JP5339718B2 - ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
窒化物を含む半導体からなる従来のヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、チャネル層とバリア層との間に1〜2nm程度の厚さのAlN(Al:アルミニウム、N:窒素)からなるスペーサ層を基板全面にわたって設けた構造となっている。この構造により、チャネル層とバリア層との界面に発生する2次元電子ガスの濃度と移動度を向上させている。この構造は、例えば、特許文献1に記載されている。
特許第3708810号公報
しかしながら、AlNはバンドギャップが大きいため、ソース/ドレイン電極の下側の領域にもAlNからなるスペーサ層が形成されていると、ソース/ドレイン電極から2次元電子ガスまでの間のポテンシャル障壁が高くなる。そのため、上記の構造では、寄生抵抗が増大し、それに伴ってドレイン電流、相互コンダクタンス、出力、効率などの多くの素子特性が劣化するという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ソース/ドレイン電極の下側のポテンシャル障壁を低くすることにより、寄生抵抗の増大を防止することを目的とする。
本発明の係るヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、チャネル層と、前記チャネル層上にスペーサ層を介して形成されたバリア層と、前記バリア層上に形成されたゲート電極と、前記バリア層上に、前記ゲート電極を挟んで形成されたソース/ドレイン電極とを備える。そして、前記スペーサ層は、前記ゲート電極の直下の少なくとも一部の領域に形成され、前記チャネル層および前記バリア層のいずれよりもバンドギャップが大きい第1のスペーサ層と、前記ソース/ドレイン電極の直下の少なくとも一部の領域にイオン注入により形成され、前記第1のスペーサ層よりもバンドギャップが小さい第2のスペーサ層とを備え、前記チャネル層、前記第1のスペーサ層、前記第2のスペーサ層、前記バリア層の材料は、それぞれ、Al X30 Ga 1-X30 N(0≦X 30 <1)、Al X41 Ga 1-X41 N(0<X 41 ≦1)、Al X42 Ga 1-X42 N(0<X 42 ≦1)、Al X50 Ga 1-X50 N(0<X 50 ≦1)である。

本発明のヘテロ接合電界効果型トランジスタによれば、ソース/ドレイン電極の下側にバンドギャップが小さい第2のスペーサを形成したため、ソース/ドレイン電極の下側のポテンシャル障壁を低くすることができる。その結果、寄生抵抗の増大を防ぐことができる。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタ(以下、トランジスタ)を示す断面図である。このトランジスタは、半絶縁性基板10と、バッファ層20と、チャネル層30と、スペーサ層40と、バリア層50と、素子分離領域60と、ソース/ドレイン電極70と、ゲート電極80とを備える。
半絶縁性基板10には、例えば、SiC(炭化珪素)からなる基板を用いる。チャネル層30は、最下層の半絶縁性基板10の上側に、バッファ層20を介して形成される。バリア層50は、チャネル層30上にスペーサ層40を介して形成される。
素子分離領域60は、本実施の形態に係るトランジスタを他の素子から分離する領域であり、当該トランジスタを形成する領域外に形成される。ゲート電極80は、バリア層50上に形成される。このゲート電極80の材質は、例えば、Ni(ニッケル)とAu(金)との合金(Ni/Au)からなる。ソース/ドレイン電極70は、バリア層50上に、ゲート電極80を挟んで形成される。このソース/ドレイン電極70の材質は、例えば、Ti(チタン)とAlの合金(Ti/Al)からなる。
スペーサ層40は、第1のスペーサ層41と、第2のスペーサ層42とを備える。第1のスペーサ層41は、ゲート電極80の下側の少なくとも一部の領域に形成され、チャネル層30およびバリア層50のいずれよりもバンドギャップが大きい。第2のスペーサ層42は、ソース/ドレイン電極70の下側の少なくとも一部の領域に形成され、第1のスペーサ層41よりもバンドギャップが小さい。図1に係るトランジスタでは、第2のスペーサ層42の両端と、ソース/ドレイン電極70の両端が、位置を揃えている。つまり、第2のスペーサ層42の幅を、ソース/ドレイン電極70の幅に合わせている。
本実施の形態に係るトランジスタでは、チャネル層30と、スペーサ層40が備える第1,第2のスペーサ層41,42と、バリア層50は、AlおよびGa(ガリウム)の少なくともいずれか一つと、Nとをのみ含む。そこで、チャネル層30はAlX30Ga1-X30N(0≦X30<1)、第1のスペーサ層41はAlX41Ga1-X41N(0<X41≦1)、第2のスペーサ層42はAlX42Ga1-X42N(0<X42≦1)、バリア層50はAlX50Ga1-X50N(0<X50≦1)からなるものとする。
AlXGa1-XNは、Al組成が高い(Xが大きい)ほどバンドギャップが大きくなる。本実施の形態に係るトランジスタでは、X30<X50<X41とすることにより、「チャネル層30のバンドギャップ<バリア層50のバンドギャップ<第1のスペーサ層41のバンドギャップ」となるようにしている。このような構造にすることにより、2次元電子ガスの濃度および移動度を向上させる。なお、本実施の形態では、特に、X41=1、つまり、第1のスペーサ層41は、AlNからなるものとする。また、X42<X41とすることにより、「第2のスペーサ層42のバンドギャップ<第1のスペーサ層41のバンドギャップ」となるようにしている。なお、本実施の形態に係るトランジスタでは、第2のスペーサ層42のAl組成は、その層全域において均一であるものとする。
以上の構成からなる本実施の形態に係るトランジスタでは、ソース/ドレイン電極70の下側にバンドギャップが小さい第2のスペーサ層42を形成した。そのため、ソース/ドレイン電極70の下側のポテンシャル障壁を低くすることができ、それに伴って寄生抵抗を低減することができる。
以上、図1では、本実施の形態に係るトランジスタの代表的な構造について説明したが、下記に示す構造であっても、上述の同様の効果を得ることができる。図1に係るトランジスタでは、第2のスペーサ層42の両端と、ソース/ドレイン電極70の両端が、位置を揃えている。つまり、第2のスペーサ層42の幅を、ソース/ドレイン電極70の幅に合わせている。この第2のスペーサ層42は、ソース/ドレイン電極70の下側の少なくとも一部に形成されていれば、その領域のポテンシャル障壁は低くなり、それによって寄生抵抗が低減される。そのため、例えば、図2に示すように、第2のスペーサ層42の幅を、ソース/ドレイン電極70の幅よりも小さくしてもよい。また逆に、第2のスペーサ層42は、ゲート電極80の下側の領域以外に形成されていればよく、図3に示すように、第2のスペーサ層42の幅を、ソース/ドレイン電極70の幅よりも大きくしてもよい。
前者(図2)の場合、2次元電子ガスの濃度および移動度を向上させることができるが、ソース/ドレイン電極70から2次元電子ガスまでの間のポテンシャル障壁を低くする効果が低減するため、それに伴って素子特性も劣化してしまう。一方、後者(図3)の場合、ソース/ドレイン電極70から2次元電子ガスまでの間のポテンシャル障壁をさらに低くすることができるが、その反面、2次元電子ガスの濃度および移動度が減少し、それに伴って素子特性も劣化してしまう。
そこで、図1に示したように、第2のスペーサ層42の両端と、ソース/ドレイン電極70の両端が、位置を揃えるようにすれば、ポテンシャル障壁を低減する効果と、2次元電子ガスの濃度および移動度を向上させる効果を、両方併せ持つことができる。
上述のトランジスタでは、第2のスペーサ層42のAl組成は、その層全域において均一であるものとした。しかしながら、表面に平行な面内に対して少なくとも一部の領域で、X42<X41の関係となっていれば、第2のスペーサ層42のバンドギャップは、第1のスペーサ層41のバンドギャップよりも小さくなり、寄生抵抗は低減される。従って、半絶縁性基板10に平行な面内の位置を(x,y)とした場合、X42は、xとyに対して一定である必要はない。そのため、第2のスペーサ層42の代わりに、図4に示すように、Al組成が面方向(x,y)に対して変数となっているAlX43Ga1-X43N(0≦X43(x,y)≦X41、X43min<X41(X43minはX43(x,y)の最小値))からなる第2のスペーサ43で構成してもかまわない。
上述のトランジスタでは、第2のスペーサ層42は、第1のスペーサ層41よりも厚くても、Al組成X42がX41に比べて十分に小さければ、ポテンシャル障壁は低くなるので、寄生抵抗は低減される。従って、第2のスペーサ層42の厚さは、必ずしも第1のスペーサ層41と同じ厚さである必要はなく、図5に示すように、第1のスペーサ層41よりも厚くしてもよい。あるいは、図6に示すように、第2のスペーサ層42を第1のスペーサ層41よりも薄くしてもよい。なお、図4に示したトランジスタにおいても、Al組成X43(x,y)がX41と比べて十分に小さければ、図1〜図3に示した第2のスペーサ層42と同様、第2のスペーサ層43を第1のスペーサ層41と異なる厚さにしてもよい。
図4では、第2のスペーサ層42が、表面に平行な面方向(x,y)に対して少なくとも一部の領域で、X42<X41の関係となる場合について説明した。これと同様に、深さ方向zに対して少なくとも一部の領域で、X42<X41の関係となっていれば、第2のスペーサ層42のバンドギャップは、第1のスペーサ層41のバンドギャップよりも小さくなり、寄生抵抗は低減される。そのため、上述の第2のスペーサ層42の代わりに、図7に示すように、Al組成が深さ方向zに対して変数となっているAlX44Ga1-X44N(0≦X44(z)≦X41、X44min<X41(X44minはX44(z)の最小値))からなる第2のスペーサ層44で構成してもかまわない。同様に、図4に示した第2のスペーサ層43の代わりに、図8に示すように、Al組成がzに対して変数となっているAlX45Ga1-X45N(0≦X45(x,y,z)≦X41、X45min<X41(X45minはX45(x,y,z)の最小値))からなる第2のスペーサ層45で構成してもかまわない。
以上の説明では、チャネル層30と、バリア層50と、第1,第2のスペーサ層41,42〜45は、AlおよびGaの少なくともいずれか一方と、Nとをのみ含むものとしたが、必ずしもこれに限ったものではない。例えば、チャネル層30と、第1,第2のスペーサ層41,42〜45と、バリア層50のバンドギャップの大きさをそれぞれ、B30、B41、B42、B43(x,y)、B44(z)、B45(x,y,z)、B50とする。この場合に、B30<B50<B41、B42<B41、0≦B43(x,y)≦B41、B43min<B41、0≦B44(z)≦B41、B44min<B41、0≦B45(x,y,z)≦B41、B45min<B41という関係さえ満たせば、他の化合物であってもよい。ここで、B43minはB43(x,y)の最小値、B44minはB44(z)の最小値、B45minはB45(x,y,z)の最小値である。上述の他の化合物には、例えば、Inを加えたAlとGaのうちNを含む少なくとも2種類の化合物が該当する。
しかしながら、チャネル層30と、バリア層50と、第1,第2のスペーサ層41,42〜45が、AlおよびGaの少なくともいずれか一方と、Nとをのみ含む場合、バリア層50に大きな分極効果が発生するため、ヘテロ界面に高濃度の2次元電子ガスを発生させることができる。また、本実施の形態では、第1のスペーサ層41は、X41=1、すなわちAlNからなるものとした。これにより、ヘテロ界面に2次元電子ガスの濃度を移動度を向上させることができる。これらの構造は、トランジスタの大電流化さらには高出力化に有利であり、より好ましい構造である。
また、一般的に、ヘテロ接合電界効果型トランジスタは、チャネル層30に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高いほど耐圧が高くなる。上述したように、AlXGa1-XNは、Al組成が高いほどバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界が高い。そのため、上述のチャネル層30に用いるAlX30Ga1-X30Nは、Al組成が高い(X30が1に近い)方が好ましい。また、上述のバリア層50に用いるAlX50Ga1-X50Nも同様に、バリア層50を介してゲート電極80からヘテロ界面へ流れるゲートリーク電流が流れにくくする観点から、Al組成が高い(X50が1に近い)方が好ましい。
また、以上で説明したチャネル層30、バリア層50は、上述のバンドギャップの関係式を満たすのであれば、必ずしも同一組成の1層からなる構造である必要はない。例えば、In組成、Al組成、Ga組成が空間的に変化していてもよく、あるいは、組成比が異なる膜を複数重ねて形成した多層膜で構成してもかまわない。また、これらの層には、例えば、Siを含む窒化物半導体においてn型、p型となる不純物が含まれていてもよい。
図9に係るトランジスタは、上述の構成に加えて、キャップ層90をさらに備える。このキャップ層90は、ゲート電極80とバリア層50との間に形成され、バリア層50よりもバンドギャップが小さい。この図では、バリア層50をキャップ層90で覆っている。このキャップ層90は、例えば、厚さ0.1〜50nmであるものとし、AlX90Ga1-X90N(0≦X90<X50)からなる。このような構造にすることにより、ゲート電極80と半導体界面に生じるショットキー障壁が高くなり、ゲートリーク電流を低減することができ、また、ショットキー耐圧を高くすることができる。
また、上述の説明では、半絶縁性基板10は、SiCからなるものとして説明した。しかし、半絶縁性基板10は、必ずしもこれに限ったものではなく、例えば、Si、サファイア、GaN、AlNからなる基板を用いてもよい。特に、半絶縁性基板10として、GaNを使用した場合には、必ずしもバッファ層20を形成しなくてもよい。つまり、その場合には、半絶縁性基板10直上にチャネル層30を形成してもよい。
図10に係るトランジスタは、上述のバリア層50の一部を変更したものである。このトランジスタでは、バリア層50のソース/ドレイン電極70下の部分の厚さは、それ以外の部分よりも薄い。このような構造にすることにより、ソース/ドレイン電極70の下側のバリア層50によって生じるポテンシャル障壁を薄くすることができ、寄生抵抗をより低減することができる。
また、上述の説明では、ソース/ドレイン電極70の材質は、Ti/Alからなるものとして説明した。しかし、必ずしもこれに限ったものではなく、オーミック特性が得られれば、例えば、Ti、Al、Nb(ニオブ)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Sr(ストロンチウム)、Ni、Ta(タンタル)、Au、Mo(モリブデン)、W(タングステン)などの金属、もしくはこれら複数種類から構成される多層膜で形成されていてもよい。
図11に係るトランジスタでは、上述の構成に加えて、絶縁膜100をさらに備える。この絶縁膜100は、ゲート電極80とバリア層50との間に形成される。このように、ゲート電極80は、バリア層50に接していない構造となっている。絶縁膜100の材質には、例えば、Al、Ga、Si、Hf、Tiのうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物を用いる。このような構造にすることで、ゲートリーク電流を低減することができる。
図12に係るトランジスタは、図1〜図11で示した断面が四角形状のゲート電極80の一部を変更したものである。このトランジスタでは、ゲート電極81の下部の幅は、当該下部以外の部分よりも小さくなっている。このようなゲート電極81には、例えば、図12に示される断面がY字型やT字型のゲート電極が該当する。このような構造にすることにより、ゲート電極81とバリア層50とが接触する面積を維持したまま、接触している部分以外ではゲート電極81の幅を大きくすることができるため、ゲート抵抗を低減することができる。
図13、図14に係るトランジスタは、図12に係るトランジスタに加えて、絶縁膜101をさらに備える。この絶縁膜101は、ゲート電極80の下部以外の部分とバリア層50との間に形成される。図13には、絶縁膜101がバリア層50全面に形成されたトランジスタが示され、図14には、絶縁膜101が一部に形成されたトランジスタが示されている。絶縁膜101の材質には、例えば、Al、Ga、Si、Hf、Tiのうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物を用いる。このような構造とすることによって、高電圧動作時にゲート電極81のドレイン電極側のエッジ部分に集中する電界が緩和されるため、耐圧を高くすることができる。
図15に係るトランジスタは、上述のバリア層50の一部を変更したものである。このトランジスタでは、バリア層50のゲート電極80下の部分の厚さは、それ以外の部分よりも薄い。つまり、この図に係るゲート電極構造は、図1〜図14に示したプレーナ構造ではなく、ソース/ドレイン電極70に挟まれたバリア層50の一部をエッチングし、当該エッチングした領域の内側にゲート電極80を形成するリセス構造となっている。このような構造にすることにより、プレーナ構造に比べて、ソース抵抗を低減することができる。なお、ここでは、ゲート電極80について説明したが、ゲート電極81であっても同様の効果を得ることができる。
図16に係るトランジスタでは、バリア層50のゲート電極81下の部分には、凹部51、つまり、リセスが設けられている。そして、ゲート電極81の下部は、凹部51に埋め込まれている。つまり、この図15に係るゲート電極構造は、図1〜図14に示したプレーナ構造ではなく、ソース/ドレイン電極70に挟まれたバリア層50の一部をエッチングし、当該エッチングした凹部51を覆うようにゲート電極81を形成する埋め込みゲート構造となっている。このような構造にすることにより、プレーナ構造に比べて、ソース抵抗を低減することができ、また、高電圧動作時にゲート電極81のドレイン電極側のエッジ部分に集中する電界が緩和されるため、耐圧を高くすることができる。
また、上述のゲート電極80,81の材質は、必ずしもNi/Alに限ったものではなく、Ti、Al、Pt(プラチナ)、Au、Ni、Pd(パラジウム)などの金属、IrSi、PtSi、NiSi2などのシリサイド、あるいは、TiN、WNなどの窒化金属、もしくは、これら複数種類から構成される多層膜で形成されてもかまわない。
なお、上述した構造はすべて個々に採用してもよいし、または、それぞれを組み合わせた構造としてもよい。また、以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には、保護膜、配線、バイアホールがさらに形成されたデバイスであってもよい。
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1に係るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。ここでは、特に、図1に係るトランジスタの製造方法について説明する。なお、本実施の形態に係るトランジスタの製造方法において、実施の形態1と同一またはこれに相当する構成については、同一の符号を付すものとする。
まず、図17に示すように、半絶縁性基板10上に、バッファ層20、チャネル層30、スペーサ層40、バリア層50を順に積層する。本実施の形態では、チャネル層30は上述したAlX30Ga1-X30N、スペーサ層40は上述した第1のスペーサ層41と同じAlX41Ga1-X41N、バリア層50は上述したAlX50Ga1-X50Nからなるものとする。この積層方法には、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法や、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いる。本実施の形態では、後者のエピタキシャル成長法により、半絶縁性基板10上にこれらの層を積層するものとする。
次に、図18に示すように、バリア層50上にレジストマスク110を形成してパターン化する。そして、バリア層50から部分的にイオン注入して、AlX41Ga1-X41Nからなる第1のスペーサ層41,AlX42Ga1-X42Nからなる第2のスペーサ層42を形成する。本実施の形態では、イオンを所望の領域に打ち込み、その領域のスペーサ層40の一部をミキシング、つまり、チャネル層30、スペーサ層40、バリア層50それぞれのAl組成を平均化することにより、第1,第2のスペーサ層41,42を形成する。ここでのイオン注入は、例えば、注入ドーズ量1×1013〜1×1017(cm-2)、注入エネルギー10〜1000(keV)の条件で、Ga、Al、Arイオンを注入する。
次に、図19に示すように、レジストマスク110を除去した後、バリア層50上に、例えば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、Wなどの金属、もしくはこれら複数種類の多層膜を、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法を行う。これにより、ソース/ドレイン電極70を、バリア層50上に形成する。
次に、図20に示すように、トランジスタを作成する領域外のチャネル層30、第1のスペーサ層41およびバリア層50に、例えば、イオン注入法やエッチングを用いて、素子分離領域60を形成する。本実施の形態では、イオン注入法により、素子分離領域60を形成したものとする。
次に、図21に示すように、バリア層50上に、例えば、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pdなどの金属、IrSi、PtSi、NiSi2などのシリサイド、あるいは、TiN、WNなどの窒化金属、もしくは、これら複数種類から構成される多層膜を、例えば、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法を行う。これにより、ゲート電極80を、ソース/ドレイン電極70に挟まれたバリア層50上に形成する。
以上の方法により、図1に示すヘテロ接合電界効果型トランジスタを作成することができる。以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には保護膜、配線、バイアホールを形成するプロセスを経て、デバイスが形成される。なお、以上は、代表的な図1に係るトランジスタの作成について述べたが、下記に示すような条件により、実施の形態1で説明したさまざまなトランジスタを作成することができる。
図18で、レジストマスク110の形成およびイオン注入を、レジストパターンおよび注入条件(例えば、注入エネルギー、注入量)を変えて、複数回繰り返して行う。これにより、実施の形態1で示した図1〜図8に係るトランジスタを作成することができる。
図17で、チャネル層30、スペーサ層40およびバリア層50の成長時に、窒化物半導体の原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニアの流量や圧力、温度、時間を調整する。これにより、チャネル層30、スペーサ層40およびバリア層50を所望の組成、膜厚にする。こうして、実施の形態1で説明したさまざまな窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作成することができる。
また、図17で、バリア層50を成長した後に、厚さ0.1〜50nmのAlX90Ga1-X90N(0≦X90<X50)からなる薄いキャップ層90をバリア層50上に成長させれば、実施の形態1の図9に示したトランジスタを作成することができる。
図19で、ソース/ドレイン電極70を形成する前に、例えば、Cl2を用いたドライエッチング法を用いて、第2のスペーサ層42上側のバリア層50表面の一部を除去する。それから、除去した部分にソース/ドレイン電極70を形成してもよい。これにより、実施の形態1の図10に示したトランジスタを作成することができる。
図21で、ゲート電極80を形成する前に、図22に示すように、例えば、蒸着法やプラズマCVD法を用いて、例えば、Al、Ga、Si、Hf、Tiのうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物を堆積して絶縁膜100を形成する。それから、絶縁膜100上にゲート電極80を形成してもよい。これにより、実施の形態1の図11に示したトランジスタを作成することができる。なお、最終的にデバイスとして使用するためには、絶縁膜100のうち、ソース/ドレイン電極70を覆った部分を、例えば、フッ素を用いてウェットエッチングして除去した後、配線を形成する必要がある。
図22の絶縁膜100形成後、図23に示すように、例えば、CF4を用いたドライエッチングや、フッ酸を用いたウェットエッチングにより、ソース/ドレイン電極70に挟まれた絶縁膜100の一部を除去して、絶縁膜101を形成する。その後、Y字型のゲート電極81を形成することにより、実施の形態1の図13に示したトランジスタを作成することができる。なお、最終的にデバイスとして使用するためには、絶縁膜101のうち、ソース/ドレイン電極70を覆った部分を、例えば、フッ素を用いてウェットエッチングして除去した後、配線を形成する必要がある。
図13のように、ゲート電極81を形成した後に、例えば、フッ酸を用いたウェットエッチングにより、絶縁膜101をすべて除去する。これにより、実施の形態1の図12に示したトランジスタを作成することができる。また、ここでのウェットエッチングの処理条件(例えば、時間や濃度)を調整することにより、所望の領域の絶縁膜101を残す。これにより、実施の形態1の図14に示したトランジスタを作成することができる。
図20の素子分離領域60形成後、例えば、Cl2を用いたドライエッチングにより、ソース/ドレイン電極70に挟まれたバリア層50表面の一部を除去し、あらかじめ凹部51、つまり、リセスを形成する。その後、その凹部51にゲート電極80,81を形成することにより、実施の形態1の図15、図16に示したトランジスタを作成することができる。
なお、以上の工程では、ソース/ドレイン電極70の形成、素子分離領域60の形成、ゲート電極80,81の3工程をこの順で行った。しかし、必ずしもこの順番に限ったものではなく、例えば、ソース/ドレイン電極70を形成する前に、素子分離領域60を形成するというように、これら3工程の順番を入れ替えてもよい。
実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態1に係るトランジスタの構造を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。 実施の形態2に係るトランジスタの製造方法を示す図である。
符号の説明
10 半絶縁性基板、20 バッファ層、30 チャネル層、41 第1のスペーサ層、42〜45 第2のスペーサ層、50 バリア層、51 凹部、60 素子分離領域、70 ソース/ドレイン電極、80,81 ゲート電極、90 キャップ層、100,101 絶縁膜、110 レジストマスク。

Claims (4)

  1. 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、
    チャネル層と、
    前記チャネル層上にスペーサ層を介して形成されたバリア層と、
    前記バリア層上に形成されたゲート電極と、
    前記バリア層上に、前記ゲート電極を挟んで形成されたソース/ドレイン電極とを備え、
    前記スペーサ層は、
    前記ゲート電極の直下の少なくとも一部の領域に形成され、前記チャネル層および前記バリア層のいずれよりもバンドギャップが大きい第1のスペーサ層と、
    前記ソース/ドレイン電極の直下の少なくとも一部の領域にイオン注入により形成され、前記第1のスペーサ層よりもバンドギャップが小さい第2のスペーサ層とを備え
    前記チャネル層、前記第1のスペーサ層、前記第2のスペーサ層、前記バリア層の材料は、それぞれ、Al X30 Ga 1-X30 N(0≦X 30 <1)、Al X41 Ga 1-X41 N(0<X 41 ≦1)、Al X42 Ga 1-X42 N(0<X 42 ≦1)、Al X50 Ga 1-X50 N(0<X 50 ≦1)である、
    ヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
  2. 前記チャネル層と、前記スペーサ層と、前記バリア層は、
    AlおよびGaの少なくもいずれか一つと、Nとを含む、
    請求項1に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
  3. 前記第1のスペーサ層は、AlNからなる、
    請求項1または請求項2に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    (a)前記チャネル層、前記スペーサ層、前記バリア層を順に積層する工程と、
    (b)前記工程(a)の後、前記バリア層から前記スペーサ層に部分的にイオン注入して前記第2のスペーサ層を形成するとともに、残りの前記スペーサ層を前記第1のスペーサ層とする工程とを備える、
    ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
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