JP5323594B2 - 管継手用抜止めリング - Google Patents

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Description

本発明は、パイプ端部を管継手に挿入して接続した際にパイプ端部が管継手から引抜けることを自動的に阻止可能な抜止めリングに関する。
本出願人は、かつて多数の管継手や密封構造に関する発明を提案してきた。例えば、図17〜図20に示す管継手は、1箇所に切れ目(切断部)41を有する(青銅製のような)弾発力の弱い材質のC字型抜止めリング40を内蔵した管継手42である(特許文献1参照)。
この抜止めリング40は、テーパ状外周面部43を有する外方半体部46と、ストレート内周面を有する内方半体部47と、から成り、外方先端には、パイプPに食い込むための係止爪部44を有する。
図18に示すように、この管継手42は、パイプPの端部が差込まれる円形凹溝45を有し、この円形凹溝45は、継手本体48の一部分として突設された挿入筒部49と、筒状カバー部材50と筒状キャップ部材51をもって、形成される。
パイプ未挿入状態では、図18に示すように、抜止めリング40は、保持円筒部52にて保持され、しかも、円筒ゴム部材53にてがたつかないようにラジアル内方向に抜止めリング40を図18の位置に保持している。その後、パイプPが挿入されると、パイプPの先端は円形凹溝45の奥部45Aに到達するが、抜止めリング40は、依然、保持円筒部52に保持されたままである。その後、図19に示すように、パイプPが矢印A方向へ引抜けようとして僅かに移動すると、抜止めリング40は、係止爪部44のパイプ外周面への軽い接触による摩擦力によって、同じ矢印A方向へ微小寸法移動し、保持円筒部52から離脱して、直ちに、そのテーパ状外周面部43が、筒状キャップ部材51の外方縮径状テーパ面54に圧接状に絞られて、係止爪部44がパイプ外周面に強く食い込み、矢印A方向へのパイプ引抜けは阻止される。
特開2004−324858号公報
ところが、図17〜図20に示したような従来の管継手では、次のような問題点があることが、本発明者の多大な労力を要するパイプ引抜け事故の原因究明調査の結果、明らかとなり、その後の多くの試作品の改善・改良及び実験と試行錯誤の後に、本発明が創作された。
問題点(i): 図20でも明らかなように、パイプPが強力な引抜力Fをもって矢印A方向に引抜かれんとすればする程、テーパ面54とテーパ状外周面部43とが強く圧接して、C字型抜止めリング40は縮径方向に変形し、係止爪部44がパイプ外周面55に食い込む構造であるため、引抜かれることがないはずである。
ところが、密封される流体の温度が低温と高温を繰返して、パイプPが熱膨張に伴って伸縮を繰返し、あるいは、(工場等に於て)外部から配管に振動が伝達されるような環境下では、図20に矢印G,Hにて示すようにパイプPが微小寸法だけ移動する。矢印Gのように一旦内方へ僅かに移動すると、テーパ面54に対する抜止めリング40のテーパ状外周面部43の圧接力が低下する。この圧接力が低下した状態で逆の矢印H方向にパイプPが微小寸法引抜かれて、僅かに移動した位置で係止爪部44が再び食い込んで引抜きが阻止される。このような繰返しにて、かつ、意外にも小さな引抜力が原因でもって、図20中に矢印Jにて示す如く、微小寸法ずつ、長期使用期間中にパイプ引抜け事故が発生する場合があると考えられる。
問題点(ii):図20(B)に示すように、抜止めリング40は切断部41を有するC型リングであるため、使用状態下で、矢印K,Qに示すように、切断端部が捩れて、小寸法εだけ(アキシャル方向に)変位する場合がある。前述の熱膨張に伴う伸縮や外部からの振動によって、パイプPと管継手42の間にアキシャル方向に相対移動する外力が与えられ、長期使用期間後には、図20(A)に矢印Mにて示すように相対的に回転しつつ螺旋運動(ネジの螺退運動)を生じてパイプPが管継手42から引抜かれてしまう事故の虞れがある点。
問題点(iii) :青銅から成る抜止めリング40はコストが高く切削加工を要して製作に手間が掛ると共に、円筒ゴム部材53を要し、管継手内部に収容する組込作業が面倒であり、しかも、図18に示すように、微妙な保持位置に、抜止めリング40を予め組立てて保持しておく必要がある点。
そこで、本発明は、このような従来の問題点(i)(ii)(iii)を悉く解決して、構成部品点数を低減できて、簡素な構成で、組立(組込)作業も能率良く、かつ、容易に行うことが可能であって、前述の熱膨張に伴うパイプ伸縮や外部からの振動伝達に伴うパイプ引抜けを確実に防止可能な管継手を実現することを、目的とする。
そこで、本発明は、被接続パイプの外径寸法よりも大きい内径寸法の切れ目の無い閉円環基部と、該閉円環基部から管継手外方向に突出状として微小スリットを介して並設され、上記外方向の先端側に係止爪部を有する複数のバネ片部とを、具備し、自由状態に於て、上記複数の係止爪部によって形成される内接仮想円の径寸法を、上記パイプの上記外径寸法よりも小さく設定し、さらに、上記閉円環基部から管継手内方向に突出状として微小スリットを介して並設された複数の副バネ片部を付設し、上記バネ片部の係止爪部が上記パイプの外周面に接触して、軸心を含む縦断面に於て、上記閉円環基部を中心として上記バネ片部がラジアル外方向へ揺動して逃げるのを抑制するように、上記副バネ片部の上記内方向の先端を、挿入された上記パイプの外周面に、接触させるように構成したものである。
また、上記複数のバネ片部の外面が、管継手外方向にゆくにしたがって縮径する略円錐面を形成するように構成したものである。好ましくは、全体が合成樹脂にて形成されている。
本発明に係る管継手用抜止めリングによれば、簡素な構造をもって、かつ、部品点数の少ない安価な管継手構造を実現できる。かつ、管継手のコンパクト化に寄与し、管継手として組立てる組込作業が容易となる。そして、熱膨張に伴うパイプの伸縮の繰返し、あるいは、外部からの振動伝達により、図20にて詳述した、いわば弱い力(小さな外力)によるところの複雑かつ微妙なパイプ引抜け現象を、確実に阻止できる。
本発明の実施の一形態を示す斜視図である。 正面図である。 側面図である。 背面図である。 軸心を含む平面で切断して示す縦断面図である。 自由状態の要部拡大断面図である。 管継手に組込んだ状態で、かつ、パイプ未挿入状態を示す要部断面図である。 管継手に組込んだ状態で、かつ、パイプ挿入途中の状態を示す断面説明図である。 管継手に組込んだ状態で、かつ、パイプに引抜力が作用した状態を示す断面説明図である。 作用説明図である。 他の構成の管継手に組込んだ状態であって、かつ、パイプ未挿入状態を示す要部断面図である。 内部流体の圧力が上昇し、パイプに引抜力が作用した状態を示す断面説明図である。 参考例を示す自由状態の要部拡大断面図である。 管継手に組込んだ状態で、かつ、パイプ未挿入状態を示す参考例の要部断面図である。 管継手に組込んだ状態で、かつ、パイプ挿入完了状態を示す参考例の断面説明図である。 パイプに引抜力が作用した状態を示す参考例の断面説明図である。 従来例を示す説明図である。 従来例を示しパイプ挿入前の状態の説明図である。 従来例のパイプ引抜阻止状態を示す説明図である。 従来の問題点を説明する図であって、(A)は要部断面説明図、(B)は従来の抜止めリングの斜視説明図である。 本発明の別の実施の形態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 本発明のさらに他の実施の形態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 本発明のさらに別の実施の形態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。 自由状態の要部拡大断面図である。 第1の変形例を示す自由状態の要部拡大断面図である。 第2の変形例を示す自由状態の要部拡大断面図である。 第3の変形例を示す自由状態の要部拡大断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図6、及び図7,図11に示すように、被接続パイプPの外径寸法Dよりも大きい内径寸法Dの切れ目の無い閉円環基部1を有し、この基部1は閉ループ形状であって切断部が無い円環型である。
この閉円環基部1から(図7,図11に示した)管継手外方向Aに突出状として微小スリット2を介して複数(枚)のバネ片部3が並設されている。このバネ片部3は図例では10個(枚)が並設されているが、6個(枚)〜20個(枚)の範囲で増減可能であり、閉円環基部1の径の大小───パイプPの外径寸法Dの大小───に対応して、増減するのが良い。なお、本発明に係る管継手用抜止めリングが適用されるパイプPの外径寸法Dは、8mm〜70mm程度である。
そして、各バネ片部3は、外方向Aの先端側に係止爪部4を有する。さらに、軸心L方向から見て、円弧状に弯曲した形状である。
さらに、上記閉円環基部1から管継手内方向Bに突出状として、微小スリット5を介して、複数の副バネ片部6が並設されている。
上記バネ片部3の外面3Aは、管継手外方向Aにゆくにしたがって縮径する略円錐面10を形成する。図6に示したように、上記略円錐面10は、バネ片部3の外面3Aから、閉円環基部1の外面1Aに、連続状に形成され、閉円環基部1の断面形状は横倒不等辺台形とする。この略円錐面10は、軸心Lに対する傾斜角度θは、自由状態下で11°〜25°とする。より好ましくは、12°〜17°とする。また、複数のバネ片部3の内面3Bは、閉円環基部1の前記内径寸法Dと同一の内径寸法に設定する。即ち、複数のバネ片部3の内面3Bによって、ストレート状内接円筒面が形成され、この内接円筒面は閉円環基部1から平坦に連続形成される。軸心直交平面をもって、閉円環基部1の内端面1Cが形成され、この内端面1Cの厚み方向(ラジアル方向)の寸法よりも小さく、かつ、ラジアル外方段付部7・ラジアル内方段付部8を形成するように、前記副バネ片部6の外端が連設される。
そして、図1〜図12に示す本発明の抜止めリング20は、閉円環基部1とバネ片部3と副バネ片部6は、全体が一体に合成樹脂にて形成されている。さらに、その硬度は、パイプPの外周面の硬度よりも高い。
係止爪部4は、断面が不等辺三角形としてラジアル内方へ突設され、軸心Lと直交する平面上の段付部9を有し、係止先端頂部11から(軸心Lに平行な)管継手外方向Aへ拡径するテーパ状勾配部12を有する。
そして、自由状態に於て、複数の係止爪部4によって形成される内接仮想円Cの径寸法Dを、パイプ外径寸法Dよりも小さく設定する。つまり、D<Dとする。さらに、副バネ片部6は、閉円環基部1の内端部1Cから、内方向Bへ軸心Lと平行な短ストレート部6Aと、内方向Bへ縮径状のテーパ部6Bとから成り、内端面6Cを軸心直交面状に形成して、内周端縁角部を断面鋭角として副爪6Eとする。この副爪6EはパイプPの外周面に食い込んで引抜けを補助的に阻止する作用をなす。自由状態に於て、複数の副バネ片部6の副爪6Eによって形成される内接仮想円の径寸法Dは、次式のように設定する。
≦D
なお、DはパイプPの外径寸法、Dは係止爪部4の内接仮想円Cの径寸法とする。
図7(又は図11)の状態から、パイプPを管継手内方向Bへ挿入してゆくと、まず、バネ片部3の先端の係止爪部4がパイプPの外周面に接触し、抜止めリング20は僅かに管継手内方向Bへ移動すると共に、軸心Lを含む縦断面に於て、閉円環基部1を中心としてバネ片部3が、図8の仮想線から実線にて示す如くラジアル外方向Nへ揺動して逃げる。
しかし、パイプPの引続いての挿入によってパイプPの外周面は、副バネ片部6の管継手内方向Bの先端───つまり副爪6E───に接触し、副バネ片部6は、図8の仮想線から実線の如くラジアル外方向N′へ揺動する。
図8で明らかなように、副バネ片部6のラジアル外方向N′の揺動方向と、バネ片部3のラジアル外方向Nの揺動方向とは、(時計廻りと反時計廻りとして)反対であるので、一旦はパイプ挿入に伴って、バネ片部3が大き目にラジアル外方向Nへ揺動して逃げるが、その直後に副爪6EがパイプPの外周面に接触して、(逆回転方向の)ラジアル外方向N′へ揺動し、副バネ片部6に矢印N′と同じ方向の弾発付勢力が発生して、バネ片部3(係止爪部4)を、図8に点線にて示した矢印Q方向へ揺動させる回転モーメントを与える。つまり、閉円環基部1を中心としてバネ片部3(係止爪部4)がラジアル外方向Nへ揺動して逃げるのを、副バネ片部6が抑制する作用をなす。
その後、図8中の2点鎖線(仮想線13)の位置まで十分深くパイプPは挿入されて、挿入完了状態となる。
上述のように、自由状態下で、D<Dとしたことによって、図8に2点鎖線にて示したパイプ挿入完了直後では、係止爪部4(バネ片部3)は、常時、ラジアル内方向へ弾発付勢され、しかも、副バネ片部6の弾発付勢力も加わり、係止爪部4はパイプPの外周面に、初期食い付きを確実に行っている。
管継手には、管継手外方向Aに縮径するテーパ面15が形成されており、その後、図9に示すように、パイプPに(相対的)引抜力が作用して、僅かな寸法Tだけ移動することで、バネ片部3のテーパ状の外面3Aと上記テーパ面15とが強く圧接状として、矢印Q′のようにバネ片部3は揺動しつつ係止爪部4が縮径して、パイプPの外周面に食い込み、強力な引抜阻止力を発揮する。
ここで、図7〜図10に例示の管継手の他の構成について説明すれば、パイプPに内挿される内挿筒部16を有し、また、2個のOリング17,17が嵌着される継手本体18を備え、この継手本体18の内部に、内挿筒部16の基端が固着され、さらに、前記テーパ面15を有する外装筒体19が継手本体18の先端に螺着され、又は、抜止めリング20を内装した後に、嵌着部21にて接着や融着等にて一体に固着され、円筒型空間部22を前方開口状に形成している。
この円筒型空間部22に、抜止めリング20が予め内装され、これにパイプPの端部が挿入されるのである。
次に、図11と図12に於て、既述の抜止めリング20が用いられ、同一符号は同一の構成であるが、相違する点は次の通りである。
即ち、Oリング17,17を形成するために、(図7〜図9では、継手本体18と一体の内鍔部23,23をもってシール溝を形成していたのに対し)円環状の第1スぺーサ部材24と第2スぺーサ部材25を、継手本体18の段差の無いストレート孔部26に嵌着し、流体圧力pがOリング17に作用した際に、図12に示すように、Oリング17,17と共に第1・第2スぺーサ部材24,25が管継手外方向Aに微小寸法スライドして、外方側の第2スぺーサ部材25が、図12に示す矢印Uの如く、抜止めリング20の内端面6Cを押圧して、副爪6Eも、パイプPの外周面に食い込んで、抜止めの補助を行い、しかも、矢印U方向に押圧することで、抜止めリング20の円錐面10をテーパ面15に一層強く押付けて、矢印Q′のように強く係止爪部4を食い込ませる。
なお、図11と図12では、第2スぺーサ部材25の内周端の外方側角部に小矩形状切欠部27を形成して、その軸心直交面部にて、抜止めリング20の内端面6Cを押圧させているが、これを図12(B)に示すようなテーパ押圧面28とすることも好ましい。
そして、図10は、図9又は図12のように、係止爪部4がパイプPの外周面に食い込んだ後に、パイプPが矢印G,Hにて示すように、伸縮作動したり、あるいは、振動を繰返している状態を示す図である。この図10に点線矢印Qにて示すように、係止爪部4はテーパ面15から円錐面10が分離しても常時弾発付勢されているので、係止爪部4のパイプ外周面に対する食い込み位置は全くずれない。
弱い力で、数万回〜数10万回と、矢印G,Hのような伸縮や振動が付与されたとしても、係止爪部4の頂部11とパイプ外周面との食い込み位置がずれないことによって、従来例としての図20に於て、小矢印Jにて示したような繰返し微小引抜け現象を、阻止できる。特に、閉円環基部1を中心としてバネ片部3が(それ自身の)弾発付勢力にて矢印Q方向へ係止爪部4をラジアル内方向に付勢していることにより、テーパ面15から分離した状態下で弱く引抜いてもパイプPは、図10の実線位置で外方向Aへの引抜けが阻止される。
なお、図10で明らかなように、内方の副バネ片部6が存在すれば、副爪6Eが、前述の(従来例の)図20における小矢印Jにて示した繰返し微小引抜けを、阻止する機能を補助する。しかも、図10の点線にて示すように、副バネ片部6の矢印N′にて示す弾発付勢力によって、係止爪部4が一層確実に矢印Qにて示す方向へ常時弾発付勢力を発揮する。
次に、図13は参考例を示す要部拡大断面図であり、図6と同一符号は同様の構成であり、重複説明を省略する。図14〜図16はその使用状態を示す図であって、既述の図7〜図12と同一符号は同様の構成であり、重複説明は省略する。
以下、既述の実施の形態と相違する構成を主として説明すれば、副バネ片部6が省略されていて、内径寸法D29がパイプPの外径寸法よりも大きく設定された複数の突出片部29が微小スリットを介して内方向Bへ突設されている。
なお、係止爪部4の自由状態下の内径寸法Dは、図6の場合よりも、小さ目に設定する。また、突出片部29の突出長さは、図6の副バネ片部6よりも小さくすると共に、所望により、微小スリットを省略してもって、閉円環基部1の断面積を増加されることも可能である。
図14,図15,図16は、各々、既述の実施の形態の図11(図7),図8,図12(図9)に相当している。
図13〜図16に示した参考例では、副バネ片部6が省略された構成であるので、閉円環基部1の捩れ弾性変形に伴う弾発付勢力、及び、バネ片部3自体の弾発付勢力によって、パイプPが挿入されると、常時、係止爪部4がパイプ外周面に弾発的に食い込み、図20で述べた、矢印Jのような微小引抜きを防いでいる。勿論、図20に矢印Mにて示したようなパイプPの回転があったとしても、閉円環基部1によって、係止爪部4は、軸心直交平面上に在って、パイプPが螺退運動しつつ、引抜けるようなことも全くなくなる。
本発明は、上述のように、管継手20に内装して使用され、パイプPを単純に内方向Bに挿入するだけで、(袋ナットの締付け等の別の作業工程を要さずに)接続作業が完了する。つまり、ワンモーションで接続作業が完了する。しかも、係止爪部4は、パイプPの挿入時から後は、常時圧接しつつ食い込み状態を、バネ片部3のラジアル内方向への弾発付勢力にて保持できる。特に、初期の食い付きに優れ、パイプPを一旦管継手20に挿入すると、強力な外方向Aへの引抜力に耐えるのみならず、図10の矢印G,Hにて示すようなパイプ伸縮に伴う動きや、振動が作用しても、引抜けることがない。
パイプPとしては、樹脂製の他、外周に樹脂層を有する金属層との複合管であっても、本発明は適用でき、少なくとも係止爪部4の硬度については、パイプPの外周面の樹脂硬度よりも高く設定する。本発明の合成樹脂製の閉円環基部1は、図1〜図5に於て、軸心Lと直交する直交平面上に在る場合を例示した。
なお、図21に示す本発明の別の実施の形態では、図1〜図5と比較して、微小スリット2と微小スリット5の周方向位置をずらせて、千鳥状配置とし、かつ、バネ片部3側の微小スリット2を軸心L方向に深く形成して、閉円環基部1を、図21(A)(B)のように蛇行状に形成した場合を示す。
また、図22に示す、さらに他の実施の形態では、図1〜図5と比較して、微小スリット2と微笑スリット5の周方向位置をずらせて、千鳥状配置とし、かつ、バネ片部3側の微小スリット2を軸心L方向に僅かに深く形成し、さらに、副バネ片部6側の微小スリット5はやや浅く形成し、閉円環基部1は、軸心直交平面状とする。
また、図23に示す、さらに別の実施の形態では、図1〜図5と同様に、両微小スリット2,5は周方向の同じ位置に配設され、深さは図22と同様であり、閉円環基部1は、軸心直交平面状とする。
以上、図1〜図5に限らず、図21,図22,図23のような形状と構成とすることも好ましい場合がある。なお、抜止めリング20の材質としては、合成樹脂、又は、弾発性に優れた金属とする。
また、図24〜図27は、自由状態の要部拡大断面図であり、図24は概略図6にて述べた通りであるが、図25に示す第1の変形例では、内面3Bと段付部9との隅部に、補強肉盛部36(図25中に細斜線にて示す部位)を形成し、図16に例示した食い込み状態下での係止爪部4の負担を低減させている。図26に示す第2の変形例では、内面3Bの中途部から段付部9に向かって、縮径テーパ状(湾曲テーパ状)として、係止爪部4の負担を低減させ、かつ、パイプPの外周面に対する弾性的圧接力を増大させている。図27に示した第3の変形例では、図24の横断面形状をそのままとして係止爪部4側を矢印Q方向へ僅かな傾斜角度β(例えば、βを1°〜2°)だけ揺動した位置となるように構成する。内面3BはパイプPの外周面(軸心L)に対して、1°〜2°だけ傾斜していることとなり、係止爪部4のパイプ外周面に対する弾性的圧接力を増大させている。
本発明は、以上述べたように、被接続パイプPの外径寸法Dよりも大きい内径寸法Dの切れ目の無い閉円環基部1と、閉円環基部1から管継手外方向Aに突出状として微小スリット2を介して並設され、外方向Aの先端側に係止爪部4を有する複数のバネ片部3とを、具備し、自由状態に於て、複数の係止爪部4によって形成される内接仮想円Cの径寸法Dを、パイプPの外径寸法Dよりも小さく設定した構成であるので、図20にて説明した前記問題点(i)(ii)(iii)を解決できた。特に、図20に矢印Jや矢印Mにて示すような微小な引抜き移動の集積による引抜けを防止できる。しかも、管継手としての構成部品点数を低減できる。かつ、管継手への組立作業も楽となり、能率的に行い得る。
さらに、本発明は、閉円環基部1から管継手内方向Bに突出状として微小スリット5を介して並設された複数の副バネ片部6を付設し、バネ片部3の係止爪部4がパイプPの外周面に接触して、軸心Lを含む縦断面に於て、閉円環基部1を中心として上記バネ片部3がラジアル外方向Nへ揺動して逃げるのを抑制するように、副バネ片部6の内方向Bの先端を、挿入されたパイプPの外周面に、接触させるように構成したので、一層確実に、常時の係止爪部4のパイプ外周面への接触及び食い込みを保持し、数万回〜数10万回の伸縮や振動が作用したとしても、引抜け事故を生じない。
また、複数のバネ片部3の外面3Aが、管継手外方向Aにゆくにしたがって縮径する略円錐面10を形成するように構成したので、強い引抜力がパイプPに作用した際には、強力な係止力を発生して、引抜けを防止できる。
1 閉円環基部
2 微小スリット
3 バネ片部
3A 外面
4 係止爪部
5 微小スリット
6 副バネ片部
10 (略)円錐面
20 抜止めリング
A 管継手外方向
B 管継手内方向
内接仮想円
径寸法
内径寸法
外径寸法
P パイプ
軸心
N ラジアル外方向

Claims (3)

  1. 被接続パイプ(P)の外径寸法(D)よりも大きい内径寸法(D)の切れ目の無い閉円環基部(1)と、
    該閉円環基部(1)から管継手外方向(A)に突出状として微小スリット(2)を介して並設され、上記外方向(A)の先端側に係止爪部(4)を有する複数のバネ片部(3)とを、
    具備し、自由状態に於て、上記複数の係止爪部(4)によって形成される内接仮想円(C)の径寸法(D)を、上記パイプ(P)の上記外径寸法(D)よりも小さく設定し
    さらに、上記閉円環基部(1)から管継手内方向(B)に突出状として微小スリット(5)を介して並設された複数の副バネ片部(6)を付設し、
    上記バネ片部(3)の係止爪部(4)が上記パイプ(P)の外周面に接触して、軸心(L )を含む縦断面に於て、上記閉円環基部(1)を中心として上記バネ片部(3)がラジアル外方向(N)へ揺動して逃げるのを抑制するように、上記副バネ片部(6)の上記内方向(B)の先端を、挿入された上記パイプ(P)の外周面に、接触させるように構成したことを特徴とする管継手用抜止めリング。
  2. 上記複数のバネ片部(3)の外面(3A)が、管継手外方向(A)にゆくにしたがって縮径する略円錐面(10)を形成するように構成した請求項1記載の管継手用抜止めリング。
  3. 全体が合成樹脂にて形成されている請求項1又は2記載の管継手用抜止めリング。
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