JP5317109B2 - インク吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、液晶パネル、プラズマパネル、マイクロミラーパネル、ブラウン管ディスプレイ、プロジェクションテレビなどのカラー表示パネルに用いられるカラーフィルタ形成の表示素子部品製造装置および表示素子部品修正装置、ならびに、液晶パネル、プラズマパネル、マイクロミラーパネル、プロジェクションテレビなどの駆動回路部製造装置および駆動回路部修正装置、EL材料を用いたディスプレイの発光層の表示素子部品製造装置などに含まれるインク吐出装置に関する。
たとえば、液晶パネルまたはプラズマパネル等のカラー表示パネルに使用される表示素子部品としてのカラーフィルタは、R(赤)G(緑)B(青)およびBM(黒)パターンで形成されており、印刷法、電着法、フォトリソグラフィによる顔料分散法、インクジェット法によりR(赤)G(緑)B(青)およびBM(黒)パターンを形成することができる。
印刷法は、パターン精度の面で他の方法に劣り、現在の表示素子形成プロセスで用いられることは少ない。
電着法は、着色インクに導電性が不可欠であり、導電性を持つインクの色純度が低いことから、鮮やかな色表示がしにくいため、商品価値が低くなる。
フォトリソグラフィによる顔料分散法は、現在最も広く用いられている。しかしながら、R(赤)G(緑)B(青)およびBM(黒)パターンを形成するために少なくとも3回のフォトリソグラフィを必要とするため、製造コストが高くなってしまうという課題がある。
そこで、近年、パターン精度向上、色純度向上、製造コスト削減が可能な方法としてインクジェット法が、注目されている。ただし、このインクジェット法では、インクを高精度で打ち込む際に隣接する画素と混色し、表示品位を低下させたり、インクがインクジェットヘッド部から吐出する方向がずれたり、吐出されなかったりするという課題がある。
また、上述のいずれの手法を用いたとしても、100%の確率で良品製造することは困難であり、異物による不良やR(赤)G(緑)B(青)およびBM(黒)パターンの欠損などが発生する場合がある。
また、液晶パネルなどの回路駆動部では、フォトリソグラフィにより、多層の膜からなる電気回路を形成する必要があり、TFT液晶の駆動回路部では、4回から6回のフォトリソグラフィ工程を必要とするため、製造コストが高くなってしまうという課題がある。
そこで、近年、製造コスト削減が可能な方法としてインクジェット法が、注目されている。しかし、回路駆動部の製造工程にインクジェット法を用いた場合でも、インクがインクジェットヘッド部から吐出する方向がずれたり、吐出されなかったりするという課題がある。回路駆動部をインクジェットで形成する場合はインクの着弾ズレの許容量はカラーフィルタの場合に比べ、小さくなる場合が多い。
このように、インクジェットヘッド部では、不吐出や着弾の乱れを防止する必要がある。
特開2006−113127号公報(特許文献1)においては、可動ステージに搭載されたインクジェットヘッド部の直近にメンテナンス機構部を配したインクジェット装置が示されている。
また、特開平8−118674号公報(特許文献2)においては、インクジェットヘッド部の走査領域の両側に予備吐出部を設けたインクジェット装置が記載されている。
また、特開2001−199061号公報(特許文献3)、および特開2005−88307号公報(特許文献4)においては、インクジェットヘッド部のノズルのインク吐出状態を検査して、不吐ノズルを検出し、不吐ノズルを使用せずに吐出可能なノズルで記録パターンを形成できるように、吐出可能なノズルのインク吐出タイミングおよびインクジェットヘッドの走査ピッチ、および走査回数を変更して、インクジェット記録を行なうインクジェット装置が記載されている。
また、特開2001−315318号公報(特許文献5)においては、不吐出ノズルを検出して、紙などの被記録物表面における不吐出ノズルが記録すべき箇所に近接する別のノズルが記録する箇所に所定量よりも増量させたインクを不良ノズルに隣接したノズルからインク吐出することで補完し、不良ノズルがインクを吐出すべき箇所を目立たなくするインクジェット記録を行なう装置が記載されている。
特開2006−113127号公報 特開平8−118674号公報 特開2001−199061号公報 特開2005−88307号公報 特開2001−315318号公報
近年、液晶パネル、プラズマパネルは大型化しており、製造に用いるマザーガラスとして、3mを越えるものを用いることもある。また、ディスプレイの高画質化は速い速度で進んでおり、現在のハイビジョンの4倍の緻密さで映像を送信する放送技術も実用化が検討され始めている。また、動画性能や見やすさに関しても、高性能が求められている。このように、ディスプレイの分野では、基板の大型化、高精細化、高画質化が急速に進行している。
ディスプレイの高精細化、高画質化に伴ない、ディスプレイに使用される原料も変化している。したがって、近年は、原料の物性変更や種類の大幅な変更が発生する機会が増加している。原料の変更は、インクジェット用のインクでも頻発しており、インクジェットヘッドのインク吐出孔(ノズル)でのインク溶媒成分の乾燥によるインクの増粘や、ノズル部におけるインクメニスカス(気液界面)での溶媒や溶質の配向の変化によるインク成分の分散状態の変化や、化学反応によるインク物性の変化によって、インクジェットヘッドで安定吐出することが難しいインクや、インクの成分によっては、溶存空気を脱気した場合であってもインクジェット駆動を行なう時やインク流路中のフィルタをインクが通過した時にインクジェットヘッド内部に極僅か残存していた微細な気泡がキャビテーションによって膨張および浮遊し易く、また一旦気泡が発生すると脱気インクへの気泡の溶解に時間がかかるインクなどを使用しなければならない機会も増加する傾向にある。
安定吐出することが難しいインクを使用した結果、インク不吐出の原因が増えることに対応するため、通常はインクジェットヘッドのノズル面のワイピング機構とノズル面のキャッピング機構を有するメンテナンスユニットで十分インクジェットヘッドのメンテナンスができるところに加えて、ワイピング機構でノズル面を払拭することだけでノズル面のクリーニングが困難なインクでは、ノズル面洗浄用の洗浄液を循環できる機能を有する超音波洗浄機構や、ワイピング機構のワイピングブレードに付着したインクの固化等を防止するためのワイピングブレードの払拭機構や、ワイピングブレードの洗浄機構が必要となったり、固化したインクが付着するノズル面の効果的なクリーニングのためにワイピングブレードをインク溶媒等の洗浄液で濡らした状態で使用するための洗浄液供給および廃液機構が必要となったり、インクジェットヘッド内部に強固に付着する気泡等をノズル孔から排出するための大型の吸引ポンプや気密性を重視した大型のキャッピング機構が必要となったり、インクジェットヘッド部のメンテナンスユニットが複雑かつ大型化し、非常に乾燥が速い溶媒を成分に持つインクやノズルメニスカスにおける気液界面で溶質成分の分散状態が変化しやすいインク等では、インクジェットヘッドのノズル面のデキャップ状態が十数秒から数十秒という比較的短時間であってもノズルメニスカスでのインク物性変化が著しく、安定吐出が困難な状態となる場合があるため、インクジェット塗布のできるだけ直前に捨て吐出等のメンテナンスが必要となったり、インクジェットヘッド部をメンテナンスする周期が短くなったり、メンテナンスユニットの使用時間が長くなったり、溶媒分散状態では溶質が変質(化学変化や凝集)が起こらず安定であってもノズルメニスカスにおいて溶媒の蒸発等に起因して溶質の分散状態が変化することで溶質がインクやインク溶媒に再溶解しにくい変化を起こすこともあり、ノズルが溶質変質物に塞がれてしまいインクジェットヘッドの破損となる場合もあって長期間のデキャップができなくなったり、インクジェットヘッドの全てのノズルが正常に吐出する状態にするためには多大なメンテナンス時間とメンテナンスに消費するインクが増大するため、インクジェットヘッドの複数のノズルのうち一部のノズルが不吐出の状態で正常吐出するノズルを使用してインクジェットプロセスを行う場合が増大する傾向にある。また、メンテナンスユニットに対する負荷が増大し、メンテナンスユニット自体の作業者によるメンテナンスが必要となる。しかし、作業者によるメンテナンス実施の際、インクジェットヘッド部をデキャップの状態で長時間放置すれば、インクが吐出できなくなる現象が生じることになる。
ちなみに、メンテナンスユニットの複雑化、大型化の一因は、メンテナンスユニット上に、廃液タンクを搭載する必要があることである。廃液タンクの交換などで、作業員によるメンテナンスが必要となる。
一方、ディスプレイ等の基板の大型化、高精細化に対応するためには、大型かつ高精度なステージが必要であり、タクト短縮のためには、ステージの高速化が必要である。したがって、インクジェットヘッド部を搭載する可動ステージに搭載する重量負荷は、小さくしなければならず、ステージを少しでも小さくするためには、搭載物は可能な限り小型にする必要がある。最も理想的には、可動ステージに搭載するものはインクジェットヘッド部のみであることが好ましい。
また、基板の大型化に伴なってインクジェット装置が大型されても、その安定稼動、タクト短縮などの基本要求事項が緩和されることはなく、長時間の安定使用には不向きなインクを用いる場合であっても、インクジェット装置には、高精度の稼動と安定した吐出が求められる。
また、描画エリアが比較的少ないパターン修正の場合であっても、基板の大型化に伴なって、可動ステージの移動距離の増加は避けられない。さらに、修正が必要な箇所が増加することに伴なって、描画は長時間化される傾向にある。この結果、インクジェットヘッド部のメンテナンスから描画までの時間が長くなり、不吐出の状態が生じたり、着弾の乱れが発生したりする場合がある。
また、ディスプレイ等の基板のパターン修正の場合でも、大型化、高精細化、高画質化が必要であることには変わりない。また、作業者によるメンテナンスユニットのメンテナンス実施の際、インクジェットヘッド部をデキャップの状態で長時間放置すれば、インクが吐出できなくなる現象が生じ得ることについても変わりがない。
基板が大型化されることで、不良を発生させるトラブルの可能性は上昇する。したがって、製造時の不良発生防止や不良発生後の修正による救済は益々重要度が向上している。
特許文献1のように、インクジェットヘッド部の直近にメンテナンスユニットを配置する構造を採用した場合は、インク吐出直前にインクジェットヘッド部のメンテナンスが可能となるものの、インクジェットヘッド部メンテナンスユニットを作業員によりメンテナンスする際に、インクジェットヘッド部が長時間に渡りデキャップの状態で放置されることを避けられない。また、メンテナンスユニットが大型化、複雑化した場合には、通常必須であるインクジェットヘッドとインク供給ユニットのほかに、容積の大きな廃液タンク、ノズルからインクや気泡を排出するための吸引部と配管された吸引ポンプおよび吸引部の駆動源や電磁弁、さらに電源や制御回路等、さらにはワイピングブレード等の駆動部およびワイピングブレードをクリーニングする機構部を持つ大きなメンテナンスユニットが搭載され、300〜400kgの総重量(インクジェットヘッドの搭載数によっては600kg以上となる)となるユニットを可動ステージに搭載することとなり、高精度での装置稼動ができない問題があった。
これに対し、特許文献2のように、2箇所にインクジェットヘッド部のメンテナンスユニットを配置する構造を採用すれば、インクジェットヘッド部メンテナンスユニットを作業員によりメンテナンスする際に、インクジェットヘッド部が長時間に渡りデキャップの状態で放置されることを避けられる。また、メンテナンスユニットが大型化、複雑化した場合にも、可動ステージにはメンテナンスユニットを搭載しないため、可動ステージにはインクジェットヘッドユニットとインク供給ユニットのみの搭載でよいため稼動ステージにかかる負荷を低減でき、高精度での装置稼動が容易になる。しかし、吐出直前でのインクジェットヘッド部のメンテナンスは不可能で、大型基板を対象としたインクジェット装置ではメンテナンス後のヘッドの移動距離が5mにも及ぶことがあり移動距離が長く、移動時間が100〜250mm/sの移動速度の場合では50〜20秒以上のデキャップ状態を経てインク吐出することとなり、乾燥の速いインクなどではインクが増粘して通常のインクジェットヘッド吐出電圧では不吐出などの不良が発生しやすくなる問題があった。
また、産業用途では安定吐出が非常に困難な特殊なインクを使用する場合があるが、特許文献3や特許文献4のように、インクジェットヘッド部の一部のノズルからのインク吐出を断念し、インク吐出状態を検査して、不吐出ノズルを検出し、不吐出ノズルを使用せずに、正常なノズルのインク吐出タイミングおよびインクジェットヘッドの走査ピッチ、走査回数を変更して適正な記録パターンを形成することができ、安定吐出が非常に困難なインクであってもインクジェットヘッドのメンテナンスを行ない過ぎてインクジェットヘッドの寿命を極端に短くすることなく、またメンテナンスによるインク消費を軽減することでインクジェットヘッドとインクにかかるランニングコストを低減することができる。しかしながら、インクジェットヘッドの不吐出ノズルに隣接する正常と思われるノズルは、厳密には適正なインク吐出がなされておらず、インクジェットヘッドの構造や不吐出ノズルの不吐出の原因にもよるが、吐出インク1滴当たりで1〜5%、吐出インクの飛翔速度で3〜8%程度のインクジェット性能の変化が発生したり、ノズルからインクを連続的に吐出して不吐出ノズルの検査を行なう場合では、完全に不吐出であるノズルの隣接ノズルは比較的安定な連続吐出を行うことができるが、これはインクジェットヘッドの駆動によるインクジェットヘッド温度上昇やノズルメニスカスの揺動によるインクメニスカス部のインクの攪拌効果によって乾燥して増粘したインクの粘度低下(正常インク粘度への回復)に伴ってインク吐出し易い状態になるまでの間(初滴から数十滴までの駆動を行う間)不吐出状態を経て安定吐出していると考えられ、産業用途(特に初滴から数滴のインクをインクジェット塗布する機能性膜の修正プロセス)においては不良ノズルと判断すべき場合があり、民生用途のドキュメント等の記録パターンであれば問題がないレベルであるが、機能性膜のパターニングや初滴から数滴までの安定吐出が要求される機能性膜の修正プロセスを目的とする産業用途においては、記録パターンの膜厚変動やインクの濡れ広がりサイズおよび吐出速度の変化によるインク着弾位置の変動(インク塗布膜の形成位置の変化)によって膜機能が劣化、変動して生産歩留まりを低下させる問題があった。
また、特許文献5においては、不吐出ノズルを検出して不吐出ノズルが記録すべき部分に近接するインク吐出部に所定量よりも増量させたインクを不良ノズルに隣接したノズルからインク吐出することで補完し、不良ノズルがインクを吐出すべき箇所を目立たなくするインクジェット記録方法が提案されているが、特許文献3および特許文献4と同様に民生用途のドキュメント等の記録においては有効な記録方法であるが、やはりインク吐出位置の変動やインク吐出量の変動が機能性インクジェット塗布膜の性能劣化を招き、インクジェット記録によって製造もしくは修正されるディスプレイ等の基板の生産歩留まりを低下させる問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、インクジェットヘッド部を搭載する可動ステージの高速かつ高精度の稼動と、吐出直前のインクジェットヘッド部のメンテナンスとを両立可能とし、かつ安定吐出が非常に困難なインクを使用する場合においても過度のメンテナンスによる消費インクの増加、タクトの増大およびインクジェットヘッドの寿命低下を防止することができるインク吐出装置を提供することにある。
本発明に係るインク吐出装置は、載置台に載置された被吐出物に対してインクを吐出するインク吐出装置であって、被吐出物に対して相対的に移動可能に設けられ、該被吐出物に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部と、インクジェットヘッド部のメンテナンスを実施可能な第1メンテナンス部および第2メンテナンス部とを備え、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の少なくとも一方は、インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能である。
上記インク吐出装置は、1つの局面では、被吐出物に対して第1方向に移動可能な第1可動部と、第1可動部に取り付けられ、該第1可動部に対して前記第1方向に交差する第2方向に移動可能な第2可動部とをさらに備え、インクジェットヘッド部は、第2可動部に取り付けられ、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、第2メンテナンス部は、第2可動部の可動範囲内に設けられている。ここで、第2メンテナンス部は、第1メンテナンス部とは異なる機能を有することが好ましい。さらに、好ましくは、第1メンテナンス部は、吐出検査機能、液ダレ検知機能、捨て吐出機能、液面揺動機能およびキャップ機能のうち少なくとも1つの機能を有し、第2メンテナンス部は、吐出不良の回復機能、ノズル面の汚れの除去機能のうち少なくとも1つの機能を有する。
上記インク吐出装置において、好ましくは、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、第2メンテナンス部は、載置台の外側に設けられている。さらに、好ましくは、第2メンテナンス部は、載置台の外側で可動に設けられている。
上記インク吐出装置は、他の局面では、被吐出物を第1方向に移動させることが可能な第1可動部と、被吐出物に対して第1方向に交差する第2方向に移動可能な第2可動部とをさらに備え、インクジェットヘッド部は、第2可動部に取り付けられ、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、第2メンテナンス部は、第2可動部の可動範囲内に設けられている。ここで、第2メンテナンス部は、第1メンテナンス部とは異なる機能を有することが好ましい。さらに、好ましくは、第1メンテナンス部は、吐出検査機能、液ダレ検知機能、捨て吐出機能、液面揺動機能およびキャップ機能のうち少なくとも1つの機能を有し、第2メンテナンス部は、吐出不良の回復機能、ノズル面の汚れの除去機能のうち少なくとも1つの機能を有する。
上記インク吐出装置は、好ましくは、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、不良を回復させる回復部と、不良が回復部により回復可能かを判断する判断部とを含み、制御部は、検知部により不良の発生が検知されるとともに、当該不良が回復部により回復できないと判断部により判断されたことに基づいて、第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御する。
上記インク吐出装置は、好ましくは、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、不良を回復させる回復部とを含み、制御部は、検知部により不良の発生が検知された後、第1メンテナンス部によって回復動作を所定回数繰り返した上で検知部により不良が検知されたことに基づいて、第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御する。
上記インク吐出装置は、好ましくは、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、制御部は、第2メンテナンス部によるメンテナンスが完了してからの時間を計測するタイマー部を含み、制御部は、タイマー部により第2メンテナンス部によるメンテナンスが完了してから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、第2メンテナンス部によるメンテナンスを再度行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御する。
上記インク吐出装置は、好ましくは、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部をキャップする第1キャップ部を含み、第2メンテナンス部は、インクジェットヘッド部をキャップする第2キャップ部を含み、制御部は、第1キャップ部または第2キャップ部によるインクジェットヘッド部のキャップが解除されてからの時間を計測する第1タイマー部と、第1キャップ部によるインクジェットヘッド部のキャップが継続している時間を計測する第2タイマー部とを含み、制御部は、第1タイマー部により第1キャップ部および第2キャップ部によるキャップが解除されてから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、第1キャップ部によるキャップを行なうとともに、第2タイマー部により第1キャップ部によるキャップが所定時間以上継続したことが検知されたことに基づいて、第2キャップ部によるキャップを行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御する。
上記インク吐出装置は、さらに他の局面では、第1メンテナンス部および第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、制御部は、インクジェットヘッド部の使用可能なノズルを選定する使用ノズル決定部を含み、第1メンテナンス部は、インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、不良を回復させる回復部と、不良が回復部により回復可能かを判断する判断部を含み、制御部は、検知部により不良の発生が検知されるとともに、当該不良が回復部により回復できないと判断部により判断されたことに基づいて、第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御し、さらに第2メンテナンス部によるメンテナンス後において、第1メンテナンス部の検知部および判断部により不良が第1メンテナンス部および第2メンテナンス部によるメンテナンスによって回復ができないと判断されたことに基づいて、制御部の使用ノズル決定部により、不良を発生させたインクジェットヘッド部の不良ノズル以外の使用可能ノズルを選択してインク吐出を行なうように第1メンテナンス部および第2メンテナンス部を制御する。
上記インク吐出装置において、好ましくは、使用ノズル決定部による使用可能なノズルの選択は、第1メンテナンス部の検知部および判断部により第1メンテナンス部および第2メンテナンス部によるメンテナンスによって回復ができないと判断された不良ノズルと不良ノズルに並列するノズル列における不良ノズルの一側方において少なくとも1ノズル目までの両側方で少なくとも2ノズルとを除く、吐出状態の正常なノズルから使用ノズルを選択することを含む。
上記インク吐出装置は、さらに他の局面では、被吐出物の主表面方向に対して直交する方向にインクジェットヘッド部を移動させる駆動部をさらに備え、第1メンテナンス部でインクジェットヘッド部のメンテナンスを行なう時と、第2メンテナンス部でインクジェットヘッド部のメンテナンスを行なう時とで、被吐出物に対するインクジェットヘッド部の高さが異なる。
本発明によれば、インク吐出装置において、インクジェットヘッド部を搭載する可動ステージの高速かつ高精度の稼動と、吐出直前のインクジェットヘッド部のメンテナンスとを両立することができ、かつ安定吐出が非常に困難なインクを使用する場合においても過度のメンテナンスによる消費インクの増加、タクトの増大およびインクジェットヘッドの寿命低下を防止することができる。
本発明の実施の形態1に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態2に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態3に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態4に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態5に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態6に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態7に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態8に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態9に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態10に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態11に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 本発明の実施の形態12に係るインクジェット塗布装置を示した図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。 「吐出検査機能」について説明するための図である。 「液ダレ」について説明するための図である。 「液面揺動機能」について説明するための図である。 予備メンテナンスユニットにおけるノズル洗浄方法の一例を示した図である。 本発明の実施の形態1〜12に係るインクジェット塗布装置の構成の一例を示したブロック図である。 図17における主制御部による制御方法の一例を示すフロー図(その1)である。 図17における主制御部による制御方法の一例を示すフロー図(その2)である。 図17における主制御部による制御方法の変形例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態1〜12に係るインクジェット塗布装置の構成の変形例を示したブロック図である。 図21における主制御部による制御方法の一例を示すフロー図(その1)である。 図21における主制御部による制御方法の一例を示すフロー図(その2)である。 図17もしくは図21における主制御部による制御方法の一例を示すフロー図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る「インク吐出装置」としてのインクジェット塗布装置を示した図である。なお、図1および後述する図2〜図12において、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
図1を参照して、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、載置台100上に搭載されたガラス基板200にインクを塗布する装置であって、インクジェットヘッド部1と、メンテナンスユニット2と、予備メンテナンスユニット3と、ガントリー10と、メンテナンスユニット駆動部20と、予備メンテナンスユニット駆動部30とを含む。なお、本実施の形態では、「インク吐出装置」の一例としてのインクジェット塗布装置について説明するが、本発明の範囲はインクジェット塗布装置に限定されず、インクを吐出する機構を有する全ての装置に適用可能である。なお、本明細書において「メンテナンス」とは、インクの吐出機構部を正常に維持管理するための全ての機構を意味し、人手によりインクの吐出機構部を直接清掃する行為に限定されない。
インクジェットヘッド部1は、ガラス基板200に向けてインクを吐出する。インクジェットヘッド部1は、ガントリー10に搭載されており、ガントリー10により、Y方向に移動する。メンテナンスユニット2は、メンテナンスユニット駆動部20に搭載されており、メンテナンスユニット駆動部20により、Y方向に移動する。メンテナンスユニット2は、インクジェットヘッド部1との相対位置関係を維持したまま移動可能である。したがって、メンテナンスユニット2は、移動中のインクジェットヘッド部1のインクジェットヘッドのノズル面のキャッピングや断続的もしくは継続的な捨てインク吐出等のメンテナンスを継続して行なうことが可能であり、必要に応じてインクジェットプロセス直前のインク吐出検査を行なうこともできる。予備メンテナンスユニット3は、予備メンテナンスユニット駆動部30に搭載されており、予備メンテナンスユニット駆動部30により、Y方向に移動する。
ガラス基板200は、あらかじめパターンが形成されている透明ガラスである場合と、パターンが形成されていない透明ガラスである場合がある。ここでは、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置の用途の一例として、3m角のガラス基板に、40インチスーパーフルハイビジョン(3940×2160)テレビ用のカラーフィルタを形成するために、赤、緑、青のインクを吐出するケースについて説明する。
まず、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置により解決すべき、従来の問題点について説明する。
カラーフィルターをインクジェット法で製造する場合、あらかじめブラックマトリックスパターンを形成した後に、ブラックマトリックスパターンにそって、赤、緑、青のインクを一括して吐出し、乾燥させることで、カラーフィルターを得る方法が考えられる。40インチ画面の場合、76μm×230μmの画素を各色それぞれ3940×2160=8,510,400個配置する必要がある。通常ブラックマトリックスのパターンは30μmほどの幅を持っているので、赤、緑、青のパターンはそれぞれ、46μm×200μmの矩形領域となる。この矩形領域に正確にインクを吐出する必要がある。
インクジェットヘッド部1から吐出するインクは、パネルがテレビに用いられる場合、高い色再現性が求められることが多く、PC用モニターなどに比べると、濃い色目が必要とされる。そのため、インクジェット用のインクとして、溶媒中の樹脂成分に対して顔料の濃度が高いものが求められインク粘度が高くなるため、安定なインク吐出のために対策が必要になる。インクの高濃度化により、顔料同士の分散状態の平衡が崩れやすく、インク溶媒の乾燥によって顔料の凝集や顔料とは別に含有する樹脂成分の反応も促進されやすくなり、結果としてインク粘度が顕著に変化しやすいインクとなるため、ノズルのデキャップによって吐出しにくくなる。また、顔料がインクジェットヘッド部1のノズル内に固着しやすくなるため、インク吐出角度の乱れ(インク着弾精度の劣化)や不吐出の発生の可能性が高くなる。
高濃度化された樹脂を含有した顔料インクはインク粘度が高くなるが、さらにインク溶媒乾燥を伴った極端なインクの粘度の上昇は、ブラックマトリックスで囲われた46μm×200μmの矩形領域に吐出されたインクの濡れ広がり性を低下させる。したがって、ブラックマトリックスの横5μm程度の位置に、インクを正確に着弾させることと上記のような極端なインクの粘度の上昇を防止することが要求される。他方、隣接画素の他の色と混ざらない様に、吐出されるインクの液滴径が10μm以下であることも要求される場合があり、これに伴ない、インクジェットヘッド部1のノズル径を小さくする必要がある。以上のような影響で、現状では、溶媒中の樹脂成分濃度が10%であるのに対して、顔料の含有量が概ね5%程度であるインクが用いられることが多く、その分インクの吐出量が多くなり、タクトタイムが長くなる問題がある。また、樹脂成分濃度を5%程度に下げて顔料の含有量を変更せずに、色目を濃くして色再現性を高める方法もあるが、インクの乾燥後の形状にムラが発生しやすく、パネルの表示品位を低下させる場合があった。その他にも、インクの溶媒を低粘度のものに変更する方法もあるが、低粘度の溶媒は飽和蒸気圧も低い傾向にあり、その分蒸発が早くなり、顔料の固着も早くなってしまうなど、根本解決とならない。そのため、インクジェット法によるカラーフィルタの製造では、インクの物性の自由度が低くなり、テレビの色再現性を向上させる為には、複数回の吐出乾燥を行うなど生産性の極端に低い方法になる傾向にあった。なお、パネルの駆動回路をインクジェットで形成する場合でも、同様の問題は発生している。
また、インクジェットヘッド部のノズルの直径が30μmを下回ると、インク中の顔料の固着に対する許容量が極端に小さくなり、光学顕微鏡で観察できないレベルの顔料の固着でもインクを吐出する方向に乱れが発生しやすい。
本実施の形態に係るインクジェット塗布装置では、ノズル径が20μmで、顔料濃度が高いインクを使用するため、以下の動作を行なう。
ガラス基板200は基板移載ロボットなど(図示せず)により、装置内部の載置台100に置かれる。載置台100に置かれたガラス基板200は、ガントリー10の移動方向(Y方向)に対してその短辺が直交する様に位置を微調整したり、ガントリー10に対してどの程度の角度を有して載置されたかを測定するアライメント動作を行なう。その後、ガントリー10に設置されたインクジェットヘッド部1は、メンテナンスユニット駆動部20に搭載されたメンテナンスユニット2によって、吐出に適する状態に保護されたままガラス基板200内部の吐出する場所に移動する。この時、ガントリー10およびメンテナンスユニット駆動部20は、インクジェットヘッド部1とメンテナンスユニット2との相対位置が変化しない様に移動する。メンテナンスユニット2の中には、複数のメンテナンス機構が含まれ、メンテナンス機構毎にインクジェットヘッド部1との最適位置関係を有する場合には、メンテナンス機構の設置範囲内で、インクジェットヘッド部1とメンテナンスユニット2の位置関係は変化することもあるが、概ね相対距離を保った状態で、移動を行なうことになる。
インクジェットヘッド部1が、ガラス基板200内部におけるインク吐出位置に到達する直前に、メンテナンスユニット駆動部20はガントリー10から離れる。離れる距離はインクジェットヘッド部1のインク吐出を妨げない範囲で、可能な限り近いことが望ましく、装置内部の気流などによって変化するが、その距離は100mm以下程度である。その後、インクジェットヘッド部1から所定のパターンでインク吐出を行うが、インク吐出中も、メンテナンスユニット駆動部20は、ガントリー10と相対距離を保ったまま移動を行なう。これは、インク吐出中の予期せぬトラブルで、ガントリー10が停止した時に、速やかに、メンテナンスユニット2によりインクジェットヘッド部1を保護する動作を取りやすくするためである。ガントリー10の動作信頼性が高く、トラブル発生が極めて少ない場合には、メンテナンスユニット駆動部20は、ガントリー10の走査範囲外まで退避していてもよい。往復走査でガラス基板200に対してインクを吐出する場合、折り返し位置で、一旦メンテナンスユニット2によりインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なうことも可能である。
ガラス基板200に対するインク吐出が完了すると、メンテナンスユニット駆動部20とガントリー10の距離が変化する。すなわち、インクジェットヘッド部1は、メンテナンスユニット2の位置に戻る。これにより、インクジェットヘッド部1が乾燥から保護されたり、次のインク吐出に備えるメンテナンスが実施されたりする。
また、インク吐出の直前にインクの吐出や着弾がずれるなどの悪影響が出ない範囲で、ガラス基板200を動かして、吐出位置を微調整することもできる。微調整の範囲は通常吐出する画素サイズの1/2程度であり、たとえば46μm×200μmの画素サイズの場合には、100μm程度である。
インク吐出の完了後、ガラス基板200は、基板移載ロボットなど(図示せず)によりインクジェット塗布装置の外部に搬出される。以上の一連の動作を繰返すことにより、パネルの生産を行なうが、長時間の連続動作を続けると、メンテナンスユニット2に徐々に汚れが蓄積して、インクジェットヘッド部1のメンテナンスを行っても吐出を最適な状態に保てなくなる状態になる。通常、メンテナンスユニット2は定期的に清掃を行なうが、高濃度の顔料が分散したインクを使用している場合は、清掃作業に必要な短時間でも、インクジェットヘッド部1をデキャップの状態で放置してしまうと、メンテナンスユニット2によるメンテナンスでもその性能を回復することが出来ず、最悪の場合、インクジェットヘッド部1を交換する必要が生じ得る。これを避けるためには、メンテナンスユニット駆動部20に取り付けられたメンテナンスユニット2を清掃する間、予備メンテナンスユニット駆動部30に取り付けられた予備メンテナンスユニット3により、インクジェットヘッド部1を保護する必要がある。さらに、上記のように、ガラス基板200にインク吐出する時には、メンテナンスユニット駆動部20は、ガントリー10から離れた位置に移動するため、この時に、メンテナンスユニット2の清掃を行なうことができる。すなわち、ガラス基板200にインクを吐出する通常の生産動作を行ないながら、メンテナンスユニット2の清掃作業を実施することが可能となる。なお、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンス機能は、メンテナンスユニット2によるメンテナンス機能と共通であってもよいし、異なるものであってもよい。
以下では、メンテナンスユニット2の機能と予備メンテナンスユニット3の機能とを異ならせる場合の両者の役割分担の一例について説明する。
典型的な例では、メンテナンスユニット2は、吐出検査機能、液ダレ検知機能、捨て吐出機能、液面揺動機能およびキャップ機能のうち少なくとも1つの機能を有する。また、インクの吐出速度を検知する機能を設けてもよい。
ここで、メンテナンスユニット2の「吐出検査機能」とは、ガラス基板200へのインクの吐出直前に、インクジェットヘッド部1からインクが正常に吐出可能かどうかを検査する機能である。図13を用いて、「吐出検査機能」の概要について説明する。図13に示すように、発光素子2A1から受光素子2A2に向けてレーザ光を照射する。この光の経路に向けてインクジェットヘッド部1からインクを吐出する。インクジェットヘッド部1から所定量のインクが正常に吐出されている場合、受光素子2A2に向かうレーザ光が遮られ、受光素子2A2により検知される受光量が減少する。この場合、吐出検査の結果は「合格」となる。他方、インクジェットヘッド部1から所定量のインクが正常に吐出されていない(すなわち、「吐出不良」がある)場合、受光素子2A2に向かうレーザ光が遮られず、受光素子2A2により検知される受光量は減少しない。この場合、吐出検査の結果は「不合格」となる。
また、メンテナンスユニット2の「液ダレ検知機能」とは、インクジェットヘッド部1の底面に不要なインクが付着していないかどうかを検査する機能である。図14に示すように、インクジェットヘッド部1の底面(ノズル面)におけるノズル孔1A以外の部分にインクが付着している状態を「液ダレ」と称する。「液ダレ」発生の有無は、図13に示す発光素子2A1および受光素子2A2を用いて判定可能である。すなわち、インクジェットヘッド部1を、図13の状態から下方向(インクの吐出方向)に向けて移動させ、インクジェットヘッド部1の底面近傍をレーザ光が通過するように設定すれば、「吐出検査機能」の場合と同様の原理で、インクジェットヘッド部1の底面に付着したインクの有無を判定することができる。この場合、受光素子2A2により検知される受光量が減少しなければ、「液ダレ」無し(すなわち、「合格」)と判定され、受光素子2A2により検知される受光量が減少すれば、「液ダレ」有り(すなわち、「不合格」)と判定されることになる。
上述した「吐出検査」および「液ダレ検知」を行なうための発光素子2A1および受光素子2A2の重量は、各々、たとえば10g程度と軽量である。したがって、このような発光素子2A1および受光素子2A2をインクジェットヘッド部1の直近に配置しても、インクジェットヘッド部1の稼動の速度および精度が低下することは考え難い。
また、メンテナンスユニット2の「捨て吐出機能」とは、ガラス基板200へのインクの吐出(インク塗布プロセス)の直前、もしくはインクジェット部1が搭載されたガントリー10の移動中に断続的あるいは継続的にインクの吐出(捨て吐出)をキャップ内で行なうことにより、ノズル孔内の乾燥によるインクの不吐出を防止する機能である。このような機能は、大型のユニットを別途設けることなく実現可能であるので、この機能によってインクジェットヘッド部1の稼動の速度および精度が低下することは考え難い。
また、メンテナンスユニット2の「液面揺動機能」とは、ガラス基板200へのインクの吐出直前もしくはガントリー10の移動中に継続的に、図15に示すように、インクジェットヘッド部1のノズル孔1Aの液面(ノズル孔のインクメニスカス)を揺動させる機能であり、インクメニスカス部のインクの攪拌効果によって乾燥して増粘したインクの粘度低下(正常インク粘度への回復)に促してインク吐出し易い状態にするものである。この液面揺動は、インクジェットヘッド部1に軽い振動を加えることにより実現され、大型のユニットを別途設けることなく実現可能であるので、この機能によってインクジェットヘッド部1の稼動の速度および精度が低下することは考え難い。
他方、予備メンテナンスユニット3は、吐出不良の回復機能、ノズル面の汚れの除去機能のうち少なくとも1つの機能を有する。予備メンテナンスユニット3には、メンテナンスユニット2よりも大型で重量の大きい素子が搭載されている。この一例としては、たとえば、図16に示すような、ノズル洗浄ユニットが挙げられる。図16の例では、洗浄液が貯留された洗浄液槽3A1と、洗浄液槽3A1に取り付けられた超音波振動子3A2とが設けられている。洗浄槽3A1には図示しない洗浄液貯蔵タンクおよび洗浄廃液貯蔵タンクを具備し、インクジェットヘッド部1の洗浄が必要になったときに洗浄槽3A1に洗浄液を供給して、インクジェットヘッド部1を洗浄液槽3A1に貯留された洗浄液に浸すことで、インクジェットヘッド部1の洗浄が行なわれる。
図16に示す超音波洗浄装置3Aは、比較的大型で重量も大きいが、この装置を用いた洗浄は、「吐出不良」および「液ダレ」の検知や「液面揺動」ほどの頻度で実施する必要がないため、メンテナンスユニット2と分離した予備メンテナンスユニット3に設け、必要が生じたときにメンテナンスを実施するようにすることが可能である。
このように、メンテナンスユニット2には、インクジェットヘッド部1の高速で高精度な移動を阻害しない程度に小型化/軽量化が図られた機能が設けられ、その総重量は200kg以下、インクジェットヘッドの搭載数にもよるが100kg以下で構成され、予備メンテナンスユニット3には、比較的大型で重量も大きいが、メンテナンスユニット2に設けられる機能よりも使用頻度が少ない機能が設けられ、その総重量は300kg以上、インクジェットヘッドの搭載数にもよるが600kg以上になることもある。一般的に、予備メンテナンスユニット3に設けられる機能は、インクジェットヘッド部1に比較的大きな物理力を与えるものである場合が多い。このような機能の例としては、たとえば、インクジェットヘッド部1の汚れをふき取るワイパー機能、上記汚れを吸引する吸引機能、上記汚れを噴流により除去する噴流機能、および上記汚れを高圧ガスにより除去する高圧スプレー機能などが挙げられる。また、上記機能に付随して、ワイパー機能に搭載されるワイピングブレードの洗浄機構やワイピングブレードの移動機構、固化したインクが付着するノズル面の効果的なクリーニングのためにワイピングブレードをインク溶媒等の洗浄液で濡らした状態で使用するための洗浄液供給および廃液機構、インクジェットヘッド内部に強固に付着する気泡等をノズル孔から強力に排出するための大型の吸引ポンプや気密性を重視した大型のキャッピング機構等が必要になるため、予備メンテナンスユニット3は複雑化し、大型で高重量化される。
次に、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置におけるメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3の制御方法について説明する。
図17は、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置の構成の一例を示したブロック図である。図17を参照して、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、「第1メンテナンスユニット」としてのメンテナンスユニット2と、「第2メンテナンスユニット」としての予備メンテナンスユニット3と、メンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する「制御部」としての主制御部4とを含んで構成される。
メンテナンスユニット2は、制御部201と、インクジェットヘッド部1の吐出不良および液ダレなどの不良を検知する検知部202と、上記不良を回復させる回復部203と、インクの吐出直前までインクジェットヘッド部1をキャップもしくはインクの吐出(インク塗布プロセス)直前まで捨て吐出ができる簡易キャップ部204とを含む。制御部201は、検知部202、回復部203および簡易キャップ部204を制御する。また、制御部201は、上記不良がメンテナンスユニット2の回復部203により回復可能かを判断する「判断部」としての機能も有する。
検知部202は、インクジェットヘッド部1の液ダレ検知や吐出検査を行なうことが可能である。回復部203は、捨て吐出領域への捨て吐出をインクジェットヘッド部1に行なわせることによりインクジェットヘッド部1の状態を回復させる。
予備メンテナンスユニット3は、制御部301と、メンテナンスユニット2の回復部では回復できない不良をメンテナンスユニット2と比較して物理的、化学的に強力でより効果的なメンテナンス方法でインクジェットヘッド部1をメンテナンスする回復部302A,302Bと、インクジェットヘッド部1を長時間使用しない場合のキャップを行なうキャップ部303とを含む。制御部301は、回復部302A,302Bおよびキャップ部303を制御する。回復部302A,302Bは、それぞれ、ワイプ動作およびノズル吸引動作によりインクジェットヘッド部1の状態を回復させる。
また、主制御部4は、メンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御するCPU401と、「タイマー部」としてのタイマー回路402と、通信モジュール403A,403Bと、メモリ404と、外部記憶素子405と、使用ノズル決定部406とを含む。外部記憶素子405には、通信モジュール403A,403Bを介してメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3の制御部201,301を制御するアプリケーションプログラムを組み込まれている。このアプリケーションプラグラムは、ある一定の処理を行なう自動処理プログラムであってもよいし、キーボード、マウスなどを用いて会話的な方法で制御するプログラムであってもよい。
図18に示すフロー図を参照して、不良検知動作(S110)により、メンテナンスユニット2の検知部202により上記不良の発生が検知される(S120)とともに、当該不良がメンテナンスユニット2の回復部203により回復できないと制御部201により判断される(S130)と、主制御部4は、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスを行なうようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する(S140)。
このようにすることで、メンテナンスユニット2による回復が可能な不良については、メンテナンスユニット2で回復させ、メンテナンスユニット2により回復できない不良については、物理的、化学的に強力でより効果的なメンテナンスを行なうことができる予備メンテナンスユニット3で回復させることができる。
図19に示すフロー図を参照して、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンス(S210)が完了すると、タイマー回路402が作動する(S220)。すなわち、タイマー回路402は、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスが完了してからの時間を計測する。S230において、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスが再度行なわれた場合は、タイマー回路402がリセットされる(S231)。S230において、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスが再度行なわれていない場合は、タイマー回路402の作動が継続される(S232)。そして、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスの完了から所定時間が経過すると、自動的に予備メンテナンス3によるメンテナンスを再実施する。すなわち、主制御部4は、タイマー回路402により予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスが完了してから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスを再度行なうようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する。
このようにすることで、予備メンテナンスユニット3によるインクジェットヘッド部1のメンテナンスを定期的に行なうことができる。
図20は、主制御部4によるメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3の制御方法の変形例を示すフロー図である。図20の例では、メンテナンスユニット2の検知部202により不良の発生が検知された(S310,S320)後、メンテナンスユニット2の回復部203による回復動作を所定回数繰り返した(S330)上で、なお検知部202により不良が検知された場合(S340)に、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスを行なう(S350)ように制御している。
この場合、メンテナンスユニット2は、主制御部4からのメンテナンス指令に基づいて、以下の処理を行なう。
1)回復部203において、インクジェットヘッド部1に捨て吐出を行なわせる。
2)検知部202により液ダレ検知を行ない、正常な場合はさらに吐出検査を行なう。吐出検査で異常が検出された場合は、回復部203において、再度捨て吐出(回復動作)を行なう。回復部203における捨て吐出(回復動作)を予め設定された指定回数(たとえば2回)繰り返しても復帰しない場合、制御部201は、通信モジュール403Aを介して主制御部4に吐出異常を通知する。
3)液ダレ検知で異常が発見された場合、制御部201は、通信モジュール403Aを介して主制御部4に液ダレ異常を通知する。
主制御部4に液ダレ異常が通知された場合、以下の処理を行なう。
1)主制御部4が、予備メンテナンスユニット3の制御部301に回復部302によるワイプ動作(回復動作)を実行するように指示する。
2)制御部301が、回復部302を制御し、ワイプ動作を行なう。
3)その後、メンテナンスユニット2でのメンテナンス動作を行なう。
また、主制御部4に吐出異常が通知された場合、以下の処理を行なう。
1)主制御部4が、予備メンテナンスユニット3の制御部301に回復部302によるノズル吸引およびワイプ動作(回復動作)を実行するように指示する。
2)制御部301が、回復部302を制御し、ノズル吸引を行なう。
3)制御部301が、回復部302を制御し、ワイプ動作を行なう。
4)その後、メンテナンスユニット2でのメンテナンス動作を行なう。
上記のように、2つのメンテナンスユニットを設けても、その連携が疎な場合には、2箇所にメンテナンスユニットを設ける十分な効果が期待できない。これに対し、メンテナンスユニット2と予備メンテナンスユニット3とを連携動作させることにより、オペレーションミスの防止、および、作業時間の短縮を図ることができる。
図21は、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置の構成の変形例を示したブロック図である。図21を参照して、本変形例では、主制御部4において、2つのタイマー回路402A,402Bが設けられている。また、メンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3において、それぞれ、キャップ確認センサ205,304が設けられている。
「第1タイマー部」としてのタイマー回路402Aは、簡易キャップ部204またはキャップ部303によるインクジェットヘッド部1のキャップが解除されてからの時間を計測する。他方、「第2タイマー部」としてのタイマー回路402Bは、簡易キャップ部204によるインクジェットヘッド部1のキャップが継続している時間を計測する。
図22,23に示すフロー図を参照して、簡易キャップ部204およびキャップ部303によるキャップが解除されたことは、キャップ確認センサ205,304により確認することが可能である(S410)。簡易キャップ部204およびキャップ部303によるキャップの解除が確認されると、タイマー回路402Aが作動する(S420)。S430において、簡易キャップ部204またはキャップ部303によるキャップが開始されている場合は、タイマー回路402Aがリセットされる(S431)。S430において、簡易キャップ部204またはキャップ部303によるキャップが開始されていない場合は、タイマー回路402Aの作動が継続される(S432)。そして、所定時間が経過すると、自動的に簡易キャップ部204によるキャップを開始する(S440)。すなわち、主制御部4は、タイマー回路402Aにより簡易キャップ部204およびキャップ部303によるキャップが解除されてから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、簡易キャップ部204によるキャップを行なうようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する。
このようにすることで、簡易キャップ部204によるキャップを定期的に行なうことができるので、インクジェットヘッド部1の乾燥による不吐出を低減することができる。
簡易キャップ部204によるキャップが開始されると、タイマー回路402Bが作動する(S450)。S460において、簡易キャップ部204によるキャップが解除されている場合は、タイマー回路402Bがリセットされる(S461)。S460において、簡易キャップ部204によるキャップが解除されていない場合は、タイマー回路402Bの作動が継続される(S462)。そして、簡易キャップ部204によるキャップが所定時間が継続すると、自動的に簡易キャップ部204によるキャップを解除するとともに(S470)、キャップ部303によるキャップを開始する(S480)。すなわち、主制御部4は、タイマー回路402Bにより簡易キャップ部204によるキャップが所定時間以上継続したことが検知されたことに基づいて、キャップ部303によるキャップを行なうようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する。
このようにすることで、キャップ部303によるキャップを定期的に行なうことができる。簡易キャップ部204によるキャップは、インクジェットヘッド部1を溶媒環境に留めるだけであり、長期保管は不可能である。簡易キャップ部204によるキャップのみでは、インクジェットヘッド部1のノズル面にインクが累積して固着する場合がある。インクが固着すると、予備メンテナンスユニット3による回復動作を複数回連続して行なわなければ回復しない場合があり、インクの浪費の増加やメンテナンス時間の増大という問題が発生する。これに対し、キャップ部303によるキャップを定期的に行なうことにより、インクジェットヘッド部1の乾燥による不吐出を低減することができる。
なお、本実施の形態において、主制御部4は、メンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御するCPU401と、インクジェットヘッド部1の使用可能なノズルを選定する使用ノズル決定部406とを機能させることで、上述した2つのメンテナンスユニットをもってしてもインクの安定吐出が困難なインクであっても、産業用途にインクジェット塗布プロセスを高精度に適用させることができる。
図24に示すフロー図を参照して、不良検知動作(S510)により、メンテナンスユニット2の検知部202により上記不良の発生が検知される(S520)とともに、当該不良がメンテナンスユニット2の回復部203により回復できないと制御部201により判断される(S530)と、主制御部4は、予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスを行なうようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御する(S540)。さらに、安定吐出が非常に困難なインクを使用する場合は、予備メンテナンスユニット3によっても回復不可能な不良が発生することがあり、吐出対象基板の一部の1ノズルから数十ノズルを使用して機能性インクを局所的に塗布するような修正プロセスにおいては、過度なメンテナンスを回避することで、生産性を向上させることができ、現在プロセスで使用しているノズルおよび少なくとも使用ノズルの隣接ノズル(望ましくは隣接2ノズル目まで)のノズルについて予備メンテナンスユニット3でのメンテナンス後に再度メンテナンスユニット2の検知部202により不良の有無を検知し(S550)、判断部201により未だ不良が回復しないと判断された(S560)場合は、使用ノズル決定部406により次回プロセスで使用するノズルを少なくとも隣接ノズル(望ましくは隣接2ノズル目まで(連続で5ノズルが安定な中央位置のノズル))が安定吐出である使用可能ノズルから選定する(S570)。
上記フローについて、より詳細に説明する。主制御部4は、インクジェットヘッド部1の使用可能なノズルを選定する使用ノズル決定部により、メンテナンスユニット2においてインクジェットヘッド部1のインク不吐出を「吐出検査機能」(検知部)により検知したとき、その不良を「捨て吐出機能」や「液面揺動機能」等の軽度のメンテナンス機能(回復部)にて回復させることを試みるように制御する。その後、不良が回復部203により回復できたか否かを再度検知部にて検査し、主制御部4はメンテナンスユニット2の回復動作後の吐出検査の結果を受けて、その不良がメンテナンスユニット2の簡易的なメンテナンスによって回復すれば、この時点でインクジェットヘッド部1のメンテナンスを終了することとなるが、メンテナンスユニット2の回復部203により回復できないと判断部により判断された場合は、より物理的、化学的に強力で効果的なインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なうことができる予備メンテナンスユニット3によるメンテナンスを行なえるようにメンテナンスユニット2をインクジェットヘッド部1の位置から退避させ、インクジェットヘッド部1を予備メンテナンスユニット3の位置に移動させて予備メンテナンスユニット3のメンテナンス動作ができるように制御する。さらに。予備メンテナンスユニット3による「超音波洗浄機能」、「ワイパー機能」、「ノズルからの強力なインク吸引機能」等を実施し、予備メンテナンスユニット3のメンテナンス後にメンテナンスの良否判定をメンテナンスユニット2に搭載した検知部および判断部により行うが、このとき予備メンテナンスユニット3にもメンテナンスユニット2に搭載されている検知部および判断部と同等の機能を搭載して予備メンテナンスユニット3でメンテナンス後のヘッド吐出状態の良否判定を行なってもよい。
この時点で、インクジェットヘッド部1において全てのノズルからのインク吐出が良好な状態になっていれば問題ないが、インクジェットヘッド部1のノズルのインクメニスカスでのインク溶媒成分の乾燥によるインクの顕著な増粘やノズル部におけるインクメニスカスでの溶媒や溶質の配向の変化によるインク成分の分散状態の変化や化学反応によるインク物性の変化によって安定な吐出を行うことが難しいインクやインクの成分によっては溶存空気を脱気した場合であってもインクジェット駆動を行う時やインク流路中のフィルタをインクが通過した時にインクジェットヘッド内部に極僅か残存していた微細な気泡がキャビテーションによって膨張および浮遊し易く、また一旦気泡が発生すると脱気されたインクへの気泡の溶解に時間がかかるインクなどを使用したときは、インクジェットヘッド部1の全てのノズルから良好なインク吐出ができるようにメンテナンスを行うことが非常に困難な場合がある。一部の不吐出ノズルを有する状態でインクジェットヘッド部1を稼動させてインクジェット塗布プロセスを行うことが得策である場合もあり、過度のメンテナンスによってインクジェットヘッド部1への物理的、化学的ダメージを過度に加えることでノズル面の傷やノズルの剥がれ、インクジェットヘッド部1の構成部材の化学変化によるインク吐出特性の変化などを誘発して、インクジェットヘッド部1の交換頻度が増えてしまい生産性が著しく低下することや、過度のメンテナンスによってメンテナンス時間が増大し、装置の稼動率が低下して生産性を著しく低下させることや、過度のメンテナンスによってメンテナンスに使用する洗浄液等の間接部材を多く消費することで装置のランニングコストが増大して生産性を著しく低下させるといった問題があり、一部のノズルが使用できない状態であってもインクジェット塗布プロセスが可能であれば、全てのノズルからの安定吐出を追及せず、過度の強力なメンテナンスを回避することが好ましい。
次いで、メンテナンスユニット2で回復不可能と判断された後に、予備メンテナンスユニット3でのメンテナンスによっても回復ができないと判断された場合は、再度予備メンテナンスユニット3でのメンテナンスを行ってもよいが、主制御部4にてインクジェットヘッド部1のノズルの吐出状態(インク吐出状態が良好で使用可能なノズルの数や位置)とインクジェット塗布プロセスに最低限必要なノズル数等を比較して、一部のノズルが不吐出状態であってもインクジェット塗布プロセスが可能であると判断された場合は、主制御部4に含まれる使用ノズル決定機能により不良が発生しているインクジェットヘッド部1の不良ノズル以外の使用可能ノズルを選択してインクジェット塗布を行うようにメンテナンスユニット2および予備メンテナンスユニット3を制御して、過度なメンテナンスを行なうことなく、インクジェット塗布プロセスを実施するようにインクジェットヘッド部1を制御する。このとき、本実施例ではカラーフィルタの製造プロセスを対象としてカラーフィルタ基板の全面(全画素)にカラーインクをインクジェット塗布するプロセスおよびその装置について説明してきたが、カラーフィルタの修正プロセスにおける特定画素へのカラーインク塗布プロセスやTFT基板の配線修正プロセスにおける特定断線箇所への金属微粒子含有インク塗布プロセスなどでは、使用するノズルは1個から数十個あれば十分にインクジェット塗布プロセスを行なうことができるため、上記使用ノズルを選択する機能は特に有効であり、生産性の高いインクジェット塗布プロセスを実現することができる。
次に、使用ノズルを選択する使用ノズル決定機能について説明する。上述したようにインクジェットヘッド部1の全てのノズルを吐出可能とするようにメンテナンスを行なうとき、産業用途のインクにおいてはインクメニスカスでのインク固化膜に対してインクやインク溶媒等の洗浄液への再溶解性が低く、またインク固化膜が強固で超音波振動による破壊性が低く、そのためメンテナンスによるインク吐出の回復性が低いインクやインクジェットヘッド駆動等によるキャビテーションによる気泡発生がしやすいインクやノズルから駆動時にエアを噛み込み易いインクで気泡の排除性が低い場合は、インクの安定吐出が非常に困難である。一方で、上述したようにインク吐出基板の一部に機能性膜を形成するような修正プロセスなどでは、インクジェットヘッド部1が有する全てのノズルを使用せずにインクジェット塗布プロセスを行う場合が多々あり、不吐出ノズルや吐出が不安定なノズル以外のノズルでインクジェット塗布プロセスを行うことができる場合は、過度の強力なインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行ない、生産性を低下させることなく装置稼動を行なうことができる。しかしながら、このとき吐出が不安定なノズルや不吐出ノズルを除く一見すると安定な吐出状態であると思われるノズルのいずれを使用ノズルとして選択しても良いわけではない。表1に示すように、不吐出ノズルの隣接ノズルからのインク吐出体積と吐出速度とが、正常な状態からそれぞれ1.5〜1.9%減および2.5〜3.0%減というインク吐出特性に変化している。また、表2に示すように、不吐出ノズルの隣接ノズルからのインク吐出体積と吐出速度が正常な状態を維持しておりインク吐出特性に変化が無い場合や表3のように隣接2ノズル目まで影響を受けている場合がある。また、表4のように不良ノズルが不吐出ではなく、吐出液滴によるレーザ光の遮光率測定を行う検査の結果、遮光率が正常時と異なり測定時間内(1000滴目までの積算受光量)での遮光率の再現性や遮光率の瞬時値の変化が大きく吐出不安定と判断されたノズルの隣接ノズルにおいても若干のインク吐出特性変化が見られる。プリンターやファックスなどの民生用途においてはインク不吐出は致命的であるが、不良ノズルを使用しなければ、不良ノズルの隣接ノズルを含むノズルによってインクジェット記録を行った場合でも印刷物の品質を著しく低下させることはないが、機能性塗膜を所定の膜厚および所定位置に正確にインクジェット塗布プロセスを行う必要がある産業用途においては、致命的な特性変動であり、使用ノズルとして不安定ノズルの隣接ノズルを選択すべきではない。
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上述した不良ノズルに隣接したノズルのインク吐出特性の変化の原因は、表1〜4の備考欄に記した不良原因を実験的に施したものであり、実際の装置稼動時に発生する不良の原因を特定することは極めて困難であり、少なくとも不良ノズルの隣接ノズル(両側方1ノズル)はインク吐出特性が変化している可能性が高いため、使用ノズルとして選定すべきではなく、望ましくは不良ノズルの両側方2ノズル目までは何らかのインク吐出特性が変化している可能性があるため、使用ノズルとして選定すべきでない。
インクジェットヘッド部1のインクジェットヘッドは、インクを蓄えているインク室内のインクにインク室の構成部材の一部である圧電材料への電圧印加(インクジェット駆動)によって、隣接ノズルのインク室との隔壁が「く」の字型に変形するように駆動する図示しないシェアモードタイプのピエゾ方式インクジェットヘッドであり、インク室内に衝撃波を発生させ、制御することでインク室に連通したノズル孔からインクを吐出する。ほかに、インク室の隔壁を押し込むように圧電材料が駆動する図示しないダイレクトモードタイプのピエゾ式インクジェットヘッドが産業用途では一般的に使用されており、いずれのタイプのインクジェットヘッドであってもインク室内のインク圧力を制御してノズルからのインク吐出を行うもので、隣接インク室に気泡等があった場合は駆動しているインク室内部のインク圧力変動の影響として、圧縮率の低い気泡が存在する隣接インク室の隔壁を変形させやすく、吐出させるために印加したインク圧力が隔壁を変形させたり、インクの衝撃波を制御してインク吐出させるときにインク室隔壁の変形によってインクの音速(インク室内のインクの圧縮率)が変化して適切な衝撃波の制御ができなくなって、吐出速度の変化や吐出体積の変化として現れると考えられる。ただし、ダイレクトモードのインクジェットヘッドの方が隣接ノズルおよびさらに遠方のノズルへのインク吐出特性変化を及ぼす影響が小さいが、0・5〜1%以下の膜厚制御が要求される機能性膜を形成する産業用途においては、インクジェットヘッドのタイプを問わず留意すべき特性変動である。
上述した内容について要約すると、以下の様になる。すなわち、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、載置台100に載置された「被吐出物」としてのガラス基板200に対してインクを吐出するインクジェット塗布装置であって、ガラス基板200に対して相対的に移動可能に設けられ、ガラス基板200に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部1と、インクジェットヘッド部1のメンテナンスを実施可能な「第1メンテナンス部」としてのメンテナンスユニット2および「第2メンテナンス部」としての予備メンテナンスユニット3とを備える。メンテナンスユニット2は、インクジェットヘッド部1との相対位置関係を維持したまま移動可能である。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1に係るインクジェット塗布装置の変形例であって、図2に示すように、インクジェットヘッド部1と同一のユニット内に設けられたメンテナンスユニット駆動部20Aによりメンテナンスユニット2を駆動することを特徴とする。このようにすることで、インクジェット塗布装置の装置の構成が簡素となり、塗布の精度が向上したり、コストダウンにつながる場合がある。また、メンテナンスユニット駆動部20Aは、インクジェットヘッド部1の直近に配置しやすく、図1の構造と比較して、わずかながらインクジェットヘッド部1の放置時間(デキャップ時間)を削減することができる。
なお、図1の構造を採用するか、図2の構造を採用するかについては、使用するインクジェットヘッド部1の性質や、ガラス基板200へのインクの吐出精度や、使用するインクの特性に合わせて、適宜決定される。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1および実施の形態2に係るインクジェット塗布装置の変形例であって、図3に示すように、ガラス基板200に対して第1方向(Y方向)に移動可能な「第1可動部」としてのガントリー10と、ガントリー10に取り付けられ、ガントリー10に対して第1方向(Y方向)に交差する第2方向(X方向)に移動可能な「第2可動部」としての駆動部10Aとによりインクジェットヘッド部1を移動させることを1つの特徴としている。また、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、予備メンテナンスユニット3を、固定ユニットとしていることを他の特徴としている。
本実施の形態においても、メンテナンスユニット2は、インクジェットヘッド部1との相対位置関係を維持したまま移動可能である。また、予備メンテナンスユニット3は、駆動部10Aの可動範囲内に設けられており、必要に応じて、インクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なうことが可能である。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態3に係るインクジェット塗布装置のより詳細な具体例であって、図4に示すように、メンテナンスユニット2に、上述した「吐出検査機能」および「液ダレ検知機能」のためのレーザ2Aと、キャップ2Bとを設けている点を特徴とする。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態5)
図5は、実施の形態5に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1に係るインクジェット塗布装置の変形例であって、図5に示すように、予備メンテナンスユニット3を載置台100の外側に固定状態で設けたことを特徴とする。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態6)
図6は、実施の形態6に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1に係るインクジェット塗布装置の変形例であって、図6に示すように、予備メンテナンスユニット3を載置台100の外側に可動状態で設けたことを特徴とする。
予備メンテナンスユニット3を駆動する予備メンテナンスユニット駆動部30Aとしては、比較的精度が低いものも使用可能であり、たとえば、ボールねじ移動機構が使用可能である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置では、予備メンテナンスユニット3を可動にすることで、インクジェットヘッド部1のメンテナンス位置を自由に設定することができる。また、図6の例では、予備メンテナンスユニット3をY方向に可動としているが、予備メンテナンスユニット3をX方向に可動としてもよいし、X方向およびY方向に可動としてもよい。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態7)
図7は、実施の形態7に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1〜6に係るインクジェット塗布装置の変形例であって、図7に示すように、ガントリー10を固定ガントリーとし、ガラス基板200を載置する載置台100を載置台駆動部100AによってY方向に移動させることによってインクジェットヘッド部1をガラス基板200上の所定の位置に位置させることを特徴とする。
本実施の形態に係るインクジェット塗布装置では、装置が全体として大型化するが、ガントリー10を固定することで、高精度のインクジェット塗布を行なうことが可能になる。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態8)
図8は、実施の形態8に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態7に係るインクジェット塗布装置のより詳細な具体例であって、図8に示すように、メンテナンスユニット2に、上述した「吐出検査機能」および「液ダレ検知機能」のためのレーザ2Aと、キャップ2Bとを設けている点を特徴とする。
なお、その他の事項については、上述の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態9)
図9は、実施の形態9に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態3に係るインクジェット塗布装置のさらなる変形例であって、ガラス基板200の主表面(X−Y平面)方向に対して直交する方向(Z方向)にインクジェットヘッド部1を移動させる駆動部10Bを設けた点を特徴とする。
インク吐出時のガラス基板200とインクジェットヘッド部1の先端との距離は1mm以下程度になる場合もある。メンテナンスユニット2を1mm以下程度の厚みで作製することは現実的に困難である。これに対し、本実施の形態に係るインクジェット塗布装置では、Z方向にインクジェットヘッド部1を昇降させる駆動部10Bを設けることにより、メンテナンスユニット2でインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なう時には、インクジェット部1を上昇させ、それ以外のときには下降させることが可能である。すなわち、本実施の形態では、メンテナンスユニット2でインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なう時と、予備メンテナンスユニット3でインクジェットヘッド部1のメンテナンスを行なう時とで、ガラス基板200に対するインクジェットヘッド部1の高さが異なる。このようにすることで、インク吐出時のガラス基板200とインクジェットヘッド部1の先端との距離が小さい場合にも、所定の機能を有するメンテナンスユニット2を設けることができる。
(実施の形態10)
図10は、実施の形態10に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態7に係るインクジェット塗布装置の特徴部分と、実施の形態9に係るインクジェット塗布装置の特徴部分とを組み合わせたものであるので、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態11)
図11は、実施の形態11に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態1に係るインクジェット塗布装置の特徴部分と、実施の形態9に係るインクジェット塗布装置の特徴部分とを組み合わせたものであるので、詳細な説明は繰り返さない。
(実施の形態12)
図12は、実施の形態12に係るインクジェット塗布装置を示した図である。本実施の形態に係るインクジェット塗布装置は、実施の形態2に係るインクジェット塗布装置の特徴部分と、実施の形態9に係るインクジェット塗布装置の特徴部分とを組み合わせたものであるので、詳細な説明は繰り返さない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 インクジェットヘッド部、1A ノズル孔、2 メンテナンスユニット、2A レーザ、2A1 発光素子、2A2 受光素子、2B キャップ、3 予備メンテナンスユニット、3A 超音波洗浄装置、3A1 洗浄液槽、3A2 超音波振動子、4 主制御部、10 ガントリー、10A,10B 駆動部、20,20A メンテナンスユニット駆動部、30,30A 予備メンテナンスユニット駆動部、100 載置台、100A 載置台駆動部、200 ガラス基板、201 制御部、202 検知部、203 回復部、204 簡易キャップ部、205 キャップ確認センサ、301 制御部、302A,302B 回復部、303 キャップ部、304 キャップ確認センサ、401 CPU、402,402A,402B タイマー回路、403A,403B 通信モジュール、404 メモリ、405 外部記憶素子、406 使用ノズル決定部。

Claims (15)

  1. 載置台に載置された被吐出物に対してインクを吐出するインク吐出装置であって、
    前記被吐出物に対して相対的に移動可能に設けられ、該被吐出物に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部と、
    前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを実施可能な第1メンテナンス部および第2メンテナンス部とを備え、
    前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の少なくとも一方は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記被吐出物に対して第1方向に移動可能な第1可動部と、
    前記第1可動部に取り付けられ、該第1可動部に対して前記第1方向に交差する第2方向に移動可能な第2可動部とをさらに備え、
    前記インクジェットヘッド部は、前記第2可動部に取り付けられ、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記第2メンテナンス部は、前記第2可動部の可動範囲内に設けられている、インク吐出装置。
  2. 前記第2メンテナンス部は、前記第1メンテナンス部とは異なる機能を有する、請求項1に記載のインク吐出装置。
  3. 前記第1メンテナンス部は、吐出検査機能、液ダレ検知機能、捨て吐出機能、液面揺動機能およびキャップ機能のうち少なくとも1つの機能を有し、
    前記第2メンテナンス部は、吐出不良の回復機能、ノズル面の汚れの除去機能のうち少なくとも1つの機能を有する、請求項1または請求項2に記載のインク吐出装置。
  4. 前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記第2メンテナンス部は、前記載置台の外側に設けられている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のインク吐出装置。
  5. 前記第2メンテナンス部は、前記載置台の外側で可動に設けられている、請求項4に記載のインク吐出装置。
  6. 載置台に載置された被吐出物に対してインクを吐出するインク吐出装置であって、
    前記被吐出物に対して相対的に移動可能に設けられ、該被吐出物に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部と、
    前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを実施可能な第1メンテナンス部および第2メンテナンス部とを備え、
    前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の少なくとも一方は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記被吐出物を第1方向に移動させることが可能な第1可動部と、
    前記被吐出物に対して前記第1方向に交差する第2方向に移動可能な第2可動部とをさらに備え、
    前記インクジェットヘッド部は、前記第2可動部に取り付けられ、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記第2メンテナンス部は、前記第2可動部の可動範囲内に設けられている、インク吐出装置。
  7. 前記第2メンテナンス部は、前記第1メンテナンス部とは異なる機能を有する、請求項6に記載のインク吐出装置。
  8. 前記第1メンテナンス部は、吐出検査機能、液ダレ検知機能、捨て吐出機能、液面揺動機能およびキャップ機能のうち少なくとも1つの機能を有し、
    前記第2メンテナンス部は、吐出不良の回復機能、ノズル面の汚れの除去機能のうち少
    なくとも1つの機能を有する、請求項6または請求項7に記載のインク吐出装置。
  9. 前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、前記不良を回復させる回復部と、前記不良が前記回復部により回復可能かを判断する判断部とを含み、
    前記制御部は、前記検知部により前記不良の発生が検知されるとともに、当該不良が前記回復部により回復できないと前記判断部により判断されたことに基づいて、前記第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御する、請求項1から請求項8のいずれかに記載のインク吐出装置。
  10. 前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、前記不良を回復させる回復部とを含み、
    前記制御部は、前記検知部により前記不良の発生が検知された後、前記第1メンテナンス部によって回復動作を所定回数繰り返した上で前記検知部により前記不良が再度検知されたことに基づいて、前記第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御する、請求項1から請求項8のいずれかに記載のインク吐出装置。
  11. 前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2メンテナンス部によるメンテナンスが完了してからの時間を計測するタイマー部を含み、
    前記制御部は、前記タイマー部により前記第2メンテナンス部によるメンテナンスが完了してから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、前記第2メンテナンス部によるメンテナンスを再度行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御する、請求項1から請求項8のいずれかに記載のインク吐出装置。
  12. 前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさらに備え、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部をキャップする第1キャップ部を含み、
    前記第2メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部をキャップする第2キャップ部を含み、
    前記制御部は、前記第1キャップ部または前記第2キャップ部による前記インクジェットヘッド部のキャップが解除されてからの時間を計測する第1タイマー部と、前記第1キャップ部による前記インクジェットヘッド部のキャップが継続している時間を計測する第2タイマー部とを含み、
    前記制御部は、前記第1タイマー部により前記第1キャップ部および前記第2キャップ部によるキャップが解除されてから所定時間が経過したことが検知されたことに基づいて、前記第1キャップ部によるキャップを行なうとともに、前記第2タイマー部により前記第1キャップ部によるキャップが所定時間以上継続したことが検知されたことに基づいて、前記第2キャップ部によるキャップを行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御する、請求項1から請求項8のいずれかに記載のインク吐出装置。
  13. 載置台に載置された被吐出物に対してインクを吐出するインク吐出装置であって、
    前記被吐出物に対して相対的に移動可能に設けられ、該被吐出物に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部と、
    前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを実施可能な第1メンテナンス部および第2メンテナンス部とを備え、
    前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の少なくとも一方は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の動作を制御可能な制御部をさ
    らに備え、
    前記制御部は、前記インクジェットヘッド部の使用可能なノズルを選定する使用ノズル決定部を含み、
    前記第1メンテナンス部は、前記インクジェットヘッド部の不良を検知する検知部と、前記不良を回復させる回復部と、前記不良が前記回復部により回復可能かを判断する判断部を含み、
    前記制御部は、前記検知部により前記不良の発生が検知されるとともに、当該不良が前記回復部により回復できないと前記判断部により判断されたことに基づいて、前記第2メンテナンス部によるメンテナンスを行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御し、さらに前記第2メンテナンス部によるメンテナンス後において、前記第1メンテナンス部の検知部および判断部により前記不良が前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部によるメンテナンスによって回復ができないと判断されたことに基づいて、前記制御部の使用ノズル決定部により、前記不良を発生させた前記インクジェットヘッド部の不良ノズル以外の使用可能ノズルを選択してインク吐出を行なうように前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部を制御する、インク吐出装置。
  14. 前記使用ノズル決定部による使用可能なノズルの選択は、前記第1メンテナンス部の検知部および判断部により前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部によるメンテナンスによって回復ができないと判断された前記不良ノズルと前記不良ノズルに並列するノズル列における前記不良ノズルの一側方において少なくとも1ノズル目までの両側方で少なくとも2ノズルとを除く、吐出状態の正常なノズルから使用ノズルを選択することを含む、請求項13に記載のインク吐出装置。
  15. 載置台に載置された被吐出物に対してインクを吐出するインク吐出装置であって、
    前記被吐出物に対して相対的に移動可能に設けられ、該被吐出物に対してインクを吐出するインクジェットヘッド部と、
    前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを実施可能な第1メンテナンス部および第2メンテナンス部とを備え、
    前記第1メンテナンス部および前記第2メンテナンス部の少なくとも一方は、前記インクジェットヘッド部との相対位置関係を維持したまま移動可能であり、
    前記被吐出物の主表面方向に対して直交する方向に前記インクジェットヘッド部を移動させる駆動部をさらに備え、
    前記第1メンテナンス部で前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを行なう時と、前記第2メンテナンス部で前記インクジェットヘッド部のメンテナンスを行なう時とで、前記被吐出物に対する前記インクジェットヘッド部の高さが異なる、インク吐出装置。
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