JP5386452B2 - 油圧アクチュエーターの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、実位相を目標位相に収束させるべく位相のフィードバック制御を行うとともに、位相の変化速度が「0」となる制御指令値を保持制御量として学習する油圧アクチュエーターの制御装置に関する。
周知のように、車載等の内燃機関に搭載される機構として、可変バルブタイミング機構が実用されている。可変バルブタイミング機構は、カムシャフトの回転位相を変化させるための手段として、油圧アクチュエーターを用いている。
油圧アクチュエーターは、2つの油室、すなわち進角油室と遅角油室とを備えている。そして進角油室への加圧油の供給及び遅角油室からの加圧油の排出によってバルブタイミングが進角され、遅角油室への加圧油の供給及び進角油室からの加圧油の排出によってバルブタイミングが遅角されるようになっている。
油圧アクチュエーターへの両油室に対する加圧油の給排は、オイルコントロールバルブ(OCV)によって制御されている。OCVは、進角油室に接続された進角ポート、遅角油室に接続された遅角ポート、オイルタンクに接続されたドレインポート、及び油圧ポンプに接続された供給ポートの各ポートが形成されたスリーブを備えている。またOCVは、スリーブ内に摺動可能に配設されたスプールを備えている。そしてスリーブ内におけるスプールの動作位置を変更することで、各油室に対する加圧油の給排を制御して、バルブタイミングの変更やその保持を行うようにしている。なおスプールは、ソレノイドにより駆動され、スリーブ内におけるスプールの動作位置は、ソレノイドの供給電流のデューティーを0〜100%の間で変化させることで制御されている。
スプールがスリーブ内の中立域にあるときには、進角ポート及び遅角ポートは、供給ポート、ドレインポートのいずれにも連通せず、両油室に対する加圧油の給排はほぼ遮断された状態となる。一方、この中立域から一方(進角方向)にスプールを変位させると、進角油室が供給ポートに連通されるとともに、遅角ポートがドレインポートに連通されるようになり、進角油室への加圧油の供給と遅角油室からの加圧油の排出とが行なわれるようになる(進角モード)。また中立域から進角方向の逆方向(遅角方向)にスプールを変位させると、遅角油室が供給ポートに連通されるとともに、進角ポートがドレインポートに連通されるようになり、遅角油室への加圧油の供給と進角油室からの加圧油の排出とが行なわれるようになる(遅角モード)。
なお、OCVのデューティー制御においては、カム角センサーの検出信号等から得られる油圧アクチュエーターの位相(実位相)が、内燃機関の運転状態に応じた目標位相に収束するようにデューティー指令値を逐次更新するフィードバック制御が行われている。そしてそうした位相のフィードバック制御中に、保持制御量学習制御が実施されている。
保持制御量学習制御は、油圧アクチュエーターの位相変化速度が「0」となるデューティー指令値を特定してその値を保持制御量として学習する制御となっている。例えば、目標位相が一定時間を超えて変化していない状態で実位相も一定時間を超えて変化していないときに、その時点でのOCVのデューティー指令値を保持制御量として記憶更新することで保持制御量学習制御が行われている。
ところで、油圧アクチュエーターの作動油が高温となると、その粘度が低下して、OCVや油圧アクチュエーターの各部のクリアランスを通じてリークするオイルの量が増加する。そのため、高油温時には、両油室の油圧が低下して油圧アクチュエーターの実位相が目標位相付近でふらつくことがある。そしてそうした状態で保持制御量学習制御が実施されると、保持制御量に不適切な値が設定されてしまうことがある。
そこで従来、こうした高油温時の保持制御量の誤学習を防止するための技術として、特許文献1に記載の技術が提案されている。同文献に記載の技術では、高油温時には、保持制御量学習制御を禁止することで、誤学習を防止して、バルブタイミング制御の安定性を確保するようにしている。
特開2007−224744号公報
ところで、油圧アクチュエーターは、カムジャーナルでの摩擦等により、常時、遅角方向に付勢されており、その位相の保持を行うには、進角油室の油圧を遅角油室の油圧よりも若干高くして、そうした遅角方向の付勢力に対抗させる必要がある。すなわち、位相の保持を行うには、油圧アクチュエーターを、油圧に基づく力を進角方向に若干作用させた弱進角モードとする必要がある。
一方、オイル粘度が低下してオイルのリークが増大する高油温時には、デューティー指令値が同じでも、油室に供給される加圧油の油圧は低くなる。そのため、高油温時には、位相の保持に必要なデューティー指令値がより進角側の値となり、よって保持制御量が進角側の値に推移するようになる。そのため、高油温時に学習された保持制御量が、その学習時よりも低油温で使用されると、実位相が目標位相に対してオーバーシュートするなど、油圧アクチュエーターのフィードバック制御が不安定となってしまうようになる。
上記従来の技術のように、高油温時の保持デューティー学習を禁止するようにすれば、こうした制御の不安定化は、ある程度に緩和されるようにはなる。しかしながら、高油温時の保持デューティー指令値の学習を全面的に禁止すれば、高油温時の位相保持に必要なデューティー指令値が不明となるため、高油温下での保持制御性が悪化してしまうようになる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することを好適に防止することのできる油圧アクチュエーターの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、実位相を目標位相に収束させるべく位相のフィードバック制御を行うとともに、位相の変化速度が「0」となる制御指令値を保持制御量として学習する油圧アクチュエーターの制御装置をその前提としている。
こうした油圧アクチュエーターの制御装置では、オイル粘度が低くなり、オイルリークが増大する高油温時には、同一の制御指令値において油圧アクチュエーターに印加される油圧が低下するようになる。そのため、位相保持に必要な油圧を確保可能な制御指令値は油温に応じて変化するようになり、低油温時に、高油温下で学習された保持制御量を用いて位相制御を行えば、保持制御性が悪化して、位相のオーバーシュートが発生することがある。
その点、請求項1に記載の発明では、制御指令値の変化に対する位相の変化速度の変化が既定値より小さい制御指令値の不感帯の範囲を特定する特定手段と、保持制御量をその特定された不感帯の範囲内に制限する制限手段と、を備えるようにしている。そのため、保持制御量の値は、油温が幾ら変っても、制御指令値の不感帯の範囲内に保持されることになる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、高油温時の保持制御量の学習の結果として、低油温時に制御性が悪化することを好適に防止することができるようになる。ちなみに、こうした保持制御量の制限をフィードバック制御中に実施したとしても、不感帯の範囲内での保持制御量の更新は継続されるため、高油温下での保持制御性もある程度に確保することが可能である。
ところで、高油温時のフィードバック制御下で不感帯の範囲内に保持制御量の制限を行うと、そのときの位相の保持に必要なデューティー指令値と保持制御量とが乖離して、高油温下での保持制御性が悪化することがある。そこで高油温下での保持制御性を確保したいのであれば、請求項2に記載のように、フィードバック制御の終了後に制限に係る処理を実施したり、請求項3に記載のように、フィードバック制御の開始前に制限に係る処理を実施したりするように制限手段を構成すると良い。この場合、高油温時のフィードバック制御下では、成り行きに任せた保持制御量の更新が許容され、フィードバック制御が終了した後に上記のような保持制御量の制限が実施されるようになる。そのため、高油温下での保持制御性を確保しつつ、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時の制御性の悪化を防止することができるようになる。
なお、こうした本発明の油圧アクチュエーターの制御装置は、請求項4によるような、進角油室、遅角油室の2つの油室を備え、両油室の作動油の給排を通じて機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧アクチュエーターに適用することができる。そうした場合にあって、進角油室の油圧を前記遅角油室の油圧よりも高くした状態で前記位相の保持を行うように油圧アクチュエーターが構成されている場合には、請求項5によるように、不感帯の進角側の限界値よりも遅角側の値となるように保持制御量の制限を行うように制限手段を構成することで、高油温時の保持制御量の学習の結果、低油温時に制御性が悪化することを好適に防止することが可能となる。
本発明の一実施形態についてその全体構成を模式的に示す構成図。 同実施形態の適用される油圧アクチュエーターのデューティー指令値と位相変化速度との関係を示すグラフ。 同実施形態に適用される保持制御量設定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明の油圧アクチュエーターの制御装置を具体化した一実施形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態は、進角油室及び遅角油室の2つの油室を備え、両油室の作動油の給排を通じて機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧アクチュエーターに本発明の制御装置を適用したものとなっている。
図1は、本実施の形態の全体構成を示している。同図に示すように、本実施の形態の適用される内燃機関の油圧式バルブタイミング機構には、オイルを加圧して吐出する油圧ポンプ12と、油圧の供給に応じて作動する油圧アクチュエーター1と、油圧アクチュエーター1への油圧の供給態様を可変とするオイルコントロールバルブ(OCV)6とが設けられている。
油圧ポンプ12は、機関出力軸であるクランクシャフトの回転により駆動されて、オイルタンク11のオイルを汲み出すとともに、これを加圧して吐出する。
油圧アクチュエーター1は、内燃機関のカムシャフトに一体回転可能に接続されたベーンローター2と、カムスプロケットに一体回転可能に接続されたハウジング3とを備えている。なお、カムスプロケットは、タイミングチェーンを介して内燃機関のクランクシャフトに駆動連結されている。
略円筒形状に形成されたベーンローター2は、その外周からその径方向に突出する複数(同図では2つ)のベーンが形成されている。そして各ベーンは、略円環形状に形成されたハウジング3の内周に形成された周方向に延びる凹部にそれぞれ収容されている。
ハウジング3内周の凹部は、ベーンによって2つの油室に区画されている。このうち、ベーンに対してカムシャフトの反回転方向に形成された油室は、ベーンをカムシャフトの回転方向に付勢する油圧が導入される進角油室4となっており、もう一方の油室は、ベーンをカムシャフトの反回転方向に付勢する油圧が導入される遅角油室5となっている。
一方、OCV6は、円管状のスリーブ7と、そのスリーブ7内に摺動可能に配設されたスプール8とを備えている。スプール8は、ソレノイド9によりその一端が支持されるとともに、その他端がスプリング10により支持された状態でスリーブ7内に配設されている。
こうしたOCV6のスリーブ7には、供給ポートS、ドレインポートD、進角ポートA及び遅角ポートRの4つのポートが開口されており、各ポートの連通態様がスプール8の動作位置により変化するようになっている。ここで供給ポートSには、供給油路13を介して油圧ポンプ12が接続され、ドレインポートDには、オイルタンク11へのオイルの排出に用いられるドレイン油路14が接続されている。また進角ポートAには、油圧アクチュエーター1の進角油室4に連通された進角油路15が接続され、遅角ポートRには、油圧アクチュエーター1の遅角油室5に連通された遅角油路16が接続されている。
ここで、スプール8が中立域内に位置するときには、進角ポートA及び遅角ポートRは双方共に、供給ポートS及びドレインポートDのいずれにも接続されない状態となり、進角油室4、遅角油室5の双方に対する加圧油の給排が遮断されるようになる。なお厳密には、このときにも、進角油室4及び遅角油室5には、若干のオイルが供給されており、油圧アクチュエーター1の各部のクリアランスを通じてリークした分のオイルが進角油室4及び遅角油室5に補填されるようになっている。
ここでスプール8が中立域を超えて図中右方向(進角方向)に変位すると、進角ポートAが供給ポートSに、遅角ポートRがドレインポートDにそれぞれ接続された状態となり、進角油室4に加圧油が供給されるとともに、遅角油室5から加圧油が排出されるようになる(進角モード)。またスプール8が中立域を超えて図中左方向(遅角方向)に変位すると、遅角ポートRが供給ポートSに、進角ポートAがドレインポートDにそれぞれ接続された状態となり、進角油室4から加圧油が排出されるとともに、遅角油室5に加圧油が供給されるようになる(遅角モード)。
こうしたOCV6のスプール8は、ソレノイド9に供給される電流のデューティー制御を通じて駆動されている。こうしたソレノイド9の供給電流のデューティー制御は、電子制御ユニット17により実行されている。電子制御ユニット17は、中央演算処理装置(CPU)、読込専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、入出力ポート(I/O)を備えている。ここでCPUは、ソレノイド9の供給電流のデューティー制御に係る各種演算処理を実行し、ROMは、制御用のプログラムやデータを記憶する。またRAMは、CPUの演算結果やセンサーの検出結果等を一時的に記憶し、I/Oは、外部に対する信号の入出力を媒介するインターフェイスとして機能する。
こうした電子制御ユニット17の入力ポートには、油圧ポンプ12から吐出されたオイルの温度を検出する油温センサー18、クランクシャフトの位相を検出するクランク角センサー19、カムシャフトの位相を検出するカム角センサー20等の検出信号が入力されている。そして電子制御ユニット17は、クランク角センサー19及びカム角センサー20の検出結果から、現状の機関バルブのバルブタイミングを演算するようにしている。
さて、こうした本実施の形態では、上述したように、電子制御ユニット17は、OCV6のソレノイド9の供給電流をデューティー制御するようにしている。そしてそれにより、OCV6のスプール8を駆動して、進角油室4及び遅角油室5の加圧油の給排態様を変化させることで、油圧アクチュエーター1を駆動して、機関バルブのバルブタイミングを変化させるようにしている。
そして電子制御ユニット17は、油圧アクチュエーター1の位相を最遅角に保持する機関始動時及び機関停止時を除くほぼ全ての期間に、位相のフィードバック制御を行っている。このフィードバック制御は、カム角センサー20等の検出信号より演算された実位相が、機関運転状態に応じて設定された目標位相に収束するように、デューティー指令値を調整することで行われる。
図2は、OCV6のソレノイド9に対するデューティー指令値(制御指令値)と油圧アクチュエーター1の位相変化速度との関係を示している。同図に示すように、この油圧アクチュエーター1には、その位相変化速度が「0」となる保持制御量の前後に、デューティー指令値の変化に対する油圧アクチュエーター1の応答、すなわちその変位速度の変化が既定値より小さい不感帯が存在している。同図では、下限値D1から上限値D2までのデューティー指令値の範囲がこうした不感帯となっている。一方、デューティー指令値が不感帯の上限値D2を超えて増大すると、進角方向への油圧アクチュエーター1の変位速度は、デューティー指令値の増大に応じて線形的に増大するようになる。またデューティー指令値が不感帯の下限値D1を超えて減少すると、遅角方向への油圧アクチュエーター1の変位速度は、デューティー指令値の減少に応じて線形的に増大するようになる。
なお、本実施の形態では、電子制御ユニット17は、不感帯の下限値D1及び上限値D2を、学習を通じて特定するようにしている。この学習は、油圧アクチュエーター1の位相変化速度の絶対値を計算し、その前回値が所定の基準値よりも小さいが、今回値がその基準値よりも大きくなったときのデューティー指令値を不感帯の下限値D1又は上限値D2として学習することで行われる。
また本実施の形態では、油圧アクチュエーター1の位相変化速度が「0」となるデューティー指令値を特定してその値を保持制御量として学習する保持制御量学習制御が行われるようにもなっている。この保持制御量学習制御は、例えば、目標位相が一定時間を超えて変化していない状態で実位相も一定時間を超えて変化していないとき、その時点でのOCVのデューティー指令値を保持制御量として記憶更新することで行われている。
なお、本実施の形態の適用される油圧アクチュエーター1は、カムジャーナルでの摩擦等により、常時、遅角方向に付勢されており、位相の保持を行うには、進角油室4の油圧を遅角油室5の油圧よりも若干高くして、そうした遅角方向の付勢力に対抗させる必要がある。すなわち、位相の保持を行うには、油圧アクチュエーター1を、油圧に基づく力を進角方向に若干作用させた弱進角モードとする必要がある。
一方、油温が高くなってオイル粘度が低下すると、OCV6や油圧アクチュエーター1の各部のクリアランスを通じたオイルのリークが増大し、同一のデューティー指令値において油圧アクチュエーター1に印加される油圧が低下するようになる。そのため、高油温時には、デューティー指令値と位相変化速度との関係は、同図に破線で示すように、全体的に同図における右方向にシフトするようになる。そして位相の保持に必要なデューティー指令値は、高油温時には低油温時に比してより進角側の値となり、よって保持制御量が進角側の値に推移するようになる。そのため、低油温時に、高油温下で学習された保持制御量を用いて位相制御を行えば、保持制御性が悪化して、位相のオーバーシュートが発生することがある。
そこで本実施の形態では、デューティー指令値の変化に対する実位相の変化が既定値より小さい不感帯の範囲を特定するとともに、その特定された不感帯の範囲内に値が維持されるように保持制御量を制限するようにしている。より具体的には、不感帯の進角側の限界値である上限値D2よりも遅角側の値となるように保持制御量の制限を行うようにしている。そのため、本実施の形態では、保持制御量の値は、油温が幾ら変っても、制御指令値の不感帯の範囲内に保持されることになる。したがって、本実施の形態によれば、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することを好適に防止することができるようになる。
ただし、高油温時のフィードバック制御下で不感帯の上限値D2未満に保持制御量の制限を行うと、そのときの位相の保持に必要なデューティー指令値よりも保持制御量が小さくなり、高油温下での保持制御性が悪化する。そこで本実施の形態では、高油温時のフィードバック制御下では、成り行きに任せた保持制御量の更新を許容し、フィードバック制御が終了した後に上記のような保持制御量の制限を実施するようにしている。
図3は、本実施の形態に適用される保持制御量設定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、機関運転中、電子制御ユニット17によって、規定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS100において油圧アクチュエーター1が位相のフィードバック制御モード(F/Bモード)にあるか否かが判定される。本実施の形態では、油圧アクチュエーター1は、基本的には、機関始動時と機関停止時を除いた期間の殆どにおいて、F/Bモードで制御されるようになっている。
ここでF/Bモードにあれば(S100:YES)、ステップS101において、保持制御量の更新条件が成立しているか否かが判定される。ここで更新条件が成立していれば(S101:YES)、ステップS102において、保持制御量の更新がなされ、そうでなければ(S101:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。なお、保持制御量の更新条件は、例えば目標位相が一定時間を超えて変化していない状態で実位相も一定時間を超えて変化していないこと、となっている。
一方、F/Bモードになければ(S100:NO)、ステップS103において、前回の本ルーチンの実行時にF/Bモードであったか否かが、すなわち今回の本ルーチンの実行がF/Bモードの終了直後であるか否かが判定される。ここでF/Bモードの終了直後でなければ(S103:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、そうでなければ(S103:YES)、ステップS104の処理に移行される。
処理がステップS104に移行されると、そのステップS104において、現状の保持制御量の値が不感帯の上限値D2を上回っているか否かが判定される。そして保持制御量が不感帯の上限値D2以下であれば(S104:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、そうでなければステップS105において保持制御量の値が不感帯の上限値D2に更新される。すなわち、ここでは、不感帯の進角側の限界値(上限値D2)よりも遅角側の値となるように保持制御量の制限処理が行われる。
なお、こうした本実施の形態では、電子制御ユニット17が、上述の特定手段及び制限手段に相当する構成となっている。
以上の本実施の形態の油圧アクチュエーターの制御装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施の形態では、電子制御ユニット17は、デューティー指令値の変化に対する位相変化速度の変化が小さいデューティー指令値の不感帯の範囲を特定するようにしている。また電子制御ユニット17は、その特定された不感帯の範囲内に値が維持されるように保持制御量を制限するようにしている。そのため、保持制御量の値は、油温が幾ら変っても、デューティー指令値の不感帯の範囲内に保持されることになる。したがって、本実施の形態によれば、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することを好適に防止することができるようになる。
(2)本実施の形態では、電子制御ユニット17は、上記のような保持制御量の制限処理をフィードバック制御の終了後に実施するようにしている。そのため、高油温時のフィードバック制御下では、成り行きに任せた保持制御量の更新が許容され、フィードバック制御が終了した後に上記のような保持制御量の制限が実施されるようになる。したがって、本実施の形態によれば、高油温下での保持制御性を確保しつつ、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時の制御性の悪化を防止することができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、油圧アクチュエーター1の位相変化速度の絶対値を計算し、その前回値が所定の基準値よりも小さいが、今回値がその基準値よりも大きくなったときのデューティー指令値を不感帯の下限値D1又は上限値D2として学習することで、デューティー指令値の不感帯の範囲の特定を行うようにしていた。不感帯の特定方法は、これに限らず、任意の方法を採用することができる。別の特定方法としては、油圧アクチュエーター1の位相変化速度の絶対値が所定の基準値以下の範囲でのデューティー指令値の最小値を不感帯の下限値D1として学習し、同範囲でのデューティー指令値の最大値を不感帯の上限値D2として学習する方法もある。
・上記実施の形態では、目標位相が一定時間を超えて変化していない状態で実位相も一定時間を超えて変化していないとき、その時点でのOCVのデューティー指令値を保持制御量として記憶更新することで、保持制御量の学習を行うようにしていた。こうした保持制御量の学習方法は、これに限らず、任意の方法を採用することができる。
・上記実施の形態では、位相のフィードバック制御の終了後に保持制御量の制限処理を行うようにしていたが、フィードバック制御の開始前にそうした制限処理を行うようにしても良い。要は、位相フィードバック制御の終了から次回のフィードバック制御の開始迄の期間にそうした制限処理を行えば、高油温下での保持制御性を確保しつつ、低油温時の制御性の悪化を防止することができるようになる。
・上記実施の形態では、フィードバック制御を行っていない期間に保持制御量の制限を行うようにしていたが、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することの防止のみであれば、フィードバック制御中に保持制御量の制限を行ってもその達成は可能である。
・上記実施の形態では、進角油室4の油圧を遅角油室5の油圧よりも高くした状態で位相の保持を行うように油圧アクチュエーター1が構成されていた。こうした構成の場合は、不感帯の進角側の限界値よりも遅角側の値となるように保持制御量の制限を行うことで、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することの防止することができる。これとは逆に、例えばベーンローター2を進角側に付勢する機械ばねを内蔵する油圧アクチュエーターのように、遅角油室5の油圧を進角油室4の油圧よりも高くした状態で位相の保持を行うように構成された油圧アクチュエーターを考えられる。こうした油圧アクチュエーターの場合には、不感帯の遅角側の限界値よりも進角側の値となるように保持制御量の制限を行うようにすることで、高油温時の保持制御量の学習の結果として低油温時に制御性が悪化することの防止することができるようになる。
・上記実施の形態では、進角油室4、遅角油室5の2つの油室を備え、両油室の作動油の給排を通じて機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧アクチュエーターに本発明の制御装置を適用した場合を説明した。もっとも、本発明は、実位相を目標位相に収束させるための位相のフィードバック制御と位相の変化速度が「0」となる制御指令値を保持制御量として学習する学習制御とが行われる油圧アクチュエーターであれば、それ以外の用途、構成の油圧アクチュエーターにも、同様に適用することが可能である。
1…油圧アクチュエーター、2…ベーンローター、3…ハウジング、4…進角油室、5…遅角油室、6…オイルコントロールバルブ、7…スリーブ、8…スプール、9…ソレノイド、10…スプリング、11…オイルタンク、12…油圧ポンプ、13…供給油路、14…ドレイン油路、15…進角油路、16…遅角油路、17…電子制御ユニット(特定手段、制限手段)、18…油温センサー、19…クランク角センサー、20…カム角センサー、A…進角ポート、D…ドレインポート、R…遅角ポート、S…供給ポート。

Claims (5)

  1. 実位相を目標位相に収束させるべく位相のフィードバック制御を行うとともに、前記位相の変化速度が「0」となる制御指令値を保持制御量として学習する油圧アクチュエーターの制御装置において、
    前記制御指令値の変化に対する前記位相の変化速度の変化が既定値より小さい前記制御指令値の不感帯の範囲を特定する特定手段と、
    前記保持制御量をその特定された不感帯の範囲内に制限する制限手段と、
    を備えることを特徴とする油圧アクチュエーターの制御装置。
  2. 前記制限手段は、前記フィードバック制御の終了後に前記制限に係る処理を実施する
    請求項1に記載の油圧アクチュエーターの制御装置。
  3. 前記制限手段は、前記フィードバック制御の開始前に前記制限に係る処理を実施する
    請求項1に記載の油圧アクチュエーターの制御装置。
  4. 前記油圧アクチュエーターは、進角油室及び遅角油室の2つの油室を備え、両油室の作動油の給排を通じて機関バルブのバルブタイミングを可変とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の油圧アクチュエーターの制御装置。
  5. 前記油圧アクチュエーターは、前記進角油室の油圧を前記遅角油室の油圧よりも高くした状態で前記位相の保持を行うものであり、前記制限手段は、前記不感帯の進角側の限界値よりも遅角側の値となるように前記保持制御量の制限を行う
    請求項4に記載の油圧アクチュエーターの制御装置。
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