実施の形態1.
実施の形態1における省エネ機器(空気調和機)の省エネアドバイス機能について、図に基づいて説明する。図1に空気調和機1の全体構成を示す。空気調和機1は室内に設置される室内機2、室外に設置される室外機3、室内機2と室外機3間の配管4、及び室内機2との間で通信を行うリモコン5とで構成されている。リモコン5と室内機2間の通信は赤外線等の電磁波を用いて双方向通信を行う。室内機2は空調室内設備として必要な通常の機能の他に、赤外線センサ21、室内温度センサ22、カメラ23、表示部24、リモコン通信部25、及び外部センサインタフェース部26(外部センサI/F部26と記す)を備えている。表示部24はユーザに報知する文字図形情報の表示や、表示部24内に設けたLEDを点滅/点灯させる機能をもつ。室外機3は室外ファン31、室外温度センサ32、及び空調室外設備として必要な通常の機能を備えている。リモコン5は、文字図形情報を表示するリモコン表示部51とユーザが空気調和機1を操作する際に使用するリモコン操作部52を有している。
図2は室内機2の構成を示す図である。室内機2は空気調和機1全体の運転を制御する制御部27を備えている。制御部27はマイコン等で構成される。制御部27は、赤外線センサ21、室内温度センサ22、室外温度センサ32、外部センサI/F部26から各センサが測定したセンサ情報を入力し、カメラ23からカメラ画像を入力する。また制御部27はリモコン通信部25を介してリモコン5と双方向通信を行う。制御部27には、後述の省エネ評価値(省エネポイントなど)など各種機能を実行するためのパラメータ、設定データ等を記憶する記憶部28と、空気調和機1の動作制御で用いる各種タイマ機能を実行するタイマ部29とが接続されている。
実施の形態1における省エネアドバイス機能の処理全体の流れを説明する。図3は全体処理フローを示す図である。まず、制御部27は赤外線センサ21等からセンサ情報を入力する(S301)。次に、制御部27はこのセンサ情報とユーザ設定(例えば、冷房設定温度、風速等)に基づいて、省エネアドバイスの内容を生成する(S302)。生成された省エネアドバイスは室内機2に設置された表示部24に図形、文字等を用いて表示される。また、この省エネアドバイスは、リモコン通信部25を介して、リモコン5に送信され、リモコン表示部51にも表示される(S303)。表示部24にはLED表示のみとして、具体的なアドバイス内容はリモコン表示部51に表示するようにしてもよい。空気調和機1のユーザは、表示部24若しくはリモコン表示部51に表示された省エネアドバイスを読み取り、この省エネアドバイスを参考にして省エネ行動を行うことができる。
制御部27は赤外線センサ21等からのセンサ情報における測定値の変化と、ユーザ設定の変更履歴とに基づいて、ユーザの省エネ行動の有無を検証する(S304)。制御部27はユーザの省エネ行動に基づいて、省エネ行動の実績評価を行う(S305)。制御部27は省エネ行動の実績評価の結果を表示部24若しくはリモコン表示部51に表示する(S306)。ユーザは表示部24若しくはリモコン表示部51に表示された実績評価結果を読み取ることにより、自らの省エネ行動による省エネ効果を把握することができる。以上のS301〜S306の処理を繰り返すことにより、省エネアドバイス機能が実行される。
次に、センサとして赤外線センサを用いた場合を例に省エネアドバイス機能の具体的な動作を図4の動作フローに基づいて説明する。なお、この動作フローは空気調和機1が冷房運転している場合の動作を示すものである。
まず、赤外線センサ21は空気調和機1が設置されている室内空間の輻射熱温度を検知し、制御部27は赤外線センサ21が検知した室内輻射熱温度データを取得する(S401)。次に、制御部27は赤外線センサ21から入力した室内輻射熱温度と補正値とから人の体感温度Tf(Tf=室内輻射熱温度Tr−補正値)を計算する(S402)。ここで補正値は記憶部28に保持されたパラメータデータであり、空気調和機1が設置されている室内環境を加味して決定される値である。補正値は空気調和機を設置した際に予め設定した値でもよいし、設置後の環境条件の変化に応じて再調整した値でもよい。
次に体感温度Tfと閾値温度Thとを比較する(S403)。ここで、閾値温度Thは予め記憶部28に設定されている設定値であって、例えば政府が推奨している冷房時の推奨温度である28℃から若干低めの27.5℃としておけばよい。体感温度Tfが閾値温度Th以下場合、体感温度が十分下がっていると判断し、アドバイス設定温度Taを現在のユーザ設定温度Tuより高い値にする。例えばTa=Tu+1として、現在のユーザ設定温度より1℃高い温度をアドバイス設定温度Taすればよい。そして、「アドバイス設定温度Taに設定変更を推奨」を省エネアドバイス内容とする(S404)。
次に、制御部27は記憶部28に保持してある現在報知中のアドバイス内容と今回のアドバイス内容を比較し(S405)、両者のアドバイス内容が一致しない場合は、タイマ部29に含まれる設定変更アドバイスタイマTM1の値をゼロリセットで初期化し、タイマを再起動する(S406)。また、記憶部28に保持している表示中のアドバイス内容を今回のアドバイス内容で更新する(S407)。一方、前回と今回でアドバイス内容が一致する場合は、省エネアドバイスの報知の処理(S408)に進む。
次に、制御部27は生成した省エネアドバイスをユーザに報知する(S408)。ユーザ報知は、表示部24のLEDを点滅させるとともに、リモコン5にアドバイス内容であるアドバイス設定温度を送信することにより行う。リモコン5はリモコン表示部51に報知内容を表示することにより、ユーザは省エネアドバイスの内容を確認することができる。
制御部27は次に、ユーザの省エネ行動の検証を行い、ユーザが省エネアドバイスに基づいて省エネ行動をしたか否かを判定する(S409)。例えば、「アドバイス設定温度Taを推奨」という省エネアドバイスに対して、ユーザがリモコン5を用いて設定温度をアドバイス設定温度Taに変更した場合は省エネアドバイスを実行したと判断する。ユーザが省エネアドバイスを実行した場合は、記憶部28に保持している省エネポイントを加算する(S410)。ここで、省エネポイントは省エネアドバイスを実行した数を累積カウントしたもので、ユーザの省エネ行動に対する評価点である。ユーザが省エネアドバイスを実行していないと判断した場合は、タイマ部29の設定変更アドバイスタイマTM1の値が閾値TMs1より大きいか否かを調べ(S411)、TM1>TMs1の場合、即ち所定の時間が経ってもアドバイスが実行されない場合は省エネポイントを減算する(S412)。TM1≦TMs1の場合には、省エネポイントの更新はしない。
次に、省エネポイントが加算、若しくは減算で変更された場合には、制御部27は省エネ行動の検証結果をユーザに報知する(S413)。ユーザ報知は、S408の省エネアドバイスの報知と同様の手順で行う。こうしてユーザは省エネ行動の検証結果を確認することができる。なお、ユーザへの報知方法はこれ以外の方法でも可能である。例えば、リモコン5にLEDを設け、省エネアドバイスを報知する際にこのLEDを点滅させてユーザの注意を喚起させてもよい。また、表示部24に省エネアドバイス内容を表示させるようにしてもよい。また、室内機2若しくはリモコン5にスピーカーを設け、音声により報知するようにしてもよい。
S403で、体感温度Tfが閾値温度Thよりも大きい場合は、省エネアドバイス不要と判断する。そして、設定変更アドバイスタイマTM1を停止し(S414)、表示中のアドバイスがあれば記憶部28に保持している表示中のアドバイス内容を消去する(S415)とともにも、表示部24又はリモコン表示部51に表示中のアドバイスを消去する(S416)。
図5は省エネアドバイス機能を実行した時の室温の温度変化をアドバイス設定温度、閾値温度との関係で示した図である。時刻t0ではユーザはアドバイス設定温度Taと同一温度をユーザ設定温度に設定しており、室温と体感温度Tfが同一である状態を表している。時刻t1では外気温が下がるとともに、室内輻射温度Trが急速に低下し、体感温度Tfが閾値温度Thより低下した状態である。そこで現在のユーザ設定温度Tuより高い温度をアドバイス設定温度Taとして設定する。時刻t2ではユーザが省エネアドバイスを実行した為、体感温度Tf及び室温の低下速度が緩和された状態を示す。
背景技術で述べた事例のように、外気温と閾値温度Thのみで省エネアドバイスするとすると時刻t3近辺でアドバイスが行われるため、アドバイス報知時には体感温度、室温ともにかなり低下しているはずでユーザにとって不快であるだけでなく、省エネ効果も小さいものになってしまうが、本実施の形態では適切なタイミングでアドバイスが実行できる。
以上の説明では、省エネアドバイスの報知内容として、推奨するユーザ行動を提示するようにしたが、これと併せて省エネ行動により消費電力が何パーセント節約できるか、又は電力料金が何円節約できるかの予測値を報知するようにしてもよい。また、省エネ実績評価の報知において、省エネポイントだけでなく、省エネアドバイスに対応した行動をした結果節約できた消費電力量、または節約できた電力料金額を省エネ貯金として表示するようにしてもよい。
図6は表示部24及びリモコン表示部51の表示例である。この表示例では現在の冷房設定温度(28℃)、空気調和機の運転で使用した電力料金の積算額(20円)、及び省エネポイント(3点)を星マークの個数で表している。また、省エネアドバイスの表示例(「設定温度を29℃にすると5%の省エネになります」)も併せて示す。
省エネ実績評価の報知内容にはグラフ表示を用いてもよい。図7はリモコン表示部51に表示されるグラフ表示の表示例である。図7では、通常運転した場合の消費電力の推移、ソフト省エネ実行時の消費電力の推移、及び省エネ行動実行時の消費電力の推移を示し、省エネ行動により削減できた消費電力量を斜線部分で示している。この節約できた消費電力量に対応する電力料金額を省エネ貯金と定義する。このようなグラフ表示はわかり易いため、ユーザが省エネ効果を実感でき、また電力、金額などでユーザの行動が評価されることによりユーザのやる気を向上させる効果がある。なお、ソフト省エネとは、室内機からの風向を変化させ人付近のみを空調するエリア空調など空気調和機の運転制御により実現される省エネのことである。
以上説明したように、実施の形態1では、センサ情報に基づき省エネアドバイスを生成し、このアドバイス内容リモコンや室内機本体の表示部に表示させるようにしたので、ユーザは容易に省エネアドバイス内容を確認することができる。また、ユーザの省エネ行動をセンサ情報に基づいて検証することにより、ユーザの省エネ行動実績を評価でき、この評価結果をリモコンや室内機本体の表示部に表示させてユーザに報知するようにしたので、ユーザは自身の省エネ行動の効果を客観的に把握することができる。
実施の形態1では、安定した室内環境で人の体感温度に基づいてアドバイスを行うようにしたので、より適切なアドバイスを早期に行うことができ、ユーザが不快に感じるシーンを減らすことができる。また、体感温度に基づいたアドバイスを行うので、設定温度を単純に政府推奨温度(暖房20℃、冷房28℃)からの差分を小さくするようにアドバイスするだけでは実現しない快適性を提供しながら最適な省エネを実現できる。
なお、体感温度の算出は室内輻射熱から算出するのみならず、空気調和機自身の風量、風向、吹き出し温度、湿度を加味して算出することも可能である。具体的な体感温度の算出方法としては温熱環境評価指数PMV(Predicted Mean Vote,予測温冷感申告)などの指標と同様な手法が適用できる。
また、省エネ実績評価の報知する際に、表示部24またはリモコン表示部51のLEDでアドバイスの有無を報知するうにした場合は、アドバイスによる省エネ行動を確認した時点でLEDを消灯するようにしてもよい。このようにアドバイスによる省エネ行動をユーザが行うことにより省エネアドバイス内容及びLEDを自動消灯するため、ユーザの煩わしい作業が発生しない。
また、LEDの場合、最初点滅し、その後点灯に変わるようにしてもよい。ユーザがあえて省エネアドバイスを無視する場合、点滅制御が続くのは不快だが、点灯に切り替わるため不快に思わず、後でアドバイス報知に気づき、実行することができる。
またリモコン表示部51でアドバイス内容を表示した後に、一旦アドバイス内容を消灯し、再度同じアドバイスを表示するまで一定時間の禁止時間を設けるようにしてもよい。
ユーザがリモコン5でアドバイスを確認しつつも実行しない場合、次のセンシングのタイミングでアドバイスを再表示することがないためユーザへの煩わしさを軽減できる。
またリモコン操作部52にアドバイス確認ボタン(図示していない)を設け、ユーザがこのボタンを押下した際には一旦アドバイス内容を消灯し、再度同じアドバイスを表示するまで一定時間の禁止時間を設けるようにしてもよい。
来客時などは省エネ効果よりも快適性を優先して、省エネアドバイスを行って欲しくない場合もある。このようなケースに備えて、省エネアドバイス機能の使用の有無を選択できるようにしてもよい。具体的には、リモコン操作部52にアドバイス受信ボタンを設け、このアドバイス受信ボタンを長く押すだけで省エネアドバイス機能の使用の有無を切換える仕組みにすればよい。また、リモコンでアドバイスが欲しくない時間帯を指定して省エネアドバイス機能を停止するようにしてもよい。
以上の説明では、設定温度の変更をアドバイスするようにしたが、アドバイス内容はこれに限らず、例えばカーテン、扉、又は窓の開閉をアドバイスするようにしてもよい。カーテン等の開閉状態の確認は、赤外線センサ21の熱画素画像やカメラ23のカメラ画像の照度から日射量を検出することにより可能である。室内温度よりも室外温度のほうが低い場合は、カーテンや窓を開けることをアドバイスするようにしてもよい。
また、赤外線センサ21の熱画素画像やカメラ23カメラ画像から部屋形状を識別することも可能である。ユーザが空気調和機を購入する時は設置する部屋の広さにあった能力を持つ機種を購入することが多いので、空気調和機の機種名から設置されている部屋の広さを推定することもできる。
また、ユーザ設定温度を維持するための空調負荷が、部屋形状や部屋の広さから推定される空調負荷の閾値以上の値である場合には、窓や扉が空いていると判断し、窓や扉を閉めるようアドバイスすることも可能である。
他の省エネ機器でも同様な制御は可能である。テレビを例にすると、テレビに人体検知センサやカメラを設け、このようなセンサ情報やカメラ画像から子供のテレビ視聴時間管理が行える。即ち、子供が見たい番組のテレビ視聴を我慢しているか、テレビ視聴時間を守っているか、または映画などの長時間番組どの程度我慢したかの指標に基づいて省エネ評価を実行できる
また、体動/呼吸/心拍/体温のいずれかを測定できるセンサや照度センサを利用して人の睡眠状態を把握できる。また赤外線センサ、イスの感圧センサ、書籍に印刷されているバーコードから書籍の種類、タイトル等のID情報を判定する卓上のIDリーダーなどを活用することにより、人が机で書籍を読んで勉強しているか否かを判定できる。そして、テレビをONし続けずに本を読むなど行動をしている場合省エネ行動をしたと評価できる。
照明装置では、照明をつけて窓際で活動している場合には照明OFFのアドバイスを行う。照明でも窓の付近や照度の強いところで作業をすれば点灯しなくても済むため、OFF状態の照度を照度センサから取得して閾値照度として用いることによりアドバイスの適否を判断する。アドバイスに基づいて照明OFFにした場合には評価を行う。
実施の形態2.
実施の形態2では、圧力センサ等で取得したセンサ情報に基づいて行う窓、扉、カーテン等の開閉を促す省エネアドバイス機能について説明する。省エネ機器として空気調和機を例に説明する。システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。なお、実施の形態1と同一若しくは類似する動作については説明を省略し、相違部分について説明する。
図8は室内機2に圧力センサ61を外部センサI/F部26を介して接続した形態を室内機2が設置された部屋の平面図とともに示したものである。室内の圧力を測定することにより、部屋の負圧の変化がわかり、これにより扉や窓の開閉状態を検知することができる。
図9に基づいて、圧力センサ情報に基づく扉や窓の開閉状態検知機能の動作を説明する。
制御部27は外部センサI/F部26を介して圧力センサ61から室内気圧P1の測定データを取得する(S901)。気圧P1が平均気圧のK1倍より大きいか否かを判定する(S902)。ここで、K1はK1>1である係数であって通常K1=1.2〜2程度の値とする。平均気圧は空気調和機を設置した地域の気象データに基づく平均大気圧でもよいし、圧力センサ61で圧力変動を常に記録しその平均値を使用するようにしてもよい。
次に、P1>平均気圧×K1の時は、窓や扉が閉状態あると判断する(S903)。P1≦平均気圧×K1の時は、気圧P1が平均気圧のK2倍より小さいか否かを判定する(S904)。ここで、K2はK2<1である係数であって通常K2=0.8程度の値をとる。そして、P1<平均気圧×K2の時は、窓や扉が開状態あると判断する(S905)。
上記の説明では室内側にのみ圧力センサを設けたが、室内外に圧力センサを設けて、室内の気圧と室外の気圧が同じ場合は窓が開状態、気圧差が一定値以上ある場合は窓が閉状態であると判断してもよい。また、室内側にのみ圧力センサがあり、換気扇が室外へ排気するタイプ、もしくは換気装置がない場合には、圧力変動を常に記録し、気圧が上昇側に通常より1.2〜2倍程度大きく振れて直ぐに一定に落ち着けば窓を開けたと判断し、逆に下降側に大きく振れて、徐々に下がり続ければ閉めたと判断できる。扉の形状によっては下降側に振れない事もあるので平均気圧が継続して下がる場合には閉めたと判断しても良い。
窓や扉の開閉検知は圧力センサ以外でも行うことができる。例えば、接点のON/OFFにより扉や窓の開閉検知を行う扉開閉センサを設け、この扉開閉センサからの情報を外部センサI/F部26経由で入力することにより、空気調和機1が扉や窓の開閉情報を取得することができる。
また、室外温度センサ32と室内温度センサ22の温度が同じ場合にも窓の開放が検知できる。距離センサを室内機2に搭載して距離変化を測定することにより、窓や扉やカーテンの開閉検知を行うようにしてもよい。また、日射センサを室内機2に設けることにより、室内日射量を測定してカーテンの開閉を検知することができる。また、日射センサは外付けで設け外部センサI/F部26経由で日射量データを取得するようにしてもよい。
前述した各種のセンサ情報を単独若しくは組み合わせることにより、空調負荷を下げるために窓の開閉、カーテン開閉、扉の開閉をアドバイスする。リビングと和室が繋がっている場合に、扉や襖を閉めることにより空調スペースを減らし、空気調和機の運転負荷を低下させることができる。
また、外気温、空調負荷から打ち水を行い、室外機周辺の温度を下げるアドバイスを行うこともできる。前述した日射センサによる日射量や赤外線センサによる室内輻射熱から打ち水の水の量や方向、方法などをアドバイスできる。
一例として、赤外線センサ、カメラ、日射センサなどを用いてカーテンの開閉状態を検知し、カーテンの開閉をアドバイスする場合の省エネアドバイス機能の動作を図10の動作フローで説明する。なお、動作フローの基本的な流れは実施の形態1で説明した図4の動作フローと同一である。
まず、制御部27は赤外線センサ21が検知した室内輻射熱温度、カメラ23からのカメラ画像、日射センサ(図示していない)が検知した日射量のデータを取得する(S1001)。日射センサは室内機2に設けてもよいし、外付けの日射センサからのセンサ情報を外部センサI/F部26経由で取得するようにしてもよい。
次に、制御部27はこれら室内輻射熱温度、カメラ画像、日射量に基づいて、カーテンの開閉状態を検知する(S1002)。例えば、日射量センサが検出した日射量が閾値を超えた状態をカーテン開放と判断する。次に制御部27はカーテン開閉のアドバイスを行うことが有効か判断する(S1003)。具体的には、空気調和機1の運転状態と現在のカーテンの開閉状態とから、カーテンを開く、又はカーテンを閉じることによって空気調和機1の運転負荷が低減できる場合には、カーテン開閉のアドバイスを行うことが有効と判断する。
制御部27は記憶部28に保持してある現在報知中の開閉アドバイス内容と今回の開閉アドバイス内容を比較し(S1005)、両者のアドバイス内容が一致しない場合は、タイマ部29に含まれる開閉アドバイスタイマTM2の値をゼロリセットで初期化し、タイマを再起動し(S1006)、記憶部28に保持している開閉アドバイス内容を今回の開閉アドバイス内容で更新する(S1007)。一方、前回と今回で開閉アドバイス内容が一致する場合は、開閉アドバイスの報知の処理(S1008)に進む。
次に、制御部27は生成した開閉アドバイスをユーザに報知する(S1008)。次に、ユーザの省エネ行動の検証を行い、ユーザが開閉アドバイスに基づいて省エネ行動をしたか否かを判定する(S1009)。具体的には、開閉アドバイス報知後のセンサ情報によりカーテンの開閉状態が変化したかどうかを判定する。これ以降の処理である省エネポイントの計算(S1011〜S1012)、省エネ実績評価の報知(S1013)については、実施の形態1での設定変更アドバイスタイマTM1と閾値TMs1の替わりに開閉アドバイスタイマTM2と閾値TMs2を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
一方、S1003の判断処理でNOの場合は、カーテンの開閉アドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の開閉アドバイスをキャンセルする処理(S1014〜S1016)を実行する。
以上説明したように実施の形態2では、圧力センサ等で取得したセンサ情報に基づいて行う窓、扉、カーテン等の開閉を促す省エネアドバイスを行うようにしたので、ユーザは容易にカーテン等の開閉タイミングを知ることができ、省エネを行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、センサ情報に基づいて室内にいる人の位置を把握した上で省エネアドバイスを行う機能について説明する。センサ情報による人の把握を人体検知という。人体検知は赤外線センサからの情報を用いて熱画素画像を生成することにより可能である。
また、このような熱画素画像を一定時間間隔ごとに作成し、時刻毎の熱画素画像を比較することにより、人の移動を検出することもできる。なお、センサを走査して熱画素画像を生成する場合には、人の移動により同一人物が1画面上の複数領域で検出されることがある。この場合も過去時刻の熱画素画像を用いて過去の人体検知位置を把握することにより人の移動距離を計算するなどの誤認識回避方法も可能である。なお、人体検知は赤外線センサ以外にカメラによるカメラ画像を画像分析することによっても可能である。このほか焦電センサ、ドップラーセンサなどを用いてもよい。
省エネ機器として空気調和機を例に説明する。システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。図11は空気調和機を冷房運転している部屋の平面図である。部屋には窓と扉があり、太陽光の日射が窓から室内に射している。また室内には人が2人場所的に離れた位置に存在している状況を表している。室内に人が複数箇所に分かれて存在している場合には、人の配置を一箇所に集めた方が空間的に省エネしやすくなるので、一箇所で団欒することをアドバイスすることは有効である。また、人(A)が窓近くにいて日射を受けているので、窓から離れた位置に移動させることにより冷房負荷を低下させることができる。よって、窓から離れるようにアドバイスすることは有効である。
図12は図11の部屋の状況で、室内機2に備えた赤外線センサ21による熱画素画像の測定例である。図12で各画素の色の濃淡で輻射熱温度の高低を表している。また、測定領域を点線で区切られる9つの領域に区分けした場合、右上の領域と中央左の領域で輻射熱温度が高く、この2つの領域に人が存在していることを推定できる。このように、複数範囲で人体検知されたらその範囲分だけ人数がいる計算になる。
図13に基づき、人体検知により団欒アドバイスをする機能を説明する。まず、制御部27は赤外線センサ21等のセンサ情報を取得する(S1301)。取得したセンサ情報から前述の熱画素画像の分析などにより人体検知を行う(S1302)。人体検知の結果、人体を検知したエリアが複数箇所あるか検査する(S1303)。人体を検知したエリアが複数箇所ある場合には、現在空調しているエリアが室内の複数エリアを対象としたものであるか空気調和機1の運転設定情報を参照して調べる(S1304)。空調エリアが複数ある場合には、人の配置を一箇所に集めた方が空間的に省エネしやすくなるので、人を適切に配置するようアドバイスを生成する(S1305)。ここでは、このアドバイスを団欒アドバイスという。
制御部27は記憶部28に保持してある現在報知中の団欒アドバイス内容と今回の団欒アドバイス内容を比較し(S1306)、両者のアドバイス内容が一致しない場合は、タイマ部29に含まれる団欒アドバイスタイマTM3の値をゼロリセットで初期化し、タイマを再起動し(S1307)、記憶部28に保持している表示中の団欒アドバイスを今回の団欒アドバイス内容で更新する(S1308)。一方、前回と今回で団欒アドバイス内容が一致する場合は、団欒アドバイスの報知の処理(S1309)に進む。
次に、制御部27は生成した団欒アドバイスをユーザに報知する(S1309)。これ以降の処理は、団欒アドバイスタイマTM2と閾値TMs3を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
一方、S1303とS1304の判断処理でNOの場合は、団欒アドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の団欒アドバイスをキャンセルする処理(S1315〜S1317)を実行する。
次に、図14に基づき人体検知により人移動のアドバイスをする機能を説明する。まず、制御部27は赤外線センサ21等のセンサ情報を取得する(S1401)。取得したセンサ情報から前述の熱画素画像の分析などにより人体検知を行う(S1402)。人体検知の結果、人が窓側のエリアに存在するか検査する(S1403)。人が窓側のエリアにいる場合は、日射センサの情報から日射量が多いか判定する(S1404)。日射量の判定では、記憶部28に日射量判定の閾値をパラメータとして保持しておき、この閾値に基づいて日射量の多少を判定すればよい。判定の結果日射量が多い場合には、人を窓から離れた位置に移動させることにより空調負荷が下がり省エネしやすくなるので、窓から離れた位置に移動するようアドバイスを生成する(S1405)。ここでは、このアドバイスを移動アドバイスという。
制御部27は記憶部28に保持してある現在報知中の移動アドバイス内容と今回の移動アドバイス内容を比較し(S1406)、両者のアドバイス内容が一致しない場合は、タイマ部29に含まれる移動アドバイスタイマTM4の値をゼロリセットで初期化し、タイマを再起動し(S1407)、記憶部28に保持している表示中の移動アドバイスを今回の移動アドバイス内容で更新する(S1408)。一方、前回と今回で移動アドバイス内容が一致する場合は、移動アドバイスの報知の処理(S1409)に進む。
次に、制御部27は生成した移動アドバイスをユーザに報知する(S1409)。これ以降の処理は、移動アドバイスタイマTM4と閾値TMs4を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
一方、S1403とS1404の判断処理でNOの場合は、移動アドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の移動アドバイスをキャンセルする処理(S1415〜S1417)を実行する。
次に、図15に基づき、人体検知により人の活動量を低下させるアドバイスを行う機能を説明する。まず、制御部27は赤外線センサ21等のセンサ情報を取得する(S1501)。取得したセンサ情報から人体検知を行う(S1502)。人体検知の結果、室内に人が存在するか判定し(S1503)、人の存在を確認した場合は、人の活動量が活動量閾値より大きいか否かを判定する(S1504)。人の活動量は、複数時刻の熱画素画像を用いることにより、同一人物の移動距離を把握して計算できる。例えば、単位時間当たりの移動距離の積算値を活動量としてもよい。活動閾値はパラメータとして、記憶部28に保持している値である。
検出した活動量が活動量閾値より大きい場合は、人の活動量が大きいことを表している。人の活動量が低下させたほうが空調負荷が下がるので、人の動く領域を限定することにより活動量を低下するようアドバイスを生成する。例えば、検出した活動量が空気調和機のフラップ、ベーンで気流制御できる2区画をまたぐ規模の活動量の場合には1区画内で活動するように促すアドバイスを生成する(S1505)。このアドバイスを活動量低下アドバイスという。
次に、制御部27は生成した活動量低下アドバイスをユーザに報知する(S1509)。これ以降の処理は、活動量低下アドバイスタイマTM5と閾値TMs5を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
一方、S1503とS1504の判断処理でNOの場合は、活動量低下アドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の活動量低下アドバイスをキャンセルする処理(S1515〜S1517)を実行する。
以上説明したように実施の形態3では、圧力センサ等で取得したセンサ情報に基づいて行う窓、扉、カーテン等の開閉を促す省エネアドバイスを行うようにしたので、ユーザは容易にカーテン等の開閉タイミングを知ることができ、省エネを行うことができる。
実施の形態4.
実施の形態4では省エネ機器(空気調和機)の室外機の室外ファンの動作異常、汚れによる性能劣化を検知し、ユーザにアドバイスを行うことにより省エネを実現する機能を説明する。これらの動作異常、性能劣化を放置すると、空気調和機の全体の運転効率が低下し、エネルギーロスが大きくなってしまう。従って、これらの動作異常、性能劣化を早期に検出してユーザに報知し、ユーザがメインテナンスの対策をすることにより、結果的に省エネが実現できる。
現在、室外ファン駆動用にモーターを搭載した室外ファンは、インバーター制御を行っているものが多い。インバーター制御ではモーターの回転数、トルクを測定し、これらの測定値に基づいてモーターの制御を行っている。外風などの環境条件が同一であると仮定すれば、モーター駆動条件と上記測定による測定値から室外ファンの動作異常、性能劣化の検出が可能である。例えば、同じ回転数に対して閾値以上のトルクが必要になった場合、圧力損失が増えており、ファンへの埃付着、ベアリング性能低下、フィルタ、熱交換器への埃、霜付着などが検知できる。同一トルクに対する回転数変化を検知した場合でも同様な判断が可能である。これらの検知結果に基づいて、フィルタ、ファン、熱交換器への埃付着を掃除するようアドバイスできる。このような省エネアドバイス機能は自動お掃除機能がついている場合のお掃除タイミングの検知にも利用できる。
図16に基づき、本実施の形態の動作を説明する。なお、システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。まず、制御部27は室外機3に設けた室外温度センサ32、及びファンの回転数検出センサ、モーター駆動電流検出センサ(いずれも図示していない)からのセンサ情報を取得する(S1601)。次に、これらのセンサ情報からモーターのトルクを検出する(S1602)。検出したトルクをトルク閾値と比較する(S1603)。室外機3の設置条件により外風の影響などの環境条件が変化する為、トルク閾値は前記設置条件で変化させる必要がある。この為、室外機3を設置する際にトルク閾値の初期値または初期設定として室外機3の設置条件をリモコン5で入力することにより、予め記憶部28に保持したデータベースを参照して、トルク閾値を決定する。このデータベースには室外機の設置状態毎の対応するトルク閾値が規定されている。
なお、設置条件をユーザ入力ではなく、センサ情報のみから判断して自動的にデータベースの参照先を決定することもできる。例えば方角検知センサ、目の前の距離を計測できる距離センサ、道路に面しているか判定できる移動物体を検知する人体検知・動体検知のセンサなど設置条件が判断できるセンサを用いることができる。
トルクがトルク閾値より大きい場合は、室外温度と室外温度閾値とを比較する(S1604)。室外温度閾値は室外機3の熱交換器の霜付着温度であり、トルク閾値と同様に記憶部28に保持したデータベースを参照して決定される値である。室外温度が室外温度閾値より大きい場合は、室外ファン31のメインテナンスが必要であると判断し、機器の保守を推奨する省エネアドバイスを生成する(S1605)。このアドバイスを保守アドバイスという。
次に、制御部27は生成した保守アドバイスをユーザに報知する(S1609)。これ以降の処理は、保守アドバイスタイマTM6と閾値TMs6を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
一方、S1603とS1604の判断処理でNOの場合は、保守アドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の保守アドバイスをキャンセルする処理(S1615〜S1617)を実行する。
以上説明したように実施の形態4では、室外機の室外ファンの動作異常、汚れによる性能劣化を検知し、ユーザに省エネアドバイスを行うようにしたので、ユーザは室内にいても容易に室外ファンのメインテナンスの要否を知ることができ、ユーザはこのアドバイスに基づいてメインテナンスすれば結果的に省エネを行うことができる。
以上本実施の形態で説明した機能は、空気調和機だけでなく、モーターがついている機器であればどの機器でも適用でき、換気扇、加湿器、除湿機、空気清浄機、ヒートポンプ式給湯器などにももちろん適用できる。例えば、換気扇では埃がファンについて効率が低下した場合に掃除を行う、または起動時にフィルタをつけるようアドバイスすることができ、家庭内、工場内の省エネ効果が期待できる。
実施の形態5.
実施の形態5では省エネ機器(空気調和機)の室外ファンの回転数から外風の風速を測定し、この風速に基づいて窓開けの省エネアドバイスを行う機能について説明する。外風の風力があれば、外気温がある程度高くても窓を開けることにより快適に過ごせるので、空調機をOFFして、窓開けするようアドバイスすることは有効である。
実施の形態4で述べたように室外ファンのファン回転数検出センサによりファンの回転数が計測できる。ファン回転数検出センサの方式としては、光学式、磁力式、電流検出などがあり、回転数が正確に計測できればいずれの方式でも問題はない。ファンの回転数はモーターの駆動力や外風の風速によって決まる。また、ファンモータ−を駆動していないときでも、外風があればその風力によってファンは回転する。そこで、ファンモーターが停止時にファンの回転数を計測することにより、外風の風力を算出することができる。
図17に基づいて本実施の形態の動作を説明する。なお、システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。まず、制御部27は室外機3のファンモーター(図示していない)が停止している時に、室外機3に設けたファンの回転数検出センサ(図示していない)からファン回転数の情報を取得する(S1701)。次に、取得したファン回転数情報から外風の風速を算出する(S1702)。この算出は予め設定した算出式によってもよいし、記憶部28にファン回転数と外風の風速との変換表を保持しておき、この変換表に基づいて回転数から風速を求めてもよい。
次に、算出した風速が所定の範囲にあるかどうか判定する(S1703)。具体的には、上限閾値として風速閾値1と、下限閾値として風速閾値2を予め設定し、風速が風速閾値1>風速>風速閾値2の不等式を満たすか判定する。この判定は、外風の風力が室内環境にとって適切な風力であることを確認するために行う。算出した風速が所定の範囲にある時は、空調運転のOFFと窓開けを推奨する省エネアドバイスを作成する(S1704)。このアドバイスを窓開けアドバイスという。
次に、制御部27は生成した窓開けアドバイスをユーザに報知する(S1709)。これ以降の処理は、窓開けアドバイスタイマTM7と閾値TMs7を用いる点が相違するだけで、実施の形態1で説明した動作フローと基本的に同じであるので説明を省略する。
S1703の判断でNOだった場合は、窓開けアドバイスは不要であるので、実施の形態1で説明した動作フローと同様に現在表示中の窓開けアドバイスをキャンセルする処理(S1714〜S1716)を実行する。
本実施の形態は以上のように構成したので、外風の状況を考慮して窓明けのアドバイスが行える。室外温度が設定温度より低くても風がなく湿度が高い場合、窓を開けても快適に感じない場合もあるので、外風の状況を知ることは意義がある。また、外気温のみを用いて窓開けのアドバイスをした場合、冷房運転時を例にすると、窓を開ける外気温度の閾値が低くなり、外気温が低い温度まで下がるまで空気調和機は運転しているのでその分の消費電力がかかってしまうことになる。本方式ではその分の消費電力を節約する省エネアドバイスが可能になる。
上記の説明では、室外ファン31の回転数から外風の風速を測定するようにしたが、風力測定には風力計を別途設けて測定するようにしてもよい。また、室外温度センサの情報も活用して窓開けの有効性を判断するようにしてもよい。また、風速が強いと輻射熱低下が予測できるため、空気調和機に赤外線センサなど輻射熱センサがない場合でも、風速測定に基づいて設定温度を今までより少し高い温度に変更させるアドバイスを行うこともできる。
通常、空気調和機には室外ファン起動前に閾値異常の風速(例えば6m/s以上相当)があり、ファン回転数が一定の場合には、空気調和機を起動しない制御を行っている。この起動する/しないの判定を基に窓の開閉についての簡易的な省エネアドバイスをおこなうようにしてもよい。
室外ファンが室内機から通電する方式の場合には、外風を計測するためには通電する必要があるが、外風が一定以上の回転数であればモーターの誘起電圧で発電することにより、通電しなくても測定ができる。また、室外ファンで測定した回転数を室外機に備えたメモリ回路に記憶しておき、内部通電したときに室内機と通信して、記憶してある回転数情報を室内機が取得するようにしてもよい。
室外ユニットの設置状態(壁際に設置、屋根に設置等)で外風の風力とファン回転数との特性関係が変化する。例えば、風向きによっては室外ファンが回りにくかったりするため、室外ユニットに距離センサや照度センサを設け、事前に距離センサで周囲の状況、照度センサで囲いの状況などを測定し、この測定値から補正値を設定し、この補正値を使用して風速算出を行ってもよい。または機器設置時に補正値を入力設定するようにしてもよい。
また、室外ファン起動前の風速と空調運転中の風速が異なる場合もある。この場合に対処するには、ファンモーター起動中のトルク変化を計測し風速変化を判断するか、または定期的に室外ファンを止めて風速を測定すればよい。
ファンモーター起動中のトルク変化による風速測定について説明する。ファンモーター回転子の位置を検出するセンサの信号のパルス幅が増加した時を外風等による負荷トルク増として検出する。または、モーター電流若しくはシャント電流を使用して負荷トルク変化を検出してもよい。外風の風速の算出はトルク変化量と外風の風速の関係を予めテーブルとして保持し、このテーブルを用いて算出すればよい。
また、熱交に霜や埃が付くと負荷トルクが増えるので外風による負荷トルク増と熱交に霜や埃が付くことによる負荷トルク増とを分離する必要がある。これには実施の形態4で説明した非制御での測定を行う方法が活用できる。また、室外機が霜取り状態に入っているために空調能力が低下している場合等を含めて、むやみに現在の設定を変えないようにアドバイスするのも有効である。
実施の形態6.
実施の形態6では積算消費電力の目標値をユーザが設定し、この目標を達成できるように省エネアドバイスを行う機能について説明する。省エネ機器として空気調和機を例に説明する。システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。なお、月毎の積算消費電力の目標値はユーザが適宜リモコン5を用いて予め設定し、この目標値は室内機2の記憶部28に保持される。
図18は本実施の形態の省エネアドバイス機能を実行する制御部27の動作を示す図である。まず、制御部27は赤外線センサ21等が測定した測定値であるセンサ情報を取得する(S1801)。次にこれらのセンサ情報及び記憶部28に記憶されている空調運転に関するユーザ設定値に基づいて、今後1ヶ月間の積算電力予測を算出する(S1802)。次に算出結果である積算電力予測値と予めユーザが設定した積算電力目標値とを比較する(S1803)。比較の結果、積算電力予測値≦積算電力目標値の場合は、積算電力予測値が積算電力目標値を超えないため、積算消費電力目標値に基づく省エネアドバイスは行わない。一方、積算電力予測値>積算電力目標値の場合、即ち使用電力の積算が期間内に目標値を超えると予想される場合には、ユーザ設定値変更による省エネアドバイス実行時の積算電力予測を算出する(S1804)。積算電力予測の算出は、記憶部28に保持したデータベースにある一般的な運転時間データや空調負荷から判断し算出する。
ユーザ設定値として設定温度変更、運転モード変更等があり、これらの設定変更パターン毎に積算電力予測を算出する。設定変更パターンの例としては、運転モードを冷房運転から涼感運転(ファンの風速を上げ、スイングさせ体感温度を下げさせ、設定温度を上げる)へ切り替えたり、不在時空調運転をOFFすることなどがある。不在時空調運転OFFは不在時に空調運転時間に対する電力量と不在時に空調運転を停止させた場合を比較して、省エネ効果を算出する。これらのユーザ設定値変更に対応した省エネアドバイス内容を生成する(S1805)。
次に、省エネアドバイス内容及び設定変更時の積算消費電力予測結果を表示部24またはリモコン表示部51に表示することによりユーザに報知する(S1806)。この報知では、設定変更パターン毎の積算消費電力予測結果が判るように提示する。提示形式はテキストでもよいが、図19のようにグラフで表示するとユーザにとってもわかりやすい。
図19では、実線が積算消費電力のこれまでの実績値の時系列データを表し、3つの点線はそれぞれ通常運転時の予測値、ソフト省エネ実行時の予測値、及び省エネアドバイス実行時の予測値を表している。なお、ソフト省エネの算出は通常運転時の予測値から何%省エネになるかをデータベースに持つことで算出する。この例では、時刻t0にユーザが通常運転モードからソフト省エネモードに切換え、現在時刻がt1であることを示している。
時刻t2は時刻t1から所定の時間後(例えば3時間後)の時刻であり、説明上便宜上設けたものである。通常運転予測の線は時刻t0以降も通常運転モードを継続した場合の予測値を表している。ソフト省エネ予測の線は時刻t1以降もソフト省エネモードを継続した場合の予測値を表す。アドバイス実行予測の線は時刻t1以降を省エネアドバイスに従って運転させた場合の予測値を表す。ユーザは図19から、アドバイスを実行すれば時刻t2において積算消費電力の目標値をオーバーしないことが理解できる。なお、アドバイス実行予測が複数のパターンでなされたときは、図中の予測線を増やして表示すればよい。
このようにして、ユーザは設定ごとに後何時間使えるか分かるため使用状況に応じて設定を使い分けることができる。ユーザは各設定変更の省エネの効果と節電量を使用シーンに応じて判断でき、どの設定変更を選べば良いかを容易に判断できる。
ユーザが省エネアドバイスに対して省エネ行動を起こしたかどうかの判定等はこれまでの実施の形態で説明した手法と同様におこなえばよい。なお、図19のようなグラフ表示は省エネ実績評価の報知の際にも有効であり、省エネ行動をした結果、1日でどの程度消費電力が節約できたか(目標値までのどの程度余裕ができたか)をユーザが理解でき、翌日以降に少し余裕をもって空気調和機を設定運用することができるなどの対策も可能となる。
以上の説明では積算消費電力の予測値を算出したが、積算電力料金、または排出CO2(二酸化炭素)量の予測値を算出し、これに基づく省エネアドバイスをするようにしてもよい。また、積算消費電力目標値の代わりに、積算消費電力削減目標値でも構わない。また、目標値は予めユーザが設定する代わりに、政府等外部機関で公表されている目標値や家庭内での実績
の平均値または平均値から一定の値を減算した値を目標値としてもよい。また、目標値の対象期間は1ヶ月でも1週間でもユーザの利用形態に合わせて設定すればよい。
また、設定温度の変更幅を1℃単位として設定温度1℃変わるごとにグラフを再描画することによりグラフが変化するシミュレーション表示も可能である。設定項目が多くて複雑にならないよう、暑がりさんパワーモード(風当て、スイング、強風)などお勧めモードを予め用意しユーザにこれらのモードの中から選択させ、選択したモードについて予測値を算出するようにしてもよい。
以上説明したように、ユーザ設定値変更に対応した省エネアドバイスを生成し、グラフ等を用いた定量的な省エネ予測をユーザに提示するようにしたので、ユーザは省エネ行動の要否を容易に判断することができる。
以上の説明では省エネ機器として空気調和機を例に説明したが、本実施の形態で述べた手法は冷蔵庫やテレビなどでも同様に活用できる。冷蔵庫では設定変更による省エネアドバイスとしては、自動製氷を停止、冷凍庫として使用していた切り替え室の食品を移しこまめに冷蔵に切り替えて使用するなどが考えられる。また深夜電力で蓄熱、蓄電を行い、昼は開け閉めを低減すると深夜電力だけで1日駆動できることをアドバイスし、それに対するユーザ行動の評価結果を表示することにより、ユーが効果的な食品の出し入れの習慣が身につくことが期待できる。
冷蔵庫は庫内への詰め込みすぎや日射が当たっている場合には、冷房負荷が高くなり消費電力が増加する。従って、冷蔵庫の庫内外に取り付けたセンサからの情報を基に、詰め込み状態の改善や、日射が当たっている場合はカーテンを閉めるなどのアドバイスが可能であり、これらのアドバイスによる積算電力の予測値を示すことができる。
テレビもバックライトや冷却装置を持ち、日射によって動作負荷が大きくなるので、日射センサやサーミスタを活用した省エネアドバイスは有効である。また人との距離をセンシングし、バックライト照度を変更する、音量を抑える、ディスプレイの方向・角度を最適にするなど省エネに関するアドバイスも可能である。また、テレビでは普段は省エネモードにして照度や音量を落とし、映画を見る際には省エネモードを解除する方法も省エネとしては有効である。これらの省エネアドバイスのより積算電力がどの程度削減できるか予測値を算出し、その結果をディスプレイにグラフで表示することにより、ユーザはどのように省エネできるか理解できる。テレビのように省エネ方法が分かりにくい機器でもアドバイスによって、ユーザの省エネ行動を誘導し、ユーザの省エネ行動を電力量によって評価することができる。
炊飯器、電子レンジなどのように使用最大容量の8割程度で使用した場合が一番省エネとなる機器が多い。しかしながら中にはそうではない機器もある為、ユーザは使用している機器をどのような状態で使用するのが省エネの観点から最適なのか不明な場合があった。これに対して、炊飯器では家族構成や、炊飯回数、保温時間等のユーザ設定に基づき、各種設定変更の省エネアドバイスが可能である。例えば、保温時間が長時間(例えば10時間)になると炊き直したほうが省エネになるとか、長期間保温するパターンが定着している家庭の場合には冷凍するようアドバイスし、これによる消費電力予測をユーザに提示する。省エネ行動の評価はユーザが実行した保温時間、炊飯回数、炊飯量等の設定値から判断する。
電子レンジでは付属の棚で2段調理を行う、またカロリー制限の観点から調理量の削減を行う等の省エネアドバイスに適用できる。
実施の形態7.
実施の形態1〜6では機器の運転状態を見直す観点から省エネアドバイスを行う機能を説明したが、実施の形態7では機器使用がなされる状況でユーザがあえて機器を使用しなかったことにより結果的に省エネになった場合にユーザ行動を評価する機能について説明する。
従来の省エネ機器では、ユーザが我慢して機器の使用を控えている時に省エネ評価を行う事ができなかった。これまでの機器では、待機モード中は省エネの為、機器の操作部以外の機能は停止しており、温湿度等を表示するためセンシング機能が動作しているのみであった。この為、例えば空気調和機では、家族がいない時に暑くても我慢して空調運転しなかった場合、帰ってきた家族にはそのような事情が何も分からず、空気調和機を使用しなかった省エネ行動が他者からは見えない。この為、我慢したユーザの省エネ行動が誰からも評価されないことになる。また空気調和機を使用しないことで電力料金がいくら節約になったかの情報がユーザにフィードバックされない。これにより空気調和機を使わない究極の省エネを実行するモチベーションが下がってしまう可能性がある。
本実施の形態の機能について、空気調和機を例に図20に基づいて説明する。なお、システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。図20は空気調和機1の制御部27の動作フローを示す図である。
まず、制御部27は空気調和機1が空調運転を行っているか否かを調べる(S2001)。空調運転がOFF状態の時は、取得可能なセンサ情報を取得する(S2002)。センサとしては、室内機2が有する赤外線センサ21、室外機3が有する室外温度センサ32、外部センサI/F部26を介して接続される外部センサなどがある。次に、センサ情報に基づいて室内に人が存在するか否かを判定する(S2003)。この判定は実施の形態3で説明したように、赤外線センサ21が測定した熱画素画像を分析することにより可能である。室内に人を検知した場合には、室内温度センサ22のセンサ情報などから室内の状況が空調運転を必要とする状況にあるか否かを判断する(S2004)。このような状況としては、例えば室内温度がとても高く危険な温熱環境になった場合などが該当する。
判定の結果、空調運転を必要とする状況の場合には空調ONアドバイス内容を生成する(S2005)。アドバイス内容としては、推奨する運転モード、空調運転をONすることである。次に、この空調ONアドバイス内容が記憶部28に保持している空調ONアドバイス内容と同一であるか否かを判定する(S2006)。同一でない場合は、新しい空調ONアドバイスが生成されたということなので、空調ONアドバイスタイマTM8を再起動し(S2007)、生成したアドバイス内容で記憶部28の記憶内容を更新する(S2008)。その後、生成した空調ONアドバイスを報知する(S2009)。報知は表示部24、またはリモコン表示部51にアドバイスを表示することにより行う。
一方、生成したアドバイス内容が記憶部28に保持している空調ONアドバイス内容と同一である場合には、直ちに生成した空調ONアドバイス内容を報知する(S2009)。
アドバイス報知後、空調運転がONされたか否かを判定する(S2010)。空調運転がONされた場合には,処理を終了する。空調運転がOFF状態のままであれば、空調ONアドバイスタイマTM8の値とタイマ閾値TMs8を比較し(S2011)、TM8>TMs8の時はユーザが所定の期間空調器の使用を控え、省エネに貢献したということになるので、記憶部28に保持している省エネポイントを加算し(S2012)、省エネポイントを省エネ実績評価として報知する(S2013)。TM8≦TMs8の時は、省エネポイントの変更はしない。
S2001、S2003、S2004のいずれかのステップで判断がNOである時は、空調運転ONを推奨すべき状況ではないため、空調ONアドバイスタイマTM8を停止し(S2014)、表示中の空調ONアドバイスがあれば記憶部28に保持している表示中の空調ONアドバイス内容を消去する(S2015)とともにも、表示部24又はリモコン表示部51に表示中の空調ONアドバイスを消去する(S2016)。
以上説明したように、機器使用がなされる状況でユーザがあえて機器を使用しなかったことにより結果的に省エネになった場合を評価する機能を設けたので、機器を使わない究極の省エネをユーザが実行しやすくなるという効果がある。
以上の説明では省エネ実績評価として省エネポイントを使うようにしたが、これ以外に節約できた積算消費電力、電力料金等を報知するようにしてもよい。
また、機器使用が必要な状況であると判断したら、ユーザにアドバイスすることなく自動的に空調運転ONにする機能を設け、この自動ONした後にユーザが直ちに空調運転をOFFした場合には省エネポイントを加算するようにしてもよい。これによっても、空調運転が必要な状況時にユーザが空調使用を控えたことを評価できる。
以上の例では空気調和機の場合を示したが、他の機器を利用した場合でも同様な手段を適用できる。冷蔵庫では夏に一般的に使用する製氷装置をOFFのままにすると熱中症のときに急に対策できない。必要な氷の数量をアドバイスして製氷運転をユーザに促すことで省エネができる。また、製氷機能を使わない場合には電力消費を抑えた点で省エネ行動をしたということで評価を行う。
テレビなども人が室内にいてテレビのスイッチがOFFの時間があれば、テレビを視聴しなかったことで電力消費を抑えたことになるので、省エネ行動をしたという評価ができる。また、テレビに人体検知センサやカメラを設け、センサ情報やカメラ画像からユーザがテレビを視聴していないと判断される場合にはテレビを自動OFFし、その後ユーザがすぐにON操作を行わない場合には省エネ行動をしたという評価を行うようにすればよい。
また、このようなセンサ情報から子供のテレビ視聴時間管理が行えるので、子供が見たい番組のテレビ視聴を我慢したか、テレビ視聴時間を守っているか、または映画などの長時間番組をどの程度我慢したかの指標に基づいて省エネ評価を実行できる。
実施の形態8.
省エネアドバイス機能において、省エネ効果の予測値の算出や、ユーザ行動の省エネ実績評価の作成に時間がかかる場合がある。この時、ユーザからみると機器が正常に動作しているのか不明なため、ともすると機器が誤動作若しくは故障してしまったと誤認してしまう可能性があった。省エネ機器が制御の待ち時間をカウントダウンで報知する機能を持つことで、このようなユーザの誤認を防ぎ、ユーザの省エネアドバイス機能の使い勝手を改善できる。
本実施の形態の機能を省エネ機器として空気調和機を例に説明する。システム構成は実施の形態1(図1、図2)と同じである。図21はこのカウントダウン報知機能の動作フローを示す図である。
例えば、ユーザがリモコン5を操作にして省エネ効果の予測値に基づいた省エネアドバイスの提示を要求したとする。制御部27は省エネ効果の予測値の算出を開始すると同時に、カウントダウン報知機能を起動する。まず、カウント初期値をタイマ部29に設定する(S2101)。初期値は正の整数値であり、予めパラメータとして記憶部28に保持しておくものとする。次に、タイマ部29のカウント値が0より大きいか否かを判定する(S2102)。カウント値>0の時は、現在のカウント値若しくは、カウント値に対応した図形等を表示部24または、リモコン表示部51に表示する(S2103)。既にカウント値表示中のときは最新のカウント値で表示を更新する。図22はカウントダウン表示の例で、カウント値に対応して、複数個の星マークを表示した場合を示す。次に、省エネ効果の予測値算出の処理状態に合わせて、カウント値をデクリメントとする(S2104)。カウント値の減少幅は算出処理の進捗状態に基づいて決定される。
一方、S2102でカウント値≦0の時は、算出処理が終了したことを意味するのでカウントダウンが終了した旨を表示部24または、リモコン表示部51に表示して(S2105)、カウントダウン報知機能を終了する。制御部27は生成した省エネ効果の予測結果と省エネアドバイスを表示部24または、リモコン表示部51に表示する点は実施の形態1で説明したとおりである。
本実施の形態では、省エネアドバイスの予測算出を行う際にはカウントダウンで星の数などを表示するようにしたので、ユーザの期待感を向上させることができる。ドラムロール音の発生と前述のカウントダウン表示を併用すればユーザへの効果はさらに高くできる。
このカウントダウン報知機能は省エネアドバイス機能以外の機能にも適用できる。例えば、暖房中に室外機の熱交換器の霜取りを行う場合や、冷房中に室内機の熱交換機の霜取り、室外機の熱交換器を冷却する場合には圧縮機の運転を止めるが、その際温度変化をユーザに悟られないよう室内機からの風向を変更する場合がある。しかし、ユーザは突然風向きが変わり何も空調されないことに気づき不快に感じることがある。この場合、霜取り作業の進捗状態をカウントダウン報知機能で報知することにより、ユーザのストレスが低減できる。
また、空気調和機は通常暖房開始時に熱交換するまで温風はでてこない。しかし、ユーザは温風が出てくるまでどのくらい待つのか分からず暖房開始が遅いと不満を持つことが考えられる。そこで、カウントダウン報知機能を使用することにより、ユーザはどのくらい待てば良いのかを判断でき、ストレスを軽減することができる。
また、空気調和機に自動お掃除機能がついている場合には、就寝中に自動お掃除機能が駆動すると掃除音が不快に思えることがある。そこで、自動お掃除設定を行うと次回お掃除までの使用時間をカウントダウン報知機能で表示するようにしてもよい。これにより、自動お掃除開始時刻が就寝時間帯に合致する場合は先に自動お掃除を実施させることができる。
また、空気調和機の空調機能として、人体検知センサを用いて人が室内機から一定距離以内にきたら空調運転が必要と判断して、風向風速、設定温度などを自動的に設定変更することが考えられる。例えば夏場には涼しみたいと判断し、風向風速、設定温度などを涼しくなる設定に変更する。しかし、単に室内を人が通過しただけの場合にもセンサが反応してしまうので、無駄な空調運転が行われることになってしまう。そこで、人が一定距離以内に近づいたことを検知したら、空調設定の変更制御を始める前にカウントダウンを行うようにする。そして、カウントダウンが終了する前に人体を検知しなくなった時には空調設定の変更制御を行わないようにする。このようにカウントダウン報知機能を用いることにより、リモコン操作がいらず、誤動作を防止できる快適な空調運転制御を行える。
また、空気調和機に地震センサを備えている場合、地震波到達までの時間のカウントダウンを音声と表示で行う事ができる。人体検知センサで人を検知している場合には空気調和機の室内機やリモコンで地震情報の報知してもよい。
カウントダウン報知機能はその他の省エネ機器でも適用可能である。人が近づいたときに機器の運転をONするかどうかのカウントダウンを行う機能は、照明機器、扇風機、換気扇、電気ポットなど人が近づいたときに使う機器であれば何にでも適用可能である。
実施の形態9.
実施の形態1では、1つの省エネ機器が収集したセンサ情報を用いて、省エネアドバイスを行う場合を示したが、本実施の形態では複数の部屋や屋外などに設置された複数台の省エネ機器やセンサ単体から得られるセンサ情報を用いて省エネアドバイスを行う機能を説明する。
図23に示すように、空気調和機1、冷蔵庫90、テレビ91などの複数個の機器と、各室内、扉等に設置される複数個のセンサ100−1、100−2、100−3、100−nがホームネットワーク200を用いて相互に接続されているものとする。ホームネットワーク200は有線ネットワークでも無線ネットワークでも、また有線・無線混在型のネットワークでもよい。センサ100としては温度湿度センサ、人体検知センサ、焦電センサ、扉開閉センサ等センシング機能を持つものなら何でもよい。各機器は通信制御部(図示していない)を備え、他の機器またはセンサ100が測定したセンサ情報をホームネットワーク200経由で取得する。各機器は機器本体が有するセンサが測定したセンサ情報、ユーザが設定した機器の設定情報、及びホームネットワーク200経由で取得した他の機器、センサ100が測定したセンサ情報に基づいて省エネアドバイス機能を実行する。省エネアドバイスの報知は、各機器が有する表示装置または表示部にアドバイス内容を表示して行う。また、1つの機器がマスターになり、全ての省エネアドバイスを生成し、他の機器に生成したアドバイス内容をホームネットワーク200経由で送信してもよい。
以下、空気調和機の省エネアドバイス機能を例に説明する。空気調和機は、軒下及び天井裏に温度センサを設置し、シャッターに開閉センサを設置することにより、夏場は軒下(土台)からの冷たい空気が室外機の熱交換器を通るようにし、冬場は天井裏の暖かい空気が室外機の熱交換器を通るようにシャッターなどの開閉や換気扇の制御を省エネアドバイスすることが可能である。また、夏場には家屋の2階には熱がたまるのでセンシング結果から屋根裏換気を外に対して行い、床下から吸気するようにアドバイスできる。
また、多眼サーモパイルセンサ、焦電センサ、カメラ等の人体検知センサで人体の不在を検出した場合に、空調運転OFFの省エネアドバイスが可能だが、空気調和機を設置した室内には人がいないので、空気調和機の表示部21にアドバイスを表示してもユーザにはわからない。しかし、例えばユーザが別の部屋に移動し場合、その部屋に設置したセンサからのセンサ情報に基づいて人の移動を検知できる。これにより、ユーザがテレビ91が設置されている部屋に移動したことを検知した場合には、ホームネットワーク200経由で省エネアドバイスをテレビ91に送信することにより、ユーザはテレビ91のディスプレイに表示される省エネアドバイスを見ることができる。
以上説明したように、実施の形態9によれば、複数台の省エネ機器や複数個のセンサを連携させて省エネアドバイスを行うことができ、様々なユーザ行動に対応した省エネアドバイスが行える。