JP5332036B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、緊急ロック機構(ELR)及び自動ロック機構(ALR)を備えたシートベルト用リトラクタの改良に関するものである。
従来、車両の乗員等を座席に安全に保持するためのシートベルト用リトラクタとして、急な加速、衝突又は減速に反応する車体加速度感知手段によってウェビングの引き出しを物理的にロックする緊急ロック機構を備えて、乗員を効果的及び安全に拘束する緊急ロック式リトラクタが用いられている。
また、チャイルドシート等を車両シートにシートベルトで固定するためのシートベルト用リトラクタとして、ウェビングを全量引き出したときに作動し、巻取り途中ではウェビングの引出しを阻止し、ウェビングの全量巻取りで作動解除する自動ロック機構を備えたものが用いられている。
ところで、緊急ロック機構を備えたシートベルト用リトラクタでは、車両緊急時ではない不必要な時にも、スピンドル(巻取軸)のウェビング引き出し方向の回転がロックされることがある。即ち、車両取付け状態において、ウェビング引き出し状態から巻き取りバネのバネ力に従って急激にウェビングが全量巻き取られたとき、その衝撃で緊急ロック機構が作動して、スピンドルのウェビング引き出し方向の回転がロックされてしまうことがあり、この場合には、ウェビングの引き出しができなくなる。しかもこのとき、ウェビングは全量巻き取り状態にあるので、スピンドルはウェビング巻き取り方向にも回転できず、リトラクタは所謂エンドロック状態に陥るという問題があった。
例えば、緊急ロック機構としては、次のようなものがある。一つは、ウェビングの急激な引き出しを感知してスピンドルのウェビング引き出し方向の回転を阻止するもの(ウェビング加速度感知手段:WS)、もう一つは車両の急減速状態を感知してスピンドルのウェビング引き出し方向の回転を阻止するもの(車体加速度感知手段:VSI)である。いずれの場合も、スピンドルと一体回転するロック部材の揺動により、ロック部材の爪を、スピンドルを支持するフレームの内歯に噛み合わせて、スピンドルをロックするようにしている(例えば、特許文献1及び2参照)。
このようなエンドロックが起きるケースとしては、次の3つの場合がある。
(1)ウェビング加速度感知手段(WS)の誤作動によるもの。
一般的に、ウェビング加速度感知手段は、急速にベルトを引き出すと、マスの慣性でマス側の回転がスピンドルより遅れることで、ロック部材が外に飛び出して、フレームの内歯に噛み込む、という原理を用いている。ところが、急激なウェビング巻き取り後にウェビングが突っ張ると、勢いでマスがスピンドルに対して相対移動してしまい、ロック部材がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
(2)車体加速度感知手段(VSI)の誤作動によるもの。
ウェビングの急速な巻き取り等に伴い車体加速度感知手段に加速度が入力した際に、慣性部材であるボールが動き、レバーが揺動して、ラッチ部材に噛んでロックする場合である。
(3)ロック部材自体の誤作動によるもの。
ウェビングを巻き取った勢いで、ロック部材自体がフレームの内歯に噛んでしまう場合である。
特許文献1に記載のシートベルトリトラクタは、スピンドルの回転に連動するカムプレートのカム溝に揺動阻止部材に設けられたカムフォロワを案内させ、揺動阻止部材のストッパ部を回動する。そして、このストッパ部が慣性体に当接して、慣性体を非作動位置に保持して慣性体の揺動を阻止する。これにより、ウェビングの巻取り完了時に、慣性体が作動してロックギヤ(ラチェットホイール)への係合を防止し、ウェビングの巻取り完了時のエンドロックを防止している。
また、特許文献2に記載のシートベルトリトラクタは、遊星歯車機構によって回動するカム部材を有し、ロック手段としての一対のロックプレートが配設されたロック輪が全量巻き取り状態でスピンドルとの相対回転を阻止するエンドロック防止手段を備える。また、該シートベルトリトラクタは、遊星歯車機構の歯車及び他の歯車を介して他のカム部材を回動させることで自動ロック機構を構成している。
特開平9−58410号公報 特開平10−129417号公報
ところで、特許文献1に記載のシートベルト用リトラクタでは、慣性体の揺動を阻止することでウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止しているが、ロック部材のエンドロックについては記載されていない。また、特許文献2に記載のシートベルト用リトラクタでは、自動ロック機構を備えつつ、ロック部材自体の誤作動によるエンドロックを防止することが記載されているが、それぞれ別々のカム部材を用いてこれらを動作させており、また、ウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックについては記載されていない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、緊急ロック機構のウェビング加速度感知手段及びロック部材自体の誤作動によるエンドロックの発生を防止することができるコンパクトなシートベルト用リトラクタを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るシートベルト用リトラクタは、下記(1)〜(6)を特徴としている。
(1) フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第1の係止手段を有し、所定の速度以上で前記ウェビングが引き出された時に、前記第1の係止手段を第1の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段と、
前記スピンドルの回転に応じて前記スピンドルと異なる回転数で回転するコントロールプレートと、
を備え、
前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御されており、且つ、
前記第1の係止手段は、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記第1の非作動位置に保持されることで、前記スピンドルに対する前記ステアリングホイールの回転遅れを防止し、前記ロック部材を前記フレームと係合しないロック解除位置に保持することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
(2) 前記ウェビング加速度感知手段は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第1の係止手段にそれぞれ支持され、前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に向けて付勢するWS用付勢手段を、さらに備え、
前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、前記スピンドルに向けて軸方向に突出するロック部材飛び出し防止用突起部と、を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムを有し、
前記スピンドルと前記ステアリングホイールとの間には、前記ロック部材を前記ロック解除位置に保持して前記スピンドルと前記ステアリングホイールが一体回転するように、前記スピンドルに対して前記ステアリングホイールを付勢する付勢手段が設けられ、
前記スピンドルの側面には、前記ロック部材飛び出し防止用突起部を収容するカム溝が形成され、
前記カム溝は、前記第1の係止手段が前記ウェビングの巻取り完了時に前記第1の非作動位置に保持される際、前記ロック部材を前記ロック解除位置から飛び出さないように前記ロック部材飛び出し防止用突起部と係合する飛び出し防止部を有することを特徴とする(1)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(3) 前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第2の係止手段を有し、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の係止手段を第2の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する自動ロック機構を、さらに備え、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の作動位置に保持されるように制御されていることを特徴とする(1)または(2)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(4) 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、を、備え、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部と、前記第1の係止手段と当接可能な当接用アーム部と、を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムと、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させるALR用カムと、を有し、
前記第2の係止手段が前記第2の作動位置へスナップ動作したとき、前記当接用アーム部は前記第1の係止手段に当接して、前記第1の係止手段の爪部を前記カバー部材の内歯に係合させて、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するとともに、
前記WS用カムは、前記ウェビングが前記第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られる時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段が前記第1の非作動位置に保持されるように制御し、このとき、前記第1の係止手段が前記当接用アーム部に当接して押圧されることで、前記第2の係止手段は前記当接用アーム部が前記第1の係止手段から離れる第2の非作動位置へ前記ALR用付勢手段の死点を越えてスナップ動作することを特徴とする(3)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(5) 前記ロック部材には、前記ステアリングホイールに形成されたカム孔を貫通するピン部が設けられ、
前記ステアリングホイールには、該カム孔を貫通した前記ピン部が挿入される長孔と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するロック部材用突起部と、を有するキャンセルレバーが揺動自在に支持され、
前記コントロールプレートのALR用カムは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ロック部材を前記フレームと係合不能となるように制御するロック部材用カムを構成することを特徴とする(4)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(6) 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、を備え、
前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部と、前記第1の係止手段と当接可能な当接用アーム部と、を有し、
前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムと、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させるとともに、前記ウェビングが第2の所定量巻き取られるときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記当接用アーム部が前記第1の係止手段から離れる第2の非作動位置へスナップ動作させるALR用カム、を有し、
前記ウェビングが第1の所定量引き出され、前記第2の係止手段が前記第2の作動位置へスナップ動作したとき、前記当接用アーム部は前記第1の係止手段に当接して、前記第1の係止手段の爪部を前記カバー部材の内歯に係合させて、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するとともに、
前記ウェビングが前記第2の所定量巻き取られる時に、前記ALR用カムは、前記ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記第2の非作動位置へスナップ動作させるように制御するとともに、前記WS用カムは、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段が前記第1の非作動位置に保持されるように制御することで、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されないことを特徴とする(3)に記載のシートベルト用リトラクタ。
(7) 前記スピンドルと一体に回転するドライブギアと、前記コントロールプレートと一体に回転する前記ドライブギアより歯数の少ないドリブンギアと、前記ドライブ及びドリブンギアの両方に噛合するアイドルギアとを有する歯車増速機構をさらに備え、
前記コントロールプレートは、前記歯車増速機構によって前記スピンドルの回転に対して増速回転することを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
本発明のシートベルト用リトラクタによれば、ウェビングの巻き取り完了時に、コントロールプレートによって、ウェビング加速度感知手段の第1の係止手段を、ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御し、同時に、第1の係止手段によって、スピンドルに対するステアリングホイールの回転遅れを防止し、ロック部材をフレームと係合しないロック解除位置に保持する。これにより、コンパクトな構成で、緊急ロック機構のウェビング加速度感知手段及びロック部材自体の誤作動によるエンドロックの発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態のシートベルト用リトラクタの分解斜視図である。 ステアリングホイールの正面図である。 (a)は、ベアリングカバーの斜視図であり、(b)は、ベアリングカバーの正面図である。 (a)は、コントロールプレートのカム側斜視図であり、(b)は、その正面図である。 コントロールプレートの各カムによって制御される各構成要素を透過して示す全量格納状態の図である。 コントロールプレートの各カムによって制御される各構成要素を透過して示すウェビング装着状態の図である。 シートベルト用リトラクタのキャンセラー機能を説明するため、コントロールプレートの各カムによって制御される各構成要素を透過して示す図であり、(a)は、WSレバーが作動した状態を示し、(b)は、WSレバーがベアリングカバーの内歯にロックした状態を示し、(c)は、ロックドックが係合した状態を示す。 自動ロック機構の切り換えを説明するための図であり、(a)は、ウェビングの全量引き出し直前の状態を示し、(b)は、全量引き出しによって自動ロック機構が作動する状態を示し、(c)は、ウェビングが所定量巻き取られて自動ロック機構が作動した状態を示し、(d)は、自動ロック機構が作動中にウェビングが巻き取られた状態を示し、(e)は、ウェビングがさらに巻き取られて自動ロック機構の作動解除動作が開始される状態を示し、(f)は、自動ロック機構の作動が解除された状態を示す。 ウェビング加速度感知手段のWSレバーの動作を説明するための図であり、(a)は、慣性体70とステアリングホイール40の間の位相ずれがない初期状態、(b)は該位相ずれが生じ、WSレバーがベアリングカバーの内歯に接近した状態、(c)は、さらに位相ずれが生じ、WSレバーが係合した状態を示す。 ロックドックの作動を説明するための図であり、(a)は、WSレバー係合時の状態、(b)は、ロックドックの歯先係合開始状態、(c)は、ロックドックの完全結合状態を示す。 第2実施形態のシートベルト用リトラクタに係る、コントロールプレートの各カムによって制御される各構成要素を透過して示す全量格納状態の図である。 図11のシートベルト用リトラクタに係る、コントロールプレートの各カムによって制御される各構成要素を透過して示すウェビング装着状態の図である。 図11のシートベルト用リトラクタのキャンセラー機能を説明するための図であり、(a)は、WSレバーが作動した状態を示し、(b)は、WSレバーがベアリングカバーの内歯にロックした状態を示し、(c)は、ロックドックが係合した状態を示す。 自動ロック機構の切り換えを説明するための図であり、(a)は、ウェビングの全量引き出し直前の状態を示し、(b)は、全量引き出しによって自動ロック機構が作動する状態を示し、(c)は、ウェビングが所定量巻き取られて自動ロック機構が作動した状態を示し、(d)は、自動ロック機構が作動中にウェビングが巻き取られた状態を示し、(e)は、ウェビングがさらに巻き取られて自動ロック機構の作動解除動作が開始される状態を示し、(f)は、自動ロック機構の作動が解除された状態を示す。
以下、本発明のシートベルト用リトラクタに係る好適な各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態のシートベルト用リトラクタは、ウェビング加速度感知手段と車体加速度感知手段とを有する緊急ロック機構と、自動ロック機構とを兼ね備える。図1に示すように、このシートベルト用リトラクタは、ウェビング(図示略)が巻装される金属製(例えば、アルミ合金製)のスピンドル1と、スピンドル1を巻き取り方向に回転付勢するバネ式の巻取装置2と、スピンドル1を回転自在に支持する金属製のコ字状のフレーム10と、ロック部材としての金属製(例えば、鉄製)のロックドック20と、樹脂製のステアリングホイール40と、ステアリングホイール40に質量を付与する金属製(例えば、亜鉛合金製)の慣性体(イナーシャマス)70と、イナーシャマス70に取り付けられるラッチ部材としての樹脂製のラチェットホイール30と、ウェビング加速度感知手段の第1の係止手段としての樹脂製のWSレバー50と、自動ロック機構の第2の係止手段としての樹脂製のALRレバー60と、ロックドック20に取り付けられるキャンセル部材である樹脂製のキャンセルレバー90と、樹脂製のコントロールプレート80と、車体の加速度を感知する車体加速度感知手段110と、ロックドック20、ラチェットホイール30、ステアリングホイール40、WSレバー50、慣性体70、車体加速度感知手段110等の緊急ロック機構の主要構成部品を覆うカバー部材としての樹脂製のベアリングカバー100と、を主に備えている。なお、イナーシャマス70は、樹脂製であってもよい。
図1に示すように、フレーム10は、スピンドル1の軸方向の中央部分を挟んで対向する左右側板10A、10Bを有し、一方の側板10Aの外側に緊急ロック機構及び自動ロック機構が配置され、他方の側板10Bの外側に巻取装置2が配置されている。スピンドル1の一端側の軸5は、ステアリングホイール40、イナーシャマス70、コントロールプレート80の各中心孔45、75、85を貫通し、その先端にはドライブギア6が一体回転するように嵌着されている。
また、フレーム10の一方の側板10Aに取り付けられたベアリングカバー100にはアイドルギア7が軸支されており、ドライブギア6と、コントロールプレート80の片面に形成されたドリブンギア81との両方に噛み合っている。従って、スピンドル1の回転が、ドライブギア6からアイドルギア7を介してドリブンギア81に伝えられ、ドリブンギア81を有するコントロールプレート80が、スピンドル1と連動して増速回転するようになっている。これらドライブギア6、アイドルギア7、ドリブンギア81よりなる歯車増速機構の増速比は、ウェビングを全量引き出した状態から全量巻き取った状態にするときのスピンドル1の回転が、コントロールプレート80の1回転に変換されるような数値に設定されている。なお、本実施形態では、ドライブギア6の歯数を22、アイドルギア7の歯数を13、ドリブンギア81の歯数を21としている。また、ドライブ、アイドル、及びドリブンギア6,7,81はそれぞれ樹脂製からなる。
また、フレーム10の側板10Aの円形開口の内周には、ロックドック20の爪22が嵌まる多数の内歯11が形成されている。ロックドック20は、スピンドル1の一方の端面と該端面に固着された金属製(例えば、鉄製)のカバープレート29との間に確保された空間に変位自在に収容されている。また、スピンドル1の一方の端面には、コイルスプリング28の一端を支持して収容するスプリング収容穴3が形成されている。そして、ステアリングホイール40の裏面に形成された図示しないスプリング支持部にコイルスプリング28の他端を支持することで、コイルスプリング28は、ステアリングホイール40をスピンドル1に対して反時計回り(ロック解除位置)に付勢し、スピンドル1とステアリングホイール40とを一体回転可能とする。ロックドック20は、そのカムピン21をステアリングホイール40に形成されたカム孔41に挿入することで、爪22が内歯11から離れるロック解除位置に保持される。また、必要時に、ステアリングホイール40をスピンドル1に対して時計回りに相対的に回転する(実際には、スピンドル1が回転する)ことで、カムピン21の動きにより、コイルスプリング28の力に抗して爪22を外に飛び出させる。そして、外に飛び出させた爪22を、フレーム10の内歯11に噛み合わせることにより、スピンドル1をフレーム10の内歯11にロックさせ(即ち、ロック位置に移動させ)、ウェビング引き出し方向の回転を機械的にロックする。
ステアリングホイール40は、スピンドル1に相対回転可能に支持され、図2に示すように、ロックドック20のカムピン21が係合するカム孔41と、WSレバー50の軸孔51に嵌まることでWSレバー50を揺動自在に支持する凸軸42と、ALRレバー60の長孔61に嵌ることでALRレバー60を移動自在且つ揺動自在に支持する凸軸43と、ALRレバー60のスピンドル側に突出する凸部64を収容する他のカム孔44と、キャンセルレバー90の軸孔92に嵌まることでキャンセルレバー90を揺動自在に支持する凸軸47と、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54の揺動を許容する切り欠き48と、を有している。
カム孔41は、スピンドル1に対してステアリングホイール40が相対回転するときに、カムピン21を介してロックドック20の爪22を外方に押し出す。例えば、ウェビング引き出し時に、スピンドル1に対してステアリングホイール40が回転遅れを生じた場合に、スピンドル1とステアリングホイール40の相対回転により、ロックドック20をロック側へ作動させる。
また、カム孔41を貫通したカムピン21の先端は、ステアリングホイール40の凸軸47に揺動自在に支持されたキャンセルレバー90の長孔93に挿入されている。また、キャンセルレバー90は、軸孔92を中心として長孔93が形成されたアーム部分と異なるアーム部分に、コントロールプレート80に向けて軸方向に延出するロック部材用突起部91を有する。
WSレバー50は、後述するベアリングカバー100の内歯108(図3)に係合可能な爪52と、コントロールプレート80に向けて軸方向に延出するWS用突起部53と、スピンドル1に向けて軸方向に突出するロック部材飛び出し防止用突起部54と、を有している。これら爪52、WS用突起部53、及びロック部材飛び出し防止用突起部54は、軸孔51の軸方向と垂直な方向に軸孔51からそれぞれ延びた各アーム部分に設けられている。WSレバー50は、WS用付勢手段であるWSスプリング58によって爪52を内方に引っ込める方向に回転付勢されており、通常時内歯108と係合しない第1の非作動位置に保持される。WSスプリング58は、一端部がステアリングホイール40に、他端部がWSレバー50にそれぞれ支持されている。
また、ALRレバー60は、コントロールプレート80に向けて軸方向に延出するALR用突起部であるカムピン62と、前述した凸部64と、WSレバー50の爪52が設けられる爪用アーム部分55と当接可能な当接用アーム部65と、を有している。これらカムピン62と凸部64とは、同一のアーム部分から軸方向両側に延びており、このアーム部分と当接用アーム部65は、長孔61の軸方向と垂直な方向に長孔61からそれぞれ延びている。ALRレバー60には、一端部がステアリングホイール40に支持されたALR用付勢手段であるALRスプリング69の他端部が支持されている。ALRレバー60は、ALRスプリング69によって、凸部64をステアリングホイール40の他のカム孔44内で案内しながら、当接用アーム部65がWSレバー50の爪用アーム部分55と当接する第2の作動位置と爪用アーム部分55と当接しない第2の非作動位置との間でALRスプリング69の死点を越えてスナップ動作する。
慣性体70は、ステアリングホイール40にWSレバー50やALRレバー60等を組み付けた状態で、ステアリングホイール40に取り付けられており、中心孔75をスピンドル1の軸5に相対回転自在に嵌合させている。また、慣性体70は、ステアリングホイール40の中心孔45の周囲に設けられた複数の爪部材46によって、ステアリングホイール40に対して僅かに相対回転できるように組み付けられている。慣性体70の側面には凸部71a,7ab(図5参照。)が設けられており、この凸部71a,71bがWSレバー50のWS用突起部53の基部近傍で該基部を挟持するように位置している。そして、慣性体70とステアリングホイール40の間に相対回転が生じた際に、この慣性体70の凸部71aが、ステアリングホイール40に支持されたWSレバー50を押圧して、WSレバー50の爪52が外方に突き出される第1の作動位置に変位させ、ベアリングカバー100の内歯108に噛み合わせる。これにより、ウェビング加速度感知手段は、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転を阻止する。また、慣性体70には、WSレバー50の突起部53をコントロールプレート80側に向けて貫通させる切欠き部72と、ALRレバー60のカムピン62とキャンセルレバー90のロック部材用突起部91をコントロールプレート80側に向けて揺動自在に貫通させる貫通孔73,74が形成されている。
図3にも示すように、ベアリングカバー100の面板101の内面側には円筒壁107が突設され、その円筒壁107の内周に前述したWSレバー50が噛み合い可能な内歯108が設けられている。また、ベアリングカバー100には、車体加速度感知手段110を構成するベース部110Aが設けられ、そこに、図示しないボールを保持するボールカバー127が取り付けられている。そして、車体加速度に応じて図示しないボールが移動することにより、作動部材であるVSセンサレバー120が揺動して爪121が持ち上がり、ラチェットホイール30の外周に設けられた外歯31に係合して、ラチェットホイール30をロックする。
コントロールプレート80には、中心にベアリングカバー100に回転自在に嵌合する中心孔85が設けられており、片面には前述したドリブンギア81が設けられている。また、ドリブンギア81を設けた側と反対側の側面には、図4に示すように、第1のカム86及び第2のカム87が軸方向に突出してリブ状に形成される。なお、本実施形態の第1のカム86は、ウェビング加速度感知手段のWSレバー50の誤作動によるエンドロックを防止するWS用カムであるとともに、自動ロック機構の作動解除時においてWSレバー50を介してALRレバー60をスナップ動作させるALR用カムとしても機能する。また、第2のカム87は、自動ロック機構の作動時においてALRレバー60をスナップ動作させるALR用カムであるとともに、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止するロック部材用カムとしても機能する。
第1のカム86は、コントロールプレート80の外周面と同芯の円弧形状に形成され、ウェビングの巻き取り完了時に、第1の非作動位置にあるWSレバー50の突起部53と外周面で当接する位置と、第1の所定量である全量引き出されたウェビングが第2の所定量巻き取られる時点において、第1の作動位置にあるWSレバー50の突起部53と外周面で当接する位置と、を含むように形成される。
第2のカム87は、コントロールプレート80の外周面と同芯の第1の円弧部分87aと、第1の円弧部分87aの一端側で段差を持って第1の円弧部分87aより内周側に形成され、コントロールプレート80の外周面と同芯の第2の円弧部分87bと、第1の円弧部分87aの他端側に形成され、案内通路87cを形成するとともに径方向に延びる側面87dを有する部分と、を備える。この第2のカム87の側面87dは、ウェビングが全量引き出し直前から第1の所定量である全量引き出しまで引き出されるときに、ALRレバー60のカムピン62と当接する位置に形成される。また、第2のカム87の第1の円弧部分87aは、ウェビングの巻き取り完了時に、ロック解除位置にあるロックドック20に取り付けられたキャンセルレバー90のロック部材用突起部91が外周面と当接する位置を含むように形成される。さらに、案内通路87cは、組み付け時におけるカムピン62を保持して、ALRレバー60を規制する。
また、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54は、スピンドル1の一方の端面に形成されたカム溝8に収容される。カム溝8は、図5に示すように、ステアリングホイール40とスピンドル1が相対回転した際、及びWSレバー50が揺動した際の該突起部54の移動を許容するように周方向及び径方向に延出した略L字状に形成されている。そして、このカム溝8には、WSレバー50がウェビングの巻取り完了時に第1の非作動位置に保持される際、ロックドック20をロック解除位置から飛び出さないようにロック部材飛び出し防止用突起部54と周方向で接触して係合する飛び出し防止部としての壁面8aが形成される。
次に、本実施形態のシートベルト用リトラクタの作用について説明する。
図5に示すように、ウェビングの全量格納状態では、WSレバー50の突起部53は、第1のカム86の外周面と当接しており、WSレバー50はステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置、即ち、ベアリングカバー100の内歯108と係合しない爪52を引っ込めた位置で回転不能に保持される。
このとき、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54は、スピンドル1のカム溝8の壁面8aに接触して位置決めされており、スピンドル1に対するステアリングホイール40の回転遅れが防止される。このため、ロックドック20はフレーム10の内歯11と係合不能となるロック解除位置に保持される。
また、同様に、キャンセルレバー90の突起部91は、第2のカム87の外周面と当接しており、キャンセルレバー90によっても、ロックドック20はフレーム10の内歯11と係合不能となるロック解除位置で回転不能に保持される。第2のカム87の第2の円弧部分87bは、ALRレバー60とその近傍で対向しており、ALRスプリング69によって付勢されて第2の非作動位置にあるALRレバー60がスナップ動作によって第2の作動位置に移動するのを防止している。
そして、図5に示す全量格納状態からウェビングが引き出されると、コントロールプレート80は、スピンドル1に対して矢印A方向に相対回転する。従って、コントロールプレート80は、スピンドル1に支持されたロックドック20、スピンドル1とともに回転するステアリングホイール40に支持されたWSレバー50及びALRレバー60に対して矢印A方向に相対回転する。
これにより、WSレバー50の突起部53と第1のカム86との当接が解除されるとともに、キャンセルレバー90の突起部91と第2のカム87との当接が解除される。また、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54の壁面8aとの係合が解除される。このため、WSスプリング58で第1の非作動位置に保持されているWSレバー50は、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転を阻止する第1の作動位置へ揺動回転可能となる。また、コイルスプリング28によってフレーム10の内歯11と係合不能となる位置に保持されているロックドック20は、図7(a)〜(c)に示すように、WSレバー50の第1の作動位置への揺動後に、内歯11と係合するロック位置へ外側に飛び出し可能となる。
従って、図6に示すように、タングにバックルが装着されたウェビング装着状態において、車両に所定値以上の減速度が作用しない通常時にはウェビングの引き出し、巻き取りが自由に行われる。また、ウェビング装着状態において、車両に所定値以上の減速度が作用する緊急時にはウェビング加速度感知手段と車体加速度感知手段が作動可能となる。
また、図8(a)に示すように、ウェビングをさらに引き出した全量引き出し付近では、ALRレバー60のカムピン62はALR用カム87の側面87dに当接し、さらに引き出すことで、該側面87dに沿って径方向内側へ移動する。このため、ALRレバー60は、ALRスプリング69の死点を越えて第2の作動位置へスナップ動作する。これにより、図8(b)に示すように、ALRレバー60の当接用アーム部65がWSレバー50の爪用アーム部分55と当接してWSレバー50を揺動させ、WSレバー50の爪52がベアリングカバー100の内歯108と係合する。従って、図8(c)に示すように、自動ロック機構が作動した状態となり、スピンドル1の引き出し方向の回転が規制される。
この状態では、図8(d)に示すように、スピンドル1は、ステアリングホイール40とともに、WSレバー50を内歯108によって内側に弾きながら回転することができるので、ウェビングを巻き取り可能である。特に、WSレバー50の爪用アーム部分55にはALRレバー60の当接用アーム部65が当接しているが、ALRレバー60は、その長孔61によってステアリングホイール40に移動自在に支持されているので、WSレバー50が弾かれる際にWSレバー50の揺動とともに移動することができ、WSレバー50が弾かれる際の妨げとはならない。このため、チャイルドシート等を取り付ける際、自動ロック機構を作動状態として、余ったウェビングを巻取装置2で巻き取ることで、チャイルドシートを車両シートに確実に固定できる。
そして、図8(e)に示すように、全量引き出し付近からウェビングが第2の所定量巻き取られると、WSレバー50の突起部53が第1のカム86の端部に当接して径方向外側に案内される。そして、ウェビングがさらに巻き取られると、図8(f)に示すように、WSレバー50の突起部53がWS用カム86の外周面に当接して、WSレバー50を第1の非作動位置に保持する。このため、WSレバー50がALRレバー60の当接用アーム部65に当接して押圧されることで、ALRレバー60は当接用アーム部65がWSレバー50から離れる第2の非作動位置へALRスプリング69の死点を越えてスナップ動作される。これにより、自動ロック機構の作動状態から緊急ロック機構が作動可能な状態に切り換えられる。
また、ウェビング装着状態から乗員がタングとバックルとの締結を解除した後は、ウェビングが巻取装置2のバネ力によって巻き取られる。そして、巻き取り完了手前から完了時にわたって、WSレバー50の突起部53が第1のカム86と当接して、WSレバー50が第1の非作動位置に保持される。また、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54がスピンドル1のカム溝8の壁面8aで係合し、且つ、キャンセルレバー90の突起部91が第2のカム87と当接して、ロックドック20がロック解除位置に保持される。これにより、ウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止するとともに、ロックドック20自体のエンドロックを防止することができる。
また、図6に示すウェビング装着状態において、車両の衝突等によってウェビングが所定の速度以上で引き出され、スピンドル1に急激なウェビング引き出し力が作用した場合には、図9(a)に示す慣性体70とステアリングホイール40の間の位相ずれがない初期状態から慣性体70とステアリングホイール40の間に相対回転が生じる。このため、図9(b)に示すようにWSレバー50に当接している慣性体70の凸部71aが、WSレバー50を押圧して、WSレバー50を時計方向に回転させる。そして、所定の角度に達するとWSレバー50の爪52がベアリングカバー100の内歯108に係合する(図9(c)参照。)。なお、係合解除時には、WSレバー50に当接している慣性体70の他の凸部71bが、WSレバー50を押圧して、WSレバー50を反時計方向に回転させる。
そして、図10(a)に示すように、WSレバー50の爪52がベアリングカバー100の内歯108に係合することでステアリングホイール40が固定された状態でさらにウェビングが引き出されると、ステアリングホイール40がスピンドル1に対して回転遅れを生じ、カムピン21がステアリングホイール40のカム孔41に収容されたロックドック20は図10(b)に示すように外方に移動し、ロックドック20の爪22が外に飛び出して、フレーム10の内歯11と係合する。図10(c)は、さらにウェビングが引き出されて、ロックドック20の爪22がフレーム10の内歯11と完全に締結した状態を示す。これにより、スピンドル1にロックがかかり、ウェビングの引き出し方向の回転が阻止される。
また、車体加速度感知手段110が作動した場合は、VSセンサレバー120の爪121がラチェットホイール30の外歯31に係合することで、ラチェットホイール30をロックする。ラチェットホイール30がロックされると、ラチェットホイール30が固定された慣性体70とステアリングホイール40との間に相対回転が生じるので、上記と同様にして、WSレバー50及びロックドック20の作用によりスピンドル1にロックがかかる。
以上のように、本実施形態のシートベルト用リトラクタによれば、ウェビングの巻き取り完了時に、コントロールプレート80によって、ウェビング加速度感知手段のWSレバー50を、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御し、同時に、WSレバー50によって、スピンドル1に対するステアリングホイール40の回転遅れを防止し、ロックドック20をフレーム10と係合しないロック解除位置に保持する。これにより、コンパクトな構成で、緊急ロック機構のウェビング加速度感知手段及びロックドック自体の誤作動によるエンドロック20の発生を防止することができる。
具体的に、ウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止する機能は、WSレバー50の爪52及びWS用突起部53と、コントロールプレート80の第1のカム86によって行なうことができる。また、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止する機能は、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54と、スピンドル1とステアリングホイール40との間に設けられたコイルスプリング28と、スピンドル1の側面に形成された、ロック部材飛び出し防止用突起部54を移動可能に収容するとともに、該突起部54と接触して係合可能な壁面8aを有するカム溝8と、によって、上記WSレバー50のエンドロックとともに行なうことができる。
また、自動ロック機構の作動及び作動解除動作もコントロールプレート80によって制御することができ、コンパクトな構成を維持することができる。
具体的に、自動ロック機構は、ALR用突起部62と当接用アーム部65とを有するALRレバー60、及びALR用スプリング69を備え、WSレバー50は、爪52及びWS用突起部53を備え、コントロールプレート80は、第1のカム86及び第2のカム87を備える。そして、ALR用スプリング69は、ウェビングが第1の所定量引き出されたときに第2のカム87によって第2の作動位置へスナップ動作し、これによって、当接用アーム部65がWSレバー50に当接して、WSレバー50の爪52をベアリングカバー100の内歯108に係合させ、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転を阻止する。さらに、第1のカム86は、ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られる時に、WS用突起部53と当接してWSレバー50が第1の非作動位置に保持され、且つ、WSレバー50が当接用アーム部65に当接して押圧することで、ALRレバー60は当接用アーム部65がWSレバー50から離れる第2の非作動位置へALR用スプリング69の死点を越えてスナップ動作する。
また、本実施形態では、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止する機能は、ロックドック20のカムピン21、長孔93とロック部材用突起部91とを有するキャンセルレバー90、ロック部材用カムを兼ねる第2のカム87によっても行われる。
また、コントロールプレート80は、ドライブギア6、ドリブンギア81、アイドルギア7を有する歯車増速機構によってスピンドル1の回転に対して増速回転するようにしたので、ウェビングの巻き取り・引き出し量に応じたWSレバー50、ALRレバー60、及びキャンセルレバー90の揺動制御を簡単に行うことができる。具体的に、スピンドル1の1回転に対してコントロールプレート80が一歯分多く(1回転+1歯の回転のため)回転するように増速しているので、コントロールプレート80の回転範囲で、WSレバー50、ALRレバー60、キャンセルレバー90の揺動のスケジュールを作成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るシートベルト用リトラクタについて図11〜14を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一または同等部分については同一符号を付して、説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のシートベルト用リトラクタは、主にキャンセルレバーを有しない点、及び、コントロールプレートのカム形状において第1実施形態のものと異なる。即ち、本実施形態のシートベルト用リトラクタでは、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止する機能は、ウェビング加速度感知手段のWSレバー50によってのみ行なわれる。また、第1実施形態では、自動ロック機構の作動解除動作をコントロールプレート80の第1のカム86のみで行っていたが、本実施形態では、作動解除動作をコントロールプレート80の第1のカム86及び第2のカム87の両方で行なっている。従って、第2のカム87は自動ロック機構の作動及び作動解除動作を行なうALR用カムとして機能する。
具体的に、図11に示すように、コントロールプレート80は、第1実施形態と同様の第1のカム86と、第2のカム187とを備える。第2のカム187では、コントロールプレート80の外周面と同芯の第1の円弧部分187aが略半周に亙って形成され、第1の円弧部分187aの一端側には、内周寄りに延びる側面187bを有する案内部分が形成され、第1の円弧部分187aの他端側には、第1実施形態と同様、案内通路87cを形成するとともに径方向に延びる側面87dを有する部分が形成される。
この第2のカム187の側面87dは、第1実施形態と同様、ウェビングが全量引き出し直前から第1の所定量である全量引き出しまで引き出されるときに、ALRレバー60のカムピン62と当接する位置に形成される。また、第2のカム87の側面187bは、ウェビングが第1の所定量である全量引き出しから第2の所定量巻き取られる時に、ALRレバー60のカムピン62と当接する位置に形成される。
従って、本実施形態のシートベルト用リトラクタでは、図11に示すウェビングの全量格納状態では、WSレバー50の突起部53は、第1のカム86の外周面と当接しており、WSレバー50はステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置、即ち、ベアリングカバー100の内歯108と係合しない爪52を引っ込めた位置で回転不能に保持される。
このとき、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54は、スピンドル1のカム溝8の壁面8aと接触して係合しており、スピンドル1に対するステアリングホイール40の回転遅れが防止される。このため、ロックドック20はフレーム10の内歯11と係合不能となるロック解除位置に保持される。
そして、図11に示す全量格納状態からウェビングが引き出されると、コントロールプレート80は、スピンドル1に対して矢印A方向に相対回転する。従って、コントロールプレート80は、スピンドル1に支持されたロックドック20、スピンドル1とともに回転するステアリングホイール40に支持されたWSレバー50及びALRレバー60に対して矢印A方向に相対回転する。
これにより、WSレバー50の突起部53と第1のカム86との当接が解除されるとともに、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54の壁面8aとの係合が解除される。このため、WSスプリング58で第1の非作動位置に保持されているWSレバー50は、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転を阻止する第1の作動位置へ揺動回転可能となる。また、コイルスプリング28によってロック解除位置に保持されているロックドック20は、図13(a)〜(c)に示すように、WSレバー50の第1の作動位置への揺動後に内歯11と係合するロック位置へ外側に飛び出し可能となる。
従って、図12に示すように、タングにバックルが装着されたウェビング装着状態において、車両に所定値以上の減速度が作用しない通常時にはウェビングの引き出し、巻き取りが自由に行われる。また、ウェビング装着状態において、車両に所定値以上の減速度が作用する緊急時にはウェビング加速度感知手段と車体加速度感知手段が作動可能となる。
そして、図14(a)に示すように、ウェビングをさらに引き出した全量引き出し付近では、ALRレバー60のカムピン62は第2のカム187の側面87dに当接し、さらに引き出すことで、該側面87dに沿って径方向内側へ移動する。このため、ALRレバー60は、ALRスプリング69の死点を越えて第2の作動位置へスナップ動作する。これにより、図14(b)に示すように、ALRレバー60の当接用アーム部65がWSレバー50の爪用アーム部分55と当接してWSレバー50を揺動させ、WSレバー50の爪52がベアリングプレート100の内歯108と係合する。従って、図14(c)に示すように、自動ロック機構が作動した状態となり、スピンドル1の引き出し方向の回転が規制される。
この状態では、図14(d)に示すように、スピンドル1は、ステアリングホイール40とともに、WSレバー50を内歯108によって内側に弾きながら回転することができるので、ウェビングを巻き取り可能である。特に、WSレバー50の爪用アーム部分55にはALRレバー60の当接用アーム部65が当接しているが、ALRレバー60は、その長孔61によってステアリングホイール40に移動自在に支持されているので、WSレバー50が弾かれる際にWSレバー50の揺動とともに移動することができ、WSレバー50が弾かれる際の妨げとはならない。このため、チャイルドシート等を取り付ける際、自動ロック機構を作動状態として、余ったウェビングを巻取装置2で巻き取ることで、チャイルドシートを車両シートに確実に固定できる。
そして、図14(e)に示すように、全量引き出し付近からウェビングが第2の所定量巻き取られると、ALRレバー60のカムピン62は第2のカム87の側面187bに当接し、ALRレバー60は凸軸43に対して長孔61を移動させながら時計回りに回転する。そして、ウェビングがさらに巻き取られると、図14(f)に示すように、ALRレバー60をALRスプリング69の死点を越えて第2の非作動位置へスナップ動作させる。これにより、ALRレバー60の当接用アーム部65がWSレバー50の爪用アーム部分55から離れる。
また同時に、全量引き出し付近からウェビングが第2の所定量巻き取られる際には、第1実施形態と同様に、WSレバー50の突起部53が第1のカム86の外周面に当接して、WSレバー50を第1の非作動位置に保持する。このため、WSレバー50の爪52は、ベアリングカバー100の内歯108から離れ、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転が阻止されない。これにより、自動ロック機構の作動状態から緊急ロック機構が作動可能な状態に切り換えられる。
また、ウェビング装着状態から乗員がタングとバックルとの締結を解除した後は、ウェビングが巻取装置2のバネ力によって巻き取られる。そして、巻き取り完了手前から完了時にわたって、WSレバー50の突起部53が第1のカム86と当接して、WSレバー50が第1の非作動位置に保持される。また、WSレバー50のロック部材飛び出し防止用突起部54がスピンドル1のカム溝8の壁面8aで係合して、ロックドック20がフレーム10の内歯11と係合不能となる位置に保持される。これにより、ウェビング加速度感知手段の誤作動によるエンドロックを防止するとともに、ロックドック20自体のエンドロックを防止することができる。
なお、ウェビング装着状態における車両の衝突等における動作は、第1実施形態のものと同様であるので、説明を省略する。
以上のように、本実施形態のシートベルト用リトラクタにおいても、自動ロック機構の作動及び作動解除動作をコントロールプレート80によって制御することができ、コンパクトな構成を維持することができる。
具体的に、本実施形態のウェビング加速度感知手段は、爪52とWS用突起部53とを有するWSレバー50を備え、自動ロック機構は、ALR用突起部62と当接用アーム部65とを有するALR用レバー60、及びALR用スプリング69を備え、コントロールプレート80は、第1及び第2のカム86,187を備える。
そして、ウェビングが全量引き出され、ALR用レバー69が、第2のカム187によって第2の作動位置へスナップ動作したとき、当接用アーム部65がWSレバー50に当接して、WSレバー50の爪52をベアリングカバー100の内歯108に係合させ、ステアリングホイール40のウェビング引き出し方向の回転を阻止する。
また、ウェビングが第2の所定量巻き取られる時に、第2のカム187は、ALR用突起部62と当接してALR用レバー60を第2の非作動位置へスナップ動作させるように制御するとともに、第1のカム86は、WS用突起部53と当接してWS用レバー50が第1の非作動位置に保持されるように制御する。これにより、ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されず、自動ロック機構の作動解除動作が確実に行なわれる。
また、本実施形態のシートベルト用リトラクタによれば、キャンセルレバーを有することなく、ロックドック20自体の誤作動によるエンドロックを防止しているので、より部品点数を削減できるとともに、コンパクトな構成を実現できる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本発明のコントロールプレートは、スピンドルの回転に応じて異なる回転数で回転すればよく、本実施形態のような増速回転であってもよいし、或いは、コントロールプレートのリブ状のカムを適宜設計することで減速回転であってもよい。
また、本発明のコントロールプレートは、リブによってWSレバーやALRレバーの揺動制御、及びキャンセルキャップの移動制御を行っているが、コントロールプレートにカム溝を形成することでこれら制御を行うようにしてもよい。
さらに、本発明のコントロールプレートの各カムは、上述した各カムの機能を発揮できるとともに、各突起部の揺動や移動に対して不必要に干渉しないものであれば、本実施形態の形状に限定されるものでない。
1 スピンドル
2 バネ式の巻取装置
6 ドライブギア
7 アイドルギア
8 カム溝
8a 壁面(飛び出し防止部)
10 フレーム
20 ロックドック(ロック部材)
30 ラチェットホイール(ラッチ部材)
40 ステアリングホイール
50 WSレバー(第1の係止手段)
53 WS用突起部
54 ロック部材飛び出し防止用突起部
60 ALRレバー(第2の係止手段)
62 カムピン(ALR用突起部)
70 慣性体
80 コントロールプレート
81 ドリブンギア
86 第1のカム
87,187 第2のカム
90 キャンセルレバー(キャンセル部材)
91 ロック部材用突起部
110 車体加速度感知手段
120 VSセンサレバー

Claims (7)

  1. フレームに回転自在に支持され、ウェビングが巻装されるスピンドルと、
    前記フレームに係合することで前記スピンドルのウェビング引き出し方向の回転をロックするロック部材と、
    前記スピンドルに相対回転可能に支持されると共に、前記スピンドルに対して回転遅れを生じることにより前記ロック部材を作動するステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第1の係止手段を有し、所定の速度以上で前記ウェビングが引き出された時に、前記第1の係止手段を第1の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するウェビング加速度感知手段と、
    前記スピンドルの回転に応じて前記スピンドルと異なる回転数で回転するコントロールプレートと、
    を備え、
    前記第1の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されない第1の非作動位置に保持されるように制御されており、且つ、
    前記第1の係止手段は、前記ウェビングの巻き取り完了時に前記第1の非作動位置に保持されることで、前記スピンドルに対する前記ステアリングホイールの回転遅れを防止し、前記ロック部材を前記フレームと係合しないロック解除位置に保持することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記ウェビング加速度感知手段は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第1の係止手段にそれぞれ支持され、前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に向けて付勢するWS用付勢手段を、さらに備え、
    前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、前記スピンドルに向けて軸方向に突出するロック部材飛び出し防止用突起部と、を有し、
    前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムを有し、
    前記スピンドルと前記ステアリングホイールとの間には、前記ロック部材を前記ロック解除位置に保持して前記スピンドルと前記ステアリングホイールが一体回転するように、前記スピンドルに対して前記ステアリングホイールを付勢する付勢手段が設けられ、
    前記スピンドルの側面には、前記ロック部材飛び出し防止用突起部を収容するカム溝が形成され、
    前記カム溝は、前記第1の係止手段が前記ウェビングの巻取り完了時に前記第1の非作動位置に保持される際、前記ロック部材を前記ロック解除位置から飛び出さないように前記ロック部材飛び出し防止用突起部と係合する飛び出し防止部を有することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記ステアリングホイールに揺動自在に軸支される第2の係止手段を有し、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の係止手段を第2の作動位置に変位させ、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止する自動ロック機構を、さらに備え、
    前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートによって、前記ウェビングが第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られるまでの間、前記第2の作動位置に保持されるように制御されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
    前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、を、備え、
    前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部と、前記第1の係止手段と当接可能な当接用アーム部と、を有し、
    前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムと、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させるALR用カムと、を有し、
    前記第2の係止手段が前記第2の作動位置へスナップ動作したとき、前記当接用アーム部は前記第1の係止手段に当接して、前記第1の係止手段の爪部を前記カバー部材の内歯に係合させて、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するとともに、
    前記WS用カムは、前記ウェビングが前記第1の所定量引き出されてから第2の所定量巻き取られる時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段が前記第1の非作動位置に保持されるように制御し、このとき、前記第1の係止手段が前記当接用アーム部に当接して押圧されることで、前記第2の係止手段は前記当接用アーム部が前記第1の係止手段から離れる第2の非作動位置へ前記ALR用付勢手段の死点を越えてスナップ動作することを特徴とする請求項3に記載のシートベルト用リトラクタ。
  5. 前記ロック部材には、前記ステアリングホイールに形成されたカム孔を貫通するピン部が設けられ、
    前記ステアリングホイールには、該カム孔を貫通した前記ピン部が挿入される長孔と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するロック部材用突起部と、を有するキャンセルレバーが揺動自在に支持され、
    前記コントロールプレートのALR用カムは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、前記ロック部材を前記フレームと係合不能となるように制御するロック部材用カムを構成することを特徴とする請求項4に記載のシートベルト用リトラクタ。
  6. 前記自動ロック機構は、一端部が前記ステアリングホイールに、他端部が前記第2の係止手段にそれぞれ支持されるALR用付勢手段を、さらに備え、
    前記第1の係止手段は、前記フレームに取り付けられたカバー部材の内周面に形成された内歯と係合可能な爪部と、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するWS用突起部と、を備え、
    前記第2の係止手段は、前記コントロールプレートに向けて軸方向に延出するALR用突起部と、前記第1の係止手段と当接可能な当接用アーム部と、を有し、
    前記コントロールプレートは、前記ウェビングの巻き取り完了時に、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段を前記第1の非作動位置に保持されるように制御するWS用カムと、前記ウェビングが第1の所定量引き出されたときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記第2の作動位置へスナップ動作させるとともに、前記ウェビングが第2の所定量巻き取られるときに該ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記ALR用付勢手段の死点を越えて前記当接用アーム部が前記第1の係止手段から離れる第2の非作動位置へスナップ動作させるALR用カム、を有し、
    前記ウェビングが第1の所定量引き出され、前記第2の係止手段が前記第2の作動位置へスナップ動作したとき、前記当接用アーム部は前記第1の係止手段に当接して、前記第1の係止手段の爪部を前記カバー部材の内歯に係合させて、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転を阻止するとともに、
    前記ウェビングが前記第2の所定量巻き取られる時に、前記ALR用カムは、前記ALR用突起部と当接して前記第2の係止手段を前記第2の非作動位置へスナップ動作させるように制御するとともに、前記WS用カムは、該WS用突起部と当接して前記第1の係止手段が前記第1の非作動位置に保持されるように制御することで、前記ステアリングホイールのウェビング引き出し方向の回転が阻止されないことを特徴とする請求項3に記載のシートベルト用リトラクタ。
  7. 前記スピンドルと一体に回転するドライブギアと、前記コントロールプレートと一体に回転する前記ドライブギアより歯数の少ないドリブンギアと、前記ドライブ及びドリブンギアの両方に噛合するアイドルギアとを有する歯車増速機構をさらに備え、
    前記コントロールプレートは、前記歯車増速機構によって前記スピンドルの回転に対して増速回転することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
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