JP5383790B2 - 高分子圧電材料、及びその製造方法、並びに、圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子圧電材料、及びその製造方法、並びに、圧電素子に関する。
圧電材料としては、従来、セラミックス材料であるPZT(PBZrO−PbTiO系固溶体)が多く用いられてきたが、PZTは、鉛を含有することから、環境負荷が低く、また柔軟性に富む高分子圧電材料が用いられるようになってきている。
現在知られている高分子圧電材料は、主に以下の3種類に大別される。すなわち、ナイロン11、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ尿素などに代表されるポーリング型高分子と、ポリフッ化ビニリデン(β型)(PVDF)と、フッ化ビニリデンートリフルオロエチレン共重合体(P(VDF−TrFE))(75/25)などに代表される強誘電性高分子との3種類である。
しかしながら、高分子圧電材料は、圧電性においてPZTに及ばず、圧電性の向上が要求されている。そのため、種々の観点から高分子圧電材料の圧電性を向上することが試みられている。
例えば、強誘電性高分子であるPVDF、及びP(VDF−TrFE)は、高分子の中でも優れた圧電性を有し、圧電定数d31が20pC/N以上である。PVDF、及びP(VDF−TrFE)から形成されるフィルム材料は、延伸操作により、延伸方向に、高分子鎖を配向させた後に、コロナ放電などでフィルムの表裏に異種の電荷を付与することで、フィルム面垂直方向に電界を発生させ、高分子鎖の側鎖にあるフッ素を含む永久双極子を、電界方向に平行に配向させ、圧電性を付与する。しかし、分極したフィルム表面には、配向を打ち消す方向に、空気中の水やイオンのような異種電荷が付着しやすく、分極処理で、揃えた永久双極子の配向が緩和し、経時的に圧電性が顕著に低下するといった実用上の課題があった。
PVDFは、上記の高分子圧電材料の中で、最も圧電性の高い材料ではあるが、誘電率が高分子圧電材料の中では比較的高く、13であるため、圧電d定数を誘電率で割った値の圧電g定数(単位応力当たりの開放電圧)は小さくなる。また、PVDFは、電気から音響への変換効率は良いものの、音響から電気への変換効率については、改善が期待されていた。
近年、上記の高分子圧電材料以外に、ポリペプチドやポリ乳酸等の光学活性を有する高分子を用いることが着目されている。光学活性高分子は、機械的な延伸操作のみで圧電性が発現することが知られている。
光学活性を有する高分子の中でも、ポリ乳酸のような高分子結晶の圧電性は、螺旋軸方向に存在するC=O結合の永久双極子に起因する。特にポリ乳酸は、主鎖に対する側鎖の体積分率が小さく、体積あたりの永久双極子の割合が大きく、ヘリカルキラリティをもつ高分子の中でも理想的な高分子といえる。
延伸処理のみで圧電性を発現するポリ乳酸は、ポーリング処理が不要で、圧電率は数年にわたり減少しないことが知られている。
以上のように、ポリ乳酸には種々の圧電特性があるため、種々のポリ乳酸を用いた高分子圧電材料が報告されている。
例えば、ポリ乳酸の成型物を延伸処理することで、常温で、10pC/N程度の圧電率を示す高分子圧電材が開示されている(例えば、特開平5−152638号公報参照)。
また、ポリ乳酸結晶を高配向にするために、鍛造法と呼ばれる特殊な配向方法により18pC/N程度の高い圧電性を出すことも報告されている(例えば、特開2005−213376号公報参照)。
前記特開平5−152638号公報に示される10pC/N程度の圧電率は、延伸処理のみで圧電性を発現する高分子の中では高い値であるが、ポーリング処理を必要とする強誘電性高分子に比べると低い。
前記特開2005−213376号公報に示される方法では、広い面積にわたって均質なフィルムを作製することが極めて困難であり、ポリ乳酸系の圧電材料を利用できる範囲は制限を受ける。
また、前記特開平5−152638号公報及び前記特開2005−213376号公報に示される圧電材は、いずれも透明性において不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑み、ポーリング処理が不要で、圧電定数d14が大きく、透明性および弾力性に優れた高分子圧電材料、圧電素子、及び高分子圧電材料の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 重量平均分子量が、5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、25℃における圧電定数d14が10pC以上であり、X線回折法で得られる結晶化度が40%〜80%であり、かつ、ヘイズが0.5〜30である高分子圧電材料である。
<2> 前記ヘリカルキラル高分子が、下記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする前記<1>に記載の高分子圧電材料である。
<3> 前記高分子圧電材料が、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向に、構造周期が12.5nm〜80.0nmである低結晶相と高結晶相との連続構造を有し、前記螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向に、前記連続構造を実質的に有しない高分子圧電材料P1であり、さらに
示差走査熱量測定で得られる前記高分子圧電材料P1の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点をTm1、前記高分子圧電材料P1を前記Tm1+15℃に加熱し、5分溶融後、−10℃/分で0℃まで冷却して得られる高分子圧電材料P2について示差走査熱量測定することで得られ、ヘリカルキラル高分子に由来する融点をTm2としたとき、前記Tm1と前記Tm2との差が2℃〜10℃である前記<1>または前記<2>に記載の高分子圧電材料である。
<4> 前記高分子圧電材料が、示差走査熱量測定で得られ、ヘリカルキラル高分子に由来する融点を2つ以上有するとき、前記融点のうち最も低い融点Tm3と、前記融点Tm1との差が30℃以内である前記<3>に記載の高分子圧電材料である。
<5> 前記融点Tm1が、160℃以上250℃未満である前記<3>または前記<4>に記載の高分子圧電材料である。
<6> 前記ヘリカルキラル高分子は、光学純度が99.00%ee以上である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<7> 前記高分子圧電材料の、X線回折法で得られるα晶分率と、結晶化度〔%〕と、配向度との積が、3.0以上100未満である前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<8> 前記高分子圧電材料の、X線回折法で得られる配向度が0.90以上である前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<9> 前記高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、前記融点Tm1より低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下で、延伸処理して得られ、該延伸処理における延伸方向の縦弾性率が、2.0GPa〜10.0GPaである前記<3>〜前記<8>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<10> 主面の面積が5mm以上である前記<9>に記載の高分子圧電材料である。
<11>前記ヘイズが0.5〜15.61である前記<1>〜前記<10>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<12>無機フィラーを含み、高分子圧電材料の全質量に対する前記無機フィラーの含有量が1質量%未満である、前記<1>〜前記<11>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である。
<1> 少なくとも2つの面を有する高分子圧電材料と、前記高分子圧電材料の少なくとも2つの面に備えられた電極とを有し、前記高分子圧電材料が前記<1>〜前記<1>のいずれか1つに記載の高分子圧電材料である圧電素子である。
<1> 重量平均分子量が、5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含む高分子圧電材料を、該高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、差走査熱量測定で得られる該高分子圧電材料の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点Tm1より低い温度下、かつ10MPa〜10,000MPaの圧縮応力下で、延伸処理する高分子圧電材料の製造方法である。
<1> 前記延伸処理の前に、前記高分子圧電材料を、予め60℃〜170℃で、1分〜60分加熱する延伸前予熱処理をする前記<1>に記載の高分子圧電材料の製造方法である。
<1> 前記延伸処理の後に、アニール処理をする前記<1>または前記<1>に記載の高分子圧電材料の製造方法である。
本発明によれば、ポーリング処理が不要で、圧電定数d14が大きく、透明性および弾力性に優れた高分子圧電材料、圧電素子、及び高分子圧電材料の製造方法を提供することができる。
固相延伸において延伸倍率が低い高分子圧電材料の結晶構造を示す模式図である。 固相延伸において延伸倍率が高い高分子圧電材料の結晶構造を示す模式図である。 固相延伸装置の固相延伸処理部の一例を示す模式図(側面断面図)である。 ロール・ツー・ロール方式の固相延伸装置の一例を示す模式図(側面断面図)である。 実施例1における熱プレス処理の一例を示す模式図(斜視図)である。 実施例1における熱プレス機の一例を示す模式図(側面断面図)である。 実施例2における固相延伸の操作の一例を示す模式図(斜視図)である。 実施例2における固相延伸の操作の一例を示す模式図(側面断面図)である。 実施例2における固相延伸装置の一例を示す模式図(側面断面図)である。 実施例18〜実施例20、実施例22、及び実施例23の高分子圧電材料についてのSAXS曲線(TD方向)である。 実施例18〜実施例22の高分子圧電材料についてのSAXS曲線(MD方向)である。 実施例24〜実施例26の高分子圧電材料についてのSAXS曲線(TD方向)である。 実施例24〜実施例26の高分子圧電材料についてのSAXS曲線(MD方向)である。 実施例21、及び、実施例23の高分子圧電材料についての弾性率E’−温度曲線である。 実施例20、実施例25、及び、実施例27の高分子圧電材料についての比圧電定数−温度曲線である。
以下、実施形態により、本発明を説明する。
<高分子圧電材料>
本実施形態にかかる高分子圧電材料は、重量平均分子量が、5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、25℃における圧電定数d14が10pC/N以上であり、X線回折法で得られる結晶化度が40%〜80%であり、かつ、ヘイズが0.5〜30である。
高分子圧電材料を上記構成とすることで、ポーリング処理が不要で、圧電定数d14を大きく、透明性および弾力性に優れる高分子圧電材料とすることができる。
「圧電定数d14」とは、圧電率のテンソルの一つであり、延伸した材料の延伸軸方向に、ずり応力を印加したとき、ずり応力の方向に分極が生じるとき、単位ずり応力あたりの発生電荷密度をd14と定義する。圧電定数d14の数値が大きいほど圧電性が高いことを表す。本実施形態の高分子圧電材料は、少なくとも圧電定数d14が10pC/N以上であることが求められるが、12pC/N以上であることが好ましく、15pC/N以上であることがより好ましい。圧電定数d14は大きければ大きいほど好ましいが、高分子圧電材料の柔軟性を一定以上にするためには、50pC/N程度に調整される。
本実施形態において、単に『圧電定数』と称するときは、「圧電定数d14」を指す。
本実施形態において、高分子圧電材料の圧電定数は、10mm×3mm角の高分子圧電材料の試験片について、東洋精機製作所社製の「レオログラフソリッドS−1型」を用いて測定して得られる値である。具体的には、周波数10Hzで、室温にて試験片に印加される最大せん断ひずみが0.01%〜0.1%の範囲に収まるように、大よそ0.01N/m〜0.1N/mのせん断応力を印加し、該試験片の複素圧電率d14の実数部を測定した。
ここで、複素圧電率d14は、「d14=d14’―id14’’」として算出され、「d14’」と「id14’’」は東洋精機製作所社製「レオログラフソリッドS−1型」より得られる。「d14’」は、複素圧電率の実数部を表し、「id14’’」は、複素圧電率の虚数部を表し、d14’(複素圧電率の実数部)は本実施形態における圧電定数d14に相当する。
尚、複素圧電率の実数部が高いほど圧電性に優れることを示す。
〔光学活性を有するヘリカルキラル高分子〕
光学活性を有するヘリカルキラル高分子とは、分子構造が螺旋構造である分子光学活性を有する高分子をいう。
光学活性を有するヘリカルキラル高分子(以下、「光学活性高分子」ともいう)としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系樹脂、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
前記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ―ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
光学活性高分子は、高分子圧電材料の圧電性を向上する観点から、光学純度が99.00%ee以上であることが好ましく、99.50%ee以上であることがより好ましく、99.99%ee以上であることがさらに好ましい。望ましくは100.00%eeである。光学活性高分子の光学純度を上記範囲とすることで、圧電性を発現する高分子結晶のパッキング性が高くなり、その結果、圧電性が高くなるものと考えられる。
本実施形態において、光学活性高分子の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、『「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値を、光学純度とする。
なお、光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。
なお、具体的な測定の詳細については後述する。
以上の光学活性高分子の中でも、光学純度を上げ、圧電性を向上する観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする化合物が好ましい。
前記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする化合物としては、ポリ乳酸系樹脂が挙げられる。中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。
前記ポリ乳酸系樹脂とは、「ポリ乳酸」、「L−乳酸またはD−乳酸と、共重合可能な多官能性化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
前記「ポリ乳酸」は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子であり、ラクチドを経由するラクチド法と、溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法などによって製造できることが知られている。前記「ポリ乳酸」としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
前記「共重合可能な多官能性化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸、グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール、セルロース等の多糖類、及び、α−アミノ酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。
前記「乳酸と共重合可能な多官能性化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーが挙げられる。
前記ポリ乳酸系樹脂は、例えば、特開昭59−096123号、及び特開平7−033861号に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法や、米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法などにより製造することができる。
さらに、前記の各製造方法により得られた光学活性高分子は、光学純度を99.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を99.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
本実施形態に係る光学活性高分子は、重量平均分子量(Mw)が、5万〜100万である。
光学活性高分子の重量平均分子量の下限が、5万未満であると光学活性高分子を成型体としたときの機械的強度が不十分となる。光学活性高分子の重量平均分子量の下限は、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。一方、
光学活性高分子の重量平均分子量の上限が100万を超えると、光学活性高分子を成型体としたときのフィルムなどの押出成型などの成形をすることができない。重量平均分子量の上限は、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、前記光学活性高分子の分子量分布(Mw/Mn)は、延伸フィルムの強度、配向度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
光学活性高分子としてポリ乳酸系樹脂を用いるとき、ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量(Mw)を、5万以上とするためには、ラクチド法、または直接重合法により光学活性高分子を製造することが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料は、本実施形態の効果を損なわない限度において、前記光学活性高分子以外に、ポリエチレン樹脂やポリスチレン樹脂に代表される公知の樹脂や、シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の無機化合物、フタロシアニン等の公知の結晶核剤等他の成分を含有していてもよい。
例えば、高分子圧電材料を、気泡等のボイドの発生を抑えた透明なフィルムとするために、高分子圧電材料中に、ヒドロキシアパタイト等の無機フィラーをナノ分散してもよいが、無機のフィラーをナノ分散させるためには、凝集塊の解砕に大きなエネルギーが必要であり、また、フィラーがナノ分散しない場合、フィルムの透明度が低下する場合がある。本実施形態に係る高分子圧電材料が無機フィラーを含有するとき、高分子圧電材料全質量に対する無機フィラーの含有量は、1質量%未満とすることが好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料は、光学純度が99.00%ee以上の高純度の光学活性高分子を含むとき、ヒドロキシアパタイト等の無機フィラーをナノ分散させずとも透明なフィルムを得ることができ、また、光学活性高分子の光学純度および圧電定数向上の観点からも、本実施形態の高分子圧電材料は、前記光学活性高分子のみで構成されていることが好ましい。
本実施形態にかかる高分子圧電材料が光学活性高分子以外の成分を含む場合、当該光学活性高分子以外の成分の含有量は、高分子圧電材料全質量中に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明者らは、鋭意検討の結果、光学活性高分子の分子鎖を高密度に、一方向に配向させることで、さらに高い圧電性を有する高分子圧電材料を製造可能となることを見出した。すなわち、高分子圧電材料に含まれる光学活性高分子は結晶状態であり、結晶化度が高く、配向度が高いことが好ましい。
本実施形態に係る高分子圧電材料は、X線回折法で得られる結晶化度が、40%〜80%である。高分子圧電材料の圧電性を向上する観点から、50%以上が好ましく、さらに好ましくは55%以上である。一方、結晶化度の上限は、フィルムの柔軟性の観点から、80%であることが好ましく、より好ましくは70%である。
同様に、高分子圧電材料の圧電性を向上する観点から、X線回折法で得られる高分子圧電材料の配向度は、0.90以上であることが好ましく、0.94以上であることがより好ましい。
光学活性高分子の結晶化度および配向度は、高分子圧電材料を、X線回折装置で測定することにより確認することができる。
なお、測定方法の詳細は後述する。
また、本実施形態に係る高分子圧電材料は、X線回折法で得られる結晶化度が40%〜80%であり、結晶化度が高いにもかかわらず、透明性に優れ、ヘイズが、0.5〜30である。ヘイズは、厚さ0.05mmの高分子圧電材料に対して、ヘイズ測定機〔(有)東京電色製、TC-HIII DPK〕で測定したときの値であり、測定方法の詳細は後述する。高分子圧電材料のヘイズは、0.1〜10であることが好ましく、0.1〜5であることがより好ましい。
〔延伸処理〕
本実施形態の高分子圧電材料は、延伸処理を施した成形体とすることが好ましい。延伸方法は、特に制限されず、1軸延伸、2軸延伸、後述する固相延伸などの種々の延伸方法を用いることができる。
高分子圧電材料を延伸することにより、主面の面積が大きな高分子圧電材料を得ることができる。
ここで、「主面」とは、高分子圧電材料の表面の中で、最も面積の大きい面をいう。本実施形態の高分子圧電材料は、主面を2つ以上有してもよい。例えば、高分子圧電材料が、10mm×0.3mm四方の面Aと、3mm×0.3mm四方の面Bと、10mm×3mm四方の面Cとをそれぞれ2面ずつ有する板状体である場合、当該高分子圧電材料の主面は面Cであり、2つの主面を有する。
本実施形態において、主面の面積が大きいとは、高分子圧電材料の主面の面積が5mm以上であることをいい、10mm以上であることが好ましい。
また、「固相延伸」とは、『高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点Tm1より低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下での延伸』をいい、高分子圧電材料の圧電性をより向上させ、また透明性及び弾力性を向上する観点から好ましい延伸方法である。
高分子圧電材料を固相延伸することで、本実施形態の高分子圧電材料に含まれる光学活性高分子の分子鎖を、一方向に配向させ、かつ高密度に整列させることができ、より高い圧電性が得られると推測される。
ここで、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg〔℃〕および高分子圧電材料の融点Tm〔℃〕は、前記示差走査型熱量計(DSC)を用い、高分子圧電材料に対して、昇温速度10℃/分の条件で、温度を上昇させたときの、融解吸熱曲線から、曲線の屈曲点として得られるガラス転移温度(Tg)と、吸熱反応のピーク値として確認される温度(Tm)である。
融解吸熱曲線から得られる吸熱反応のピークは、高分子圧電材料が1種のヘリカルキラル高分子のみを含む場合であっても、ヘリカルキラル高分子の材質や、高分子圧電材料の延伸態様等により(例えば、延伸倍率が高いとき)2つ以上得られることがある。高分子圧電材料が、2種以上のヘリカルキラル高分子を含んだり、ヘリカルキラル高分子以外の高分子をも含む場合には、さらに多くの吸熱ピークを有することも考えられる。本実施形態に係る高分子圧電材料について、「高分子圧電材料が、示差走査熱量測定で得られる融点を2つ以上有する」とは、上記吸熱反応のピークが2つ以上得られることを意味する。本実施形態に係る高分子圧電材料の融点につき、Tm1及びTm3とは、吸熱反応のピークが2つ以上得られた場合における各ピーク値の温度(融点)のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する融点の中で、最も高い融点(Tm1)及び最も低い融点(Tm3)をいう。
また、本実施形態に係る高分子圧電材料について、上記吸熱反応のピークが1つのみ得られる場合には、当該1つのピークにおける温度(Tm)を、かかる高分子圧電材料の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点Tm1とする。
なお、本発明において、「高分子圧電材料の融点Tm1」、「高分子圧電材料の融点Tm2」、及び「高分子圧電材料の融点Tm3」、あるいは、単に、「Tm1」、「Tm2」、及び「Tm3」と称するときは、いずれも、ヘリカルキラル高分子に由来する融点としてのTm1、Tm2、及びTm3を指す。
高分子圧電材料の延伸温度は、1軸延伸方法や2軸延伸方法等のように、引張力のみで高分子圧電材料を延伸する場合は、高分子圧電材料のガラス転移温度より10℃〜20℃程度高い温度範囲であることが好ましい。例えば、ポリ乳酸を高分子圧電材料として用いる場合においては、60℃〜80℃で高分子圧電材料を延伸することが好ましい。
固相延伸による高分子圧電材料の延伸温度は、高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tm1より低い温度下であることが好ましく、さらに好ましくは、Tms±20℃の温度範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、Tms±10℃の温度範囲であることが好ましい。
ここで、「Tms」とは、固相延伸する前の高分子圧電材料の融解吸熱曲線において、固相延伸する前の高分子圧電材料の融解が始まる変曲点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する変曲点における温度をいう。なお、固相延伸する前の高分子圧電材料の融解吸熱曲線は、Tmの測定と同様に、前記示差走査型熱量計(DSC)を用い、固相延伸する前の高分子圧電材料について、昇温速度10℃/分の条件で、温度を上昇させたときに得られる融解吸熱曲線である。
固相延伸の延伸温度を、上記範囲とすることにより、高分子圧電材料内に存在する結晶ラメラを融解させることなく、配向方向に伸びきり鎖状の高分子結晶を多数作製することが可能となる。
また、Tm1以上の温度域で高分子圧電材料を延伸すると、光学活性高分子の樹脂内の高分子結晶が融解し、光学活性高分子の結晶化度と、配向度が低下し、圧電定数が低減する場合があり、好ましくない。
圧縮応力は、50MPa〜5000MPaが好ましく、100MPa〜3000MPaであることがより好ましい。
尚、本実施形態において、圧縮応力とは、キャピログラフ等の装置で、ビュレットを用いて固相延伸する場合、固相延伸時のキャピログラフのシリンダーの荷重(N)を出口の金型の穴面積(m)で除算した値とする。また、圧延ロールなどで固相延伸する場合は、ロールの軸受け全体に印加する荷重を、圧延される領域の面積(m)で除算した値とする。ロールの軸受けに印加する荷重は、ロードセルなどで測定され、また、圧延される領域の面積は、例えば、圧力測定用フィルムセンサー(富士フイルム社製プレスケール)などで計測される。
さらに、本実施形態の高分子圧電材料がポリ乳酸の場合は、前記Tm1が160℃以上250℃未満あることが好ましく、160℃以上220度未満であることがより好ましい。
本実施形態の高分子圧電材料がポリ乳酸の場合は、Tm1を上記範囲とすることで、圧電性発現に相関のある、緻密な結晶状態が保証され、高い圧電性を発現することが可能となる。
固相延伸は、高分子圧電材料の主面に圧縮応力を印加しながら、該主面に平行な、少なくとも1方向に、延伸配向させることが好ましい。
光学純度が高い光学活性高分子を含む本実施形態の高分子圧電材料は、前記固相延伸を施すことにより、より高い圧電性を有する高分子圧電材料を実現することができる。
前記延伸処理における延伸倍率は、高い圧電性を発現するα晶を多く生成する倍率に最適化される。延伸倍率は、高分子圧電材料それぞれによって、また延伸方法によって異なり、一概にある範囲に限定することはできないが、高分子圧電材料としてポリ乳酸樹脂を用いる場合には、概ね、3倍から30倍の範囲で延伸することにより、α晶が多く生成する。さらに好ましくは、4倍から15倍の範囲で延伸することが好ましい。
前記α晶の生成は、理学電機社製ディフラクトメータRINT2550X線回折装置を用いて、出力40kV,370mAのCuKα線を使用したとき、得られる子午線方向(MD方法)の回折プロファイルにより測定できる。α型結晶(0010)反射は回折角2θ=32°近傍、β型結晶(003)反射は回折角2θ=31°近傍と、α晶由来のピークより低い回折角に出現する。
高分子圧電材料のX線回折測定から得られるα晶由来のピーク強度とβ晶由来のピーク強度より、α晶分率を下式により定義し、算出する。
α結晶分率=I(0010)α/[I(003)β+I(0010)α] (1)
〔前記式(1)中、I(0010)αはα晶由来のピーク強度を表し、I(003)βはβ晶由来のピーク強度を表す。〕
α晶分率は、0.1〜0.99とすることが好ましく、0.15〜0.99とすることがより好ましい。
また、X線回折測定から得られるα晶分率と、結晶化度と、配向度の積が、3.0以上100未満であることが好ましく、6.5以上100未満であることがより好ましく、7.0以上50未満であることがさらに好ましく、8.0以上20未満であることが特に好ましい。
圧電性向上に正の相関があると考えられる主要な3つの因子である、X線回折測定から得られるα晶分率と、結晶化度と、配向度の積が、上記範囲にあることで、より高い圧電性を発現することが可能となる。
一般に、結晶性高分子からなる固相延伸前のフィルムは、溶融状態から、徐冷することにより、ラメラ晶からなる球晶を生成する。また溶融状態から、ガラス転移温度Tgから融点Tmの間の任意の温度に設定した熱プレスなどで、等温結晶化し、フィルム内に球晶を生成することも可能である。その際、等温結晶化させる温度、結晶化時間を制御することにより、ラメラ晶を構成する結晶の種類(α晶、β晶、γ晶)、結晶分率を制御することが可能となる。個々の樹脂に応じてより圧電性の高い結晶の結晶分率を多くつくりこみ、フィルム全体の圧電性の向上につなげることが可能となる。
例えば、ヘリカルキラル高分子としてポリ乳酸を用いた場合は、110℃近傍で等温結晶化することで、ラメラ晶を構成する結晶のうち、α晶の割合を増やし、高分子材料の圧電定数を大きくすることができる。
前記延伸処理をする前の高分子圧電材料は、施そうとする延伸処理が1軸延伸方法や2軸延伸方法などのように引張力のみで延伸する処理である場合は、結晶化度が低く、できるだけ非晶質部が多い状態であることが望ましい。
例えば、ポリ乳酸のみから構成される高分子圧電材料を延伸処理する場合において、ポリ乳酸で非晶質部が多いフィルムを作製するには、高分子圧電材料を溶融押し出ししたフィルムを、当該高分子圧電材料のガラス転移温度Tg以下の温度に設定した金属ロールで、急冷することなどで実現することができる。
高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tm1より低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下で延伸する場合、すなわち、固相延伸により延伸処理を施す前のフィルムは、高分子圧電材料に含まれる光学活性高分子が結晶性高分子である場合には、高分子圧電材料の結晶化度が低い状態で、圧縮応力を印加しながら、高倍率の延伸を行うと、フィルムが破断や、白化したりするため、高分子圧電材料の結晶化度を高くした状態で延伸することが好ましい。高分子圧電材料の結晶化度を高くする方法としては、示差走査型熱量計(DSC)を用いた場合の、結晶化に伴う発熱ピークの温度Tc近傍の温度で一定時間熱処理することにより、結晶化度を向上させたり、また、結晶性高分子を熱プレスなどで、圧縮応力を印加した状態で融解させた後、徐冷することによって結晶化度を向上させたりすることが可能である。
概ね、延伸前の高分子圧電材料のDSC測定による結晶化度は、50%以上が好ましく、さらに好ましくは60%以上である。
高分子圧電材料の延伸は、高分子圧電材料を、後述するロールやビュレットに挟んで圧力を負荷することにより行なわれる。高分子圧電材料の延伸を、ビュレットを用いて行なうときは、ビュレットに挟んだ高分子圧電材料に圧力を負荷する前に、すなわち延伸前に、高分子圧電材料を、予め60℃〜170℃で、1分〜60分加熱する延伸前予熱処理をすることが好ましい。
延伸前予熱処理の温度は、100℃〜160℃であることが好ましく、予熱時間は、5 分〜30分であることが好ましい。
圧電定数を向上させる観点から、延伸処理を施した後の高分子圧電材料を、一定の熱処理(以下「アニール」、または「アニール処理」とも称する)することが好ましい。
アニールの温度は、概ね80℃〜160℃であることが好ましく、100℃〜155℃あることがさらに好ましい。
アニールの温度印加方法は、特に限定されないが、熱風ヒータや赤外線ヒータを用いて直接加熱したり、加熱したシリコンオイルなど、加熱した液体に高分子圧電材料を浸漬すること等が挙げられる。
このとき、線膨張により高分子圧電材料が変形すると、実用上平坦なフィルムを得ることが困難になるため、高分子圧電材料に一定の引張応力(例えば、0.01MPa〜100Mpa)を印加し、高分子圧電材料がたるまないようにしながら温度を印加することが好ましい。
アニールの温度印加時間は、1秒〜300秒であることが好ましく、1秒から60秒の範囲で加熱することがさらに好ましい。300秒を超えてアニールをすると、高分子圧電材料のガラス転移温度より高い温度で、非晶部分の分子鎖から球晶が成長することにより配向度が低下する場合があり、その結果、圧電性が低下する場合がある。
上記のようにしてアニールされた高分子圧電材料は、アニール処理した後に急冷することが好ましい。アニール処理において、「急冷する」とは、アニールした高分子圧電材料を、アニール処理直後に、例えば氷水中等に浸漬して、少なくともガラス転移点Tg以下に冷やすことをいい、アニール処理と氷水中等への浸漬との間に他の処理が含まれないことをいう。
急冷の方法は、水、氷水、エタノール、ドライアイスを入れたエタノールやメタノール、液体窒素などの冷媒に、アニールした高分子圧電材料を浸漬する方法や、蒸気圧の低い液体スプレーを吹き付け、蒸発潜熱により冷却したりする方法が挙げられる。連続的に高分子圧電材料を冷却するには、高分子圧電材料のガラス転移温度Tg以下の温度に管理された金属ロールと、高分子圧電材料とを接触させるなどして、急冷することが可能である。
また、冷却の回数は、1回のみであっても、2回以上であってもよく、さらには、アニールと冷却とを交互に繰り返し行なうことも可能である。
−縦弾性率−
本実施形態の高分子圧電材料がポリ乳酸の場合は、前記延伸処理における延伸方向の縦弾性率が、2.0GPa〜10.0GPaであることが好ましく、4.0GPa〜10.0GPaであることがより好ましく、4.5GPa〜6GPaであることがさらに好ましい。
前記縦弾性率が、前記範囲であることで、圧電定数に相関のある結晶化度と配向度とがそれぞれ高い状態となることが保証され、高い圧電性を発現することが可能となる。また、本実施形態の高分子圧電材料の弾性率は、高分子圧電材料を固相延伸により延伸することで、1軸延伸された高分子圧電材料よりも温度依存性を低くすることができる。
ここで、「延伸処理における」とは、高分子圧電材料を1軸延伸処理や固相延伸処理等の種々の延伸処理を完了した後の状態をいい、アニール処理及びアニール後の急冷を行った後の状態をいう。
なお、延伸処理における延伸方向の縦弾性率の測定方法の詳細は後述する。
本実施形態に係る高分子圧電材料は、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向に、構造周期が12.5nm〜80.0nmである低結晶相と高結晶相との連続構造(連続構造A)を有し、前記螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向には、前記連続構造Aを実質的に有しない高分子圧電材料(高分子圧電材料P1)であることが好ましい。
高分子圧電材料P1の結晶構造を、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る高分子圧電材料を、固相延伸により延伸したときに、延伸倍率が低い場合(例えば、延伸倍率が4倍)の高分子圧電材料の結晶構造を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る高分子圧電材料を、固相延伸により延伸したときに、延伸倍率が高い場合(例えば、延伸倍率が10倍)の高分子圧電材料の結晶構造を示す模式図である。高分子圧電材料P1の結晶構造は、図2に示される結晶構造を有すると考えられる。
図1及び図2に示されるMDは、高分子圧電材料の延伸方向(Machine Direction)を表し、TDは、MD方向に直交する方向(Trans−verse Direction)を表す。
図1には、高結晶相102と低結晶相104が示されている。また、図2には、高結晶相106と低結晶相108が示されている。なお、高結晶相とは、非晶部分よりも結晶部分の割合が高い領域であり、例えば、ラメラ晶等を含んで構成される。低結晶相は、結晶部分よりも非晶部分の割合が高い領域である。
固相延伸において、高分子圧電材料は、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向に延伸される。図1及び図2に示すように、延伸倍率が低い場合にも高い場合にも、高分子圧電材料の延伸方向(MD方向)に、低結晶相104と高結晶相102、または低結晶相106と高結晶相108が並んで配置し、低結晶相104と高結晶相102との連続構造、または低結晶相106と高結晶相108との連続構造をなしていると考えられる。
しかし、延伸倍率が高い場合の低結晶相106と高結晶相108との連続構造の構造周期(周期間隔)T2は、延伸倍率が低い場合の低結晶相102と高結晶相104との連続構造の構造周期T1よりも短くなりなり易い。具体的には、低結晶相106と高結晶相108との連続構造(連続構造A)の構造周期T2は12.5nm〜80.0nmである。
一方、高分子圧電材料の延伸方向(MD方向)と直交する方向(TD方向)、すなわち、螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向においては、高分子圧電材料の延伸倍率が低い場合には、MD方向と同様に、低結晶相104と高結晶相102との連続構造をなしている。
しかし、高分子圧電材料の延伸倍率が高くなることにより、低結晶相は、領域が狭まった低結晶相108となり、高分子圧電材料の延伸倍率が高い場合における低結晶相106と高結晶相108とは、前記連続構造Aを実質的に有しない。
本実施形態に係る高分子圧電材料は、延伸方向(MD方向)の弾力性に優れる。これは、TD方向において高結晶相108が詰まって並び、MD方向では一定の間隔をもって並んでいるためと考えられる。
図1及び図2に示される結晶構造の変化は、小角X線散乱(Small Angle X−ray Scattering;以下、「SAXS」とも称する)により裏づけられる。SAXS測定では種々の解析方法が用いられるが、本実施形態においては、SAXS測定において用いられるX線の波長λ〔nm〕と、散乱角2θ〔rad〕との間に「λq=4πsinθ」の関係を有する散乱ベクトルqに対して、散乱ベクトルqにおける強度I(q)をプロットしたSAXS曲線〔縦軸がI(q)、横軸がq〕を用いて解析した。
本発明においては、SAXS測定は、大型放射光施設SPring−8(兵庫県)に設置されている小角広角散乱実験ビームラインBL40B2で実施したが、(株)リガク等が市販している装置でも、同様の測定が可能である。
SAXS測定方法(条件)の詳細は後述する。
本実施形態に係る高分子圧電材料の好ましい態様として説明した前記高分子圧電材料P1、すなわち、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向に、構造周期が12.5nm〜80.0nmである低結晶相と高結晶相との連続構造(連続構造A)を有し、前記螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向には、前記連続構造Aを実質的に有しない高分子圧電材料を、SAXS(小角X線散乱)測定から把握される見地で換言すると、次のように表現することができる。
すなわち、本実施形態に係る高分子圧電材料は、波長0.1nm(1Å)のX線を用いた小角X線散乱測定から、X線の波長λ〔nm〕と、散乱角2θ〔rad〕との間に、λq=4πsinθの関係を有する散乱ベクトルqに対して、散乱ベクトルqにおける強度I(q)をプロットし、公知の方法でスムージング(移動平均法)して得られる小角X線散乱曲線〔縦軸がI(q)、横軸がq〕で、qが0.05〜0.0078である範囲において、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向にピークが観測され、前記螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向には、ピークが観測されない高分子圧電材料(高分子圧電材料P1’)であることが好ましい。
なお前記ピークとは、散乱ベクトルqに対して、散乱ベクトルqにおける強度I(q)をプロットした際のノイズは含まれない。ノイズとは、具体的には、2〜5個程度の少数のプロット点(測定点)で形成される凸形状をいう。
−融点特性−
以上のようにして得られる本実施形態の高分子圧電材料は、融点がTm1である高分子圧電材料を前記Tm1+15℃に加熱し、5分溶融後、−10℃/分で0℃まで冷却して得られる高分子圧電材料の融点をTm2としたとき、前記Tm1と前記Tm2との差は2℃〜10℃である融点特性を有することが好ましい。前記Tm1と前記Tm2との差は、3℃〜10℃であることがより好ましく、4℃〜10℃であることが更に好ましい。
融点がTm1である高分子圧電材料の加熱は、具体的には、本実施形態の高分子圧電材料を、室温(例えば、20℃)から毎分10℃加熱し(+10℃/min)、高分子圧電材料のTm1+15℃(以下、「T」とも称する)まで昇温させる。このとき、示差走査熱量測定で得られる融点のうち、最も高い温度が融点Tm1である。示差走査熱量測定で得られる融点とは、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)により得られた融解吸熱曲線のピークの温度である。
なお、既述のように、融解吸熱曲線のピークが1つのみであるときは、かかるピークの温度がTm1である。
温度Tからの冷却は、具体的には、前記温度Tまで加熱した高分子圧電材料を、温度Tで5分間保持し、ついで、温度Tから毎分10℃温度を下げ(−10℃/min)、0℃まで冷却する。さらに、高分子圧電材料の冷却後、毎分10℃加熱し(+10℃/min)、温度Tまで昇温する。このとき示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)得られる融解吸熱曲線のピーク温度をTm2とする。
さらに、本実施形態に係る高分子圧電材料が、示差走査熱量測定から得られる融解吸熱曲線のピークが2つ以上となり、融点を2つ以上有する高分子圧電材料である場合には、最も低い融点Tm3と、前記Tm1と、の差が30℃以内であることが好ましい。Tm1とTm3との差が、30℃以内であることで、高分子圧電材料の高結晶相が小さくなりにくいと考えられる。
Tm1とTm3との差は、3℃〜30℃であることがより好ましい。
高分子圧電材料を量産する場合の高分子圧電材料の固相延伸処理について説明する。
まず概略すると、量産時の固相延伸処理は、高分子圧電材料の溶融押出フィルムを圧延する前に、加熱処理して結晶化度を高める。次いで、高分子圧電材料フィルムを「高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tm1より低い温度」に加熱し(プレヒート)、加熱圧延ロール対のロール間を通過させて圧延する。さらに圧延後のフィルムをアニールし、アニール後に急冷することにより固相延伸処理が完了する。
次に、本実施形態に係る高分子圧電材料を量産する場合の高分子圧電材料の固相延伸処理の一例を図3および図4を用いて説明する。
まず、高分子圧電材料の延伸倍率(圧延倍率)について説明する。
図3は、固相延伸装置の固相延伸処理部の一例を表す模式図(側面断面図)である。図3には、高分子圧電材料フィルム52と、高分子圧電材料フィルムを圧延する加熱圧延ロール対54と、圧延前の高分子圧電材料フィルムを予め温めるためのプレヒート部56とを有する。加熱圧延ロール対54は、加熱圧延ロール54aと加熱圧延ロール54bとにより構成され、加熱圧延ロール54aは反時計回り(矢印q方向)に回転し、加熱圧延ロール54bは時計回り(矢印r方向)に回転する。加熱圧延ロール54aと54bの回転数は、同一でもよいし、また、異なる回転数により、フィルムに、ずり応力を印加し、配向度をさらに向上させ、圧電性を向上させることなども可能である。
なお、加熱圧延ロール対54と、プレヒート部56は、高分子圧電材料フィルムを「高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、高分子圧電材料の融点Tm1より低い温度」に加熱可能な温度に設定される。
高分子圧電材料フィルム52は、フィルム進行方向Pに搬送され、プレヒート部56で温められ、加熱圧延ロール対54に挟まれた部分を境に、圧延前の高分子圧電材料フィルム52aと、圧延後の高分子圧電材料フィルム52bとに分かれる。高分子圧電材料フィルムの圧延の倍率は、圧延前の高分子圧電材料フィルム52aのフィルム厚Fと、加熱圧延ロール対54のロール間隔fとの比により、おおよそ決定される。例えば延伸前の厚みが600μm(F=600μm)の高分子圧電材料フィルムを、ロール間隔が100μm(f=100μm)の加熱圧延ロールを通過させると、6倍の固相延伸が可能となる。
高分子圧電材料の生産性を上げるために、加熱圧延ロールを複数並べて、多段で高分子圧電材料フィルムを圧延することも可能である。
次に、量産時の固相延伸処理の全体構成について説明する。
図4は、ロール・ツー・ロール方式の固相延伸装置の構成の一例を表す模式図(側面断面図)である。図4に示す固相延伸装置においては、高分子圧電材料フィルムを、2段階に延伸(圧延)した上で、圧延後の高分子圧電材料フィルムをアニールし、急冷する方式をとっている。
高分子圧電材料フィルムは、反時計回り(矢印s方向)に回転して高分子圧電材料フィルムを収納する巻出し部62、反時計回り(矢印t方向)に回転して圧延後の高分子圧電材料フィルムを巻き取り回収する巻取り部64、架張ロール66、及び冷却ロール68により張られ、緊張している。高分子圧電材料フィルムは、図4では記載を省略しているが、延伸処理中は、巻出し部62と巻取り部64とを結ぶ実線上を進行する。
巻出し部62から巻き出された高分子圧電材料フィルムは、まず、プレヒート部72と加熱圧延ロール対82とを有する第1の加熱圧延部により圧延され、ついで、プレヒート部74と加熱圧延ロール対84とを有する第2の加熱圧延部により圧延される。2段階の圧延を経た高分子圧電材料フィルムは、ロール対90を介してアニールヒート部76にて80℃〜160℃で加熱される(アニール処理)。アニールヒート部76で加熱された高分子圧電材料フィルムは、冷却ロール68に接触することで急冷される。冷却ロール68は、水冷配管を配置するなどして、ロール表面が冷却されている。
冷却ロール68により冷却された高分子圧電材料フィルムは、巻取り部64にて巻回して固相延伸処理加工を完了する。
なお、本固相延伸装置が、図示しない蛇行防止装置や、フィルムテンション制御装置などを有していることも好ましい態様である。
本実施形態の高分子圧電材料は、以上のように圧電定数d14が大きく、透明性及び弾力性に優れ、主面の面積が大きな圧電材料であるので、スピーカー、ヘッドホン、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
このとき、本実施形態の高分子圧電材料は、少なくとも2つの面を有し、当該面には電極が備えられた圧電素子として用いられることが好ましい。電極は、高分子圧電材料の少なくとも2つの面に備えられていればよい。前記電極としては、特に制限されないが、例えば、ITO、ZnO、IZO(登録商標)、導電性ポリマー等が用いられる。
特に高分子圧電材料の主面に電極を備える場合には、透明性のある電極を備えることが好ましい。ここで、電極について、透明性があるとは、具体的には、ヘイズが20以下(全光線透過率が80%以上)であることをいう。
また、本実施形態の高分子圧電材料を用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、アクチュエータ等への応用に好適である。
以下、本実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<1軸延伸フィルムの作製>
−延伸前フィルムA11の作製−
光学活性を有する樹脂〔ポリ乳酸(PURAC社製、登録商標PURASORB PD、分子量Mw:60万、融点(Tm1)191℃、Tg60℃、Tms164℃)〕のペレットを約4g秤量し、250mm角、厚さ5mmのSUS製板2枚の間に、直径150mmの円板状の孔が空いた厚さ0.15mmの250mm角のアルミ板のスペーサを介して挟み込み、東洋精機社製熱プレス(商標:ミニテストプレス)にて、温度230℃に設定した熱板で、5MPaで3分保持した(以上の処理を「熱プレス処理」と称する)。
上記熱プレス処理後、加圧したまま、空冷ファンで、急速に室温に戻し、直径150mm、厚さ150μmの円板状の延伸前フィルムA11を得た。
上記のポリ乳酸の円板状のシート得る具体的手段を図面で説明する。
図5には、スペーサ4を、2枚のSUS製板2で挟む熱プレス処理の模式図(斜視図)が示されている。図6には、2枚のSUS製板2で挟まれたポリ乳酸のペレット6を熱板でプレスする加熱加圧装置(熱プレス機)10の模式図(側面断面図)が示されている。
図5において、スペーサ4は厚さ0.15mmの250mm角のアルミ板であり、中央に直径150mmの円板状の孔が空いている。また、SUS製板2は、250mm角、厚さ5mmのステンレス鋼板である。
ポリ乳酸のペレット6は、スペーサ4の円板状の孔に収納され、2枚のSUS製板2で挟んだ。
スペーサ4と、ポリ乳酸のペレット6とを挟んだ2枚のSUS製板2を、図6に示すように、さらに2枚の熱板8で挟み、熱プレス機10で加圧した。
−1軸延伸−
次に1軸延伸するため、熱プレスした延伸前フィルムA11から、幅100mm、長さ50mmの矩形のフィルムA12を切り出した。
切り出したフィルムを、柴山科学器械製作所社製高分子フィルム二軸延伸装置SS−60にセットし、1軸延伸チャックのみで、フィルムA12の100mmの長辺部の両端を、長辺の端から1cmの範囲をチャックで固定し、実質的に延伸前のフィルムの形状が幅100mm、長さ30mmとなるようにセットした。装置内の設定温度を70℃に設定した後、延伸装置の庫内温度およびフィルムの表面温度が70℃に到達して直ぐに、延伸操作を開始した。
延伸条件は、延伸装置の庫内温度の設定温度70℃、延伸倍率6倍、延伸速度30mm/分で操作し、フィルムA12を延伸した。
このようにして、幅50mm、長さ180mm、厚さ0.05mm、面積7200mm、延伸倍率6倍のフィルムA13を得た。
−アニール処理−
次にアニール処理するために、延伸装置にフィルムA13をチャックしたまま、装置内の設定温度を、150℃にセットし、150℃に到達してから150℃を15秒保持した後、フィルムにサンハヤト社製134aQREIスプレー(冷却スプレー)を吹き付け、ガラス転移点以下の温度に冷却した。
このようにして実施例1の高分子圧電材料1を作製した。
〔実施例2〕
<固相延伸フィルムの作製>
−延伸前フィルムA21の作製−
延伸前フィルムA11の作製において、スペーサを、直径150mmの円板状の孔が空いた厚さ0.6mmの250mm角のアルミ板のスペーサに代え、熱板の設定温度205℃に代えた他は同様にして熱プレス処理を行なった。熱処理後、熱プレス機の設定温度を、室温25℃にセットして、加圧したまま徐々に室温に戻し、圧縮溶融成型を行った。このようにして、直径150mm、厚さ600μmの延伸前シートA21を得た。
−固相延伸−
次に固相延伸するため、熱プレスした延伸前フィルムA21から、幅7mm、長さ35mmの矩形のフィルムA22を切り出した。
切り出したフィルムA22を、1対のメチルペンテンポリマー(三井化学社製、商標TPX)からなるビュレットで挟んだ後、東洋精機社製のキャピログラフで延伸処理した。
上記固相延伸の具体的手段を、図面を用いて説明する。
図7Aは、矩形のフィルムを一対のビュレットで挟む順序を示す模式図(斜視図)を示し、図7Bは、矩形のフィルムが一対のビュレットで挟まれた状態を示す模式図(側面断面図)を示す。また、図8は、矩形のフィルムを挟んだ一対のビュレットを、加熱加圧装置(固相延伸装置)にセットした模式図(側面断面図)を示す。
図7Aおよび図7Bには、一端が円錐形である円筒を、円筒の長さ方向に半分に割った形状のビュレット12と、矩形のフィルム16とが示されている。実施例2では、矩形のフィルム16(フィルムA22)を、図7Aおよび図7Bに示されるように、フィルム16の主面と、ビュレット12の平坦面とが対峙するようにして配置し、一対のビュレット12で挟んだ。
図8には、フィルム16(フィルムA22)を挟んだ一対のビュレット12と、一対のビュレットを加圧して挟む加熱加圧装置(固相延伸装置)30が示されている。加熱加圧装置30は、半円筒状の溝を有する一対のヒーターブロック18と、一対のヒーターブロック18によって挟まれた一対のビュレット12中のフィルム16を矢印方向に押し出すためのシリンダー20と、一対のビュレット12を押さえる金型22と、金型止めネジ24とを有する。
フィルム16(フィルムA22)を挟んだ一対のビュレット12を、半円錐形状の一端が下方に向くように、加熱加圧装置30にセットし、加熱及び加圧することで、フィルム16(フィルムA22)は下方に延伸した。
なお、固相延伸の延伸条件は、設定温度160℃、延伸倍率6倍、シリンダー速度2mm/分とした。圧縮応力は200MPaであった。
固相延伸により得られたフィルムA23は、幅3mm、長さ180mm、厚さ0.3mmの面積540mmのフィルムとなり、長さ方向に6倍の延伸が行われた。
−アニール処理−
次にアニール処理するために、作製したフィルムA23を、フィルムA23が弛まないように、フィルムA23の主面の上下左右の両端に張力を印加しながら、150℃のシリコンオイルを満たしたオイルバスに15秒浸漬直後、氷水に浸漬し、急冷した。
このようにして、実施例2の高分子圧電材料2を作製した。
〔実施例3〜実施例16〕
実施例2において用いた樹脂に代えて、表1に示すポリ乳酸のペレットを使用し、延伸条件を表1に示す条件にした以外は全て実施例2と同様にして実施例3〜実施例16の高分子圧電材料3〜16を作製した。
〔実施例17、及び、比較例1〕
実施例1において用いた樹脂に代えて、表1に示すポリ乳酸のペレットを使用した以外は全て実施例1と同様にして実施例17の高分子圧電材料17、及び、比較例1の高分子圧電材料101を作製した。
表1中、「PL」と示される樹脂(ポリ乳酸)については、下記のものを用いた。
・PURAC社製、品名PURASORB PL65、分子量Mw:65万、Tm1:191℃、Tg:61℃、Tms:167℃
・PURAC社製、品名PURASORB PL32、分子量Mw:32万、Tm1:195℃、Tg:60℃、Tms:167℃
・PURAC社製、品名PURASORB PL18、分子量Mw:18万、Tm1:192℃、Tg:61℃、Tms:168℃
表1中、「PD」と示される樹脂(ポリ乳酸)については、下記のものを用いた。
・PURAC社製、品名PURASORB PD、分子量Mw:60万、Tm1:191℃、Tg60℃、Tms:164℃
表1中、「LA」と示される樹脂(ポリ乳酸)については、下記のものを用いた。
・三井化学社製、品名LACEA(H−100)、分子量Mw:15万、Tm1:176℃、Tg:59℃、Tms:160℃
以上のようにして得られた実施例の高分子圧電材料1〜17及び比較例の高分子圧電材料101について、各高分子圧電材料に含まれる樹脂(光学活性高分子)の光学純度、分子量分布(Mw/Mn)、並びに、各高分子圧電材料のガラス転移温度Tg、融点Tm1、圧電定数、結晶化度、配向度、及び縦弾性率を測定した。結果を表1及び表2に示す。
また、実施例1〜17の高分子圧電材料について、ヘイズを測定した。結果を表2に示す。
具体的には、次のようにして測定した。
<光学純度>
光学純度は、HPLCを用いた下記方法で、実施例および比較例の各高分子圧電材料に含まれる樹脂(光学活性高分子)のL体とD体の量を測定し、下記式
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
により算出した。
結果を表1に示した。
−樹脂(光学活性高分子)のL体量とD体量の測定−
50mLの三角フラスコに1.0gのサンプル(高分子圧電材料1)を秤り込み、IPA(イソプロピルアルコール)2.5mLと、5.0mol/L水酸化ナトリウム溶液5mLとを加えた。
サンプル溶液が入った前記三角フラスコを、温度40℃の水浴に入れ、ポリ乳酸が完全に加水分解するまで、約5時間攪拌した。
前記サンプル溶液を室温まで冷却後、1.0mol/L塩酸溶液を20mL加えて中和し、三角フラスコを密栓してよくかき混ぜる。サンプル溶液の1.0mLを25mLのメスフラスコに取り分け、移動相で25mLとしてHPLC試料溶液1を調製した。
HPLC試料溶液1を、HPLC装置に5μL注入し、下記HPLC条件で、ポリ乳酸のD/L体ピーク面積を求め、L体の量とD体の量を算出した。
−HPLC測定条件−
・カラム
光学分割カラム、(株)住化分析センター製 SUMICHIRAL OA5000
・測定装置
日本分光社製 液体クロマトグラフィ
・カラム温度
25℃
・移動相
1.0mM−硫酸銅(II)緩衝液/IPA=98/2(V/V)
硫酸銅(II)/IPA/水=156.4mg/20mL/980mL
・移動相流量
1.0ml/分
・検出器
紫外線検出器(UV254nm)
<分子量分布>
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、実施例および比較例の各高分子圧電材料に含まれる樹脂(光学活性高分子)の分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
−GPC測定方法−
・測定装置
Waters社製GPC−100
・カラム
昭和電工社製、Shodex LF−804
・サンプルの調製
実施例および比較例の各高分子圧電材料を、それぞれ40℃で溶媒〔クロロホルム〕へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備した。
・測定条件
サンプル溶液0.1mlを溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。樹脂の分子量は、ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、各樹脂の重量平均分子量(Mw)を算出した。
結果を表1に示した。
<ガラス転移温度Tg、融点Tm1>
実施例および比較例の各高分子圧電材料を、それぞれ10mg正確に秤量し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定し、融解吸熱曲線を得た。得られた融解吸熱曲線で測定された吸熱ピークのうち、最も高い温度に位置するピークの温度(ピーク温度)を融点Tm1とした。なお、実施例および比較例の各高分子圧電材料は、いずれもヘリカルキラル高分子により構成されるため、実施例および比較例の各高分子圧電材料の融解吸熱曲線から得られる吸熱ピークは、いずれもヘリカルキラル高分子由来の吸熱ピークである。
ガラス転移温度Tgは、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定し、融解吸熱曲線から求めた。また、固相延伸する前の高分子圧電材料の融解が始まる変曲点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する変曲点における温度TmsもTgと同様の条件で求めた。
結果を表2に示した。
<圧電定数(d14)>
実施例および比較例の各高分子圧電材料を、それぞれ長さ1cm、幅3mmにカットして、試験片を作製した。
得られた試験片を、東洋精機製作所社製の「レオログラフソリッドS−1型」を用いて、周波数10Hz、各試験片の複素圧電率d14を室温にて測定した。複素圧電率d14は、「d14=d14’―id14’’」として算出した。圧電定数測定は5回行い、d14’の平均値を圧電定数として表2に示した。
なお、圧電定数の測定時のせん断ひずみは0.05%で測定した。
<融点特性評価>
次に、実施例および比較例の各高分子圧電材料を、室温から毎分10℃加熱し(+10℃/min)、Tm1+15℃(以下「T」という)まで昇温させた。このとき示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)得られた融解吸熱曲線のピーク温度をTm1とした。
高分子圧電材料をTで5分間(300秒間)保持し、ついで200℃から毎分10℃温度を下げ(−10℃/min)、0℃まで冷却した。高分子圧電材料の冷却後、毎分10℃加熱し(+10℃/min)、Tまで昇温した。このとき示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)得られた融解吸熱曲線のピーク温度をTm2とした。
結果を表2に示す。なお、表2中に示される「Tm1−Tm2(℃)」の欄に示される数値は、絶対値である。
<結晶化度>
次に、X線回折法により、各高分子圧電材料の結晶化度〔%〕を測定した。装置はリガク社製「RINT2500」および、リガク社製の結晶化度解析プログラムを用い、試料の回折プロファイルを結晶部と非晶部にピーク分離して、面積比より結晶化度を算出した。非晶ハロー形状は、融液から急冷した試料の回折プロファイル形状を参照した。
測定条件は、次のようにした。
X線源:CuKα
出力:50kV、300mA
測定範囲:2θ=5〜35°
検出器:シンチレーションカウンター
結果を表2に示した。
<配向度>
次に、X線回折法により、各高分子圧電材料の配向度を測定した。
試料を試料ホルダーに固定し、2θ=16°付近のピークの方位角分布強度を測定した。
装置はリガク社製「RINT2550」を用い、測定条件は、次のようにした。
X線源:CuKα
出力:40kV、370mA
測定範囲:β=−100〜500°
検出器:シンチレーションカウンター
結果を表2に示した。
測定した方位角分布曲線より、軸配向度を次式により算出した。
軸配向度 F=(180−α)/180
〔上記式中、αは配向由来ピークの半価幅を表す〕
<α晶分率>
次に、X線回折法により、各高分子圧電材料の結晶分率を測定した。
試料を試料ホルダーに固定し、広角X線回折反射法により子午線方向(試料のMD方向)の回折プロファイルを測定した。装置はリガク社製「RINT2550」を用い、測定条件は、次のようにした。
X線源:CuKα
出力:40kV、370mA
測定範囲:2θ/θ=26〜36°
検出器:シンチレーションカウンター
α型結晶(0010)反射は回折角2θ=32°近傍、β型結晶(003)反射は回折角2θ=31°近傍と、α晶由来のピークより低い回折角に出現する。
高分子圧電材料のX線回折測定から得られるα晶由来のピーク強度〔I(0010)α〕とβ晶由来のピーク強度〔I(003)β〕より、α晶分率を下式(1)により定義し、算出した。
α結晶分率=I(0010)α/[I(003)β+I(0010)α] 式(1)
尚、ピーク強度をピーク高さとした。
結果を表2に示した。
<縦弾性率>
レオメトリック社製「RSAII」により各高分子圧電材料の延伸方向の縦弾性率〔GPa〕を測定した。測定条件は、次のようにした。
測定装置:RSAII(レオメトリック社製、商品名)
測定モード:引張
試料サイズ:幅3.0mm×長さ30mm
測定温度:室温(25℃±5℃)
測定周波数:10Hz
ひずみ:0.01%
結果を表2に示した。
<ヘイズ>
実施例1〜27の高分子圧電材料のヘイズ値を、下記測定条件下で下記装置を用いて、厚さ方向の光透過性を測定することにより、高分子圧電材料のヘイズを測定した。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIIIDPK
試料サイズ:幅3mm×長さ30mm、厚さ0.05 mm
測定条件:JIS−K7105に準拠
測定温度:室温(25℃)
結果を表2に示した。
表1中、樹脂欄において「PD」とは、『PURAC社製、PURASORB PD』であり、「PL」とは、『PURAC社製、PURASORB PL』であり、「LA」とは『三井化学社製、LACEA(H−100)』であり、実施例及び比較例では、それぞれ表1に示すキラリティ(D体、L体の区別)、分子量(Mw)、及び光学純度の樹脂を用いた。光学純度の単位は〔%ee〕である。
また、「熱プレス」欄における「プレス温度」は、熱プレス処理時の加熱温度を表し、「プレス後冷却」は、熱プレス処理後に、空冷ファンで急速に室温に戻した場合を「急冷」、熱プレス処理後、熱プレス機の設定温度を室温25℃にセットしてシートを加圧したまま徐々に室温に戻した場合を「徐冷」として示した。
〔比較例2〜比較例4〕
次のようにして比較例2〜比較例4の高分子圧電材料102〜104を製造した。得られた高分子圧電材料102〜104について、実施例1の高分子圧電材料1と同様にして、圧電定数とヘイズ値を測定した。
〔比較例2〕
ヘリカルキラル高分子〔三井化学社製、ポリ乳酸H−100、登録商標LACEA、重量平均分子量Mw:15万)のペレットを約4g秤量し、250mm角、厚さ5mmのSUS製板2枚の間に、直径150mmの円板状の孔が空いた厚さ0.15mmの250mm角のアルミ板のスペーサを介して挟み込み、東洋精機社製熱プレス(商標:ミニテストプレス)にて、温度205℃に設定した熱板で、5MPaで3分保持した。上記熱プレス処理後、加圧したまま、空冷ファンで、急速に室温に戻し、直径150mm、厚さ150μmの円板状のフィルムを得た。
−1軸延伸−
次に、フィルムを1軸延伸するため、熱プレスした円板状のフィルムから、幅100mm、長さ50mmの矩形のフィルムを切り出した。このフィルムを108℃に設定したオーブンに、2分保持した後、急冷し、延伸前フィルムとした。
延伸前フィルムを、柴山科学器械製作所社製高分子フィルム二軸延伸装置SS−60にセットし、1軸延伸チャックのみで、フィルムの100mmの長辺部の両端を、長辺の端から1cmの範囲をチャックで固定し、実質的に延伸前のフィルムの形状が幅100mm、長さ30mmとなるようにセットした。
延伸装置内の設定温度を80℃に設定した後、延伸装置の庫内温度およびフィルムの表面温度が80℃に到達して直ぐに、延伸操作を開始した。延伸条件は、延伸装置の庫内温度の設定温度80℃、延伸倍率4倍、延伸速度30mm/分で操作し、フィルムを延伸した。
フィルムの延伸後、庫内温度の設定温度を108℃に設定し、庫内温度およびフィルムの表面温度が108℃に到達した後、そのまま2分保持し、フィルムにサンハヤト社製134aQREIスプレー(冷却スプレー)を吹き付け、フィルムのガラス転移点以下の温度まで冷却した。
このようにして比較例2の高分子圧電材料102を作製した。得られた高分子圧電材料102について、実施例1の高分子圧電材料1と同様にして圧電性を評価(圧電定数測定)した結果、圧電定数は、10pC/Nであった。また、同様に、ヘイズを評価した結果、高分子圧電材料102のヘイズ値は74.1であった。
〔比較例3〕
比較例2の高分子圧電材料102の作成において、ヘリカルキラル高分子として、三井化学社製、ポリ乳酸H−400(登録商標LACEA、重量平均分子量Mw:20万)のペレットを用いた以外は、同様にして、比較例3の高分子圧電材料103を作製した。
得られた高分子圧電材料103について、実施例1の高分子圧電材料1と同様にして圧電性を評価(圧電定数測定)した結果、圧電定数は、10pC/Nであった。また、同様に、ヘイズを評価した結果、高分子圧電材料103のヘイズ値は50.7であった。
〔比較例4〕
比較例2の高分子圧電材料102の作成において、ヘリカルキラル高分子として、PURAC社製、登録商標PURASORB PD(重量分子量Mw:60万)のペレットを用いた以外は、同様にして、比較例4の高分子圧電材料104を作製した。
得られた高分子圧電材料104について、実施例1の高分子圧電材料1と同様にして圧電性を評価(圧電定数測定)した結果、圧電定数は、12pC/Nであった。また、同様に、ヘイズを評価した結果、高分子圧電材料104のヘイズ値は70.8であった。
〔実施例18〜実施例22、及び実施例24〜実施例26〕
実施例2の高分子圧電材料2の製造において、表3に示すポリ乳酸のペレットを使用し、熱プレス処理の温度を表3に示す温度として延伸前シートを得、得られた延伸前シートについて下記延伸前予熱処理を施した以外は同様にして、実施例18〜実施例22、及び実施例24〜実施例26の高分子圧電材料18〜22、及び高分子圧電材料24〜26を作製した。
−延伸前予熱処理−
延伸前予熱処理は次のようにして行なった。
実施例2の延伸前シートA21の作製において、実施例2で用いた樹脂(PD)に代えて、表3に示すポリ乳酸のペレットを使用し、熱プレス処理の温度を表3に示す温度としたほかは同様にして、実施例18〜実施例22、及び実施例24〜実施例26の延伸前シートを作製した。得られた延伸前シートを前記ビュレットで挟んだまま、ビュレットを加熱し、延伸前シートを130℃〜160℃で15分間加熱した(延伸前予熱処理)。
−固相延伸−
延伸前予熱処理を施した延伸前シートは、実施例2の延伸前予熱処理A21と同様にして固相延伸した。
〔実施例23、及び、実施例27〕
実施例1において用いた樹脂に代えて、表3に示すポリ乳酸のペレットを使用し、熱プレス処理の温度を表3に示す温度とし、さらに熱プレス後に、熱プレス機の設定温度を室温25℃にセットして加圧したまま徐々に室温に戻して延伸前シートを得た以外は、実施例1と同様にして実施例23の高分子圧電材料23、及び、実施例27の高分子圧電材料27を作製した。
表3中、「PD」と示される樹脂(ポリ乳酸)については、下記のものを用いた。
・PURAC社製、品名PURASORB PD、分子量Mw:60万、Tm1:191℃、Tg60℃、Tms:164℃
表3中、「LA」と示される樹脂(ポリ乳酸)については、下記のものを用いた。
・三井化学社製、品名LACEA(H−100)、分子量Mw:15万、Tm1:176℃、Tg:59℃、Tms:160℃
<評価>
以上のようにして得られた実施例18〜27の高分子圧電材料18〜27について、各高分子圧電材料に含まれる樹脂(光学活性高分子)の光学純度、分子量分布(Mw/Mn)、並びに、各高分子圧電材料のガラス転移温度Tg、変曲点における温度Tms、融点Tm1、Tm2、圧電定数、結晶化度、配向度、縦弾性率、及びヘイズを測定した。結果を表3及び表4に示す。
なお、各高分子圧電材料に含まれる樹脂(光学活性高分子)の光学純度、分子量分布(Mw/Mn)、並びに、各高分子圧電材料のガラス転移温度Tg、変曲点における温度Tms、融点Tm1、Tm2、圧電定数、結晶化度、配向度、縦弾性率、及びヘイズの測定は、いずれも、既述の高分子圧電材料1〜17を用いた測定と同様にして行なった。表4中の「Tm1−Tm2(℃)」の欄に示される数値は、絶対値である。
高分子圧電材料18〜27については、Tm1測定において、示差走査型熱量計で得られた融解吸熱曲線が、2つ以上の吸熱ピークを示した場合には、最も高い温度に位置するピークの温度である融点Tm1の他に、最も低い温度に位置するピークの温度である融点Tm3も測定し、表4に示した。また、表4には、融点特性評価で得られたTm1とTm3との差(Tm1−Tm3)も示した。なお、表3中に示される「Tm1−Tm3(℃)」の欄に示される数値は、絶対値である。
表3中、樹脂欄において「PD」とは、『PURAC社製、PURASORB PD』であり、「LA」とは『三井化学社製、LACEA(H−100)』であり、実施例及び比較例では、それぞれ表3に示すキラリティ(D体、L体の区別)、分子量(Mw)、及び光学純度の樹脂を用いた。光学純度の単位は〔%ee〕である。
また、「熱プレス」欄における「プレス温度」は、熱プレス処理時の加熱温度を表し、「プレス後冷却」の「徐冷」は、熱プレス処理後、熱プレス機の設定温度を室温25℃にセットしてシートを加圧したまま徐々に室温に戻したことを示す。
さらに、高分子圧電材料18〜26について、SAXS(小角X線散乱)測定を行い、高分子圧電材料21及び23について、弾性率の温度依存性評価を行い、実施例20、実施例25、及び実施例27の高分子圧電材料20、25、及び27については、圧電定数の温度依存性評価を行なった。詳細は次のとおりである。
−SAXS測定−
高分子圧電材料18〜26について、下記測定条件の下、下記装置を用いてSAXS測定を行なった。SAXS測定は、高分子圧電材料18〜26の延伸方向であるMD方向および、MD方向に直交するTD方向についてそれぞれ測定した。結果を図9〜図12に示す。なお、高分子圧電材料21については、TD方向についてのSAXS測定は行なっていない。
(測定装置)
SAXS測定は、大型放射光施設SPring−8(兵庫県)に設置されている小角広角散乱実験ビームラインBL40B2で実施した。
(測定条件)
・X線は、波長が1Å(0.1nm)であるX線を用いた。
・検出器はCCDを用いた。
・測定は、室温(25℃)にて実施した。
・試料サイズは3mm×30mmとした。
図9は、実施例18〜実施例20、実施例22、及び実施例23の高分子圧電材料18〜20、22、及び23についてのSAXS曲線(TD方向)である。図10は、実施例18〜実施例22の高分子圧電材料18〜22についてのSAXS曲線(MD方向)である。図11は、実施例24〜実施例26の高分子圧電材料24〜26についてのSAXS曲線(TD方向)である。図12は、実施例24〜実施例26の高分子圧電材料24〜26についてのSAXS曲線(MD方向)である。
図9及び図10において、プロットA〜Fで表される曲線は、それぞれ、高分子圧電材料18〜23についての曲線を表す。図11及び図12において、プロットG〜Iで表される曲線は、それぞれ、高分子圧電材料24〜26についての曲線を表す。
SAXS曲線の、qが0.01〔Å−1〕よりも大きい領域からは、高分子圧電材料の結晶構造が把握される。
図9及び図10において、プロットA、B、C、D、及びEは、固相延伸により150℃で延伸処理され、延伸倍率が、それぞれ4、6、8、10、及び12の高分子圧電材料18〜22のSAXS曲線である。プロットFは、延伸処理が異なり、1軸延伸により70℃で延伸処理され、延伸倍率が6倍の高分子圧電材料23のSAXS曲線である。
図9からは、高分子圧電材料の延伸方向と直交する方向、すなわち、TD方向の結晶構造が把握される。図9において、延伸倍率が低い(4倍)高分子圧電材料18のプロットAと、延伸倍率が高い(12倍)高分子圧電材料22のプロットEと、を比較すると、散乱ベクトルqが0.02〔Å−1〕付近において、プロットAはブロードなピークを有するのに対し、プロットEではかかるピークを有さず、強度I(q)が小さくなっている。これは、高い延伸倍率で高分子圧電材料を延伸することで、低結晶相が潰され小さくなっていることを表すと考えられる。
上記の散乱ベクトルqが0.01〔Å−1〕よりも大きい領域におけるブロードなピークの変化は、図11のプロットG、H、及びIで示されるSAXS曲線からも把握される。プロットG、H、及びIは、固相延伸により130℃で延伸処理され、延伸倍率が、それぞれ4、6、及び8の高分子圧電材料24〜26のSAXS曲線である。
図11において、延伸倍率が低い(4倍)高分子圧電材料24のプロットGと、延伸倍率が高い(8倍)高分子圧電材料26のプロットIと、を比較すると、散乱ベクトルqが0.03〔Å−1〕付近において、プロットAはブロードなピークを有するのに対し、プロットEではかかるピークを有さず、強度I(q)が小さくなっている。
高分子圧電材料26においても、低結晶相が潰され小さくなっていると考えられる。
また、高分子圧電材料の延伸方向、すなわちMD方向の結晶構造は、図10及び図12から把握される。図10においても、図12においても、散乱ベクトルqが0.01〔Å−1〕よりも大きい領域にブロードなピークが示されている。従って、MD方向においては、延伸倍率が低い高分子圧電材料であっても、延伸倍率が高い高分子圧電材料であっても、低結晶相の領域が潰れずに、低結晶相と高結晶相とが並んだ連続構造を有する結晶構造をなしていると考えられる。
図9のプロットAの曲線から、延伸倍率が低い(4倍)高分子圧電材料18は、TD方向に50nmの構造周期で低結晶相と高結晶相との連続構造をなしていることがわかる。図10のプロットAの曲線から、高分子圧電材料18が、MD方向に40nmの構造周期で低結晶相と高結晶相との連続構造をなしていることがわかる。
一方、図9のプロットEの曲線から、延伸倍率が高い(12倍)高分子圧電材料22は、TD方向に12.5〜80.0nmの範囲の構造周期が見られず、低結晶相と高結晶相との周期的な連続構造を形成していないことがわかる。図10のプロットEの曲線から、高分子圧電材料22が、MD方向に30nmの構造周期で低結晶相と高結晶相との連続構造をなしていることがわかる。
このように、延伸倍率が低い(4倍)高分子圧電材料18では、低結晶相と高結晶相との連続構造をなしているが、延伸倍率が高い(12倍)高分子圧電材料22は、MD方向には低結晶相と高結晶相との連続構造が確認されるもののと、TD方向には低結晶相と高結晶相との連続構造が実質的にないことがわかった。
−弾性率の温度依存性評価−
実施例21の高分子圧電材料21と、実施例23の高分子圧電材料23を用い、下記測定装置を用い、下記測定条件で、高分子圧電材料の弾性率の温度依存性を評価した。
・測定装置:レオメトリック社製、RSAII
・測定条件:引張モード
・測定温度:室温(25℃±5℃)
・測定周波数:10Hz
・ひずみ:0.1%
・試料サイズ:幅3.0mm×長さ30mm
結果を図13に示す。
図13は、高分子圧電材料21と高分子圧電材料23の弾性率E’−温度曲線である。図13において、プロットAで示される曲線は、固相延伸により160℃で延伸処理され、延伸倍率が10倍の高分子圧電材料21の弾性率変化を表す。プロットBで示される曲線は、1軸延伸により70℃で延伸処理され、延伸倍率が6倍の高分子圧電材料23の弾性率変化を表す。
1軸延伸により延伸処理された高分子圧電材料23は、60℃〜90℃において大きく弾性率E’が小さくなるのに対し、固相延伸により延伸処理された高分子圧電材料21は、70℃付近から弾性率E’が変化するものの、その変化量または変化幅は小さく、弾性率E’が温度に依存し難いことがわかった。
実施例の高分子圧電材料は、いずれも圧電定数が10.0pC/N以上であり、いずれの高分子圧電材料もポーリング処理は不要であった。また、さらに透明性および弾力性にも優れることがわかった。
特に、固相延伸処理を施した高分子圧電材料は、温度依存し難い弾力性を有することから、かかる高分子圧電材料を、熱を持ちやすい電子機器の製造原料として用いても、高分子圧電材料の効果を損ない難いと考えられる。
−圧電定数の温度依存性評価−
また、実施例20、実施例25、及び実施例27の高分子圧電材料20、25、及び27については、表4に示す圧電定数の測定において、さらに、圧電定数の温度依存性についても評価した。評価結果を図14に示す。
図14は、実施例20、実施例25、及び、実施例27の高分子圧電材料20、25、及び27についての比圧電定数−温度曲線である。
ここで、「比圧電定数」とは、高分子圧電材料20、25、及び27について、25℃における圧電定数に対する各温度の圧電定数の割合を示す。つまり、25℃における圧電定数をD25、温度T℃における圧電定数をDとしたとき、比圧電定数は「D/D25」で表される。
図14において、曲線Aは、延伸倍率6倍で1軸延伸により延伸処理された実施例27の高分子圧電材料27についての比圧電定数−温度曲線を示す。曲線Bは、延伸倍率6倍で固相延伸により延伸処理された実施例25の高分子圧電材料25についての比圧電定数−温度曲線を示し、曲線Cは、延伸倍率8倍で固相延伸により延伸処理された実施例20の高分子圧電材料20についての比圧電定数−温度曲線を示す。
曲線Aと、曲線B及び曲線Cとの比較からわかるように、高分子圧電材料が固相延伸により延伸処理されることで、圧電定数は温度に依存しにくく安定した数値を保つことがわかった。かかる結果より、固相延伸により延伸処理された高分子圧電材料を、圧電素子や圧電デバイスの材料として用いれば、温度変化によって圧電性が変化し難く、安定した機能を有する圧電素子や圧電デバイスを製造することができると推測される。
〔実施例28〕
次のようにして、実施例21の高分子圧電材料21を用いて圧電素子1を製造し、圧電素子1を用いた圧電デバイスを製造した。
−圧電素子1の製造−
高分子圧電材料21を、溶融押出成型機により230℃で溶融させた後、20℃のキャストロールに接触させ、幅200mm、厚さ300μmの急冷フィルムを得た。本フィルムを、100℃で3hrアニールし、フィルム内に、球晶をつくり、結晶化度を向上させた。このフィルムを、160℃に予熱し、さらに、ロール温度160℃に設定した圧延ロールにて、圧延し、球晶をつぶし、フィルムの流れ方向に、延伸倍率5倍に延伸配向させ、厚さ60μmのフィルムとした。本フィルムを弛まないように張力をかけながら、150℃に設定したロールにフィルム両面を接触させ、アニール処理した後、20℃に設定したロールにフィルムの両面を接触させ急冷し、幅200mm高分子圧電フィルムとした。さらに幅130mm、縦160mmの矩形状に切断し、圧電素子1を製造した。
−圧電デバイス1の製造−
圧電素子1130mm×160mmの圧電素子1の片面の辺部を、幅3mmの金属リボンによりマスクをした後、スパッタ装置を用いて、厚さ50nmのITO透明導電皮膜を形成した。同様にして、圧電素子1の反対側の面にもマスクを形成した後、ITO透明導電皮膜を形成し、圧電デバイス1〔透明圧電スピーカー〕を製造した。
得られた圧電素子1は、圧電定数が、18pC/N、ヘイズ値が、10であった。また、圧電素子1を用いて製造された圧電デバイス1を、長手方向に、極率半径(30)cmに湾曲させた、額縁にセットし、200Vpp、1kHzの正弦波印加したとき、スピーカーから10cm離れた位置での音圧は、リオン精密騒音計NA−40で計測した結果、80dBであった。このように、本実施形態に係る圧電素子及び圧電デバイスは、透明性、音圧に優れ、圧電スピーカーに関する種々の分野で好適に応用できると考えられる。
2 SUS製板
4 スペーサ
10 加熱加圧装置(熱プレス機)
12 ビュレット
16 フィルム(延伸前フィルム)
18 ヒーターブロック
20 シリンダー
22 金型
24 金型止めネジ
30 加熱加圧装置(固相延伸装置)
52 高分子圧電材料フィルム
54 加熱圧延ロール対
56 プレヒート部
62 巻出し部
64 巻取り部
68 冷却ロール
72 プレヒート部
74 プレヒート部
76 アニールヒート部
82 加熱圧延ロール対
84 加熱圧延ロール対
102 高結晶相
104 低結晶相
106 高結晶相
108 低結晶相
日本出願2009−061401および日本出願2009−061402の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (16)

  1. 重量平均分子量が、5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、25℃における圧電定数d14が10pC/N以上であり、X線回折法で得られる結晶化度が40%〜80%であり、かつ、ヘイズが0.5〜30である高分子圧電材料。
  2. 前記ヘリカルキラル高分子が、下記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする請求項1に記載の高分子圧電材料。
  3. 前記高分子圧電材料が、ヘリカルキラル高分子の螺旋構造の螺旋軸と略平行の方向に、構造周期が12.5nm〜80.0nmである低結晶相と高結晶相との連続構造を有し、前記螺旋軸に直交する一方向と略平行の方向に、前記連続構造を実質的に有しない高分子圧電材料P1であり、さらに
    示差走査熱量測定で得られる前記高分子圧電材料P1の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点をTm1、前記高分子圧電材料P1を前記Tm1+15℃に加熱し、5分溶融後、−10℃/分で0℃まで冷却して得られる高分子圧電材料P2について示差走査熱量測定することで得られ、ヘリカルキラル高分子に由来する融点をTm2としたとき、前記Tm1と前記Tm2との差が2℃〜10℃である請求項1または請求項2に記載の高分子圧電材料。
  4. 前記高分子圧電材料が、示差走査熱量測定で得られ、ヘリカルキラル高分子に由来する融点を2つ以上有するとき、前記融点のうち最も低い融点Tm3と、前記融点Tm1との差が30℃以内である請求項3に記載の高分子圧電材料。
  5. 前記融点Tm1が、160℃以上250℃未満である請求項3または請求項4に記載の高分子圧電材料。
  6. 前記ヘリカルキラル高分子は、光学純度が99.00%ee以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  7. 前記高分子圧電材料の、X線回折法で得られるα晶分率と、結晶化度〔%〕と、配向度との積が、3.0以上100未満である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  8. 前記高分子圧電材料の、X線回折法で得られる配向度が0.90以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  9. 前記高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、前記融点Tm1より低い温度下、かつ5MPa〜10,000MPaの圧縮応力下で、延伸処理して得られ、該延伸処理における延伸方向の縦弾性率が、2.0GPa〜10.0GPaである請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  10. 主面の面積が5mm以上である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  11. 前記ヘイズが0.5〜15.61である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  12. 無機フィラーを含み、高分子圧電材料の全質量に対する前記無機フィラーの含有量が1質量%未満である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の高分子圧電材料。
  13. 少なくとも2つの面を有する高分子圧電材料と、前記高分子圧電材料の少なくとも2つの面に備えられた電極とを有し、前記高分子圧電材料が請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の高分子圧電材料である圧電素子。
  14. 重量平均分子量が、5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含む高分子圧電材料を、該高分子圧電材料のガラス転移温度Tgより高く、差走査熱量測定で得られる該高分子圧電材料の融点のうち、ヘリカルキラル高分子に由来する最も高い融点Tm1より低い温度下、かつ10MPa〜10,000MPaの圧縮応力下で、延伸処理する高分子圧電材料の製造方法。
  15. 前記延伸処理の前に、前記高分子圧電材料を、予め60℃〜170℃で、1分〜60分加熱する延伸前予熱処理をする請求項14に記載の高分子圧電材料の製造方法。
  16. 前記延伸処理の後に、アニール処理をする請求項14または請求項15に記載の高分子圧電材料の製造方法。
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