JP5357407B2 - 遮音床材の施工構造 - Google Patents

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Description

本発明は、遮音床材の施工構造に関するものである。
従来より、特許文献1に示すように、接着剤により床下地に貼着される遮音床材は知られている。この特許文献1の遮音床材は、基板の下面側から上方に向かって複数の切り込み溝を設けることにより、遮音性を確保している。
一方、特許文献2に示すように、再剥離可能な施工用接着剤を用いて、床材を張り替えて更新する施工方法が提案されている。この施工用接着剤にはイソシアネート化合物に中空フィラーが充填されており、施工時のずらし作業性を維持しつつ、更新時に床材を破壊することのないように、施工用接着剤を除去しようとしている。
また、特許文献3には、床材本体の下面に設けられたクッション層と、クッション層の下面に設けられる下層シート状物との間にホットメルト系接着剤を塗布し、更新時に下層シート状物を床下地に残して床材を除去する工法が示されている。
さらに、特許文献4には、複数の薄板が積層された床材であって、重なり合う少なくとも2層の薄板同士が剥離可能である床材を更新する方法が示されている。
特開昭63−190438号公報 特開2004−307788号公報 特開平11−172905号公報 特開2006−348724号公報
上記特許文献2のような施工用接着剤は、従来の高強度の接着剤に比べると接着強さは低いが、マンション等で使用するような厚み6mm程度の薄い床材であって、遮音性を有する遮音床材を除去するときには、その一部を剥がし、床材と床下地との間に「皮スキ」のような薄い金属へらを差し込んで衝撃を与え、界面破壊を起こさせることで床材を除去する必要があり、床材の除去が容易であるとは言い難い。そこで、中空フィラーの含有量を上げ、容易に床材を除去できる程度に接着強さを弱くすると、床材に連続的に作用する荷重により、接着剤が破壊してしまう。
また、上記特許文献3の工法では、床下地に下層シート状物を残して床材を除去するため、繰り返し更新する場合には、最終的に下層シート状物を剥がし、けれん作業により接着剤を剥がす必要がある。上記特許文献4の更新方法も床下地に薄板が残ってしまうので、特許文献3の場合と同じ問題が生じる。
本発明の目的とするところは、繰り返し更新する遮音床材を容易に除去することができるようにすることにある。
具体的には、第1の発明に係る遮音床材の施工構造は、最上層に配置される表面平滑な樹脂化粧シートと、最下層に配置されるクッション層とを少なくとも有する可撓性の複数枚の遮音床材が、上記クッション層の破壊強度よりも弱い接着剥離強度の施工用接着剤により、互いに隣り合うように連続して床下地に貼着され、上記木質基材は、比重が0.4以上でかつ1.0以下であるとともに厚みが2.0mm以上でかつ3.0mm以下である可撓性を有する木質繊維板で構成され、上記樹脂遮音シートは、比重が1.4以上でかつ2.0以下であるとともに厚みが上記木質繊維板の厚みと同じとなるように形成され、上記遮音床材は四周端面には、上記木質繊維板の下面から木質繊維板の厚み方向3分の1の位置と上記樹脂遮音シートの上面から樹脂遮音シートの厚み方向3分の1の位置との間に亘る雄実及び雌実を有する本実加工が施され、上記雄実の上部は、上面が俯角15度以上でかつ30度以下である傾斜面に形成された上記木質基材で構成される一方、雄実の下部は、下面が上記上面の俯角よりも10度以上小さい角度の仰角である傾斜面に形成された上記樹脂遮音シートで構成されていて、隣り合う遮音床材は、表面が互いに面一となるように一方の遮音床材の雌実に他方の遮音床材の雄実が嵌合されて結合されている。
上記の構成によると、クッション層を有して遮音性を有する遮音床材を更新するために除去する際、遮音床材はクッション層が破壊せずに、撓みながら施工用接着剤が破壊し、床下地から剥離する。この遮音床材を除去した床下地に新たな施工用接着剤を塗布し、新たな更新用遮音床材を床下地に直接貼着して更新する。
また、遮音床材は、樹脂化粧シート、木質基材、樹脂遮音シート及びクッション層が順に積層されて構成されていてもよく、樹脂遮音シートにより木質基材の裏面から防湿性が担保される。
さらに、上記の構成によると、同じ厚みの木質繊維板と樹脂遮音シートとを合わせたものの厚み方向に3等分した真ん中部分に本実加工が施される。また、雄実の上面の俯角が下面の仰角よりも小さいので、雄実における樹脂遮音シートの割合が木質繊維板よりも多く、施工時の嵌合のために必要な雄実の強度と、遮音床材除去時に雌実を破壊せずに嵌合を外すことができる程度の雄実及び雌実の硬さとが確保される。そして、遮音床材の除去時に遮音床材が撓んで本実加工の嵌合が外れる。
第2の発明に係る遮音床材の施工構造は、第1の発明に係る遮音床材の施工構造において、上記クッション層が防湿性を有する。
上記の構成によると、クッション層が防湿性を有しているので、基材として木質基材を使用した場合でも、湿気の影響による遮音床材の変形が抑えられる
なお、第1及びの発明に係る遮音床材の施工構造において、施工用接着剤は弾性接着剤であることが特に好ましい。遮音床材のクッション層は、上に人が乗って荷重が作用するたびに変形し、この荷重は、長期にわたって連続的に作用する。一般的な接着剤は、脆く硬い性質の硬化物となり、連続的なクッション層の変形により壊れやすく、壊れにくくするために強度を高くするには接着剥離強度を強める必要がある。一方、施工用接着剤を弾性接着剤とすると、接着剥離強度を弱くしても脆く硬い性質の硬化物とならず、連続的なクッション層の変形により壊れにくくなる。また、遮音床材を除去する際に、遮音床材と床下地との間に衝撃力を加えなくても遮音床材を撓ませながら引っ張ることで施工用接着剤が破壊する
上記第1の発明によれば、施工用接着剤の接着剥離強度をクッション層の破壊強度よりも弱くしているので、遮音床材を更新するために除去する際、クッション層が破壊せずに、施工用接着剤が破壊するので容易に床下地から遮音床材を除去することができる。
そして、この遮音床材を除去した床下地に新たな遮音床材を直接貼着して更新するので、繰り返し更新しても何度でも容易に遮音床材を除去することができる。
また、遮音床材が樹脂化粧シート、木質基材、樹脂遮音シート及びクッション層を順に積層して構成され、樹脂遮音シートにより木質基材の裏面から防湿性を担保することで、基材として木質基材を使用した場合でも、湿気の影響による遮音床材の変形を抑えることができる。
また、樹脂遮音シートにより防湿性を担保することで、クッション層の選択の幅を広げることができる。
さらに、第1の発明によれば、雄実の上面の俯角を下面の仰角よりも小さくして、雄実における樹脂遮音シートの割合を木質繊維板よりも多くしているので、施工時の嵌合のために必要な雄実の強度と、任意の遮音床材除去時に隣り合う遮音床材の雌実を破壊せずに嵌合を外すことができる程度の雄実及び雌実の硬さとを確保することができる。
また、施工用接着剤を弾性接着剤とすると、接着剥離強度を弱くしても施工用接着剤が脆く硬い性質の硬化物とならず、遮音床材の上に人が乗って荷重が連続的に作用してクッション層が変形しても、施工用接着剤が壊れないため、最も好ましい。そして、遮音床材を除去する際に、遮音床材と床下地との間に衝撃を加えなくても引っ張るだけで、接着剥離強度が弱いので容易に施工用接着剤を破壊することができる。
上記第2の発明によれば、遮音床材が樹脂化粧シート、木質基材及び防湿性を有するクッション層を順に積層して構成されているので、基材として木質基材を使用した場合でも、湿気の影響による遮音床材の変形を抑えることができる
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る遮音床材1は、樹脂化粧シート2と、基材3と、高比重樹脂遮音シート4と、クッション層5とがそれぞれ順番に積層されて一体的に構成されている。この遮音床材1は、複数枚が互いに隣り合うように連続し、施工用接着剤により床下地に貼着されている。
上記遮音床材1は、少なくとも樹脂化粧シート2とクッション層5とで構成されていればよく、適度な可撓性と表面平滑性とを有していればよい。この遮音床材1は、マンション等、一定期間ごとに張り替える更新が予想される場所で使用される。
上記遮音床材1は矩形形状であり、幅方向及び長手方向の長さが100mm以上であれば、大きさは特に限定されない。例えば、幅方向の長さが100mmであり、かつ長手方向の長さが900mm〜1800mmである長方形状か、幅方向及び長手方向の長さがそれぞれ300mm〜450mmである正方形状であってもよい。
上記樹脂化粧シート2、基材3等の各構成要素を接着する接着剤は、一般的な貼着作業に使用されるものでよい。例えば、尿素メラミン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ビニルウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、PURホットメルト接着剤等を使用することができる。
(樹脂化粧シート)
上記樹脂化粧シート2は表面平滑なものであればよく、例えば、樹脂含浸紙、オレフィン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート等、またはこれらのシートを複合したもの、さらには、これらのシートの表面に塗装加工を施したシート状物を使用することができる。また、上記遮音床材1に基材3として後述する木質繊維板を用いる場合には、基材3が湿気の影響を受けないように、防湿性があり、かつ強度に優れたシートを用いることが好ましい。
本発明の遮音床材1は、吸盤を有する床材除去具を用いて床下地から剥がし取るようになっているので、樹脂化粧シート2は、床材除去具の吸盤が吸着できるような表面平滑性を有していればよい。
(基材)
上記基材3として、合板やパーティクルボード等を使用可能であるが、遮音床材1の強度及び可撓性を考慮した場合、木質繊維板を用いることが好ましい。木質繊維板は、比重が0.4以上でかつ1.0以下であることが好ましく、さらには、比重が0.4以上でかつ0.8以下である中比重木質繊維板(MDF)がより好ましい。木質繊維板の比重が0.4未満であれば、表面の耐傷性の高い遮音床材1を得ることができず、また、比重が1.0よりも大きければ、水漏れした場合に膨れが大きくなってしまい好ましくない。また、木質繊維板は、厚みが2.0mm以上でかつ3.0mm以下であるものが好ましい。厚みが2.0mm未満であれば、床材に使用した際に表面側からの衝撃による凹み量が大きくなってしまい、厚みが3.0mmよりも大きいものであれば、遮音床材1の可撓性が劣ってしまうので好ましくない。
上記基材3が可撓性を有するためには、一般的に、裏面に一定間隔で溝加工が施される。しかし、この溝加工が施されると、基材3に湿気が導入されて、遮音床材1の変形の原因となる。また、基材3に溝加工が施されると、遮音床材1の表面側から溝部分が見えてしまい意匠的に好ましくない。さらに、遮音床材1の幅方向及び長手方向両方の可撓性を得るために両方向に溝加工を施すと、より意匠的に好ましくない。さらに、遮音床材1には、連続的な荷重や瞬間的な衝撃荷重などが作用するため強度が求められている。このため、本発明の遮音床材1では、溝加工を施さなくても幅方向及び長手方向に可撓性を有する基材3を用いている。
なお、遮音床材1は、少なくとも樹脂化粧シート2とクッション層5とで構成されていればよく、この基材3を有していなくてもよい。
(高比重樹脂遮音シート)
上記高比重樹脂遮音シート4は、上記基材3として木質繊維板を使用する場合に特に必要であり、裏面からの湿気の影響を受けない防湿効果のあるもので、かつ施工用接着剤との接着強度が担保できるものであればよい。例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等、また、これらの樹脂の変性物、あるいは各種再生プラスチック等を使用することができる。この高比重樹脂遮音シート4は、使用する施工用接着剤の接着適正を考慮して、その組み合わせにより選択して使用する。接着性と品質安定性の観点からは、塩化ビニル樹脂系樹脂シートが好適に用いられる。
また、所望の接着強度及び防湿性を確保するために、樹脂シートの表裏面に接着前処理が行われているものも用いることができる。この接着前処理が行われる樹脂シートとしては、例えば、ポリサンド紙、両面シーラー処理された樹脂シート、コロナ処理やプラズマ放電処理されたシート等が用いられる。ポリサンド紙は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の10μm〜150μm程度の薄いシートの表裏面に紙を熱溶着させたものである。
本発明の実施形態に係る高比重樹脂遮音シート4としては、比重が1.4以上でかつ2.0以下となるように無機フィラーが充填され、基材3としての木質繊維板の厚みと略同じ厚みの塩化ビニル樹脂系樹脂シートが用いられる。これにより、なじみ性のよい遮音床材1を提供することができる。この塩化ビニル樹脂系樹脂シートは、例えば、塩化ビニル樹脂100重量に対して、100〜1000重量%程度の割合で無機フィラーが充填され、混練された後、カレンダー押出成形法によりシート成形される。充填される無機フィラーの量が少ないと成形後のシートの温度変化による寸法変化が大きくなり、多すぎるとシートの成形が困難になる。さらに、この樹脂シートは、遮音床材1を剥がし取るために、容易に変形又は破断するように設計されることが好ましい。無機フィラーは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属粉、金属酸化物等が使用される。
なお、この高比重樹脂遮音シート4は、基材3として木質基板を使用しない場合には、使用しなくてもよい。ただし、基材3として木質基材を使用する場合には、基材3に湿気が導入されることにより遮音床材1が変形することを防止するために、防湿効果のある高比重樹脂遮音シート4を用いる。
そして、上記遮音床材1の四周端面には、上記基材3及び高比重樹脂遮音シート4の部分に雄実6及び雌実7を有する本実加工が施されている。すなわち、図1に示すように、遮音床材1の対向する幅方向端面に雄実6及び雌実7がそれぞれ形成され、図2に示すように、対向する長手方向端面にも雄実6及び雌実7がそれぞれ形成されている。そして、隣り合う遮音床材1の対向する端面に、雄実6及び雌実7が対向するように各遮音床材1が配置され、表面が互いに面一となるように、隣り合う遮音床材1の一方の遮音床材1の雌実7に他方の遮音床材の雄実6が嵌合されて結合され、遮音床材1が床下地に敷き詰められている。
具体的には、基材3の下面8から基材3の厚み方向3分の1の位置と高比重樹脂遮音シート4の上面9から高比重樹脂遮音シート4の厚み方向3分の1の位置との間に亘って本実加工が施され、同じ厚みの基材3と高比重樹脂遮音シート4とを合わせたものの厚み方向に3等分(L1=L2=L3)した真ん中部分(L2)に本実加工が施されている。そして、雄実6の上部は基材3で構成され、上面の傾斜面6aが、俯角r1が15度以上でかつ30度以下となるように形成されている。一方、雄実6の下部は高比重樹脂遮音シート4で構成され、下面の傾斜面6bが、上面の傾斜面6aの俯角r1よりも10度以上小さい角度の仰角r2に形成されている。このように、上面の傾斜面6aの俯角r1が下面の傾斜面6bの仰角r2よりも10度以上大きい角度に形成されているので、雄実6は基材3の割合が高比重樹脂遮音シートよりも少なくなるように構成されている。
なお、遮音床材1に基材3及び高比重樹脂遮音シート4を用いない場合には、この本実加工を施さなくてもよい。
(クッション層)
上記クッション層5としては、防湿性を有し、クッション性のあるクッション材であればよいが、合成樹脂発泡体や熱エンボスロール融着加工が施された合成樹脂不織布等、一定の破壊強度を有していれば、どのようなものでも使用することができる。好ましくは、樹脂発泡体がよい。これらのクッション材は、見かけ比重が20〜80kg/m、好ましくは35〜60kg/mであり、厚みが1〜6mm程度のものが好適に用いられる。さらに、複数種類のクッション材が積層されていてもよく、求められる遮音性に応じて適宜選択すればよい。
例えば、上記合成樹脂不織布としては、材質は限定されないが、オレフィン系樹脂不織布、ポリエチレンテレフタレート系樹脂不織布、ポリエステル系樹脂不織布等を使用することができる。不織布の場合、不織布の剥離破壊強度を向上させるために、ロール融着加工を施す必要がある。
また、上記樹脂発泡体としては、材質は限定されないが、発泡合成樹脂製のものが好ましく、具体的には、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポリメチルメタクリレート発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリフェニレンオキサイド発泡体、ポリスチレンとポリエチレンとの混合物の発泡体等が挙げられる。この樹脂発泡体は、使用される施工用接着剤との適合性を考慮して適宜選択すればよいが、破壊強度やクッション性、耐久性等を考慮するとポリウレタン発泡体やポリ塩化ビニル発泡体が好ましい。
なお、遮音床材1に防湿効果のある上記高比重樹脂遮音シート4を用いる場合や、基材3として木質基板を使用しない場合には、クッション層5が防湿性を有していなくてもよい。
(施工用接着剤)
上記遮音床材1を床下地に貼着するための施工用接着剤は、遮音床材1の各構成要素2〜5の層間剥離強度よりも弱く、かつクッション層5の破壊強度よりも弱い接着剥離強度を有する弾性接着剤である。この弾性接着剤は、例えば、硬化物がゴム状弾性を有する特殊シリコン樹脂や変性シリコン樹脂等を有する。また、この弾性接着剤が、ゴム弾性を有するとともに所望の接着強度を有するために、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を追加配合してもよい。弾性接着剤は、例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等が配合されたシリコン系接着剤や、これらの変性物等を使用することができる。そして、この施工用接着剤が、一般的な接着剤のような高強度の接着剥離強度よりも弱い接着剥離強度となるように、無機フィラー等を充填して接着剥離強度を調整する。この施工用接着剤の主成分100重量に対して、50〜1000重量%程度のフィラーを添加し、このフィラーの一部を中空の無機フィラーに置き換えてもよい。
遮音床材1は、その上に人が乗るので、連続的な荷重が長期にわたって作用し、この荷重が作用するたびに上記クッション層5は変形する。施工用接着剤にウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤を用いると、硬く脆い性質の硬化物となるため、遮音床材1を長期に使用した場合、連続的にクッション層5が変形すると、施工用接着剤がこわれてしまう虞がある。本発明の遮音床材1は、可撓性を有し、かつクッション層5を備えているため、施工用接着剤は、フィラーを充填することにより、各構成要素2〜5の層間剥離強度よりも弱い接着剥離強度を有するように調整し、かつゴム弾性を有する弾性接着剤とする。
(除去方法)
次に、複数枚の遮音床材1のうち任意の遮音床材1を除去する方法について説明する。
上記遮音床材1を除去するために用いる床材除去具は、例えば、ガラスの施工や移動に用いるような吸盤を2つ有するものである。この床材除去具の吸盤を任意の遮音床材1の中央部に吸着させる。
そして、任意の遮音床材1の雌実7側を持ち上げるようにして隣り合う遮音床材1を押さえながら床材除去具を引っ張ることで、任意の遮音床材1を長手方向及び幅方向に撓ませつつ施工用接着剤を破壊させて床下地から剥ぎ取る。任意の遮音床材1の雌実7と隣り合う遮音床材1の雄実6との嵌合を外した後、任意の遮音床材1の雄実6と隣り合う遮音床材1の雌実7との嵌合が外れるように任意の遮音床材1を横にずらして除去する。
また、遮音床材1に本実加工が施されていない場合も同様に、任意の遮音床材1に床材除去具の吸盤を吸着させて引っ張り、任意の遮音床材1を撓ませつつ施工用接着剤を破壊させて床下地から剥ぎ取って除去する。
(更新方法)
次に、上記除去方法により任意の遮音床材1を除去した後、新たな更新用遮音床材1を床下地に貼着して更新する方法について説明する。
まず、任意の遮音床材1が除去された露出床下地から施工用接着剤をスクレパーなどを用いて除去し、露出床下地に新たな施工用接着剤を塗布する。施工用接着剤は、露出床下地全面に塗布してもよいし、長手方向又は幅方向に線状塗布してもよい。そして、更新用遮音床材1の幅方向及び長手方向両方の雌実7の下側部分を除去する。
次に、更新用遮音床材1の雄実6の角部を露出床下地に挿入し、露出床下地に隣り合う遮音床材1の雌実と嵌合させ、先に長手方向の雄実6を隣り合う遮音床材の長手方向の雌実7に嵌合させる。その後、更新用遮音床材1の幅方向の雄実6を隣り合う遮音床材の雌実7に嵌合させ、隣り合う遮音床材1の表面が互いに面一となるように、更新用遮音床材1を上から十分に押圧して床下地に貼着する。
また、遮音床材1に本実加工が施されていない場合は任意の遮音床材1を除去し、露出床下地に新たな施工用接着剤を塗布した後、新たな更新用遮音床材1を露出床下地に位置合わせして上から押圧して貼着する。
(実施形態の効果)
したがって、本実施形態の遮音床材の施工構造においては、施工用接着剤の接着剥離強度をクッション層5の破壊強度よりも弱くしているので、遮音床材1を更新するために除去する際、クッション層が破壊せずに、施工用接着剤が破壊するので容易に床下地から遮音床材1を除去することができる。
そして、この遮音床材1を除去した床下地に新たな更新用遮音床材1を直接貼着して更新するので、繰り返し更新しても容易に遮音床材1を除去することができる。
また、遮音床材1を樹脂化粧シート2、基材3、高比重樹脂遮音シート4及びクッション層5を順に積層して構成し、高比重樹脂遮音シート4により基材3の裏面から防湿性を担保することで、基材3として木質基材を使用した場合も、湿気の影響による遮音床材1の変形を抑えることができるとともに、高比重樹脂遮音シートで防湿性を担保することができるので、クッション層5の選択の幅を広げることができる。なお、基材3として木質基材を使用した場合でも、高比重樹脂遮音シート4を用いなくても、クッション層5が防湿性を有することでも湿気の影響による遮音床材1の変形を抑えることができる。
また、同じ厚みの基材3(木質繊維板)と高比重樹脂遮音シート4とを合わせたものの厚み方向に3等分した真ん中部分L2に本実加工を施しているので、遮音床材1を安定して生産することができる。
また、雄実6の上面6aの俯角r1を下面6bの仰角r2よりも小さくして、雄実6における高比重樹脂遮音シート4の割合を基材3よりも多くしているので、施工時の嵌合のために必要な雄実6の強度と、遮音床材1除去時に雌実7を破壊せずに嵌合を外すことができる程度の雄実6の硬さとを確保することができる。
また、施工用接着剤を弾性接着剤としているので、接着剥離強度を弱くしても脆く硬い性質の硬化物とならず、連続的なクッション層の変形により壊れてしまわない。また、接着剥離強度が弱いので、遮音床材を除去する際に、遮音床材と床下地との間に衝撃力を加えなくても遮音床材を撓ませながら引っ張ることで施工用接着剤が破壊する。
また、遮音床材1の最上層に配置される樹脂化粧シート2が表面平滑であるため、床材除去具の吸盤をしっかりと遮音床材1の表面に吸着させることができ、容易に遮音床材1を除去することができる。
また、更新用遮音床材1の雌実7の下側部分を除去するので、遮音床材1を更新する際に、更新用遮音床材1の雄実6を隣り合う遮音床材1の雌実7に嵌合させつつ、更新用遮音床材1を上から押圧するだけで床下地に貼着することができ、遮音床材1の更新を容易に行うことができる。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
樹脂化粧シート2として厚さ0.17mmのオレフィン化粧シートを、基材3として比重0.7、厚さ2.7mmの広葉樹木質繊維を使用し、結合材としてメラミン樹脂を使用した木質繊維板を用意した。また、高比重樹脂遮音シート4として比重1.6、厚さ2.7mmであって、塩化ビニル40重量に対し炭酸カルシウム60重量を添加した樹脂シートを、クッション層5として厚さ3.5mm、見かけ比重が35kg/mの発泡ポリウレタン成形体を用意した。これらを、樹脂化粧シート2、基材3、高比重樹脂遮音シート4及びクッション層5の順で積層した。
以上説明したように、本発明は、遮音床材の施工構造、遮音床材の除去方法及び更新方法について有用である。
本発明の実施形態に係る遮音床材の幅方向の断面図である。 遮音床材の長手方向の断面図である。
1 遮音床材
2 樹脂化粧シート
3 基材
4 高比重樹脂遮音シート(樹脂遮音シート)
5 クッション層
6 雄実
6a 上面の傾斜面
6b 下面の傾斜面
7 雌実
8 木質基材の下面
9 樹脂遮音シートの上面

Claims (2)

  1. 最上層に配置される表面平滑な樹脂化粧シートと、該樹脂化粧シートの下側に積層される木質基材と、該木質基材の下側に積層される樹脂遮音シートと、最下層に配置されるクッション層とを少なくとも有する可撓性の複数枚の遮音床材が、上記クッション層の破壊強度よりも弱い接着剥離強度の施工用接着剤により、互いに隣り合うように連続して床下地に貼着され
    上記木質基材は、比重が0.4以上でかつ1.0以下であるとともに厚みが2.0mm以上でかつ3.0mm以下である可撓性を有する木質繊維板で構成され、
    上記樹脂遮音シートは、比重が1.4以上でかつ2.0以下であるとともに厚みが上記木質繊維板の厚みと同じとなるように形成され、
    上記遮音床材は四周端面には、上記木質繊維板の下面から木質繊維板の厚み方向3分の1の位置と上記樹脂遮音シートの上面から樹脂遮音シートの厚み方向3分の1の位置との間に亘る雄実及び雌実を有する本実加工が施され、
    上記雄実の上部は、上面が俯角15度以上でかつ30度以下である傾斜面に形成された上記木質基材で構成される一方、雄実の下部は、下面が上記上面の俯角よりも10度以上小さい角度の仰角である傾斜面に形成された上記樹脂遮音シートで構成されていて、隣り合う遮音床材は、表面が互いに面一となるように一方の遮音床材の雌実に他方の遮音床材の雄実が嵌合されて結合されていることを特徴とする遮音床材の施工構造。
  2. 請求項1の遮音床材の施工構造において
    記クッション層が防湿性を有することを特徴とする遮音床材の施工構造。
JP2007189081A 2007-07-20 2007-07-20 遮音床材の施工構造 Active JP5357407B2 (ja)

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