JP5340479B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本願発明は、誘導加熱調理機器に関し、特に鍋などの被加熱体の表面温度を正確に推定するとともに、被加熱体を適正な温度で加熱することができる誘導加熱調理機器に関するものである。
これまでの誘導加熱調理機器において、鍋の表面温度を正確に測定し、これに基づいて加熱コイルに適正な電力を供給することにより、最適な調理方法の実現に対する市場の強い要請があった。そして従来の誘導加熱調理機器の多くは、一般に、トッププレートの下面に直接的に接触させたサーミスタや熱電対など感熱素子(接触式温度センサ)を用いてトッププレートの温度を測定し、熱平衡状態にあるときのトッププレートの温度と鍋の表面温度が一定の関係を有することに基づいて、トッププレートの温度から鍋の表面温度を検知するものであった。
これに対し、たとえば特許文献1に記載の誘導加熱調理機器のように、トッププレートの下方に配置された赤外線センサなどの光センサ(光学式温度センサ)を用いて、トッププレートを介して通過する赤外線などの放射エネルギを測定することにより、鍋の表面温度を検知するものも提案されている。
特開2004−227976号公報(図1)
しかしながら、接触式温度センサを用いて測定されたトッププレートの温度は、耐熱ガラスなどで作製されたトッププレートの熱抵抗および熱容量が大きいため、鍋の表面温度をリアルタイムで反映するものではなく、とりわけ加熱開始直後において、トッププレートの温度から検知された鍋の表面温度が実際の鍋の表面温度に遅れて上昇するため、加熱コイルへの給電を適正に制御することはできなかった。
一方、光学式温度センサは、高温物体からの放射エネルギが表面温度の4乗に比例することを利用するものであるところ、特に、通常の実用調理時に鍋の表面が達する温度(約150℃)以下の比較的に低い温度においては、鍋の表面からの放射エネルギは非常に小さいため、鍋の表面温度を正確に検知することができなかった。すなわち、光学式温度センサを用いて検知された鍋の表面温度は、とりわけ実用調理温度より低いとき(加熱開始直後)、温度検知精度が低く、接触式温度センサを用いた場合と同様、加熱コイルへの給電を適確に制御することはできなかった。また、光学式温度センサを用いて温度を検知することは、たとえば鍋の表面状態(汚れ、光沢の有無など)により検知精度が損なわれやすく、その他火力や、内容物、周囲環境などにより影響を受けやすく、鍋の表面温度の正確な検知をより困難なものとしていた。
本願発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、被加熱体が所定の間隔(δ)を隔てて載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された、前記被加熱体を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する駆動回路と、前記トッププレートの下方に配置された、該トッププレートの温度(T)を検出する温度センサと、前記温度センサで検出された前記トッププレートの温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)を算出するとともに、前記間隔(δ)および該時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、前記被加熱体の表面温度(T)を推定する温度推定回路と、前記温度推定回路で推定された推定温度(T)を用いて前記駆動回路を制御する制御部とを備えた誘導加熱調理器を提供するものである。
本願発明に係る誘導加熱調理器によれば、被加熱体である鍋の表面温度を正確に、かつ応答性よく(リアルタイムで)検知することにより、加熱コイルに適正な高周波電流供給することができる。
本願発明に係る誘導加熱調理器の全体を概略的に図示する斜視図である。 図1の誘導加熱調理器のII−II線から見た拡大断面図である。 図2の破線で示す領域を拡大した拡大部分断面図である。 鍋の実測温度に対し、本願発明によりトッププレートの実測温度に基づいて推定される鍋の推定温度の時間的推移を示すグラフである。 図2の一点鎖線で示す領域を拡大した拡大部分断面図である。 実施の形態1による誘導加熱調理器の回路ブロック図である。 煮沸テストにおいて、鍋の実測温度、食材の実測温度、トッププレートの実測温度、および異なる間隔で推定した鍋の推定温度の時間的推移を示すグラフである。 実施の形態3による誘導加熱調理器1の回路ブロック図である。 実施の形態3による誘導加熱調理器1の図1と同様の概略斜視図であって、変位検知領域を示すものである。 実施の形態3による誘導加熱調理器1の図6と同様の回路ブロック図である。 サーミスタを用いた温度センサの一例である。
1…誘導加熱調理器、2…筐体、3…トッププレート、4…IH加熱部、5…ラジエント加熱部、6…グリル部、7…操作パネル、8…火力調整ダイヤル、9…液晶表示部、20…加熱コイル、25…突出部、26,27…突起部、28…隙間規定用スペーサ(間隔維持手段)、30…温度センサ、40…温度推定回路、50…制御回路、60…駆動回路、70…設定機器、80…警告機器、90…変位センサ、92…変位検知領域、94…保護管(外乱抑制容器または防磁パイプ)、100…サーミスタ、101…高伝熱構造体、102…フォルダ、103…バネ、104…絶縁体、105…リブ、P…被加熱体(鍋、フライパン)、B…被加熱体の底板、A…空気層。
以下、添付図面を参照して本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上方」および「下方」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものでない。また以下の添付図面において、同様の構成部品については同様の符号を用いて参照する。
実施の形態1.
図1〜図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1について以下詳細に説明する。図1は、本願発明に係る誘導加熱調理器1の全体を概略的に図示する斜視図である。図1に示す誘導加熱調理器1は、概略、筐体2、その上側表面のほぼ全体を覆う耐熱性ガラスなどで形成されたトッププレート3、左右対称的に配置された誘導加熱式の一対のIH加熱部4a,4b、輻射加熱式のラジエント加熱部5、および魚などの調理に適したグリル部6を有する。なお各IH加熱部4a,4bは、トッププレート3と平行に螺旋状に捲回されてなる加熱コイル20(図2)を有する。
なお、以下の実施形態において、グリル部6が筐体2の左側に偏って配置された、いわゆるサイドグリル構造を有する誘導加熱調理器1について例示的に説明するが、本願発明は、これに限定されず、グリル部6が筐体2のほぼ中央に配置されたセンタグリル構造を有する誘導加熱調理器、またはグリル部6を具備しない誘導加熱調理器にも同等に適用することができる。
またラジエント加熱部5は、IH加熱部でもよく、IH加熱部4a,4bと同様の構成を有するものであってもよい。
また誘導加熱調理器1は、ユーザがIH加熱部4a,4b、ラジエント加熱部5、およびグリル部6を操作するために用いられる操作パネル7および火力調整ダイヤル8a,8b,8c、ならびにこれらの制御状態を表示するための液晶表示部9を備える。さらに誘導加熱調理器1は、筐体2の後壁に隣接してトッププレート3上に設けられた吸気孔10および排気孔11とを有する。
図2は、図1の誘導加熱調理器1のII−II線から見た拡大断面図であって、被加熱体P(以下、単に「鍋」という。)がトッププレート3上に載置された状態を示すものである。本願発明に係る誘導加熱調理器1は、トッププレート3の下側表面に当接するように配置されたサーミスタなどの温度センサ30を有し、トッププレート3の温度(T)を測定することができる。
なお詳細後述するが、誘導加熱調理器1は、各IH加熱部4の加熱コイル20に高周波電流を供給するための駆動回路(インバータ回路)60と、温度センサ30で測定されたトッププレート3の温度(T)から推定された鍋Pの表面温度、および火力調整ダイヤル8などによりユーザが設定した「火力」(加熱コイル20の負荷発熱量)に基づいて、加熱コイル20に適正な高周波電流を供給するように駆動回路60を制御する制御回路50を有する(図6)。
次に図3を参照しながら、本願発明に係る、温度センサ30で測定されたトッププレート3の温度(T)から被加熱体Pの表面温度の推定する方法(推定原理)について説明する。図3は図2の破線で示す領域を拡大した拡大部分断面図である。
制御回路50は、ユーザが操作パネル7および火力調整ダイヤル8などを用いて設定した所望の火力に従って駆動回路60を駆動し、鍋Pの下方に設けられた加熱コイル20に高周波電流を供給すると、加熱コイル20の周囲における鍋Pの底板Bを含む交流磁場(閉磁路)が形成される。このとき鍋Pの底板Bの表面近傍に渦電流が形成され、そのジュール熱により鍋Pの底板Bが加熱される。すなわち被加熱体である鍋Pが直接的に誘導加熱される。
鍋Pの底板Bが加熱されて生じた熱量は、鍋Pに収容された水分など食材Fを調理加熱するとともに、底板Bの下方にあるトッププレート3にも伝わる。このとき、とりわけ鍋Pの底板B(およびトッププレート3)は、完全に平坦に形成すること(平坦度をゼロとする)ことはできず、微小な湾曲形状を有するため、トッププレート3との間には所定の間隔または隙間(δ)を有する空気層Aが形成される。
ここで鍋Pの底板Bの下面からトッププレート3に伝導する熱量Q(すなわち鍋Pの底板Bの下面とトッププレート3との間に形成される空気層Aを伝導する熱量Q)について考える。このとき熱量Qは、一般に、鍋Pの底板Bの温度(T)とトッププレート3の表面の温度(T)との温度差(T−T)が大きいほど、両者が対向する面積(S)が大きいほど、また隙間(δ)が小さいほど大きい。また熱量Qは、空気層Aの熱伝導率(λ)にも依存する。したがって、鍋Pの底板Bの下面からトッププレート3に単位時間あたりに伝導する熱量Qは、次式で表される。
Figure 0005340479
さらにトッププレート3に伝導する熱量Qは、トッププレート3の上面から下面に伝わる。このとき、耐熱ガラスなどで形成されたトッププレート3を顕熱蓄熱材として見ると、その蓄熱量Qは、トッププレート3の質量(M)、比熱(c)および温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)を用いて次式で表される。
Figure 0005340479
ここで、トッププレート3の熱伝導率(λ)が無限大である(すなわちTとTとが等しい。T=T)と仮定すると、上式(1)および(2)の左辺の熱量Q,Q(Q=Q)が等しいので、これらを連立させて整理すると次式を得ることができる。
Figure 0005340479
:鍋Pの推定温度
:温度センサで測定されたトッププレートの温度
δ:鍋Pとトッププレートとの間の間隔
ρ:トッププレートの密度
:トッププレートの比熱
δ:トッププレートの厚み
λ:空気の熱伝導率
すなわち、上記係数Cはトッププレート3により一意的に決まる定数であるので、鍋Pの底板Bの温度Tは、鍋Pの底板Bの下面とトッププレート3との間に形成される空気層Aの間隔(δ)、および温度センサ30が測定するトッププレート3の温度Tとその時間変化率(∂T/∂t)を用いて表すことができる。
上述のように、トッププレート3の熱伝導率(λ)が無限大であると仮定しても、上式(3)に示す関係が成り立つことを検証するために以下の評価実験を行った。
すなわち、鍋Pを加熱コイル20により誘導加熱した際に、
i)温度センサ30で測定したトッププレート3の実測温度(T)と、
ii)別の温度センサ(図示せず)で測定した鍋Pの実測温度と、
iii)上式(3)で求められた鍋Pの推定温度とを比較した。
図4は、上記i)〜iii)の時間的推移をプロットして得たグラフである。このとき空気層Aの間隔(δ)が1.5mmに規定されるように、鍋Pとトッププレート3との間にスペーサ(厚み1.5mm)を配置し、加熱コイル20に250秒間高周波電流を供給して鍋Pを加熱した後、加熱コイル20への給電を停止した。
図4のグラフから明らかなように、加熱開始250秒経過した時、鍋Pの実測温度が200℃以上に達しているのに対し、温度センサ30で測定したトッププレート3の実測温度(T)は約70℃であり、両者において約130℃以上の温度差があり、応答性が非常に悪い。
一方、上式(3)で求められた鍋Pの推定温度は、加熱開始直後から全般的に鍋Pの実測温度に追従性よく近似(推定)している。したがって、上式(3)で規定される本願発明に係る被加熱体温度の推定方法によれば、トッププレート3の実測温度(T)から鍋Pの表面温度を極めて精緻に追従性よく推定できることが図4のグラフから確認された。
このようにトッププレート3の構成材料であるガラスの実際の熱伝導率(λ)は、約1W/(m・K)であるにもかかわらず、これを無限大であると仮定して上式(3)を導出したが、上式(3)に基づいて得られた鍋Pの推定温度は、鍋Pの実測温度を正確に近似するものであることが確認された。
換言すると、トッププレート3を構成するガラスの密度、比熱、および厚みは、設計事項であり既知である(上記係数Cが一意的に決まる)ので、鍋Pとトッププレート3との間の間隔(δ)、トッププレート3の実測温度(T)およびその時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、上式(3)を用いて鍋Pの温度を追従性よく(リアルタイムで)正確に推定することができる。
図5は図2の一点鎖線24で示す領域を拡大した拡大部分断面図である。鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)が鍋Pの底板Bの全体領域においてばらつきが大きいとき、加熱コイル20の領域(部位)により生じるジュール熱のばらつきも大きくなる。そして鍋Pの載置位置により間隔(δ)が変動すると、上式(3)で得られる鍋Pの推定温度も変動することになる。したがって、鍋Pの底板Bおよびトッププレート3は、高い平坦度を有するように加工することが好ましく、かつ、間隔(δ)ができるだけ一定となるように維持または規定しておくことが好ましい。
そこで図5に示すように、間隔(δ)を一定に規定するために、トッププレート3および鍋Pの底板を平坦度の高い形状に加工するとともに、鍋Pの底板Bの周縁部に複数の突出部25(図5(a))または突起部26(図5(b))を形成してもよい。
択一的には、トッププレート3が複数の位置に突起部27(図5(c))を設けてもよい。このとき、トッププレート3上に載置される鍋Pが位置や、鍋Pの大きさは異なるので、トッププレート3上の突起部27は半径方向のさまざまな位置に配置しておくことが好ましい。またIH加熱部4の中心から放射状に延びるリッジ状のもの(図示せず)であってもよい。
さらに択一的には、鍋Pをトッププレート3に載置する際、隙間規定用スペーサ(間隔維持手段)として、一定の厚みを有する平板やリング板28(図5(d))を鍋Pとトッププレート3の間に介在させてもよい。なお、隙間規定用スペーサ28は、剛性を有する材料または柔軟な材質を用いて構成してもよい。
上記のように鍋P、トッププレート3、または隙間規定用スペーサ28(間隔維持手段)を構成することにより、鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)を既知の一定の値に規定することができる。
図6は本願発明に係る実施の形態1による誘導加熱調理器1の回路ブロック図である。誘導加熱調理器1は、上述のように、加熱コイル20に高周波電流を供給するための駆動回路(インバータ回路)60と、トッププレート3の温度(T)を測定するサーミスタなどの温度センサ30と、トッププレート3の実測温度(T)から鍋Pの表面温度を推定する温度推定回路40とを有する。また誘導加熱調理器1は、火力調整ダイヤル8などの設定機器70によりユーザが設定した「火力」(負荷発熱量)に基づいて、加熱コイル20に適正な高周波電流が供給されるように駆動回路60を制御する制御回路50を有する。本願発明に係る制御回路50は、上述のように精緻に追従性よく推定された鍋Pの温度(T)に関する情報を温度推定回路40から受け、より適確な高周波電流が供給されるように駆動回路60を制御するものである。
なお誘導加熱調理器1は、好適には、詳細後述するが、鍋Pの推定温度が異常に高温に達した場合など、基準値を越える異常な使用状態であることを検知した場合、制御回路50からの警告信号を受け、警告をユーザに与えるための警告音を発するビーパーまたは警告表示などを表示する液晶表示部9などの警告機器80を有する。
図6を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器1の動作について説明する。ユーザにより鍋またはフライパンなどの被加熱体Pがトッププレート3上に載置され、操作パネル7および火力調整ダイヤル8などの設定機器70により火力が設定されると、これに応じて制御回路50が駆動回路60を制御して、加熱コイル20に高周波電流を供給する。加熱コイル20に高周波電流が供給されると、加熱コイル20の周りに高周波磁界が発生し、鍋Pの底板Bに渦電流が発生して、そのジュール熱により鍋Pが加熱される。誘導加熱により鍋Pの底板Bに生じた熱は、鍋Pから食材Fへ伝達され、食材Fが加熱調理される。
一方、鍋Pの底板Bに生じた熱は、その下方に形成された空気層Aを介して、トッププレート3に伝わり、トッププレート3を昇温させる。トッププレート3の下方に設けられた温度センサ30は、継続的にトッププレート3の温度(T)を測定するとともに、その測定信号を温度推定回路40に送信する。
そして温度推定回路40は、上述のように温度センサ30からの測定信号に基づいて、温度(T)の時間変化率を算出するとともに、鍋Pとトッププレート3との間の既知の間隔(δ)を用いて鍋Pの表面温度を推定し、その信号を制御回路50に送信する。
制御回路50は、設定機器70で設定された入力信号に応じて、制御回路50に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶された駆動プログラム(デフォルト値)を呼び出し、この駆動プログラムに基づいて駆動回路60に駆動信号を送信するとともに、必要ならば警告機器80に警告信号を供給して警告をユーザに与える。
駆動回路60は、制御回路50からの駆動信号により、IGBTなどの半導体スイッチング素子を駆動して、適正な高周波電流を加熱コイル20へ供給して、設定機器70で設定された入力信号に応じて鍋Pへの火力を調整する。また警告機器80は、制御回路50からの警告信号に基づいてユーザに警告を与える。
以上のように、本願発明に係る制御回路50は、上記一連の動作において、設定機器70からの設定信号および温度センサ30からの測定信号を反復的にモニタすることにより、ユーザが所望する調理状態を維持するように駆動回路60を制御することができる。
従来技術によれば、図4のグラフに示すように、トッププレートの実測温度(T)が鍋Pの実測温度に応答性よく推移しないので、正確な鍋Pの温度をリアルタイムで検知することができず、ユーザが所望する調理状態を必ずしも実現するものでなかった。たとえば鍋Pの実際の温度は十分高く、食材Fは沸騰しているにも拘わらず、鍋Pをさらに過剰に加熱して、吹きこぼれが生じるおそれがあった。
しかしながら本願発明によれば、トッププレートの実測温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)を新たなパラメータとして用いることにより、鍋Pの推定温度の応答性を高め、かつ実際の鍋Pの温度により近似して推定することができるので、ユーザは所望する調理状態を追随性よく把握することができる。
なおトッププレート3は、一般には、透光性を有するガラス板が用いられるが、本願発明においてサーミスタなどの接触式の温度センサを用いる場合、非透光性のガラス板を用いてもよく、同様に鍋Pの温度を正確に応答性よく検知することができる。したがって、本願発明によれば、トッププレート3の表面に非透光性の皮膜(塗料)を形成して、デザイン性を向上させることができ、またトッププレート3を着色ガラス材料、樹脂材料、セラミック材料およびクラッド材(たとえば表面はガラスで背面は樹脂などで形成された積層構造体、ガラス基材樹脂積層板)などを用いて作製し、耐熱性および耐衝撃性を改善することもできる。
特に樹脂材料およびセラミック材料は、その耐衝撃性および成形性が優れており、トッププレート3の割れ(破砕)を抑制することができ、さまざまな形状(凹形状、凸形状、角部に湾曲形状など)を有するトッププレート3を容易に作製することができ、さらにトッププレート3の周縁部(図示せず)に設けた枠部材と一体に形成することができるので、部品点数を削減し、製造コストを低減することもできる。
また成形性が優れた材料を用いてトッププレート3を作製することにより、トッププレート3の表面上において、鍋Pの適正な載置位置を示すためのガイドや、食材Fが吹きこぼれた際に水分を誘導するためのガイドまたは流路などを構成する凹凸を容易に形成することができる。さらに、トッププレート3上に点字を形成することにより、視覚障害者でも利用しやすい誘導加熱調理器1を提供することができる。
ここで鍋などの被加熱体Pに収容される食材とは、水、だし汁、油、野菜、肉、魚などの食品をいう。また被加熱体Pとは、誘導加熱により発熱することができる鍋、フライパン、やかんなど、上記食材を収容するためのものをいう。
設定機器70とは、上述の操作パネル7および火力調整ダイヤル8の他、電源のON/OFFスイッチ、調理モード、火力モードまたは鍋温度の選択スイッチなど、ユーザが誘導加熱調理器1の駆動状態を設定するための信号を制御回路50に入力するものをいう。
たとえば調理モードの選択スイッチを用いて、制御回路50のメモリ内に事前に記憶された数多くのメニュの中から炊飯調理モードを選択入力したとき、本願発明による温度推定回路40により推定された鍋Pの温度(T)に基づいて、同様にメモリ内に格納された炊飯調理モードの調理プログラムに応じて火力調整するようにしてもよい。また調理モードの選択スイッチで揚げ物調理モードを選択し、さらに鍋温度の選択スイッチを用いて鍋温度を「180」℃に設定して、油の温度が一定に維持されるように火力調整することもできる。
また誘導加熱調理器1は、設定機器70として、電子記憶媒体(SDカード、USB)を受容するスロットや、外部のPCや携帯電話等との通信を可能にする通信手段(通信ケーブル、赤外線センサ)を有するものであってもよい。
警告機器80とは、上記液晶表示部9の他、合成音声、ビープ音、メロディなどのサウンドを利用して、あるいはライトの点灯/点滅など光を利用して、安全基準を逸脱した場合の警告や調理状況をユーザに通知するものをいう。また、ユーザが設定機器70で設定した鍋Pの温度と比較できるように、液晶表示部9において実際の鍋Pの温度をリアルタイムで表示するようにしてもよい。さらに、液晶表示部9で調理の進捗状況を表示するようにしてもよい。
本願発明に係る温度センサ30として、サーミスタ(半導体の電気抵抗が温度により変化する特性を利用して温度を推定するもの)の他、トッププレート3の温度を測定できるものであれば任意のもの(接触式温度センサおよび光学式温度センサ)を利用することができる。接触式温度センサは、たとえば熱電対(性質の異なる2種類の金属線の一端を接合した温度センサで接合部に温度を加えると両端の温度差に応じて発生する微弱な熱起電力を利用して温度を推定するもの)、測温抵抗体(物質が金属の場合、温度に比例して電気抵抗が大きくなる特性を利用して温度を推定するもの)、放射温度計(物体が放射している赤外線エネルギを赤外線センサで受け、基準温度補正、放射率補正などをほどこして温度を推定するもの)などであってもよい。また光学式温度センサの放射温度計を用いて,鍋Pの温度を測定する場合には、トッププレート3の下面に赤外光の透過を抑制する皮膜(塗装など)を形成してもよい。
実施の形態2.
図7を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態2について以下詳細に説明する。実施の形態1に係る誘導加熱調理器1は、間隔(δ)を規定するために既知の厚みを有する突出部25、突起部26,27または隙間規定用スペーサ28を鍋Pとトッププレート3との間に介在させるものであったが、実施の形態2の誘導加熱調理器1は、使用される鍋Pごとに煮沸テストを行って適正な間隔(δ)を計測して、記憶しておく点を除き、実施の形態1の電磁調理器1と同様の構成を有するので、重複する点については説明を省略する。
上述のように、実施の形態2の誘導加熱調理器1は、新規の鍋Pを実際に使用する前に、あらかじめ煮沸テストを行い、適正な間隔(δ)を計測し、記憶しておくように構成されている。
まず煮沸テストについて以下説明する。鍋Pに水を入れて一定の火力で鍋Pを加熱する。鍋Pに収容された水の温度は徐々に上昇して100℃に達した後においては、水は沸騰状態(100℃)に維持され、鍋Pの底板Bで生じるジュール熱はすべて水の気化熱として消費されるので、鍋Pの底板Bの温度も一定の値に収束する。
図7は、水を入れた鍋Pを約12分間一定の火力で加熱したときの水の実測温度、温度センサ30で実測したトッププレート3の温度(T)、別の温度センサ(図示せず)で実測した鍋Pの温度の時間的推移をプロットしたグラフである。また図7は、3種類の推定温度T1,T2,T3の推移をプロットしている。
図7のグラフにおいて、水の温度は130秒後に100℃の沸騰状態に達し、同様に鍋Pの実測温度も130秒までは急峻に上昇した後、熱平衡状態となってほぼ一定の温度(約135℃)に維持される。トッププレートの実測温度(T)は、図4のグラフと同様、緩やかに上昇するが、約12分後には鍋Pの実測温度(約135℃)に達する。
一方、3種類の推定温度T1,T2,T3は、トッププレート3の実測温度(T)およびその時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、上式(3)を用いて鍋Pの温度を推定したものであるが、鍋Pとトッププレート3との間の間隔(δ)について互いに異なる値を用いたものである。すなわち推定温度T1は、実際より大きい間隔(δ)を用いて推定されたものであって、ピーク(極大点)を越えた後、実質的な時間が経過した後、鍋Pの実測温度に収束し、推定温度T2は、実際より小さい間隔(δ)を用いて推定されたものであって、鍋Pの実測温度に漸近するまでに相当の時間を要した。
これに対し、推定温度T3は、実際の間隔(δ)に最も合致した値を用いて推定されたものであって、最も速やかに(130秒後に)鍋Pの実測温度に収束している。
換言すると、煮沸テストにおいて、上式(3)による推定温度が最短時間で所定の温度(平衡状態にある鍋Pの実測温度)に収束するときの間隔(δ)が、鍋Pとトッププレート3との間の実際の間隔を表すものと考えられる。
具体的には、温度推定回路40は、推定温度(T)が所定の温度に収束すると判断されるまでの時間(たとえば推定温度の10秒間の変動が所定の温度に対してプラスマイナス1℃の範囲で推移すると判断されるまでの時間)が最も短くなるような間隔(δ)を決定し、これを鍋Pの固有の特性として、鍋Pに関連付けて温度推定回路40に内蔵するメモリ(図示せず)に記憶する。
こうして一旦鍋Pに関連付けられ、メモリに記録された間隔(δ)は、煮沸テスト後の使用に際して、設定機器70により鍋Pが特定されると、温度推定回路40に呼び出される。そして温度推定回路40は、煮沸テストで鍋Pに対して個々に計測された間隔(δ)、トッププレート3の実測温度(T)およびその時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、上式(3)を用いて鍋Pの表面温度を精緻に推定することができる。
再び図7を参照すると、鍋Pに収容された水は、約130秒までは大きな温度勾配で温度上昇していたが、約130秒以降は温度勾配が0となり、その温度は100℃(沸騰)で維持されている。本願発明に係る適正な間隔(δ)を用いた推定温度は、約110〜約130秒において緩やかな温度上昇勾配で温度変化するものの、鍋Pの実測温度に呼応して変化している。
また、鍋Pの温度は約100秒までは大きな温度勾配で温度上昇していたが、約100秒以降は温度勾配がほぼ0で、その温度は135℃で収束している。これらは、約80〜約100秒までサブクール沸騰が発生し、約100秒以降では飽和沸騰になったことを示しており、時間のずれはあるものの鍋Pの実測温度、水の実測温度、および本願発明に係る鍋Pの推定温度は、沸騰が開始したとき温度勾配が0になる。したがって本願発明によれば、推定される温度の温度勾配が急変した場合または温度勾配がほぼ0になったときに沸騰開始として検知することができる。
こうして上記沸騰検知により、実調理、湯沸し、煮沸消毒などにおいて沸騰状態を検知し、制御回路50により加熱コイル20を最適に駆動して火力調節することにより、過剰な加熱を防止し、省エネ性を向上させることができ、吹きこぼれや液飛散などを抑制することができる。
上述のように、本願発明によれば、煮沸テストにおいて、水を満たした鍋Pをトッププレート3上に載置し、加熱コイル20により加熱し、温度センサ30で検知された温度をもとに鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)を推定し、鍋Pの特性として記憶するので、煮沸テスト後の実際の調理において、係る鍋Pの適正な間隔(δ)を利用して、鍋Pの表面温度を正確に推定することができる。
また図7に示す3つの異なる間隔(δ)をもとに予測した過渡温度変化より、適正な間隔(δ)を用いた場合は、沸騰開始後の温度上昇勾配は0になり一定の温度を示すが、実際より大きな隙間を用いた場合は、オーバーシュート後に下に凸の曲線にて低下しつつ鍋Pの実測温度に漸近する。逆に実際より小さな隙間を用いた場合には、沸騰前後の温度上昇の勾配変化が緩やかになり、上に凸の曲線にて上昇しつつ鍋Pの実測温度に漸近する。このように、適正でない隙間を用いた場合、沸騰後においても温度変化することから、この関係を用いて隙間を補正することができる。
このように、それぞれの鍋Pに対して、あらかじめ煮沸テストを行うことにより、鍋Pに固有の間隔(δ)を計測し、記憶することにより、実際に料理するときにその記憶データを用いて鍋Pの温度を精度よく計測することができる。また、定期的に計測し、記憶データを更新することにより、鍋Pの変形や汚れの付着など鍋Pの経時変化による誤差を小さくすることができる。
また、通常の鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)は、0.3から0.8mm程度で、規定値(デフォルト値)として0.5mmと設定することにより、実際の使用に適した温度検知が可能である。鍋Pの底板Bが当初から変形している場合(反り鍋など)や使用により変形した場合には、たとえば設定機器70に設けた校正用ボタン(図示せず)を押し、特定の鍋Pだけ上記煮沸テストにより校正してもよい。この操作を鍋a,鍋b,鍋cなどについて記憶し、実際に使用したい鍋Bの設定を設定機器より読み出すことにより、それぞれの鍋Pに適した温度検知を行うことができる。
なお、上記手法は、煮沸テストとして予め校正する手法として記載したが、実調理時にも実施することができ、随時間隔(δ)を最適化してもよい。
また、上記煮沸テストによれば、図7に示すように、鍋Pに収容された内容物が沸騰するまでの時間、すなわち水を煮沸させるために鍋Pに加えた熱量全体(規定加熱量Q)、および内容物と鍋Pの底板Bの温度との差(ΔTp0)、すなわち規定加熱量(Q)に対する底板Bの過熱度(ΔTP0)を知ることができる。このとき、鍋Pに加えた任意の加熱量(Q)に対する底板Bの過熱度(ΔT)を次式により推定することができる。
Figure 0005340479
ここで指数(n)は、0.5〜0.9の値であり、好ましくは0.6〜0.8の値であって、煮沸テストにより予め決定することができる。
したがって、上式(4)におけるパラメータである規定加熱量(Q)、底板Bの過熱度(ΔTP0)、指数(n)を図示しないメモリに予め記憶しておくことにより、任意の加熱量(Q)を加えたときの底板Bの温度(ΔT)を、上式(4)より推定することができる。こうして鍋Pの底板Bの温度ではなく、食材Fの温度としてユーザに伝達するようにしてもよい。
さらに、上記煮沸テストにおいて、鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)を推定するのではなく、実際より大きな任意の隙間を仮定して、鍋Pの温度を推定し、図7に示すように推定温度が低下(オーバーシュート)し始めたときに、鍋Pに収容された内容物が沸騰し始めたものと判断することができる。この推定温度の低下により、沸騰開始を推定することができ、さまざまな制御の判断基準として利用することができる。
また、トッププレート3の温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)が極大値を示したことを、沸騰開始の推定基準としてもよい。なお、時間変化率(∂T/∂t)の精度が重要であることから、平均化処理を施した方が好ましい。特に、トッププレート3の温度(T)を平均化して、時間変化率(∂T/∂t)を算出することにより、予測精度を向上させることができる。
実施の形態3.
図8を参照しながら、本願発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態3について以下詳細に説明する。実施の形態2に係る誘導加熱調理器1は、煮沸テストにより個々の鍋Pに対する間隔(δ)を計測するものであったが、実施の形態3の誘導加熱調理器1は、間隔(δ)を計測する変位センサ90をトッププレート3の下方に別途設ける点を除き、実施の形態1の電磁調理器1と同様の構成を有するので、重複する点については説明を省略する。
図8は本願発明に係る実施の形態3による誘導加熱調理器1の回路ブロック図である。図示のように、実施の形態3による誘導加熱調理器1は、トッププレート3の下方において、鍋Pの底板Bとトッププレート3との間の間隔(δ)を計測する変位センサ90を有し、計測された間隔信号は温度推定回路40に入力される。すなわち実施の形態3の誘導加熱調理器1によれば、変位センサ90を用いて調理開始前または調理中に間隔(δ)を直接的に計測し、鍋Pの温度を正確に推定することができる。したがって、実施の形態2とは異なり、煮沸テストを事前に行う必要もなく、トッププレート3との間の間隔(δ)が未知のすべての鍋Pについて、上式(3)を用いて鍋Pの温度を精緻に推定することができる。
なお本願発明に係る変位センサ90は、鍋Pとトッププレート3との間の間隔(δ)を推定できるものであれば任意のものを採用することができ、たとえば渦電流式、共焦点測定方式、三角測距方式、オートコリメート方式、レーザ非接触式、超音波式、静電容量式の変位センサ90であってもよい。これらの各方式による変位センサについて概略的に以下説明する。
渦電流式の変位センサは、センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流し、発生した高周波磁界を発生し、この磁界内に対象物(鍋P)があると、対象物表面に磁界の通過と垂直方向の渦電流が流れ、対象物との距離に依存して、この渦電流によるエネルギ損失が変化し、この渦電流損失による発信状態の変化を検出して、距離を推定するものである。
共焦点測定方式の変位センサによれば、レーザ光が音叉により高速に上下する対物レンズを通過し、対象物上で焦点を結び、その反射光がピンホールの位置で一点に集光され受光素子に入光し、その瞬間の対物レンズの位置をセンサで測定することにより、距離を推定することができる。
三角測距方式の変位センサは、投光されたレーザ光が対象物の表面で拡散反射し、その反射光の一部を受光レンズで集光してCCD上に結像させ、対象物が変位すると、拡散反射光の集光する角度が変化し、CCD上の結像位置が移動するが、その結像位置を検知することにより距離を推定するものである。
オートコリメート方式の変位センサにおいては、レーザ発光素子から照射後、コリメータレンズで平行に変換された平行レーザ光が、対象物に反射し、受光レンズで集光され、そのレンズの焦点距離上にあるCCD素子に結像する。このときの結像位置は、照射レーザ光と対象物の構成角によって変化するため、対象物の傾きが変化するとCCD上の結像位置も変化する。そして、この変化量を角度換算して距離を推定することができる。
レーザ非接触式の変位センサにおいては、レーザ光源から出た広波長帯域の光がヘッド内部の参照面で一部反射し、透過した光が対象物で正反射してヘッド内に返る。このとき2つの反射光は互いに干渉し、各波長の干渉光強度は参照面と対象物間の距離によって定まっており、波長の整数倍のとき極大となる。干渉光を分光器で波長ごとに分光することにより、波長の光強度分布が得られ、これを波形解析することにより、距離を推定することができる。
超音波式の変位センサは、センサヘッドから超音波を発信し、対象物で反射してくる超音波を再度センサヘッドで受信し、この音波の発信から受信までの時間を計測し距離を推定するものである。
静電容量式の変位センサは、対象物に電場を印加すると距離の逆数にて静電容量が変化するので、この静電容量の変化を利用して距離を推定するものである。
なお、上記変位センサの中でも、トッププレート3上の汚れや液こぼれなどの影響がない、非光学系の変位センサを採用することが好ましい。
また、誘導加熱調理器1では、渦電流センサまたは静電容量センサに相当する加熱コイル20が搭載されているので、加熱コイル20をそれら変位センサとして利用してもよい。さらに、多重配置の加熱コイル20の1つの加熱コイル20を、上記変位センサ90および加熱コイル20を兼用させるように使用してもよい。
温度センサ30は、温度検知精度を改善するためには、変位センサ90で間隔(δ)を測定した位置に、すなわち変位センサ90に近接して配置することが好ましい。
また鍋Pには、加熱コイル20に対する載置位置などにより、食材(特に水分)が沸騰しやすい領域(沸騰領域)と、沸騰しにくい領域(非沸騰領域)が形成され、沸騰領域の方が非沸騰領域より多くの気化熱が奪われて低温になるので、鍋Pの底板Bの全体において、温度分布にばらつきが生じることがある。そこで温度センサ30は、加熱コイル20に対向する複数の位置において数多く(複数)設けておくことが好ましい。
さらに変位センサおよび温度センサ30は、加熱コイル20の内径より内側に設けられることが好ましい。一般に使用される鍋Pはさまざまな大きさ(直径)を有するが、小さな直径の鍋Pでも精度よく温度検知するために、変位センサおよび温度センサ30は、好適には加熱コイル20の中心から半径60mm以内に配置し、より好適には加熱コイル20のほぼ中心に配置する。
択一的には、変位センサ90を加熱コイル20の内径より内側に設けるのではなく、図9に示すように、IH加熱部4(およびラジエント加熱部5)の外側に配置してもよい。
この誘導加熱調理器1は、鍋Pとトッププレート3との間の間隔(δ)を測定するための変位検知領域92を有し、変位センサ90が変位検知領域92のほぼ中央であってトッププレート3の下方に配置されている。ユーザは、鍋Pを用いて調理加熱する前に鍋Pを変位検知領域92に載置し、図示しない計測スイッチを押下することにより間隔(δ)を自動計測し、誘導加熱調理器1は温度推定回路40または制御回路50のメモリ内に間隔(δ)を記憶する。その後、ユーザは鍋PをIH加熱部4の上に移動させて調理加熱を開始し、誘導加熱調理器1はメモリ内に記憶された間隔(δ)を用いて鍋Pの温度を推定する。
このように変位センサ90を比較的に低温に維持される変位検知領域92の下方に配置したので、耐熱温度のより低い(より安価な)変位センサを利用することができる。また複数のIH加熱部4を有する誘導加熱調理器1であっても、単一の変位センサ90を共有化することができ、筐体2内のスペースを有効活用し、加熱コイル20より内側に設けた場合に比して煩雑な回路配線を回避することができる。
なお、この場合、ユーザが変位検知領域92内に鍋Pを載置しやすくするために、トッププレート3に変位検知領域92を示す図形などのマーキングを表示することが好ましい。
一方、温度センサ30および変位センサ90は、とりわけ加熱コイル20の内径より内側に設ける場合、加熱コイル20による強磁場および高温雰囲気に曝されるので、図10に示すように保護管(外乱抑制容器または防磁パイプ)94で包囲して、強磁場および高温雰囲気から保護することが好ましい。温度センサ30および変位センサ90は別個の保護管94に収容してもよいが、隣接して配置される場合は単一の保護管94で保護するようにしてもよい。保護管94は、加熱コイル20からの高周波磁場を抑制して、温度センサ30および変位センサ90を保護するためのものであるので、防磁効果があり誘導加熱されにくい銅、アルミニウム、フェライトなどを用いて形成される円筒管であることが好ましい。
なお、保護管94は継ぎ目のない銅管であることが好適であり、その厚みは0.8mm以上で、より好ましくは1.0mm以上である。また、保護管94は強磁場また加熱コイル20からの輻射熱により高い温度に曝されるため、温度センサ30および変異センサ90との間に空隙を設けることが好ましい。たとえば、保護管94の内面にスペーサやリブなどを介してセンサと接触し、可能な限り接触面積を小さくすることが好ましい。
また、温度センサ30および変位センサ90から温度推定回路40へ信号を送信する配線は、寄り線または被覆付き配線を採用し、またはフェライト棒に複数回捲回することにより、高周波磁場に起因するノイズ(外乱)を抑制して、より正確に測定されたトッププレート3の温度(T)および間隔(δ)に基づいて鍋Pの温度を推定することが好ましい。
さらに、サーミスタなどの接触式温度センサ30は、通常、トッププレート3との間の接触熱抵抗を極力低減するために、できるだけ広い接触面積でトッププレート3と接触する高伝熱構造体(たとえばアルミニウム)の中に埋め込まれるように構成されているが、高伝熱構造体に代わって、高周波磁場により誘導加熱されない材料(たとえばセラミック、樹脂など)の中に埋設されることが好ましい。これにより、温度センサ30が高温になることを防止し、トッププレート3の温度(T)をより正確に測定することができる。
ここで、温度センサ30としてサーミスタ100を用いた一例を図11に示す。図11(a)はサーミスタ100とその周辺部分の側方断面図であり、図11(b)は図11(a)中のB−B断面図を示し、図11(c)は図11(a)中のC−C断面図を示す。図11(a)に示すように、サーミスタ100は高伝熱構造体101に収容され、高伝熱構造体101は樹脂製のフォルダ102を用いてコイルベースに取り付けられている。またフォルダ102はフォルダ鍔102aを有し、高伝熱構造体101をトッププレート3に押圧するために、フォルダ鍔102aを上方に付勢するばね103が設けられている。本発明に係る一態様によれば、フォルダ102の外径より大きな内径を有する保護管94が設けられている。なお、保護管94と高伝熱構造体101との間を絶縁するために絶縁体104(例えば、マイカ板など)を設けることが好ましく、また図11(b)および(c)に示すように、フォルダ外壁102bおよびフォルダ鍔102aに複数のリブ105を設け、保護管94とフォルダ102との間に空隙を設けるとともに、保護管94とフォルダ102の接触面積を小さくすることが好ましい。
また温度センサ30は、とりわけ加熱コイル20に近接して配置される場合、加熱コイル20からの輻射熱により昇温する。そこで、上記保護管94に加えて、またはこれに代わって、温度センサ30の周りに加熱コイル20からの伝熱を遮断するための断熱材(図示せず)を配設してもよい。この場合、温度センサ30と断熱材の間に隙間を設け、隙間に空気(風)を流すことにより冷却するようにしてもよい。
本願発明に係る誘導加熱調理器1によれば、温度推定回路40により正確に応答性よく推定された鍋Pの表面温度に基づいて、制御回路50は、さまざまな異常モード(発火、油煙、突沸、吹きこぼれ、空焚き、焦げつきなど)を検知し、駆動回路60を非常停止または火力低下(段階的低下も含む)を行うことができるので、調理時の安全性を向上させることができる。
たとえば揚げ物調理に際して、鍋Pの温度が所定の温度を越えると、油が発火する。特に油量が少ない場合に温度上昇しやすく、発火しやすい。したがって、このとき温度推定回路40で求められたトッププレート3の温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)が所定の正の閾値を越えたとき、制御回路50は、油が発火する可能性があると判断して、駆動回路60を非常停止させる。
また吹きこぼれが発生すると、トッププレート3の温度は急激に下がる。このとき同様に、温度推定回路40で求められた時間変化率(∂T/∂t)が所定の負の閾値を越えたとき、制御回路50は、吹きこぼれがあったと判断して、加熱コイル20に供給される高周波電流を抑制するように駆動回路60を制御する。
さらに焦げ付きが発生した場合、鍋Pの底板Bに食材Fの炭化物による皮膜が形成され、食材Fに熱が伝わりにくくなり、鍋Pの温度が徐々に上昇する。制御回路50は、推定された鍋Pの温度が所定の温度より高くなったとき、または温度上昇し続けるとき、制御回路50は、加熱コイル20への給電を停止または抑制する。
また本願発明に係る誘導加熱調理器1によれば、上記異常モードが検知された場合に、上記警告機器80を用いて、ユーザに警告を与えることができる。ユーザが誘導加熱調理器1から離れた場合に特に有用である。
たとえば上記異常モードを検知したとき、制御回路50はさまざまな警告機器80を制御して、ビープ音を発し、合成音声を出力し、警告灯を点灯または点滅させ、あるいは液晶表示部9に警告表示させることができる。これにより制御回路50は、異常モードが検知された際には、速やかにユーザに通知して注意を喚起するとともに、加熱コイル20への給電を停止または抑制してより高い安全性を実現することができる。
さらに本願発明に係る誘導加熱調理器1によれば、制御回路は、火力調整ダイヤル8などで設定された鍋Pの温度と、上式(3)で精緻に推定された鍋Pの温度を比較した上で、最適な火力で加熱するように駆動回路60を制御することができる。また液晶表示部9上には、従来技術のように設定された鍋Pの温度ではなく、実際の温度をリアルタイムで表示することができるので、ユーザの希望する調理方法に即した火力調節を実現し、より容易においしい料理の完成を支援することができる。
たとえば、揚げ物調理においてじっくり火を通したい場合は160℃に設定し、表面をこんがりと揚げたい場合は200℃に調節し、ミルクやお茶などを加熱する場合は一旦沸騰させた後、約70〜90℃になるように調節する。まち煮込み料理時においては煮込み具材が60℃に維持されるように調節し、みそ汁などを加熱する場合には沸騰させない程度の温度に調節する。このように、ユーザはそれぞれの調理方法に適した温度を設定することができ、従来のユーザの感覚に頼った火力調整する必要が無く、美味しい調理を行うことができる。また従前、鍋Pに収容された食材Fの内容量により火力調整しなければならなかったが、鍋Pの温度を正確に推定し、これに基づいて火力調節することができるので、食材Fの内容量に応じた火力調整は不要であり、より容易に調理することができる。
また、卵焼き、目玉焼き、ハンバーグ、クレープ、餃子などを調理する場合、予熱したフライパンPに食材を入れるとき、事前にフライパンPの温度を設定することにより、異常温度に達する空焚きを未然防止しつつ、フライパンPを適正かつ安全な予熱温度に維持することができる。
さらに、おでんなどの煮込み料理を調理する場合、または熱燗やミルクなど低温で加熱保温した場合においても鍋Pの温度を正確に推定できるので、確実に所望する温度に設定することができる。
加熱開始当初、食材Fが沸騰していない状態(非沸騰状態)にあるとき、鍋Pと食材Fの温度上昇率(dT/dt)は、これらの熱容量Cと投入加熱量Qにより、次式で表される。
Figure 0005340479
そこで推定された鍋Pの温度の時間変化率(dT/dt)および投入された電力に基づいて、鍋Pと食材Fの熱容量を推定する回路を設けることにより、沸騰状態になるまでの時間を推測して表示することができ、ユーザは、食材Fを鍋Pに入れるタイミングや、調理完了時間を知ることができ、効率よく調理を行うことができる。また、最適な加熱制御により、調理時間の制御し短縮することもできる。
また誘導加熱調理器1は、炊飯などの特定のメニュを選択可能にしたメニュ選択機器(図示せず)を設け、選択されたメニュに対して調理時間および火力が設定された調理プログラムを制御回路50の内臓メモリ内に記憶しておき、この調理プログラムに従って調理時間および火力を自動的に制御する(「おまかせ調理」を行う)ものであってもよい。
さらに誘導加熱調理器1は、外部メモリを着脱可能にした増設メモリスロット(ともに図示せず)を有し、外部メモリに格納された調理プログラムに従って「おまかせ調理」を行うものであってもよい。この場合、外部メモリに格納された調理プログラムは、PCまたは適当な電子記憶媒体から自在に変更または更新することができ、最新の調理方法や、プロの調理方法、自分好みの調理方法を容易に再現することができる。
必要ならば、合成音声出力機器または動画表示機器(ともに図示せず)を設けることにより、ユーザは、事前に記憶された調理プログラムの調理手法および手順の案内について指示を受けながら、実際の調理を楽しむこともできる。同様にユーザは、これらの機器を利用して、調理中に好きな音楽を聴きながら調理することもできる。
なお、沸騰熱伝達による過熱度(伝熱壁と水の沸点との温度差)は熱流束(単位面積当たりの伝達熱量)により関連付けられる。すなわち、任意の火力時の鍋Pの温度(水の沸点に上記過熱度を加算した温度)は既知であり、上記説明してきた鍋Pの温度は火力に関連付けられた過熱度を考慮することにより、鍋Pに収容された食材Fの温度にすることができ、上述してきた鍋Pの温度は食材Fの温度として表示、設定、制御することができる。
なお、上記した温度推定法に関して、推定値に補正項を考慮してもよい。補正項としては、送風による冷却項(例えば、関数f(T,Tair)、ここでTairは冷却風の温度)、誘導加熱コイルからの輻射項(例えば、関数f(T,T)、ここでTは誘導加熱コイルの温度)、温度センサと天板の接触熱抵抗(例えば、関数f(T,Q))などである。したがって、冷却風の温度(Tair)および誘導加熱コイルの温度(T)を計測する手段を有する方が好ましい。

Claims (14)

  1. 被加熱体が所定の間隔(δ)を隔てて載置されるトッププレートと、
    前記トッププレートの下方に配置された、前記被加熱体を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する駆動回路と、
    前記トッププレートの下方に配置された、該トッププレートの温度(T)を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出された前記トッププレートの温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)を算出するとともに、前記間隔(δ)および該時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、前記被加熱体の表面温度(T)を推定する温度推定回路と、
    前記温度推定回路で推定された推定温度(T)を用いて前記駆動回路を制御する制御部とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 温度推定回路は、次式により被加熱体の表面温度(T)を推定することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
    Figure 0005340479
    :温度推定回路で推定された被加熱体推定温度
    :温度センサで検出されたトッププレートの温度
    δ:被加熱体とトッププレートとの間の間隔
    ρ:トッププレートの密度
    :トッププレートの比熱
    δ:トッププレートの厚み
    λ:空気の熱伝導率
  3. 温度推定回路は、水を収容した被加熱体を加熱した際に推定した被加熱体の推定温度(T)が最短時間で所定の値に収束するときの間隔を、被加熱体とトッププレートとの間の間隔(δ)と推定することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  4. 温度推定回路は、推定された間隔(δ)を被加熱体に関連付けて記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
  5. 加熱コイルからの高周波磁場を抑制するための保護管を温度センサの周囲に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の誘導加熱調理器。
  6. 温度センサの周囲に断熱部材が配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の誘導加熱調理器。
  7. 被加熱体とトッププレートとの間の間隔を一定に維持する間隔維持手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の誘導加熱調理器。
  8. トッププレートの下方に配置され、被加熱体と該トッププレートとの間の間隔(δ)を計測する変位センサを有することを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  9. 変位センサが加熱コイルの中心から半径60mm以内の範囲に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の誘導加熱調理器。
  10. 変位センサは、トッププレートの下方であって加熱コイルが配置されない変位検知領域内に配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の誘導加熱調理器。
  11. 保護管が銅製であり、厚みが0.8mm以上であることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  12. 任意の間隔(δ)を仮定し、上式(6)を用いて推定した温度(T)が極大値を示した以降において沸騰したと判断し、所定の制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  13. 絶縁板に対して所定の間隔(δ)を隔てて配置された被加熱体を加熱するステップと、
    絶縁板を介して被加熱体に対向する温度センサを用いて、絶縁板の温度(T)を検出するステップと、
    温度センサで検出された絶縁板の温度(T)の時間変化率(∂T/∂t)を算出するステップと、
    間隔(δ)および温度の時間変化率(∂T/∂t)に基づいて、被加熱体の表面温度(T)を推定するステップと、
    温度推定回路で推定された推定温度(T)を用いて被加熱体への加熱を制御するステップとを有することを特徴とする加熱制御方法。
  14. 次式により被加熱体の表面温度(T)を推定するステップを有することを特徴とする請求項11に記載の加熱制御方法。
    Figure 0005340479
    :被加熱体の推定温度
    :温度センサで検出された絶縁板の温度
    δ:被加熱体と絶縁板との間の間隔
    ρ:絶縁板の密度
    :絶縁板の比熱
    δ:絶縁板の厚み
    λ:空気の熱伝導率
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