目標減圧曲線
L2´ (再設定後の)目標減圧曲線
L3 処理槽内の実際圧力
PE エゼクタ作動圧力

Claims (5)

  1. 被冷却物が収容された処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧することで、前記被冷却物の冷却を図る冷却装置であって、
    前記処理槽内の減圧開始からの経過時間と前記処理槽内の目標圧力との関係を目標減圧曲線として予め設定されており、
    この目標減圧曲線に沿うように前記処理槽内の減圧を図ると共に、この減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点として前記実際圧力以下の前記目標減曲線の時間軸を前記所定時までずらすと共に、前記所定時における前記実際圧力に続く新たな目標減圧曲線として再設定する
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記所定時とは、前記処理槽内の実際圧力と前記目標減圧曲線による目標圧力との差が設定範囲を超えた時である
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記所定時とは、エゼクタ作動開始時、工程切替時、前記処理槽内が設定圧力になった時、前記被冷却物が設定温度になった時、および設定時間が経過した時の内、いずれか一以上の時である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記処理槽内の減圧手段として、真空ポンプとエゼクタとを備え、
    前記処理槽内の実際圧力がエゼクタ作動圧力になるまでは、前記真空ポンプを作動させるが前記エゼクタは作動させず、
    前記処理槽内の実際圧力が前記エゼクタ作動圧力以下になると、前記真空ポンプに加えて前記エゼクタも作動させ、
    前記所定時間とは、前記エゼクタの作動開始時間である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却装置。
  5. 被冷却物が収容された処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記処理槽内を減圧することで、前記被冷却物の冷却を図る冷却方法であって、
    前記処理槽内の減圧開始からの経過時間と前記処理槽内の目標圧力との関係を目標減圧曲線として予め設定しておき、
    この目標減圧曲線に沿うように前記処理槽内の減圧を図ると共に、この減圧中の所定時、その所定時における実際圧力を起点として前記実際圧力以下の前記目標減圧曲線の時間軸を前記所定時までずらすと共に、前記所定時における前記実際圧力に続く新たな目標減圧曲線として再設定する
    ことを特徴とする冷却方法。
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