JP5318364B2 - 試料保持体、試料検査装置及び試料検査方法、並びに試料保持体の製造方法 - Google Patents

試料保持体、試料検査装置及び試料検査方法、並びに試料保持体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、培養された細胞等からなる試料の観察又は検査を良好に行うことのできる試料保持体、試料検査装置及び試料検査方法、並びに試料保持体の製造方法に関する。
生命科学や、製薬分野では、細胞に刺激(電気、化学物質、薬等)を与え、その反応を観察することが重要となっている。従来、このような観察には光学顕微鏡が、細胞の刺激にはマニピュレータが用いられていたが、観察すべき重要な箇所は光学顕微鏡では観察不可能な0.1μm以下の微小領域であることも多い。例えば、細胞間の物質のやり取りが正常に行えなくなることに起因する病気に高血圧症、尿崩症、不整脈、筋肉疾患、糖尿病、うつ病等がある。この細胞間の物質のやり取りは細胞膜にある10nm程度の大きさのイオンチャンネルにより行われる。このようなイオンチャンネルは、光学顕微鏡では観察困難である為、分解能の高い走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」(Scanning Electron Microscope)という)を用いた観察が望まれていた。
しかし、SEMの構成を備える検査装置において、検査対象となる試料は、通常、真空引きにより減圧された試料室内に配置される。そして、このように減圧雰囲気とされた試料室内に配置された試料に電子線(荷電粒子線)が照射され、当該照射により試料から発生する二次電子や反射電子(後方散乱電子)等の二次的信号が検出される。このようなSEMによる試料検査では、試料が減圧雰囲気に晒されることとなる。よって、試料から水分が蒸発して細胞が死んでしまい、生きた状態の細胞における刺激に対する反応を観察することは不可能であった。
従って、試料に水分が含まれた状態で検査を行う際には、試料から水分が蒸発しないように、試料を減圧雰囲気に晒されることがないようにする必要がある。このように試料が減圧雰囲気に晒されることなくSEMを用いて検査を行う例の一つとして、膜により開口(アパーチャ)が密封された試料容器(サンプルカプセル)の内部に試料を配置し、減圧雰囲気とされたSEMの試料室内に、このサンプルカプセルを設置する手法が考えられている。
ここで、試料が配置されるサンプルカプセルの内部は減圧されない。そして、サンプルカプセルに形成された当該開口を覆う膜は、SEMの試料室内の減圧雰囲気とサンプルカプセル内の減圧されていない雰囲気(例えば、大気圧雰囲気)との間の圧力差に耐えられるとともに、電子線が透過するものとなっている(特許文献1参照)。
試料検査を行う際には、減圧雰囲気とされたSEMの試料室内に配置されたサンプルカプセルの当該膜を介して、サンプルカプセルの外部からサンプルカプセル内の試料に電子線が照射される。電子線が照射された試料からは反射電子が発生し、この反射電子はサンプルカプセルの当該膜を通過して、SEMの試料室内に設けられた反射電子検出器によって検出される。これにより、SEMによる像(SEM画像)が取得されることとなる。
しかしながら、この発明では試料は閉じた空間内に封入させるので、マニピュレータを用いて細胞に刺激を与えることは不可能であった。さらに、試料である細胞をこのサンプルカプセルに封入した後に、その細胞を生きた状態で観察・検査をする場合には問題があった。
すなわち、細胞は、予めシャーレ(皿)上に吸着させてその上に培養液を満たし、温度36〜38℃(通常37℃)、二酸化炭素濃度3〜10%(通常5%)の雰囲気下に置いて培養させている。細胞の観察の際には、この細胞をシャーレから剥がし、このサンプルカプセルに入れることになる。しかし、サンプルカプセル内の環境がシャーレ内とは異なるため、試料容器内で細胞が生存する確率が低かった。また、特許文献1に記載のサンプルカプセルでは、溶液を15μl程度しかその内部に入れることができず、短時間で環境雰囲気(pH、浸透圧等)が変化する為、細胞培養は困難であった。
なお、このように真空と大気圧との圧力差に耐えられる膜を介して試料に電子線を照射し、試料から発生する反射電子を検出してSEM画像を取得する例は、非特許文献1(当該文献のChapter1 Introduction)にも記載されている。
また、このような膜を対向して設置して一対の膜を構成し、該一対の膜の間に試料を配置して透過型電子顕微鏡による像を取得する例は、特許文献2及び特許文献3に記載されている。特に、特許文献2には、このような一対の膜を利用して、その間に配置された試料のSEM画像を取得する場合についても述べられている。
特表2004−515049号公報 特開昭47−24961号公報 特開平6−318445号公報 「Atmospheric scanning electron microscopy」 Green, Evan Drake Harriman, Ph.D., Stanford University, 1993
マニピュレータを用いて細胞に刺激を与えた後の細胞の反応に基づいて生ずる構造変化は、細胞内の微小領域で生じる為、光学顕微鏡では観察不可能でSEMによる観察が必須となる。液体を保持したまま細胞をSEMで観察する為には、シャーレ上で培養していた試料(細胞)をサンプルカプセルに封入し、サンプルカプセルに備えられた膜を介して電子線を試料に照射することで像を得ていた。しかし、サンプルカプセルは閉じた空間である為、刺激を与える為のマニピュレータを用いることが不可能であった。さらに、サンプルカプセル内では、封入後の細胞が生存している確率は低かった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、培養された細胞等からなる試料の観察又は検査を良好に行うことのできる試料保持体、試料検査装置及び試料検査方法、並びに試料保持体の製造方法を提供することを目的とする。
特に、細胞を長時間培養することができ、これにより生きたままの状態での試料の観察又は検査を良好に行うことができるようにすることを解決すべき課題としている。また、培養させた細胞にマニピュレータを用いて刺激を与えることができ、その際の試料の観察又は検査を良好に行うことができるようにすることも解決すべき課題としている。
本発明に基づく第1の試料保持体は、真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体であって、側面を備える皿状の本体部と枠状部材と該枠状部材の開口を覆う膜とを有し、該枠状部材が該本体部に形成された孔に対応して配置されており、該本体部の内側に位置する凹部の底面及び該膜の第1の面により試料保持面が構成され、該試料保持面に培養液を保持した状態で当該装置と培養室との間での移動が可能であり、該膜の第1の面(試料保持面)に培養された試料に対して、該試料保持面側を大気圧雰囲気に開放した状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面側から該膜を介して試料観察又は検査のための一次線が照射可能であることを特徴とする。
本発明に基づく第2の試料保持体は、真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体であって、側面を備える皿状の本体部と枠状部材と該枠状部材の開口を覆う膜とを有し、該枠状部材が該本体部に形成された孔に対応して配置されており、該本体部の内側に位置する凹部の底面及び該膜の第1の面により試料保持面が構成され、該試料保持面に液体を保持した状態で当該装置と他の装置との間での移動が可能であり、該膜の第1の面(試料保持面)に保持された試料に対して、該試料保持面側を大気圧雰囲気に開放された状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面側から該膜を介して試料観察又は検査のための一次線が照射可能であることを特徴とする。
本発明に基づく試料検査装置は、上記試料保持体を用いて試料の観察又は検査を行う試料検査装置であって、真空室と、大気圧雰囲気中で該試料保持体が載置される載置手段と、該真空室に接続され、該試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料に該膜を介して一次線を照射する一次線照射手段と、該一次線の照射により該試料から発生する二次的信号を検出する信号検出手段とを備えることを特徴とする。
本発明に基づく試料検査方法は、上記試料保持体の試料保持面に試料を培養し、これにより培養された試料に対して、該試料保持面が大気圧雰囲気に開放された状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面から該膜を介して一次線を照射し、この一次線の照射により該試料から発生する二次的信号を検出することを特徴とする。
本発明に基づく試料保持体の作成方法は、真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体の製造方法であって、膜により覆われた開口を備える枠状部材を作成し、側面を備える皿状であって該試料保持体を構成する本体部の試料保持面に形成された孔に対応する位置に該枠状部材を固着させることを特徴とする。

本発明においては、開放された試料保持面に位置する膜上に培養された試料に、該膜を介して、試料観察又は検査のための一次線を照射することができる。
これにより、試料保持体の試料保持面上で細胞等の試料を培養又は保持させた状態で生きたままでの観察又は検査を良好に行うことができる。特に、一次線として電子線を用いれば、生きた状態での試料のSEM観察・検査を良好に行うことができる。
さらに、当該試料保持面は開放されているので、マニピュレータによる試料へのアクセス(接触又は接近)が可能となり、マニピュレータを用いて試料への刺激を行い、その反応を観察・検査することも可能になる。
以下、図面を参照して、本発明における試料保持体及び試料検査装置等について説明する。
図1は、本発明における試料検査装置の第1実施例を示す概略構成図である。この図において、一次線照射手段である鏡筒1には、電子銃(電子源)2が配置されている。電子銃2から加速された状態で放出された一次線としての電子線(荷電粒子線)7は、集束レンズ(対物レンズ)3により集束される。
これにより集束された電子線7は、試料保持体40に形成された試料保持膜32(後述)を介して、試料保持体40に保持されたサンプル20に照射される。このサンプル20には、試料(本実施例では細胞)と液体(本実施例では培養液)が含まれている。
当該照射時において、電子線7は図示しない偏向手段により偏向され、これにより電子線7はサンプル20を走査する。このときには、サンプル20に含まれる試料も電子線7により走査される。
なお、鏡筒1の先端側は真空室11に接続されている。また、電子銃2が設けられた鏡筒1の基端側は真空室11の下方に位置している。この構成により、電子銃2から放出された電子線7は、鏡筒1内を上方向に進み、鏡筒1の先端に設けられた開口1aを介して、真空室11内の空間及び試料保持膜32を通過し、サンプル20に到達する。
このように、この鏡筒1は、一次線照射手段を構成し、本実施例では倒立型鏡筒となっている。真空室11内であって鏡筒1の先端側には、反射電子検出器4が設けられている。反射電子検出器4は、電子線7がサンプル20内の試料に照射された際に発生する反射電子を検出するものである。反射電子検出器4は、例えばPN接合を利用した半導体型検出器やYAG結晶を用いたシンチレータ型検出器が用いられる。
鏡筒1内は排気手段8により真空引きされて、所定の圧力まで減圧される。また、真空室11内は、図示しない排気手段により真空引きされ、これにより所定の圧力まで減圧される。ここで、真空室11は、除振装置13を介して、架台10に載置されている。
真空室11の上部には、試料保持体載置部12が設けられている。試料保持体載置部12には、電子線7が通過するための孔12aが形成されている。この試料保持体載置部12には、Oリング(図示せず)を介して、試料保持体40が載置されている。これにより、試料保持体40は真空室11に着脱自在に支持される。
また、真空室11の上側部分には、開閉バルブ14が設置されている。この開閉バルブ14は、真空室11内において、試料保持体40と鏡筒(一次線照射手段)1の先端部との間の空間19を仕切るためのものである。図1は、開閉バルブ14が開かれた状態である。開閉バルブ14を閉じると、図2のように真空室11内の当該空間19が仕切られることとなる。このように開閉バルブ14により仕切られた当該空間19が仕切られることにより、開閉バルブ14と試料保持膜32との間において密閉された空間部19aが形成される。この空間部19aは、開閉バルブ14を境として試料保持体40側に位置する空間となる。
当該空間部19aに連通して排気手段(減圧手段)9が設けられている。この排気手段9は、当該空間部19aを個別に排気できる。また、当該空間部19aには、図示しないガス供給手段が接続されている。このガス供給手段は、窒素やエアー等のガスを当該空間部19aに供給し、この空間部19a内を減圧状態から常圧(大気圧)状態に復帰させる。これにより、当該空間部19aは、独立して減圧状態からの常圧復帰が可能となる。
さらに、当該空間部19aには、図示しない洗浄手段が接続されている。この洗浄手段は、当該空間部19a内に洗浄剤を供給し、当該空間部19aを洗浄する。これにより、当該空間部19aを構成する壁面は洗浄される。
このとき使用される洗浄剤としては、洗剤、エタノール、アルコール、アセトン、過酸化水素水の少なくとも一つからなる洗浄液、又はこれらの物質の蒸気を使用できる。当該空間部19aに供給された洗浄剤は、この空間部19aの洗浄を実施後、排出管15により該空間部19aから排出される。排出管15には、開閉弁16が設けられている。この開閉弁16が開放されることにより、洗浄剤は排出管15を介して外部に排出される。なお、後述する試料の検査を実行する際には、開閉弁16は閉じられる。
また、上記洗浄剤を用いずに、当該空間部19aに紫外光や放射線を照射することにより、当該空間部19aの殺菌を行うこともできる。
試料保持体40は、図3のような構成となっている。この試料保持体40は、プラスチック又はガラスからなる皿状の本体部37と、電子線7が透過する試料保持膜32が設けられた膜保持体(枠状部材)18とから構成される。本体部37の内側に位置する凹部の底面は、試料保持面37aを構成する。この試料保持面37aは、開放されている。
本体部37の試料保持面37aの一部(図3の例では中央部)には、貫通孔37bが形成されている。この孔37bの試料保持面37側には、段差部37cが設けられている。この段差部37cに、膜保持体18が配置されている。膜保持体18は試料保持膜32を備えており、この試料保持膜32の第1の面32aは試料保持面37を構成し、本体部37の試料保持面37aとほぼ面一となっている。これにより、試料保持体40の試料保持面37aの少なくとも一部は試料保持膜32により構成されている。
また、孔37bの試料保持面37a側の反対側には、テーパ部37dが設けられている。このテーパ部37dは、試料保持面37aの反対側の面に向けて広がるように開いているテーパ構造となっており、その開き角度は90度〜120度に設定されている。
膜保持体18には、図4(B)のように試料保持膜32が形成されており、この試料保持膜32の第1の面32a(図4(B)では下面、図3では上面)は露出されている。この試料保持膜32の第1の面(試料保持面)32aには、培養液等の液体及び試料(細胞)を含むサンプル20が配置される。第一の面32aは大気圧下にあるので、サンプル20からの水分の蒸発を極力抑えることができる。
また、膜保持体18は、試料保持膜32の第2の面32b(図3(B)では上面、図1では下面)に設けられた基板部34を備えている。基板部34の中央には開口34aが形成されており、この開口34aは、試料保持膜32により覆われている。ここで、試料保持膜32における第2の面32bの中央部は、該開口34aを介して真空室11の内部雰囲気に露出されている。また、試料保持膜32は、その第一の面32aが大気圧雰囲気に晒され、第二の面32bが真空雰囲気に晒されるので、この圧力差に絶える為に必要に応じて格子35により支持されて補強されている。
次に、膜保持体18の作成方法について説明する。まず、図4(A)に示すように、基板部34を構成するシリコン層33と、該シリコン層33の一方の面(同図では下面)に設けられた窒化シリコン膜36とを有する基板を用意する。この窒化シリコン膜36は、プラズマCVD等の化学気相成長法により、シリコン層33(基板部34)上に成膜されて形成される。窒化シリコン膜36の第1の面(同図では下面)は露出されており、窒化シリコン膜36の第2の面はシリコン層33に覆われている。この窒化シリコン膜36は、膜保持体18の試料保持膜32を構成することとなる。
次いで、図4(A)におけるシリコン層33の他方の面(上面)の中央部33aを選択的にエッチングする。シリコン層33の中央部33aには、図4(B)に示すように、開口34aが形成される。これにより、窒化シリコン膜36における第2の面の一部が該開口34aにより露出されるとともに、該開口34aは窒化シリコン膜36により覆われた状態となる。このとき、該開口34a内において、窒化シリコン膜36の補強のため、複数のシリコンの格子35を残しておく。窒化シリコン膜36が十分な強度を持つ場合、当該格子35は必要ない。該開口34a内で、当該格子35が設けられていない部分では、窒化シリコン膜36の第2の面が露出されている。窒化シリコン膜36は膜保持体18の試料保持膜32を構成し、シリコン窒化膜36の第2の面は試料保持膜32の第2の面32bに対応する。これにより、開口34aを備える枠状部材からなる膜保持体18が作成される。
このようにして作成された膜保持体18は、図4(B)の状態から上下反転され、試料保持膜32である窒化シリコン膜36の第1の面を上面とする。この窒化シリコン膜36の上面である第1の面は、膜保持体18における試料保持膜32の第1の面32aとなる。なお、第2の面32bを上面にすることも可能である。
この膜保持体18を、試料保持体40を構成する本体部37に形成された孔37bの上記段差部37cに固着し、これにより試料保持体40を作成する。この固着には、シリコーン系の接着剤等による接着、又は熱、超音波若しくはレーザによる融着によって行うことができる。これにより、膜保持体18は、本体部37aの試料保持面37aにおける孔37bに対応する位置に固着される。
また、本実施例では、本体部37と膜保持体18を組み合わせて試料保持体40を製作したが、本体部37に試料保持膜を直接固着したり、本体部37と試料保持膜を一体的に形成するようにしてもよい。さらに、少なくとも試料保持膜32の第1の面32aを含む試料保持面37aに、試料付着用分子としての細胞接着分子(後述)を塗布することができる。
ここで、窒化シリコン膜36の厚みは、10〜1000nmの範囲に設定される。なお、膜保持体18の試料保持膜32として用いられる膜としては、窒化シリコン膜の他に、酸化シリコン、窒化ボロン、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、若しくはカーボンからなる膜を用いても良い。これらの膜を用いた場合でも、その膜厚は10〜1000nmに設定される。上述した素材からなる試料保持膜32は、電子線7が透過するが気体や液体は透過しないものとなる。さらに、膜の両面で少なくとも一気圧の圧力差に耐えられる必要がある。なお、このような試料保持膜32は、その厚さが薄ければ電子線7の散乱が少なくなるので分解能が向上するが破損しやすくなり、また、その厚さが厚くなれば電子線7の散乱が増加して分解能が低下するが破損しにくくなる。好適な膜厚としては20〜200nmとなる。
なお、図6に示すように、試料保持体40の下面(試料保持面37aの反対側に位置する面)において、真空雰囲気に晒されて電子線7が照射される可能性のある領域に、電子線7の照射に伴う試料保持体40への帯電を防止するために、導電膜301を設けるようにしてもよい。また、本体部37を導電性プラスチックで作成してもよい。
この導電膜301は、試料検査装置の試料保持体載置部12と接触することにより、試料保持体載置部12と電気的に繋がり、これにより接地可能となっている。これによって、電子線7の照射により試料保持体40に蓄積された電荷を、金属で構成された試料保持体載置部12へ逃がすことができる。
また、導電膜301は、シリコンからなる膜保持体18に接しているので、膜保持体18を介して、当該電荷をサンプル20に逃がすこともできる。このとき、サンプル20にアース線や後述するマニピュレータを接触させることにより、当該電荷の試料保持体40への蓄積を確実に防止することができる。
ここで、図中の37eは、膜保持体18の開口34a(図4参照)の側面に設けられたテーパ部である。このテーパ部37eは、試料保持体40の下面側に向けて広がるように形成されている。
このように導電膜301を設けることにより、試料保持体40の下面での帯電を低減させることができ、電子線7がサンプル20に照射される際に発生する電子線7の軌道変位や反射電子の軌道変位に起因して生じるSEM像の歪や輝度班の発生を確実に防止することができる。
導電膜301は、試料保持体40の下面にアルミニウムや金等の金属を蒸着することにより形成することができる。また、当該下面に銀ペースト又は導電性プラスチックを塗りつけて形成してもよい。
さらに、試料検査装置の試料保持体載置部12から試料保持体40を取り外し易くするために、図7に示すごとく、試料保持体40の側面に穴302を例えば2個設けるようにしてもよい。このような穴302を形成することにより、図8に示すごとく、穴302にピンセットを引っ掛けて、試料保持体40を試料保持体載置部12から容易に取り外すことができる。
本実施例では、試料保持体40の側面に穴302を設けたが、穴の代わりに溝を形成するようにしてもよい。さらに、試料保持体40の側面と試料保持体載置部12にネジ加工を施し、試料保持体40を試料保持体載置部12にねじ込む方式を用いてもよい。
また、図9に示すように、膜保持体18に保持されている試料保持膜32の試料保持面32a側に、一次線調整用のパターン510を設けることもできる。このパターン510は、試料保持面32a側であって、試料保持膜32の試料保持面32aの一部を露出するために膜保持体18に形成された開口34aを回避する位置に配置されており、膜保持体18と試料保持膜32とが接する部分に設けられている。ここで、同図に示す構成は、図3、図6及び図7に示された膜保持体18を上下反転させたものとなっており、図9において開口34aを介して露出された試料保持膜18の面(上面)が試料保持面32aとなっている。
パターン510は、鉄、銅、亜鉛、金等の金属又はこれらのうちの少なくとも2種を含む合金若しくはカーボン等の軽元素から構成され、或いはカーボン化合物、NaCl、カルシウム、又はタンパク質等の生体構成物質から構成され、図9の紙面に対して垂直方向に伸びるラインパターンとして、膜保持体18に埋め込まれている。ここで、カーボンの場合には、カーボンナノチューブ又はフラーレンから構成するようにしてもよい。また、膜保持体18に形成されたライン状の溝からなるパターンとしてもよい。このパターン510には、後述するように、試料保持膜18を介して電子線7が照射される。なお、同図においては、簡略化のために3本のパターン510を図示している。
このようなパターン510を設ける際には、膜保持体18において該当する箇所にパターン510を形成した後、このパターン510が形成された膜保持体18の面に試料保持膜32を膜付けすることとなる。
そして、膜保持体18の試料保持面32a側には、パターン510の形成領域を覆うようにX線遮蔽部500が設けられている。このX線遮蔽部500は、鉄、銅、亜鉛、銀、錫、鉛、又は金等の金属若しくは合金から構成される。
X線遮蔽部500は、パターン510に電子線7が照射された際に、パターン510から発生するX線を遮蔽して、サンプル20の培養液39中にある細胞等からなる試料38に当該X線が到達しないようにするためのものである。すなわち、当該X線が試料38に到達することにより、試料38がダメージを受けることを防止するためのものである。よって、X線遮蔽部500の素材としては、X線の質量吸収係数の高い物質、すなわち一般的には原子番号の高い物質を選択したほうが、X線の吸収係数が高くなるので好ましい。
さらに、X線遮蔽部500の表面には、図示しない防護膜が被膜されている。この防護膜は、窒化シリコン又は酸化シリコン等からなり、X線遮蔽部500と試料38若しくは培養液39とが直接に接触することを防止するためのものである。すなわち、金属又は合金からなるX線遮蔽部500と試料38若しくは培養液39とが接すると、X線遮蔽部500の金属成分が、試料38若しくは培養液39に影響を及ぼす可能性があるので、これを防止するために防護膜が設けられる。
また、X線遮蔽部500には、図示しないアース線を接続させることができる。これにより、X線遮蔽部500は、接地可能となっている。これにより、電子線7の照射時における膜保持体18の帯電(チャージアップ)を防止することもできる。なお、図中における35は、試料保持膜18を補強するための格子である。
図9に示す構成を備える試料保持体40を用いて試料検査を行う際には、まず、電子線7の光軸上にパターン510の形成領域が位置するようにして、試料保持膜32を介して、パターン510に電子線7を照射する(同図における「B」で図示した電子線7を参照)。このとき、パターン510が形成された領域を電子線7が走査する。
この電子線7の照射に応じてパターン510から発生する反射電子は、試料検査装置に備えられた反射電子検出器4により検出され、走査像が形成される。オペレータは、当該走査像を確認しながら、電子線7の照射条件の調整を行うことができる。電子線7の調整対象としては、電子線7の焦点や非点等があげられる。
このとき、パターン510が金属から構成されているときには、より多くの反射電子が発生するので、コントラストの良好な走査像が得られ、電子線7の調整を好適に行うことができる。また、試料38が細胞等の生体試料の場合には、パターン510をカーボン若しくはカーボン化合物により形成することにより、生体試料に多く含まれているカーボンに対応した電子線7の調整を行うことができる。
ここで、パターン510は、膜保持体18の開口34a内において試料保持膜32上にある試料38(検査対象となる試料)と同様に、試料保持膜18上に配置されているので、当該試料38の検査時における電子線7の照射条件(合焦条件等)を最適に調整することができる。
このようにして電子線7の照射条件を予め調整した後、試料保持体載置部12内での試料保持体40の移動を行い、電子線7の光軸上に開口34aを位置させる。この状態で、試料保持膜32上にある試料38に、試料保持膜32を介して電子線7を照射し(同図における「A」で図示した電子線7を参照)、当該試料38の検査を行うこととなる。
次に、図1に戻って、試料検査装置の構成をさらに説明する。反射電子検出器4により検出された検出信号は、真空室11の外部に配置された画像形成装置22に送られる。画像形成装置22は、当該検出信号に基づいて、画像データを形成する。この画像データは、SEM画像に対応する画像データとなる。
当該画像データは、表示装置23に送られる。表示装置23は、送られた画像データに基づく画像を表示する。表示された画像は、SEM画像となる。また、画像形成装置22により形成された画像データは、必要に応じてコンピュータ25に送られる。コンピュータ25は、画像処理を当該画像データに対して施すとともに、当該画像処理の結果に基づく判定を実行する。
ここで、鏡筒1及び真空室11を備える電子線装置部29(試料保持体40より下の部分)は電子線制御部24により制御される。また、試料保持体載置部12には、試料に刺激(電圧、化学物質、薬等)を与え、必要に応じて試料を移動させるマニピュレータ26と、試料の観察やマニピュレータ26の位置を確認する光学顕微鏡27が載置されている。これらは制御部28で制御されている。
なお、光学顕微鏡27と電子線7の光軸は一致しており、もしくは、光学顕微鏡27とSEM画像の視野中心は一致しており、光学顕微鏡の観察領域がSEM画像にほぼ一致させることができる。さらに、SEM画像の視野と光学顕微鏡27の視野調整は、マニピュレータ26や、試料保持体40が搭載されている試料保持体載置部12を移動させる(移動機構は図示していない)ことによって行う。
本発明における試料検査装置は、電子線装置部29、マニピュレータ26、光学顕微鏡27、電子線制御部24、制御部28、画像形成装置22、及び表示装置23を備えており、各部とコンピュータ25が接続され、各部の情報がやり取りされることも可能である。
次に、本発明における検査方法について図1、図2、及び図3を用いて説明する。まず、図3のように試料保持体40を用いて、試料となる細胞38を培養液39中で培養させる。細胞38をこの図3のように培養させるには、予め細胞を培養してあるシャーレから試料保持体40へ植え接ぎを行う必要がある。それには、以下に示す通常の方法を用いる。
すなわち、予め細胞の培養してあるシャーレ内から培養液を捨て、Tripsin+EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)混合液を当該シャーレの中に入れることで、このシャーレに吸着した細胞を剥がす。
次に、剥がれた細胞を遠沈管に回収して培養液を加え、Tripsinの活性度を止めた後に遠沈させる。その後、遠沈管内から上澄み液を捨て、培養液で攪拌する。その攪拌された液(細胞38を含む)の例えば1/10を試料保持体40に入れ、培養液39を継ぎ足す。この状態で、培養室に静置させることで、数時間で試料保持体40の試料保持面37a(試料保持膜32の表面32aを含む)に細胞38が吸着し(細胞によって異なる)、増殖し始める。これにより、試料保持体40内において、観察・検査対象である試料となる細胞38が培養され、培養された細胞38と培養液39を含有するサンプル20が構成されることとなる。
なお、細胞によっては試料保持体40の試料保持面37a、特に電子線による観察領域である試料保持膜32の第一の面(試料保持面)32aに細胞接着分子(試料付着用分子)を塗布しておくと培養が容易になる。細胞接着用分子とは、培養のために配置された細胞及び培養により増殖した細胞を試料保持面に吸着させる作用を有し、例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン、インテグリン、クローディン、デスモグレイン、ニューロリギン、ニューレキシン、セレクチン、ラミニン、ポリLリジンである。このような細胞接着用分子を介して細胞が試料保持膜32に付着することによって、試料保持膜32を介して細胞に電子線7が照射される際、電子線7の散乱による分解能低下を最低限にすることができる。
上述のように試料保持体40内で試料となる細胞が培養された後、試料保持体載置部12に当該試料保持体40を載置する。このとき、開閉バルブ14は閉じられており、図2の状態になっている。この開閉バルブ14と試料保持膜32との間において密閉された空間部19aは、常圧である大気圧雰囲気となっている。また、真空室11内において、開閉バルブ14の下側に位置する空間は所定の真空状態(減圧状態)となっている。さらに、当該空間に連通する鏡筒1内は、真空排気手段8により排気されて減圧され、所定の真空状態となっている。真空室11内の圧力(真空度)は、例えば、10−3Pa〜10−4Pa程度に設定される。鏡筒11内(特に電子銃2周囲)の圧力(真空度)は、例えば、10−4Pa〜10−5Pa程度に設定される。
この状態で、排気手段9を用いて上記空間部19aを減圧して真空にする。真空にする際、大気圧状態からの急激な圧力変化による試料保持膜32の破損を防ぐ為、図示しないニードルバルブ等を用いて1秒〜100秒の間の時間かけて、大気圧である1気圧(101325Pa)から1/2気圧〜1/10気圧程度の圧力(50kPa〜10kPa)にまで減圧する。この工程で、試料保持体40の試料保持膜32が破壊されないことの確認を行う。
上記工程により試料保持膜32の破壊がないことの確認をした後、光学顕微鏡27で細胞(試料)38とマニピュレータ26の位置を確認する。マニピュレータ先端は微小電極とガラス微小管が設置してあり、微小電極により電圧の印加が、ガラス微小管により液体の流出及流入が可能になっている。
この状態で、光学顕微鏡27で観察しながら細胞38とガラス微小管が近接するようにマニピュレータ26を移動させる。その後、ガラス微小管に負の圧力を掛けて細胞膜と密着させる。これにより、電位応答が測定可能となる。
以上のようなマニピュレータ26の移動の際、誤って試料保持膜32を破損させることがあっても、開閉バルブ14が閉まっているので、サンプル20の拡散による汚染は当該空間部19a内のみで済む。万が一にも試料保持膜32が破壊されて、当該空間部19a内がサンプル20の拡散により汚染された場合、上述したように、当該空間部19aの洗浄は実施可能である。
そして、洗浄で用いた洗浄剤である液体又は蒸気は、開閉弁16を開けることにより、排出管15を介して排出及び廃棄可能である。なお、当該空間部19aを構成する壁面を、窒化ボロンもしくは、フッ素樹脂でコーティング(被膜)することにより、汚染されにくくすることができる。
当該空間部19aが減圧(真空)状態において、サンプル20が載置された試料保持膜32が破壊されないことを確認した後、開閉バルブ14を開ける。これにより、真空室11内の空間の仕切りが解除され、真空室11内の下側の空間と当該空間部19aとが連通される。その後、光が試料保持膜32を介して反射電子検出器4に入射させない為に、光学顕微鏡27の光の照射を止め、他の外光の遮蔽(図への記載は略)を行う。この遮蔽は、膜保持体18やサンプル20に電子線7が照射した際に発生する放射線の防護の役目も果たしている。
次に、図1のように鏡筒1から電子線7をサンプル20(細胞38を含む)に向けて照射して撮像を行う。電子線7は試料保持体40の試料保持膜32を透過して細胞38に照射され、当該照射に基づいて細胞38から発生する反射電子(後方散乱電子)は反射電子検出器4で検出される。
このとき、試料保持体40を構成する本体部37の孔37bには、上述したテーパ部37dが設けられているので、反射電子が孔37bの内側面に衝突して遮られることを極力防止することができ、反射電子検出器4による反射電子の検出を効率的に行うことができる。
反射電子検出器4からの検出信号は、画像形成装置22に送られる。画像形成装置22は、当該検出信号に基づいて、画像データを形成する。この画像データに基づいて、表示装置23が画像(SEM画像)を表示する。
これに引き続き、細胞38に、マニピュレータ26の先端に設置してある微小電極を用いて電気刺激を加え、先ほどと同様にSEM画像を取得し、刺激に対する細胞38の応答性を確認する。
撮像後は開閉バルブ14を閉じることにより、万が一にでも試料保持膜32が破壊される場合での鏡筒1への汚染を防止する。なお、上記のように細胞38に刺激を与えた後の変化をSEMで観察する前に、光学顕微鏡27で観察する場合もある。その際も、開閉バルブ14を閉じておくと、試料保持膜32が破れた際の汚染のリスクを低減できる。いずれにせよ、電子線7をサンプル20に照射させない時は開閉バルブ14を閉じる等、検査中における開閉バルブ14の開放時間を短縮することで、装置内部の汚染確立を低減させることができる。
刺激に対する細胞38の反応速度が遅い場合、一旦開閉バルブ14を閉じ、反応した頃合を見計らって再度開放バルブ14を開放し、電子線7による撮像を行っても良い。反応の確認は光学顕微鏡27で行うことができる。
また、マニピュレータ26には、化学物質や薬物をサンプル20中に散布可能な機構を有すことができ、SEMで細胞を観察しながら化学物質や薬物に対する細胞38の挙動も観察・検査することができる。また、マニピュレータ26には、液体の流出機能を有することもでき、これにより散布した物質の回収を行うことや、培養液のpHや浸透圧を一定にすることが可能になる。
上記において、像を形成する電子には反射電子を用いた。反射電子は原子番号に比例した信号強度を持つ。その為、生物試料のようにほぼ全体が低原子番号の物質で構成されている場合、像のコントラストが非常に弱く、分解能を向上させることが困難である。
そこで、細胞38の挙動で注目すべき部位に、金などの重金属を吸着させておくと良い。具体的には、該部位(抗原)に吸着する性質を持つ金粒子を標識した抗体を細胞に散布することで、抗原抗体反応を利用して、その部位(抗原)に該抗体を介して金を吸着させる。また、予め、電子線が照射されると発光する蛍光色素や量子ドット(例えばSiのナノ粒子、CdSeをZnSでコーティングした10〜20nmの粒子)を細胞38の特定部位に吸着させ発光を光学顕微鏡で観察しても良い。
上記実施例において、通常用いられる金粒子は10〜30nmの粒径である。しかし、抗体と金粒子との吸着力が弱く、10〜30nmの金粒子を付けられないこともある。その場合には、まず粒径数nmと非常に小さな金(ナノゴールド)を抗体に付ける。このままでは金が小さすぎ、SEMでの観察は困難であるが、銀増感を利用して該金の周りに銀を吸着させることで、SEMで検出し易くする方法を用いても良い。
なお、上記においては、予めシャーレにおいて培養されていた細胞を取り出して、試料保持体40に植え接ぎをして培養を行っていたが、生体から細胞を取り出して、この取り出された細胞を直接試料保持体40の試料保持面37aに配置し、試料保持体40内で当該細胞の培養をするようにしてもよい。
次に、本発明における第2実施例として、長期間の細胞観察に対応した装置を図5に示す。試料保持体載置部12上に培養室(試料室)50と、当該培養室50に接続される二酸化炭素ボンベ51を設ける。培養室50は図示しない温調機能によって一定の温度(例えば36℃〜38℃、代表例では37℃)、二酸化炭素ボンベ51により二酸化炭素濃度を一定(例えば3%〜10%、代表例では5%)に保たれる。さらに、培養室50内部には、図示しないシャーレに水もしくは培養液が満たされ、培養室50内の圧力を飽和水蒸気圧近くに保っている。
これにより培養室50内に位置するサンプル20では、長期間にわたる細胞の培養、及びSEM観察が可能である。また、この培養室50は、電子線照射に伴い発生する放射線の防護、および外部からの光の遮蔽にも用いられる。
以上、上述した実施例1乃至2において、従来技術では不可能であった生きた細胞の刺激に対する反応を、SEMを用いて高分解能で観察・検査が可能になる。また、細胞を培養させたまま(生きたまま)該試料検査装置で検査可能な試料保持体の使用が可能になる。さらに、該試料検査装置に該試料保持体を設置したまま、細胞周囲を細胞培養に適した環境に保つことによって、長期間の観察も可能になる。
ここで、上記各例での細胞とは、副腎皮質細胞、心筋細胞、胃や腸、血管の細胞等さまざまな組織細胞のことである。
なお、上記各実施例では二次的信号として反射電子を用いたが、それ以外でも試料38への電子線7の照射により生ずる二次電子、X線、若しくはカソードルミネッセンス光、及び試料38への吸収電流を検出することにより、細胞等からなる試料38の情報を得ることが可能である。なお、吸収電流の測定はマニピュレータ26を用いると便利である。
本実施例での試料保持膜32は、少なくとも一気圧の圧力差に耐えることができ、気体や液体の流入出がないことが必要である。具体的な物質としては、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、又は窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含むものを用いることができる。
また、上記各実施例においては、一次線として電子線を用いたが、試料保持膜32が他の荷電粒子(ヘリウムイオンビーム等)の照射に対する耐衝撃性及び強度が十分に高ければ、当該他の荷電粒子線を用いた場合でも適用可能である。さらに、本発明では倒立型SEMを用いたが、試料によっては通常の正立型SEMでも問題は無い。
このように、本発明における試料保持体40は、開放された試料保持面37aの少なくとも一部が膜(試料保持膜)32により構成され、該膜32の第1の面32a(試料保持面37a)において培養された試料38に、該膜32を介して、試料観察又は検査のための一次線7が照射可能であることを特徴としている。
また、本発明における試料保持体40は、開放された試料保持面37aの少なくとも一部が膜(試料保持膜)32により構成され、真空雰囲気に接する該膜32の第2の面32a側から、該膜32を介して、開放雰囲気に接する該膜32の第1の面32a(試料保持面37a)において培養された試料38に、試料観察又は検査のための一次線7が照射可能であることをも特徴としている。
ここで、試料保持体40は、試料保持面37aの一部に孔37bが形成された本体部37を備え、該膜32が該孔37bを覆うように配置されている。
さらに、該膜は32、枠状部材18の開口34aを覆って枠状部材18に設けられており、枠状部材18が本体部37の孔37bに対応して配置されている。特に、枠状部材18は、本体部37の孔37bに設けられた段差部37cに配置されている。ここで、枠状部材18と本体部37とは、接着剤による接着、又は熱、超音波若しくはレーザによる融着によって固着されており、本体部37は、プラスチック若しくはガラスで構成されている。
そして、本体部37に形成された孔37bの試料保持面37a側の反対側には、テーパ部が設けられており、このテーパ部の開き角度は、90度〜120度に設定されている。
また、試料保持体40は皿状に形成されており、その凹部の底面が試料保持面37となっており、試料保持体40内において、試料38を含むサンプル20を保持することのできる容積が1ml以上となっている。
さらに、試料保持面37aにおける少なくとも該膜32上に、試料付着用分子が配置されており、この試料付着用分子は、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン、インテグリン、クローディン、デスモグレイン、ニューロリギン、ニューレキシン、セレクチン、ラミニン、ポリLリジンのうちの少なくとも一つからなる。
そして、該膜32の膜厚は、10nm〜1000nmの間、若しくは20nm〜200nmの間とすることができ、該膜32は、格子35により支持することができる。ここで、該膜32は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含むものを用いることができる、一次線7は、電子線若しくはイオン線を用いることができる。
また、試料保持体40において、試料保持面37aの反対側に位置する面の少なくとも一部に、導電膜301を設けることができ、この導電膜301を接地可能とすることもできる。さらに、試料保持体40の側面に、穴若しくは溝を形成することもできる。
そして、試料保持体40において、試料保持膜32の試料保持面32a側に、一次線調整用のパターン510を設けることができ、このパターン510をカーボン、カーボン化合物、NaCl、カルシウム、タンパク質、金属、又は合金からなるラインパターン若しくは溝パターンにより形成することもできる。
ここで、パターン510が形成された領域を覆うように、金属からなる遮蔽部500を設けることができ、この遮蔽部500を接地可能とすることもできる。さらに、遮蔽部500に、防護膜を被膜することもできる。
また、本発明における試料検査装置は、上記試料保持体40を用いて試料38の観察又は検査を行う試料検査装置であって、試料保持体40が載置される載置手段12と、試料保持体40の膜32の試料保持面37aに配置された試料38に、該膜32を介して一次線7を照射する一次線照射手段1と、一次線7の照射により試料32から発生する二次的信号を検出する信号検出手段4とを備えることを特徴としている。
ここで、試料保持体40の膜32における試料保持面37aの反対側の面に接する雰囲気を真空雰囲気とするための真空室11が備えられている。
また、試料保持体40の膜32の試料保持面37aに配置された試料38に接近又は接触可能な先端部を有するマニピュレータ26が備えられている。
さらに、試料保持体40の膜32の試料保持面37aに配置された試料38を所定雰囲気に晒すための試料室50を設けることができ、該所定雰囲気を、温度が36℃〜38℃かつ二酸化炭素濃度が3%〜10%に設定することができる。
そして、一次線7は、電子線若しくはイオン線であり、二次的信号は、二次電子、反射電子、吸収電流、カソードルミネッセンス光若しくはX線とすることができる。
また、試料保持体40の膜32の試料保持面37aが該膜32の上面となっており、その反対側の面が該膜32の下面となっている。
さらに、試料保持体40の膜32の試料保持面37aに配置された試料38の光学像を取得するための光学像取得手段27が備えられている。
そして、本発明における試料検査方法は、上記試料保持体40の試料保持面37aに試料38を培養し、これにより培養された試料38に膜32を介して一次線7を照射し、この一次線7の照射により試料38から発生する二次的信号を検出することを特徴としている。
ここで、一次線7の照射時には、試料保持体40の膜32における試料保持面37aの反対側の面が真空雰囲気に接しており、該真空雰囲気を通して一次線7が照射される。
さらに、一次線7の照射時には、試料保持体40の膜32の試料保持面37aに配置された試料38を、温度が36℃〜38℃でありかつ二酸化炭素濃度が3%〜10%に設定された所定雰囲気に晒すことができる。
そして、一次線7は、電子線若しくはイオン線であり、二次的信号は、二次電子、反射電子、吸収電流、カソードルミネッセンス光若しくはX線とすることができる。
また、本発明における試料保持体の製造方法は、膜32により覆われた開口34aを備える枠状部材18を作成し、本体部37の試料保持面37aに形成された孔37bに対応する位置に枠状部材18を固着させることを特徴としている。特に、枠状部材18は、本体部37の孔37bに設けられた段差部37cに配置される。そして、枠状部材18と本体部37とは、接着剤による接着、又は熱、超音波若しくはレーザによる融着によって固着することができる。
ここで、少なくとも該膜32上に試料付着用分子を配置し、この試料付着用分子を、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン、インテグリン、クローディン、デスモグレイン、ニューロリギン、ニューレキシン、セレクチン、ラミニン、ポリLリジンのうちの少なくとも一つから構成することができる。
さらに、枠状部材18を構成する基板部34に化学気相成長法により該膜32を成膜し、基板部34の所定箇所を選択的にエッチングすることにより開口34aを形成して枠状部材18を作成することができる。ここで、該膜32は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含むものを用いることができる。
このように、本発明においては、開放された試料保持面37aに位置する膜32上に培養された試料38に、該膜32を介して、試料観察又は検査のための一次線7を照射することができる。
これにより、細胞等の試料38を培養させた状態で生きたままでの観察又は検査を良好に行うことができる。特に、一次線7として電子線を用いれば、生きた状態での試料38のSEM観察・検査を良好に行うことができる。
さらに、当該試料保持面37aは開放されているので、マニピュレータ26による試料38へのアクセス(接触又は接近)が可能となり、マニピュレータ26を用いて試料38への刺激を行い、その反応を観察・検査することも可能になる。
本発明における試料検査装置の第1実施例を示す概略構成図である。 本発明における試料検査装置の第1実施例を示す概略構成図である。 本発明における試料保持体の構成を示す断面図である。 本発明における試料保持体を構成する枠状部材の作成方法を示す図である。 本発明における試料検査装置の第2実施例を示す概略構成図である。 本発明における試料保持体の第1の変形例の構成を示す断面図である. 本発明における試料保持体の第2の変形例の構成を示す断面図である. 上記第2の変形例の試料保持体を示す斜視図である. 本発明における試料保持体の第3の変形例の要部を示す断面図である.
符号の説明
1・・・鏡筒(一次線照射手段)、2・・・電子銃、3・・・集束レンズ、4・・・反射電子検出器(信号検出手段)、7・・・電子線(一次線)、8・・・排気手段、9・・・排気手段、10・・・架台、11・・・真空室、12・・・試料保持体載置部(載置手段)、13・・・除震装置、14・・・開閉バルブ、15・・・排出管、16・・・開閉弁、17・・・移動駆動機構、18・・・膜保持体(枠状部材)、19・・・空間、19a・・・空間部、20・・・サンプル、22・・・画像形成装置、23・・・表示装置、24・・・電子線制御部、25・・・コンピュータ、26・・・マニピュレータ、27・・・光学顕微鏡(光学像取得手段)、28・・・制御部、29・・・電子線装置部、32・・・試料保持膜(膜)、32a・・・第1の面(試料保持面)、32b・・・第2の面、33・・・シリコン層、33a・・・中央部、34・・・基板部、34a・・・開口、35・・・格子、36・・・窒化シリコン膜、37・・・本体部、37a・・・試料保持面、37b・・・孔、38・・・細胞(試料)、39・・・培養液、40・・・試料保持体、50・・・培養室(試料室)、51・・・二酸化炭素ボンベ

Claims (40)

  1. 真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体であって、側面を備える皿状の本体部と枠状部材と該枠状部材の開口を覆う膜とを有し、該枠状部材が該本体部に形成された孔に対応して配置されており、該本体部の内側に位置する凹部の底面及び該膜の第1の面により試料保持面が構成され、該試料保持面に培養液を保持した状態で当該装置と培養室との間での移動が可能であり、該膜の第1の面(試料保持面)に培養された試料に対して、該試料保持面側を大気圧雰囲気に開放した状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面側から該膜を介して試料観察又は検査のための一次線が照射可能であることを特徴とする試料保持体。
  2. 真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体であって、側面を備える皿状の本体部と枠状部材と該枠状部材の開口を覆う膜とを有し、該枠状部材が該本体部に形成された孔に対応して配置されており、該本体部の内側に位置する凹部の底面及び該膜の第1の面により試料保持面が構成され、該試料保持面に液体を保持した状態で当該装置と他の装置との間での移動が可能であり、該膜の第1の面(試料保持面)に保持された試料に対して、該試料保持面側を大気圧雰囲気に開放された状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面側から該膜を介して試料観察又は検査のための一次線が照射可能であることを特徴とする試料保持体。
  3. 前記枠状部材は、前記本体部の孔に設けられた段差部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の試料保持体。
  4. 前記枠状部材と前記本体部とは、接着剤による接着、又は熱、超音波若しくはレーザによる融着によって固着されていることを特徴とする請求項1乃至何れか記載の試料保持体。
  5. 前記本体部は、プラスチック若しくはガラスで構成されていることを特徴とする請求項1乃何れか記載の試料保持体。
  6. 前記本体部に形成された孔の試料保持面側の反対側には、テーパ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至何れか記載の試料保持体。
  7. 前記テーパ部の開き角度は、90度〜120度に設定されていることを特徴とする請求項記載の試料保持体。
  8. 試料を含むサンプルを保持することのできる容積が1ml以上であることを特徴とする請求項1乃至何れか記載の試料保持体。
  9. 前記試料保持面における少なくとも前記膜上に、試料付着用分子が配置されていることを特徴とする請求項1乃至何れか記載の試料保持体。
  10. 前記試料付着用分子は、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン、インテグリン、クローディン、デスモグレイン、ニューロリギン、ニューレキシン、セレクチン、ラミニン、ポリLリジンのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする請求項記載の試料保持体。
  11. 前記膜の膜厚は、10nm〜1000nmの間にあることを特徴とする請求項1乃至10何れか記載の試料保持体。
  12. 前記膜の膜厚は、20nm〜200nmの間にあることを特徴とする請求項1乃至10何れか記載の試料保持体。
  13. 前記膜は、格子により支持されていることを特徴とする請求項1乃至12何れか記載の試料保持体。
  14. 前記膜は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至13何れか記載の試料保持体。
  15. 前記一次線は、電子線若しくはイオン線であることを特徴とする請求項1乃至14何れか記載の試料保持体。
  16. 前記試料保持面の反対側に位置する面の少なくとも一部に、導電膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至15何れか記載の試料保持体。
  17. 前記導電膜は、接地可能となっていることを特徴とする請求項16記載の試料保持体。
  18. 前記側面に、穴若しくは溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至17何れか記載の試料保持体。
  19. 前記膜の試料保持面側に、一次線調整用のパターンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至18何れか記載の試料保持体。
  20. 前記パターンは、カーボン、カーボン化合物、NaCl、カルシウム、タンパク質、金属、又は合金からなるラインパターン若しくは溝パターンからなることを特徴とする請求項19記載の試料保持体。
  21. 前記パターンが形成された領域を覆うように金属からなる遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項19又は20記載の試料保持体。
  22. 前記遮蔽部は、接地可能となっていることを特徴とする請求項21記載の試料保持体。
  23. 前記遮蔽部には、防護膜が被膜されていることを特徴とする請求項21又は22記載の試料保持体。
  24. 請求項1乃至23何れか記載の試料保持体を用いて試料の観察又は検査を行う試料検査装置であって、真空室と、大気圧雰囲気中で該試料保持体が載置される載置手段と、該真空室に接続され、該試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料に該膜を介して一次線を照射する一次線照射手段と、該一次線の照射により該試料から発生する二次的信号を検出する信号検出手段とを備える試料検査装置。
  25. 前記試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料に接近又は接触可能な先端部を有するマニピュレータを備えることを特徴とする請求項24記載の試料検査装置。
  26. 前記試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料を所定雰囲気に晒すための試料室を備えることを特徴とする請求項24又は25記載の試料検査装置。
  27. 前記所定雰囲気は、温度が36℃〜38℃であり、二酸化炭素濃度が3%〜10%に設定されていることを特徴とする請求項26記載の試料検査装置。
  28. 前記一次線は、電子線若しくはイオン線であり、前記二次的信号は、二次電子、反射電子、吸収電流、カソードルミネッセンス光若しくはX線であることを特徴とする請求項24乃至27何れか記載の試料検査装置。
  29. 前記試料保持体の膜の試料保持面が該膜の上面となっており、その反対側の面が該膜の下面となっていることを特徴とする請求項24乃至28何れか記載の試料検査装置。
  30. 前記試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料の光学像を取得するための光学像取得手段を備えることを特徴とする請求項24乃至29何れか記載の試料検査装置。
  31. 請求項1乃至23何れか記載の試料保持体の試料保持面に試料を培養し、これにより培養された試料に対して、該試料保持面が大気圧雰囲気に開放された状態で、真空雰囲気に接する該膜の第2の面から該膜を介して一次線を照射し、この一次線の照射により該試料から発生する二次的信号を検出することを特徴とする試料検査方法。
  32. 前記一次線の照射時には、前記試料保持体の膜の試料保持面に配置された試料は、温度が36℃〜38℃でありかつ二酸化炭素濃度が3%〜10%に設定された所定雰囲気に晒されていることを特徴とする請求項31記載の試料検査方法。
  33. 前記一次線は、電子線若しくはイオン線であり、前記二次的信号は、二次電子、反射電子、吸収電流、カソードルミネッセンス光若しくはX線であることを特徴とする請求項31又は32記載の試料検査方法。
  34. 真空室を備えた試料観察又は検査のための装置における真空外の載置部にOリングを介して着脱自在に載置される試料保持体の製造方法であって、膜により覆われた開口を備える枠状部材を作成し、側面を備える皿状であって該試料保持体を構成する本体部の試料保持面に形成された孔に対応する位置に該枠状部材を固着させることを特徴とする試料保持体の製造方法。
  35. 前記枠状部材は、前記本体部の孔に設けられた段差部に配置されることを特徴とする請求項34記載の試料保持体の製造方法。
  36. 前記枠状部材と前記本体部とは、接着剤による接着、又は熱、超音波若しくはレーザによる融着によって固着されることを特徴とする請求項34又は35記載の試料保持体の製造方法。
  37. 少なくとも前記膜上に、試料付着用分子を配置することを特徴とする請求項34乃至36何れか記載の試料保持体の製造方法。
  38. 前記試料付着用分子は、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、カドヘリン、インテグリン、クローディン、デスモグレイン、ニューロリギン、ニューレキシン、セレクチン、ラミニン、ポリLリジンのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする請求項37記載の試料保持体の製造方法。
  39. 前記枠状部材を構成する基板部に化学気相成長法により前記膜を成膜し、該基板部の所定箇所を選択的にエッチングすることにより前記開口を形成して該枠状部材を作成することを特徴とする請求項34乃至38何れか記載の試料保持体の製造方法。
  40. 前記膜は、ポリマー、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、カーボン、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化ボロンのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項34乃至39何れか記載の試料保持体の製造方法。
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