JP2008081027A - シートベルトリトラクタおよびこれを用いたシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヴィークルセンサの係止爪によるエンドロック防止を効果的に行うようにしつつ、エンドロック防止のための構造をより小型コンパクトに形成する。
【解決手段】ストッパ16のカムフォロワ16aがカム溝22の円弧状引込部22aおよび直線状部22bにあるときは、シートベルト4が通常ベルト装着時の所定引出し量を超えて引き出されている。このときは、ストッパ16のストッパ部16bが係止許容位置Bに位置し、ロックギヤ26のラチェット歯27とヴィークルセンサ24の係止爪24dとが係止可能となる。また、カムフォロワ16aがカム溝22の円弧状押出部22cにあるときは、シートベルト4が全量巻き取られている。このときは、ストッパ16のストッパ部16bが係止阻止位置Aに位置し、ラチェット歯27と係止爪24dとの係止が阻止され、エンドロックが防止される。
【選択図】 図4
【解決手段】ストッパ16のカムフォロワ16aがカム溝22の円弧状引込部22aおよび直線状部22bにあるときは、シートベルト4が通常ベルト装着時の所定引出し量を超えて引き出されている。このときは、ストッパ16のストッパ部16bが係止許容位置Bに位置し、ロックギヤ26のラチェット歯27とヴィークルセンサ24の係止爪24dとが係止可能となる。また、カムフォロワ16aがカム溝22の円弧状押出部22cにあるときは、シートベルト4が全量巻き取られている。このときは、ストッパ16のストッパ部16bが係止阻止位置Aに位置し、ラチェット歯27と係止爪24dとの係止が阻止され、エンドロックが防止される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、自動車等の車両に装備され、シートベルトリトラクタから引き出されるシートベルトにより乗員を拘束するシートベルト装置において、エンドロックを防止することができかつ少なくとも緊急ロック機能を有するシートベルトリトラクタおよびこれを用いたシートベルト装置の技術分野に関するものである。
従来から自動車等の車両シートに付設されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出しを阻止している。
一般に、このようなシートベルト装置はシートベルトリトラクタを備えている。このシートベルトリトラクタとして、シートベルトの引出しを阻止する緊急ロック式シートベルトリトラクタ(ELR)の機能と、シートベルトを全量引き出したときに作動して、このシートベルトの巻取り途中ではシートベルトの引出しを阻止し、シートベルトの全量巻取りで作動解除する自動ロック式シートベルトリトラクタ(ALR)の機能とを備えるシートベルトリトラクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示のシートベルトリトラクタは、ELR機能およびALR機能を有する他の一般的なシートベルトリトラクタと同様に、コ字状のフレーム、このフレームの左右側壁間に回転可能に支持されてシートベルトを巻き取るベルトリールおよびシャフト(スプール)、フレームの一方の側壁に取り付けられ、スプールにシートベルトの巻取り力を付与する渦巻きばね等からなる付勢力付与手段、フレームの他方の側壁に取り付けられ、フレームに形成されたラチェット歯に係止することでスプールのベルト引出し方向の回転を阻止するロック部材であるロックパウル、外周にラチェット歯を有し、通常時スプールと一体回転しかつ車両に所定減速度以上の大きな減速度が作用した緊急時にベルト引出し方向の回転が停止されてスプールとの間に相対回転を生じることでこのロックパウルを作動するラチェットホイール(ロックギヤ)、および先端に係止爪を有し、前述の緊急時にその大きな減速度が慣性体で感知されたときに、レバー(アクチュエータ)が作動してその先端の係止爪がロックギヤのラチェット歯に係止することでロックギヤのベルト引出し方向の回転を停止する加速度検知手段(ヴィークルセンサ)、ロックギヤに揺動可能に支持されかつ係止爪を有する慣性体、フレームに取り付けられた、慣性体の係止爪が係止可能なラチェット歯、フレームの他方の側壁に取り付けられるリテーナにスプールと同心に形成された内歯からなる内歯リング(リングギヤ)、スプールと一体にかつスプールの中心に対し偏心して回転する偏心ディスク、この偏心ディスクによって減速制御されて回転しかつリングギヤの内歯に噛合する外歯を有する制御リング、および制御リングによって作動制御されシートベルトの全量引出し時に作動してELR機能からALR機能に切り替えるとともに、シートベルトの全量巻取り時に作動解除してALR機能からELR機能に切り替えてALR機能を発揮するALRレバーからなる基本的な構成を備えている。
そして、シートベルトリトラクタは、シートベルトが全量引き出されない範囲で引き出されるときは、ELR機能を発揮する。このELR機能では、車両に前述の大きな減速度が作用すると、ヴィークルセンサが作動する。すなわち、慣性体がこの減速度を感知してアクチュエータを作動する。このアクチュエータの作動で、アクチュエータの係止爪がロックギヤのラチェット歯に係止して、ロックギヤのベルト引出し方向の回転がロックされる。すると、乗員の慣性でベルト引出し方向に回転しようとするスプールとベルト引出し方向の回転がロックされたロックギヤとの間に相対回転が生じる。この相対回転により、ロックパウル(本発明のロック手段に相当)が作動してフレームのラチェット歯に係止し、スプールのベルト引出し方向の回転が阻止される。これにより、シートベルトの引出しが停止されて慣性による乗員の前方への移動が阻止され、シートベルトで乗員が拘束される。
また、通常のベルト引出し時より速く急激にシートベルトが引き出されると、シートベルトセンサが作動する。すなわち、シートベルトの急激な引出しでロックギヤが急激に回転するので慣性体が作動する。すると、慣性体の係止爪がラチェット歯に係止するので、ロックギヤのベルト引出し方向の回転が阻止される。これにより、前述のヴィークルセンサ作動時の場合と同様にスプールのベルト引出し方向の回転がロックされ、シートベルトの引出しが阻止される。
例えば、チャイルドシートを車両シートにシートベルトで固定する場合などでALR機能を作動させようとする場合には、シートベルトを全量引き出す。すると、自動ロック機構(ALR機構)の制御リングがその偏心回転でシートベルトの全量引出しを検知してALRレバーを作動し、シートベルトリトラクタはELR機能からALR機能に切り換えられる。このALR機能では、シートベルトが全量巻き取られるまでの途中では、ALRレバーの作動により、スプールのベルト引出し方向の回転がロックされ、シートベルトは引き出すことができない。そして、シートベルトが全量(完全に)巻き取られると、ALRレバーが作動解除し、シートベルトリトラクタはALR機能からELR機能に戻る。
ところで、乗員がシートベルトの装着を解除するため、タングとバックルの係止を解除しタングあるいはシートベルトを放すと、巻取り方向に付勢されているスプールによりシートベルトが急激に巻き取られる。そして、シートベルトが完全に巻き取られると、スプールの回転が急激に停止するため、ヴィークルセンサのアクチュエータが回動して、その係止爪がロックギヤのラチェット歯に係止してしまうことがある。このため、前述のようにスプールのベルト引出し方向の回転がロックされるので、シートベルトを再び引き出すことができなくなる。つまり、エンドロックが発生してしまうことがある。
そこで、ALR機能を行う略円板形状のカムプレートの外周に円弧状の押圧部(ストッパ)を設け、このストッパは、カムプレートがスプールの回動に連動して減速回動することにより、ヴィークルセンサの係止爪がロック輪(ロックギヤ)のラチェット歯に係止するのを許容する係止許容位置とヴィークルセンサの係止爪がロックギヤの前記ラチェット歯に係止するのを阻止する係止阻止位置との間でロックギヤの回転方向に移動するようになっており、スプールによりシートベルトを全量またはほぼ全量巻き取ったときに、ストッパが係止阻止位置に設定されるシートベルトリトラクタが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示のシートベルトリトラクタによれば、シートベルトの全量巻取り時には、ストッパが係止阻止位置に設定されてヴィークルセンサの係止爪がロックギヤのラチェット歯に係止するのを阻止される。したがって、ヴィークルセンサの係止爪によるエンドロックが発生しなくなる。
特開2001−213275号公報
特開平9−150712号公報
しかしながら、特許文献2に開示のシートベルトリトラクタでは、ストッパがALR機能を行うカムプレートの外周に設けられているとともにカムプレートと一体に回動することでロックギヤのラチェット歯とヴィークルセンサの係止爪との間の領域に位置しかつこの領域を通過するので、カムプレートが大型になる。しかも、カムプレートが大型になることから、カムプレートの外周の回動軌跡が大きくなり、大きな移動スペースを必要とする。更に、ストッパがロックギヤのラチェット歯とヴィークルセンサの係止爪との間を通過する際に、ストッパが係止爪に回動方向に干渉しないようにするために、係止爪とラチェット歯との間の距離を従来のELRの場合に比べて大きくする必要がある。このため、特許文献2に開示のシートベルトリトラクタは大型にならざるを得ないものとなっている。
そのうえ、係止爪とラチェット歯との間の距離が大きくなることから、係止爪の非作動位置と作動位置との間の移動距離が長くなるので、ヴィークルセンサも大型になってしまう。
更に、近年の車両の多種多様化により、車両に搭載されるシートベルト装置のレイアウトも多種多様にわたっている。このため、カムプレートの作動範囲とストッパの作動範囲との組合せは、シートベルト装置のレイアウトによって異なることが一般的である。しかしながら、特許文献2に開示のシートベルトリトラクタでは、ベルト巻取り完了時の係止爪のラチェット歯への係止を阻止するストッパとALR機能を行うカムプレートとが同一部品で一体に形成されている。この特許文献2に開示のシートベルトリトラクタを、多種多様のシートベルト装置のレイアウトに対応させようとすると、ストッパとカムプレートとが同一部品で一体に形成されていることから、ストッパとカムプレートとが同一部品で形成された専用部品をレイアウトの種類と同数の種類だけ必要となってしまい、部品の種類の数が多くなるばかりでなく、コストも高くなる。例えば、シートベルト装置の取付レイアウトが9種類あるとすると、この専用部品もカムプレートの異なる作動範囲とストッパの異なる作動範囲との組合せの9種類が必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ヴィークルセンサの係止爪によるエンドロック防止を効果的に行うようにしつつ、エンドロック防止のための構造をより小型コンパクトに形成することのできるシートベルトリトラクタおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。
本発明の他の目的は、多種の取付レイアウトに対してALR機能とエンドロック防止装置との組合せをより少ない種類の部品でフレキシブルにかつ安価に対応することのできるシートベルトリトラクタおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明に係るシートベルトリトラクタは、シートベルトを巻き取るスプールと、非作動時前記スプールの回動を許容し、作動時に前記スプールのベルト引出し方向の回動を阻止するロック手段と、外周に円環状のラチェット歯を有し、非作動時前記スプールと一体回転するとともに前記スプールとの間に相対回転が発生する作動時に前記ロック手段を作動するロックギヤと、係止爪を有し、車両に通常時より大きな減速度が作用した緊急時にこの減速度を検知して作動して前記ロックギヤのラチェット歯に前記係止爪を係止して前記ロックギヤのベルト引出し方向の回転を阻止することで前記スプールと前記ロックギヤとの間に相対回転が発生させるヴィークルセンサとを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、前記スプールの回動により、前記ヴィークルセンサの前記係止爪が前記ロックギヤの前記ラチェット歯に係止するのを許容する係止許容位置と前記ヴィークルセンサの前記係止爪が前記ロックギヤの前記ラチェット歯に係止するのを阻止する係止阻止位置との間で前記ロックギヤの径方向に移動するストッパとを備え、前記スプールにより前記シートベルトを全量またはほぼ全量巻き取ったときに、前記ストッパが前記係止阻止位置に設定されることを特徴としている。
また、請求項2の発明に係るシートベルトリトラクタは、回動することで前記ストッパの作動を制御するカム溝を有するストッパ制御ディスクと、前記スプールの回動により作動されて前記ストッパ制御ディスクを回動する制御部材とを備えていることを特徴としている。
更に、請求項3の発明に係るシートベルトリトラクタは、前記シートベルトの全量引出し時に作動して、前記シートベルトの全量巻取りまで、全量引出し後の前記シートベルトの巻取り途中では、前記シートベルトの引出しを阻止する自動ロック機構を備えており、前記制御部材が、前記自動ロック機構の制御部材が兼用されていることを特徴としている。
更に、請求項4の発明に係るシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、前記シートベルトを引き出し可能に巻き取るとともに、前記緊急時に作動して前記シートベルトの引出しを阻止するシートベルトリトラクタと、前記シートベルトリトラクタから引き出された前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体または車両シートに設けられ、前記タングが離脱可能に係止されるバックルとを少なくとも備えるシートベルト装置において、前記シートベルトリトラクタに、請求項1ないし4のいずれか1に記載されたシートベルトリトラクタが用いられていることを特徴としている。
このように構成された本発明に係るシートベルトリトラクタおよびシートベルト装置によれば、エンドロック防止装置のためのストッパが係止許容位置と係止阻止位置との間でロックギヤの径方向に移動するので、ストッパに移動軌跡をヴィークルセンサの係止爪とロックギヤのラチェット歯との係止位置が含まれるように単に設定するだけでよい。したがって、ストッパの移動軌跡が小さくなり、小さな移動スペースで済むようになる。しかも、ストッパがロックギヤの径方向に直線的に移動するだけであり、ラチェット歯と係止爪との間をロックギヤの回動方向に回動しながら通過しないので、ストッパが係止爪にロックギヤの回動方向に干渉することはない。これにより、係止爪とラチェット歯との間の距離を従来のELRの場合と同じに変更する必要はない。したがって、本発明のシートベルトリトラクタはエンドロック防止装置を設けても小型コンパクトに形成することができる。
そのうえ、係止爪とラチェット歯との間の距離が、ヴィークルセンサによるエンドロックのエンドロック防止装置を備えない従来のELRやALRと変わらないので、係止爪の非作動位置と作動位置との間の移動距離も変わらなく、ヴィークルセンサを大型になるのを阻止できる。しかも、このエンドロック防止装置を設けても、本発明のシートベルトリトラクタのヴィークルセンサに従来のヴィークルセンサをそのまま使用することができ、本発明のシートベルトリトラクタを安価に形成できる。
また、請求項2の発明によれば、スプールの回動により作動される制御部材でストッパ制御ディスクを回動することにより、ストッパ制御ディスクのカム溝がストッパの作動制御するので、エンドロックをより簡単な構造でより安定して防止することができる。
更に、請求項3の発明によれば、ストッパ制御ディスクを回動する制御部材を、自動ロック機構の制御部材で兼用しているので、ストッパを制御する専用の制御部材を不要にすることができる。これにより、自動ロック式のシートベルトリトラクタにおいてはエンドロック防止装置を設けても部品点数をさらに削減することができる。
しかも、エンドロック防止装置のためのストッパを制御するストッパ制御ディスクと、自動ロック機構の制御部材とを別部品で別体に形成しているので、シートベルト装置のレイアウトが多種多様にわたっても、異なるストッパ制御ディスクと異なる制御部材とを組み合わせることにより、少ない種類の部品で多種多様のレイアウトに対してフレキシブルにかつ安価に対応することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を備えたシートベルト装置を模式的に示す図である。
図1は本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を備えたシートベルト装置を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例のシートベルト装置1は、シートベルトリトラクタを用いた従来公知の三点式シートベルト装置と同様に、車両シート2近傍の車体に固定されたシートベルトリトラクタ3、このシートベルトリトラクタ3から引き出されるとともに先端のベルトアンカー4aが車体の床あるいは車両シート2に固定されるシートベルト4、シートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員のショルダーの方へガイドするガイドアンカー5、このガイドアンカー5からガイドされてきたシートベルト4に摺動自在に支持されたタング6、車体の床あるいは車両シート2に固定されかつタング6が係脱可能に挿入係合されるバックル7から構成されている。
この例におけるシートベルトリトラクタ3は、図示しないが、例えば特許文献1に開示のシートベルトセンサを伴うELR機能およびALR機能を有するシートベルトリトラクタの前述の基本的な構成を備えている。そして、シートベルトリトラクタ3のこれらの基本的な構成および動作は従来公知であるので、本発明のエンドロック装置9に関係する部分を簡単に説明し、他の詳細な説明は省略する。
図2、図3および図5に示すようにリテーナ10のスプール側には、ヴィークルセンサ24が収容される収容部25が設けられている。また、ヴィークルセンサ24は例えば前述の特許文献1および2に開示のヴィークルセンサを始め、従来公知のヴィークルセンサと同様の構成を有している。すなわち、ヴィークルセンサ24は、ケース24aと、ケース24aに収容されかつ緊急時の大きな減速度で作動する慣性ボール24bと、ケース24aに揺動可能に設けられかつ慣性ボール24bの作動で作動されるアクチュエータ24cと、アクチュエータ24cの先端に設けられかつアクチュエータ24cの作動でラチェットホイール(ロックギヤ)26の外周の円環状のラチェット歯27に係止する係止爪24dとからなっている。
ロックギヤ26も従来公知の構成を有している。ロックギヤ26は、非作動時スプール8と一体回転するとともに、作動時スプール8との間に相対回転が発生しロック手段であるロックパウル28を作動してフレーム29の内歯30に係止させ、スプール8のベルト引出し方向の回転をロック(阻止)する。このロックギヤ26はスプール8と同軸上に設けられる。
次に、本発明の特徴部分であるエンドロック防止装置9について説明する。
図2は、エンドロック防止装置を備えたシートベルトリトラクタの一部を示す分解斜視図であり、図3は、このシートベルトリトラクタの図2に示す部分を図2と逆方向から見て示す分解斜視図、図4はシートベルトリトラクタの側面図、および図5は図4におけるV−V線に沿う断面図である。
図2は、エンドロック防止装置を備えたシートベルトリトラクタの一部を示す分解斜視図であり、図3は、このシートベルトリトラクタの図2に示す部分を図2と逆方向から見て示す分解斜視図、図4はシートベルトリトラクタの側面図、および図5は図4におけるV−V線に沿う断面図である。
図2ないし図5に示すように、この例のシートベルトリトラクタ3は、フレームのヴィークルセンサが設けられる側の側壁に取り付けられるリテーナ10を備えている。図2および図5に示すように、このリテーナ10の側壁10aのスプール8側(図2において左側)には、円環状突出部11が軸方向に突設されている。この円環状突出部11はスプール8と同軸上に設けられており、その内周面には、所定数のラチェット歯12が周方向に等間隔を置いて設けられている。これらのラチェット歯12は、シートベルトセンサの一部を構成するものであり、シートベルトが急激に引き出されたとき、図示しない慣性体が作動して慣性体の係止爪がラチェット歯12の1つに係止されるようになっている。慣性体の係止爪がラチェット歯12に係止されると、スプールのベルト引出し方向の回転がロックされ、シートベルト4の引出しが阻止される。
また、図3および図5に示すように、リテーナ10の側壁10aのスプール8側と反対側(図3において右側)には、内歯13aを有するリングギヤ13が軸方向に突設されている。このリングギヤ13はスプール8および円環状突出部11と同軸上に設けられている。
リテーナ10の側壁10aには、円環状突出部11およびリングギヤ13の内側において貫通孔14がこれらの円環状突出部11およびリングギヤ13と同軸上に穿設されている。スプールに一体回転可能に取り付けられるブッシュ15がこの貫通孔14を貫通して配設される。
図2、図3および図5に示すように、リテーナ10の側壁10aのスプール側と反対側には、ストッパ16と、ストッパ制御ディスク17と、制御リング18(本発明の制御部材に相当)と、偏心ディスク19とがリテーナ10側からこれの順に軸方向に配設されている。
ストッパ16は、支持ガイド部16aと、この支持ガイド部16aに直角方向に延びて支持された円弧状のストッパ部16bとからなっている。支持ガイド部16aにはピン状のカムフォロワ16cが突設されている。図3に示すように、リテーナ10の側壁10aのスプール8側と反対側には所定の間隔を置きかつリングギヤ13の径方向に延びる一対のガイドレール20,21が設けられている。支持ガイド部16aは、これらのガイドレール20,21の間に配置されかつこれらのガイドレール20,21にガイドされながら、側壁10aに対してリングギヤ13の径方向に摺動可能に設けられている。つまり、ストッパ16は、スプール8およびロックギヤ26の径方向に移動可能となっている。
側壁10aには、軸方向に貫通する開口10bが設けられているとともに、円環状突出部11のこの開口10bに対応する位置に、円環状突出部11の内側と外側と間を貫通する開口11aが穿設されている。そして、ストッパ部16bが開口10bを貫通して円環状突出部11側に突設しており、図4および図5に示すように円環状突出部11より外側に突出可能となっている。
図2、図5および図6に示すように、ストッパ制御ディスク17は、そのストッパ16と対向する面に形成されたカム溝22を有している。このカム溝22は、ストッパ制御ディスク17と同心の比較的小径の円弧状引込部22aと、この円弧状引込部22aから接線方向に延びる直線状部22bと、直線状部22bからこの直線状部22bが接線となるようにして延びかつストッパ制御ディスク17と同心で円弧状引込部22aより大径の円弧状押出部22cとからなっている。また、このストッパ制御ディスク17の中心位置には、ストッパ制御ディスク17と同心の円形の貫通孔17aが穿設されており、この貫通孔17aがブッシュ15の支持部15aに相対回動可能に支持されている。
更に、ストッパ制御ディスク17のカム溝22と反対側の面には、円弧状の連結突起23が立設されている。
更に、ストッパ制御ディスク17のカム溝22と反対側の面には、円弧状の連結突起23が立設されている。
制御リング18は、リングギヤ13の内歯13aに噛合する外歯18aを有しているとともに、円弧状の連結用孔18bを有している。円弧状の連結用孔18bの径方向の長さがストッパ制御ディスク17の径方向の厚み(長さ)より大きく設定されている。この連結用孔18bにストッパ制御ディスク17の連結突起23が嵌入されることで、制御リング18とストッパ制御ディスク17とが回転方向に連結される。その場合、後述するように制御リング18がスプールに対して偏心回転するのに対して、ストッパ制御ディスク17がスプールに対して同心回転するので、ストッパ制御ディスク17が連結用孔18bに対して径方向に相対的に摺動自在となっている。この制御リング18の中心位置には、制御リング18と同心の円形の貫通孔18cが穿設されている。
偏心ディスク19は、その外周の支持面19aが円形に形成されている。この偏心ディスク19の支持面19aの中心から偏心した位置には、連結孔19bが穿設されている。そして、支持面19aに制御リング18の貫通孔18cがその内周面全周にわたりかつ相対摺動可能に嵌合支持されている。また、連結孔19bにはブッシュ15の連結部15bが相対回転不能に嵌合、連結されている。したがって、スプールの回転で偏心ディスク19が回転し、この偏心ディスク19の回転で制御リング18が偏心回転するようになっている。また、制御リング18の偏心回転でストッパ制御ディスク17が回転するとともに、ストッパ制御ディスク17の回転で、ストッパ16がロックギヤ26の径方向に移動するようになる。
ストッパ16のカムフォロワ16aがストッパ制御ディスク17のカム溝22の円弧状押出部22cにあるときは、シートベルト4が通常ベルト装着時の所定引出し量を超えて引き出されている。その場合、円弧状押出部22cの円弧方向の長さが所定の長さに設定されており、これにより、シートベルト4が全量引き出される前にカムフォロワ16aが円弧状押出部22cにあるように設定してる。したがって、付勢力手段の付勢されたスプールによりシートベルトが全量あるいはほぼ全量引き出されたときには、カムフォロワ16aは円弧状押出部22cに位置している。
また、ストッパ16のカムフォロワ16aがカム溝22の直線状部22bにあるときは、シートベルト4が通常ベルト装着時の所定引出し量に相当する量引き出されている。
また、ストッパ16のカムフォロワ16aがカム溝22の直線状部22bにあるときは、シートベルト4が通常ベルト装着時の所定引出し量に相当する量引き出されている。
更に、ストッパ16のカムフォロワ16aがストッパ制御ディスク17のカム溝22の円弧状押出部22cにあるときは、シートベルト4が全量巻き取られている。その場合、円弧状押出部22cの円弧方向の長さが所定の長さに設定されており、これにより、シートベルト4が何らかの要因で通常の全量巻き取られず、巻取り量が若干量通常より少ない状態で巻取りが完了しても、カムフォロワ16aが円弧状押出部22cにあるように設定してる。したがって、付勢力手段の付勢されたスプールによりシートベルトが全量あるいはほぼ全量巻き取られたときには、カムフォロワ16aはカム溝22の円弧状押出部22cに位置している。
そして、この例のシートベルトリトラクタ3におけるエンドロック装置9は、ストッパ16、制御ディスク17、および制御リング18によって構成されている。
そして、この例のシートベルトリトラクタ3におけるエンドロック装置9は、ストッパ16、制御ディスク17、および制御リング18によって構成されている。
このように構成されたこの例のシートベルトリトラクタ3のエンドロック装置9の作動について説明する。
いま、シートベルト4の非装着時、シートベルト4はスプールに全量巻き取られている。この状態では、カムフォロワ16aがカム溝22の円弧状押出部22cに位置している。カムフォロワ16aが円弧状押出部22cにあるときには、ストッパ16が最大に押し出されて、ストッパ16のストッパ部16bが図4に二点鎖線で示すロックギヤ26のラチェット歯27の歯先より、図4に実線で示す外側位置Aに位置するようになる。
いま、シートベルト4の非装着時、シートベルト4はスプールに全量巻き取られている。この状態では、カムフォロワ16aがカム溝22の円弧状押出部22cに位置している。カムフォロワ16aが円弧状押出部22cにあるときには、ストッパ16が最大に押し出されて、ストッパ16のストッパ部16bが図4に二点鎖線で示すロックギヤ26のラチェット歯27の歯先より、図4に実線で示す外側位置Aに位置するようになる。
これにより、ヴィークルセンサ24のアクチュエータ24cが作動してその先端の係止爪24dがラチェット歯27の方へ移動しても、係止爪24dはストッパ部16bに当接して移動が阻止され、ロックギヤ26のラチェット歯27に係止する位置まで移動しない。すなわち、アクチュエータ24cの係止爪24dはロックギヤ26のラチェット歯27に係止することはない。したがって、ストッパ部16bの外側位置Aは、ヴィークルセンサ24の係止爪24dがロックギヤ26のラチェット歯27に係止するのを阻止する係止阻止位置となっている。
次に、シートベルト4が全量巻き取られている状態から、シートベルト4が引き出されると、スプールが引出し方向に回転する。このため、偏心リング19が回転するので、制御リング18の外歯18aが回転してリングギヤ13の内歯13aに順次噛合していく。したがって、制御リング18が大きく減速されてゆっくりと偏心回転する。この制御リング18の偏心回転で、ストッパ制御ディスク17がゆっくりと回転する。
すると、カムフォロワ16aがカム溝22の円弧状押出部22cから直線状部22bに移行するので、ストッパ16が急速に引き込まれる。したがって、ストッパ16のストッパ部16bがロックギヤ26のラチェット歯27の歯元より内側位置するようになる。これにより、ヴィークルセンサ24のアクチュエータ24cが作動したとき、アクチュエータ24cの先端の係止爪24dはストッパ部16bに当たることはなく、ロックギヤ26のラチェット歯27に係止する位置まで移動する。すなわち、アクチュエータ24cの係止爪24dはロックギヤ26のラチェット歯27に係止可能となる。
更に、シートベルト4が引き出されて通常使用時のベルト引出し量になると、カムフォロワ16aは、直線状部22bあるいは円弧状引込部22aに位置している。このときには、ストッパ16のストッパ部16bが更に引き込まれて、図4に点線で示すようにロックギヤ26のラチェット歯27の歯元より内側位置Bに位置するようになる。
これにより、ヴィークルセンサ24のアクチュエータ24cが作動してその先端の係止爪24dがラチェット歯27の方へ移動したとき、係止爪24dはストッパ部16bに当接しなく、ロックギヤ26のラチェット歯27に係止する位置まで移動するようになる。すなわち、アクチュエータ24cの係止爪24dはロックギヤ26のラチェット歯27に係止し、ELR機能が発揮する。したがって、ストッパ部16bの外側位置Bは、ヴィークルセンサ24の係止爪24dがロックギヤ26のラチェット歯27に係止するのを許容する係止許容位置となっている。
更に、ベルト装着が終了して、通常使用時のベルト引出し量だけ引き出されたシートベルト4がスプールに巻き取られると、スプールのベルト巻取り方向の回転で、偏心リング19が前述と逆方向に回転するので、制御リング18の外歯18aがリングギヤ13の内歯13aに順次噛合していく。したがって、制御リング18が大きく減速されてゆっくりと逆方向に偏心回転する。この制御リング18の偏心回転で、ストッパ制御ディスク17がゆっくりと逆方向に回転する。
すると、カムフォロワ16aは逆に円弧状引込部22aあるいは直線状部22bから円弧状押出部22cに向かって移動する。そして、シートベルト4がスプールにほぼ全量巻き取られると、カムフォロワ16aは円弧状押出部22cに位置するようになる。このときには、エンドロック装置9におけるストッパ16のストッパ部16bが図4に二点鎖線で示すロックギヤ26のラチェット歯27より外側位置するようになる。シートベルト4がスプールに全量巻き取られると、ベルト巻取りが終了する。このとき、カムフォロワ16aが円弧状押出部22cに位置することが保持されるので、ベルト巻取りの終了による衝撃で、ヴィークルセンサ24のアクチュエータ24cが作動しても、アクチュエータ24cの先端の係止爪24dはストッパ部16bに当接して、ロックギヤ26のラチェット歯27に係止する位置まで移動しない。したがって、係止爪24dがラチェット歯27との係止位置へ移動するのをストッパ部16bで阻止されるので、アクチュエータ24cの係止爪24dはロックギヤ26のラチェット歯27に係止しない。すなわち、スプールによるシートベルト4の全量巻取時には、エンドロック防止装置9によりエンドロックが防止される。
シートベルト4が全量近く引き出されると、従来公知の自動ロック機構(ALR機構)と同様に制御リング18によって、図4に示す切替アーム31によってELR機能からALR機能に切り替えられる。これにより、自動ロック作用が行われる。自動ロック作用が終了すると、シートベルト4は全量スプールに巻き取られる。このときのエンドロック装置9の作動は前述と同じである。
この例のエンドロック装置9を備えたシートベルトリトラクタ3およびシートベルト装置1によれば、エンドロック防止装置9のためのストッパ16が係止阻止位置Aと係止許容位置Bとの間でロックギヤ26の径方向に移動するので、ストッパ16に移動軌跡をヴィークルセンサ24の係止爪24dとロックギヤ26のラチェット歯27との係止位置が含まれるように単に設定するだけでよい。したがって、ストッパ16の移動軌跡が小さくなり、小さな移動スペースで済むようになる。しかも、ストッパ16がロックギヤ26の径方向に直線的に移動するだけであり、ラチェット歯27と係止爪24dとの間をロックギヤ26の回動方向に回動しながら通過しないので、ストッパ16が係止爪24dにロックギヤ26の回動方向に干渉することはない。これにより、係止爪24dとラチェット歯27との間の距離を従来のELRやALRの場合と同じに変更する必要はない。したがって、この例のシートベルトリトラクタ3はエンドロック防止装置9を設けても小型コンパクトに形成することができる。
そのうえ、係止爪24dとラチェット歯27との間の距離が、ヴィークルセンサ24によるエンドロックのエンドロック防止装置9を備えない従来のELRやALRと変わらないので、係止爪24dの非作動位置と作動位置との間の移動距離も変わらなく、ヴィークルセンサ24を特許文献2に記載のシートベルトリトラクタのように大型になるのを阻止できる。しかも、このエンドロック防止装置9を設けても、この例のシートベルトリトラクタ3のヴィークルセンサ24に従来のヴィークルセンサをそのまま使用することができ、この例のシートベルトリトラクタ3を安価に形成できる。
このように、エンドロック防止動作を安定してスムーズに行うことができるようにしつつ、ヴィークルセンサ24の機能を安定して発揮させることができることから、シートベルトリトラクタ3の信頼性を向上させることができる。
更に、ストッパ制御ディスク17を回動する制御部材を、ALR機能の制御リング18で兼用しているので、ストッパ制御ディスク17を制御する、つまりストッパ16を制御する専用の制御部材を不要にすることができる。これにより、ALR式のシートベルトリトラクタにおいてはエンドロック防止装置9を設けても部品点数をさらに削減することができる。
しかも、エンドロック防止装置9のためのストッパ16を制御するストッパ制御ディスク17と、ALR機能の制御リング18とを別部品で別体に形成しているので、シートベルト装置1のレイアウトが多種多様にわたっても、異なるストッパ制御ディスク17と異なる制御リング18とを組み合わせることにより、少ない種類の部品で多種多様のレイアウトに対してフレキシブルにかつ安価に対応することができる。
更に、スプール8の回動により作動される制御リング18でストッパ制御ディスク17を回動することにより、ストッパ制御ディスク17のカム溝22がストッパ16の作動制御するので、エンドロックをより簡単な構造でより安定して防止することができる。
なお、前述の例では、エンドロック防止装置9に、ALR機能のための制御リング18を兼用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンドロック防止装置9におけるストッパ16を作動制御するための専用の制御部材を用いることもできる。
また、本発明は、ELR機能およびALR機能を有するシートベルトリトラクタに限定されるものではなく、ELR機能のみを有するシートベルトリトラクタにも、本発明を適用することができる。
本発明のシートベルトリトラクタおよびシートベルト装置は、エンドロックが発生する可能性がありかつ少なくとも緊急ロック機能を有するシートベルトリトラクタおよびこれを用いてシートベルトリトラクタから引き出されるシートベルトにより乗員を拘束するシートベルト装置に好適に利用することができる。
1…シートベルト装置、2…車両シート、3…シートベルトリトラクタ、4…シートベルト、6…タング、7…バックル、8…スプール、9…エンドロック防止装置、10…リテーナ、13…リングギヤ、13…内歯、15…ブッシュ、16…ストッパ、17…ストッパ制御ディスク、18…制御リング、19…偏心ディスク、20,21…ガイドレール、22…カム溝、24…ヴィークルセンサ、24b…慣性ボール、24c…アクチュエータ24c、24d…係止爪、26…ロックギヤ、27…ラチェット歯、31…切替アーム
Claims (4)
- シートベルトを巻き取るスプールと、非作動時前記スプールの回動を許容し、作動時に前記スプールのベルト引出し方向の回動を阻止するロック手段と、外周に円環状のラチェット歯を有し、非作動時前記スプールと一体回転するとともに前記スプールとの間に相対回転が発生する作動時に前記ロック手段を作動するロックギヤと、係止爪を有し、車両に通常時より大きな減速度が作用した緊急時にこの減速度を検知して作動して前記ロックギヤのラチェット歯に前記係止爪を係止して前記ロックギヤのベルト引出し方向の回転を阻止することで前記スプールと前記ロックギヤとの間に相対回転が発生させるヴィークルセンサとを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、
前記スプールの回動により、前記ヴィークルセンサの前記係止爪が前記ロックギヤの前記ラチェット歯に係止するのを許容する係止許容位置と前記ヴィークルセンサの前記係止爪が前記ロックギヤの前記ラチェット歯に係止するのを阻止する係止阻止位置との間で前記ロックギヤの径方向に移動するストッパとを備え、
前記スプールにより前記シートベルトを全量またはほぼ全量巻き取ったときに、前記ストッパが前記係止阻止位置に設定されることを特徴とするシートベルトリトラクタ。 - 回動することで前記ストッパの移動を制御するカム溝を有するストッパ制御ディスクと、前記スプールの回動により作動されて前記ストッパ制御ディスクを回動する制御部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリトラクタ。
- 前記シートベルトの全量引出し時に作動して、前記シートベルトの全量巻取りまで、全量引出し後の前記シートベルトの巻取り途中では、前記シートベルトの引出しを阻止する自動ロック機構を備えており、
前記制御部材は、前記自動ロック機構の制御部材が兼用されていることを特徴とする請求項2記載のシートベルトリトラクタ。 - 乗員を拘束するシートベルトと、前記シートベルトを引き出し可能に巻き取るとともに、前記緊急時に作動して前記シートベルトの引出しを阻止するシートベルトリトラクタと、前記シートベルトリトラクタから引き出された前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体または車両シートに設けられ、前記タングが離脱可能に係止されるバックルとを少なくとも備えるシートベルト装置において、
前記シートベルトリトラクタに、請求項1ないし3のいずれか1に記載されたシートベルトリトラクタが用いられていることを特徴とするシートベルト装置。
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