JP5340516B2 - 防錆用コート剤組成物及び積層金属材料 - Google Patents
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Description
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の樹脂組成物を含有するコート剤を金属材料の表 面に塗布し、該樹脂組成物からなる層を形成させることにより、上記に示す数多くの優れた性能を発現することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)下記ポリオレフィン樹脂と、有機アミン化合物とを含有する水性分散体であって、前記ポリオレフィン樹脂の数平均粒子径が1μm以下であり、水性分散体中に乳化剤成分あるいは保護コロイド作用を有する化合物を実質的に含まないことを特徴とする防錆用コート剤組成物。
ポリオレフィン樹脂:
(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
(A2)エチレン系炭化水素、
(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【化2】
(2)ポリオレフィン樹脂の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分であることを特徴とする(1)記載の防錆用コート剤組成物。
(3)不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)成分が無水マレイン酸、アクリル酸またはメタクリル酸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の防錆用コート剤組成物。
(4)エチレン系炭化水素(A2)がエチレンであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(5)上記化合物(A3)が、式(I)で示される化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(6)ポリオレフィン樹脂がエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体またはエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(7)さらに多価金属イオンを含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(8)さらに平均粒子径が0.005〜10μmの無機粒子を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(9)さらにリン酸塩化合物を含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(10)水性分散体中の樹脂100質量部に対して、さらに架橋剤を0.01〜100質量部含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
(11)金属材料に(1)〜(10)のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物を乾燥して得られる被膜を設けてなる積層金属材料。
(12)金属材料が亜鉛めっき鋼、銅材料又はアルミニウム材料のいずれかである(11)記載の積層金属材料。
(13)被膜の膜厚が0.1〜10μmである(11)又は(12)記載の積層金属材料。
(14)(1)〜(10)のいずれかに記載の防錆コート剤組成物を金属材料に塗布後、30〜250℃で乾燥することを特徴とする積層金属材料の製造方法。
また、本発明において、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定する場合には、樹脂中の酸無水物基はすべて開環して2個のカルボキシル基をなしていると仮定して算出する。
ここで、「乳化剤あるいは保護コロイド作用を有する化合物を実質的に含有しない」とは、本発明の水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的でこれらの不揮発性の薬剤や化合物を積極的には系に添加しないことにより、結果的にこれらを含有しないことを意味する。こうした化合物は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフィン樹脂成分に対して0.1質量%未満含まれていても差し支えない。
本発明のポリオレフィン樹脂水性分散体を得るための方法は特に限定されないが、たとえば、既述の各成分、すなわち、特定組成のポリオレフィン樹脂、塩基性化合物、有機溶剤、及び水を好ましくは密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができ、この方法が最も好ましい。この方法によれば、乳化剤成分や保護コロイド作用を有する化合物を実質的に添加しなくとも特定組成のポリオレフィン樹脂を良好に水性分散体とすることができる。
なお、残存樹脂が多く収率が低い場合でも、製造工程中で上記の濾過を行って、こうした粗大粒子を除去すれば、以降の工程で水性分散体としての使用は可能である。
本発明における水性化収率は、条件によってやや低下する場合もあるが、概ねきわめて良好であり、粗大粒子はほとんど残存することなく水性化が達成される。
ここでは、造膜性や透明性の目安として、室温でポリオレフィン樹脂水性分散体をコートしたコートフィルムの「ヘーズ(曇価)」を用いる。基材としてヘーズ2.0〜5.0(%)のPETフィルムを用い、これにポリオレフィン樹脂水性分散体を乾燥後コート膜厚2μmでコートし、25℃で乾燥する。こうして得られたコートフィルム全体のヘーズが20.0(%)以下である。この値は、15.0(%)以下がより好ましく、10.0(%)以下が特に好ましい。
なお、樹脂被膜の厚さを調節するためには、コーティングに用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、目的とする樹脂被膜の厚さに適した濃度の樹脂水性分散体を使用することが好ましい。このときの濃度は、調製時の仕込み組成により調節することができる。また、一旦調製した樹脂水性分散体を適宜希釈、あるいは濃縮して調節してもよい。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定又は評価した。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)水性化後のエステル基の残存量
水性化後のポリオレフィン水性分散を150℃で乾燥させた後、オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、水性化前の(メタ)アクリル酸エステルのエステル基量を100%としてエステル基の残存率(%)を求めた。
(3)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、ポリオレフィン樹脂固形分濃度を求めた。
トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、温度20℃における水性分散体の回転粘度を測定した。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径を求めた。
(6)水性化収率
水性化後の樹脂水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した際に、フィルター上に残存する樹脂質量を測定し、仕込み樹脂質量より収率を算出した。
(7)水性分散体の外観
樹脂水性分散体の色調を目視観察により評価した。
(8)ポットライフ
ポリオレフィン樹脂水性分散体を室温で90日放置した場合、水性分散体の外観を次の3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:増粘がみられる。
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる。
(9)耐水性評価方法
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。塗膜を水で濡らした布で数回擦り、塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が完全に溶解
(10)耐アルカリ性評価方法
20℃においてpH12.0に調整したNaOH水溶液を45℃に加温して攪拌しておき、この水溶液に塗装した金属板を3分間浸漬した。その後、水洗いし、塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が溶解、または剥離
(11)耐溶剤性評価方法
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。塗膜をエタノールで濡らした布で数回擦り、塗膜の状態を目視で評価した。
○:変化なし、△:塗膜がくもる、×:塗膜が完全に溶解
(12)防錆性評価方法
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。JIS Z-2371規格の塩水噴霧試験機を用いて、35℃での5質量%NaCl水溶液の噴霧を行い、100時間後の塗膜状態を評価した。
◎:発錆面積率5%未満、○:発錆面積率5%以上、10%未満、△:発錆面積率10%以上、50%未満、×:発錆面積率50%以上
(13)加工性評価方法
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。塗装面と反対の面が接するように塗装鋼板を折り曲げ、折り曲げ部分のクラックの有無を調べた。
○:クラックなし、×:クラックあり
(14)密着性評価(I):クロスカット・テープ剥離
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。JIS K5400 8.5.2に準ずる。粘着テープにより1mm×1mm×100個の碁盤目部分をひき剥がし、剥離せずに残っている数で評価した。「n/100」は、試験後に100個の碁盤目中のn個が剥離せず残っていることを示す。
(15)密着性評価(II):エリクセン加工
塗装鋼板は室温で1日放置後、評価した。8mmのエリクセン加工を施し、加工部に粘着テープを接着後、勢いよくテープを剥離し、塗膜の状態を目視で評価した。
○:剥がれなし、×:剥がれあり
(16)ポリオレフィン樹脂水性分散体中の有機溶剤の含有率
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC-8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG-HT(5%)-Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3mm、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、樹脂水性分散体またはこれを水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(17)ヘーズ(曇価)
JIS K7105に準じて、日本電色工業株式会社製のNDH2000「濁度、曇り度計」を用いて「ヘーズ(%)」を測定した。ヘーズが2.8%のPETフィルム(厚さ12μm)にポリオレフィン樹脂水性分散体を乾燥後のコート膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、25℃の雰囲気中で3日放置して乾燥させてコートフィルムを作製した。このようにして作製したコートフィルム全体のヘーズを測定した。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8210,住友化学製)、60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、4.5g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.2倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)及び175.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。これをコート剤組成物E−1として用いた。
コート剤組成物の各種特性を表2に示した。数平均粒子径は0.068μmであり、その分布も1山であり、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に良好な状態で分散していた。さらに、水性分散体のポットライフも90日以上であった。なお、水性化後の樹脂のエステル基残存率は99%であり、アクリル酸エチルの1%が加水分解されていた。このエステル基残存率は室温で90日、放置後でも変化せず99%であった。このコート剤組成物を前記した方法でコートしたコートフィルムのヘーズは2.8%であり、透明性は良好であった。
ポリオレフィン樹脂(B)(ボンダインTX−8030,住友化学製)を用い、IPA量を表2のように変更した以外はコート剤組成物E−1の製造と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体を得、これをコート剤組成物E−2として用いた。このコート剤組成物の各種特性を表2に示した。
E−1 250g、蒸留水85gを0.5リットルの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約90gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、濾液の固形分濃度を測定したところ、20.5質量%であった。この濾液を攪拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が20.0質量%になるように調整した。得られた水性分散体をコート剤組成物E−3とした。
このコート剤組成物中の有機溶剤(IPA)の含有率は0.3質量%であった。また、このコート剤組成物の外観を目視で観察したところ、沈殿や層分離の見られない均一なものであり、数平均粒子径は0.070μmであり、その分布も1山であった。また、室温で90日間、放置しても外観に変化はなく安定であった。このコート剤組成物を前記した方法でコートしたコートフィルムのヘーズは3.3%であり、透明性は良好であった。
コート剤組成物E−2を用いた以外は、コート剤組成物E−3の製造に準じた操作でポリオレフィン樹脂水性分散体を得、これをコート剤組成物E−4とした。コート剤組成物の各種特性を表2に示した。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、45.0gのエチレン−アクリル酸共重合体樹脂(プリマコール5980I、アクリル酸20質量%共重合体、ダウ・ケミカル製)、12.6g(樹脂中のアクリル酸のカルボキシル某に対して1.0倍当量)のTEA、及び242.4gの蒸留水をカラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を100〜105℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁の水性分散体を得た。これをコート剤組成物H−1とした。この際、フィルター上に樹脂は殆ど残っていなかった。
コート剤組成物E−1を脱脂した溶融亜鉛めっき鋼板(日本テストパネル大阪社製、サイズ70mm×150mm×0.8mmt、実施例2〜13、比較例1、2でも同じものを使用)上にメイヤーバーで塗装し、200℃で2分間乾燥熱処理し、塗装鋼板を得た。乾燥後の塗膜厚みは2μmであった。性能評価結果を表3に示す。耐アルカリ性は良好であった。
コート剤組成物として、E−2(実施例2)、E−3(実施例3)、E−4(実施例4)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。
コート剤組成物E−3を用いて、乾燥熱処理を表3に示すように変えた以外は実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。
コート剤組成物E−1中の樹脂100質量部に対してシリカ(アエロジル380、日本アエロジル社製)20質量部を添加、攪拌してコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。シリカを添加すると防錆性は向上した。
実施例6で調製したコート剤組成物を用いて、乾燥後膜厚を表3に示すように変えた以外は実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。乾燥後膜厚が薄くても各種性能は良好であった。
コート剤組成物E−2中の樹脂100質量部に対して無機層状化合物(クニミネ工業製、クニピアF(平均粒子径0.1〜0.5μm)、以下KFと略す。)を10質量部添加、攪拌した後、150MPa×2回(みずほ工業社製マイクロフルイタイザー)の処理を行いコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。無機層状化合物を添加すると防錆性は向上した。
コート剤組成物E−1中の樹脂100質量部に対してリン酸アルミニウム(石津製薬社製)を40質量部添加、攪拌した後、150MPa×2回(みずほ工業社製マイクロフルイタイザー)の処理を行いコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。リン酸塩化合物を添加すると防錆性は向上した。
コート剤組成物E−3中の樹脂中のカルボキシル基に対して水酸化カルシウム(和光純薬社製)を30mol%添加、攪拌してコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。水酸化カルシウムを添加すると防錆性は向上した。
コート剤組成物E−3中の樹脂100質量部に対して、架橋剤として10質量部のメラミン化合物(サイメル327、三井サイテック製、実施例11)、10質量部のオキサゾリン基含有化合物(エポクロスWS−700、日本触媒製、実施例12)、5質量部のエポキシ化合物(デナコールEX−313、ナガセ化成工業製、実施例13)をそれぞれ添加、攪拌してコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて、実施例1と同様の操作を行って塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。架橋剤を添加すると防錆性は向上した。
コート剤組成物としてH−1を用いた以外は実施例1に準じた操作を行って乾燥後膜厚2μmの塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。耐アルカリ性以外の性能は実施例1とほぼ同様の結果であったが、耐アルカリ性は非常に悪かった。
H−1中の樹脂100質量部に対してシリカ(アエロジル380、日本アエロジル社製)20質量部を添加、攪拌してコート剤組成物を調製した。このコート剤組成物を用いて実施例1に準じた操作を行って乾燥後膜厚2μmの塗装鋼板を得た。性能評価結果を表3に示す。防錆性は向上したが、耐アルカリ性は改善されず非常に悪かった。
コート剤組成物E−1を脱脂した0.8mm厚の銅板(実施例14)及び、アルミ板(実施例15)上にメイヤーバーで塗装し、200℃で2分間乾燥熱処理し、塗装鋼板を得た。乾燥後の塗膜厚みは2μmであった。性能評価結果を表4に示す。
コート剤H−1を脱脂した0.8mm厚の銅板(比較例3)及び、アルミ板(比較例4)上にメイヤーバーで塗装し、200℃で2分間乾燥熱処理し、塗装鋼板を得た。乾燥後の塗膜厚みは2μmであった。性能評価結果を表4に示す。
Claims (14)
- 下記ポリオレフィン樹脂と、有機アミン化合物とを含有する水性分散体であって、前記ポリオレフィン樹脂の数平均粒子径が1μm以下であり、水性分散体中に乳化剤成分あるいは保護コロイド作用を有する化合物を実質的に含まないことを特徴とする防錆用コート剤組成物。
ポリオレフィン樹脂:
(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
(A2)エチレン系炭化水素、
(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【化1】
- ポリオレフィン樹脂の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分であることを特徴とする請求項1記載の防錆用コート剤組成物。
- 不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)成分が無水マレイン酸、アクリル酸またはメタクリル酸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防錆用コート剤組成物。
- エチレン系炭化水素(A2)がエチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- 上記化合物(A3)が、式(I)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- ポリオレフィン樹脂がエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体またはエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- さらに多価金属イオンを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- さらに平均粒子径が0.005〜10μmの無機粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- さらにリン酸塩化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- 水性分散体中の樹脂100質量部に対して、さらに架橋剤を0.01〜100質量部含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物。
- 金属材料に請求項1〜10のいずれかに記載の防錆用コート剤組成物を乾燥して得られる被膜を設けてなる積層金属材料。
- 金属材料が亜鉛めっき鋼、銅材料又はアルミニウム材料のいずれかである請求項11記載の積層金属材料。
- 被膜の膜厚が0.1〜10μmである請求項11又は12記載の積層金属材料。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の防錆コート剤組成物を金属材料に塗布後、30〜250℃で乾燥することを特徴とする積層金属材料の製造方法。
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