JP5369931B2 - 操舵制御装置、角度検出装置および操舵制御装置付き車両 - Google Patents

操舵制御装置、角度検出装置および操舵制御装置付き車両 Download PDF

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Description

本発明は、操向輪の転舵絶対角度を検出する角度検出装置、操舵制御装置および騒動制御装置付き車両に関する。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報では、左操舵限界位置から右操舵限界位置までの操舵部材が操舵されるときに、それぞれn回、(n+1)回、(n+2)回の周期波形信号を出力する3つのレゾルバの信号出力値の差を用いて絶対舵角を算出ものが開示されている。
特開2007−333657号公報
操向輪をステアリングホイールの操舵角度に応じて転舵制御する操舵装置においては、操向輪の転舵角度を検出して、検出した転舵角度がステアリングホイールの操舵角度に応じた角度となるように制御される為、転舵角度を検出する必要が有る。特に、ステアリングホイールの操舵角度と操向輪の転舵角度との比である舵角比を可変する可変舵角比制御を行う操舵装置においては、ステアリングホイール側の操舵角度と操向輪側の転舵角度との比が一定でないため、ステアリングホイール側と操向輪側のそれぞれに角度検出手段を設ける必要がある。ステアリングホイール側の角度(操舵角度)検出手段はステアリングホイールの角度を検出するため車両の居室内に設置することができるが、操向輪側の角度検出手段は操向輪側の角度(転舵角度)を検出しなければならないため車両の居室内に設置することができない。そのため、操向輪側の角度検出手段は、環境温度、防水や防塵等の点で車両の居室内に比べて良好ではない車両の居室外に設置されることとなる。
ところで、角度検出手段の一つであるエンコーダ(デジタル信号を検出するセンサ)は電子部品が用いられているため、高温、水や塵に対して脆弱である。一方、同じく角度検出手段の一つであるレゾルバ(アナログ信号を検出するセンサ)には電子部品が用いられていないため、耐高温性、耐水性や耐塵性においてエンコーダに比べて優れている。そのため、操舵側に設置する角度検出手段としてはレゾルバが用いられることが多い。ここでレゾルバを用いて絶対角度を検出するためには、上記従来技術のように3つのレゾルバを設置する必要があり、コストアップの要因となるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、操向輪側に設置するレゾルバの数を少なくするとともに、転舵角度を検出することができる操舵制御装置、角度検出装置および操舵制御装置付き車両を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明においては、操舵絶対角度検出手段が検出した操舵絶対角度と偏差記憶手段が記憶する操舵絶対角度と転舵絶対角度との偏差との和と、操向輪の転舵角度範囲内の角度を複数の周期で検出する転舵角度検出手段が制御開始時に検出した初期値との差をオフセット量として求め、転舵角度検出手段が検出した転舵角度とオフセット量の和を転舵絶対角度として算出するようにした。
よって、転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができ、コストを抑制することができる。
実施例1の車両用操舵装置を適用した車両の全体構成図である。 実施例1の極対数が2のレゾルバ式センサが検出する電気角度と実角度との関係を示すグラフである。 実施例1の制御ブロック図である。 実施例1の転舵角度指令値算出部の制御ブロック図である。 実施例1の可変舵角比マップである。 実施例1の操舵絶対角度算出部において行われる操舵絶対角度算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵絶対角度算出部において行われる転舵絶対角度算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵絶対角度推定値算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵絶対角度算出の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵絶対角度推定値補正処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の偏差記憶部において行われる偏差記憶処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の偏差記憶部において行われる偏差記憶無効処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のステアバイワイヤ制御とバックアップモードとの切換処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵角度センサ値と転舵絶対角度との関係を示すグラフである。 実施例1の操舵絶対角度および転舵絶対角度と車速との関係を示すグラフである。
[実施例1]
実施例1の車両用操舵装置2の構成を説明する。
〔全体構成〕
図1は、実施例1の車両用操舵装置2を適用した車両1の全体構成図である。この車両1は、前輪3FL,3FRと後輪4RL,4RRのうち、前輪3FL,3FRが転舵を行う操向輪となっている。実施例1の車両用操舵装置2は、ステアリングホイール5と前輪3とが機械的に切り離された、いわゆる、ステアバイワイヤシステムである。また実施例1の車両用操舵装置2は、操舵角度に対する転舵角度の比である舵角比を可変に制御している。
(操舵側機構)
実施例1の車両用操舵装置2は操舵側の機構として、運転者が操舵を行うステアリングホイール5と、ステアリングホイール5に連結したステアリングシャフト6と、運転者によって操舵されるステアリングホイール5の操舵角度(絶対角度)を検出する操舵絶対角度センサ7(操舵絶対角度検出手段)と、運転者によってステアリングホイール5が操舵されることによってステアリングシャフト6に入力されたトルク(すなわち運転者の操舵トルク)を検出する操舵トルクセンサ8と、ステアリングホイール5にステアリングシャフト6を介して接続され、ステアリングシャフト6を経由してステアリングホイール5に回転トルク(操舵反力)を付与する反力モータ9と、反力モータ9の回転角度を検出する反力モータ回転角度センサ10とを有している。
操舵絶対角度センサ7は、デジタル信号を出力するエンコーダ式のセンサであって、デジタル信号を処理する電子部品(演算回路)を備え、絶対角度を検出可能なセンサである。この操舵絶対角度センサ7は、ステアリングホイール5の近くであって、車両1の居室内に設置されている。反力モータ回転角度センサ10は、アナログ信号を出力するレゾルバ式のセンサであって、エンコーダ式のセンサのようなデジタル信号を処理する電子部品(演算回路)を必要としない構成となっている。
(転舵側機構)
実施例1の車両用操舵装置2は転舵側の機構として、前輪3を転舵駆動する転舵モータ11と、転舵モータ11の角度を検出する転舵モータ回転角度センサ12と、転舵モータ11のモータシャフト13の端部に接続されたピニオンギヤ14と、ピニオンギヤ14と噛み合うラックギヤ15を備えるラック16と、ラック16の軸方向の力を前輪3に転舵力として伝達するタイロッド17と、ラック16の軸方向に入力する力を路面から前輪3に作用する転舵反力として検出する転舵反力センサ18とを有している。
転舵モータ回転角度センサ12は、アナログ信号を出力するレゾルバ式のセンサであって、エンコーダ式のセンサのようなデジタル信号を処理する電子部品(演算回路)を必要としない構成となっている。この転舵モータ回転角度センサ12は、転舵モータ11の付近に設置されている。
(バックアップ機構)
実施例1の車両用操舵装置2は、ステアバイワイヤシステムのバックアップ機構として、ステアリングホイール5と前輪3とを機械的に断接可能なクラッチ19(断接部)と、クラッチ19を介してステアリングホイール5の操舵トルクを伝達するピニオンシャフト20と、ピニオンシャフト20の端部に接続するとともに、ラック16のラックギヤ15と噛み合うピニオンギヤ21と、ピニオンギヤ21の回転角度を検出するピニオン回転角度センサ22(転舵角度検出手段)とを有している。
ピニオン回転角度センサ22は、レゾルバ式のセンサであって電子部品(演算回路)を有していない構成となっている。このピニオン回転角度センサ22は、ピニオンギヤ21の付近に設置されており、すなわちラック16付近(車両の居室外)に設置されている。前輪3の転舵角度は、ピニオンギヤ21の回転角度と、ラック16のラックギヤ15とピニオンギヤ21とのギヤ比とによって一意に決定される。そのため実施例1では、単に「転舵角度」と記載したときにはピニオンギヤ21の回転角度を示している。
(レゾルバ式センサ)
反力モータ回転角度センサ10、転舵モータ回転角度センサ12、ピニオン回転角度センサ22に用いているレゾルバ式センサについて説明する。図2は極対数が2のレゾルバ式センサが検出する電気角度と実角度との関係を示すグラフである。極対数2のレゾルバ式センサは、電気角度360°の範囲で角度180°の範囲を検出することが可能である。ここで、図2では角度0°のときに電気角度0°を対応させているため、電気角度0°,180°,360°は、レゾルバ式センサの検出値(センサ値)としてはそれぞれ0°,90°,180°を示す。以下では、説明の簡単のため電気角度ではなくセンサ値を用いて説明する。
また、前述のように、極対数2のレゾルバ式センサは、角度180°の範囲を検出可能であるため、例えば実角度が-720°から720°の範囲では、極対数2のレゾルバ式センサでは8周期分となる。すなわち、-720°から-540°を1周期、-540°から-360°を2周期、-360°から-180°を3周期、-180°から0°を4周期、0°から180°を5周期、180°から360°を6周期、360°から540°を7周期、540°から720°を8周期となる。このため、センサ値90°のときは、実角度は-630°,-450°,-270°,-90°,0°,90°,270°,450°,630°のいずれかであることが分かる。すなわち極対数2のレゾルバ式センサは、角度180度の範囲で検出可能であるが、センサ値が90°である場合は絶対角が-630°,-450°,-270°,-90°,0°,90°,270°,450°,630°のいずれの角度であるのかは検出することができない。
(制御機構)
実施例1の車両用操舵装置は各装置の制御機構として、反力モータ9とクラッチ19を制御する反力コントローラ30と、転舵モータ11とクラッチ19を制御する転舵コントローラ40とを有している。なお、反力コントローラ30と転舵コントローラ40とは通信回路24によって接続され、それぞれが入力した情報を共有できるようにしている。
反力コントローラ30は、反力モータ9の制御、クラッチ19の制御、転舵角度指令値の算出、ステアリングホイール5の操舵絶対角度の算出等を行っている。
反力コントローラ30は、反力モータ回転角度センサ10から反力モータ9の回転角度と、転舵反力センサ18から転舵反力と、車速センサ23から車速と、反力モータ9から反力モータモニタ値を入力する。反力モータモニタ値とは、反力モータ9の駆動電流や温度等を示す。
反力コントローラ30は、転舵反力センサ18で検出された転舵反力に基づいてステアリングホイール5へ付与する操舵反力指令値を演算し、演算した操舵反力指令値に基づいて反力モータ9を制御することによって、ステアリングホイール5へ操舵反力を制御する。また反力コントローラ30は、反力モータ9によりステアリングホイール5に操舵反力を付与できない場合や、転舵モータ11により前輪3の転舵制御を行えない場合にはクラッチ19に締結指令を出力する。
さらに反力コントローラ30は、操舵絶対角度センサ7で検出された操舵絶対角度と、車速センサ23で検出された車速とに基づいて転舵角度指令値を算出し、この転舵角指令値を転舵コントローラに出力する。また反力コントローラ30は、操舵絶対角度センサ7で検出された操舵角度と、反力モータ回転角度センサ10で検出された反力モータ9の回転角度とに基づいてステアリングホイール5の操舵絶対角度を算出して転舵コントローラ40へ出力する。なお、操舵絶対角度センサは例えばステアリングホイール5の回転軸に設けられた着磁された回転子と、該回転子の回転に伴う磁気変化に基づいて絶対回転角度を算出する演算回路を備えた、例えば特開2008−224283号公報等に記載された公知の磁気式エンコーダである。
転舵コントローラ40は、転舵モータ11の制御、クラッチ19の制御、転舵絶対角度の算出を行っている。転舵コントローラ40は、転舵モータ回転角度センサ12から転舵モータ11の回転角度と、ピニオン回転角度センサ22からピニオンギヤ21の回転角度と、操舵トルクセンサ8からステアリングホイール5の操舵トルクと、転舵モータ11から転舵モータモニタ値と、反力コントローラ30から操舵絶対角度と転舵角度指令値とを入力する。転舵モータモニタ値とは、転舵モータ11の駆動電流や温度等を示す。
転舵コントローラ40(駆動制御手段)は、反力コントローラ30で算出された操舵絶対角度と、ピニオン回転角度センサ22で算出されたピニオンギヤ21の回転角度とに基づいて転舵絶対角度を算出する。また、転舵コントローラ40は、反力コントローラ30で算出された転舵角度指令値と算出した転舵絶対角度との偏差に基づいて転舵モータ駆動電流を転舵モータ11(駆動手段)に出力し、転舵角度指令値と転舵絶対角度とが一致するように転舵モータ11を駆動制御する。また転舵モータモニタ値や、反力モータモニタ値が異常を示す値になった場合には、転舵コントローラ40はクラッチ19に締結指令を出力する。このとき転舵コントローラ40は、操舵トルクセンサ8で検出されたステアリングホイール5の操舵トルクに基づいて、運転者の操舵トルクを補助するように転舵モータ11を制御する。
〔制御ブロック〕
図3は実施例1の制御ブロック図である。図3の制御ブロック図では、反力コントローラ30についてはステアリングホイール5の操舵絶対角度の算出、転舵コントローラ40については転舵モータ11の制御、転舵絶対角度の算出について記載している。
(反力コントローラ)
反力コントローラ30は、操舵絶対角度算出部31と、転舵角度指令値算出部32(舵角比可変手段)とを有している。操舵絶対角度算出部31は、操舵絶対角度センサ7で検出された操舵絶対角度θh_absと、反力モータ回転角度センサ10で検出された反力モータ9の回転角度θh_motとを入力し、操舵絶対角θhを算出する。
転舵角度指令値算出部32では、車速センサ23で検出された車速Vと、操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhとを入力し、転舵角度指令値θp_cmdを算出する。図4は、転舵角度指令値算出部32の制御ブロック図である。転舵角度指令値算出部32は、可変舵角比マップ32aと、乗算部32bとを有している。図5は可変舵角比マップ32aである。舵角比とは操舵角度に対する転舵角度の比である。図5には車速にかかわらず一定の舵角比とするメカニカル舵角比と、車速に応じて舵角比を可変にする可変舵角比とを示している。可変舵角比は、図5に示すように車速が低いときには舵角比を高く設定し、車速が高くなるに従って舵角比を低く設定するようにしている。乗算部32bでは、操舵絶対角度θhに可変舵角比マップで求めた舵角比を乗算する。この乗算した値を転舵角度指令値θp_cmdとして出力する。
(転舵コントローラ)
また転舵コントローラ40は、転舵絶対角度算出部41と、偏差記憶部42(偏差記憶手段)と、転舵角度サーボ制御部43と、電流制御ドライバ44と、バックアップモード切換部45とを有している。転舵絶対角度算出部41は、操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhと、ピニオン回転角度センサ22で検出された転舵角度センサ値θpsensと、偏差記憶部42で記憶されている偏差Δθを入力し、転舵絶対角度θpを算出する。偏差記憶部42は、操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhと、転舵絶対角度算出部41で算出された転舵絶対角度θpとを入力し、操舵絶対角度-転舵絶対角度の偏差であるΔθを記憶する。この偏差記憶部42は、イグニッションスイッチがオフとなっても記憶内容を保持することができる不揮発性メモリを有し、前記偏差Δθはこの不揮発性メモリに記憶される。
転舵角度サーボ制御部43は、転舵角度指令値算出部32で算出された転舵角度指令値θp_cmdと、転舵絶対角度算出部41で算出された転舵絶対角度θpとを入力して、転舵絶対角度θpと転舵角度指令値θp_cmdとの偏差に応じた電流指令値Ip_cmdを算出する。電流制御ドライバ44は、転舵角度サーボ制御部43で算出された電流指令値Ip_cmdと、転舵モータ11の転舵モータモニタ値である駆動実電流Ip_realとを入力して、駆動実電流Ip_realが電流指令値Ip_cmdとなるように、転舵モータ11に供給する駆動電流Ip_driを制御する。
バックアップモード切換部45は、転舵絶対角度算出部41で算出された転舵絶対角度θpを入力し、転舵絶対角度算出部41において転舵絶対角度θpが算出不可であったときには転舵角度サーボ制御部43においてステアバイワイヤ制御を停止することを指令するとともに、クラッチ19に締結指令を出力する。
〔操舵絶対角度算出処理〕
図6は、操舵絶対角度算出部31において行われる操舵絶対角度算出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、イグッニッションスイッチがONであるときにはステップS2へ移行し、イグニッションスイッチがOFFであるときにはステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、操舵絶対角度オフセットΔθh_ofsの算出が完了しているか否かを判定し、操舵絶対角度オフセットΔθh_ofsの算出が完了しているときにはステップS5へ移行し、操舵絶対角度オフセットΔθh_ofsの算出が完了していないときにはステップS3へ移行する。
ステップS3では、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度θh_absと、反力モータ回転角度センサ10が検出した反力モータ9の回転角度θh_motとを取得してステップS4へ移行する。ここで取得される操舵絶対角度θh_abs、反力モータ9の回転角度θh_motはイグニッションスイッチがONになった直後の値である。
ステップS4では、次の式(1)により、操舵角度オフセットθh_ofsを算出してステップS2へ移行する。
Δθh_ofs = θh_abs - θh_mot … (1)
ステップS5では、反力モータ回転角度センサ10が検出した反力モータ9の回転角度θh_motを取得してステップS6へ移行する。ここで取得される反力モータ9の回転角度θh_motは、ステップS3の後に取得された値である。
ステップS6では、次の式(2)により、操舵絶対角度θhを算出して処理を終了する。
θh = θh_mot + θh_ofs … (2)
操舵絶対角度算出処理は、操舵絶対角度センサ7で検出されたステアリングホイール5の操舵絶対角度の精度を向上させるための処理であって、操舵絶対角度センサ7の分解能が十分に高いときには操舵絶対角度センサ7の検出値をそのまま用いても良い。
〔転舵絶対角度算出処理〕
図7は、転舵絶対角度算出部41において行われる転舵絶対角度算出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11では、イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、イグッニッションスイッチがONであるときにはステップS12へ移行し、イグニッションスイッチがOFFであるときにはステップS11の処理を繰り返す。
ステップS12では、後述する操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理を行い、ステップS13へ移行する。
ステップS13では、後述する転舵絶対角度推定値算出処理を行い、ステップS13へ移行する。
ステップS14では、後述する転舵絶対角度算出処理を行い、処理を終了する。
(操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理)
図8は、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS21では、偏差記憶部42に操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθが正常に記憶されているか否かを判定し、正常に記憶されているときにはステップS22へ移行し、正常に記憶されていないときにはステップS23へ移行する。操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθは、偏差記憶部42に記録されている操舵絶対角度と転舵絶対角度との偏差Δθである。偏差記憶部42に偏差Δθが記憶されていない等の場合には操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを正常に取得できなかったと判定する。
ステップS22では、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを取得して処理を終了する。
ステップS23では、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを取得できなかったことを記録して処理を終了する。
(転舵絶対角度推定値算出処理)
図9は、転舵絶対角度推定値算出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS31は、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを正常取得できたか否かを判定し、偏差Δθを正常取得できたときにはステップS32へ移行し、偏差Δθを正常取得できなかったときにはステップS33へ移行する。
ステップS32では、操舵絶対角度センサ7が正常であるか否かを判定し、操舵絶対角度センサ7が正常であるときにはステップS33へ移行し、異常であるときにはステップS35へ移行する。
ステップS33では、操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhを取得して、ステップS34へ移行する。
ステップS34では、転舵絶対角度推定値θp*を次の式(3)により算出して、処理を終了する。
θp* = θh + Δθ … (3)
ステップS35では、転舵絶対角度推定値θp*が算出できなかったことを記録して処理を終了する。
図10は、転舵絶対角度算出の流れを示すフローチャートである。
ステップS41では、転舵絶対角度推定値θp*の算出結果を判定し、転舵絶対角度推定値θp*が未だ算出されていない場合にはステップS41の処理を繰り返す。転舵絶対角度推定値θp*の算出が完了しているときにはステップS42へ移行し、転舵絶対角度推定値θp*の算出ができなかったときにはステップS47へ移行する。
ステップS42では、ピニオン回転角度センサ22が正常であるか否かを判定し、ピニオン回転角度センサ22が正常であるときにはステップS43へ移行し、異常であるときにはステップS49へ移行する。
ステップS43では、ピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpの算出を完了したか否かを判定し、オフセットΔθpの算出を完了していないときにはステップS44へ移行し、オフセットΔθpの算出を完了しているときには、ステップS47へ移行する。
ステップS44では、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値θpsensを取得して、ステップS45へ移行する。ここで取得される転舵角度センサ値θpsensはイグニッションスイッチがONになった直後の値(初期値)である。
ステップS45では、後述する転舵絶対角度推定値補正処理を行い、ステップS46へ移行する。
ステップS46では、ステップS45において補正された後の転舵絶対角度θp*をピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値θpsensを用いて次の式(4)によってピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpを算出して、ステップS43へ移行する。
Δθp = θp* - θpsens … (4)
ステップS47では、ピニオン回転角度センサ22で検出された転舵角度センサ値θpsensを取得して、ステップS48へ移行する。ここで取得される転舵角度センサ値θpsensは、ステップS44の後に取得された値である。
ステップS48では、転舵角度センサ値θpsensと、ステップS45で算出されたピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpを用いて次の式(5)によって転舵絶対角度θpを算出して、処理を終了する。
θp = θpsens + Δθp … (5)
ステップS49では、転舵絶対角度θpの算出ができなかったことを記録して処理を終了する。
図11は、転舵絶対角度推定値補正処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS51では、次の式(6)によって操舵絶対角度推定値θ*をピニオン回転角センサ22の検出可能角度範囲に換算したピニオン回転角度換算値θp*convを算出し、ステップS52へ移行する。ここでnはピニオン回転角度センサの極対数を示す。
θp*conv = [θp* / (360/n)]の余り … (6)
ステップS52では、ピニオン回転角度換算値θp*convが負であるか否かを判定し、ピニオン回転角度換算値θp*convが負の場合にはステップS53へ移行し、負でない場合にはステップS54へ移行する。
ステップS53では、θp*convに360/nを足してステップS54へ移行する。
ステップS54では、次の式(7)を用いて転舵絶対角度推定値補正量Δθp*を算出して、ステップS55へ移行する。
Δθp* = θp*conv - θpsens … (7)
ステップS55では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*が360/2nよりも大きいか否かを判定し、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*が360/2nよりも大きいときにはステップS57へ移行し、360/2n以下であるときにはステップS56へ移行する。
ステップS56では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*が-360/2nよりも小さいか否かを判定し、Δθp*が-360/2nよりも小さいときにはステップS58へ移行し、-360/2n以上であるときにはステップS59へ移行する。
ステップS57では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*から360/nを引いてステップS59へ移行する。
ステップS58では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*に360/nを足してステップS59へ移行する。
ステップS59では、次の式(8)を用いて補正後の転舵絶対角度推定値θp*を算出する。
θp* = θp* - Δθp* … (8)
〔偏差記憶処理〕
図12は、偏差記憶部42において行われる偏差記憶処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS61では、操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhと、転舵絶対角度算出部41で算出された転舵絶対角度θpとを取得して、ステップS62へ移行する。
ステップS62では、次の式(9)を用いて操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを算出して、ステップS63へ移行する。
Δθ = θh - θp … (9)
ステップS63では、可変舵角比制御が停止したか否かを判定し、可変舵角比制御が停止したときにはステップS64へ移行し、可変舵角比制御が停止していないときにはステップS61へもどる。可変舵角比制御の停止とは、クラッチ19が締結された状態、もしくはイグニッションスイッチがOFFとなる状態のことを示す。
ステップS64では、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを記憶して、処理を終了する。
〔偏差記憶無効処理〕
図13は、偏差記憶部42において行われる偏差記憶無効処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS71では、可変舵角比制御が開始されたか否かを判定し、可変舵角比制御が開始された場合にはステップS72へ移行し、可変舵角比制御が開始されていない場合にはステップS71の判定を繰り返す。可変舵角比制御が開始されたか否かの判定は、クラッチ19が解放されたか否かによって判定するようにしても良い。
ステップS72では、記憶している偏差Δθを無効にして処理を終了する。
〔バックアップモード切換処理〕
図14は、ステアバイワイヤ制御とバックアップモードとの切換処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS81では、転舵絶対角度θpの算出結果を判定し、転舵絶対角度θpの算出が完了している場合にはステップS82へ移行し、転舵絶対角度θpの算出ができなかったときにはステップS83へ移行し、転舵絶対角度θpが未だ算出されていないときにはステップS81の処理を繰り返す。
ステップS82では、ステアバイワイヤ制御を行うことを転舵角度指令値算出部32に指令して、処理を終了する。
ステップS83では、バックアップモードに移行することを転舵角度指令値算出部32に指令するとともにクラッチ19に締結指令を出力して、処理を終了する。
ステアバイワイヤ制御では可変舵角比制御が行われ、バックアップモードでは固定舵角比(メカニカル舵角比)制御が行われる。
〔操舵絶対角度算出処理動作〕
イグニッションスイッチがONであって、操舵角度オフセットΔθh_ofsの算出が完了していないときには、図6のフローチャートにおいてステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと移行する。ステップS4において操舵角度オフセットΔθh_ofsを算出する。操舵角度オフセットΔθh_ofsの算出が完了したときには、図6のフローチャートにおいてステップS1→ステップS2→ステップS5→ステップS6へと移行する。ステップS6において操舵絶対角度θhを算出する。
〔転舵絶対角度算出処理動作〕
イグニッションスイッチがONであるときには、図7のフローチャートにおいてステップS11→ステップS12へと移行する。ステップS12では、図8の操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理を行う。
偏差記憶部42において、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθが正常に記憶されているときには、図8のフローチャートにおいてステップS21→ステップS22へと移行し、偏差Δθを取得する。また偏差Δθが正常に記憶されていないときには、図8のフローチャートにおいてステップS21→ステップS23へと移行し、偏差Δθを取得不可であることを記録する。
操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理を終了すると、図7のフローチャートに戻りステップS12→ステップS13へと移行する。ステップS13では、図9の転舵絶対角度推定値算出手段処理を行う。
操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθが正常取得できており、かつ操舵絶対角度センサ7が正常であるときには、図9のフローチャートにおいてステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS34へと移行する。ステップS33において操舵絶対角度算出部31で算出された操舵絶対角度θhを取得し、ステップS34では、操舵絶対角度θhと偏差記憶部42で記憶された偏差Δθとに基づいて転舵絶対角度推定値θp*を算出する。操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθが正常取得できなかったとき、または操舵絶対角度センサ7が異常であるときには、ステップS31→(ステップS32→)ステップS35へと移行し、転舵絶対角度推定値θp*が算出不可であることを記録する。
転舵絶対角度推定値算出処理を終了すると、図7のフローチャートに戻りステップS13→ステップS14へ移行する。ステップS14では、図10の転舵絶対角度算出処理を行う。
転舵絶対角度推定値θp*の算出が完了し、かつピニオン回転角度センサ22が正常であり、ピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpの算出を完了していないときには、図10のフローチャートにおいてステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45へと移行する。ステップS44ではピニオン回転角度センサ22で検出された転舵角度センサ値θpsensを取得し、ステップS45では図11の転舵絶対角度推定値補正処理を行う。
図9の転舵絶対角度推定値算出処理では、転舵絶対角度推定値θp*を操舵絶対角度θhと操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθとに基づいて算出している。操舵絶対角度θhは、操舵側の検出値に基づいて算出された値であり、また操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθは前回の可変舵角比制御終了時に記憶された値であるため、この転舵絶対角度推定値θp*の推定精度は十分ではない。そこで図11の転舵絶対角度推定値補正処理において、転舵側の検出値であるピニオン回転角度センサ22で検出された転舵角度センサ値θpsensを用いて、転舵絶対角度推定値θ*を補正するようにしている。
図11のフローチャートにおいて、ステップS51→ステップS52→(ステップS53→)ステップS54へと移行する。ステップS51では、操舵絶対角度推定値θp*をピニオン回転角度センサ22の検出可能範囲の値に換算したピニオン回転角度換算値θp*convを算出する。ピニオン回転角度センサ22が検出する転舵角度センサ値θpsensと転舵絶対角度θpとの関係について説明をする。図15はピニオン回転角度センサ22が検出する転舵角度センサ値θpsensと転舵絶対角度θpとの関係を示すグラフである。ピニオン回転角度センサ22の極対数が2であるとする。極対数が2であるピニオン回転角度センサ22は、0°から360°/2(=180°)の角度範囲を検出可能となる。例えば、転舵絶対角度推定値が240°であれば、この転舵絶対角度240°に相当する転舵角度センサ値は60°となる。
続くステップS52、ステップS53ではステップS51で算出したピニオン回転角度換算値θp*convを正の値とするように処理している。ステップS54では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*を算出する。
続いてステップS55→ステップS56→ステップS59、またはステップS55→ステップS57→ステップS59、またはステップS55→ステップS56→ステップS58→ステップS59へと移行する。ステップS55〜ステップS58では、ピニオン回転角度換算値θp*convと転舵角度センサ値θpsensとの差が、360°/2nよりも大きいときには、転舵絶対角度推定値θp*はピニオン回転角度センサ22の隣接する周期の角度に相当すると判断して、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*を算出している。ステップS59では、補正前の転舵絶対角度推定値補正量Δθp*と転舵絶対角度推定値補正量Δθp*とに基づいて補正後の転舵絶対角度推定値θp*を求める。
ここで、転舵絶対角度推定値補正処理の流れを、具体的な数値と図15を用いて説明する。例えば転舵角絶対角度推定値θp*を240°とし、転舵角度センサ値θpsensを70°とする。ステップS51において、ピニオン回転角度換算値θp*conv=[240°/(360°/2)]の余り=60°を算出する。
次にステップS51において、ピニオン回転角度換算値θp*conv=60°≧0であるため、ステップS54へ移行する。ステップS54では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=60°-70°=-10°を算出する。
次にステップS55において、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=-10°≦360°/2・2=90°であるため、ステップS56へ移行する。ステップS56において、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=-10°≧-360°/2・2=-90°であるため、ステップS59へ移行する。ステップS59において、補正後の転舵絶対角度推定値θp*=240°-(-10°)= 250°を算出する。
また別の具体的な数値例として、転舵角絶対角度推定値θp*を同じく240°とし、転舵角度センサ値θpsensを160°とする。このとき、ステップS54では、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=60°-160°= -100°と算出される。ステップS56において、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=-100°<-360°/2・2=-90°であるため、ステップS58に移行し、転舵絶対角度推定値補正量Δθp*=-100°+360°/2=80°と算出する。ステップS59では、補正後の転舵絶対角度推定値θp*=240°-80°=160°を算出する。
すなわち、ステップS55からステップS58では、転舵角度センサ値θpsensに相当する転舵絶対角度のうち、補正前の転舵絶対角度推定値θp*に近い値を補正後の転舵絶対角度推定値θp*として用いるようにしている。
転舵絶対角度推定値補正処理を終了すると、図10に戻りステップS46へと移行する。ステップS46では補正後の転舵絶対角度推定値θ*と、転舵角度センサ値θpsensとに基づいてピニオン回転角度センサ値オフセット値Δθpを算出する。
ピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpの算出を完了しているときには、ステップS47→ステップS48へと移行する。ステップS47ではピニオン回転角度センサ22で検出された転舵角度センサ値θpsensを取得し、ステップS48ではピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpと、転舵角度センサ値θpsensとに基づいて転舵絶対角度θpを算出する。
〔偏差記憶処理動作〕
可変舵角比制御が停止されたときには、図12のフローチャートにおいてステップS61→ステップS62→ステップS63→ステップS64へと移行する。ステップS62では、ステップS61において取得した操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとに基づいて操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを算出する。ステップS64では、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを偏差記憶部42に記憶する。
〔偏差記憶無効処理動作〕
可変舵角比制御が開始された後であって、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差取得処理(図8)のステップS22において操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを取得済みであるときには、ステップS71→ステップS72→ステップS73へと移行する。ステップS73では、記憶している偏差Δθを無効にする。
〔バックアップモード切換処理動作〕
バックアップモード切換処理(図14)において、転舵絶対角度θpの算出が完了したときには、ステップS81→ステップS82へと移行する。ステップS82では、ステアバイワイヤ制御を行う。転舵絶対角度θpの算出が不可であったときには、ステップS81→ステップS83へ移行する。ステップS83では、バックアップモードに切り換える。
〔作用〕
実施例1の車両用操舵装置2は可変舵角比制御を行っているため操舵角度と転舵角度との比が一定でなく、転舵角度と操舵角度とをそれぞれ検出する必要がある。操舵絶対角度センサ7はステアリングホイール5のすぐ裏側に設けることが可能なため、操舵絶対角度センサ7は車両1の居室内に配置することができる。一方、転舵角度を検出するピニオン回転角度センサ22はピニオンギヤ21の付近に設置することとなる。ピニオンギヤ21付近は、エンジンに近く、また車両1の下部から水や塵が進入するおそれがあり、環境温度、防水、防塵等の点で車両1の居室内に比べて良好でない環境である。絶対角度を検出する角度センサとしては、磁気抵抗素子を用いた磁気式やフォトトランジスタを用いた光学式のエンコーダが広く用いられているが、上記のように環境温度、防水、防塵等の点で劣環境であるピニオンギヤ21付近には、エンコーダのように電子部品(演算回路)を備えるセンサを配置することができなかった。
このため、耐高温性、耐水性や耐塵性においてエンコーダに比べて優れているレゾルバをピニオン回転角度センサ22として用いることが考えられるが、例えば特開2007−333657号公報に記載の様に3つのレゾルバを用いて絶対角度を検出する場合は、レゾルバの個数が増大して、コストアップの要因となるおそれがあった。
そこで実施例1の転舵絶対角度算出部41においては、操舵絶対角度算出部31で算出した操舵絶対角度θhと偏差記憶部42が記憶する操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθとの和と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した転舵角度センサ値θpsensとの差をピニオン回転角度センサ値オフセットΔθpとして求め、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度とオフセットΔθpの和を転舵絶対角度θpとして算出するようにした。
すなわち、操舵側(ステアリングホイール5側)に設けた絶対角度を検出可能な操舵絶対角度センサ7と、転舵側(前輪(操向輪)3側)に設けた転舵角度範囲内の角度を複数の周期で検出するピニオン回転角度センサ22を用いて転舵絶対角度θpを求めるようにした。このため転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができる。
また実施例1の転舵絶対角度算出部41において、制御開始時に操舵絶対角度算出部31で算出した操舵絶対角度θhと偏差記憶部42が記憶する操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθとの和を転舵絶対角度推定値θp*として求めるようにした。そして、この転舵絶対角度推定値θp*をピニオン回転角度センサ22の検出角度範囲に換算した値と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した転舵角度センサ値θpsensの初期値との差を転舵絶対角度推定値補正量Δθp*として求めるようにした。さらに、操舵絶対角度算出部31が算出した操舵絶対角度θhと偏差記憶部42が記憶する操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθとの和と、補正量Δθp*との差を転舵絶対角度θpとして算出するようにした。
よって、転舵側に設けたピニオン回転角度センサ22により転舵絶対角度θpを算出することが可能となり、転舵絶対角度θpの算出精度を向上させることができる。
また実施例1の転舵絶対角度算出部41が可変舵角比制御を停止したときに、偏差記憶部42は操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶するようにした。
図16は、操舵絶対角度θh、転舵絶対角度θpと車速Vとの関係を示すグラフである。図16において、実線は操舵絶対角度を、点線は可変舵角比制御が行われているときの転舵絶対角度θpを、一点鎖線は可変舵角比制御が行われていないとき(メカニカル舵角比)のときの転舵絶対角度θpである。図16に示すように、可変舵角比制御が行われているときには車速Vに応じて舵角比が変化するため、常に操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの関係を監視しておく必要がある。一方、可変舵角比制御が行われていないときには車速Vに関わらず舵角比は一定であるため、正しい操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶することができる。
また実施例1では、ステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を断接するクラッチ19を有し、偏差記憶部42はクラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続したときに、操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶するようにした。
クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続すると、可変舵角比制御が行われず車速Vに関わらず舵角比は一定であるため、正しい操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶することができる。
また実施例1では、偏差記憶部42は、転舵角度指令算出部32が舵角比の可変制御を開始したときに、操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθの記憶を無効にするようにした。
可変舵角比制御が開始されると、操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの関係が変わるため、偏差記憶部42に記憶されている操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを用いて転舵絶対角度θpを算出すると誤った値を算出してしまう。そこで可変舵角比制御が開始されると、偏差Δθの記憶を無効にすることにより、誤った転舵絶対角度θpを算出することを防止できる。
また実施例1では、偏差記憶部42は、クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を解放したときに、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差の記憶を無効にするようにした。
クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を断接すると、可変舵角比制御が行われるため、偏差Δθの記憶を無効にすることにより、誤った転舵絶対角度θpを算出することを防止できる。
転舵角度指令値算出部32は、転舵絶対角度算出部41において偏差記憶部41から操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを取得できなかったときには、舵角比を固定するようにした。
操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθを取得できない状態で転舵絶対角度θpを算出すると誤った値を算出してしまい可変舵角比制御を行うことができない。そこで舵角比を固定し、誤った転舵絶対角度θpで可変舵角比制御を行うことを防止できる。
また実施例1では、ステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を断接するクラッチ19を有し、クラッチ19は、転舵絶対角度算出部32において、偏差記憶部からステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を取得できなかったときには、クラッチ19によってステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続するようにした。
クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続することにより、誤った転舵絶対角度θpで可変舵角比制御を行うことを防止できる。
〔効果〕
実施例1の効果について、以下に列記する。
(1)操向輪を転舵駆動する転舵モータ11と、車両1の居室側に設けた、ステアリングホイール5の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度センサ7と、前輪3側に設けた、前輪3の転舵角度範囲内の角度を複数の周期に亘って検出するピニオン回転角度センサ22と、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶部42と、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度と偏差記憶部42が記憶する偏差との和と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した初期値との差をピニオン回転角度センサオフセットとして求め、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値とオフセット量との和を前輪3の転舵絶対角度として算出する転舵絶対角度算出部41とを設けた。
よって、操舵側(ステアリングホイール5側)に設けた絶対角度を検出可能な操舵絶対角度センサ7と、転舵側(前輪(操向輪)3側)に設けたピニオン回転角度センサ22を用いて転舵絶対角度を求めることが可能となる。このため転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができ、コストを抑制することができる。
(2)転舵絶対角度算出部41は、制御開始時に操舵絶対角度センサ7が算出した操舵絶対角度と偏差記憶部42が記憶する偏差との和をピニオン回転角度センサ22の検出角度範囲に換算した値と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した初期値との差を補正量として求め、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度と偏差記憶手段が記憶する偏差との和と、補正量との差を前輪3の転舵絶対角度として算出するようにした。
よって、転舵側に設けたピニオン回転角度センサ22により転舵絶対角度θpを算出することが可能となり、転舵絶対角度θpの算出精度を向上させることができる。
(3)偏差記憶部42は、転舵角度指令値算出部32が舵角比の可変制御を停止したときに、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶するようにした。
可変舵角比制御が行われていないときには車速Vに関わらず舵角比は一定であるため、正しい操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶することができる。
(4)ステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を断接するクラッチ19を有し、偏差記憶部42は、クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続したときに、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶するようにした。
クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続すると、可変舵角比制御が行われず車速Vに関わらず舵角比は一定であるため、正しい操舵絶対角度θhと転舵絶対角度θpとの偏差Δθを記憶することができる。
(5)転舵角度指令値算出部32が舵角比の可変制御を開始したときに、偏差記憶部42はステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差の記憶を無効にするようにした。
よって、誤った転舵絶対角度θpを算出することを防止できる。
(6)偏差記憶部42は、クラッチ19がステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を解放したときに、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差の記憶を無効にするようにした。
よって、誤った転舵絶対角度θpを算出することを防止できる。
(7)転舵角度指令値算出部32は、転舵絶対角度算出部41において、偏差記憶部41からステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を取得できなかったときには、舵角比を固定するようにした。
よって、誤った転舵絶対角度θpで可変舵角比制御を行うことを防止できる。
(8)ステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を断接するクラッチ19を有し、クラッチ19は、転舵絶対角度算出部32において、偏差記憶部からステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を取得できなかったときには、クラッチ19によってステアリングホイール5と前輪3との間で力の伝達を接続するようにした。
よって、誤った転舵絶対角度θpで可変舵角比制御を行うことを防止できる。
(9)ステアリングホイール5の操舵角度と該ステアリングホイール5の操舵に伴って転舵する前輪3の転舵角度との比である舵角比を可変する転舵モータ11を有する車両1の居室側に設けた、ステアリングホイール5の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度センサ7と、前輪3側に設けた、前輪3の転舵角度範囲内の角度を複数の周期で検出するピニオン回転角度センサ22と、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶部42と、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度と偏差記憶部42が記憶する偏差との和と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した初期値との差をピニオン回転角度センサオフセットとして求め、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値とオフセット量との和を前輪3の転舵絶対角度として算出する転舵絶対角度算出部41とを設けた。
よって、操舵側(ステアリングホイール5側)に設けた絶対角度を検出可能な操舵絶対角度センサ7と、転舵側(前輪(操向輪)3側)に設けたピニオン回転角度センサ22を用いて転舵絶対角度を求めることが可能となる。このため転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができる。
(10)ステアリングホイール5の操舵角度と該ステアリングホイール5の操舵に伴って転舵する前輪3の転舵角度との比である舵角比を可変する転舵モータ11を有する車両1の居室側に設けた、ステアリングホイール5の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度センサ7と、前輪3側に設けた、前輪3の転舵角度範囲内の角度を複数の周期に亘って検出するピニオン回転角度センサ22と、を有し、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶し、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度と偏差記憶部42が記憶する偏差との和と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した初期値との差をピニオン回転角度センサオフセットとして求め、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値とオフセット量との和を前輪3の転舵絶対角度として算出するようにした。
よって、操舵側(ステアリングホイール5側)に設けた絶対角度を検出可能な操舵絶対角度センサ7と、転舵側(前輪(操向輪)3側)に設けたピニオン回転角度センサ22を用いて転舵絶対角度を求めることが可能となる。このため転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができる。
(11)車両1において、ステアリングホイール5の操舵角度と該ステアリングホイール5の操舵に伴って転舵する前輪3の転舵角度との比である舵角比を可変する転舵モータ11と、車両1の居室側に設けた、ステアリングホイール5の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度センサ7と、前輪3側に設けた、前輪3の転舵角度範囲内の角度を複数の周期に亘って検出するピニオン回転角度センサ22と、ステアリングホイール5の操舵絶対角度と前輪3の転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶部42と、操舵絶対角度センサ7が検出した操舵絶対角度と偏差記憶部42が記憶する偏差との和と、ピニオン回転角度センサ22が制御開始時に検出した初期値との差をピニオン回転角度センサオフセットとして求め、ピニオン回転角度センサ22が検出した転舵角度センサ値とオフセット量との和を前輪3の転舵絶対角度として算出する転舵絶対角度算出部41とを設けた。
よって、操舵側(ステアリングホイール5側)に設けた絶対角度を検出可能な操舵絶対角度センサ7と、転舵側(前輪(操向輪)3側)に設けたピニオン回転角度センサ22を用いて転舵絶対角度を求めることが可能となる。このため転舵側に絶対角度を検出可能な角度センサを設ける必要がなく、レゾルバの数を少なくすることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1ではピニオン回転角度センサ22により転舵角度を検出しているが、転舵モータ回転角度センサ12を用いて転舵角度を検出しても良い。なぜなら、前輪3の転舵角度は、ピニオンギヤ14の回転角度と、ラック16のラックギヤ15とピニオンギヤ14とのギヤ比とによって一意に決定されるからである。
また実施例1では、操舵絶対角度センサ7をエンコーダ式のセンサとしているが、絶対角度が検出できるものであれば、レゾルバ式のセンサであっても良い。
また実施例1では、偏差記憶部42を転舵コントローラ40に設けたが、反力コントローラ30に設けても良いし、両方に設けても良い。両方に設けた場合には操舵絶対角度-転舵絶対角度偏差Δθの保持に対して冗長性を持たせることができる。
1 車両
2 車両用操舵装置
2 ステアリングホイール
3 前輪(操向輪)
7 操舵絶対角度センサ(操舵絶対角度検出手段)
19 クラッチ(断接部)
22 ピニオン回転角度センサ(転舵角度検出手段)
32 転舵角度指令値算出部(舵角比可変手段)
41 転舵絶対角度算出部(転舵絶対角度算出手段)
42 偏差記憶部(偏差記憶手段)
45 バックアップモード切換部

Claims (11)

  1. 車両の居室内側に設け、ステアリングホイールの操舵角度範囲内の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度検出手段と、
    車両の居室外側に設け、操向輪の転舵角度範囲内の角度を転舵検出角度として複数の周期に亘って検出する転舵角度検出手段と、
    前記操舵絶対角度と前記転舵検出角度とを用いて、前記操向輪の転舵絶対角度を算出する転舵絶対角度算出手段と、
    前回前記相絶対角度検出手段が検出した前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と、前回前記転舵絶対角度算出手段が算出した前記操向輪の前記転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶手段と
    向輪を転舵駆動する駆動手段と、
    前記操舵絶対角度に応じた転舵角度指令値と前記転舵絶対角とに基づいて前記駆動手段を制御する駆動制御手段と
    を有し、
    前記転舵絶対角度算出手段は、
    前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差記憶手段が記憶する前記偏差との和と、前記転舵角度検出手段が制御開始時に検出した初期値との差をオフセット量として求め、
    前記転舵角度検出手段が検出した前記転舵検出角度と前記オフセット量の和を前記操向輪の転舵絶対角度として算出することを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵絶対角度算出手段は、操舵制御装置の制御開始時に前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差記憶手段が記憶する前記偏差との和を前記転舵角度検出手段の検出角度範囲に換算した値と、前記転舵角度検出手段が制御開始時に検出した前記初期値との差を補正量として求め、前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差記憶手段が記憶する前記偏差との和と、前記補正量との差を前記操向輪の前記転舵絶対角度として算出することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記駆動制御手段は、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記操向輪の転舵角を可変にする舵角比可変制御を行う手段であって、
    前記偏差記憶手段は、前記駆動制御手段が前記舵角比可変制御を停止したときに、前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差を記憶することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項3に記載の操舵制御手段において、
    前記ステアリングホイールと前記操向輪との間で力の伝達を断接する断接部を有し、
    前記偏差記憶手段は、前記断接部が前記ステアリングホイールと前記操向輪との間で力の伝達を接続したときに、前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差を記憶することを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項3に記載の操舵制御装置において、
    前記偏差記憶手段は、前記駆動制御手段が前記舵角比可変制御を開始したときに、前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差の記憶を無効にすることを特徴とする操舵制御装置。
  6. 請求項4に記載の操舵制御装置において、
    前記偏差記憶手段は、前記断接部が前記ステアリングホイールと前記操向輪との間で力の伝達を解放したときに、前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差の記憶を無効にすることを特徴とする操舵制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
    前記駆動制御手段は、前記ステアリングホイールの操舵角に対する前記操向輪の転舵角を可変にする舵角比可変制御を行う手段であって、
    前記駆動制御手段は、前記転舵絶対角度算出手段において、前記偏差記憶手段から前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差を取得できなかったときには、前記舵角比を固定することを特徴とする操舵制御装置。
  8. 請求項7に記載の操舵制御手段において、
    前記ステアリングホイールと前記操向輪との間で力の伝達を断接する断接部を有し、
    前記断接部は、前記転舵絶対角度算出手段において、前記偏差記憶手段から前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と前記操向輪の前記転舵絶対角度との前記偏差を取得できなかったときには、前記断接部によって前記ステアリングホイールと前記操向輪との間で力の伝達を接続することを特徴とする操舵制御装置。
  9. 車両の居室内側に設け、ステアリングホイールの操舵角度範囲内の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度検出手段と、
    車両の居室外側に設け、操向輪の転舵角度範囲内の角度を転舵検出角度として複数の周期に亘って検出する転舵角度検出手段と、
    前記操舵絶対角度と前記転舵検出角度とを用いて、前記操向輪の転舵絶対角度を算出する転舵絶対角度算出手段と、
    前回前記相絶対角度検出手段が検出した前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と、前回前記転舵絶対角度算出手段が算出した前記操向輪の前記転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶手段と、
    を有し、
    前記転舵絶対角度算出手段は、
    前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差記憶手段が記憶する前記偏差との和と、前記転舵角度検出手段が制御開始時に検出した初期値との差をオフセット量として求め、
    前記転舵角度検出手段が検出した前記転舵検出角度と前記オフセット量の和を前記操向輪の転舵絶対角度として算出することを特徴とする角度検出装置。
  10. 車両の居室内側に設け、ステアリングホイールの操舵角度範囲内の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度検出手段と、
    車両の居室外側に設け、操向輪の転舵角度範囲内の角度を転舵検出開度として複数の周期に亘って検出する転舵角度検出手段と、
    を有し、
    前記絶対操舵角度と前記転舵検出角度とを用いて、前記操向輪の前記転舵絶対角度を算出する角度検出方法において、
    前回操舵絶対角度検出手段が検出した前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と、前回算出した前記操向輪の転舵絶対角度との偏差を記憶し、
    前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差との和と、前記転舵角度検出手段が制御開始時に検出した初期値との差をオフセット量として求め、
    前記転舵角度検出手段が検出した前記転舵検出角度と前記オフセット量の和を前記操向輪の転舵絶対角度として算出することを特徴とする角度検出方法。
  11. 車両の居室内側に設け、ステアリングホイールの操舵角度範囲内の操舵絶対角度を検出する操舵絶対角度検出手段と、
    車両の居室外側に設け、操向輪の転舵角度範囲内の角度を転舵検出角度として複数の周期に亘って検出する転舵角度検出手段と、
    前記操舵絶対角度と前記転舵検出角度とを用いて、前記操向輪の転舵絶対角度を算出する転舵絶対角度算出手段と、
    前回前記相絶対角度検出手段が検出した前記ステアリングホイールの前記操舵絶対角度と、前回前記転舵絶対角度算出手段が算出した前記操向輪の前記転舵絶対角度との偏差を記憶する偏差記憶手段と
    向輪を転舵駆動する駆動手段と、
    前記操舵絶対角度に応じた転舵角度指令値と前記転舵絶対角とに基づいて前記駆動手段を制御する駆動制御手段と
    を有し、
    前記転舵絶対角度算出手段は、
    前記操舵絶対角度検出手段が検出した前記操舵絶対角度と前記偏差記憶手段が記憶する前記偏差との和と、前記転舵角度検出手段が制御開始時に検出した初期値との差をオフセット量として求め、
    前記転舵角度検出手段が検出した前記転舵検出角度と前記オフセット量の和を前記操向輪の転舵絶対角度として算出することを特徴とする操舵制御装置付き車両。
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